9月21日のニュース:マレーシアカップグループステージの日程が発表、サッカー協会事務局長-練習試合はまだ確定していない、ケン・ワーデン元マレーシア代表監督逝去

 今日9月21日はマレーシア時間の午後3時(日本時間午後4時)からアセアン東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会(昨年から順延されたため「2020年大会」となっています)のグループステージ君合わせ抽選がオンラインで行われます。(こちらで視聴可能です。)またMリーグ2部プレミアリーグは最終節の第22節が行われ、ヌグリスンビランFC、サラワク・ユナイテッドFC、トレンガヌFC IIによる三つ巴の優勝争いの決着がつきます。またプレミアリーグから5チームが参加するマレーシアカップへの出場チームが決定する可能性もありなど、慌ただしい1日になりそうです。

マレーシアカップグループステージの日程が発表
 マレーシアンフットボールリーグMFLは、今季2021シーズンのマレーシアカップの試合日程を発表し、今大会が100周年記念と日本のサッカー天皇杯と並ぶアジア最古のカップ戦は9月26日(日)にグループステージが開幕します。
 MFLは今回の日程発表に関して、本日9月21日に予定されているMリーグ2部プレミアリーグ最終節の第22節後にもリーグ戦が予定されていること、また10月のFIFA国際マッチデー期間にマレーシア代表は国外遠征を予定しており、帰国後に必要となる検疫隔離期間を考慮したとしています。
 2部プレミアリーグでは、試合前の新型コロナ検査で陽性者が見つかったことから検疫隔離となっていたケランタン・ユナイテッドFCがクチンシティFCと対戦するカードが9月24日に順延となっており、さらにこの試合の結果次第でマレーシアカップ出場チームが変動する可能性があることから、最終的なグループステージの組み分けは9月24日の試合後に発表されるとしています。
 またマレーシア代表は10月4日から12日までのFIFA国際マッチー期間にヨルダンに遠征し、ヨルダン、ウズベキスタンとの練習試合が予定されていますが、マレーシア政府は全ての渡航者に14日間の検疫隔離を義務付けており、マレーシア代表の選手たちもヨルダン遠征後にはこの検疫隔離となり、すぐに所属クラブに合流できないことから、MFLはこの点も考慮した日程を作成したということです。
 マレーシアカップグループステージの日程はこちらです。

サッカー協会事務局長-練習試合はまだ確定していない
 上のマレーシアカップ日程決定の経緯にもあるように、マレーシア代表は10月4日から12日までのFIFA国際マッチデー期間に国外合宿を検討しているとされていますが、マレーシアサッカー協会FAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長は、この期間の活動について現時点では何も決まっていないと述べています。
 マレーシア語紙ハリアンメトロによると、新型コロナの1日あたりの新規感染者数が1万5000人を越え続けているマレーシアの現状を考えると、現時点で練習試合を計画するのは困難だと話しているということです。
 サイフディン事務局長は、10月の代表合宿に招集予定の選手が新型コロナ検査で陽性などによりこれに参加できなくなる場合に備えて、予備の代表候補をリストアップすることが重要だと話す一方で、実戦から離れている代表チームのために12月に開幕するAFFスズキカップの前には少なくとも2試合の練習試合を開催することを検討中であるとも話しています。
 「練習試合開催を打診するのが遅れたことと新型コロナの影響で練習試合の相手は現時点では決まっておらず、まずは代表合宿に招集する選手を決定した上で、練習試合を行うかどうかを確定する予定である。」とサイフディン事務局長は述べています。
 代表チームは12月5日から来年2022年1月1日の決勝まで続くAFFスズキカップと来年2月から始まるアジアサッカー連盟AFCアジアカップ2023年大会3次予選が控えていますが、スズキカップをいわば「ふるい」に使ってアジアカップ3次予選に出場する選手を選ぶという方針なのかも知れません。

