2月18日のニュース:TFCにも給料未払いによる勝点剥奪処分か、ディヴィーズはやはりJDTへ、FAカップ1回戦の組み合わせ決定

TFCにも給料未払いによる勝点剥奪処分か
 先月1月31日までに未払い給料問題の解決、あるいは支払い方法を選手やスタッフと同意することをMFLが求め、それを遂行できなかったPDRM FCは今季開幕前にもかかわらず既に勝点3を剥奪(はくだつ)されていますが、トレンガヌFC(TFC)でも同様の問題が発生しているとマレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 記事によるとトレンガヌFCを運営するトレンガヌ州サッカー協会PBSNTは、選手やスタッフと同意していた今月2月10日に支払い予定の未払い給料を支払われず、それについての連絡が何もないということです。なおこの未払い給料は2018年シーズンと昨季2019年分の一部で、アーマド・シャミン・ヤハヤ(マラッカ・ユナイテッドへ移籍)、アディブ・アイズディン・アブドル・ラティフ、カイルル・アズリン・カザリ(ペナンFAへ移籍)や前監督のイルファン・バクティ・アブ・サリム氏らが未払いとなっている他、外国籍選手の中にはこの事態を国際サッカー連盟FIFAへ報告した者もいるということで、トレンガヌFCはこの公約違反により、PDRM FC同様、開幕前に勝点3を剥奪される可能性が出てきました。
 この件に関して、ブリタハリアンがPBSNTに問い合わせを行ったようですが、返事がもらえていないということも併せて報道されています。
 またスポーツ専門サイトのスタジアムアストロでは、給料の支払いを受けていない選手の中で現在もトレンガヌFCに在籍している選手はこの問題をあえて口にしていないということです。
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 MFLの根深い問題である給料未払い問題が、開幕まで2週間を切ったこの時期にまた頭をもたげてきました。今季のMFLでジョホール・ダルル・タジムJDT優位を脅かす可能性があるクラブの一つとして挙げられていたトレンガヌFCですが、いきなり勝点3の剥奪となれば、優勝争いどころか上位進出すら怪しくなります。

ディヴィーズはやはりJDTへ
 JDTのFacebookでは、パハンFAを電撃退団したDFマシュー・デイヴィーズと3年契約を結んだことが発表されています。
 2015年、20歳のときにオーストラリアのパース・グローリーU23からパハンFAに加入したデイヴィーズ選手は、オーストラリアで生まれ育つもマレーシアのサバ州出身の母親を持つことからマレーシア代表としてプレーする資格があり、マレーシアU23代表、フル代表とキャリアアップし、昨季は代表戦12試合に出場しています。
 昨季は主将を務めたパハンFAとの契約はあと1年残っていたことから、JDTへの移籍は来季ではないかとされていましたが、JDTがヴィッセル神戸に1ー5と大敗したことから、守備陣強化の要として急遽、JDTが獲得に動いたとされています。なお一部では移籍金が1600万リンギ(およそ4億2400万円)という報道もありますが、デイヴィーズ選手自身はこれを否定しており、実際には100万から200万リンギとされています。
(写真は入団記者会見でベンヤミン・モラ監督(左)、チームマネージャーのルシアーノ・フィゲロア氏と写真に収まるデイヴィーズ選手-JDTのFacebookより)

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 デイヴィーズ選手の加入で代表の4バックのうち3名がJDTの選手となりましたが、これより気になるのは、JDTのオーナーでTMJことジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下が昨年のクリスマスにツイートした以下の内容です。

@jjmi_kei_と@rodriguez9roは、それぞれ今季からJDTのBチームJDT IIでプレーする新加入のMF廣瀬慧(前インドネシアリーグ1部プルセラ・ラモンガン)と昨季のMFL1部の得点王FWフェルナンド・ロドリゲス(前クダFA)のこと。また@matttdaviesは今回加入のデイヴィーズ選手のことなので、残るのはデイヴィーズ選手と同僚だったパハンFAの帰化選手モハマドゥ・スマレ(@sumareh_inr26)とスランゴールFCから今季はペナンFAに移籍したエンドリック(@endricksantos14)となるのですが、果たして残る二人もJDT入りとなるのでしょうか。

FAカップ1回戦の組み合わせ決定
 先週末にMFL3部と4部にあたるM3リーグとM4リーグのクラブが出場した予選ラウンドが終了し、FAカップはいよいよ1回戦が始まりますが、この1回戦の組み合わせ抽選が昨日2月17日に行われ、2月22日と23日に行われる1回戦24試合のカードが決まっています。(以下はMFLのFacebookより)

1回戦注目のカードは、予選ラウンドを6-1と大勝したサラワク・ユナイテッドII(M3)対M3のムラワティFCを破ったリアル・チュカイFC(M4)、かつてはMFL1部スーパーリーグに所属していたこともあるマレーシア国軍のクラブAFFC(M3)対SAユナイテッドFC(M4)、デービー・クロード・アンガン(MFL1部マラッカ・ユナイテッドより加入)、セルヒオ・アグエロ(MFL2部ペナンFAから加入)とMFLでプレー経験のある外国籍選手を揃えたクアラルンプール・ローバーズ(M3)対M3のマンジュンシティFCを破ったサザンFC(M4)などがあります。
 その中でも最も注目されるのは、M3同士の戦いとなるハリニKSFC対ノーザンライオンズFCマーサです。昨季は同じM3のプロタップFCの監督を務め、今季はハリニKSFCの指揮を取るドゥサン・モムチロヴィッチ監督がMFアジダン・サルディン、代表経験もあるFWアブドゥル・マナフ・ママト、MFファクルラジ・ムサなど経験豊富な選手を揃える一方で、アザムリ・アリ監督率いるノーザンライオンズFCマーサには、国際サッカー連盟FIFAの2016年プシュカス賞を受賞したFWファイズ・サブリがおり、2回戦へ向けて白熱した試合が期待されています。

2月17日のニュース:タイリーグが開幕-代表コンビは揃って勝利に貢献、クラスニキのWC予選出場が可能に、スランゴールFCはMBPJスタジアムが今季のホームとなる可能性も

タイリーグが開幕-代表コンビは揃って勝利に貢献
 マレーシアフットボールリーグMFLは今季は2月28日に開幕しますが、隣国タイのリーグは一足早く先週末に開幕しました。ボラセパマレーシアJP的に注目したいのは、今季、タイ1部リーグへ移籍した代表コンビの動向です。
 昨季は2部で優勝し、今季は1部に昇格したBGパトゥム・ユナイテッドには、MFLパハンFAからノーシャルル・イドラン・タラハが、また昨季2部準優勝でやはり今季1部に昇格したポリス・テロFCにはJDTからドミニク・タンが加入しました。
 ノーシャルル選手は、昨季5位のムアントン・ユナイテッド戦に先発しました。ちなみにBGパトゥム・ユナイテッドのFacebookでは、先発メンバーを告知するページにタイ語、英語に加えてマレーシア語の表記も登場するなど、マレーシア人サポーターにも親切な作りになっていました。なお、タイ代表の西野朗監督も視察に訪れたこの試合では、背番号99番のノーシャルル選手は前半終了と同時に交代しています。(写真はBGパトゥム・ユナイテッドのFacebookより)

