7月31日のニュース:スズキカップの延期が正式決定、MFLはiflix社を契約不履行で訴える、クチン FAではさらに4選手に新型コロナ陽性反応

スズキカップの延期が決定
 アセアン(東南アジア)サッカー連盟AFFの公式サイトでは、今年11月に予定されていたAFF選手権スズキカップが2021年に延期になったことが正式に発表されています。
 この決定は、急速に世界各地で広がりをみせている新型コロナウィルスによる選手や監督、コーチ、サポーターなどの健康と安全を考慮した結果、国際サッカー連盟FIFAやアジアサッカー連盟AFCなどの指示を仰いだ上での判断であると、キエフ・サメトAFF会長は語っています。
 前回2018年大会では75万人以上の観衆を集めたスズキカップは、現在の状況下での開催はリスクが大きく困難であると判断し、2021年大会についての開催時期などの詳細を早急に決定したいとしています。
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 国内で新型コロナウィルスによる死者がおらず、6月には世界に先駆けて観衆を入れて国内リーグを再開したベトナムは、当初は今年のスズキカップを自国での1ヶ所開催まで提案するほどでしたが、ここにきて各地で感染者数が急増し、国内リーグも中断するなど、東南アジアでの感染が収まる様子もな句、これは賢明な判断なのだと思います。
 また、マレーシア的な視点で言えば、10月から再開するFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に代表チームが専念できることになり、11月に予定されていたスズキカップの延期は朗報とも考えられます。W杯は無理だとしても、自国開催枠で出場した2007年大会以来、予選突破での出場であれば1980年以来となるアジアカップ出場に向けて環境は整った、というところでしょう。

MFLはiflix社を契約不履行で訴える
 Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは、無料でビデオオンディマンドのサービスを提供するメディア企業iflix社を契約違反で訴えたことを英字紙ニューストレイトタイムズは報じています。
 iflix社はMFLと2018年から10年契約を結び、Mリーグ1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグ、マレーシアカップ、FAカップを無料で放送することになっていました。
 マレーシアサッカー協会FAMの会長でもあるMFLのハミディン・アミン会長は、審理中ということで詳細は明らかにできないものの、2018年後半と2019年についてiflix社に契約不履行があったとして訴訟を起こしたことを明らかにしています。なお一説にはiflix社とMFLの契約は3億リンギ(およそ74億4000万円)とされています。
 Mリーグがマルチメディア企業と関係を悪化させた事例はこれが初めてではなく、2017年にはロンドンに本社を持つスポーツマーケティングおよびメディア権利会社のMP and Silva社とMリーグの国際放映権について2016年に15年間で総額12億6000万リンギ(現在のレートで312億円)の契約を結びました。しかし翌2017年には同社が英国高等裁判所の命令により解散となり、総額2500万リンギ(現在のレートでおよそ6億2000万円)の損失を被ったとされています。
 また昨年2019年には国内最大のマルチメディア企業テレコムマレーシア社に対して契約違反を訴えましたが、こちらは既に解決しています。
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 ライブストリーミングで中継されるMリーグの試合を無料で見ることができたiflixには私も大変お世話になりましたが、そのサービスがこのような形で終了してしまったのは残念の一言に尽きます。先月6月には中国のインターネット関連の大企業であるテンセントに買収されるなど、経営が苦しくなっていたようです。iflixは今季からペイパービュー形式で中継をはじめたUnifiに比べると、試合の中継の他にダイジェスト番組や個々の選手を取り上げる番組などもあり、個人的にはとても気に入っていたサービスでした。市場規模が小さいマレーシアでは無料での中継に無理があったのかも知れません。

クチン FAではさらに4選手に新型コロナ陽性反応
 マレー語紙シナルハリアン電子版は、Mリーグ2部のクチンFAでは4選手に新型コロナウィルス検査で陽性反応が出たと報じています。
 クチンFAでは、クチン市内のセントサ病院で勤務している選手がこの病院で形成されたクラスターにより感染していることが判明し、クラブが選手およびスタッフ全員に綿棒検査を行った結果、4選手に陽性反応が出たということです。
 クチン FAのイスワンディ・アリ・ハサン事務局長は7月25日に行った綿棒検査によりAチームの3選手とAチームの練習に参加していたU21チームの1選手の感染が判明したとしています。
 さらにイスワンディ・アリ事務局長は、全ての検査結果が得られていないとしており、今後さらに感染が発覚する可能性があると話し、8月4日から6日にかけて2度目の検査を行うとする一方、8月26日から再開予定のMリーグ出場について出場辞退の可能性も検討していると話しています。
 なおMF鈴木雄太選手とDF谷川由来選手が所属するクチン FAは、8月26日にホームのサラワクスタジアムでスランゴール2との対戦が予定されています。


7月27日のニュース:スランゴールFCのエースは未だチームに合流できず、ペナン州協会は5000万円を超える未払い給料を完済、代表監督は11月にもう1試合練習試合を希望

スランゴールFCのエースは未だチームに合流できず、
 Mリーグ1部スランゴールFCはチームの得点王が未だチームに合流できていないと、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 Mリーグ再開予定の8月26日までちょうど1ヶ月となり、各クラブが試合に向けて練習のペースを上げる中、今季4試合で3得点を挙げているスランゴールFCのイフェダヨ・オルセグンは帰国中のナイジェリアから出国できていないということです。
 活動制限令MCOが発令された後に母国に戻ったオルセグン選手は、ナイジェリア政府が自国民の出国を制限していることから、国内で足止めを食らっており、マレーシアへ戻る予定は決まっていません。.
 昨季2019年シーズンの途中でスランゴールFCに加入しながら12ゴールを挙げ、チームの得点王に輝いたオルセグン選手の合流が遅れれば、リーグ中断時点で6位のスランゴールFCは、今季の目標である上位3位以内に入ってアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグ、あるいはAFCカップの出場が危ぶまれることになります。

