1月2日のニュース:サファウィ・ラシドが2020年アジア最優秀選手の候補に、UITM FCはクロアチア出身GKと契約、クダFCはシンガポール代表MFを獲得

サファウィ・ラシドが2020年アジア最優秀選手の候補に
 スポーツ専門サイトのフォックススポーツアジアが選ぶ2020年アジア最優秀選手にノミネートされた24名の選手が発表され、その中にMリーグ1部ジョホール・ダルル・タジムJDTのサファウィ・ラシドが含まれていることが明らかになりました。
 昨季2020年シーズンは国内リーグMリーグでは7試合出場で7ゴールと活躍しただけでなく、アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLヴィッセル神戸戦ではゴールを決めるなどアジアレベルでも名前を残しています。(ただしJDTは新型コロナウィルスによる中断を挟んで再開されたACLグループステージの出場を辞退したため、正式記録扱いになっていません。)
 ノミネートされた24名中唯一、東南アジア出身のサファウィ選手ですが、残る23選手の中にはこの賞を過去6年間で昨年までの3年連続を含む計5回受賞しているソン・フンミンやファン・ヒチャン(いずれも韓国)や久保建英や遠藤航、冨安健洋らの日本勢、ショジャー・ハリルザデー(イラン)がいる他、ノミネート資格がAFC加盟国の代表チームや国内リーグでプレーする選手であることからJリーグでプレーするアンドレス・イニエスタ(スペイン)や中国リーグでプレーするアレックス・テイシェイラ(ブラジル)もノミネートされています。
(下はフォックススポーツアジアのFacebookに掲載されたノミネート選手のリスト)

UITM FCはクロアチア出身GKと契約
 昨季2020年シーズンに初めてMリーグ1部に昇格したUITM FCは、昇格1年目のシーズンを6位で終える好成績を収めました。しかしその躍進に貢献したラビ・アタヤ(レバノン)ら外国籍選手が他のMリーグクラブに移籍するなどして退団し、戦力ダウンが予想されています。
 そんな中、UTIM FCがクロアチア出身のGKドミニク・ピチャックと契約したとサッカー専門サイトのヴォケットFCが報じています。今回初めてアジアでプレーするというピチャック選手は28歳で、母国クロアチアのNKディナモ・ザグレブを皮切りにドイツでもプレーし、 昨季2020年シーズンはドイツ4部のSVバベルスベルク03に所属していたということです。この他、ピチャック選手はU19やU21代表でもプレー経験もあるということです。

クダFCはシンガポール代表MFを獲得
 Mリーグ1部クダ・ダルル・アマンFC(KDA FC-今季から、昨季まではクダFA)がシンガポール代表MFアヌマンサン・モハン・クマールを獲得しました。
 シンガポールの英字紙ニューペーパー電子版は、昨季2020年シーズンはシンガポールリーグのホウガン・ユナイテッドでプレーした26歳のアヌマンサン選手が1年契約結んだと報じ、その給料はホウガン・ユナイテッドFC時代から倍増したとも伝えています。
 「アヌ」の愛称で知られるアヌマンサン選手は国外でのプレーは初めていうことですが、同じシンガポール出身のアイディル・シャリンKDA FC監督がシンガポールリーグのホーム・ユナイテッドFC(現ライオンシティセイラーズFC)の監督時代にその下でプレーした経験があるそうです。
 そのアイディル監督もアヌマンサン選手に注目しており、現在は選手として成熟しているとし「現在、KDA FCには埋めなければいけないポジションがあるが、アヌはそこにピッタリとはまる選手である。」と話しています。
 KDA FCの他、今季からMリーグ1部に昇格するペナンFC(今季から、昨季まではペナンFA)、さらには国内リーグのタンピネス・ローヴァーズFCやライオン・シティー・セイラーズFCなどからも獲得オファーを受けていたことを明かしたアヌマンサン選手は、「これまでもいつか国外でプレーしたいと思ってきたが、今がその時だと決断した。」と述べています。
 アヌマンサン選手のKDA FC加入で、今季Mリーグでプレーするシンガポール出身選手はハリス・ハルン(JDT)、サフアン・バハルディン(スランゴールFC)、そしてKDA FCからペラFCに移籍したシャキル・ハムザと合わせて4名となります。

1月31日のニュース:2020年マレーシアサッカー重大ニュース(後編)

2020年最後の1日は昨日の前編に続き、今年のマレーシアサッカーをボラセパマレーシアJP的視点」振り返ります。

クラブ民営化がスタートも州サッカー協会の影響力は変わらず
 国内リーグMリーグは州対抗戦から発展した経緯があり、各州のサッカー協会(州FA)が運営するクラブが今季2020年シーズンで言えば、1部は12クラブ中7クラブが、2部は12クラブ中8クラブあります(2部は1部在籍クラブのセカンドチームも含む)。さらに政府系企業や警察、国立大学などの公的機関によって運営されているクラブも含めれば、1部と2部合わせた24クラブ中、民営化されているのは1部ではJDTとPJシティFC、2部はJDTのセカンドチームJDT IIの3クラブだけです。
 過去数年に渡ってリーグ参加クラブを民営化するようアジアサッカー連盟AFCから勧告を受けていたマレーシアサッカー協会FAMがようやく重い腰を上げたのが今年でしたが、そこで起こったのが新型コロナウィルスによるリーグ中断。州政府などの抗菌による支援を受けていたクラブは軒並み経営危機に陥りました。クラブは選手や監督、コーチの給料をカット、カットでも対応できる昨日取り上げた給料未払いとなる最悪のケースもありました。
 この公的資金依存体質を改善することも目的の一つとされるMリーグクラブの民営化ですが、FAMが全クラブが州FAから分離され民営化が完了したことを発表しても、クラブ関連のニュースが相変わらず州FAの公式サイトで発表され、運営会社の役員も州FAからの横滑りといった人事も見られます。FAMは「完全」民営化まで2年間の猶予を各クラブに与えていますが、それまでは見た目が変わっただけの旧態依然とした状況が続きそうです。