 一方、タン選手が所属するポリス・テロFCは昨季2位のブリーラム・ユナイテッドと対戦、タン選手はチームが1−0とリードした74分に交代出場し、そのまま試合終了まで出場しました。(写真はポリス・テロFCのFacdbookより)

この他、タイ3部上部(北側)リーグのアーントーンFCにもやはりマレーシア人のMFザフアン・アゼマンが在籍していますが、背番号9のザフアン選手もチャチューンサオFCとの試合に先発出場し、前半終了と同時に交代しています。なおこの試合ではアーントーンFCは0−4と敗れています。(写真はアーントーンFCのFacebookより)

クラスニキのWC予選出場が可能に
 今季、MFLのジョホール・ダルル・タジムに加入したコソボ出身のリリドン・クラスニキはマレーシアサッカー協会FAMによる帰化プログラムを経て、マレーシア国籍を取得しました。これによって、国内リーグMFLではマレーシア人選手としての登録が可能となりましたが、マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版によると、国際サッカー連盟FIFAからもマレーシア代表として試合に出場する許可が出たようです。
 FAMの帰化プログラム委員会の委員長を務めるダト・モハマド・ユソフ・マハディFAM副会長によれば、クラスニキ選手のマレーシア代表選手としての登録を許可する旨の連絡をFIFAより受け取ったとのことで、来月3月26日に予定されているFIFAワールドカップアジア二次予選のアラブ首長国連邦UAE戦に代表選手として出場するかどうかはタン・チェンホー監督に委ねると話しています。
 またもう一人の帰化選手候補であるペラTBGのギリェルメ・デ・パウラ(ブラジル)については、まずマレーシア国籍を取得した上で、FIFAの判断を仰ぐとしています。
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 クラスニキ選手がMFLで初めてプレーしたクダFAの当時の監督が、現在のタン・チェンホー代表監督ということもあり、一部では「問題児」とも言われているクラスニキ選手ですが、ケガや体調不良などの問題がなければ、フル代表に招集されるでしょう。
 3月26日対戦するUAEもFWセバスティアン・ルーカス・タグリアブエ(アルゼンチン)、FWカイオ・カネド・コレア、MFファビオ・ヴィルジニオ・ジ・リマ(いずれもブラジル)と3人の帰化選手を擁するチームですので、クラスニキ選手の加入は大きな補強になりそうです。

スランゴールFCはMBPJスタジアムが今季のホームとなる可能性も
 スランゴールFCのホームは8万人収容のシャー・アラムスタジアムですが、MFLの今季開幕前の施設検査で改修が必要との判断が出されています。英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によると、予定されているMFLによる2度目の施設検査でシャー・アラムスタジアムのMFLでの使用許可が下りない場合には、同じスランゴール州のクラナジャヤにあるMBPJスタジアムが今季のホームとなる可能性が浮上しています。
 1994年開場のシャー・アラムスタジアムは、施設検査後にピッチや更衣室の状況がMFLの規定する条件に合わない上、観客席を覆う屋根の部分についても改修を求める要望が出ていました。
 これについてスランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長は、改修作業が行われている原序を踏まえ、2度目の施設検査で使用許可は下りるだろうと述べています。
 なおスランゴールFCの今季最初のホームゲームはMFL第2節の3月7日にペラTBGとの試合が予定されています。
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 この記事では観客席を覆う屋根の部分についての言及がありませんでしたが、この改修についてはハミドンFAS事務局長はすぐには対処できないことを明言しており、ここが使用許可の争点になれば、今季のシャー・アラムスタジアムの使用は難しいとされています。
 個人的には家から近いMBPJスタジアムでスランゴールFCの試合が観戦できるようになると嬉しいのですが、こちらは収容人数が2万5000人程度で、スランゴールFCにとっては入場料収入などで大きな損失を負う可能性もあります。

2月15日のニュース:JENESYS杯に参加するU17代表候補発表、クチンFAがプレシーズンマッチで半島部へ遠征

JENESYS杯に参加するU17代表候補発表
 マレーシアサッカー協会FAMは、2月24日から3月4日まで鹿児島県で開催されるJENESYS杯に参加するU17代表の候補合宿参加者18名を公式サイトで発表しています。
 FAMとマレーシア政府青年スポーツ省が運営し、プロサッカー選手を目指すエリート選手養成機関のモクタ・ダハリラ・アカデミーAMDに所属するこの18名は、ラジャ・アズラン・シャー・ラジャ・ショイブ監督のもと、スランゴール州クラナジャヤにあるFAMのトレーニング施設で2月19日からの合宿に参加します。参加者の名簿はこちらです。
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 FAMのサイトで「JENESYS杯」とされているのは、外務省による対日理解促進交流プログラム「21世紀東アジア青少年第交流計画」、別称JENESYSプログラムの一環として鹿児島県で行われる大会のことを指しているようです。
 この大会は、日本サッカー協会JFAのサイトによると「ASEAN地域の10カ国(ブルネイ、カンボジア、インドネ シア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム) 及び、東ティモールと日本 代表の年代別代表が交流を図る大会」として「アジア貢献・国際交流事業」として位置付けられています。

クチンFAがプレシーズンマッチで半島部へ遠征
 マレーシアはマレー半島部とボルネオ島(東マレーシア)で構成されていますが、ボルネオ島にあるサラワク州の州都クチンを拠点とするクチンFAがマレー半島部へ遠征し、プレシーズンマッチを行なっています。
 今季2020年シーズンはマレーシアフットボールリーグMFL2部プレミアリーグに昇格したクチンFAは、1月11日にMFL1部スーパーリーグ6連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTの新しいホームとなるスルタン・イブラヒムスタジアムのこけら落としとなる試合でJDTに0-4と敗れて以降、MFLクラブとの練習試合の情報がありませんでした。(写真はJDTのFacebookより)

