10月4日のニュース:イカ釣りに出ていて船を逃したシャルル・ニザム、ケランタンFCはインドネシア出身ウィングと契約延長か

イカ釣りに出ていて船を逃したシャルル・ニザム
 FIFAの国際マッチデー期間に合わせてヨルダンでの合宿と練習試合を行うマレーシア代表は10月1日にマレーシアサッカー協会FAM本部に集合し、翌2日にヨルダンに向けて出発しましたが、今回の代表召集メンバーのムハマド・シャールル・ニザム・ロス・ハスニ(トレンガヌFC)が10月1日の集合日に何の連絡もなく姿を見せなかったことから様々な憶測が飛び交っていました。
 これについてマレーシア代表のモハマド・ユソフ・マハディ のチームマネージャーTMがその真相をマレーシアの通信社ブルナマに明かしています。
 今回の合宿参加メンバーは先月9月23日にFAMから発表になりましたが、その後、DFディオン・クールズ(デンマーク1部FCミッティラン)とDFシャーミ・サファリ(スランゴールFC)がいずれもケガのため代表合宿参加を辞退し、この2人に代わって招集されたのがいずれもDFのアリフ・ファルハン(クダ・ダルル・アマンFC)とシャールル・ニザムの両選手でした。アリフ選手は他の選手同様、10月1日にFAM本部に集合しましたが、招集メンバー20名の内、シャールル選手だけが集合部に姿を見せなかったことをFAMは公式Facebook上でその理由を説明せずに告知したため、シャールル選手が代表招集を拒否したのでは、といったものから彼女が国外に出ることを許さなかったといった荒唐無稽な理由まで様々な噂がソーシャルネットワーク上で飛び交っていました。
 FAMの会長代理でもあるモハマド・ユソフTMによればその真相というのは、シャールル選手はイカ釣りで海に出ていたため連絡がつかなかった、ということのようです。シャールル選手が所属するトレンガヌFCのズルファディル・ロジTMから直接、電話連絡を受けて状況が判明したようですが、その電話を受け取った時間も代表がヨルダンに出発する12時間前だったいうことで、10月1日の集合日の時点ではそういった状況すらFAMは把握できていなかったことになります。自身が対表チームのTMとなってから代表招集に応じなかった選手に出会ったことがないとモハマド・ユソフTMは話し、10月1日の午後にイカ釣りから戻ったシャールル選手は自身が代替招集されている話を聞いて驚いたと説明しています。
 さらにモハマド・ユソフ代表TMは、今回のシャールル選手の代替招集がヨルダン合宿出発直前だったことから自身が招集される可能性を考えなかった可能性もあるとして、FAM事務局に対してその詳細を調査するよう命じてことを明かしています。またトレンガヌFCのズルファディルTMはシャールル選手に対する処分が行われないよう求めているということです。
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 これを報じた記事がシャールル選手のイカ釣りに関連させて”miss the boat”(「船に乗り遅れる」転じて「機会を逃す」という意味)という見出し付きで取り上げていましたが、笑い話で済む話ではないでしょう。シャールル選手の代替招集がFAMのFacebookで告知されたのが9月30日の14時50分で、トレンガヌFCは9月29日にマレーシアカップグループステージのスランゴール戦を戦い、シャールル選手もこの試合に先発してフル出場しています。つまりこの9月29日の試合後の段階では当初招集されたクールズ、シャーミ両選手の代表辞退も発表されおらず、シャールル選手への代替招集も伝えられていなかったということになります。
 ここで気になるのは、FAMあるいは代表チームが代替招集される可能性がある選手を事前に選考し、それが該当選手に伝わっていたのか、ということです。シャールル選手自身が代替招集の対象であることを事前に伝えていた上で連絡が取れないようなイカ釣りに出ていたのであれば、シャールル選手への処分は必至でしょうが、ケガによる事態が相次いだといった理由でシャールル選手の代替招集が9月30日に決まったのであれば、マハディ・ユソフTMを含めた代表チームの運営に関する失態となります。
 本人との連絡が取れていないにも関わらずFAMがFacebookでシャールル選手の代替招集を発表した事実から、シャールル選手はケガ人が出た場合に代替招集される可能性について知らされていた可能性の方が高そうですが、そうであれば多くのファンが指摘しているように「代表に招集されるということの重み」を23歳のシャールル選手は理解できていなかったことになります。

ケランタンFCはインドネシア出身ウィングと契約延長か
 Mリーグ2部のケランタンFCに今季から加入したインドネシア出身のウィング、ナタナエル・シリンゴリンゴはプレミアリーグの試合で3ゴールを、またマレーシアカップグループステージではサバFC戦で1ゴールを決めていますが、クラブオーナーのノリザム・トゥキマン氏は自身のFacebook上でナタナエル選手の活躍に満足し、22歳のナタナエル選手を獲得した自分の目に狂いはなかったの述べています。
 ナタナエル選手のリーグ戦3ゴールはケランタンFCではヌルシャミル・アブドル・ガニの9ゴールに続くチーム2位のゴール数です。
 ノリザム オーナーはチームに勝点1をもたらした前述のサバFC戦での同点ゴール、そして先月9月に同じケランタン州コタバルのスルタン・モハマド4世スタジアムを共有するケランタン・ユナイテッドFCと「ケランタンダービー」での一戦で挙げた2ゴールを挙げ、来季の契約延長について言及しています。
 このナタナエル選手について取り上げたサッカー専門サイトのヴォケットFCは、このナタナエル選手について元韓国代表監督で現在はインドネシア代表の監督を務めるシン・テヨン監督に代表でのプレー機会を与えるべきだというインドネシアサポーターの声を紹介しています。

10月3日のニュース:FIFAのW杯隔年開催案にタン代表監督は賛成もオン前協会テクニカルディレクターは育成への影響を懸念、タイ1部第5節-代表コンビはエルドストールは出場もタンは5試合連続で出場なし

タン代表監督はFIFAのW杯隔年開催案に賛成も、オン前協会テクニカルディレクターは育成への影響を懸念
 マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長が200カ国以上が参加してオンラインで行われたFIFAの会合に出席し、FIFAが提案しているワールドカップ隔年開催案などについて説明を受けたことがFAMの公式Facebookに投稿されています。
 ハミディン会長はW杯を開催する機会がより多くの国に与えられるなどを理由からこれに賛同することを表明していますが、英字紙ニューストレイトタイムズはこの隔年開催案に対するマレーシア代表のタン・チェンホー監督と先月9月までFAMの前テクニカルディレクター(TD)を務めていたオン・キムスイて現サバFC監督のコメントを掲載しています。
 タン代表監督はこの提案に対して、欧州の巨大クラブはこの案に消極的かもしれないが、各国のサッカー協会、特にマレーシアのような小国の協会にとっては大会開催の間隔が短くなることである年の大会の出場機会を逃したとても次の大会まで待つ時間が短くなることの利点、さらに試合の頻度が増すことで年代別の代表選手が従来よりも短い期間でフル代表に加わるようになるだろうとも予想しています。
 一方でオン・キムスイ前TDは、W杯が隔年開催となることで弱小国がフル代表の強化により重きを置くようになり、その結果として若い選手の育成がおろそかになる恐れがある可能性を指摘しています。「国内サッカーの構造の中に各年代での育成の仕組みが十分に組み込まれている国にとってはこの隔年開催が及ぼす影響は大きくないだろうが、そうでない弱小国はW杯出場を目指して予算や人的資源をこれまで以上にフル代表に注力することが考えられる。そうなった場合に育成プログラムや各年代別の大会開催といった部分がおろそかにならないかと心配だ。」と述べているということです。