代表選手の国外リーグ挑戦はほぼ失敗
 去年から国外でプレーするドミニク・タン(タイ1部ポリス・テロFC)に加え、ノーシャルル・イドラン・タラハ(タイ1部BGパトゥム・ユナイテッド)、モハマドゥ・スマレ(タイ1部ポリス・テロFC)そして期限付き移籍でサファウィ・ラシド(ポルトガル1部ポルティモネンセSC)が今季は国外でのプレーを選びました。
 しかしノーシャルル選手は今年12月いっぱいまでの契約が延長されず退団、給料未払い問題を理由にパハンFAを離脱したスマレ選手も同様に12月以降の契約更新がなく対談が濃厚です。また1年間の期限付き移籍でポルトガルへ渡ったサファウィ選手も1度もリーグ戦に出場することなく帰国が決まっています。
 その一方で2年目のタン選手は先発フル出場する機会も増えているので、1年足らずでマレーシアへ戻る選手たちにはもう少し腰を落ち着けてプレーする覚悟があれば…といったところでしょうか。
 フル代表の選手が国外でパッとしない一方で、U19代表のルクマン・ハキム・シャムスディンがベルギー1部コルレイクKVと5年契約を結び、U23代表のハディ・ファイヤッドがJ2のファジアーノ岡山で3年目の契約更新を行うなど若い選手に期待する方が楽しみかもしれません。(ハディ選手はその後、出場機会を求めてJ3のアスルクラロ沼津へ期限付き移籍しています。)

日本人トリオがクチンFAの躍進に貢献
 クチンFAは昨季2019年はMリーグの3部に当たるM3リーグで2位となり、入れ替え戦に勝利して今季2部に昇格したクラブです。そのクチンFAは今季2部で4位と大躍進を果たしましたが、それを支えたのがMリーグで初の日本人監督となった東山晃監督と昨年からクチンFAでプレーする鈴木雄太選手、そして大卒即プロデビューとなった谷川由来選手の日本人トリオです。
 リーグ上位に与えられるマレーシアカップへもクラブ史上初めて出場も果たし、クラブの歴史に名前を残した3名ですが、東山監督と谷川選手はケランタン・ユナイテッドFCへ加入し、鈴木選手は来季もクチンFAでプレーします。

中武駿介がアシスト王に
 所属したMリーグ2部ヌグリスンビランFAは今季11位となったものの、チームの12ゴールの半数近くに絡む5アシストを記録し、クチンFAのハドソン・ディアスと共にリーグのアシスト王に輝いています。
 今季終了後には複数クラブからオファーを受けながら引退を選択したのは残念でしたが、2016年に今は消滅してしまったクアンタンFAに加入し、PDRM FC、そしてヌグリスンビランFAとMリーグで長きに渡ってプレーした中武選手。本当にお疲れ様でした。

Mリーグに日本出身選手が急増
 昨季2019年シーズンは上記の鈴木選手(クチンFA)や中武選手(ヌグリスンビランFA)の他、1部のフェルダ・ユナイテッドFCに渡邉将基選手、池田圭選手が、2部のトレンガヌFC IIには鈴木ブルーノ選手と5名しかいなかったMリーグの日本出身選手ですが、今季2020年は渡邉選手はケランタンFAへ移籍し、池田選手は退団、他の3選手は昨季と同じチームに所属しました。この4名に加えて、フェルダ・ユナイテッドFCには恵龍太郎選手が、クチンFAには谷川由来選手が、JDT IIには廣瀬慧選手が加入した他、M3リーグにも岸健太(PIB FC)、木下怜耶(アルティメイトFC)、高山龍(ランカウィシティ)、宮崎崚平(ムラワティFC)、米澤淳司(スマラクFC)の5名の日本出身選手が加入し、日本出身選手の数が昨季の倍以上になりました。
 この内、鈴木雄太選手は来季もクチンFA、谷川選手はケランタン・ユナイテッドFC加入、渡邉選手は同じマレー半島東海岸のトレンガヌFC II加入が発表されています。また廣瀬選手は2年契約の2年目で、この4選手は来季もMリーグで観戦できそうです。
 さらにケランタン・ユナイテッドFCにビッグネーム加入!昨日12月30日に元日本代表の本山雅志選手が加入することが発表されました。
 マレーシアのトランスファーウィンドウは来年2月1日までなので、今後も日本人選手が増えることを期待して、今年のブログを締めくくらせていただきます。皆様、良いお年をお迎え下さい。

12月21日のニュース:今季のMリーグ年間表彰式はオンライン開催-東山晃監督は最優秀監督候補に、タイ1部リーグ第15節-タンとスマレ所属のポリス・テロFCは下位クラブに大敗

今季のMリーグ年間表彰式はオンライン開催-東山晃監督は最優秀監督候補に
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは公式Facebook上で、今季2020年シーズンのナショナルフットボールアウォード(ABK20)表彰式を12月30日にオンラインで開催することを発表しています。
 今回で第20回となるこの表彰式はMリーグの今季最後の行事ですが、初のオンライン開催となるだけでなく、ファンが投票することができる初の表彰式となることが発表されています。
 Mリーグ1部と2部各クラブの監督、主将、メディアそれぞれ24名で構成される従来の審査員による投票が今回は全体の70%となり、残る30%がファン投票に配分され、最優秀ゴールキーパー、最優秀ディフェンダー、最優秀ミッドフィルダー、最優秀ストライカー、最優秀監督の5部門で投票は12月21日午前10時より12月25日午後11時59分までMリーグの公式FacebookTwitterInstagramで受け付けるということです。
 なお各部門の候補選手10名は以下の通りです。
<最優秀ゴールキーパー部門>
ファリザル・マーリアス(JDT)
イクバル・スハイミ(クチンFA)
カラムラ・アルハフィズ・マット・ロウィ(PJシティFC)
カイルル・ファミ・チェ・マット(マラッカU)
カイルルアズハン・カリド(スランゴールFC)
レメゼイ・チェ・ロス(UKM FC)
サミュエル・サマヴィル(ペナンFA)
シャビニー・アラウィ・ラムリ(パハンFA)
スハイミ・ハサン(トレンガヌFC II)
ザミル・スラマット(クアラルンプールFA)

<最優秀ディフェンダー部門>
アイディル・ザフアン・アブドル・ラザク(JDT)
アズミ・ムスリム(ペナンFA)
ラヴェル・コービン=オング(JDT)
マシュー・デイヴィーズ(JDT)
ラフィウディン・ロディン(ペラTBG)
シャールル・ニザム・ロス・ハスニ(ケランタンFA)
シャールル・サアド(ペラTBG)
シャキール・ハムザ(クダFA)
ヴィクトル・ニレノルド(UITM FC)
ワン・アミルル・アフィク・ワン・アブドル・ラーマン(マラッカU)