 そして昨日2月14日、半島部遠征の初戦としてスランゴール州シャーアラムで今季はMFL1部に昇格したUITM FCと対戦し、前半を2−0とリードして折り返したものの後半の3失点で2-3と逆転で敗れています。
 今季開幕を前に、クチンFAは外国籍選手を含めた新戦力についてのニュースが乏しかったのですが、この試合には4人の外国籍選手が出場していました。昨季からクチンFAでプレーする鈴木雄太、昨季はサラワクFAでプレーしたブラジル人のFWハドソン・ジェズス、昨季はサウジアラビア2部リーグのアル・サファFCに在籍した「レオ」ことFWレオナルド・パッソス・アルベス、そしてDFタニガワユウキ選手がその4人ですが、おそらく彼らが開幕時点で外国籍選手として登録されるようです。DFのタニガワ選手については、情報が乏しいのですが(カタカナ表記になっているのはそういった理由です)、関係者の話では大学を卒業したばかりの選手ということです(この試合は私も観戦しましたが、大学卒業から即プロ入りと考えると試合中の落ち着いた様子が非常に印象的でした。)。
 なお、クチンFAは明日2月16日にMFL1部のPDRM FCとの練習試合が予定されています。

2月12日のニュース:ソーシャルメディアのフォロワー数トップの東南アジアのクラブはプルシブ・バンドン、MFLが今季の公式試合球を発表、東南アジアクラブ選手権出場チーム発表-マレーシアからは出場なし

ソーシャルメディアのフォロワー数トップの東南アジアのクラブはプルシブ・バンドン
 サポーター獲得の重要な手段として活用されるソーシャルメディアは、東南アジアはもとより世界中のサッカークラブが活用していますが、スポーツ関連のデジタルコミュニケーションとマーケティングを扱うドイツのリザルトスポーツ社のサイトでは、世界のクラブのソーシャルメディアなど電子媒体上での存在感の大きさの指標を示す「2020年版グローバルデジタルフットボールベンチマーク」なるものを公表しています。その内容はFacebook、インスタグラム、Twitter、Youtube、Sina Weiboとその他のソーシャルメディアにおける合計フォロワー数をもとにランクづけしたもので、そのトップ3は、1位がバルセロナFC(スペイン)で2億6000万フォロワー、2位がレアルマドリー(スペイン)で2億5800万、3位がマンチェスター・ユナイテッド(英国)の1億4200万となっています。
(以下はリザルトスポーツのサイトより。)

 また、大陸ごとで見ると南北アメリカの1位はフラメンゴ(ブラジル、全体では16位)、アフリカ大陸1位はアル・アハリ(エジプト、同18位)、アジア1位はプルシブ・バンドン(インドネシア、同22位)となっています。

 ここから東南アジアの上位10クラブを取り出したのが以下の表です。表は左から東南アジアでの順位(世界での順位)、クラブ名、所属リーグのある国名、フォロワー数(人)、となっています。

1位(22位)プルシブ・バンドンインドネシア1700万
2位(50位)プルシジャ・ジャカルタインドネシア600万
3位(81位)ムアントン・ユナイテッドタイ300万
4位(87位)ジョホール・ダルル・タジムマレーシア300万
5位(97位)アレマFCインドネシア200万
6位(103位)ブリーラム・ユナイテッドタイ200万
7位(120位)プルスバヤ・スラバヤインドネシア200万
8位(137位)バリ・ユナイテッドインドネシア100万
9位(146位)スリウィジャヤFCインドネシア100万
10位(194位)チョンブリFCタイ 100万

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 東南アジアでは上位10クラブ中6クラブがインドネシアのクラブですが、このブログでも以前取り上げたマレーシアとインドネシアの両国でクラブ監督の経験があるプルシブ・バンドンのロバート・アルバーツ監督や、マレーシア人ながらインドネシアで多くのクラブを指導してきたラジャ・イサ氏のコメントにあったように、インドネシア国内でのサッカー人気は、近隣諸国と比べてもその熱狂度が遥かに高いことがこの数字からも実証されているようです。例えばプルシブ・バンドンの1700万フォロワーという数字は、その数字の正確さ自体はともかく、マレーシアの総人口の半分にあたるフォロワーがいる計算になります。

MFLが今季の公式試合球を発表
 マレーシアフットボールリーグMFLはTwitterで今季2020年シーズンに使用される公式試合球を発表しています。昨季の公式試合球「マーリン」の後継モデル「マーリンII」が今季の試合球で、ナイキ社製のボールは5年連続でMFLに採用されています。
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 ちなみにこの「マーリンII」はイタリアセリエAの2019/2020シーズンや北中米カリブ海サッカー連盟CONCACAF選手権ゴールドカップの試合球にもなっています。ちなみにGoogleで検索してみたところ、そのお値段は115英国ポンド(およそ16400円)でした。MFLのロゴなど入れると価格はもっと跳ね上がるのでしょうね。

東南アジアクラブ選手権出場チーム発表-マレーシアからは出場なし
 東南アジアサッカー連盟AFFが主催し、東南アジア各国の1部リーグ優勝クラブややカップ戦優勝チームなどが出場する東南アジア(ASEAN)クラブ選手権ACCの出場クラブが確定しました。
 このACCは2003年、2005年と既に2回開催されていますが、2003年大会はインドネシア、2005年大会はブルネイに各クラブが集まり、10日から2週間で完結する大会でした。しかし今年2020年から開催される大会は、3月から11月までの間にホームアンドアウェイ形式で行われる方式に変更になっています。
 なお、ACC2020年大会に参加するのは以下のクラブです。
・チェンライ・ユナイテッド(2019年タイリーグ優勝)
・プラチュワップFC(2019年タイリーグカップ優勝)
・バリ・ユナイテッド(2019年インドネシアリーグ1優勝)
・プルスバヤ・スラバヤ(2019年インドネシアリーグ1準優勝)
・ハノイFC(2019年ベトナムVリーグ優勝)
・ホーチミンシティーFC(2019年ベトナムVリーグ準優勝)
・シャン・ユナイテッド(2019年ミャンマーナショナルリーグ優勝)
・タンピネス・ローヴァーズ(2019年シンガポールプレミアリーグ優勝)
 以上8クラブは既にACC本戦出場が決まっていますが、この8クラブに加えてプレーオフを勝ち上がった2クラブが加わり、全部で10クラブがACCに出場します。なお、プレーオフに出場するのは以下の4クラブで、この中から2クラブが本戦に出場します。
・スヴェイ・リエンFC(2019年メットフォンカンボジアリーグ優勝)
・ラオ・トヨタFC(2019年ラオスプレミアリーグ優勝)
・セレス・ネグロスFC(2019年フィリピンフットボールリーグ優勝)
・インドラFC(2019年ブルネイスーパーリーグ4位)
 見出しにも書きましたがACC2020年大会にはマレーシアのクラブは出場しませんが、これはマレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長が既に明言していたので、特に驚くことではありません。FAMは当初からマレーシアからクラブを出場させる条件として、ACCがアジアサッカー連盟AFCによって公式に承認されることを求めていた他、2020年大会については国内リーグとの日程調整の難しさ、さらにはフル代表のワールドカップ予選前合宿などとの兼ね合いなどを理由に出場見送りを決めていました。
 FAMは、MFLの上位クラブをAFF主催の大会よりもAFC主催のAFCチャンピオンズリーグACLやAFCカップに出場させたい方針で、ACCがMFL3位のクラブにまで出場資格を広げるのであれば、出場を検討するとしていました。

