8月3日のニュース:AFF選手権でU15代表が快進撃、FAMがFBポストについて謝罪、金メダルを獲得してOCMの期待に応えたい-U23監督

AFF選手権でU15代表が快進撃
 タイで開催中のアセアンサッカー連盟AFF U15選手権に出場中のマレーシアU15代表は、グループステージの3試合目となるオーストラリア戦に3−0と快勝し、初戦のブルネイ戦8-0)、第2戦のカンボジア戦2-0)から3連勝となりました。
 出場チーム中、ここまで唯一の無失点のマレーシア代表は勝点9となり、予選グループBのトップに躍り出ました。このグループでは同じ勝点9ながら得失差により2位のタイ、そしてオーストラリアが勝点6の3位となっています。
 AFFの公式サイトでも「サプライズ」と評されたオーストラリア戦の勝利で、マレーシアは準決勝進出に近づきました。残る試合はここまで1勝2敗と苦しむラオス戦、そしてグループステージ最終戦がタイ戦となっています。
 また予選グループAは4試合を終了し、東ティモール(3勝1分0敗)、インドネシア(3勝1分0敗、得失差により2位)、ベトナム(3勝0分1敗)という上位3チームになっています。

FAMがFBポストについて謝罪
 上記でも取り上げたU15代表のオーストラリア戦後にマレーシアサッカー協会FAMがFacebookに上げたポストに対し、多くの非難が集まったことからFAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長が謝罪と真意の説明を行う新たなポストを行うと同時に、問題となったポストが削除されています。
 削除されたポストでは、U15代表の快進撃を称える一方で、この成功はFAMによるマレーシアフットボールDNAプログラムによるものであるとも書かれていたため炎上してしまいました。マレーシアフットボールDNAプログラムとは、7月初旬に発表されたばかりの選手育成プログラムで、今回のU15代表の活躍の手柄をFAMが横取りしようとしていると、非難のコメントが集まっていました。
 特に今回のU15代表チームは、国家代表選手養成プログラムNFDPによって運営されているモクター・ダハリアカデミー出身の選手が大半を占めていますが、このNFDPは昨年、マレーシアで行われたAFCU16選手権ではグループリーグ敗退によって、このプログラムを統括する青年スポーツ省大臣から非難を浴び、当時のU16代表のリム・ティオンキム監督が解任されるなどの扱いを受けていたため、そういった経緯に触れずに新たなプログラムの成果を主張するポストを上げたFAMが火だるまになったわけです。なおFAMによる謝罪のポストに対するコメントの中には解任されたリム・ティオンキム前監督に感謝するコメントも多く見受けられます。

金メダルを獲得してOCMの期待に応えたい-U23監督
 今年12月にフィリピンで開催される東南アジア競技大会SEA games(シーゲームズ)は、オリンピックの東南アジア版とも言える大会で、オリンピック同様、サッカーでは各国のU23代表が出場してメダルを争います。東南アジア諸国連合ASEAN(アセアン)各国のフル代表がAFF選手権スズキカップの優勝を目指すとすれば、U23代表は2年に1度開催されるシーゲームズでの金メダル獲得が目標となります。
 このシーゲームズはオリンピックのミニ版なので、最終的な出場の判断などはマレーシアオリンピック委員会OCMが決定権を持っていますが、今年のシーゲームズでは、U23代表でもあるサッカー男子マレーシア代表は、カテゴリーAのチームとしてOCMが派遣することになったと英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が伝えています。カテゴリーAとは、シーゲームズ出場費用をOCMが全額負担する待遇で、金メダルが有望な個人やチームに与えられるカテゴリーです。(ちなみにカテゴリーはCまであり、カテゴリーCになると、メダルが取れない場合にはOCMが負担した費用全額を返済しなければなりません。つまりメダルが取れないのに参加したいなら、全て自腹で行く覚悟をしろ、というカテゴリーです)
 これまでマレーシア男子サッカー代表は、カテゴリーA待遇を受けたことがなく、大会前にOCMとFAMの間でカテゴリーの決定で揉めることが何度もありました。今回のカテゴリーA待遇扱いについて、U23代表のオン・キムスイ監督は、OCMがマレーシア男子代表に金メダル獲得を期待していることを表すものなので、その期待には応えたいとしています。
 過去5大会を振り返ると過去3大会はタイが優勝(2017年、2015年、2013年)、その前の2大会はマレーシアが優勝(2009年,2011年)しています。なお前回2017年大会はマレーシアが開催国となりましたが、マレーシア代表は地元ファンの前でタイに1-0で敗れています。