<最優秀ミッドフィルダー部門>
アフィク・ファザイル(JDT)
ブレンダン・ガン(スランゴールFC)
ファイサル・アブドル・ハリム(パハンFA)
ゴンザロ・カブレラ(JDT)
レアンドロ・ドス・サントス(ペラTBG)
レアンドロ・ヴェラスケス(JDT)
リー・タック(トレンガヌFC)
ノー・アザム・アブドル・アジー(パハンFA)
サファウィ・ラシド(JDT)
シャミ・サファリ(スランゴールFC)

<最優秀ストライカー部門>
カサグランデ(ペナンFA)
ジオゴ(JDT)
ドミニク・ダ・シルヴァ(トレンガヌFC)
アンク・ヌル・シャキル・アンク・ヤコブ(トレンガヌFC II)
フェルナンド・ロドリゲス(JDT II)
フランシス・コネ(クアラルンプールFA)
イフェダヨ・オモスイ(スランゴールFC)
ラマダン・サイフル・ウスマン(JDT)
シャーレル・フィクリ・ファウジ(ペラTBG)
チェチェ・キプレ(クダFA)

<最優秀監督部門>
アイディル・シャリン・サハク(クダFA)
東山晃(クチンFA)
ベンヤミン・モラ(JDT)
フランク・バーンハート(UITM FC)
マンゾール・アズウィラ・アブドル・ワヒド(ペナンFA)
メフメト・ドゥラコビッチ(ペラTBG)
マイケル・ファイヒテンバイナー(スランゴールFC)
ナフジ・ザイン(トレンガヌFC)
ニザム・アズハ・ユソフ(クアラルンプールFA)
ユスリ・チェ・ラー(ケランタンFA)

 また今季の年間表彰式では、従来行われていた最優秀チーム、最優秀外国籍枠選手、最優秀アセアン東南アジア枠選手などの表彰は行われないということです。
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 今季は新型コロナウィルスによるMリーグが5ヶ月以上中断された影響で日程は短縮、試合数も半減してしまったこともあるかと思いますが、各部門の候補にはMリーグ1部と2部の選手、監督が混在する形になっています。
 ボラセパマレーシアJP的に注目なのは今季Mリーグ2部でクチンFAを率い、2部昇格1年目ながら今季4位へ躍進させた日本出身の東山晃監督が最優秀候補に上がっていることです。日本国外で日本人指導者が年間表彰の対象になるのは稀有なことですが、今季はそうなるだけの実績を十分に残した東山監督がマレーシアサッカー界でどの様に評価されるのかに注目です。

タイ1部リーグ第15節-タンとスマレのポリス・テロFCは下位クラブに大敗
 タイ1部リーグは12月18日と19日に第15節が行われ、マレーシア代表のDFドミニク・タンとFWモハマドゥ・スマレが所属するポリス・テロFCはアウェイでナコーンラーチャシーマー・マツダFCと対戦し、0−4で敗れています。
 タン選手は先発出場し、64分に住まれ選手と交代、スマレ選手は試合終了まで出場しています。
 試合前の順位はポリス・テロFC9位、ナコーンラーチャシーマー・マツダFC14位、しかも前節では9試合ぶりの勝利を挙げたポリス・テロFCは勝利が期待されていましたが、この敗戦でポリス・テロFCは今季成績を5勝4分6敗とし11位に後退、ナコーンラーチャシーマー・マツダFCは13位に浮上しています。
 ポリス・テロFCは次節第16節では、現在16位最下位で、昨季はMリーグのPKNP FCでプレーしたDFアマニ・アギナルド(フィリピン)が所属するタラートFCとホームで対戦します。


 

12月16日のニュース:FAMは前AMD責任者のリム氏のコメントに反論、タイ1部リーグ第14節-タンとスマレが揃って先発しチームは9試合ぶりの勝利、前スランゴールFC監督はサラワクUのTDに就任

FAMはリム氏のコメントに反論
 マレーシアサッカー協会FAMとマレーシア政府青年スポーツ省傘下の国家スポーツ評議会NSCが共同で運営する「U20育成チーム」は来季2021年のMリーグ2部に参加しますが、この案にNSC傘下の国家サッカー選手養成プログラムやその中核となるエリートアカデミーのモクタル・ダハリアカデミーAMDの前責任者であるリム・ティオンキム氏が反対しているという記事を昨日、紹介しましたが、FAMは早速これに反論しています。
 FAMのスバハン・カマル会長代理は、リム氏のコメントはあくまでも彼個人の見解であり、FAMは国内の若い選手に継続して実践経験を積ませることを重視しており、今回のリーグ参加はその場を提供することが目的である。」と話しています。
 さらにカマル会長代理は「FAMは若い選手、特にAMDの卒業生については、国内リーグでしか通用しない選手に育てるのではなく、フル代表で他国の代表選手と渡り合った際に役立つような経験を積ませたい。」と話し、将来的にはさらに経験を積むために国外遠征も視野に入れていることを明らかにしています。
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 アイディア自体は悪くないとは思いますが、カマル会長代理が話すように、将来の代表育成が目的ならば、なぜAMD卒業生40名全員を囲い込まず、トップ層の12名だけはスランゴールFCとJDTと契約させたのかが疑問です。この年代のトップの育成はクラブ任せで、いわばどのチームも欲しがらなかった残り物の選手(失礼!)をFAMとNSCで育成、しかもその方法は単に既存のリーグに参加させるだけで将来の代表選手が育成できるのなら、苦労はありません。

タイ1部リーグ第14節-タンとスマレが揃って先発しチームは9試合ぶりの勝利
 タイ1部リーグは第14節が行われ、代表のドミニク・タンとモハマドゥ・スマレが所属するポリス・テロFCは滝雅美監督率いるラヨーンFCとホームのブンヤジンダースタジアムで対戦し1−0と勝利しています。この勝利は9月13日以来となる9試合ぶりの勝利です。
 これまでの出場はいずれも途中からだったスマレ選手が初めてスタメン出場し、タン選手と揃ってスタメンに名を連ねた初の試合で、タン選手はフル出場、前節はケガのためにチームの遠征にも帯同しなかったスマレ選手は57分に交代しています。なおスマレ選手と交代して出場したキーラティ・ケアウソムバットがポリス・テロFCの唯一のゴールを決めています。
 この勝利でポリス・テロFCは5勝4分5敗となり9位に浮上、敗れたラヨーンFCは2勝1分11敗で最下位の16位となっています。
 次節第15節でポリス・テロFCは現在、14位のナコーンラーチャシーマー・マツダFCとアウェイで対戦します。