タイ1部第5節-代表コンビはエルドストールは出場もタンは5試合連続で出場なし
 2021/2022年シーズンのタイ1部リーグ第5節が10月1日と2日開催に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCとDFドミニク・タンが所属するポリス・テロFCの試合が行われました。

タイ1部リーグ第5節
2021年10月1日@チョンブリースタジアム
チョンブリーFC 2-3 シンハー・チェンライ・ユナイテッド
 首位チョンブリーFCがチェンライ・ユナイテッドをホームに迎えたこの試合では、チェンライ・ユナイテッドがブラジル出身FWロシマール・アマンシオのPKを含む3ゴールで、今季ここまで負けなしのチョンブリーFCに初黒星をつけています。
 今月の代表合宿とヨルダン、ウズベキスタンとの練習試合には招集されなかったジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)は先発しましたが、65分にいわゆるプロフェッショナルファウルで一発退場となっています。
 (試合のハイライト映像はチョンブリーFCの公式Youtubeチャンネルより)

https://youtu.be/xALpA89L-SY

2021年10月2日@ピッチャヤスタジアム
ノーンブワ・ピッチャヤFC 1-0 ポリス・テロFC
 第4節を終えてまだ勝利のないポリス・テロFCが今季1部に昇格したノーンブワ・ピッチャヤFCと対戦し、今季加入のハミルトン・スワレス・デ・サのゴールで敗れています。
 10月の代表合宿に招集されたドミニク・タンは既に代表に合流したのか、この試合ではベンチ入りしませんでした。今季開幕以来の5試合で一度もピッチに立っていないタン選手ですが、ここまで未勝利のポリス・テロFCで出場機会がないという現状での代表召集には疑問が残ります。

タイ1部リーグ順位表(第5節終了)

順位チーム試合得失差勝点
1ブリーラム・ユナイテッド5311610
2チョンブリー522188
3ポートFC522128
16ポリス・テロFC5023-42
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFC、ポリス・テロFCのみ表示しています。

10月2日のニュース:代表のヨルダン遠征メンバーは2名減って22名に、スタジアム観戦再開に向けてMリーグ各クラブが期待

代表のヨルダン遠征メンバーは2名減って22名に
 マレーシアサッカー協会FAMは公式Facebookで、タン・チェンホー監督率いる代表20名が本日10月2日午前3時15分にクアラルンプール国際空港KLIAからヨルダンの首都アンマンへ向けて出発したことを伝えています。え?24名召集したのになぜ20名?
 24名の内、「国外組」のルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)とドミニク・タン(タイ1部ポリス・テロFC)は合宿地のヨルダンでチームに合流することが発表されており、KLIAからは代表22選手が出発する予定でした。
 マレーシア代表はヨルダンで代表合宿を行い、合宿中の10月6日にはヨルダン代表、10月9日にはウズベキスタン代表との練習試合を行うことになっていますが、これに先立って代表に招集された選手は昨日10月1日にはスランゴール州プタリンジャヤのFAM本部に集合して全体練習を行いましたが、ここで問題が起こりました。国外組を除く22名の内、今回初招集となったスランゴールFCのDFシャルル・ナジームはこの日FAM本部に集合したものの、ケガのため代表を辞退することが明らかになりました。また当初招集されていたDFディオン・クールズ(デンマーク1部FCミッティラン)がケガのため合宿参加を辞退したことにより代替招集されたトレンガヌFCのDFシャールル・ニザム・ロス・ハスニはこの日、FAM本部に現れなかったということです。FAMからはこの2選手に代わる選手の招集は告知されておらず、結局20名がヨルダンへ向かったというのが真相のようです。
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 新戦力を試したいというタン監督は、6月のFIFAワールドカップ2022年大会予選出場メンバー25名から主力選手のGKファリザル・マーリアス、DFラヴェル・コービン=オング、DFマシュー・デイヴィーズ、FWサファウィ・ラシドらJDTの選手を中心に半数以上の13名を外して、初招集の5名を含む12名と入れ替えています。直近のFIFAランキング154位のマレーシアにとって、今回は格上のヨルダン(同93位)、ウズベキスタン(同84位)との貴重な実践機会にも関わらず、試せる選手が24名から22名になってしまったのは残念です。今回の代表メンバーが発表になったのは9月23日ですが、今回辞退となったシャルル選手は9月26日から始まったマレーシアカップのグループステージ2試合にはいずれもベンチ入りしておらず、ケガの状況が代表に伝わっていたのかどうか不明です。また昨日FAM本部に現れなかったシャールル選手については、選手自身だけでなく所属するトレンガヌFCからも何の発表もありません。なおシャールル選手は9月29日のマレーシアカップ、スランゴールFC戦にフル出場しており、ケガということではなさそうです。ここで気になるのはFAMと代表の首脳陣はこういった場合に備えて代替選手の代替選手といったところまで準備していたのか、という点です。マレーシアに「根回し」という文化があるかどうかはわかりませんが、例えばそういった代替選手の代替選手候補にまで根回しをして、事前にパスポートの取得などを促しておけば、急な招集に雲隠れする選手も居なそうな気がします。

スタジアム観戦再開に向けてMリーグ各クラブが期待
 9月29日にイスマイル・サブリ・ヤアアコブ首相はワクチン接種を完了している18歳以上を条件に、サポーターのマレーシアカップでのスタジアム観戦戦を許可すると発表しましたが、これをうけてマレーシアカップ出場中の16チームは、10月29日から再開するマレーシアカップグループステージ第3節でのサポーターの入場に向けて準備をするめていると、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 KLシティFCのStanley・バーナードCEOは代表のヨルダン合宿などによる1ヶ月の中断期間がスタジアム観戦実施前に観戦の際の標準作業手順SOPを強化するのに良い準備期間になるだろうと述べています。「(KLシティFCの本拠地の)KLフットボールスタジアムは、昨季もSOP向上の実地例として活用されており、その際にはスタジアム観戦が実施された場合の問題となるとされた点は改善済みである。」と述べていつでもサポーターを迎え入れる準備ができていると胸を張っています。
 またクダ・ダルル・アマンFCのカマル・イドリスは今年5月9日以来となるサポーターのスタジアム観戦再開について、観戦に訪れるサポーターはMFLが設けるSOPを遵守してくれることを期待していると話す一方で、スタジアムにどのくらいの慣習を入れることができるのかは不明ながら、入場者を受け入れることによりチームの財政にも好影響が出ることを期待していると話しています。
 またマラッカ・ユナイテッドFCのジャスティン・リムCEOはマレーシア政府がスタジアム観戦を許可したことに感謝するとともに、、新型コロナ観戦の心配なくスタジアムで観戦できるよう、ワクチン接種完了者のみがスタジアム観戦を許されることを保証するとしています。
 マレーシアカップを主催するMFLは、マレーシア政府が新型コロナの感染状況に応じて設定している国家復興計画NRPの段階が州により異なることから、各試合会場よって入場可能なサポーターの人数が異なるとしていますが、その具体的な数字はまだ発表されていません。またマレーシアカップ中断期間中に各チームが予定している練習試合のスタジアム観客についても、現在、MFLは国内スポーツを統括する青年スポーツ省からの指示を待っている段階であると言うことです。
 なお現在最も規制が厳しい国家復興計画NRP第2段階がクダ州、ペナン州、ペラ州、ケランタン州、ジョホール州、サバ州に、第3段階がクアラルンプール、プトラジャヤ、スランゴール、マラッカ、プルリス、パハン、トレンガヌ、サラワク、そして最も規制が緩い第4段階がヌグリスンビランとラブアンに施行されています。
 ちなみに条件付き行動制限令CMCOが施行されていた時期はスタジアム定員の10%あるいは2000名が、復興に向けての行動制限令RMCO施行時には定員の25%あるいは8000名が上限としてスタジアムでの観戦が許可されていました。