ケン・ワーデン元マレーシア代表監督逝去
 マレーシアサッカー協会FAMは公式Facebookで元代表監督を務めたケン・ワーデン氏の訃報を伝えています。昨日9月20日に亡くなったワーデン氏は享年78でした。
 英国のプレストンで1943年2月2日に生まれたワーデン氏はオーストラリアで選手、そして指導者としてキャリアを積んだ後、1991年にスランゴールFA(当時、現在のスランゴールFC)の監督に就任すると、この年にリーグ戦(セミプロリーグ1部-当時の国内トップリーグ)では5位だったものの、FAカップ優勝、そしてマレーシアカップ準優勝(優勝はジョホールFA)を達成します。
 すると翌1992年1月には代表監督に就任し1993年末まで代表の指揮を取りましたが、ザイナル・アビディン・ハサン(現マラッカ・ユナイテッド監督)、ドラー・サレー(現スリ・パハンFC監督)、ムビン・モクタル、アズマン・アドナンなどスター揃いだった代表チームはW杯1994年アメリカ大会予選はグループステージで敗退、そして1993年の東南アジア競技大会通称シーゲームシンガポール大会ではベスト4進出を逃しました。
 代表監督を退いた1994年にはライバルのシンガポール代表監督に就任しますが、その年の途中には再びスランゴールFAに戻り、1995年と1996年のマレーシアカップ連覇を果たしました。
 その後、一度はオーストラリアに戻ったものの2002年にはスランゴールFAで3度目となるマレーシアカップに優勝したほか、サバFA(現サバFC)やトレンガヌFA(現トレンガヌFC)でも監督を務め、2015年にMリーグ2部プレミアリーグのKL SPA(現在は廃部)での指揮を最後に監督業を引退していました。
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 個人的には代表監督というよりもスランゴールFAの監督というイメージが強いワーデン氏には、1990年代にスランゴール州のPJオールドタウンにある仕立て屋で偶然に遭遇したことがあります。当時のスランゴール州では趙がつくほどの有名人だったワーデン氏に気づき、拙い英語で頑張ってください!というのが精一杯でしたが、満面の笑顔で「ありがとう」と返事をされて興奮したことを覚えています。店の外に出てもすぐに周りの人々から声をかけられて、それに丁寧に返事をしている姿も印象的でした。ご冥福をお祈りします。
(左はスランゴールFCの右はFAMの公式Facebookに掲載されたワーデン氏の訃報を知らせる投稿)

8月25日のニュース:出場機会不足に不満を述べた選手へのJDTオーナーの反応に多くのサポーターが同意、そのJDTオーナーが退任をほのめかす?、代表は10月に国内合宿と海外遠征を開催か、 ペラFCが未払いとなっていた7月分の給料を支給

出場機会不足に不満を述べた選手へのJDTオーナーの反応に多くのサポーターが同意
 「チームメートがサッカーをしているのを見るのは楽しいな。」と間接的に自身の出場機会がないことをツイートしたJDTのFWシャフィク・アフマドが、オーナーからクラブは仲良しグループではなく、不満があるなら他のクラブへ移籍することを止めない、と反応されたニュースは先日このブログでも取り上げましたが、このトゥンク・イスマイル ジョホール州皇太子の反応については様々な意見が出ていることを、マレーシア語紙ウトゥサンマレーシアが報じています。
 このイスマイル殿下によるクラブ公式Facebookへの投稿にはこの執筆時点で1万7000件の「いいね」と2900件近いコメントがついていますが、その多くがイスマイル殿下に同意すると同時に、JDTでは出場機会が得られないシャフィク選手に移籍を勧める内容です。「JDTヘ移籍する前にプレーしていたクダ・ダルル・アマンFC(当時はクダFA)に戻るべき」といったものから「シャフィク選手自身は努力はしているのだろうが、これまでにリーグ2位の20ゴール(17試合)を挙げているブラジル出身のFWベルグソン・ダ・シルヴァにポジション争いで勝つのは難しい。」、「スランゴールFCに来い。JDTを除けばスランゴールFCは給料もいいぞ。」まであり、さらには「(高給とされるJDTでプレーすることで)銀行口座に金がたくさんあるなら、それで十分ではないか。出場機会が少ないことなど気にするな。」といった皮肉混じりのものもあります。
 そんな中で「我々マレーシアサポーターはシャフィク選手が代表でプレーするところを見たいが、JDTに残り控えのままでは次の代表に招集されることも難しくなる。6月のW杯予選では役立たずだったギリェルメ・デ・パウラが代表に招集されたのも彼がペラFCの主力選手だったからだ。」といった意見に代表されるように、FWに人材不足の現在の代表には、新型コロナ禍による中断前に行われた一昨年のW杯予選でアラブ首長国連邦やインドネシア相手にゴールを挙げたシャフィク選手は必要な選手なのは明らかです。
 なおイスマイル殿下は既にシャフィク選手と直接話し、JDTでは試合出場の用意ができているとチームが判断すれば試合に出ることができ、シャフィク選手も同様であると伝えたことを明かすとともにこの件に関してはこれで解決したとも述べています。
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 ボラセパマレーシアJPでは、今季開幕前にJDTの注目選手としてこのシャフィク選手を取り上げました。U23代表から順調に成長し26歳となる今年は同じJDTのサファウィ・ラシドとともに代表を引っ張る存在として期待したからでした。しかし、今季はトップチームでの先発出場どころかベンチ入りしたのがわずか3試合、試合出場は1試合でそれも90分からの出場でした。また、7月24日から始まった後半戦ではこれまで1試合もベンチ入りしていません。昨年2020年12月には自らが運転していた自動車の事故で生後1年未満の息子を失うなど悲惨な出来事も経験したシャフィク選手が、イスマイル殿下が指摘しているようにその事故を境に別人になってしまったのかどうかは外部からはわかりませんが、自身の選手としてのキャリア、特に代表選手としてのキャリアを考えるのであれば、国外も含めて他のクラブへ移籍を考えてみるのも悪くないのでは、とファンの一人として思ってしまいます。