前スランゴールFC監督はサラワクUのTDに就任
 マレーシアの通信社ブルナマはMリーグ1部スランゴールFCのサティアナタン・バスカラン前監督がMリーグ2部のサラワク・ユナイテッドFCのテクニカルディレクターに就任したと報じています。契約期間は2年ということです。
 2013年のMリーグ2部プレミアリーグ優勝以来タイトルから遠ざかっているサラワク・ユナイテッドFCは今季は2部で10位と低迷しています。
 サティアナタンTDは、2022年シーズンでの1部昇格を果たすため、U21やU19チームを含めた若手の育成プログラムを担当し、今季に続き来季もチームの指揮を取るエラヴァラサン・エランゴワン監督とともに、サラワクFA時代のかつての栄光を取り戻す力になりたいと話しています。
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 サラワク・ユナイテッドFCについては、代表FWのノーシャルル・イドラン・タラハや今季のスランゴールFCで主将を務めたテイラー・リガンの加入をニュースを取り上げましたが、即戦力補強だけでなく、このサティアナタンTDの就任によりサラワク・ユナイテッドFCの本気度が伝わってきます。
 ただし気になるのが、サラワク・ユナイテッドFCにはこのサティナ監督と反りが合わず、スランゴールFCを退団しこのサラワク・ユナイテッドFCに移籍したアムリ・ヤハヤがいます。TDが直接、トップチームの運営に関わることはないかも知れませんが、遺恨再燃が心配ではあります。

12月4日のニュース:ペナンFCはアセアン枠にリュウジ・ウトモを獲得、マラッカUはザイナル監督続投か、ケランタンUは日本人選手を複数名獲得へ

ペナンFCはアセアン枠にリュウジ・ウトモを獲得
 今季はMリーグ2部で優勝し、2017年シーズン以来4季ぶりの1部昇格を果たしたペナンFC(来季から、今季まではペナンFA)は、アセアン東南アジア枠外国籍選手として、インドネシア1部リーグのプルシジャ・ジャカルタからDFリュウジ・ウトモを獲得したと英字紙スター電子版が報じています。
 日本人の母親とインドネシア人の父親を持つリュウジ選手は、アル・ナジマSC(バーレーン)やPTTラヨーンFC(タイ)などでもプレー経験があり、185cmの身長を生かしたDFで、ペナンFCへは1年間の期限付き移籍での加入ということです。
 ペナンFCは、今季は11試合で24ゴールを挙げた攻撃陣の主力でリーグ得点王FWカサグランデや同2位のFWエンドリック、さらにリーグ最小失点のチームを支えた190cm越えのDFラファエル・ヴィクトーのブラジルトリオの残留の可能性が濃厚なことから、リュウジ選手に加え、MFリ・チャンフン(韓国)の退団で空いたアジア枠でもう一人の外国籍選手獲得を目指すことになりそうです。ちなみにこのアジア枠にはレバノン代表FWモハマド・ジャラル・カドフの名前が挙がっています。
 ペナンFCについてはこの他、Mリーグ1部で監督を務める際に必要なAFCプロディプロマを保持していないマンズール・アズウィラ監督に代わる新監督を国外から招聘する予定であるとペナンFCのアマル・プリトパル・アブドラ会長が明かしています。
(以下はインドネシア国内のKompasTVで紹介されたリュウジ選手のペナンFC移籍のニュース映像です。)

マラッカ・ユナイテッドFCはザイナル監督続投か
 マラッカ州サッカー協会(マラッカ州FA)は、運営するMリーグ1部のマラッカ・ユナイテッドFCのザイナル・アビディン・ハサン監督から来季も監督続投の意思があるかどうかの返事を待っている状況であると、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 マラッカ州FAは当初は、来季の監督として韓国出身のイ・ウリョン氏の採用を画策していたとされますが、その後、経営上の理由から方針を変更して、マレーシア人を対象に監督候補を絞り込みました。しかし候補となっていた今季Mリーグ1部のPJシティFC監督を務めたデヴァン・クップサミーはヌグリスンビランFAの監督に就任が決まったことから、ここでまた方向転換し、過去2季に渡りマラッカ・ユナイテッドFCを率いたザイナル監督に続投の意思があるかどうかを問うているということです。
 マラッカ州FAのモハマド・サイフル・マット・サプリ名誉財務部長は「ザイナル監督には、マラッカ州FAが設けた予算の範囲内での来季のチームと練習に関する計画書の提出を求めている。もし来季続投となっても1年契約となる。」と話しています。
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 昨季は6位、今季は9位という成績のマラッカ・ユナイテッドFCですが、昨季、今季ともシーズン中に給料未払いが発覚し、昨季はマレーシアカップ開催期間中に当時、主将を務めていたシュコル・アダン(現クアラルンプールFA)が試合出場を拒否してチームを離脱、また今季は未払い給料を理由に勝点3を剥奪されています。
 今季は勝点を剥奪されていなければ、単純計算では順位は7位タイまで上昇します。しかも他のクラブの中にも同様の問題を抱えながら、マラッカ・ユナイテッドFCは勝点剥奪処分を受けるほど長期に渡って給料未払いが続いていたことも明らかになっていますので、それがなければもっと上位となった可能性すらあります。

ケランタンUは日本人選手を複数名獲得へ
 今季Mリーグ2部で8位に終わったケランタン・ユナイテッドFCの公式Facebook上で、来季はチームに日本人選手が2名加入することを発表しています。
 ケランタン・ユナイテッドFCのチェ・アブドラ・マット・ナウィ会長は、ヤクルトマレーシア社とのパートナーシップ及びスポンサーシップにより、一人はJリーグでもプレー経験のある「レジェンド」、もう一人はMリーグの複数のクラブでのプレー経験がある選手ということです。
 チェ・アブドラ会長はヤクルトマレーシア社への感謝の言葉とともに、この関係が長く続くことを望んでいると話しています。「今回の協力関係はケランタン・ユナイテッドFCが成功する潜在的能力を秘めていることの証明でもあり、ヤクルトマレーシア社とともにマレーシアサッカーの発展と、特にケランタン州のサッカーの発展を成し遂げる夢を追い続けたい。」と述べています。
 またヤクルトマレーシア社以外にも、別の日本企業とも戦略的パートナーシップを結び、日本のスポーツにおける先端技術を取り込みたいとも話していますが、詳細についてはまた後日に明らかになるとしています。
(以下はケランタン・ユナイテッドFCの公式発表ととともにFacebookに掲載された写真です。)