9月29日のニュース:スズキカップの開催国がシンガポールに決定、スランゴールFCがU20代表召集で協会と対立か

スランゴールFCがU20代表召集で協会と対立か
 英字紙ニューストレイトタイムズは、Mリーグ1部スーパーリーグのスランゴールFCが、近々予定されているU20代表合宿へ選手を派遣することに消極的であると報じています。
 スランゴールFCのセカンドチームで2部プレミアリーグのスランゴールFC 2からは多くの選手がU20代表に召集される見通しですが、この中にはトップチームに昇格して現在開催中のマレーシアカップに出場する選手もいることから、クラブがそういった選手の代表召集には応じない可能性があると報じられています。
 マレーシアサッカー協会FAMは10月25日から31日までモンゴルのウランバートルで開催されるアジアサッカー連盟AFC U23アジアカップ予選J組に本来のU23代表ではなく、2024年パリオリンピック出場を目指すための長期強化プログラムの一環としてU20代表を派遣することを決めていますが、その中心選手となるのがスランゴールFC 2の選手たちです。
 今回の件についてスランゴールFCのジョハン・カマル・ハミドンCEOはニューストレイトタイムズの取材に対して多くを語らず、FAMに問い合わせるべきと答えたということですが、このAFC U23アジアカップ予選はFIFA国際マッチーデー期間外で開催されるため、クラブには選手の召集を拒否することが可能であることが問題を複雑にしているようです。
 スランゴールFCとFAMは今回のU20代表合宿での選手召集について既に話し合いを行なっており、FAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長は両者間の対立はなく、話し合いは実りあるものだったとしていますが、AFC U23アジアカップ予選まで既に1ヶ月を切った現在もU20代表の第2次合宿召集メンバーの発表はされていません。
 なおスランゴールFC からはシャルル・ナジーム(21)とムカイリ・アジマル(19)が10月1日から行われるフル代表の合宿とヨルダン遠征に召集されていますが、こちらはFIFA国際マッチーデー期間内に行われるため、問題は起きていません。

スズキカップの開催国がシンガポールに決定
 アセアン東南アジアサッカー連盟AFFは公式サイトで今年12月に開催予定のAFF選手権スズキカップ2020年大会をシンガポールで開催することを発表しています。
 12月5日に開幕するスズキカップは、当初は2020年末に予定されていましたが東南アジア各地で新型コロナの感染拡大により今年3月に延期され、その後も感染状況が改善されず、開催地として立候補する国もなかったことからさらに12月に延期されていました。
 またこれまではホーム&アウェー方式で行われたきたスズキカップですが、今大会は出場チームや関係者の安全を考慮し一カ国での集中開催方式となることが発表されており、9月27日にオンラインで行われたAFF理事会で今大会の開催地として立候補したタイとシンガポールからシンガポールが集中開催地と決定しています。
 なおスズキカップ2020年大会の組み合わせ抽選は既に終わっており、マレーシアは前回2018年大会の覇者ベトナム、インドネシア、カンボジア、ラオスと同じB組に入っており、初戦は12月6日のカンボジア戦となることが決まっています。グループステージ終了後にはA、B両組の上位2チームが準決勝に進み、準決勝以降は従来通りのホーム&アウェー形式で行われ、決勝は今年12月29日と2022年1月1日に予定されています。

9月19日のニュース:代表は10月にヨルダンとウズベキスタンと対戦、ペラ州協会は3部降格のペラFC II解散発表もチーム関係者は再考を求める

代表は10月にヨルダンとウズベキスタンと対戦
 10月4日から12日までのFIFA国際マッチデー期間に合宿を予定しているマレーシア代表は、ヨルダン、ウズベキスタンと練習試合を行うと、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 8月30日から9月7日にかけての国際マッチデー期間に国内合宿と他国の代表を招いての練習試合を予定していたマレーシア代表は、マレーシア政府安全保障委員会NSCやマレーシア保健省から国内での練習試合開催を認められなかったことから、この期間は練習試合だけでなく合宿も行わず、日程がずれ込んでいた国内リーグの試合開催に充ててていました。
 そこで10月の国際マッチデー期間が再び無駄になることを避けるため、マレーシア代表はヨルダンの首都アンマンで、ヨルダン代表が主催し、ウズベキスタン代表が参加する3カ国間での練習試合に出場するということです。
 またこの練習試合でタン・チェンホー代表監督は、DFディオン・クールズ(デンマーク1部FCミッティラン)、FWルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)、DFジュニオール・エルドストール(タイ1部チョンブリーFC)、DFドミニク・タン(タイ1部ポリス・テロFC)ら「国外組」の招集を予定していることを明かしています。
 なおこの代表合宿後、マレーシア代表は今年12月5日開幕予定のアセアン東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ、そして2月から始まるAFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選などが控えています。

ペラ州協会は3部降格のペラFC II解散発表も、チーム関係者は再考を求める
 今季Mリーグ1部スーパーリーグで11位となったペラFCは来季の2部プレミアリーグ降格が決まっていますが、今季2部プレミアリーグでプレーしたペラFCのセカンドチーム、ペラFC IIはMリーグを運営するMFLが定めた「トップチームとセカンドチームは同一リーグに所属できない」という規定により、来季は3部M3リーグへ降格となってしまいました。これを受けてペラ州サッカー協会のモハマド・ヤザン会長代行は、2年以内にペラFCを1部へ復帰させることが最優先課題だとして、ペラFC IIの解散を決定したと報じられましたが、ペラFCのモハマド・ラシディ・アブドル・ラヒムTM(チームマネージャー)は、ペラFC IIの解散を決定する前には十分な検討が必要であるとの述べています。
 マレーシアの通信社ブルナマはモハマド・ラシディTMの談話を掲載し、チームの解散は所属する選手や監督およびコーチに影響を与えるだけでなく、将来のペラFCへと続く選手育成へも直接影響を及ぼすとして、ペラ州サッカー協会に再考を求めていると報じています。
 「ペラFCはシーズン中に選手を入れ替えて(セカンドチームの)ペラFC IIの選手を起用することもある他、ペラFC IIの選手の中にはU21リーグのプレジデントカップやU19リーグのユースカップではプレーできない年齢の選手もおり、こういった選手たちはペラFC IIが解散した場合にはサッカー選手という職業を続けていくことを断念せざるを得なくなるという事実も考慮した上で(ペラ州サッカー協会には)最終決定を下して欲しい。」とのべるモハマド・ラシディTMは、ペラFC IIが降格するM3リーグは運営費用がプレミアリーグよりも低く抑えられること、またセミプロリーグのM3リーグに参加することで、現在ペラFC IIに所属する選手たちのさらなる技術向上が図れ、そこからトップチームのペラFCへ選手が供給できる可能性などを指摘した他、今季ペラFCで起こった給料未払い問題とそれによる主力選手の大量退団などで低下したクラブのイメージが、セカンドチームのペラFC II解散でさらに悪化する懸念もあると話しています。
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 ペラFC IIの前身はPKNP FCはペラ州政府機関のペラ州開発公社PKNPが母体のクラブチームで、2018年シーズンに1部スーパーリーグに昇格すると、このシーズンは9位、翌2019年シーズンは11位で2部降格となったことで、PKNP FCはペラFCに吸収合併される形でペラFC IIが誕生しました。ペラFC(合併当時はペラFA)、PKNP FCともにペラ州政府からの資金で運営されていたこともあり、運営の一本化が目的の合併でした。そんな経緯もあり、かつて1部スーパーリーグでもプレーしたクラブを「解散」するというペラ州サッカー協会の発表には驚きましたが、民営化されたはずのクラブに未だに州サッカー協会が「指導」する関係性が変わっていないことにも驚きです。