JDTオーナーが退任をほのめかす?
 JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が退任をほのめかすような投稿を自身のインスタグラムに行ったと、マレーシア語紙のブリタハリアンが報じています。
 イスマイル殿下がオーナーを務めるJDTは昨季までMリーグ7連覇を達成し、今季も次節に勝利すれば8連覇が決まる状況ですが、そんな中で以下のような投稿を行なっています。
 「これまでJDTがピッチ内外で成功を収めるよう尽力してきた結果、JDTは立派なブランドになった。最高の設備のもと、過去8年間でトップチームはリーグ戦やカップ戦などで18回の優勝を、ユースレベルでは10回の優勝を達成した。」という投稿はさておき、多くのサポーターに衝撃を与えたのは、その投稿の最後に書かれた「これが私からクラブへの最後の贈り物だ。」という部分でした。10月から建設が始まる本拠地スルタン・イブラヒムスタジアムに隣接する巨大なトレーニング施設の写真が添えられたこの投稿に対し、多くのサポーターやメディアはイスマイル殿下がJDTオーナーを退任するのではと色めき立っています。
 イスマイル殿下の真意は現時点では不明ですが、今週末の第20節にもJDTのリーグ8連覇が決まる可能性があり、その後には何か重大な発表があるかも知れません。

代表は10月に国内合宿と海外遠征を開催か
 マレーシアサッカー協会FAMが10月に代表合宿と練習試合を企画しているとマレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。
 代表チームは今年12月には昨年から延期された東南アジア(アセアン)サッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会が、そして来年2月にはアジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選が控えていますが、FIFAの国際マッチカレンダー期間の今月8月30日から9月7日までは、新型コロナ禍により終了が遅れたリーグ戦中期間である上、マレーシア政府が全ての渡航者に求めている14日間の検疫隔離期間によって、代表チームは他国の代表チームを招いて練習試合を行うことも、他国へ遠征に行くこともできず予定されていた代表合宿が中止に追い込まれています。
 Mリーグを運営するMFLの新たなCEO就任が決まったマレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、代表チームの予定として10月には国内での代表合宿と国外での練習試合開催を検討中であることをハリアンメトロによる取材で明らかにしています。