2月10日のニュース:国内第2の金融グループがMFL1部の冠スポンサーに、スランゴールFCのホームに今季使用不可の可能性が浮上

国内第2の金融グループがMFL1部の冠スポンサーに
 
マレーシアフットボールリーグMFLの公式サイトでは、マレーシア第2の金融グループCIMB社がMFL1部スーパーリーグの冠スポンサーとなることを発表しています。これにより今季2020年シーズンのMFL1部の名称はCIMBスーパーリーグとなります。
 MFLはマレーシア最大のマルチメディア企業テレコム・マレーシア社(TM社)と3年間にわたるスポンサー契約を結んだことを発表したばかりですが、今回の契約はそれに続く有名企業との契約となります。なおCIMB社はMFL開幕戦として開催される昨季2019年シーズンのスーパーリーグ覇者ジョホール・ダルル・タジムJDT対昨季のFAカップで優勝したクダFAが激突するスンバンシーカップの冠スポンサーになることも決定しています。
 CIMB社は、2016年のリオオリンピックのケイリン競技のメダリストでもある「ポケット・ロケットマン」ことアジズル・ハスニ・アウァンや、アジア人としてスカッシュの世界ランキング1位になったニコル・デイヴィッドなどマレーシア人アスリートを支援してきた他、自社のNPOであるCIMB基金を通じて様々なスポーツの草の根活動にも支援を行なっており、今季クダFAでプレーするハディン・アワンやPJシティーのコギレスワラン・ラジ、パハンFAのデニシュ・ラジャシンガムなど、MFLでプレーする選手の中にもこのCIMB基金の支援を受けたアカデミーの出身者がいます。
 この他、CIMB社の運営するCIMB銀行発行のクレジットカード利用者は、MFLの試合のチケットが割引になることも発表されています。。
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 他のメディアの報道によれば、MFLとCIMB社のスポンサー契約は2年のようですが、TM社に続きCIMB社のスポンサー額は公表されませんでした…
 また、TM社とCIMB社がそれぞれ冠スポンサーとなったTMマレーシアカップ、CIMBスーパーリーグ、CIMBスンバンシーカップと出そろったところで、気になるのがMFL2部プレミアリーグのスポンサー契約です。2016年から2018年まではスポーツドリンクの100プラスがスポンサーでしたが、今季はMFLが冠スポンサーとして政府系企業と交渉中という噂が出ています。
(下はCIMB社とのスポンサー契約を伝えるMFL公式サイトの告知)

スランゴールFCのホームに今季使用不可の可能性が浮上
 今季は2月28日に開幕するMFLに向けて、各クラブは最終調整に余念がありませんが、MFLも開幕に向けて各クラブの本拠地がリーグが規定する条件に適応しているかどうかの検査を行なっています。そんな中、スランゴールFCのホーム、シャーアラムスタジアムがMFLによる検査で不適合と評価されていることがわかりました。
 マレーシアの通信社ブルナマによると、シャーアラムスタジアムの観客席を覆っている屋根部分の一部が剥がれ落ちており、MFLのシャズリ・シャイク・モハマドCOOがスランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FASに対して、リーグ開幕前までにこの状況の改善を要望したということです。
 シャズリCOOは、MFLの試合で使用される全てのスタジアムはリーグ開幕日の2月28日から最低でも1週間前までには試合開催の認可を受ける必要があり、シャーアラムスタジアムについては、後日、再度検査を行うと話す一方、この要望後も改善が見られなければ今季中のMFLの試合開催許可は出せないとしています。
 同じ記事の中ではFASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長へもインタビューが行われており、シャーアラムスタジアムの損傷については把握しているものの、その修理についてはFASの管轄ではない上、その予算もないとしています。
 シャーアラムスタジアムを管理するダルル・エーサン施設管理社(DEFM社)は数ヶ月前に屋根を修理する業者選定のための入札を行ったことは知っていると言うジョハン事務局長ですが、MFLによる査察とその状況改善の要望については承知していないと話しています。また万が一、シャーアラムスタジアムの使用許可が出ない場合には、スランゴールFCはMFLに協力して、他のスタジアムでホームゲームを開催するとしています。
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 先月1月に開催されたスランゴールアジアチャレンジ(SAC)では、観戦中に降り始めた雨が破れた屋根のすき間から吹き込んできたため、屋根の下にいるのに濡れてしまうという経験を私もしました。1994年完成のシャーアラムスタジアムは大掛かりな補修などはこれまでも行われていません。
 シャーアラムスタジアムが使えなくなる、と言う最悪の事態は避けたいところですが、万が一そうなった場合には、PJシティーFCのホームであるMBPJスタジアム、昨季までスランゴール・ユナイテッドがホームとしていたスラヤン市営スタジアム、UITM FCのホームであるUITMスタジアムなどが候補に上がっていますが、どれも満員になれば8万人収容となるシャーアラムスタジアムの代わりにはならず、上記のどのスタジアムで試合を行っても、スランゴールFCにとって収入面では大きなマイナスです。


 

2月8日のニュース:TMが正式にMFLのスポンサーに-試合のストリーミング配信も実施、マレーシアよりインドネシアで有名なマレーシア人コーチ、Jクラブへお勧めのCB3名