9月18日のニュース:2部プレミアリーグ-トレンガヌFCIIが連勝で優勝戦線に浮上、来季の2部プレミアリーグは10チーム編成が決定、マレーシアカップ-陽性反応者が出たチームは不戦敗の新ルールを適用、試合中と試合後に暴力行為のサラワクUに合計110万円超の罰金処分

 試合前の新型コロナ検査で陽性者が出たことからチーム全体が検疫隔離期間に入っていたケランタン・ユナイテッドFCですが、順延されていたクチンシティFC戦の新たな試合日程が9月24日となることがMFLの公式サイトで発表されました。また来週9月21日の最終第22節に予定されていたトレンガヌFC II戦は予定通り行われるということです。

Mリーグ2部プレミアリーグ第13節(7月24日より順延)
2021年9月17日@MBPGスタジアム(ジョホール州パシルグダン)
クチンシティFC 0-2 トレンガヌFC II
得点者:トレンガヌ-ジミー・レイモンド(71分OG)、ヌル・アズファ・フィクリ・アズハ(85分)
 連勝で順位を上げてきたクチンシティFCは、この試合を含めて残り3試合で勝点1を積み上げることができれば2年連続のマレーシアカップ出場が決まります。一方のトレンガヌFCIIは優勝戦線に残るにはなんとしてもこの試合での勝利が必要です。そんな両チームの対戦は終盤のゴールでトレンガヌFC IIが勝利し、既に1部昇格を決めているヌグリスンビランFCとサラワク・ユナイテッドFCとともに優勝争いは最終節に持ち越されました。
 クチンシティFCの鈴木雄太選手とトレンガヌFC IIの渡邉将基選手はいずれも先発してフル出場しています。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ(第21節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1#NS19115329141538
2#SU19114436132337
3TFC1998237172035
4JDT1996437191833
5PDRM197572021-125
6SEL195952624224
7KCH186661919024
8KEL197392127-624
8KU1862102127-620
10PRK1945101435-2117
11FAM1913151256-446
#ヌグリスンビランFCとサラワク・ユナイテッドFCは来季の1部昇格が決定しています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:NS-ヌグリスンビランFC、SU-サラワク・ユナイテッドFC、TFC-トレンガヌFC II、PRK-ペラFC II、SEL-スランゴールFC 2、KEL-ケランタンFC、KU-ケランタン・ユナイテッドFC、KCH-クチンシティFC、FAM-FAM MSNプロジェクト

来季の2部プレミアリーグは10チーム編成が決定
 Mリーグを運営するMFLは来季のMリーグ2部プレミアリーグが従来の12チームではなく10チームで編成されることが確定したことを発表しています。
 既に今季の日程が全て終了しているMリーグ1部スーパーリーグからは、11位のペラFCと12位のUITM FCが来季は2部に降格することが決定しています。これにより来季はペラFCとそのセカンドチームであるペラFC IIがともに2部プレミアリーグに在籍することになりますが、この状況についてMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、同一クラブのトップチームとセカンドチームは同じリーグに在籍できないことを定めてMFLの規定により、セカンドチームのペラFC IIがM3リーグに降格になることを説明しています。
 さらにMリーグ3部に当たるM3リーグは昨季2020年シーズンに続き今季も2年連続で中止が決定していることから、M3リーグからプレミアリーグへ昇格するクラブがないことが決定しており、この結果、今季11クラブで開催されたプレミアリーグのクラブは2増(ペラFC、UITM FC)1減(ペラFC II)となることから、MFLは来季2022年シーズンを10クラブ編成で行うことを決定したということです。
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 来季の2部プレミアリーグは今季よりさらにチーム数が少ない10チームになりますが、言い換えればM3リーグのチームにとっては上位4位内に入れば、2部昇格のチャンスが回ってくる可能性があります。そう考えると、来季は降格の心配がない2部プレミアリーグよりも、M3リーグの方が白熱した試合が見られるかも知れません。

マレーシアカップ-陽性反応者が出たクラブは不戦敗の新ルールを適用
 今季のMリーグでは1部スーパーリーグではクダ・ダルル・アマンFC、2部プレミアリーグではクチンシティFCとケランタン・ユナイテッドFCで試合前の新型コロナ検査で陽性者が見つかり、これにより試合日程が大きく変更されることがありましたが。
 このような試合日程変更を避けるためMFLは今月末から開催予定のマレーシアカップに新ルールを適用するとマレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。
 そのルールとは、チーム内に陽性者が出て、チーム全体が検疫隔離となった場合には、その隔離期間中に予定されている試合は延期とせず、隔離されているチームの不戦敗扱いとする、というものです。
 ブリタハリアンの取材に対して、MFLのスチュアート・ラマリンガムCEOはこの新たなルールは既にMリーグの全てのクラブに通達されており、これまでクラブから反対意見は挙がっていないと述べています。
 スチュアートCEOは、Mリーグクラブと選手、監督及びコーチとの契約は11月30日までとなっていること、また10月4日から12日のFIFA国際マッチデー期間中には国外でのマレーシア代表の合宿と練習試合も予定されており、その際にはマレーシア政府が都全ての渡航者に求めている14日間の検疫隔離期間も考慮に入れなければならないことから、マレーシアカップは決勝戦が予定されている11月30日までに終了する必要性があることから、この新ルールを導入する必要があることを説明しています。
 さらにスチュアートCEOは、今季のMリーグでは日程に余裕もあったことから、試合の順延などで対応してきたものの、マレーシアカップ以降も年末のアセアン東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ、さらに年が明ければAFCアジアカップ2023年大会3次予選の準備なども始まることから、陽性者が出た場合でも試合を順延できるほど日程に余裕がないことも認めています。
 ただし、今後マレーシア政府保健省や新型コロナ対策をたんとする国家安全保障委員会NSCが従来の方針を変更して、陽性者のみの検疫隔離でチーム全体の隔離不要となった場合には、陽性者がでたクラブも予定通り試合を行うことが可能であるとしています。