ペナン州協会は5000万円を超える未払い給料を完済
 Mリーグ2部のペナンFAを運営するペナン州サッカー協会FAPは、総額1200万リンギ(およそ5110万円)の未払い給料を完済したと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 PFAのアマル・プリトパル・アブドラ会長は、今年4月から6月までの選手及びスタッフに対する未払い給料の支払いは今月から始まっており、この未払い給料問題が解決したことで、チームは8月26日に再開予定のMリーグに集中できるだろうとと話しています。
 今季のMリーグ2部では昇格圏の2位以内を目指しているペナンFAですが、リーグ中断までの4試合では2勝2分と首位のトレンガヌFC IIとは勝点差が4の3位につけています。この日、練習を視察したペナン州のチョウ・コンヨー州首相と会談したアマル会長はリーグ再開後もシーズン当初のパフォーマンスを維持できれば、2017年シーズン以来となる来季のMリーグ1部昇格も可能だと話しています。

代表監督は11月にもう1試合練習試合を希望
 10月に再開されるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会予選を前に、マレーシア代表はクウェート代表との練習試合を予定していますが、代表のタン・チェンホー監督は少なくとももう1試合の練習試合を希望していると、マレー語紙コスモ電子版が伝えています。
 10月8日に行われるアウェイのアラブ首長国連邦UAEとのW杯予選を前に、マレーシアは10月2日にバーレーンのマナマで、また11月にはホームのブキジャリル国立競技場でクウェートと練習試合を行う予定ですが、タン監督は11月にもう1試合の練習試合を希望しているということです。
 なおマレーシアのW杯アジア二次予選の日程は、10月8日のUAE戦の後は10月12日にホームでのベトナム戦、そして11月17日には二次予選最終戦となるアウェイのタイ戦と続きます。
 タン監督によれば、9月24日からの開始が予定されている代表候補合宿から10月いっぱいまでは日程的に余裕がないものの、FIFAの国際マッチデーとなっている11月2日から11日は予定が入っていないとして、ここにもう1試合の練習試合を組むことが可能だとしています。
 「この(11月2日から11日の)期間にはクウェート戦が予定されているが、)W杯アジア二次予選となる)タイ戦はアジア三次予選に進めるか否かがかかる試合になる可能性があるため、できる限りの準備を行った上で臨みたい。そのためにもこの期間にもう1試合の練習試合をマレーシアサッカー協会FAMに依頼している。」とタン監督は話しています。

7月24日のニュース:スランゴールFCは今季のシャーアラムスタジアムでの試合開催を断念、W杯で対戦するUAEが新監督就任を発表

スランゴールFCは今季のシャーアラムスタジアムでの試合開催を断念
 サッカー専門サイトのGoal. comは、Mリーグ1部のスランゴールFCが8月26日のリーグ再開後は老朽化の進むシャーアラムスタジアムでの試合を開催しない予定であると報じています。
 スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長は、現在中断中の今季2020年シーズンが8月26日に再開されても、これまで本拠地として使用してきたシャーアラムスタジアムではホームゲームを開催しない予定であるとGoal. comに語っています。
 スランゴールFCは同じMリーグ1部のUITM FCが使用するUITMスタジアムを、またスランゴールFCのBチームであるMリーグ2部のスランゴール2は同1部のPJシティFCが使用するMBPJスタジアムで今季のホームゲームを開催するということです。
 シャーアラムスタジアムはMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLより、その一部が崩落する可能性がある屋根の修理などが完了するまで使用許可が下りないとされており、リーグ中断前のホームゲームではブキジャリル国立競技場でホームゲームを開催しています。
 FASのハミドン事務局長は「シャーアラムスタジアムの所有者であるスランゴール州政府は修理費用や修理にかかる期間などが明らかにしておらず、リーグ再開後にホームゲームの開催地を変更となれば、チームが試合に集中できなくなる恐れがあることから、今季はシャーアラムスタジアムの使用を断念した。」と話しています。
 また来季2021年シーズンにはシャーアラムスタジアムを再び本拠地とするかどうかについて問われたハミドン事務局長は、スタンゴール州政府による修理工事の予定次第だとし、長期間かけて修理が行われる場合には、来季もシャーアラムスタジアムでのホームゲームは行わない可能性も示唆しています。
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 1994年開場のシャーアラムスタジアムは最大収容人数が8万人の巨大スタジアムです。柿落としとして開かれた大会にバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)、リーズ・ユナイテッド(英国)、フラメンゴ(ブラジル)などを招くなど華々しく開場し、その後もその規模に沿った観衆を集めましたが、近年は通常のリーグ戦なら観衆が1万人を切ることも少なくありません。
 またスタジアムの屋根とともに問題とされるのがピッチの状態の悪さです。雨が多いマレーシアではやむを得ないことなのでしょうが、試合前にスコールに見舞われるとその後はピッチに水が浮くことがしばしばあり、水が引いても田んぼの様な状態です。
 使用するスランゴールFCは改善を求め、管理するスランゴール州政府は現状をよしとして修理を放置するなど、両者の間に明らかに温度差があることから、サッカーのレベルアップという観点から言えば、スランゴールFCはシャーアラムスタジアムを出て、別の本拠地を考えるという選択肢も個人的にはアリだと思います。