ペラFCが未払いとなっていた7月分の給料を支給
 給料未払いが明らかになり主力選手が大量退団した結果、Mリーグ1部で11位と低迷するペラFCの選手らに対し、今週末に予定されているMリーグ第20節の前に未払いとなっている7月分の給料が支払われることをウトゥサンマレーシアが報じています。
 今季は残り3試合となり、現在11位と2部降格危機にある中で、未払い給料を支払うことで選手の士気を高めたいとペラFCのアズマン・ノーGM(ゼネラルマネージャー)は話しています。
 8月1日付で就任したアズマンGMは、2部降格を食い止めるため最終戦までできる限りの泥苦を続けたいとも話し、ペラFCのサポーターにも12番目の選手として最後までチームへの応援を続けて欲しいと訴えています。
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 このように未払い給料支払いをメディアに公表しながら、その裏では全額ではなく一部のみを支払っていた、といった他のクラブの事例もあるので、ここは選手らには支払いを事前に伝えても、メディアには支払ってからそれを公表すれば良いのではないか、とも思ったりもします。今回のメディアへの公表はアズマンGMによる自チームのサポーターを含めた対外的なアピールなのかもしれませんが、アズマンGM就任以降のペラFCは3試合で最下位のUITM FCでの敗戦も含め0勝3敗、3得点10失点と、いまさら未払い給料を支払っても焼け石に水といった印象です。

8月13日のニュース:最新のFIFAランキングでマレーシアは154位、ケランタンFCがケランタン州サッカー協会の未払い給料問題解決を支援、クラスニキはインドスーパーリーグへ期限付き移籍か

最新のFIFAランキングでマレーシアは154位
 マレーシアサッカー協会FAMは公式Facebook上で、最新の8月12日付けFIFAランキングでマレーシアは154位となったことを発表しています。これは前回の153位から順位を1つ下げています。
 前回5月27日付けのFIFAランキング発表以降、マレーシアは国際Aマッチで1勝3敗の成績でした。この結果、ランキング算出の元となるポイントは前回の1040からわずか1ポイント追加の1041しか獲得できず、ランキングが1つ下がっています。
 前回のランキング発表以降、マレーシアは5月29日にバーレーンと国際親善試合を行い0-2で敗れ、その後はFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選に出場し、アラブ首長国連邦には0-4、ベトナムには1-2と敗れ、タイには1-0で勝利しています。
 マレーシアの154位は153位のアフガニスタンと155位のニューカレドニアの間になります。
 なお東南アジア他国のランキングは、東南アジアから唯一、W杯3次予選に進んだベトナムが前回と同じ92位となった一方で、W杯アジア2次予選でマレーシアに敗れたタイは120位(前回より14ランクダウン、29ポイント減)、フィリピンは128位(同3ランクダウン、4ポイント減)、ミャンマーは145位(同6ランクダウン、24ポイント減)、シンガポールは160位(同1ランクダウン、20ポイント減)、インドネシアは174位(同1ランクダウン、7ポイント減)、カンボジアは179位(同5ランクダウン、14ポイント減)、またラオスは186位(同1ランクダウン)、ブルネイは190位(同1ランクダウン)、東ティモールは195位(同1ランクアップ)でいずれもポイント増減なしとなっています。
 またマレーシア女子代表のFIFAランキングは92位で、東南アジア内ではベトナム(32位)、タイ(39位)、ミャンマー(46位)、フィリピン(68位)に続く5位となっています。
 

ケランタンFCがケランタン州サッカー協会の未払い給料問題解決を支援
 Mリーグ2部プレミアリーグのケランタンFCがケランタン州サッカー協会が抱える未払い給料の解決を支援したことをマレーシア語紙ウトゥサンマレーシアが報じています。
 ケランタンFCを運営するTRW社のシャイルズ・セフィ法務担当部長は「ケランタン州サッカー協会は経営破綻していることから、ケランタンFCが協会の負担を軽減するため支援を申し出た。今年5月21日にマレーシアサッカー協会FAM、ケランタンFC(TRW社)、そしてケランタン州サッカー協会の三者で会談し、マレーシア人選手11名と外国籍選手1名に対する給料未払い問題の解決について話し合った。この合計12名の選手への給料未払いがあることについてはケランタンFCの経営権をケランタン州サッカー協会から680万リンギ(およそ1億7700万円)で購入した際には明らかにされていなかったため、FAMはこの未払い給料問題はケランタン州サッカー協会の責任で解決すべきと採決を下した。」と話す一方で、ケランタンFCは当初は分割による支払いを予定していた経営権購入代金680万リンギを一括で支払うことで、ケランタン州サッカー協会がこの未払い給料問題を速やかに解決できるよう支援したと話しています。