TMが正式にMFLのスポンサーに-試合のストリーミング配信も実施
 マレーシア最大のマルチメディア企業テレコムマレーシア(TM社)は子会社のTMマルチメディア社TMMを通じて、マレーシアフットボールリーグMFLのメインスポンサーとなったことを、MFLの公式サイトが公表しています。
 今回のスポンサー契約期間は3年間で、TM社はマレーシアカップの冠スポンサーとなり、今季2020年シーズンからその名称がTMマレーシアカップとなることも併せて発表されています
 さらにTM社のインターネット接続事業部門Unifi(ユニファイ)のストリーミングチャンネルUnifi TVが、MFL1部スーパーリーグとマレーシアカップは全試合を、またFAカップは一部の試合をストリーム配信することも併せて発表されています。(MFL2部プレミアリーグのストリーム配信はないようです。)
 なお配信を観戦するには、Unifiと契約すればテレビはもちろん、携帯のアプリなどでも感染が可能なようです。またUnifiと契約しなくとも、試合観戦パックを購入することも可能で、価格は以下の通りとなっています。
・1試合観戦パス – 3リンギ(およそ80円)
・1ヶ月観戦パス – 15リンギ
・スーパーリーグ年間パス – 100リンギ
・FAカップ年間パス – 100リンギ
・マレーシアカップ年間パス – 50リンギ
・チームVVIPチームマレーシアパス – 120リンギ
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 最後の「チームVVIPチームマレーシアパス」の内容がどのようになっているのかは記事からはわかりませんが、スタジアムに足を運べば入場料が最低でも15リンギはするので、多くの試合を見たいサポーターにはお得な価格設定だと言えるでしょう。
 ちなみに昨季はNetflixの廉価版ともいえるiFlixがスーパーリーグやマレーシアカップの試合を無料で配信していたのですが、MFLの発表では「独占」放映権という表現も見られたので、今季の配信は行われない可能性が高そうです。
 なお別のメディアの報道では、TM社とのスポンサー契約発表会見に集まった報道陣からスポンサー金額についての質問が出た際、MFLのダト・ハミディン・モハマド・アミン会長はその金額についてMFL1部と2部の各クラブには伝えると話す一方で、メディアに伝える必要はないと公表を拒否したとのことです。以前このブログでも取り上げたTM社とMFLの大型スポンサー契約が頓挫(とんざ)したことから、MFLは少々神経質になっているのかも知れません。(ネット上では3年間で3000万リンギ(およそ8億円)といった噂もみられます。)
 またTM社に加えて、マレーシア第2の銀行グループCIMB社がカップ戦スポンサーに参入する噂も出ていますので、こちらも確定次第、取り上げたいと思います。

マレーシアよりインドネシアで有名なマレーシア人コーチ
 フル代表監督としてアセアンサッカー連盟AFF選手権スズキカップで優勝経験もある元PKNS FC監督のラヤゴパル・クリシュナサミ氏が海外での指導を希望している、という話を取り上げた際、既に海外で指導しているマレーシア人コーチとして紹介したラジャ・イサ・ラジャ・アクラム氏を、サッカー専門サイトヴォケットFCがちょうど取り上げています。
 ラジャ・イサ氏がインドネシアへ来たきっかけは、前回も書いた通り元トレンガヌFCのイルファン・バクティ・アブ・サリム氏がインドネシアのパプア州にあるプルシプラ・ジャヤプラ監督として招聘(しょうへい)された際のアシスタントコーチを務めたことでした。
 ヴォケットFCのインタビューでは、2007年、プルシプラ・ジャヤプラは当時の監督だったブルガリア人のイヴァン・コレフがインドネシア代表監督に就任したことによって監督不在となり、招聘されたラジャ・イサ氏が自分の代わりにイルファン・バクティ氏を推薦し、自分がアシスタントコーチになったと話しています。
 「当時、自分はペルシス・ソロ(中央ジャワにあるクラブ)の監督に就任するつもりだったが、イルファン・バクティ氏に招かれて、共にプルシプラ・ジャヤプラを指導することになった」と話すラジャ・イサ氏ですが、イルファン・バクティ氏がマレーシアのプルリスFAの監督に就任することとなり、その半年後には、プルシプラ・ジャヤプラの監督に就任し、2007年のコパインドネシア(当時、現インドネシアンカップ)では、当時絶頂期だったスリウィジャヤFCにPK戦で敗れるも準優勝を果たします。
 その後は下のインフォグラフィックにもある通り、その後もラジャ・イサ氏は2015年から2016年までUITM FCの監督を務めた以外は、インドネシア1部から3部リーグまでの様々なクラブで指導を続けてきました。(インフォグラジックはヴォケットFCのサイトより)

 そんなラジャ・イサ氏によると、サッカーに対する関心はマレーシアとは比較にならないほど高いようで、例え3部リーグの試合であっても数千人の熱狂的なサポーターが集まるということで、毎試合スタジアムが満員になるクラブが数えるほどしかないマレーシアリーグと比べると、観客動員という点では、インドネシアに軍配が上がるようです。しかしその一方で練習施設や競技場といったインフラの面ではマレーシアに遅れをとっているということです。
 54歳のラジャ・イサ氏は、将来は代表チームの監督を目指したいと話しており、実際に2010年には東ティモール代表の監督就任の話もあったようですが、そのときは残念ながら実現しなかったようです。

Jクラブへお勧めのCB3名
 昨日取り上げた、日本のクラブがマレーシア人センターバックを探している、という記事を掲載したサッカー専門サイトのヴォケットFCが続報として、Jクラブへお勧めのセンターバック3選手を紹介する記事を掲載しています。
 東南アジアの選手にとって日本でプレーすることは競技レベルの高い環境でプレーできることだけでなく、ヨーロッパでプレーする飛び石にもなる、という書き出しで書かれた記事で紹介されているのは以下の3選手です。
1. アダム・ノー・アズリン(JDT、24歳)
 昨年の東南アジア競技大会シーゲームズでは、オーバーエイジ選手としてU22代表にも加わったアダム選手は、代表でも完全なセンターバックというよりも守備的ミッドフィールダーです。フル代表では準レギュラーと言った位置付けですが、JDTでは主力選手として活躍し、AFCチャンピオンズリーグACLで対戦したアウェイの鹿島戦でもフル出場し、日本のサッカーを体験している選手です。
2. シャルル・サアド(ペラTBG、26歳)
 現代表のセンターバックを務めるシャルル選手は、準優勝した2018年のスズキカップでも活躍し、今回のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選全てに出場しています。
3. ハリス・ハイカル(スランゴールFC II、18歳)
 マレーシアサッカー協会FAMが運営するエリート選手アカデミーのAMDを卒業し、スランゴールFCのBチーム、スランゴールFC IIに加入したばかりのハリス選手は、昨年2019年のAFF U18選手権準優勝に貢献しただけでなく、飛び級でU22代表に招集され東南アジア競技大会にも参加するなど最も期待されているディフェンダーで、守備だけでなく積極的な攻撃参加も魅力的な選手です。
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 日本のクラブ(探しているのはJ2のクラブらしいです)が求めるのが即戦力なのか、育成枠扱いなのかにもよりますが、個人的にはハリス選手にチャンスが巡ってくると良いですね。この年代は東南アジアでは良い成績を残している年代なので、高みを目指してほしいです。そしてフル代表になったときに、国内ではなく日本のクラブから招集される、なんてことになるとフル代表も強くなりそうです。

2月7日のニュース:クラスニキのマレーシア国籍取得に様々な反応、TMが今季のMFLスポンサーに復帰、日本のクラブがマレーシア人選手を募集、MFLがFAカップ予選詳細を発表