試合中と試合後に暴力行為のサラワクUに合計110万円超の罰金処分
 マレーシアサッカー協会FAMは試合後に審判を小突くなどの暴力行為を働いたMリーグ2部サラワク・ユナイテッドFCの3選手と監督および2コーチに対する処分を公式サイトで発表しています。
 FAM懲罰委員会は9月17日に会合を開き、2部プレミアリーグの9月10日のサラワク・ユナイテッドFC対ヌグリスンビランFCとの試合中と試合後に起こった事態に対する処分を発表しています。この試合でゴール前のクロスを補給する際にヌグリスンビランFCの選手を蹴って一発退場となったサラワク・ユナイテッドFCのGKシャルビニー・アラウィーに対しては、この試合の騒動の張本人であるとして、罰金7000リンギ(およそ18万円)とMリーグ5試合の出場停止処分が課されています。これにより、シャルビニー選手は今季最終節第22節の出場ができなくなりました。
 またモハマド・アメル・サイディン、モハマド・バドルル・アフェンディ両選手にはMリーグ2試合の出場停止処分、またE・エラヴァラサン監督に対しては試合後にFAMの許可なく記者会見を行ったことで罰金1万リンギ(およそ26万円)に加え、12ヶ月間の保護観察期間に同様の違反を繰り返した場合を条件に12ヶ月間のベンチ入り停止処分を課しています。この他、アバン・フォメイ・アバン・サアデリ アシスタントチームマネージャーには2試合のベンチ入り停止と罰金1万リンギ、ルディー・ブジャン キットマンは6ヶ月間のベンチ入り停止と罰金1万リンギの処分も合わせて発表されています。

9月17日のニュース:2億6000万円超えのピッチ改修費用に疑問の声、サッカー協会は女子国内選手権大会も中止を決定、マレーシアカップに向けてトレンガヌFCは2部の得点王を昇格か

2億6000万円超えのピッチ改修費用に疑問の声
 新内閣発足早々、リーグ拡大についてマレーシアサッカー協会FAMと議論したとソーシャルメディア上で明かしながら、FAMが否定すると早々に発言を撤回して謝罪したアフマド・ファイザル・アズム青年スポーツ相が、また新たな火種を提供しています。
 マレーシア代表の本拠地にもなっているクアラルンプールのブキジャリル国立競技場のピッチ改修について、管理会社ムルデカスタジアム社会長で格安航空会社エアアジアCEOでもあるトニー・フェルナンデス氏は今年3月にブキジャリル国立競技場のピッチ改修費用にはおよそ1000万リンギ(およそ2億6300万円)が必要だと発言したことが報じられました。しかしこれについてアフマド・ファイザル青年スポーツ相はこの1000万リンギという金額は、ブキジャリル国立競技場だけでなくマレーシア国内にある他の競技場のピッチ改修費用の総額であると発言したことから、ブキジャリル国立競技場のピッチ改修費用が正確にはいくらなのかという疑問の声が上がっているとマレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。
 3月の時点でトニー会長はブキジャリル国立競技場のピッチを国際基準にするため、フィールドの管理に加えて排水及び換気施設の整備、芝育成のため照明設備、そしてフィールド管理者養成などが計画に含まれていると説明し、昨年7月から始まった計画は完了するまでに最低でも9ヶ月間は必要であると説明していました。
 トニー会長の「ピッチ改修に1000万リンギ必要」という発言には、JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下も疑問を示しており、その根拠としてJDTの本拠地であるスルタン・イブラヒムスタジアムの例を挙げています。イスマイル殿下によれば、昨年2020年に開場したばかりのスルタン・イブラヒムスタジアムのピッチはZoisya芝(日本でいう高麗芝)を使っており、給水及び排水施設やその他の費用を含めても140万リンギ(およそ3680万円)であると話しています。

サッカー協会は女子国内選手権大会も中止を決定
 マレーシアサッカー協会FAMは今季の女子国内選手権大会に当たるトゥン・シャリファ・ロジアカップの中止を発表しています。
 国内の新型コロナの感染状況や選手や監督、コーチ及び関係者全員の安全を考慮した結果、FAM女子サッカー委員会がこの大会の中止を決定したということですが、FAM主催の大会としてはU21リーグのプレジデントカップ、U19リーグのユースカップ、フットサルリーグのマレーシアプレミアフットサルリーグMPFLに続く中止決定で、いずれの大会も昨年2020年に続いて2年連続で中止となっています。
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 MFLが運営するMリーグは予定通り開催され、さらにマレーシアカップまで行われる一方で、FAMが統括するユース、フットサル、そして女子サッカーについては今回の中止決定により都合4つのリーグ・大会が「失われた2年」を被ることになりました。FAMにすれば様々な点を考慮した上での中止決定だとは思いますが、もしこれがMFLのような独立した団体や法人によって運営されている大会であれば、規模を縮小してでも開催という選択が取られたも知れません。そう考えると、ユース、フットサル、女子サッカーにもプロ化とは言わないまでも、FAMから独立した運営会社の設立などを検討する必要があるように思います。

マレーシアカップに向けてトレンガヌFCは2部の得点王を昇格か
 今季のMリーグ1部スーパーリーグを4位で終えたレンガヌFCは、最終節までの4試合を0勝1分3敗とシーズン終盤で失速しましたが。この4試合の合計得点は3、しかもその内2試合は完封負けと攻撃陣が特に不振を極めたことがその失速の原因でした。
 マレーシア語紙ブリタハリアンは、この状況についてトレンガヌFCを運営するTFC社のアブドル・ラシド・ジュソCEOが昨季のリーグ3位から順位をひとつ下げてしまったこと、そして昨季は3位になったことで獲得したAFCカップ出場権が今季は獲得できなかったことに失望したと述べていると報じています。(マレーシアにはAFCカップ本選出場権が2枠あり、マレーシアサッカー協会FAMは昨季2020年シーズンはMリーグ1部の2位と3位にそれぞれ出場権を与えましたが、今季はMリーグ1部2位とマレーシアカップ優勝チームにそれぞれ出場権を与えることを発表しています。)
 「クラブは今季の目標としてMリーグでは昨季の3位より上の順位となること、そして来季のAFCカップ出場権獲得だったが、Mリーグでは残念な結果に終わった。しかしAFCカップ出場権獲得についてはまだ達成可能である。ただしトレンガヌFCが最後にマレーシアカップに優勝したのは20年前であり、優勝が容易でないことは承知しているが、可能性も十分あると考えている。」と述べたアブドル・ラシドCEOは、今季のチャレンジカップが中止となったことで、このチャレンジカップに出場予定だったセカンドチームのトレンガヌFC IIの選手をマレーシアカップで起用することを示唆しています。
 アブドル・ラシドCEOは「トレンガヌFC IIの選手にとっては実戦の機会が減ってしまったことは残念だが、マレーシアカップに出場するトップチーム強化のために、トレンガヌFC IIの選手を起用する予定である。」と述べ、攻撃陣のテコ入れに2部プレミアリーグで現在得点王(10試合出場で16得点)のジョーダン・ミンターを昇格させる他、MFデチ・マルセル、DFアルグジム・レゾヴィッチらもトップチームに合流する予定であることを明かしています。
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 昨季3位のチームから外国籍選手を総入れ替えして臨んだ今季の結果が4位となったトレンガヌFCですが、開幕前には若手を積極的に使う方針を明らかにし、その結果として10月の代表候補合宿にも招集される可能性もあるMFハキミ・アブドラが彗星のように登場し、代表合宿中のケガで今シーズンを棒に振ることにはなったものの将来の代表の守護神となる可能性もあるGKラハディアズリ・ラハリムなどが台頭してきたのも事実です。また選手獲得などの責任を負うのがCEOなのか、ナフジ・ザイン監督なのかは分かりませんが、昨季は8試合で9得点を挙げたFWドミニク・ダ・シルヴァの代わりに獲得したデヴィッド・ダ・シルヴァが13試合で6得点と新外国籍選手獲得が効果的ではなかったことも考えると今季の4位は至極順当に思えます。
*9/17-最初の投稿時にGKラハディアズリ・ラハリムとGKナスルルハク・ビディンの名前を間違えていました。お詫びして訂正します。