クラスニキはインドスーパーリーグへ期限付き移籍か
 帰化選手でコソボ出身のリリドン・クラスニキは、今季開幕前にMリーグ2部JDT IIに加入したものの、出場機会を求めてオーストラリア1部Aリーグのニューカッスルジェッツに期限付き移籍しています。
 モハマドゥ・スマレ(ガンビア)、ギリェルメ・デ・パウラ(ブラジル)に続く、マレーシア人とは血縁関係がない帰化選手第3号となったクラスニキ選手は今年6月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選に出場した代表チームにも招集されましたが、代表戦では目立った活躍はできませんでした。またニューカッスルジェッツでも先発出場機会はなく、最長でも出場時間45分と十分な出場機会が得られないまま、6月30日までとなっていた期限付き移籍の期限を終えました。
 JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下はこのクラスニキ選手の今後についてタイリーグのクラブへの期限付き移籍について述べたこともありましたが、タイリーグのトランスファーウィンドウ期間が8月17日までとなっている一方で、タイリーグのクラブからは正式なオファーが出されていないことをスポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じていることから、今度はインドスーパーリーグへ期限付き移籍の噂が出ています。
 サッカー専門サイトのヴォケットFCによれば、インドの英字紙タイムズオブインディアのマーカス・マーグルハオ記者がマレーシアから来る選手がアセアン東南アジア外国籍選手枠で獲得されると述べたことがその出どころとなっているようですが、マーカス記者はクラブ名を明かしていないということです。
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 このクラスニキ選手とともにニューカッスルジェッツへ期限付き移籍していたインドネシア出身のシャーリアン・アビマニュは、Aリーグではクラスニキ選手よりも出場機会は少なかったにもかかわらず、先月末に開幕したMリーグ後半戦ではトップチームのJDTの試合に出場しており、クラスニキ選手がMリーグでプレーする可能性は低そうです。

8月11日のニュース:ペラFCがブラジルコンビの退団を公式に発表、今月の代表合宿開催却下でタン監督は10月の合宿と練習試合を熱望

ペラFCがブラジルコンビの退団を公式に発表
 ペラFCはブラジル出身の2選手の退団を公式に発表しています。
 ペラFCのアズマン・ノー ゼネラルマネージャー(GM)は、退団の意思を示したレアンドロ・ドス・サントスとカレッカと今季残り試合の出場についての交渉を行ってきたが、交渉は決裂し、両選手はチームには戻らないことを明らかにしています。
 「当初、クラブは両選手の退団希望の理由が家族のビザが延長されていなかったことだと考えていたので、クラブがこの問題を解決した際には、両選手がチームに戻ると考えていた。しかし、レアンドロ、カレッカ両選手はすでに退団の意思を固めていたようである。現在、両選手は未払いとなっている給料に関する支払い訴訟を継続するかどうかを弁護士と相談中と聞いている。」とマレーシアの通信社ブルナマの取材に答えています。
 ペラFCは両選手に対して3ヶ月分の給料が未払いとなっていることを認めています。
 今月初めに「休養」となったペラFCのチョン・イーファット前監督は、7月26日に両選手が契約解除を申し出て、すでにチームを離れたことを明らかにしたことは、このブログでも取り上げました。
 さらにアズマンGMはトランスファーウィンドウ期間に獲得した新たな外国籍選手がチームに何の貢献していないだけでなく、その振る舞いにも不満を述べています。
 「新外国籍選手の態度には問題があり、中でも特にレバノン出身のDFジャド・ヌールディンとMFサミル・アヤスの両選手は振る舞いには問題がある。当初、この両選手はその力量を評価するために(2部プレミアリーグでプレーするセカンドチームの)ペラFC IIでプレーすることを求めたが、ケガを理由に練習参加を貫いている。またDFズバイロウ・ガルバ(カメルーン)とFWジスラン・ゲッセン(コートジボアール)はパフォーマンスのレベルが低く、ペラFC IIのマレーシア人選手よりも低い。」と自身が獲得に関わらなかった4選手を批判したアズマンGMは、新たに獲得したDFアズハル・アパンディ、DFシャミン・バハルディン、DFアイザット・マイディン・コティの3名のマレーシア人選手も移籍証明書の提出がMFLの登録期間に間に合わなかったことで、今季は出場できなくなったことも明らかにしています。
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 経営陣がクラブをダメにする良い例が、今季のペラFCで起こっている未払い給料に伴う主力選手の大量退団です。クラブ史上初となる2部プレミアリーグ降格は残念ですが、クラブ民営化に伴う痛みを乗り越えて、現場だけでなくフロントにも求められるプロ化に向けて膿を出す良い機会かもしれません。