クラスニキのマレーシア国籍取得に様々な反応
 先日、このブログでも取り上げたコソボ出身のリリドン・クラスニキ(JDT)のマレーシア国籍取得について、英字紙ニューストレイトタイムズは、ソーシャルメディア上では様々な反応がみられると報じています。
 クダFAで4年、マラッカ・ユナイテッドで1年プレーし、国際サッカー連盟FIFAが規定する帰化選手の条件を満たすクラスニキ選手がマレーシア国籍を取得したことに対し、多くのサッカーファンはクラスニキ選手が今後、フル代表でプレーすれば代表の戦力強化につながるとしてこれを歓迎しています。
 しかしその一方で、マレーシア国内にいる「無国籍」状態の子どもの問題と絡めて、「無国籍の子どもは全員JDTでプレーすれば良い。そうすればすぐにマレーシア国籍が取得できる」と皮肉を込めたツイートや、「マレーシア国籍を申請するには最低12年の滞在歴が必要であると憲法で規定されているが、クラスニキ選手がマレーシアに来たのは2015年である」と憲法を持ち出して非難するツイートなどもみられるます。
 この他、マレーシアサッカー協会FAMが帰化選手を活用してアジアの強国と競えるようになることへの期待がある一方で、帰化選手に安易に依存することへの批判などもあるとニューストレートタイムズは報じています。
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 クラスニキ選手の国籍取得が「無国籍」状態の子どもと対比されているのは、それだけ「無国籍」状態の子どもがマレーシアでは深刻な問題であるため、このような反応となって現れたのでしょう。例え片親がマレーシア人であっても、両親が正式な婚姻届を提出する前に生まれた子どもには自動的にマレーシア国籍が与えられないため、その子どもは「無国籍」状態になってしまいます。またインドネシアやフィリピンからやって来るいわゆる出稼ぎ(そしてビザを持たない不法の)労働者とマレーシア人女性の間に子どもが生まれ、届出をすれば自分の不法就労がバレてしまうことから、届出をせずにいるケースも多いようです。
 「無国籍」状態の子どもの数はフィリピンやインドネシアと隣り合うサバ州ではおよそ5万人、一説には全国では20万人を超えるとされ、不法労働者の中には数十年に渡ってマレーシアに滞在しているケースもあることから、「無国籍」状態の親が産んだ子どもが「無国籍」になるケースなどもあり、正確な人数の把握は難しいようです。また、そういった子どもたちが教育を受けられなかったり、仕事につけないなど人権問題にもなっています。
 また無国籍状態の子どもがマレーシア国籍を取得できる年齢の上限が21歳と法律で定められており、それを過ぎると国籍取得は事実上困難になるため、28歳のクラスニキ選手がマレーシア滞在わずか5年で国籍を取得したことがダブルスタンダードであると非難する声が上がっています。

TMが今季のMFLスポンサーに復帰
 マレーシア最大のマルチメディア企業のテレコムマレーシア社TMが、今季のマレーシアフットボールリーグMFLの冠スポンサーとして復帰すると、マレーシアの通信社ベルナマが報じています。
 TM社は子会社TMマルチメディア社を通じて、マレーシアフットボールリーグMFLとのスポンサー契約締結イベントをを本日2月7日に開催することをメディア向けに告知しているようです。
 記事のタイトルに「復帰」とつけましたが、2018年1月にTM社はインターネットサービスプロバイダー事業部門のUnifi(ユニファイ)をリーグの冠スポンサーとしたスポンサー契約をMFLとの間で締結しました。その額は8年契約で4億8000万リンギ(およそ128億円)で、マレーシアのスポーツスポンサー契約としては史上最大として大きなニュースになりましたが、その翌年2019年3月にはMFLとTM社の双方が契約破棄を発表し、1年ほどでこの契約は頓挫してしまいました。その後、MFLはTM社に対する損害賠償訴訟を起こしましたが、昨年2019年10月には訴訟を取り下げていました。

日本のクラブがマレーシア人選手を募集
 サッカー専門サイトのヴォケットFCは、日本の選手エージェントがマレーシアで選手を募集していると報じています。
 ヴォケットFCによれば、選手募集を行っているのは「世界中で愛されているサッカーを通じ、日本から世界へ挑戦をする人達のベストパートナーとなることを目指している」Goal Sports Agencyで、Twitter上に以下のようなツイートを日本語で掲載しています。

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 このように日本語でツイートしているということは、このGoal Sports Agencyさんが募集しようとしているのは「日本から世界へ挑戦をする」選手、つまり日本から来てマレーシアリーグでプレーしたい選手ということでしょうか、それとも日本語が読める人に向けてマレーシア人選手を紹介してほしい、ということなのか、この情報だけではわかりませんね。
 日本のクラブがマレーシア人を求めているとすると、この年代でMFLの試合に出ている選手と言えば、アキヤ・ラシド(JDT)くらいしか思いつきませんが、彼はFWなので該当しません。年代的には各クラブのプレジデントカップ(U21)やユースカップ(U19)チームに所属している選手となるので、MFL(Aチーム)でプレーできていない段階で、日本へ行っても試合に出られるのかどうかはわかりません。
 そう言えばスランゴールFCのBチーム、スランゴールFC IIには今季、マレーシアサッカー協会FAMのエリート養成のサッカーアカデミーAMDからの卒業生が退去加入しているので、その辺りなら候補者がいるかも知れません。

MFLがFAカップ予選詳細を発表
 マレーシアフットボールリーグMFLの公式サイトでは、今季のFAカップ予選の詳細が発表されています。
 MFL3部と4部に当たるM3リーグとM4リーグに所属する30クラブが対戦する予選は今月2月15日と16日の対戦カードは既に決まっていましたが、試合会場や時間は発表になっていませんでした。なお、予定されていた試合のうち、ノッサブキジュルトンFCとクルアンFAの試合は、クルアンFAが出場を取りやめたため、ノッサブキジュルトンFCが一回戦へと駒を進めています。
 この予選を勝ち上がった16クラブと予選を不戦勝で勝ち上がった8クラブが1回戦で対戦し、2回戦からはMFL1部と2部のクラブが登場します。
 詳しい試合日程はこちらです。

2月5日のニュース:シーズン開幕を前にPDRM FCの勝点3剥奪(はくだつ)が確定、デ・パウラの帰化申請の結果発表は数週間後、ACLは新型コロナウィルの影響で一部日程が変更に