7月23日から24日のニュース:FAカップ決勝は日本人審判団が担当、マレーシアの富豪がMLSチームの株を売却、ペナン州サッカー協会がCASに仲裁を求める、U15代表がAFF U15選手権へ向けて調子を上げる

FAカップ決勝は日本人審判団が担当
 当地の英字紙スター電子版は、7月27日(土)に開催されるマレーシアFAカップの決勝戦ペラTBG対クダFAの試合は日本人審判団が担当すると伝えています。
 マレーシア人審判に対しての国内の評価は低く、また昨年のもう一つのカップ戦マレーシアカップでは、プレーした選手ではなく審判の判定で注目を浴びたこともあり、外国人審判の採用が噂されてきました。
 FAカップを主催するマレーシアフットボールリーグMFLのケヴィン・ラマリンガムCEOによると、マレーシアサッカー協会FAMとパートナーシップ協定を締結している日本サッカー協会JFAが選抜する審判団は主審1名、副審2名の計3名で構成され、マレーシア人の第4審判がこのチームに加わることを記者会見で明らかにしています。

マレーシアの富豪がMLSチームの株を売却
 マレーシアで不動産から旅行業やホテル経営、セブンイレブンやスターバックスなどの国内フランチャイズ権を持つ企業体ブルジャヤグループの創業者のタン・スリ・ヴィンセント・タン氏がメジャーサッカーリーグMSLのロスアンゼルスFC(LAFC)の株式20%の売却を検討していると、英字紙スター電子版が報じています。
 記事によれば、この株式売却は、タン氏がいずれもオーナーを務めるイングランドフットボールリーグEFLチャンピオンシップ(イングランドプレミアリーグEPLの一つ下のリーグ)のカーディフ・シティFCとベルギー1部リーグのKVコルトレイクの経営に注力するためだとしています。特にタン氏が愛するカーディフ・シティFCはわずか1年でEPLからEFLチャンピオンシップへ降格となったため、LAFCの株式売却で得られる1億米ドルとも1億5000万米ドルとも言われる資金が、カーディフ・シティFCのEPL復帰に向けて使われるだろうとしています。

ペナン州サッカー協会がCASに仲裁を求める
 英字紙スター電子版は、国際サッカー連盟FIFAの裁定によりMFL2部プレミアリーグでの勝点6を剥奪(はくだつ)され、その結果、1部スーパーリーグへの昇格の機会を失ったペナンFAパンサーズを運営するペナン州サッカー協会FAPは、スポーツ仲裁裁判所CASに対してFIFAの裁定に対する不服申し立てを行なったと報じています。
 記者会見の席でFAPのアマル・プリトパル・アブドラ会長は、過去の経営陣による失態によって、今シーズンのリーグ戦での勝点剥奪というFIFAの処分には失望しているとし、アマル会長以下新経営陣は、勝点6剥奪処分が撤回されれば、その代償として罰金を支払う用意があるとしています。
 この記者会見には、ペナン州政府青年スポーツ委員会のスン・リップチー会長も同席し、ペナン州政府が毎年、500万リンギ(約1億3000万円)以上をペナンFAパンサーズに提供してチームを強化してきているとし、選手とコーチ陣の努力の結果である1部昇格が実現することを強く希望していると述べています。

U15代表がAFF U15選手権へ向けて調子を上げる
 タイのチョンブリで開催される東南アジアサッカー連盟AFF U15選手権に出場するマレーシアU15代表が、中国で開催された国際大会で優勝し、好調を維持してタイに出発できそうだと、英字紙スター電子版が伝えています。
 中国のの海口(ハイコウ)で開催され、イラン、中国、北朝鮮が参加して総当たり方式で行われた大会で、マレーシアはイランに2-0で勝利中国とは1-1で引き分け、最終戦の北朝鮮には2-1で勝利し、優勝を果たしています。
 7月27日から8月9日までの期間で開催されるAFF U15選手権で、マニアム・パチャイアパン監督が率いるマレーシアU15代表は、開催国タイ、ラオス、カンボジア、ブルネイ、オーストラリアとともにグループBに入っています。
 なおこのU15代表のメンバーはこちらです。

7月17日から21日のニュース:2022年WCアジア予選でマレーシアは「アセアン組」に、サラリーキャップ導入にFAMは否定的、JDTにドイツ出身のティーンエイジャーが加入