今月の代表合宿却下でタン監督は10月の合宿と練習試合を熱望
 マレーシア代表のタン・チェンホー監督は来月に希望していた練習試合の開催を諦めたと、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。タン監督はFIFAの国際マッチデー期間の8月30日から9月7日に代表合宿や練習試合の開催を希望していました。
 このブログでも取り上げましたが、マレーシアサッカー協会FAMは新型コロナウィルス対策を行うマレーシア政府の国家安全保障委員会に対して、スポーツバブル形式での練習試合の許可を申請していましたが、その申請が却下されていました。またこれを受けてMリーグを運営するMFLは8月30日から9月7日までの期間にMリーグの試合日程を組み込んだことで、代表合宿や練習試合の開催が不可能になっています。
 これについてタン代表監督は次のFIFAマッチデー期間である10月4日から10月12日までの期間には代表合宿開催と練習試合実施の許可が出ることを望んでいると話しています。
 「マレーシア国内の感染状況は改善していないので、10月のFIFAマッチデー期間には代表合宿と練習試合が国外、国内を問わず許可されることを期待しながら忍耐強く待たなければならない。10月に代表合宿や練習試合が行われる際に選手のパフォーマンスに影響が出ないよう、今後もMリーグが遅延なく開催されることも望んでいる。」とブリタハリアンの取材に答えたタン監督は、今年12月に開催予定されている東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ、そして来年2月に開催が予定されているアジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選の準備となる10月のFIFAマッチデー期間に行う代表合宿と練習試合の重要性を強調しています。
 なお2021年のFIFA国際マッチデーは10月4日から12日と、11月8日から16日が残っています。


8月8日のニュース:JDTがアセアンのeサッカーリーグに参戦、スズキカップの組み合わせ抽選が延期、Mリーグ追放処分時のプルリスFA会長が死去

JDTがアセアンのeサッカーリーグに参戦
 Mリーグ1部スーパーリーグのJDTはクラブの公式Facebookで、東南アジアのトップクラブが対戦するeサッカー大会に参加することを発表しています。
 今回が第1回となるチャンピオンズeサッカー大会は今年9月9日から10月7日にかけて、プロエボリューションサッカーPES(日本名ウィニングイレブン)で争われ、JDTからは代表選手でもあるモハマドゥ・スマレが、2018年東南アジア競技大会通称シーゲームズで準決勝に出場したノーハイカル・ノー氏と組んで出場するということです。
 JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下はeサッカーへの進出に興奮していると同時に、東南アジアのトップクラブとの対戦を楽しみにしていると話しています。
 なおこの大会にはJDTの他、ブリーラム・ユナイテッドFC、チョンブリーFC(以上タイ)、プルシブ・バンドンFC(インドネシア)、タムピネス・ローヴァーズFC(シンガポール)、ユナイテッドシティFC(フィリピン)、ナガワールドFC(カンボジア)とホーチミンシティFC(ベトナム)が出場するということです。(以下はJDTの公式Facebookより)

スズキカップの組み合わせ抽選が延期
 東南アジアサッカー連盟AFFは予定されていたAFF選手権スズキカップ2020年大会の組み合わせ抽選の延期を公式サイトで発表しています。新たな日程は後日発表されるということです。
 組み合わせ抽選はシンガポールで開催される予定でしたが、新型コロナウィルスに対する対策が再び厳格化され、国内の他の重要なイベントも延期になっていることから、AFFもこれに従う形で延期を決めたということです。   
 スズキカップ2020年大会は、新型コロナウィルスの感染拡大により当初の日程が変更となり、現時点では今年12月5日に開幕し、来年2022年1月1日に決勝戦が予定されています。