シーズン開幕を前にPDRM FCの勝点3剥奪が確定
 先日もこのブログで取り上げた通り、マレーシアフットボールリーグMFL1部のPDRM FCは2月28日のMFL開幕を前にして、既に勝点3の剥奪が確定しました。
 マレーシアサッカー協会FAMは、1月31日までに未払い給料完済あるいは未払い給料支払い方法について選手及びスタッフとの間で合意を得られなければ、今季MFLでの勝点剥奪処分を科すとの警告を、PDRM FCの他、MFL1部のマラッカ・ユナイテッドFCとMFL2部のケランタンFAにも出していましたが、マラッカ・ユナイテッドFCは270万リンギ(およそ7130万円、1リンギはおよそ26.4円)ある負債の内210万リンギを、ケランタンFAは160万リンギの負債の内の100万リンギを既に支払っており、また残る未払い給料については両クラブとも選手との間で完済まで期限についての合意が得られているということで今回、勝点の剥奪がないことが、FAMのホームページで告知されています。
 マレーシア王立警察が運営するPDRM FCは、2月28日までにこの未払い給料問題の解決ができない場合、さらに勝点6が剥奪されることになっています。
 またFAMは選手への給料未払い問題が解決した後は、税務署、従業員積立基金EPF、従業員社会保障制度SOCSOなど公的機関に対する各クラブの負債の有無についての調査を行うとしています。
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 PDRM FCの給料未払い問題については、昨季在籍し、5ヶ月以上の給料が未払いになっているコーチ選手がクラブから話し合いの提案などを全く受けていないことを他のメディアで明らかにしており、クラブの姿勢に疑問が出ています。2月28日の期限を過ぎ、次の期限となる3月30日にまでに進展がなければ、今季の出場停止と自動降格の処分が下されることになっています。
(下はFAMのホームページで発表された各クラブへの処分の告知)

デ・パウラの帰化申請の結果発表は数週間後
 一昨日発表されたリリドン・クラスニキ(JDT)のマレーシア国籍獲得の際に話題となったのが、もう1人の帰化選手候補であるブラジル出身のギルェルメ・デ・パウラ(ペラTBG)。このデ・パウラ選手の帰化申請について、マレーシアサッカー協会のスチュアート・ラマリンガム事務局長がマレー語紙シナルハリアンのインタビューに答えています。
 2016年シーズンはPDRM FCで、その後は昨季までクアラルンプールFAに所属、今季はペラTBGでプレーするデ・パウラ選手について、ラマリンガム事務局長はいくつか解決が必要な問題があるものの、2週間程度でそれらは解決できるだろうとしています。
 ラマリンガム事務局長は、FAMは(国籍取得を扱う)マレーシア内務省に対して一方的に国籍取得許可を依頼することはできず、、マレーシア人となるべき適切な人物を推薦し、関係各省と協力しながら国籍取得をサポートしていると述べています。

ACLは新型コロナウィルの影響で一部日程が変更に
 アジアサッカー連盟AFCは本部のあるクアラルンプールで緊急会議を開催し、新型コロナウイルス感染拡大の影響を考慮し、AFCチャンピオンズリーグACLグループステージの一部日程変更をホームページで告知しています。
 具体的には中国の4クラブ(北京国安、上海上港、上海申花、広州恒大)について、第1節から第3節までに予定されていた試合は全て4月あるいは5月まで延期となりました。また第4節以降についても、状況が大きく変化する叶瀬があることから、各試合日から21日前までに予定通り試合実施が可能かどうかを決定し、試合実施が不可能となった場合は試合日より14日前までにホームチームの責任で試合を行う中立国を決定するなどの措置をとることも言及しています。
 またこれに伴い、各グループの上位2クラブが出場するノックアウトステージ(ベスト16)の試合はは第1戦が6月16日あるいは17日、第2戦が6月23日あるいは24日へと変更になっています。
 AFCは当初、今季のACLグループステージ第3節までの中国クラブのホームゲームを全て対戦クラブのホームゲームと入れ替えることで対処しようとしていましたが、オーストラリアサッカー協会などから、中国からの入国が一時的に制限されており試合の開催が不可能であるとして、日程変更を求める声が上がっていました。
 この日程変更の結果、MFLチャンピオンとして出場するジョホール・ダルル・タジムJDT関連では、第2節の2月19日にJDTのホームで開催が予定されていた広州恒大との試合が5月20日に延期となっています。

2月4日のニュース:クラスニキがマレーシア国籍取得、FAMはプルリス州のクラブに州FAとは関わらないよう警告、AFCが本日緊急総会-コロナウィルスによりACL日程に変更も

クラスニキがマレーシア国籍取得
 今季ジョホール・ダルル・タジムJDTに加入したコソボ出身MFリリドン・クラスニキがマレーシア国籍を取得したことが、マレーシアサッカー協会FAMのホームページにて告知されています。
 クラスニキ選手は、昨季2019年はマラッカ・ユナイテッド(ただしケガのため試合出場はリーグ戦5試合のみ)、その前の4シーズンはクダFAでプレーし、国際サッカー連盟FIFAが規定する帰化選手申請の条件を満たしていました。
 FAMもクラスニキ選手の帰化の意思を確認した上で、同様の条件を満たしているブラジル出身のギリェルメ・デ・パウラ(ペラTBG)とともに、2人の帰化申請を後押しする意向を示していましたが、そのクラスニキ選手は1月1日付でマレーシア帰化申請が認められ、晴れてマレーシア人となりました。
 ただし、残念ながら即、フル代表入りとはいかないようで、FAMはFIFAに対してクラスニキ選手の国籍取得に関する書類等を送付後、審査を経る必要があるようですので、3月に迫ったFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選に間に合うかどうは微妙です。
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 クラスニキ選手は、MFLでは今後はマレーシア人選手登録となるため、JDTは既にいる5人の外国籍選手に加えてクラスニキ選手も同時にフィールド上に入ることが可能です。クラスニキ選手国籍取得のニュースは、マレーシア代表にとっては朗報ですが、JDTのライバルとなるマレーシアフットボールリーグMFLの他クラブにとっては悲報かもしれません。
(右はマレーシア の身分証明書MyKadを得たクラスニキ選手とFAMのりマリンガム事務局長-写真はFAMのホームページより)

FAMはプルリス州のクラブに州FAとは関わらないよう警告
 国際サッカー連盟FIFAは、給料未払い問題を解決しないプルリス州サッカー協会PFAに対し、昨年2019年よりサッカーに関するあらゆる活動の禁止処分を科しています。これに伴いマレーシアサッカー協会FAMは、今季2020年シーズンのMFL3部M3リーグに参加するPFA傘下の3クラブに対し、PFA自体とは無関係でいること、またフロントには元あるいは現PFA関係者を含めないよう警告していると、マレー語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、「プルリス」あるいは「(PFAが運営していたクラブチームの愛称)ノーザンライオンズ」をクラブ名に採用しているクラブにPFAの影響が見受けられる場合には、FIFAの査察が入る可能性や新たな処分が下される可能性があることから、FAMとしても監視を行う意向があることを明らかにしています。
 今季のM3リーグにはプルリス・ユナイテッドFC、クアラプルリスFC、MAHSAノーザンライオンズFCの3クラブが参加しますが、今回の警告は、これらのクラブが対象です。なお、プルリス・ユナイテッドFCについては、PFA関係者がフロントにいることが発覚したことから、先日日程が発表になった今季のFAカップへの出場が認められませんでした
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 PFAに対するFIFAの処分の解除は未払い給料完済が条件となっていますが、プルリスノーザンライオンズFC(当時MFL2部所属)、ノーザンライオンズII(同MFL3部)、プレジデントカップチーム(U21)、ユースカップチーム(U19)、フットサルチーム(男女)に対して300万リンギ(およそ7900万円)を超える未払い給料があるとされており、現時点ではMFLへの参加も認められていないため、スポンサー獲得もできない状態が続いており、未払い給料問題解決の目処は立っていません。