2022年WCアジア予選でマレーシアは「アセアン組」に
 アジアサッカー連盟AFC本部のあるクアラ・ルンプールで国際サッカー連盟FIFAワールドカップWC2022年カタール大会兼2023年AFC選手権のアジア二次予選の組み合わせ抽選が行われ、一次予選を勝ち上がったマレーシア(FIFAランキング159位)は予選G組となり、アラブ首長国連邦UAE(同67位)、ベトナム(同96位)、西野朗監督が就任したタイ(同116位)、インドネシア(同160位)と同じ組になりました。この組はUAEを除けば、他の相手は全てマレーシアも属する東南アジア諸国連合ASEANアセアン域内の国々です。
 マレーシアサッカー協会FAMは2018年10月に、「2030年までにアジアのトップ5入りを目指す」ことを目的とするF:30行動計画を立ち上げており、これを実現するためには今回のWC予選で対戦する域内の国々がその前に立ちはだかることは明らかで、そう行った国々との対戦がどのような結果になるのかが楽しみです。

サラリーキャップ導入にFAMは否定的
給料の高騰により、その未払い問題が散見するマレーシアフットボールリーグについて、FAMのダト・ハミディン・アミン会長は、 各チームが選手の給与として使用できる最大の金額を、規定するサラリーキャップ制度の導入に否定的であると英字紙ニューストレイトタイムズが伝えています。
 サラリーキャップ制度は 選手の年俸の高騰を抑え、全チームが平等な条件で争うことを目的としていますが、この記事の中でハミディン会長は給料未払い問題を解消する役には立たないだろうと述べています。
 サラリーキャップ制度は、MFLではなくFAMがマレーシアのプロリーグを運営していた際に導入されたことがありましたが、結果として二重契約問題を引き起こした前歴があります。二重契約とは、選手とクラブが交わしFAMが承認した契約書とは別に、サラリーキャップで規定された給料の上限を超える金額でもう一つの契約書でも契約を交わし、こちらはFAMに提出しないというものです。
 これについてFAMは、自らが承認した契約書のみが有効という立場を主張する一方で、二重契約については見て見ぬ振りをした結果、二重契約で約束された給料を支払えないクラブがある一方で、その契約内容が不履行であっても監督、コーチ、選手がFAMに訴えることができないという状況を起こしてしまいました。
 この前例を踏まえ、ハミディン会長はスペインのラ・リーガを模してMFLが導入を検討している各クラブごとの年間収入に基づく出費制限制度の方が、給料未払い問題対策としてより有効であると考えていると述べています。

JDTにドイツ出身のティーンエイジャーが加入
 MFL1部スーパーリーグで6シーズン連続優勝を果たしたジョホール・ダルル・タクジムJDTは、マレーシア人の母親とドイツ人の父親を持つ16歳のDFジュリアン・ヨハン・ベックラーと契約したことをFacebookで発表しています。ドイツリーグ6部のロット・ワイス・フランクフルトのU17チームでプレーしているジュリアン選手は、母親がマレーシア人であることからマレーシア代表としてプレーする資格があり、先月退任したU19代表のボジャン・ホダック前監督がマレーシアU19の代表候補合宿にも招集したことがありますが、その際にはマレーシア人が持っている身分証明証の発行が間に合わず、U19代表入りができませんでした。
 今回、マレーシアの市民権を取得するために必要な書類を提出したジュリアン選手は、JDTとの契約後は、JDTのU21チームに当たるJDT IIIに所属することになっているようです。(写真はJDTのFacebookより)

JDTといえば、今シーズン最終節第22節、ホームでのトレンガヌFC戦の会場を無料開放しました。さすが太っ腹なJDTですね。(写真は入場無料と優勝の表彰式が行われることを告知するJDTのFacebookポスト)

7月15日のニュース:FAカップの決勝は日本人主審が担当か、FAMはWCのASEAN共催案を了承

FAカップの決勝は日本人主審が担当か
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が”Arigato, Mr. Referee”の見出しで、7月27日(土)に行われるマレーシアFAカップ決勝の審判は外国人が担当することをマレーシアサッカー協会FAMが決定し、日本人になる可能性が高いという記事を掲載しています。
 マレーシアフットボールリーグMFLの試合やFAカップ、マレーシアカップといたカップ戦では、これまでもマレーシア人審判に対する不満が選手、監督、コーチ、ファンが持っており、重要な試合では外国人審判を求める声が上がっていました。
 記事の中で、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長はタイ、オーストラリア、日本の各サッカー協会に審判派遣の依頼をした結果、現在は日本サッカー協会JFAとの間で最終的な合意に近づいているとしています。マレーシアFAカップを主催するMFLが費用を負担する今回の審判は主審1名、副審2名の3名を同一国から招聘する予定ですが、実現すればマレーシア国内の公式戦では初となる主審、副審全てが外国人となるようです。