12月1日のニュース:タイ1部第13節-ドミニク・タンは途中出場もスマレとノーシャルルはベンチ入りせず、ポルトガル1部第8節-サファウィはベンチ入りも出場なし、国立エリートアカデミー第2期卒業生の主力はJDTとスランゴールFCへ、PJシティFCとサバFCはいずれもマレーシア人新監督就任

タイ1部第13節ドミニク・タンは途中出場もスマレとノーシャルルはベンチ入りせず
 11月27日から30日にかけてタイ1部リーグ第13節が行われました。11月27日に行われたナコーンラーチャシーマーマツダFC対BGパトゥム・ユナイテッドFCは首位のBGパトゥム・ユナイテッドが2-0で勝利しましたが、マレーシア代表で12月いっぱいでの退団が決まっているノーシャルル・イドラン・タラハはベンチ入りしませんでした。
 また11月30日に行われたトゥルー・バンコク・ユナイテッドFC対ポリステロFCの試合は1-1の引き分けでした。マレーシア代表のドミニク・タンは74分から出場しましたが、同じ代表のモハマドゥ・スマレはやはりベンチ入りしませんでした。(その後、スマレ選手は練習中に負ったケガのため、チームの遠征に帯同しなかったことをポリス・テロFCのラングサン監督が明らかにしています。なお、ケガの具合については深刻なものではないとのことです。)

ポルトガル1部第8節-サファウィはベンチ入りも出場なし
 11月29日(現地時間)にポルトガル1部第8節の数試合が行われ、マレーシア代表のサファウィ・ラシドが所属するポルティモネンセSCがCDナシオナルを1-0で破っています。なお、サファウィ選手は3試合連続でベンチ入りしましたが、この試合も出場機会はなく、ポルトガルリーグデビューは果たせませんでした。
 この試合まで1勝1分5敗のポルティモネンセSCと、同じく2勝4分1敗のCDナシオナルの対戦となったこの試合は、ブラジル出身FWファブリシオのゴールでポルティモネンセSCが10月17日の第4節以来となる今季2勝目を挙げています。

国立エリートアカデミー第2期卒業生の主力はJDTとスランゴールFCへ
 マレーシア政府青年スポーツ省とFAMが共同で運営する国家サッカー選手養成プログラムNFDPの中核となるモクタル・ダハリ・アカデミーAMDは国立のエリートアカデミーですが、その第2期生となる17歳の選手40名がこの度卒業となりました。
 その40名中、Mリーグ1部7連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTとやはり1部のスランゴールFCが合わせて12名の選手と契約したと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 なおこの記事によると、この両クラブはAMDの主力選手12名に卒業生全員に2年から3年の複数年契約をオファーしたということです。
 主力選手の一人MFジアド・アル・バシールや、現在はベルギー1部リーグのKVコルトレイクに所属するルクマン・ハキム・シャムスディンと2016年のAFC U16選手権ではコンビを組んだFWムハマド・ナジムディン・アクマル・カマル・アクマルはJDTと、またDFムハマド・ファイズ・アメル・ルニザルはスランゴルFCとそれぞれ契約しています。なおこの12名の大半は今年2月に鹿児島で開催されたJENESYS2019青少年サッカー交流大会にマレーシアU17代表として出場したということです。
 なお、昨年AMDを卒業した第1期生34名はJDTが6名、スランゴールFCが28名と契約しています。
 以下はJDTとスランゴールFCが契約したAMD第2期生の氏名です。

氏名ポジション契約先
Muhammad Haziq Ridhwan Mohd RosliDFJDT
Muhammad Naqiu Aiman Abdul Hadi DFJDT
Muhammad Najmudin Akmal Kamal AkmalFWJDT
Ziad El Basheer NorhishamMFJDT
Mohammad Marwan Abdul RahmanDFJDT
Muhammad Syukur Fariz JanuriMFJDT
Muhammad Faiz Amer RunnizarDFスランゴール
Syahmi Adib Haikal Mohd ShukriGKスランゴール
Abdul Afiq Hilman Abdul HalimFWスランゴール
Muhammad Haiqal Haqeemi HairiDFスランゴール
Muhammad Khairi Suffian KhaineyusriFWスランゴール
Syed Zaris Irfan Syed Putra Hasdiana Faizal DFスランゴール

PJシティFCとサバFCはいずれもマレーシア人新監督就任
 今季Mリーグ1部で7位に終わったPJシティFCと同10位のサバFC(来季より、今季はサバFA)はそれぞれ新監督の就任を発表しています。
 PJシティFCは、今季アシスタントコーチを務めたマニアム・パチャイアパン氏が監督に昇格します。マレーシアU16、U19、U21代表の監督経験の他、2017年シーズンはスランゴールFA(現スランゴールFC)でも監督を務めたマニアム監督率いるPJシティFCは、来季は外国籍選手なし、全員マレーシア選手という布陣でMリーグ1部に臨むということです。
 これについてマニアム監督は、若い選手により多くの機会を与えて、特に外国籍選手に頼ることの多いストライカーとセンターバックで実力を発揮して欲しいと話し、今季のメンバーの6割が残るチームにはトレンガヌFCから獲得した元代表のダレン・ロックとU21のプレジデントカップチームのメンバーもトップチームに呼ぶことになるだろうとも述べています。
 またサバFC(来季から、今季はサバFA)は、サバ州に隣接するサラワク州出身のルーカス・カラン氏の新監督就任を発表しています。
 今季1部に昇格したサバFAは、昨季監督を務めたジュリアス・アティン氏がMリーグ1部での監督に必要なAFCプロライセンスを保持していなかったことから、インドネシア出身のクルニアワン・ドゥイ・ユリアン監督が就任しましたが、今季終了後に契約が更新され図、事実上の解任となっていました。
 サバFCのヴァードン・バハンダCEOは、AFCプロライセンスを持ち、スポーツ科学の専門家でもあることから、ルーカス氏が複数の候補者から選ばれたと話しています。
 

11月24日のニュース:代表監督はW杯予選再開に向けて過密日程による選手のコンディションを憂慮、マット・ヨーは今季限りでBGパトゥムUを退団、トレンガヌFC退団の主将がパハンと交渉