AFCが本日緊急総会-コロナウィルスによりACL日程に変更も
 マレーシアの通信社ベルナマによると、アジアサッカー連盟AFCは明日、本日2月4日にクアラルンプールにあるAFC本部で緊急会合を開催し、中国湖北省武漢市でのコロナウィルス感染拡大による影響を受け、今季のAFCチャンピオンズリーグACL東地区の日程変更を話し合う予定のようです。
 東地区のグループEには北京国安、グループFには上海申花、グループGには広州恒大、グループHには上海上港と、4つのグループ全てに中国のクラブが含まれており、各グループの初戦は2月11日と12日に予定されていますが、オーストラリア政府が外国人の中国からの入国を一時的に禁じているため、オーストラリアサッカー協会は、2月11日に予定されているパース・グローリー対上海申花、2月12日のシドニーFC対上海上港の2試合の延期を求めています。
 多くの国が中国からの入国を一時的に制限している他、中国への渡航を制限或は禁止している国もあり、いずれにしても当初の予定どおりの日程では開催されそうにありません。

2月1日のニュース:PDRM FCはMFL開幕と同時に勝点3剥奪か、トレンガヌFCのスタジアム改修事業が完了、サラワクUは開幕前に早くも監督を解任

PDRM FCはMFL開幕と同時に勝点3剥奪か
 マレーシアフットボールリーグMFL1部に昇格したマレーシア王立警察が運営するPDRM FCが開幕と同時に勝点3を剥奪(はくだつ)される可能性がでてきました。
 マレーシアサッカー協会FAMは、昨季までの選手への未払い給料の完済、あるいは未払い給料支払い方法についての該当選手との合意を昨日1月31日までに得られない場合には、今季のMFLで勝点3が剥奪される旨をMFL1部のマラッカ・ユナイテッド、PDRM FC、そしてMFL2部のケランタンFAに警告していましたが、PDRM FCは昨季の給料4ヶ月分が未払いとなっている複数の選手に対し、支払いはおろか、支払い方法の交渉を開始したところであると、スポーツ専門サイトのフォックススポーツが報じています。
 PDRM FCと選手の交渉は始まったばかりで、どの選手からも支払い方法についての同意を得ることができておらず、今後も選手との交渉は続くようなので、週末を挟んだ2月3日にはFAMからPDRM FCへの勝点剥奪処分が発表されることが予想されます。
 なおマレーシアプロサッカー選手協会PFAMによれば、マラッカ・ユナイテッドはすでに未払い給料を完済済み、ケランタンFAは給料の支払いは終わっていないものの、支払い方法については該当選手との合意に達しているようです。
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 2016年以来のMFL1部に復帰したものの、今季のPDRM FCは運営資金に制限があることから、現時点ではマレーシア人プロ選手8名に加え、昨季はスランゴールFAでプレーしながら人種差別発言で退団したFWアントニオ・ジャーマン以外は、現職の警察官(つまりアマチュア)という布陣です。この後、外国籍選手の補強はあるかも知れませんが、モハマド・イシャク・クンジュ・モハメド監督は今季22試合で勝点22獲得、MFL1部残留も目標として公言するなど開幕前から弱気な(あるいは現状認識が正しい)発言を繰り返しています。

トレンガヌFCのスタジアム改修事業が完了
 トレンガヌFCは公式ホームページで、今季2020年シーズンのホームとなるスルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(SSMZA)の改修事業が完了したことを発表しています。
 収容観客数5万人を誇るこのスタジアムはマレー半島東海岸で最大のスタジアムですが、2008年の開場以来、2度に渡る天井崩落事故などがあり、トレンガヌFCがホームとして使うことができたのは2009年シーズンのみでした。
 崩落した天井を含めた改修費用の目処が立たず、いわゆる「ホワイトエレファント」だったスタジアムは、今回、100万リンギ(およそ2650万円)をかけてピッチをバーミューダグラスに交換するなど大規模な改修がおこなわれました。
 またこの後はフィールドの周りの陸上競技用コースを取り除き、人工芝を張る事業も予定されているとホームページでは伝えられています。
 なお、2月29日のMFL開幕日には、このスタジアムでトレンガヌFCがペラTBGを迎えて対戦します。
(以下はトレンガヌFCのホームページより)

サラワクUは開幕前に早くも監督を解任
 サラワク州サッカー協会FASが運営するMFL2部のサラワク・ユナイテッドは、プレシーズンの試合の結果が不調なことから、スペイン人のホアン・カルロス・マグロ監督の解任を発表しています。
 東マレーシアの英字紙ボルネオポスト電子版によると、FASダト・ポサ・マジャイス会長はマグロ監督はFASとは正式契約を結んでおらず、FASによる評価期間中であったとして、解任ではなく、監督職のオファーを行わないことを決めただけであるとしています。
 ここまでのプレーシーズンマッチでクアラルンプールFAに1-2、PDRM FCに0-5、ペラTBGのBチームに1-4と3連敗だったことなどが理由のようですが、後任にはマレーシア人監督が候補に上がっているとボルネオポストは報じています。
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 サラワク・ユナイテッドは昨季のMFL2部所属のスランゴール・ユナイテッドの経営権をサラワクFAが手に入れて再編したクラブで、今季はアムリ・ヤハヤ(スランゴールFAから移籍)、スピア・チャントゥル(フェルダ・ユナイテッドから移籍)、ファウジ・ロスラン(ケランタンFAから移籍)らのベテランを獲得していますが、元のチームが昨季のMFL2部では11チーム中9位でしたので、いきなり期待はできそうもないですが、ペラTBG II(Bチーム)に
 なお後任には昨季途中でMFL2部で降格権にいたPDRM FCの監督に就任し、MFL1昇格を勝ち取りながら、今季の契約を更新しなかったエラヴァラサン・エランゴワン氏の名前などが噂に上がっています。
 この他、サラワク・ユナイテッドは日本人DF岩崎陽平選手獲得の噂などもありますので、その辺りもフォローしていきたいと思います。