W杯で対戦するUAEが新監督就任を発表
 10月に再会が予定されているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選でマレーシアと同組のアラブ首長国連邦UAEに新監督就任が発表されています。
 UAEの英字紙ザナショナル電子版は、UAEサッカー協会がコロンビア出身のホルヘ・ルイス・ピント新監督の就任を発表したことを報じています。ピント監督は母国の小rんビア代表監督の経験がある他、2014年のブラジルW杯ではコスタリカ代表監督としてチームをベスト8に導き、その後に就任したホンジュラス代表監督では兼任したU23代表監督としてチームを2016年のリオオリンピックでベスト4に導くなどの実績があります。
 予選グループでは、消化試合数は1試合少ないもののベトナム、マレーシア、タイの東南アジア勢に続く4位と低迷するUAEをアジア三次予選に導くことが求められているピント監督は今週、UAE入りし、早速行われた記者会見では自らを最も情熱的なサッカーコーチであるとし、事前に映像を取り寄せて代表選手たちについての研究ができていること、そしてまずは守備の強化に着手したいことなどを話し、来週からボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボで行われる3週間の合宿で選手の力量を正確に把握したいとしています。
 W杯予選再開初戦で、マレーシアはこのピント新監督率いるUAEと10月8日にUAEのホームで対戦します。
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 UAEはW杯予選開始の際に指揮を取っていたオランダ人のベルト・ファン・マルワイク前監督を成績不振を理由に昨年2019年12月に解任、さらにその後に就任したセルビア人のイヴァン・ヨヴァノヴィッチ前監督を1試合も試合をしないまま解任しており、このピント監督はこの3年間で6人目のUAE代表監督です。
 マレーシア代表はW杯予選再開後の初戦となる10月8日にこのピント新監督率いるUAEとで対戦しますが、まだ代表候補合宿どころか、国内リーグの各クラブですら練習試合を行えない状況です。一方、UAEは新型コロナウィルス感染の影響で国内リーグの今季中止が既に決定しており、むしろ国内リーグに気兼ねすることなく上記の通り代表強化合宿が行われます。

7月15日のニュース:Mリーグ4クラブのみが民営化手続き完了、MFLは身体接触を含む練習許可に練習試合許可は含まれていないことを警告、FAM会長-2030年までにアジアトップ5入りを目指す計画は順調に進行中

Mリーグ4クラブのみが民営化手続き完了
 マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、現時点で国内リーグMリーグのクラブの内、4クラブが民営化の手続きを完了していることを公表しています。マレーシアの通信社ブルナマによると、スチュアート事務局長は具体的なクラブ名は公表しなかったものの、Mリーグの4クラブが民営化手続きを終えており、このほかに12クラブが手続きを進めている最中と言うことですが、残る6クラブはFAMが定めた今年9月30日の期限を前に民営化手続きに着手すらしていないと言うことです。
 サッカークラブの「民営化」と言う表現に違和感があるかも知れませんが、Mリーグの多くのクラブは、マレーシア国内の各州サッカー協会(州FA)によって運営されているいわば公営クラブで、このブログでもクラブ名をクダFA、ケランタンFAといったように州名プラスFAという表記を使っているのもこれが理由です。
 Mリーグクラブの民営化については、アジアサッカー連盟も関心を示しているとされ、来季2021年シーズン開幕までに民営化が完了しないクラブには様々な障害が生じる可能性があるということで、FAMも民営化を奨励しています。
 「州FA所属のクラブが民営化する際にはいくつかの段階を踏む必要があり、2020年は新たにクラブ(FC)を新設する段階とFAMは位置付けている。FC新設後は、州FAからFCへの運営権の移行を含む次の段階に進むことになる。」と話すスチュアート事務局長は、今年は新型コロナウィルスの影響や、連邦政府内の政変に伴う州政府内の政権交代などによって、民営化の進行が遅れていることには理解を示し、FAMは各州FAを支援する用意があるとしています。
 この民営化は、州政府に選手の給料を含めた大半の運営資金を依存する多くのクラブの運営方法を改めるとともに、その経営健全化へと舵を切る切り札と目されています。
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 多くの州で、州首相が州FA会長を兼任する状況は、その会長職が単なる名誉職となっているだけでなく、今年のように政変で会長が交代を強いられるなど、本来なら長期的展望を持って運営されるべき各州FAが政治家に翻弄されているのが現状です。
 また現在の形態は、公金が投入されることをいいことに、経営手腕がない名ばかりの役員が高額で選手と契約し、その挙句に給料未払い問題を起こしていることとも無関係ではありません。この民営化が実現すれば、プロクラブを名乗りながら、選手への給料を支払えないFAが淘汰されていく可能性もあり、Mリーグが名実ともにプロリーグへとなる日も近づくのではないかと思います。

MFLは身体接触を含む練習許可に練習試合許可は含まれていないことを警告
 いよいよ本日7月15日よりMリーグ各クラブは身体接触を含む通常練習が可能になりますが、Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグは、身体接触を含めた練習の許可には練習試合実施の許可は含まれていないことを明言しています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、身体接触を含めた練習の解禁は練習試合の実施も可能になるわけではないとし、MFLは各クラブが標準作業手順SOPを遵守した上で練習を続けることを求めているとマレー語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 「MFLはどのクラブにも練習試合実施許可を出していないが、これは身体接触を含めた第二段階練習解禁後も選手やスタッフなどの安全と健康を考慮した上で、SOPが遵守されるかどうかを確認することを優先しているからである。これが確認された後には、時期を見計らった上で練習試合の実施を許可する予定である。」と話すガニCEOは、リーグ再開時期について問われると、各クラブが使用するスタジアムの消毒や除染、さらに施設の修理などを行って、再開後に問題が発生しないよう十分な準備の時間を確保できるようにした上で、再開時期を決定したいと話しています。

FAM会長-2030年までにアジアトップ5入りを目指す計画は順調に進行中
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上に、7月14日に就任から3年目となるハミディン・モハマド・アミン会長の2年間の実績報告などを掲載しています。
 Mリーグ1部ジョホール・ダルル・タジムJDTのオーナーでもあるジョホール皇太子トゥンク・イスマイル殿下辞任の後を受けて2018年7月に就任したハミディン会長は、スランゴール州サッカー協会FASの事務局長の経験もある元銀行家で、それまで政治家や王族が歴任してきたFAMの会長職についた初めての「民間人」です。
 会長就任後には2023年のAFC選手権アジアカップ出場、2016年までにFIFAランキング100位内、そして2030年までにアジアのトップ5入りとFIFAランキング70位以内などの目標を打ち出しましたが、当時はその目標は高すぎるという声が大半でした。
 しかし代表チームは2023年AFC選手権の予選を兼ねるFIFAW杯アジア二次予選ではベトナムに次ぐ2位につけており、FAMの公式サイトでは、ハミディン会長が提唱する2030年までのアジアトップ5入りを目指す指針F:30は順調に進行中であるとしています。
 またサッカー振興の礎となるコーチの養成のためのマレーシアコーチ憲章では、AFCプロコーチ養成コースの開催、プロ審判憲章ではプロ審判候補者の絞り込みが行われており、こちらも順調に進行中であるとFAM公式サイトでは伝えられています。
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 ハミディン会長は、かつてはマレーシアよりも弱かった日本が今ではアジアでもトップクラスの代表チームを擁することから、同じアジア人として日本から学びたいという発言を何度も繰り返しており、実際に日本サッカー協会JFAとの積極的な関係構築や、プロコーチ養成コースの一環としてJリーグのセレッゾ大阪や大宮アルディージャへの派遣、また昨年は国内カップ戦FAカップの決勝戦を日本から主審と副審を読んで開催するなど、日本に追いつき、追い越せという姿勢が見て取れます。