代表監督はW杯予選再開に向けて選手のコンディションを憂慮
 タン・チェンホー代表監督は、来年3月に再開予定のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選を前に、最大の懸念材料として選手のコンディショニングを挙げていると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 タン監督は代表選が全くなかった2020年は、Mリーグの試合数も半減された上、マレーシアカップも中止となり、代表候補選手たちが真剣勝負の場を失ったことから、選手たちのコンディション不良が問題になる可能性を指摘しています。
 「代表監督として選手たちのコンディションに対する不安はある。今年は一度も代表合宿を開催することができず、国際親善試合も組むことができなかった。選手の健康と安全が心配なことは理解できるが、これほど長期間にわたり代表合宿も代表戦も行われない状況下では、選手のパフォーマンスに影響が出ることは必至である。」と話すタン監督は、年が明けて2021年になっても、2月に開幕するMリーグに備えて選手は所属クラブでの練習が中心となることから、代表合宿への招集はFIFAの国際マッチデー直前の3月半ばまでできないことも悩みの種であるとしています。
 残る3試合のアジア二次予選の内、3月25日にはアラブ首長国連邦戦(アウェイ)、3月30日にはベトナム戦(ホーム)が予定されていますが、両国はいずれも既に国際親善試合や代表合宿を行なっていることから、タン監督はマレーシア代表が難しい状況にいることは認めて上で、2月のMリーグ開幕後の過密日程に備えて選手一人一人が肉体と精神の両面でしっかり準備をしてくれることに期待するしかないと話しています。

マット・ヨーは今季限りでBGパトゥムUを退団
 マット・ヨーの愛称で知られる代表FWノーシャルル・イドラン・タラハは今季限りで在籍するタイ1部リーグのBGパトゥム・ユナイテッドを契約満了により今年いっぱいで退団すると、サッカー専門サイトのGoal. comタイ版が報じています。
 ノーシャルル選手は今季2020年シーズン前に、Mリーグ1部のパハンFAからBGパトゥム・ユナイテッドで移籍しました。2月15日の開幕戦ではスタメン出場で前半し流量とともに交代、第2節でもスタメン出場して75分間プレーしたものの、第3節は出場機会がなく、第4節はベンチ入りせず、タイリーグは新型コロナのため中断しました。
 9月に再開された後も11月21日に開催された第12節までで、第8節は先発出場し61分間プレーし、また第10節は途中出場で12分間プレーしたものの、それ以外は出場機会がなく、ベンチ入りすらしなかった試合も数試合あります。
 しかもBGパトゥム・ユナイテッドはMリーグ1部のジョホール・ダルル・タジムからFWジオゴを獲得した他、Jリーグ清水でプレーするタイ代表FWのティーラシン・デーンダーの獲得もタイメディアが報じており、その辺りもノーシャルル選手の契約が更新されたなかった理由の一つとされています。
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 自由な渡航が制限されているマレーシアでは、国外からの選手の獲得が難しいことから、ノーシャルル選手はMリーグへの復帰が濃厚ですが、個人的にはタイで新たなクラブを探してプレーを続け、ポリス・テロFCのドミニク・タンやムハマドゥ・スマレとともにタイリーグにマレーシア人選手としての足跡を残す様な活躍をして欲しいです。

トレンガヌFC退団の主将がパハンと交渉
 マレーシアカップ中止により、Mリーグ3位ながら棚ぼたでAFCカップ出場枠を獲得したトレンガヌFCは、多くの若手選手との契約を更新する一方で、今季のチーム得点王FWドミニク・ダ・シルバや主将のMFリー・タックなど高額がネックとされる外国籍選手との契約を更新しない方針を明らかにしています。
 2017年のヌグリスンビランFAへ入団して以来、Mリーグでプレーし続けているリー・タックが同じMリーグ1部のパハンFAと交渉をしていることを、パハンFAのチームマネージャーTMが認めていると、マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 パハンFAのモハマド・スフィアン・アワンTMはタック選手の他に、一昨年はペナンFAでプレーしたアルゼンチン出身のFWセルヒオ・アグエロ(マンCのアグエロとは当然別人です)との交渉中であることを認めています。なおアグエロ選手は、今季はMリーグ3部に当たるM3リーグのクアラルンプールローヴァーズに所属していました。
 この二人との交渉が明らかになったことで、契約期間1年が残っているDFエラルド・グロンが残留する一方で、今季、パハンFAに在籍していたFWイヴァン・カルロス(ブラジル)やDFカリル・カミス(レバノン)、MFアダム・リード(フィリピン)らは対談が濃厚であると記事は結ばれています。

11月13日のニュース:マレーシアカップの中止が決定-AFCカップ出場権はTFCへ、スランゴールFCの新監督に前ヴィッセル神戸監督が就任か、JDTから移籍のジオゴはタイ1部リーグの最高給取りに

マレーシアカップの中止が決定-AFCカップ出場権はトレンガヌFCへ
 マレーシアカップを主催するマレーシアフットボールリーグMFLは、公式Facebookで今季のマレーシアカップ中止を発表しています。
 MFLは国内のスポーツを監督する青年スポーツ省を通じて、国家安全保障委員会NSCが発表した大会延期の再検討を求めていましたが、これが受け入れられなかったことから、中止を決定したとしています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、今回の中止決定はMFLは選手を含めた関係者全員の健康と安全を優先するNSCの決定を尊重した結果であると話す一方で、大会が延長された場合、選手の契約期間が11月末までであることから、契約延長によって様々な問題が生じる可能性があるとも中止決定の理由に挙げています。
 またマレーシアカップ優勝チームに与えられる予定であった来季2021年シーズンのAFCカップ出場権は、今回のマレーシアカップ中止の決定により今季Mリーグ3位のトレンガヌFCに与えられることも臨時役員会で決定されたしています。