9月16日のニュース:マレーシアカップの組み合わせが決定、サッカー協会のTD候補にNFPDのイシャラレンTDが浮上、来季2部降格のペラFCが新たなオーナー候補と交渉へ、1部昇格決定のヌグリスンビランFCに州政府が報奨金、AFC女子アジアカップ予選出場の代表が予選開催地パレスチナ到着

 今日9月16日はマレーシアデー。この日は1957年に英国から独立していたマラヤ連邦と、英国統治下から独立したボルネオ島のサバ、サラワク、シンガポールが合併してマレーシアが成立した1963年9月16日を記念する国民の祝日です。(しかしシンガポールは2年後の1964年にマレーシアから追い出されてしまいますが…。)

マレーシアカップの組み合わせが決定
 英国海軍の軍艦HMSマラヤ(HMSはHer Majesty Shipの意)からカップの寄贈を受けて1921年に第1回大会が開催されたマラヤカップは、1941年から1948年までは太平洋戦争による中断を挟んだものの、1967年からは名称が現在のマレーシアカップとなり、今年は第1回大会から数えてちょうど100周年を迎える、日本のサッカー天皇杯と並ぶアジア最古のカップ戦の一つです。
 マレーシアサッカーの歴史はこのカップ戦で始まったという理由ももあり、Mリーグ以上に盛り上がるこのマレーシアカップですが、100周年記念大会となる今季大会の組み合わせ抽選が昨日9月15日に行われました。
 マレーシアカップに出場できるのは、Mリーグ1部スーパーリーグの上位11チームと2部プレミアリーグの上位5チーム(スーパーリーグのクラブのセカンドチームは除く)の計16チームで、組み合わせ抽選ではこの16チームが4つのグループに振り分けられました。この16チームは2回戦総当たりで行われるグループステージを経て、各グループの上位2チームが進むノックアウトステージの準々決勝に進み、そこから準決勝までやはりホームアンドアウェイ方式で決勝を目指します。そして一発勝負となる決勝戦を制したチームは、来季のAFCカップ出場権を獲得します。。
 抽選の結果決まった各グループは以下の通りです。(”Kumpulan”はマレーシア語で「グループ」、LP(”Liga Premier”)は2部プレミアリーグチームを指し、LPの後の数字は順位を表します。プレミアリーグは今週末に最終節第22節が開催予定で、まだ今季の最終順位が決まっていないためこのような表記になっています。)
 グループA:ペナンFC(スーパーリーグ3位)、KLシティFC(同6位)、スリ・パハンFC(同10位)、プレミアリーグ2位のチーム
 グループB:トレンガヌFC(スーパーリーグ4位)、スランゴールFC(同5位)、ペラFC(同11位)、プレミアリーグ3位のチーム
 グループC:クダ・ダルル・アマンFC(スーパーリーグ2位)、マラッカ・ユナイテッドFC(同8位)、プレミアリーグ1位のチーム、プレミアリーグ5位のチーム
 グループD:JDT(スーパーリーグ1位)、PJシティFC(同じ7位)、サバFC(同9位)、プレミアリーグ4位のチーム
 プレミアリーグから参加する5チームのうち、現在1位のヌグリスンビランFCと2位のサラワク・ユナイテッドFCは既に出場が確定していますが、残る3枠は鈴木ブルーノ選手が所属するPRDM FC、鈴木雄太選手が所属するクチンシティFC、本山雅志、深井脩平、谷川由来の3選手が所属するケランタン・ユナイテッドFC、そしてケランタンFCの4チームが激しく争っている最中です。
 なお日程は9月25日から11月10日までがグループステージ期間で、準々決勝(11月14日と18日)、準決勝(11月22日と26日)、そして決勝は11月30日に開催が予定されています。

FAMのTD候補にNFPDのイシャラレンTDが浮上
 マレーシアサッカー協会FAMのオン・キムスイTD(テクニカルディレクター)は、今月いっぱいで辞任し、来月からはMリーグ1部スーパーリーグのサバFCの監督に就任することが発表されていますが、このオンTDの後任にFAMとスポーツ青年省が共同で運営する国家サッカー選手育成プログラムNFDPのサアド・イシャラレンTDが候補に上がっているとマレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。
 フランス出身のイシャラレンTDは2016年からNFDPで育成プログラム作成や選手発掘などを単とした後、2019年1月から現職を務めていますが、NFDP着任前にはパリ・サンジェルマンFCのアカデミーでヘッドコーチを務めており、その時の選手にはフランス代表のプレスネル・キンペンベ(パリ・サンジェルマンFC)やアドリアン・ラビオ (ユベントスFC)などがいます。
 マレーシア国内及び国外で選手育成に関わってきたイシャラレン氏の経験はFAMのテクニカルディレクターとしては申し分ないこと、またNFPD運営にも関わっている青年スポーツ省傘下の国家スポーツ評議会NSCとの関係も良好であることなどを理由に、この記事ではイシャラレン氏のFAMのTD就任の可能性が高いとしています。

来季2部降格のペラFCが新たなオーナー候補と交渉へ
 今季のMリーグ1部スーパーリーグで11位となり、来季は2部降格が決まっているペラFCは新たなオーナー候補の企業が名乗り出ていることを、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 サッカーチーム経営を専門とする企業のコパ・アリーナ社との協議に入る予定であることを明らかにしたペラFCのアズマン・ノーGM(ゼネラルマネージャー)は、同社より先週正式に書面で申し出を受け、ペラFCの株式譲渡についての話し合いが近日中に行われると述べています。.
 ブルナマの取材に対して、最終決定権はペラ州サッカー協会にあると答えたアズマンGMは、選手及び監督、コーチ人の給料やプレミアリーグの試合の移動及び宿泊費用などで少なくとも1000万リンギ(およそ2億6300万円)の予算が来季は必要だと述べています。