6月21日のニュース:U19代表はAFC選手権前に国外遠征実施か、今年のスズキカップは前回同様のホームアンドアウェイ形式で開催、UAEの国内リーグの今季中止が決定

U19代表はAFC選手権前に国外遠征実施か
 マレーシアの通信社ブルナマは10月にウズベキスタンで開催されるアジアサッカー連盟AFC U19選手権に出場するマレーシアU19代表が、大会前に国外での練習試合を行う可能性を報じています。トルコでの4カ国対抗大会に出場する可能性を報じています。
 チームマネージャーのカマルル・アルフィン・モハマド氏はトルコのアンタルヤで開催される4カ国対抗大会への招待を受けていることを明かしています。ただし現在はマレーシア人の海外渡航が原則として禁じられていることから、出場するか否か、また国外遠征が可能かどうか関して国家安全保障委員会に意見を求めているとしています。
 カマルル・アルフィン チームマネージャーは「10月2日から9日の予定で開催されるトルコでの大会については、参加が確定しているわけではなく、現在も議論が続いており、国外の大会に参加が可能かどうかについて国家安全保障委員会の意見を待っているところである。」「すべてのサッカー活動は国家安全保障委員会の標準作業手順SOPに沿って行う必要があり、何も確定していない」と話しています。
 さらにカマルル・アルフィン チームマネージャーは、U19代表候補合宿は今月末から行うことが予定されており、完全隔離型で行うこと、またアメリカ在住のワン・クズリもこの代表候補合宿に参加することも明かしています。

今年のスズキカップは前回同様のホームアンドアウェイ形式で開催
 マレーシアのサッカー専門サイトのヴォケットFCによれば、今年11月から始まる東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップは、昨年同様の形式で行われることが決定したということです。
 新型コロナウィルスの感染者も少なく、他国ではリーグ中止や無観客試合が行われる中、世界で最初に観客を入れて国内リーグを開催したベトナムが、今年の大会全試合を同国で行う一国開催を提案していましたが、AFFはスズキカップ開催時期までには新型コロナウィルス感染も下火になるとの予想から、昨年同様、グループステージは変則ホームアンドアウェイ方式、ノックアウトステージはホームアンドアウェイ方式を採用することを決定したということです。なおグループステージの変則ホームアンドアウェイ方式では、各国がいずれも異なる相手とホームで2試合、アウェイで2試合を行います。前回2018年大会のグループステージではベトナム、ミャンマー、カンボジア、ラオスと同組となったマレーシアは、ラオスとミャンマーとはホームで、ベトナムとカンボジアはアウェイでそれぞれ対戦し、3勝1敗でノックアウトステージへ進出しました。
 またAFFは今大会に限り、各チームの登録選手枠を前回の23名から30名とすることも発表しています。

UAEの国内リーグの今季中止が決定
 アラブ首長国連邦UAEの1部リーグアラブガルフリーグは、新型コロナウィルスの感染拡大を受けて3月15日から中断していましたが、UAEサッカー協会UAEFAが今季のリーグ中止決定を発表したことを英字紙スター電子版が報じています。
 UAEは10月再開予定のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選でマレーシアと同組であり、再開後の初戦となる10月8日にマレーシアはUAEとのアウェイ戦を控えています。
 マレーシアメディアやサポーターの中には、このリーグ中止決定により、試合感覚を養う機会がなくなることで、マレーシア に有利に働くのではないかという論調があり、しかもUAEは昨年2019年に12月22日にファン・マルワイク前監督に代わって就任したのがセルビア人のイヴァン・ヨヴァノヴィッチ監を解任しており、現在は代表監督が不在です。
 しかしマレーシア代表のタン・チェンホー監督は、リーグ中止が決定したことで長期に渡る代表候補合宿を行うことができ、近々発表されるとする新監督もチームを把握し強化するのに十分な時間が得られるとして、むしろ今よりもチームが強化されるのではないかという見通しを述べ、楽観的な論調に釘を刺しています。
 「UAEはアジアでもトップクラスの実力があるだけでなく、さらに10月の予選再開からは3名の帰化選手も加わると聞いている。また予選グループDの4位となっているUAEは、これまで消化した試合数が他国よりも1試合少なく、現在の順位にプレッシャーは感じていないだろう。」

6月19日のニュース:AFC U19選手権グループ発表-マレーシアはカタールらと同組、FAMはリバプールFCとの親善試合中止を決定、代表監督はベトナムの「心理戦」を警戒

AFC U19選手権グループ発表-マレーシアはカタールらと同組
 10月14日から31日までウズベキスタンで開催されるアジアサッカー連盟AFC U19選手権の組み合わせ抽選がクアラルンプールで行われ、マレーシアはカタール、イエメン、タジキスタンと同組のグループDへ回ったことがAFC公式サイトで発表になっています。
 2大会連続出場となるマレーシアは、前回2018年大会でもグループステージではグループDとなり、このときもタジキスタンと同組でした。また、このグループDで2014年大会優勝、前回2018年大会はベスト4のカタールが最大のライバルとなりそうです。
 前回優勝のサウジアラビアはオーストラリア、ベトナム、ラオスと、また準優勝の韓国は日本、イラク・バーレーンと同組になっています。
 なお、前回大会のマレーシアの戦績は、サウジアラビアに1-2、タジキスタンに1-1、中国に0-2の1分3敗でグループステージで敗退しています。ちなみにマレーシアの2点はいずれも現在はJ2岡山に所属するハディ・ファイヤッドが決めています。
(各グループの組み合わせ。マレーシアサッカー協会のFacebookより)