スランゴールFCの新監督に前ヴィッセル神戸監督が就任か
 Mリーグ1部で5位となったスランゴールFCはリーグ戦中にサティアナタン・バスカラン監督を解任し、残りの試合はマイケル・ファイヒテンバイナーTD(テクニカルダイレクター)が代行監督を務めましたが、既に新監督が決まっているようです。
 その新監督とは今季、Jリーグのヴィッセル神戸で指揮をとりながら、家庭の事情を理由に9月に辞任していたトルステン・フィンク氏だとスポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 スタジアムアストロによれば、ドイツ出身のフィンク監督は既にマレーシア国内におり、渡航者全員に義務付けられている入国後2週間の隔離期間を過ごして最中であるとも報じています。
 昨年2019年にヴィッセル神戸の監督に就任したフィンク氏は同年の天皇杯、今年2月の富士ゼロックススーパーカップで優勝するなどの実績を残していました。
 なおフィンク氏が率いていたヴィッセル神戸は、今季のアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグでMリーグ覇者のジョホール・ダルル・タジムJDTと同じG組に入り、監督在任中だった今年2月12日のグループステージ開幕戦ではJDTを5-1と一蹴しています。
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 Mリーグ7連覇の覇者JDTとの今季の対戦では1-6と惨敗し、昨年までの過去5シーズンでもリーグ戦では10試合で1勝4分5敗とJDTには劣勢のスランゴールFCですが、フィンク監督が新監督に就任することになれば、スランゴールFC対JDTは俄然注目のカードとなります。
 Mリーグ1部では9勝2分0敗と今季無敗だったJDTが2020年に喫した唯一の黒星がACLのヴィッセル神戸戦だったことを考えると、JDTによる一強多弱状況を打破したいかつての王者スランゴールFCが探していたのは、まさに「JDTを破った経験のある監督」だったということかも知れません。

JDTから移籍のジオゴはタイ1部リーグの最高給取りに
 サッカー専門サイトのヴォケットFCは、Mリーグ1部チャンピオンのJDTからタイ1部リーグのBGパトゥム・ユナイテッドに移籍するジオゴがタイ1部リーグで最高の年棒が払われる選手となる可能性を報じています。
 ヴォケットFCはタイ国内メディアのサイアムスポーツの記事を引用し、JDTでプレーしていた際に支払われていた給料金額が高かったことから、BGパトゥム・ユナイテッドもそれに見合った金額を用意した結果、対1部リーグの最高級取りとなりそうだとしています。
 ジオゴ選手のBGパトゥム・ユナイテッドでの月給は330万バーツ(およそ1150万円)ということですが、このジオゴ選手の他のBGパトゥム・ユナイテッドの選手の給料は、チーム内2位のヴィクトル・カルドゾは月給100万バーツ(およそ348万円)、3位の清水エスパルスから移籍するとされているティーラシン・デーンダーは月給72万5000バーツ(およそ252万円)となっていますが、このチームでプレーするマレーシア代表のノーシャルル・イドラ・タラハは、チームの給料ランキングではトップ8に入っていないということです。

11月10日のニュース:マレーシアカップ準々決勝順延報道もMFLからの公式発表なし、ポルトガルリーグ1部第7節-サファウィはベンチ入りも出場なし

マレーシアカップ準々決勝順延報道もMFLからの公式発表なし
 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は新型コロナウィルス新規感染者数が減少しないことを理由に、マレーシアカップ準々決勝が延期されるだろうと述べています。
 さらにイスマイル上級相は、サッカーは接触が起こるスポーツであり、選手間で感染が広がる危険があることを保健省が憂慮しているとも述べています。
 「マレーシアカップは順延することで関係各所が同意しており、新たな日程は後日発表になる。サッカーファンには我慢して欲しい。」と昨日の記者会見で述べたことを英字紙スター電子版が報じています。
 感染者増が止まらないために政府はマレー半島の大半の州に条件付き活動制限令を施行せざるをえなくなったと話すイスマイル上級相は「保健省と新型コロナウィルス感染者の治療にあたる医療従事者は、感染を抑え込もうと全力を尽くしている。感染者の数が減り、無観客とは言え(試合ができる)状況に戻ってくれることを期待している。」とも話しています。
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 マレー半島ではプルリス州、ケランタン州、パハン州以外の全ての州に条件付き活動制限令が施行されており、幼稚園、保育園から高等学校まで全ての学校が休校になり、州を跨ぐ移動も原則禁止、商店や飲食店も営業時間が午前6時から午後10時までに制限されており、このような状況ではマレーシアカップ延期も止むを得ないのかもしれませんが、不思議なのはマレーシアカップ延期について英字紙スター以外にも、マレーシア語紙ブリタハリアンなどが取り上げている一方で、このをブログ書いている11月9日午後11時30分(マレーシア時間)の時点では、マレーシアカップを主催するマレーシアフットボールリーグMFLの公式Facebookでは何も告知されておらず、国営の通信社ブルナマでも何も報じられていません。(なので、実は確定していないのかも…。)
 MFLが抵抗しているのか、それともそもそもまだ確定ではないのか。その理由は不明です。
 実はこの記事が出る前には、すでにベスト8が決まり、11月12日と13日に予定されているマレーシアカップ準々決勝4試合を条件付き活動令が施行されていないケランタン州のコタバルとパハン州クアンタンで実施できるよう、MFLが国内のスポーツを統括する青年スポーツ省に提案し、国家安全保障委員会より認可を受ける予定であるという記事も出ていました。

ポルトガルリーグ1部第7節-サファウィはベンチ入りも出場は無し
 11月9日早朝(マレーシア時間)に開催されたポルトガル1部リーグ第7節のFCポルト対ポルティモネンセSCの試合は、日本では「中島翔哉と安西幸輝の日本人対決が実現」(Goal.com日本語版より)と注目されていたようですが、マレーシアのサッカーファンはJDTから期限付きで移籍しているサファウィ・ラシドがついにデビューか、と待ち望みにしていた試合でした。
 移籍後初のトップチームの試合でベンチ入りが明らかになり、さらにこの試合前にポルティモネンセの公式Facebookにサファウィ選手のユニフォーム姿の写真までが投稿されたことで、マレーシアの多くのサッカーファンの期待が高まりましたが、残念ながら出番はありませんでした。
 ポルティモネンセSCはこの試合も1-3で敗れ、最近5試合を1勝4敗として最下位に転落しました。

11月9日のニュース:マレーシアカップ1回戦終了-ベスト8が決定、「鉄人」はパハンFA退団へ、パハンFAのドラー監督の去就も未定、タイリーグオールスターに代表トリオは選出されず

マレーシアカップ1回戦終了-ベスト8が決定
 11月7日(土)と8日(日)にマレーシアカップ1回戦の残り4試合が行われ、7日はMリーグ1部で今季3位のトレンガヌFCが同9位のPJシティFCを1-0、1部4位のペラTBGが2部8位のケランタン・ユナイテッドFCを4−0で破り、順当にベスト8進出を決めています。
 また8日には1部リーグ5位のスランゴールFCが同9位のマラッカ・ユナイテッドFCを2−1、同6位のUITM FCが2部6位のケランタンFAを3-1で破り、こちらもリーグ上位が下位のクラブに勝利しペスト8へ名乗りをあげました。
 なお、ベスト8のカードは以下の通りです。
ペナンFA(2部1位)-UTIM FC(1部6位)
JDT(1部1位)-クアラルンプールFA(2部3位)
トレンガヌFC(1部3位)-ペラTBG(1部4位)
スランゴールFC(1部5位)-クダFA(1部2位)