FAMはWCのASEAN共催案を了承
 先月の東南アジア諸国連合ASEANのサミットの際、タイのプラユット首相がぶち上げた国際サッカー連盟FIFAワールドカップ2034年大会へのASEAN共催案について、ASEAN共催案がFIFAに対して公式に提案された場合には、FAMのダト・スリ・スバハン・カマル副会長がロビーイング活動を担当すると、同じくニューストレイトタイムズ電子版が伝えています。
 東南アジアサッカー連盟AFFでも検討議題に挙がっている他、マレーシアのマハティール・モハマド首相、青年スポーツ省のサイド・サディック大臣らもこの提案を支持しているとし、スバハン副会長は、今後は青年スポーツ省や国立スポーツ委員会などと今後の具体的な方針を検討していく必要があるとしています。
 また中国がワールドカップ2030年大会の招致を検討しているとされることから、AFFは中国サッカー協会と協議し、詳細を確認した上で、場合によってはアジア大陸での連続開催が難しくなるため、2038年開催招致も含めて検討したいとしています。

7月10日のニュース:スランゴール州知事が州内のクラブチームの再編成を再び言明、FAMは全MFLクラブにテクニカルダイレクターを持つことを義務化

スランゴール州知事が州内のクラブチームの再編成を再び言明
 スランゴール州のアミルディン・シャリ州知事が、スランゴールFA、PKNP FC、スランゴール・ユナイテッドの3クラブに対して、体制の再編成を行うことを改めて発言したと、マレー語紙ブリタ・ハリアン電子版が伝えています。
 記事によると、現在、スランゴール州政府はスランゴールFA(ここではスランゴールFAが運営するクラブチーム、レッドジャイアンツを指します)とPKNS FCに対しては年間1500万リンギ(約3億4500万円)を、スランゴール・ユナイテッドには300から400万リンギ(約1億500万円)の資金支援を行なっていることから、州政府には各クラブの再編成についての発言権があるとし、今年末までには、PKNS FCあるいはスランゴール・ユナイテッドのどちらをスランゴールFAレッド・ジャイアンツのBチームとするかを決定するとしています。
 2015年から2016年にかけてはスランゴールFAレッド・ジャイアンツのチーム・マネージャーを務めた経験もあるアミルディン州知事は、今後5年間で独自の収入を確立する事業プランの提出をPKNS FCとスランゴール・ユナイテッドの両クラブに求めるとも発言しています。
 PKNS FCがスランゴールFAレッド・ジャイアンツのBチームになる気配は濃厚で、これに対してマレーシアでも最古のクラブチームの一つであるPKNS FCの選手、そして自身もOBであるラヤゴパル・クリシュナサミPKNS FC監督は反対の意を表していますが、アミルディン州知事はジョホール・ダルル・タクジム(ジョホールFAとジョホールFCが合併)やトレンガヌFC(トレンガヌFAとT-Teamが合併)の例を挙げ、過去の栄光にこだわっていては未来はないと述べています。

FAMは全MFLクラブにテクニカルダイレクターを持つことを義務化
 マレーシアサッカー協会のダト・ハミディン・モハマド・アミン会長は、各州のサッカー協会およびマレーシアフットボールリーグMFLに所属する各クラブに対して、テクニカルダイレクターのポストを設置することをクラブライセンス発給の条件とすると述べたことを、マレーシアの通信社ブルナマが伝えています。
 マレーシアサッカーの新たな統合的プログラム「マレーシアフットボールDNA」発表イベントの席上でハミディン会長は、草の根レベルから代表チームまでの指導法を統一した「マレーシアウェイ」で行うこのプログラム実行の際には、テクニカルダイレクターの負う役割は大きいとしています。
 FAMのテクニカルダイレクターを務めるピーター・デ・ルー氏によると、理想的なフォーメーションを4-3-3とし、個々の選手が常に正しい判断ができるなった上でのポゼッションサッカーを目指すことがマレーシアサッカーのDNAとなるようです。