Mリーグ追放処分時のプルリスFA会長が死去
 2019年にマレーシア半島最北部にあるプルリス州のサッカー協会会長を務めたアフマド・アミザル氏が亡くなったことをマレーシア語紙のハリアンメトロが報じています。
 アフマド・アミザル氏はプルリス州サッカー協会の会長に就任すると、州協会が運営し、当時Mリーグ2部に在籍していたプルリスFAを強化するために複数のマレーシア人と外国籍の有力選手を獲得したものの、リーグ開幕前から選手や監督、コーチらへの給料未払い問題が明らかになり、その解決が見通せないことからクラブは開幕3試合でリーグ追放処分を受けました。なお、プルリスFAが獲得した選手の中には現在、トレンガヌFC IIでプレーする渡邉将基選手も含まれていました。
 この騒動の後、アフマド・アミザル氏はプルリス州サッカー協会会長を在職4ヶ月という短い期間で辞職し、サッカー界からは姿を消し、話題に登ることもありませんでしたが、今回、アフマド・アミザル氏の父親が、息子の訃報をFacebook上で明らかにしました。


7月10日のニュース:Mリーグ1部2部とも7月24日より再開決定、完全ロックダウン施行地域のクラブは本拠地以外でホームゲーム開催へ、今年11月開催予定の東南アジア競技大会が2022年に順延決定、U23アジアカップ予選-マレーシアはタイ・ラオス・モンゴルと同組に

 マレーシアはワクチン接種が進んではいるものの、昨日は国内全体で新規感染者数が9,180名と連日新記録が更新されています。一部の州では完全ロックダウンが解除されてはいますが、クアラルンプールとスランゴール州を含む首都圏では現在も完全ロックダウンが続いています。

Mリーグ1部2部とも7月24日より再開決定
 Mリーグを運営するMFLは公式サイトで5月9日より中断中のMリーグが1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグともに7月24日より再開されることを発表しています。この中断はFIFAワールドカップアジア2次予選に出場するマレーシア代表や、AFCチャンピオンズリーグ予選、そして結局は中止となってしまいましたがAFCカップ予選に出場するMリーグクラブを考慮してのものでした。なお、Mリーグ2部は当初、7月3日に再開の予定でしたが、国内に完全ロックダウンが施行されたことで再開延期が発表されていました。
 また中断前に豪雨により順延されていた2部のスランゴールFC2対サラワク・ユナイテッドFC戦と選手が新型コロナウィルス感染により延期されていたペラFC II対ケランタンFC戦はいずれも7月17日への日程変更に加え、強行日程緩和のため1部では8月13日からの第19節から最終節第22節まで、2部では7月27日からの第14節から最終節第22節までで試合日程が変更になることも発表になっています。
 変更された1部スーパーリーグの日程はこちら、2部プレミアリーグの日程はこちらです。

完全ロックダウン施行地域のクラブは本拠地以外でホームゲーム開催へ
 MFLは完全ロックダウン施行地域に本拠地を持つクラブに対し、新たなホームゲーム開催地を確保するように求めています。
 MFL公式サイトによると、Mリーグの全てのクラブは練習場と宿舎間の移動のみが許される合宿形式で練習を行なっていますが、完全ロックダウン施行地域では練習試合も含めてMリーグの試合を行うことが許可されていないことから、MFLはこの地域に本拠地を持つ1部と2部のクラブに対してホームゲームを開催する「暫定本拠地」の確保を求めていくとしています。
 現在、完全ロックダウンが施行されているのはクアラルンプール、スランゴール州、ヌグリスンビラン州の各州と地域ですが、ここにはクアラルンプールに本拠地を持つKLシティFC(1部)、PDRM FC(2部)、スランゴール州に本拠地を持つスランゴールFC、PJシティFC、UITM FC(以上1部)、スランゴールFC2、MSN-FAMプロジェクト(以上2部)、ヌグリスンビラン州に本拠地を持つヌグリスンビランFC(2部)の8チームがあり、この8チームは7月24日ののMリーグ再開前に完全ロックダウン施行地域外に新たに暫定本拠地を設けることが求められています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは現在、Mリーグクラブが使っていないスタジアムに加えて、あるいはMリーグクラブが既に使用しているスタジアムの共用も許可すると話しており、上記の8チームは開幕までの2週間ほどで試合会場を確保する必要があります。