マレーシアカップ1回戦
11月7日(土)
スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
トレンガヌFC 1-0 PJシティFC
得点者:トレンガヌ-サンジャル・シャアフメドフ(37分)
 サイドラインが不明瞭なため、試合開始前に改めてサイドラインを引き直すという、プロの試合としては前代未聞の理由により試合開始が30分近く遅れたものの、ホームのトレンガヌFCが順当に勝利を収めています。

ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラTBG 4-0 ケランタン・ユナイテッドFC
得点者:レアンドロ・ドス・サントス3(7分、21分、49分)、カレッカ(90+1分)

11月8日(日)
ハンジェバスタジアム(マラッカ州クルボン)
スランゴールFC 2-1 マラッカ・ユナイテッドFC
得点者:スランゴール-イフェダヨ・オモスイ(21分)、サンドロ・ダ・シルヴァ(52分)、マラッカ-ウチェ・アクバ(57分)

MPMスタジアム(ペラ州マンジュン)
UITM FC 3-2 ケランタンFA
得点者:UITM-アリフ・アヌアル2(12分、67分)、ラフィ・ヤアコブ(15分)、ケランタン-ダニアル・アシュラフ2(61分、63分)
 ケランタンFAの渡邉将基選手はベンチ入りしませんでした。

ディクソン・ヌワカエメはパハンFA退団へ
 11月6日に行われた対クダFA戦に敗れたパハンFAのFWディクソン・ヌワカエメが自身のTwitterで「この試合がパハンFAのユニフォームを着てプレーした最後の試合で、このように終わって欲しくなかった。」と退団をほのめかす投稿を行っています。
 Orang Besi(マレーシア語でorangは「人」、besiは「鉄」なので「鉄人」)の愛称でパハンFAサポーターから親しまれた34歳のヌワカエメ選手はナイジェリア出身で、2014年にケランタンFAからパハンFAへ移籍すると、この年のFAカップ決勝のフェルダ・ユナイテッドFC戦では1ゴール、マレーシアカップ決勝のJDT戦では2ゴールを決めていずれもチームを優勝に導き、パハンFAの2冠達成に貢献しています。(ちなみに前年にはケランタンFAでもFAカップ準決勝で2ゴールを決め、ケランタンFAのFAカップ優勝にも貢献しています。)
 ヌワカエメ選手はリーグ戦でも2014年は6ゴール、翌年2015年には9ゴールを決め、パハンFAはこの2シーズンともリーグ3位となっています。
 2016年にはフランス1部リーグのアンジェSCOに移籍したものの、昨季2019年シーズンにパハンFAに復帰すると、リーグ戦で7ゴールを決めるなどクラブを前季のリーグ4位から2位へと押し上げたものの、今季はケガなどもあり先発した試合もわずか4試合でリーグ通算2ゴールと以前のような活躍はできていませんでした。
 しかしその一方で、この試合でもフル出場しており、Mリーグで自分を必要とするクラブがあれば話を聞く用意があるとして、34歳のヌワカエメ選手は現役続行に意欲を示しています。

パハンFAのドラー監督の去就も未定
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版は、マレーシアカップ1回戦で敗退したパハンFAのドラー・サレー監督の去就についてはまだ何も決まっていないようだと報じています。
 2010年から2013年までパハンFAで監督を務めたのち、2017年に4年ぶりに復帰したドラー監督は2017年にはリーグ2位、2018年は4位、昨季2019年シーズンには再び2位となり、カップ戦でも2017年にはFAカップ準優勝、2018年にはFAカップ優勝という成績を収め、今季も好成績が期待されていました。
 しかし今季は開幕前に代表選手でもあるマシュー・デイヴィーズがJDTに移籍した他、新型コロナウィルスによる中断期間中にはやはり代表選手のモハマドゥ・スマレがチームを離れてタイのクラブへ移籍、また上でも取り上げたディクソン・ヌワカエメの不調などからリーグ8位に終わり、マレーシアカップも1回戦敗退という成績に終わっています。
 マレーシアカップ1回戦終了後、ドラー監督は来季の去就はパハンFAを運営するパハン州サッカー協会が決めることであると話し、どのような結果になっても受け入れる用意はあると話しています。

タイリーグオールスターに代表トリオは選出されず
 サッカー専門サイトのヴォケットFCは、11月14日に予定されているタイ代表対タイリーグオールスターのメンバーに、現在、タイ1部リーグでプレーするマレーシア代表トリオが一人も選出されなかったことを報じています。
 この試合では、新型コロナウィルスの影響により他国代表と試合ができない西野朗監督率いるタイ代表がタイリーグオールスターと対戦しますが、タイリーグオールスターはタイ1部リーグでプレーする外国籍選手17名と代表に選出されていないタイ人選手5名の計22名で構成され、監督は先月10月にバンコク・ユナイテッドの監督を辞任したばかりのアレシャンドロ・「マノ」・ポルキン氏が指揮を取りますが、このタイリーグオールスターにはマレーシア代表のノーシャルル・イドラン・タラハ(BGパトゥム・ユナイテッド)、ドミニク・タン、モハマドゥ・スマレ(いずれもポリス・テロFC)の3名は選出されませんでした。
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 この11月14日は、本来ならばFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選のタイ代表対マレーシア代表が予定されていたFIFAの国際マッチデーでしたが、新型コロナウィルスの影響でワールドカップ予選が来年に延期となったことで日程的には空いており、今回の試合が実現しています。
 今回のタイリーグオールスターのメンバーは、タイサッカー協会FATの公式サイトで発表されており、代表トリオのチームメートからポリス・テロFCのFWグレッグ・フーラ (フランス)やDFクォン・デヒ(韓国)、BGパトゥム・ユナイテッドのMF丸岡満やMFチャウワット・ヴィラチャード(タイ)らが選出されている他、東南アジア出身選手としてフィリピン代表のGKミカエル・ファルケスゴーア(バンコク・ユナイテッド)、DFマルティン・シュトイブレ (ポートFC)らが選ばれています。