7月9日のニュース:サバFAは今日、優勝を決められるか、JDTの17選手がインフル感染、給料未払いについて選手会が抗議

サバFAは今日、優勝を決められるか
マレーシアフットボールリーグMFL第20節は、今日7月9日(火)と10日(水)に行われますが、2部プレミアリーグの首位サバFAは今日の3位UITM FC戦に勝てば、プレミアリーグ優勝が決定します。
 17試合を終了し、11勝4分2敗、勝点37のサバFAは、18試合を消化している2位のジョホール・ダルル・タクジムJDT IIに勝点差4をつけています。今シーズンのプレミアリーグは、シーズン開幕後にプルリスFAが出場停止となったため11チームの争いとなっており、各チームは20試合を戦うため、今日の試合でサバFAが勝つと勝点差が7となり、JDT IIは残り2試合に勝利しても勝点で追いつけないため、サバFAの優勝が決まります。
 前節第19節で、2012年以来の1部スーパーリーグ昇格を決めているサバFAは、1996年、当時の国内1部リーグ、リガ・プルダナでの優勝以来のトロフィーを目指しますが、主力選手である韓国出身のDFパク・テースウ(韓国)、トルクメニスタン出身のMFアフメット・アタエフの二人の外国人選手とDFランディ・バルー・サムソンの3人が累積警告で出場停止となっているのが痛いところ。1部昇格を目指すUITM FCにとっても負けられないホームでの試合ですので、激しい試合になりそうです。

JDTの17選手がインフル感染
 ジョホール・ダルル・タクジムJDTのFacebookによると、チーム所属の17選手がインフルエンザに感染したようです。
 感染したのはMFL1部スーパーリーグのJDT所属の10名、MFL2部プレミアリーグのJDT IIの4名、MFL3部M3リーグのJDT III所属の3名で、この他にコーチやチームスタッフ数名も感染しているとのことです。
 JDTのテクニカル・ダイレクターを務めるアリスター・エドワーズ氏のコメントも掲載されており、それによると選手、コーチ、チームスタッフ全員に健康診断を受けさせ、練習場の消毒なども行っているようです。
 マレーシア国内では敵なしのJDTもインフルには勝てなかった、と言ったところでしょうか。(写真はJDTのFacebookより)

給料未払いについて選手会がFAMに抗議
 プルリス州サッカー協会(PFA)からPFAのプロクラブチームであるノーザンライオンズ元所属選手への今シーズンの給料が支払われていないことについて、マレーシアプロサッカー選手会PFAMがマレーシアサッカー協会FAMに訴えたと、マレー語紙ウトゥサン・マレーシア電子版で報じられています。
 PFAMのイズハム・イスマイルCEOによると、プルリスノーザンライオンズ元選手15名がイズハムCEOと会い、所得税、従業員積立金(EPF、日本の年金制度に当たります)、従業員社会保障制度(SOCSO、日本の社会保険に当たります)を含めた給料未払いの現状を説明し、これを受けたPFAMは、FAMがPFAに対して厳しく処遇することを求めています。
 イズハムCEOは、PFAが抱える2018年シーズンの給料未払いについてもPFAからは何の連絡をないとしています。2018年シーズンの給料未払いについては、既にFAMからPFAに対しても迅速な対応を求める指示が出ていますが、何も進展していないようですね。
 また同じ記事の中では、MFL3部M3リーグに所属するバトゥ・ドゥアFCの選手数名が7月7日にトレンガヌ州クママンのマッ・チリ・ミニスタジアムで行われた鈴木雄太選手が所属するクチンFAとの試合に帯同しなかったことにも触れており、こちらも給料未払いが理由としていますが、PFAMは正式な報告を待ってからFAMに報告するとしています。
 ちなみに鈴木雄太選手は本日7月9日が誕生日とのこと。おめでとうございます。(以下はクチンFAのFacebookより)