FAMはリバプールFCとの親善試合中止を決定
 マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・モハマド・アミン会長は、リバプールFCとMリーグオールスターの親善試合を予定していたものの、新型コロナウィルスの影響で中止になったことを明かしていると、マレー語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 これまで公表されていなかったこの親善試合について、ハミディン会長は「あなたが質問してFAM会長が答えます」企画の映像で明らかにしています。(リバプール戦中止のコメントは20分19秒から26秒)
 FIFAの国際マッチデーとは別の期間に行われる予定だったということで、フル代表の練習日程には影響を及ぼさないように設定されたということですが、新型コロナウィルスには勝てなかったようです。
 なおリバプールは2015年にもマレーシア選抜と親善試合を行なっており、その時は1-1の引き分けでした。
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 6月11日のブログに既に掲載したこの映像の中でのハミディン会長のコメントを私が聞き逃していたようです。イギリスの植民地だったことも影響しているのかもしれませんが、マレーシアではMリーグよりも英国プレミアリーグの方があるかにファンが多く、マンUに続いてリバプール戦も中止となったことで悲しむファンも多そうです。

代表監督はベトナムの「心理戦」を警戒
 同じブリタハリアン電子版は、今年10月に再開されるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選に向けて、マレーシアと同組のベトナムが心理戦を仕掛けていると報じています。
 ベトナム国内のメディアは、ベトナムサッカー協会VFFはコソボ出身のリリドン・クラスニキがマレーシアで二人目の帰化選手としてフル代表に加わることで、代表チームの戦力が大幅にアップすると予想しているという記事を掲載しているということですが、ブリタハリアンは、代表のタン・チェンホー監督がこれをVFFによる心理戦だとし、そういった話に惑わされないようにする一方で、ベトナムだけでなく同組のタイ、アラブ首長国連邦の情報を今後も収集していくつもりであると述べています。
 「予選グループ首位のベトナムはこの機会を活用して、心理戦を仕掛けてきているように思える。他国の強化状況を知ることも重要だが、まずはマレーシア代表自体が試合に向けて十分な準備をすることが最も重要だと考えている。」と話すタン監督は、マレーシア同様、ベトナムもチェコ生まれの帰化選手による補強の準備をしているという情報を得ているとしています。 

6月17日のニュース:130億円超のサッカー都市プロジェクトは前FAM会長に捧げる、トレンガヌFCとトレンガヌFCは綿棒検査終了、スランゴールFC監督は来月予定の代表候補合宿への選手派遣に難色

130億円超のサッカー都市プロジェクトは前FAM会長に捧げる
 マレーシア政府がプトラジャヤに建設を計画している予算5億リンギ(およそ130億円)を超えるスポーツ施設について、アヌアル・ムサ連邦直轄地担当大臣は、この施設を元FAM会長の故スルタン・アーマド・シャー殿下に捧げたいと話していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 1984年から2014年までFAMの会長を務めたスルタン・アーマド殿下は、1994年から2002年までAFCの会長を、2011年から2019年まではAFFの会長も務めており、2000年には、クアラルンプールのブキジャリルにAFC本部となるAFCハウスを建設する際にも尽力しています。
 アヌアル連邦直轄地担当相は、かつて自身がFAM副会長を務めた時代に会長であったスルタン・アーマド殿下がFAM、ASEANサッカー連盟AFF、そしてアジアサッカー連盟AFCの本部をプトラジャヤに移すことを発案し、そのための土地の提供を申し出ことを明かした上で、「スルタン・アーマド殿下による貢献を考えると、新たなスポーツ施設は『スルタン・アーマド・シャーサッカー都市』あるいは『スルタン・アーマド・シャーサッカーおよびスポーツ都市』とするのが至極当然である。」と話しています。
 またアヌアル大臣は近々、スルタン・アーマド殿下の子息でもある現在のマレーシア国王のスルタン・アブドラ国王に謁見し、この施設にスルタン・アーマド殿下の名を使う許可を求める予定であると話しています。
 この日、アヌアル大臣はプトラジャヤ開発公社とハミディン・モハマド・アミンFAM会長、ウィンザー・ジョン・ポールAFC事務局長との間での行われた覚書交換式典に参加しています。
 プトラジャヤサッカー都市計画は、連邦直轄地プトラジャヤの42.43エーカー(東京ドームのおよそ3.6倍)の土地にAFCが管理する10000人収容規模のスタジアムとFAM、AFC、AFFの本部、そしてマレーシア代表チーム専用の練習施設が建設される巨大プロジェクトで、AFCはおよそ1億米ドルの建設費用を負担し、マレーシア代表の練習施設はマレーシア政府が負担します。この他、プトラジャヤをスポーツに優しい街とするために、この施設の周辺にも地域住民のためのサッカー場が4面建設されるということです。

トレンガヌFCとトレンガヌFCは綿棒検査終了
 Mリーグ1部のトレンガヌFCと、トレンガヌFCのBチームで鈴木ブルーノ選手が在籍するMリーグ2部のトレンガヌFC IIは、これまで禁止されていたチーム練習を再開する条件となる綿棒検査を終了したと、マレー語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 ホームとなるスルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアムで行われた綿棒検査は両チームの選手の他、監督、コーチおよび関係者を対象に行われましたが、まだ自国にいるシンガポール出身のファリス・ラムリはマレーシア政府移民局によるシンガポールからの入国許可が出るのを待っているため、検査は受けていないということです。
 この後、査結果をMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLに提出し、MFLから練習再開の許可が出れば、ナフジ・ザイン監督率いるトレンガヌFCとロシャディ・ワハブ監督率いるトレンガヌFC IIは晴れて練習再開となります。
 トレンガヌFCのアーマド・シャリザル・ヤハヤ チームマネージャーによれば、検査結果が出るまでには2日ほどかかり、その結果をMFLに送ることから、実際の練習再開までには数日かかるとしています。
 練習再開許可が出た場合は、クラブとして国家安全委員会、マレーシア政府保健省、MFLによる標準作業手順SOPに沿った練習を行うとしています。