1部昇格決定のヌグリスンビランFCに州政府が報奨金
 ヌグリスンビラン州政府は来季のMリーグ1部昇格を決めたヌグリスンビランFCの選手及び監督、コーチ全員に2000リンギ(およそ5万3000円)の報奨金を贈ったとブルナマが報じています。
 ヌグリスンビラン州のアミルディン・ハルン州首相は自身が主催した食事会の席で、今回の報奨金は1部昇格に加えてマレーシアカップ出場権獲得を讃えるものだとし、新型コロナ禍の中でのこれらを成し遂げたクラブを称賛しています。
 ヌグリスンビランFCのアドバイザーも務めるアミルディン州首相は、国家復興計画NRPが第4段階に入れば、スタジアムに観衆を入れての試合開催も検討していると述べています。

AFC女子アジアカップ予選出場の代表が予選開催地パレスチナ到着
 アジアサッカー連盟AFC女子アジアカップ2022年大会予選に出場するマレーシア女子代表が予選開催地のパレスチナに到着したことがマレーシアサッカー協会FAMの公式Facebookで報告されています。
 ニュースなどでもよく聞くヨルダン川西岸に昨日9月15日早朝に到着した女子代表は、パレスチナのアッ=ラームにあるファイサル・アルフサイニー国際スタジアムを会場として行われる予選H組で9月19日にはタイと、22日にはパレスチナと対戦します。なお今回の予選ではグループ1位チームが本大会への出場資格を獲得します。
 この予選H組では前回の2018年大会でベスト4だったタイが1位突破の最有力候補である一方、マレーシアは2008年大会予選以来4大会ぶりの予選出場となっています。
(下の映像は女子代表の国内合宿中の様子。FAMの公式YouTube

9月14日のニュース:これがリーグ8連覇の秘訣!?JDTは選手の規律違反に罰金100万円、タイ1部リーグ第2節-代表コンビのエルドストールはフル出場もタンは出番なし、女子アジアカップ予選出場の代表23名が発表、AFFフットサルカップにマレーシアから2チームが出場

 これがリーグ8連覇の秘訣!? JDTは選手の規律違反に罰金100万円
 マレーシア語紙ブリタハリアンは、JDTが規律違反した選手に対する処分内容を報じています。
 オーナーでジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下によれば、チーム内での規律を維持するため、選手と結ぶ契約書にはクラブが設ける様々な規律や行動規範がが明確に記載されており、それに違反した場合には選手、コーチ、監督を問わず、罰金処分が課されるということです。
 「選手がソーシャルメディアで不適切な投稿をした場合の罰金は4万リンギ(およそ106万円)、練習に遅刻した場合は1万5000リンギ(およそ39万8000円)が課せられる。(代表選手の)アキヤ・ラシドは遅刻してこの罰金処分を受けたことがある。また選手の夫人が不適切な投稿をしたクラブの名を汚すようなことをすればその選手に罰金を、また監督やコーチは練習開始2時間前に練習場に来ることを求めているので、これに遅れればチームマネージャーがその責任を負って罰金処分を受ける。もし罰金が支払えなければ、借金をしてでも払わせる。」と出演したテレビ番組内でイスマイル殿下が明かしたということです。
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 マレーシア人は時間に「寛容」なことはよく知られています。先日のパラリンピック東京大会でも一旦は金メダルを獲得した砲丸投げのマレーシア人選手が、競技前の呼び出しに遅刻したことから失格処分を受け、その処分が厳しすぎると国中がIOCに抗議する事態になりました。常識的に考えれば、決められた時間遅刻した時点でアウトですが、そういう思考にならないマレーシア人には不当な処分に映ったのでしょう。パラリンピックレベルですら時間厳守を気にしないのは、それが日常で容認されているからで、そういったマレーシアで選手に時間厳守や規律保持を求めるにはイスマイル殿下のように「痛み」を伴う処分が一番効果的かも知れません。失敗を「失敗」と認識しなければ、何も学べないですからね。

タイ1部リーグ第2節-代表コンビのエルドストールはフル出場もタンは出番なし
 2021/2022年シーズンのタイ1部リーグ第2節が先週末に開催され、チョンブリーFCでプレーする代表DFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)は先発してフル出場しています。開幕戦ではベンチ入りしなかったポリス・テロFCの代表DFドミニク・タンはこの試合ではベンチ入りしましたが出場機会はありませんでした。

タイ1部リーグ第2節
2021年9月11日@チャンアリーナ
ブリーラム・ユナイテッドFC 3-1 ポリス・テロFC
 ブリーラムが逆転勝ちで2位に浮上。ポリス・テロのドミニク・タンは今季初のベンチ入りも出場機会はありませんでした。
(試合の映像はブリーラム・ユナイテッドFCの公式YouTubeチャンネルより)

2021年9月12日@SCGスタジアム
ムアントン・ユナイテッドFC 3-3 チョンブリーFC
 3-0から引き分けたチョンブリーFCでしたが、3点目献上のPKを与えたジュニオール・エルドストールは自身のTwitterでVARを批判していますが、映像を見る限りではどちらとも言えない微妙なPK裁定でした。エルドストール選手は2戦連続で先発してフル出場しています。
(試合の映像はチョンブリーFCの公式YouTubeチャンネルより)

https://youtu.be/Ut7u97zGh78

タイ1部リーグ順位表(第2節終了)

順位チーム試合得失差勝点
1BGパトムU211024
2ブリーラムU211024
3シンハ・チェンライU211014
11チョンブリーFC202002
15ポリス・テロFC2011-21

女子アジアカップ予選出場の代表23名が発表
 マレーシアサッカー協会FAMはアジアサッカー連盟AFC女子アジアカップ2022年大会予選に出場する代表23名を公式サイトで発表しています。
 ジェイコブ・ジョセフ監督率いる女子代表は8月21日よりFAMの施設と国家スポーツ評議会NSCのブキジャリルにある施設で、候補選手25名を招集して合宿を行っていました。
 予選H組に入るマレーシアは集中開催地となるパレスチナへ向けて本日9月14日にKL国際空港を出発する予定で、パレスチナのアルラムで開催される予選H組ではタイ(9月19日)、パレスチナ(9月22日)との対戦が組まれています。
 代表23名のメンバーはこちらです。(下の告知はFAMの公式サイトより)

AFFフットサルカップにマレーシアから2チームが出場
 タイで開催される東南アジアサッカー連盟AFFフットサルカップ2021年大会に、マレーシアからスランゴールMACとパハンレンジャーズの2クラブが参加します。
 9月13日から17日までタイのナコーンラーチャシーマー(コラート)で開催されるこの大会は今回で6回目の開催となり、地元タイからはフリーファイア・ブルーウェーブ・チョンブリーとポートFCが、またカンボジアからはモハハンオールスターズFCが出場し、一回戦総当たり形式で行われます。
 過去5大会は全てタイのクラブが優勝しており、2015年から2017年はポートFCが、2018年と2019年はいずれもバンコクBTSがチャンピオンとなっています。(バンコクBTSはその後、PTTブルーウェイブ・チョンブリーと合併して現在のフリーファイア・ブルーウェーブ・チョンブリーとなっています)
 今回のAFFフットサルカップ2021年大会に出場するスランゴールMACは2019年のマレーシアプレミアフットサルリーグMPFLのチャンピオンで、フットサルマレーシア代表GKアズルル・ハディ・トフィクをはじめ、アズリ・ラーマン、アズワン・イスマイルらが所属しています。またパハンレンジャーズはフットサル界のJDTとも呼ばれており、カイルル・エフェンディ・バーリン、アワルディン・マット・ナウィ、サイフル・ニザム・モハマド・アリ、アブ・ハニファ・ハサン、リズワン・バクリらが所属しています。
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 スランゴールMACとパハンレンジャーズが所属するMPFLは昨季に続き今季2021年シーズンも中止が決定し、2年間の実戦不足はかなり大きなハンデとなりますが、近年、フル代表はタイに対して好成績を残し、また先日のACLではJDTがラーチャーブリーFCを相手にやはり好成績を上げているので、フットサルクラブもそれに続いて欲しいですね