7月8日のニュース:FAカップ決勝の外国人審判案は個人的見解?、M3リーグで選手が審判に暴行、ケランタンFAの新会長が決定

FAカップ決勝の外国人審判案は個人的見解?
 7月27日(土)に行われるマレーシアFAカップの決勝に外国人のプロ審判を採用する案は、最終的に立ち消えになりましたが、この案を巡ってマレーシアサッカー協会FAMの審判委員会のダリ・ワヒド委員長が当初提案した案そのものが、審判委員会の中で話し合われたものではなかった、とマレー語紙ブリタ・ハリアン電子版が伝えています。
 2018年のマレーシアカップ決勝では、退場者を2名出すなど試合をコントロールしきれなかったとしてマレーシア人審判に対する批判がおこったとこから、今年のFAカップやマレーシアカップでは外国人のプロ審判の採用が何度も噂されてきました。マレーシアFAカップでは外国人のプロ審判不採用が決まった際には、日本、オーストラリアのサッカー協会へ依頼をしたものの返事がないとの説明もFAMからされていました。これを受け、マレーシアFAカップを運営するマレーシアフットボールリーグMFLも外国人プロ審判不採用を発表していました。
 FAMの審判委員会のメンバーによると、そもそも委員会内部で外国人プロ審判採用が話し合われたことはなく、ダリ委員長の話は「寝耳に水」だったようです。

M3リーグで選手が審判に暴行
MFL3部にあたるM3リーグで、選手と関係者が試合後に主審と副審に暴行という事件がMFLのホームページで報じられています。
 M3第11節のジョホール州のジョホール・バルFA(JBFA)とケランタン州のケランタン・ユナイテッドの試合で起こったこの事件は、1−3とJBFAにリードを許していたケランタン・ユナイテッドが3−3と追いついて引き分けとなった試合で、ケランタンFAの3点目となったPKが与えられた主審の判定を巡るものでした。
 JBFAの選手は試合終了の笛がなると、フィールドで主審を追いかけ、さらに控室にまで押しかけて暴行を働いたとしています。
 MFLはマッチコミッショナーや主審からの報告や、観戦していたケランタン・ユナイテッドのサポーターなどから事情聴取を行い、規律違反に対しては厳罰に処するとしています。
 一方JBFAのダト・シャヒラン・モハマド・ジャマルディンMDは審判の疑惑の判定がこの件を引き起こしたものだとして、選手の行動を擁護しています。
 どんな理由であれ、審判への暴行は許されるものではないと思いますが、MFLはどのような裁定を下すかに注目が集まります。

ケランタンFAの新会長が決定
7月8日に行われたケランタン州サッカー協会の臨時総会で行われた会長選挙で、国民信託党に所属する政治家のワン・アブドル・ラヒム・ワン・アブドラ氏が当選したことがブリタ・ハリアン電子版で伝えられています。ダト・スリ・アムリ・アイマン・アブドル・アジズ氏の16票に対して、28票を獲得したラヒム新会長は、2019年から2023年までの任期を務めることになります。ケランタン州サッカー協会は、協会自体の負債や、協会が運営するMFL2部のクラブチーム、ケランタンFAレッドウォリアーズの選手への給料未払いなど解決しなければならない問題は山積みです。

7月6日から7月7日のニュース:FAMはあらたな帰化選手申請に着手、MFLが各クラブに支給するのは「助成金」ではなく「放映権料」

FAMはあらたな帰化選手申請に着手
マレーシアサッカー協会FAMが新たな帰化選手候補であるリリドン・クラシニキ(27)とギリェルメ・デ・パウラ(33)に関する書類をマレーシア内務省に提出したと、英字紙ニューストレイトタイムズの電子版が伝えています。
 コソヴォ系アルバニア人のクラシニキ選手は、昨年まで3シーズン在籍したクダFAでは105試合に出場して38ゴールを挙げています。今シーズンはマラッカ・ユナイテッドに移籍したものの。3月3日のマレーシアフットボールリーグMFL第5節のクアラルンプール(KL:)FA戦でケガのため途中退場し、その後は戦列を離れ、現在はドイツで治療中とされています。
 ブラジル人のギリェルメ選手は、2015年にスランゴールFAでプレーし、2016年はPDRM FC、2017年以降はKLFAでプレーしていますが、KLFAではシンガポールのレジェンド、ファンディ・アーマドの持つクラブ記録まであと2ゴールと迫る65ゴールを挙げています。
 国際サッカー連盟FIFAの規定は、帰化選手となるための条件として当該国に5年間居住していることを求めており、クラシニキ、ギリェルメ両選手共にこの条件を満たしていませんが、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、帰化申請には政府の協力も必要なので、まずは関係省庁に書類を提出して内容の精査を依頼したとしています。
 該当国5年居住の条件を満たして帰化した選手の成功例としてあげられるのが、ガンビア出身のムハマドゥ・スマレ(パハンFA)で、彼の活躍は2018年の東南アジア選手権スズキカップ準優勝につながったとされています。