Football: Selangor prefer own Super League training

スランゴールFC監督は来月予定の代表候補合宿への選手派遣に難色
 Mリーグ1部スランゴールFCのサティアナタン・バスカラン監督は、来月予定されている代表候補合宿へ選手を派遣するよりも自チームで練習することを望んでいると英字紙ニューストレイトタイムズ電子版に語っています。
 先日、タン・チェンホー監督は10月から再開となるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に向けて、来月7月に短期の代表候補合宿を検討していると話しましたが、これに対してMリーグのクラブの中には難色を示しているとされていました。
 9月に再開予定のMリーグに備えて、今週から来週にかけて各クラブは約3ヶ月ぶりとなるチーム練習を始める予定ですが、多くのクラブが所属選手を試合ができるレベルの状況まで仕上げることを優先したいとしています。また、FIFAの国際マッチデー期間外に行われる7月の代表候補合宿には招集に応じる義務も発生しないことも、各クラブが難色を示している理由の一つとされています。
 スランゴールFCのサティアナタン監督は、スランゴールFCの選手2度のようなトレー人が必要かは自分が一番理解しているとして、代表候補合宿に派遣するよりは自チームで練習を続けることが選手にとっても最善であると話しています。
 自身も元代表監督の経験もあるサティアナタン監督は、5日間ほどの代表候補合宿での練習が身体接触を避けるもののであれば、体力トレーニングが中心となり、それならばわざわざ代表の練習に参加しなくとも、スランゴールFCでの練習で十分であると話しています。
 しかしその一方で、代表候補合宿での練習が身体接触を含んだり、クラブレベルでは現在も禁じられている練習試合などが行われるのであれば、喜んで選手を参加させたいとしており、来月7月に合宿を行うのであれば、各クラブの声も聞くべきではないかとも話しています。
 なお、新型コロナウィルス感染に伴う臨時措置として、FIFAは代表に招集された選手が招集を拒否して、自クラブで練習することも認めています。
 また同じMリーグ1部ペラTBGのメフメト・ドゥラコビッチ監督は、自チームの選手が7月の代表候補合宿に招集されることがあれば、喜んで参加させたいと話しています。
 「我々が選手を育てているのは代表チームのためであり、自分のチームの選手が代表に招集されるのは喜ばしいことである。代表のタン監督がペラTBGの選手が欲しいと言えば、全面的に協力したい。」と話しています。

6月7日のニュース:W杯予選前のチーム練習期間として最低2週間は必要-代表監督、U19代表最大の敵は寒さ、異色の経歴を持つディルガ選手のスーパーリーグまでの道のり

W杯予選前のチーム練習期間として最低2週間は必要-代表監督
 アジアサッカー連盟AFCが延期されていたワールドカップ予選の日程を発表したことを受け、マレーシア代表のタン・チェンホー監督は代表候補合宿を完全隔離型で行うことか許可された場合、最低でも2週間の合宿が必要であると話しています。
 英字紙スターによれば、予選再開後の初戦が10月7日のアウェイでのアラブ首長国連邦UAE戦に決まり、マレーシアサッカー協会FAMが計画している完全隔離型の代表候補合宿について、タン監督は「FAMの計画が承認されれば、チームを集めて重要な試合の準備を行える」と歓迎し、活動制限令MCO期間中に各自が自宅でトレーニングを続けていたとは言え、それでは全く不十分だとして、トレーニングをゼロから始めると考えると最低でも2週間は必要である。」と話しています。
 さらに練習だけでは不十分であり練習試合の必要性も訴え、中止が決まったバーレーンとの練習試合の再検討を求めたいと話しています。「世界中の空港は再開され始めており、UAEとの試合前に中東で練習試合が行うことは可能である。(W杯予選で同じグループにいる)ベトナムは国内リーグを再開させ、タイはリーグ中断中ながら練習は行われている。またUAEの国内リーグも6月10日に再開されると聞いており、(国内リーグ再開の目処が立っていない)マレーシアは他のチームに大きく遅れを取っていることから、やらなければならないとことがたくさんある。」と話しています。

U19代表最大の敵は寒さ
 10月14日から始まるAFC U19選手権に出場するU19代表の最大の敵は寒さではないか、と英字紙スターが報じています。
 今回、AFC U19選手権が開催されるウズベキスタンは、10月の気温が6度から19度とマレーシア人に取っては非日常的な寒さであり、U19代表の選手たちはそのような寒い高校の中ではプレーした経験がありません。
 それでもU19代表のブラッド・マロニー監督は、前任のU23代表コーチ時代の2018年1月に中国で開催されたにU23代表を率いてAFC U23選手権を戦った経験を生かして、現地あるいは近隣諸国に先乗りして選手を寒さに慣らす計画を立てていると話しています。
 2018年のAFC U23選手権に出場したマレーシアU23代表は大会前に韓国のモッポ市で合宿を張り、練習試合を数試合行うなどの寒さに選手を慣らす対策を行いました。
 マロニー監督は、気候がプレーに与える影響は大きいとして、気候に慣れるために先乗りする重要性を主張しています。