 

9月12日のニュース:マレーシアサッカー協会が設立95周年、ケランタンFCオーナーはクラブの1部昇格に向けて増資を表明、トレンガヌFCはレゾビッチの帰化支援を開始

マレーシアサッカー協会が設立95周年
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で昨日9月11日に協会設立95周年となったことを発表し、その歴史を紹介しています。
 現在のマレーシアカップ、当時のHMSマラヤカップは既に1921年より始まっていましたが、このHMSマラヤカップ運営理事会メンバーのスランゴール、ペラ、マラッカ、ヌグリスンビランにシンガポールが加わった設立メンバーが、当時の英領マラヤ内及び国際試合を統括する組織として結成されたのが始まりだとしています。
 初代の会長に就任したのは、現在はマレーシア有数の複合企業体サイムダービー社の創始者の一人でもあったスコットランド人の会計士、ジョン・ミドルトン・サイム氏でした。
 その後1932年には組織名がマラヤサッカー協会FAMとなり、英国政府植民地省の*海峡植民地大臣やセイロン(現スリランカ)提督などを務めたアンドリュー・コールデコット卿が会長に就任しています。1936年からは年次総会と理事選挙が毎年行われるようになり、1940年には英国出身者以外では初めてとなるA.R.シンガム氏が事務局長に就任しています。
 太平洋戦争終了後には再び英国出身者が会長に就任したものの、後にマラヤ連邦初代首相となるトゥンク・アブドル・ラーマンがマレー系として初めて会長に就任すると、FAMは1954年のアジアサッカー連盟AFC創設にも大いに貢献したということです。
 さらに1957年のマラヤ連邦独立を記念して始まったムルデカ大会(ムルデカはマレーシア語で「独立」を意味します)などの成功を経て、1961年にはクアラルンプール氏内に本部が建設されました。国内環境の整備に合わせるように翌1962年にはマレーシア代表はアジア大会で銅メダルを獲得するなどマレーシアサッカーの認知度も上がっていきます。
 1963年にマラヤ連邦、サバ、サラワク、シンガポールが合併してマレーシアが成立するとマラヤサッカー協会からマレーシアサッカー協会へと名称が変更され、マレーシアサッカーの絶頂期とも言える1970年代から1980年代を迎えます。1972年のミュンヘン大会、1980年のモスクワ大会とオリンピック出場を果たし(ただし1980年はソ連のアフガン侵攻に抗議した西側諸国に歩調を合わせて辞退)、1974年アジア競技大会銅メダル獲得、1976年アジアカップ本戦出場なども果たしています。
 1979年にはFAM本部が現在のスランゴール州プタリンジャヤに移転し、1984年には現マレーシア国王のアブドラ国王の父君でパハン州スルタンのスルタン・アフマド・シャー殿下がFAMの会長に就任し、1989年のセミプロリーグ創設、さらに1994年のプロ化へと続いていきます。また1997年には宮本恒靖、柳沢敦、中村俊輔らの日本代表も出場したFIFAユースワールドカップ(現U20ワールドカップ)も開催しています。
 2000年代に入ると2004年にはMリーグ1部スーパーリーグが現行の形で行われるようになり、2007年にはAFCアジアカップをタイ、ベトナム、インドネシアと共同開催しています。またU23代表は2009年、2011年と連続して東南アジア競技大会通称シーゲームズで優勝、フル代表は2010年には東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップで初優勝も飾っています。
 2014年には30年以上会長職を務められたスルタン・アフマド・シャー殿下が退任し、当時はパハン州皇太子だった現マレーシア国王のアブドラ国王が会長に、そして2017年にはJDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が会長にそれぞれ就任しました。そして2018年には民間人初となるハミディン・アミン会長が就任し、現在は会長職2期に入っています。
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 日本サッカー協会JFAは設立から今年で100周年を迎えますが、この国の協会はそれに遅れること5年で発足しています。1968年メキシコ大会銅メダル獲得以降は1996年までオリンピック予選で敗退を続けていた日本に対し、マレーシアは1974年、1980年と2度のオリンピック出場権を獲得するなど、1970年代から80年代にかけては、マレーシアが日本を凌駕していたことは明らかです。また国内リーグのプロ化も1993年のJリーグ開始とほぼ同時期だったにもかかわらず、現在は日本がFIFAランキング24位、マレーシアは154位となっています。どこでこうなった…。

ケランタンFCオーナーはクラブの1部昇格に向けて増資を表明
 Mリーグ2部プレミアリーグのケランタンFCは来季の1部昇格に向けスター選手獲得を目指すことを表明しています。
 昨年2020年9月に就任したノリザム・トゥキマン オーナーは、就任直後には給料が高い主力選手を中心に放出し、Mリーグ経験の少ない若い選手と外国籍選手という編成で今季のプレミアリーグに望みましたが、2節を残して18試合で7勝3分8敗で7位という成績で1部昇格には程遠い成績です。
 この状況についてマレーシア語紙ウトゥサンマレーシアは、チーム強化に向けてノリザムオーナーがより多額の投資を行い、チーム強化のためにスター選手を獲得する意向があることを自身のFacebookに投稿していると報じています。
 2012年にはMリーグ、マレーシアカップ、FAカップの全てに優勝し国内タイトルを総なめにしたこともあるケランタンFA(当時)ですが、投資家としても知られるノリザムオーナー就任の際には、元のオーナーのケランタン州サッカー協会による放漫経営により、かつて在籍した選手も含めて未払い給料など多くの負債を抱えている状態であったことから、コスト削減の目的もあり主力選手の放出を行っていました。

トレンガヌFCはレゾビッチの帰化支援を開始
 サッカー専門サイトのヴォケットFCは、トレンガヌFC IIでプレーするモンテネグロ出身のDFアルグジム・レゾヴィッチの帰化を支援し、来季のMリーグではマレーシア人選手登録を目指していると報じています。
 トレンガヌFCのズルファドリ・ロジTM(チームマネージャー)がサポーターからの問いに対して自身のツイッターに返信を投稿し、レゾヴィッチ選手と契約した際からそれを視野に入れていたことを認め、Mリーグでの5年目を終える来季2022年シーズンを完了することを条件としながらも、既にその準備を始めていることを明らかにしています…
 2018年にPDRM FCに加入したレゾヴィッチ選手は2019年もPDRM FCでプレーした後、2020年からはトレンガヌFC IIに加入し、今季はトレンガヌFC IIで14試合、そしてトップチームのトレンガヌFCでもここまで3試合に出場しています。
 29歳のレゾヴィッチ選手はマレーシア人女性と結婚していることも、マレーシア国籍取得には有利に働く可能性があります。