MFLが各クラブに支給するのは「助成金」ではなく「放映権料」
MFLは、各クラブへ支給されているのは「助成金」あるいは「補助金」ではなく、「放映権料」であると記者会見で明言したと、ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 記者会見に出席したMFLのケヴィン・ラマリンガムCEOは、7月と8月に各クラブに支給されることになった「放映権料」が、MFL1部スーパーリーグの各クラブには年間300万リンギ(約7860万円)、2部プレミアリーグの各クラブには年間100万リンギ(約2620万円)と昨年と同額であることも発表しています。
 MFLは、マレーシア最大のテレコミュニケーション企業であるテレコム・マレーシア(TM)との間で総額4億8000万リンギ(約126億円)の8年間にわたるスポンサー契約を昨年結んでいましたが、今年の3月に突如、TM側が一方的に契約を解除したことからスポンサー不足が心配されていました。
 なお、MFLは放映権に関する改革の一環として、エナヴァイブ・コンサルタンシー社を新たな株主として迎え入れたことを公開しています。

7月1日から3日のニュース:FAカップの決勝はクダFA対ペラTBG、オーストラリアとインドネシアもWC共催を検討、U19代表監督交代は吉と出るか凶と出るか。

FAカップの決勝はクダFA対ペラTBG
6月29日(土)と6月30日(日)の両日に行われたマレーシア FAカップ準決勝の第2戦は以下の結果となりました。(左側のチームがホーム、カッコ内は第1戦と第2戦の通算成績)
ペラTBG3-0パハンFA(4-3)
得点者:ペラTBG-ブレンダン・ガン(35分)、パルティバン・ジャネセカラン(42分)、ファイサル・ロスリ(44分OG)
 ホームゲームとなった6月22日の第1戦を3-1と勝利したパハンFAは、この準決勝第2戦に備え、6月25日に行われたマレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグのスランゴールFA戦には主力の一部を休ませる布陣で臨みました。(結果はスランゴールFAに2-5で惨敗)そこまで準備周到に用意したドラー・サレー監督でしたが、その策略は功を奏さず、FAカップ連覇もかかっていたパハンFAは準決勝敗退となりました。
フェルダ・ユナイテッド3-2クダFA(3-3)
得点者:フェルダ・ユナイテッド-チアゴ・ジュニオール(65分)、チャントゥル・スピア(72分)、ハディン・アズマン(90分)、クダFA-フェナンド・ロドリゲズ(26分PK)、ファルハン・ロスラン(38分)
 スーパーリーグでは最下位のフェルダ・ユナイテッドですが、チームの愛称「ファイターズ」の名に恥じない奮闘を見せ、第1戦と第2戦の通算成績を3-3としたものの、アウェイゴールルールでクダFAが勝ち抜けました。
 フェルダ・ユナイテッドの渡邉将基選手はスタメンでフル出場、池田圭選手は途中出場となっています。
 この結果、7月27日にクアラ・ルンプールのブキ・ジャリルスタジアムで行われるマレーシアFAカップの決勝は、2004年以来3度目の優勝を目指すペラTBGと、2年ぶり5度目の優勝を目指すクダFAの対戦となりました。

オーストラリアとインドネシアもWC共催を検討
6月23日に閉幕した東南アジア諸国連合ASEANの首脳会談サミットの際に、タイのプラユット・チャンオチャ首相が国際サッカー連盟FIFAワールドカップの2034年大会の立候補をアセアン各国と合同で行うことを表明しましたが、そのASEANにも加盟しているインドネシアが隣国オーストラリアと2034年ワールドカップ共催を検討しているとAFP通信が伝えています。
 記事の中でインドネシアサッカー協会のスポークスマンは、当初はタイとの共催を模索したものの話がまとまらなかったため、オーストラリアとの共催を検討したとし、既に両サッカー協会は具体的な話し合いを始めているし、また両サッカー協会は2021年のFIFA U20ワールドカップの共催も検討しているとしています。アセアンによる共催の検討が発表されたわずか数日後のこの発表について、オーストラリアサッカー協会からはコメントが取れていないようですが、インドネシアサッカー協会はアセアン10カ国による共催とオーストラリアとの共催を天秤にかけているのでしょうか。
 アセアン10カ国による共催については、マレーシアサッカー協会FAMのダト・ハミディン・モハマド・アミン会長も実現が難しいとし、現実的には3から4カ国による共催案がより現実的ではないかと述べています。