異色の経歴を持つディルガ選手のスーパーリーグまでの道のり
 英字紙ニューストレイトタイムズは、Mリーグ1部スーパーリーグのPDRM FCでプレーするディルガ・スルディの移植の経歴を取り上げた記事を掲載しています。
 マレーシア王立警察が運営するクラブPDRM FCでプレーするディルガ選手は東マレーシアのサバ州コタキナバルの出身ですが、マレーシア国内の多くのプロサッカー選手が経験するような、Mリーグのクラブのユースカップ(U19)チームや、プレジデントカップ(U21)チームでのプレー経験がありません。しかも2年前まではMリーグ4部より下になるアマチュア地域リーグでプレーしていたということです。
 「高校時代は州代表どころか(その下の)地域代表が自分がプレーした最高レベルだった。それでも自分が出会った多くのコーチが諦めずに努力することを勧めてくれたおかげで、月給が800リンギ(およそ2万円)の地域リーグのクラブでプレーしていたところを、自分のプレーを見たM3のプチョン・フェルザのナズレルワン・マクモー監督が自分をクラブに招いてくれた。おそらくこれが転機だったのだと思う。そして今年初めにPDRM FCとの練習試合に出場し、そこからPDRM FCのトライアウトに招かれた。PDRM FCからのトライアウト参加を求める電話も、最初は悪戯かと思ったほどだった。」と話すディルガ選手は、高校時代は州代表にも選ばれなかった自分だが、諦めずにプロになる目標を追い続けたことで、今は胸を張って自分をプロサッカー選手と紹介できるようになった。似たような境遇の選手たちにも諦めずに頑張って欲しい。」と述べています。

6月1日のニュース:Mリーグは8月に再開の可能性も、「マレーシア人選手はタイリーグを目指すべき」-マットヨー、そこでタイリーグでプレーすべきマレージア人選手7人

Mリーグは8月に再開の可能性も
 6月9日に予定されている条件付き活動制限令CMCOの解除が近づいてきました。これまで何度か延長が繰り返されてきた活動制限令も、今回は解除されることが予想されていますが、そうなれば予定を前倒しにして8月のリーグ再開の可能性があると、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 マレーシア政府の国家安全保障委員会と保険省は今月6月中に、Mリーグ再開時期を決定するとしています。
 マレーシアサッカー協会FAMとMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは4月には、標準業務手順SOPを設けた上で9月のリーグ再開許可をマレーシア政府へ申請しましたが、今月6月9日に予定通りCMCOが解除された場合、7月には通常のチーム練習の再開、そして8月にはリーグが再開される可能性があるとして、各方面と協議に入っているということです。
 また、8月にMリーグが再開となれば日程に余裕ができ、選手のケガや疲労などの不安が解消されるだけでなく、10月に再開予定のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選にも選手が万全の状態で臨めるなどの利点もあるとしています。

「マレーシア人選手はタイリーグを目指すべき」-マットヨー
 今季からタイ1部リーグのBGパトゥム・ユナイテッドでプレーするマットヨーことノーシャルル・イドラン・タラハは、マレーシア人選手にタイリーグでのプレーを目指すべきと話していると、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 スタジアムアストロに関連するスポーツニュース番組のナディアリーナに出演したノーシャルル選手は、タイを目指すべき理由として給料の支払いが遅延なく行われることを一番の理由に挙げています。「経営陣も練習施設も充実しているが、給料の支払いはMリーグのクラブよりもはるかに確実に行われている。」と話しています。
 実際にMリーグ1部スーパーリーグの選手数名がノーシャルル選手に現地の状況を問合せ、タイでプレーする可能性を考えて情報収集を行っていることも明らかにしています。
 「タイのクラブと同様の環境が得られるのは、マレーシアではジョホール・ダルル・タジムJDTくらいであり、マレーシア人選手はタイでプレーすることを考えるべきだ。」と話しています。
 タイでのプレーに関心があり、ノーシャルル選手に問い合わせてきた選手の中には代表選手も数名いるということです。
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 マレーシア国内ではケランタンFA、JDT、パハンFAなどでプレーし、代表のキャップ数も80を数えるノーシャルル選手。往年のキレは無くなったものの、タイリーグでプレーしてくれていることで、後進への道筋は付けられたということでしょうか。
 なおタイ1部リーグでは、ノーシャルル選手のほか、ドミニク・タンがポリス・テロFCでプレーしています。

そこでタイリーグでプレーすべきマレージア人選手7人
 上のような記事が出るとすぐに関連記事を掲載するサッカー専門サイトのヴォケットFCが今回も早速、やってくれました。
 現時点では東南アジアでトップといえるタイリーグでプレーすべきマレーシア人選手としてヴォケットFCが選んだのは以下の7人です。僭越ながら、その後に個人的なコメントも書いてみました。
1 シャフィク・アーマド(ジョホール・ダルル・タジム)
現時点では国内のトップストライカーとされるシャフィク選手は、国外で揉まれることより良い選手となれるだろうと、ヴォケットFCは評しています。
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FIFAワールドカップアジア二次予選での2ゴールを含め、昨年は代表では5ゴールを挙げる安定したパフォーマンスを発揮しながら、JDTでは絶対的なエースとはなり切れていないシャフィク選手。25歳という年齢を考えると、JDTでのプレーに拘らず、他のクラブで飛躍をして欲しいという思いは私も同感です。

2 ノー・アザム・アジー(パハンFA)
アザム選手はパハンFAと代表の中盤のキープレーヤー。タイリーグでプレーすることで、その実力が磨かれるだろうとしています。
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代表でもレギュラーとして活躍するアザム選手で気になるのはその線の細さ。選手層があまり厚くない代表では、25歳ながら換えの効かない選手なので、タイリーグでプレーして当たりに強い選手になって欲しいです。

3 シャルル・サアド(ペラTBG)
国内でトップのDF(センターバック)は2018年のマレーシアカップ優勝に貢献するなど実績もあります。さらなるレベルアップを目指して国外でプレーするべきとしています。
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個人的にはポカの多い選手という印象が強いシャルル選手ですが、センターバックに人材不足の代表ではやはり欠かせない選手です。27歳という年齢も国外でのレベルアップには最後のチャンスかも。

4 アダム・ノー・アズリン(JDT)
代表ではアイディル・ザフアンとシャルル・サアドの影に隠れることが多いですがアダム選手ですが、国外でプレーすることでワンランク上の選手になってくれるでしょう。
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シャフィク・アーマド同様、24歳ながら代表で準レギュラーとしてプレーしながら、JDTでは絶対的なレギュラーに慣れていないアダム選手に求めたいのは、確実なプレーです。出場機会が増えるなら、是非、移籍を考えて欲しいです。

5 サファウイ・ラシド(JDT)
誰もが認める現時点でのトッププレーヤーは、国外でプレーするべきときが来ています。
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個人的にはタイよりは日本や韓国、あるいはヨーロッパなどもう一つ上のリーグを目指して欲しい、まさにマレーシアのエースです。23歳ながら2年連続リーグMVPを獲得するなど、もうマレーシアで手に入れられるものは全て手に入れたサファウィ選手には、タイを踏み台にしてさらに上を目指して欲しいです。

6 シャミ・サファリ(スランゴールFC)
代表ではマシュー・デイヴィーズ(JDT)と右サイドバックのポジションを争うシャミ選手。国外でプレーすることで不動のレギュラー獲得に近づくでしょう。
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22歳とは言え過去2年間で既に18キャップを獲得しているシャミ選手。2018年のAFF選手権スズキカップ準決勝のタイ戦でゴールエリアの外から決めた美しいゴールはタイ代表の選手の印象にも残っているはずですので、是非、その印象が残っているうちに挑戦して欲しいです。

7 ハリス・ハイカル・アダム・アフカル(スランゴール2)
次世代の代表DF陣の中心となることが期待されている18歳のハリス・ハイカルは、国外でプレーすることで彼の持つポテンシャルを引き出せるのではないでしょうか。
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今回の7人の中で唯一の10代の選手。このブログでも取り上げているルクマン・ハキム・シャムスディンとともにU22代表でもプレーしています。個人的にはタイリーグから、アセアン枠のある韓国や日本でのプレーを目指して欲しい選手です。

5月25日のニュース:クダFAの選手には結局ハリラヤ前に未払い給料が支払われなかったことが明らかに、代表はW杯予選前の準備にMリーグクラブと対戦も、U19代表はアメリカ2部リーグでプレーする選手を招集か

クダFAの選手には結局ハリラヤ前に未払い給料が支払われなかったことが明らかに
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、クダFAの選手およびスタッフには、結局、ハリラヤ(イスラム教の断食月明け大祭)前に未払い給料が支払われることはなかったと報じています。
 このブログでも、辞任したムクリズ・マハティール前クダ州首相が辞任前に州政府からクダ州サッカー協会KFAへ200万リンギ(およそ4930万円)の配分を承認したとする記事を取り上げました。またその一部の50万リンギはハリラヤ前に選手およびスタッフに支払われると発表したKFAのアスミルル・アヌアル・アリス名誉事務局長も辞任しており、真相は闇の中です。
 しかしクダFAの数名の選手がソーシャルメディア上でKFAの対応を非難しており、シンガポール出身のシャキル・ハムザは自身のインスタグラム上で、(アスミルル名誉事務局長の発言に対して)「本当だったらよかったのに…。」とコメントし、アズリ・ガニはこれを自身のアカウントでシェアしている他、イファット・アクマル・チェック・カシムは自身の2月以降は全く給料を受け取っていなことをほのめかしています。
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 前州政権が配分を承認した200万リンギが、現政権によって反故にされる可能性もあり、そうなれば、既にモチベーションが下がっているであろうクダFAの選手たちにとって、さらにやる気を失わせる原因になるどころか、クダFAにとっても来季のクラブライセンス獲得の生姜になる可能性もあります。

代表はW杯予選前の準備でMリーグクラブと対戦も
 10月から再開予定とされるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選前に、代表のタン・チェンホー監督は練習試合の必要性を訴えていますが、新型コロナウィルスの影響により移動制限などが課されている現状では試合を組めていないことから、マレー語紙ハリアンメトロは、Mリーグのクラブが代表の練習試合の相手になる可能性を取り上げています。
 マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、各国の新型コロナウィルスへの対応は異なり、感染拡大を防ぐために外国人の入国を禁じている国もあることから、国外遠征については現時点での日程の確定は難しいと話しています。
 そこで代案として上がっているのは、Mリーグのクラブとの対戦ということです。
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 素人目線では、Mリーグ外国籍選手選抜とマレーシア代表が試合をすれば、国外に出かけていく必要もなく、そこそこ質の高い相手との良いウォーミングアップになりそうだとも思いますし、サポーターの関心も集められそうですが、そう言うわけにはいかないのでしょうか。

U19代表はアメリカ2部リーグでプレーする選手を招集か
 昨年2019年末の東南アジア競技大会シーゲームズに出場するU22大表の合宿に招集されながら、結局は書類不備を理由にマレーシアU22代表に選ばれなかった、MSLのスポーティング・カンザスシティに所属するワン・クザイン・ワン・カマルの弟で、アメリカ2部リーグUSLのセントルイスFCでプレーするワン・クズリ・ワン・カマルが、10月にウズベキスタンで開催されるアジアサッカー連盟AFC U19選手権に出場するU19代表の候補合宿に招集される可能性があると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 U19代表のチームマネージャーを務めるカマルル・アリフィン・モハマド・シャハル氏は、現在18際のワン・クズリ選手はマレーシア代表としてプレーするの必要な書類は全部揃っているとブルナマの取材に答えています。
 来年2021年にインドネシアで開催されるFIFA U20W杯のアジア予選も兼ねる今回のAFC U19選手権で、マレーシアは予選を突破しての初出場を目指しています。
 AFC U19選手権予選を全勝で突破したU19代表の選手たちの他、U19を強化するために数名の選手の様子を追跡していると話すカマルル・アリフィン氏は、ワン・クズリ選手がその1人であるとした上で、「両親がいずれもマレーシア人であり、年齢が18歳のワン・クズリ選手はU19代表に参加できる条件を揃えており、さらにワン・クズリ選手本人も代表でプレーすることを望んでいる。」と話しています。
 カマルル・アリフィン氏は、ワン・クズリ選手の他に、U19代表の戦力強化につながるサバ州とマラッカ州出身の2選手を追跡調査していることも明かしています。