U19代表監督交代は吉と出るか凶と出るか
英字紙ニューストレイトタイムズの電子版が、FAMがボジャン・ホダックU19代表監督との契約の更新を行わなかったことを懸念する記事を掲載しています。
 昨年2018年のアセアンサッカー連盟AFFU19選手権で初優勝、さらにアジアサッカー連盟AFCU19選手権本戦に12年ぶりの出場を果たすなど、FAMが求めた結果を全て残してきたホダック元監督の契約更新が行われなかった理由は謎のままですが、歯に衣着せぬ言動でFAMと衝突することも度々あったことから、その辺りが理由ではないかとしています。
 後任にはオーストラリア出身のブラッド・マロニーU23代表コーチが監督代行に指名されています。マロニー監督代行はU23代表のコーチとしてオン・キムスイU23代表監督を支えながら、U19代表の監督代行を務めることになっています。U19代表は8月5日から18日までベトナムで行われるAFF U19選手権には連覇がかかり、11月5日から18日までカンボジアで行われるAFCU19選手権予選が控えている一方、U23代表は12月にフィリピンで行われる東南アジア競技大会(オリンピックの東南アジア版)に参加します。これらの大会で好成績を残せない場合、ホダック監督を「解任」したFAMに対するファンの信頼が失われる可能性があります。

6月13日のニュース:JapaFunCup出場の2選手が日本へ出発、トレンガヌFCの新外国人はMFL今節の試合に間に合わず

JapaFunCup出場の2選手が日本へ出発
日本サッカー協会JFAが国際交流基金アジアセンターと共に2014年より進めてきた東南アジア各国とのサッカー交流事業の成果発表の場として、6月22日(土曜日)に福島県のJヴィレッジで開催するU18東南アジア選抜チーム「ASIAN ELEVEN」対U18東北選抜の国際親善試合「JapaFunCup(ジャパファンカップ)」に出場するマレーシアU18代表のアリ・イムラン・スカリとハリス・ハイカル・アダム・アフカルの両選手が、クアラ・ルンプール国際空港(KLIA)から日本へ出発したことが、マレーシアサッカー協会FAMのホームページで告知されています。
 パハン州ガンバンにあるモクタ・ダハリアカデミーの国立フットボール育成プログラム出身でともに17歳のアリ・イルマン選手とハリス・ハイカル選手は6月13日から23日まで福島県に滞在し、東南アジア11カ国から集まった選手たちともに『ASIAN ELEVEN」プログラムに参加し、最終日の国際親善試合に備えます。
 搭乗前の会見では、「マレーシア人選手が高いレベルでもプレーできることを証明したい」と意気込んでいたDFのアリ・イルマン選手は、他の参加者と1週間の練習期間の中で連携を高めたいとしています。また「他の国の18歳の選手たちとスタメン争いをしなければならないが、年齢差は気にならない」と語るMFのハリス・ハイカル選手はできるだけ多くのサッカー技術や知識を学んで、ピッチ上では全力を尽くしたいと述べています。
 彼らをKLIAで見送ったFAMのダト・スリ・スバハン・ビン・カマル副会長は、東南アジアの選手が日本の選手相手に才能や能力を示す機会となるこのようなプログラムが今後も続くことを、FAMと国立フットボール養成プログラムが期待していると話しています。(写真はアリ・イルマン選手(左)とハリス・ハイカル選手。FAMのFacebookより)

トレンガヌFCの新外国人は今節の試合に間に合わず
マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグのトレンガヌFCの新戦力、ブラジル出身のDFルイス・グスタヴォ・カミロのチーム合流が遅れていると、マレー語紙コスモの電子版が伝えています。
 本来なら先週中にチームに合流する予定だったルイス選手ですが、国際移籍証明書の発給が遅れており、今週末から再開するMFLの第16節、マラッカ・ユナイテッド戦には間に合わないことが決まっていますが、第17節のペラTBG戦にも間に合わない可能性があるとしています。
 第15節を終えて、5勝5分5敗という成績のトレンガヌFCは、今年二度目のトランスファーウィンドウ期間中に、セルビア人のDFイゴール・ゾンジッチとの契約を解除し、代わりこのルイス選手を獲得しました。スーパーリーグ12クラブ中、失点数23はリーグ10位のクアラ・ルンプール(KL)FA(33点)、12位のフェルダ・ユナイテッド(30点)、11位のPKNP FC(28点)に続く悪い成績ですが、すぐに改善とはいかないようです。