今年11月開催予定の東南アジア競技大会が2022年に順延決定
 マレーシアの通信社ブルナマは今年2021年11月21日から12月2日まで開催予定だった東南アジア競技大会通称シーゲームズが新型コロナウィルス感染拡大を理由に2022年へ延期されたことを報じています。
 マレーシアオリンピック協会OCMの発表によると、東南アジア競技大会連盟はオンラインで会合を開き、ベトナムのハノイで開催予定だった今年のシーゲームズの2022年への延期を決定したということです。既に2022年にはさまざまな国際競技大会の日程が決まっていることから、これまでマレーシアを含めた大多数の国が延期に反対していましたが、今回やっと延期が決まった格好です。新たな日程に関しては、東南アジア競技大会連盟より後日発表されるということですが、なおベトナムの地元メディアでは来年3月あるいは6月への延期が有力ということです。
 オリンピックの東南アジア版とも言えるシーゲームズでは、サッカーはオリンピックに準じて23歳以下代表同士が対戦しますが、マレーシアはマレーシアサッカー協会FAMが2024年パリオリンピック予選を見越して武者修行のためにU19代表を派遣する予定にしていました。

U23アジアカップ予選-マレーシアはタイ、ラオス、モンゴルと同組に
 アジアサッカー連盟AFC U23アジアカップ(旧U23選手権)2022年大会はウズベキスタンで開催されますが、この大会の予選組み分け抽選が昨日7月9日にウズベキスタンのタシケントで行われ、マレーシアはタイ、ラオス、モンゴルと同じ予選J組となることが決まりました。
 今回の組み分け抽選では参加42チームを西地区23チームと東地区19チームに大別された後、さらに西地区は6組、東地区は5組に分ける形で行われ、東地区のマレーシアは予選J組に入り、タイ、ラオス、モンゴルと同組となっています。また今回の予選は各組とも集中開催方式で行われ、マレーシアが入ったJ組はモンゴルが集中開催地となり、10月27日にラオス、29日にモンゴル、31日にタイとの対戦カードが組まれています。
 なお来年2022年の本戦には、開催国のウズベキスタンと予選各組1位のチームと各組2位の内、成績上位の4チームの計16チームが出場します。
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 マレーシアが入る予選J組が集中開催されるモンゴルですが、ググってみたところ首都のウランバートルで10月下旬の平均気温は最高7度、最低-6度と、この組の東南アジア3チームにとってはそれだけでハンデになりそうな環境です。それでも東アジアの強豪国やオーストラリアとは別組みになった幸運に感謝しつつ、マレーシアは2018年中国大会以来となる2度目の本戦出場を目指します。ちなみに2018年大会ではマレーシアはイラク、サウジアラビア、ヨルダンと同組になりながら、サウジを破り、ヨルダンと引き分けるなどしてベスト16に進出しています。
 (下はU23アジアカップ2022年大会予選組み合わせ-AFCの公式サイトより)


6月10日のニュース:東南アジア競技大会延期案にマレーシアは反対、トレンガヌFCはヴァーチャルチームを発足、JDTのU21チームのシンガポールリーグ参加希望に対し地元は賛否両論

東南アジア競技大会延期案にマレーシアは反対
 マレーシアの通信社ブルナマは今年2021年11月21日に開幕予定の東南アジア競技大会延期案に反対の意を表明したと報じています。
 東南アジア版オリンピックとも言える東南アジア競技大会通称シーゲームズは隔年開催の大会で、第31回大会となる2021年大会はベトナムのハノイを中心に開催されることになっていますが、先日、オンラインで開催された東南アジア競技大会連盟SEAGFの会合席上で、主催者となるベトナムより新型コロナウィルス感染拡大を理由に主催者側から来年2022年5月または7月への延期が提案されたということです。この対案に対してSEAGF所属国のうち、開催国ベトナムともう1カ国が支持を表明した一方で、マレーシアを含めた8カ国が反対を表明、ラオスは意思表明を行わなかったということですが、反対多数により主催者は2週間以内にSEAGF所属各国が了承できる新たな提案を行う必要があるということです。
 反対の理由についてマレーシアオリンピック協会OCMのモハマド・ノルザ・ザカリア会長は、来年2022年には*コモンウェルス競技大会(7月28日から8月8日まで英国バーミンガムで開催)、アジア競技大会(9月10日から25日まで中国杭州市で開催)など大会が続き選手の日程が過密になることを挙げています。
 東南アジア競技大会ではサッカーはオリンピック同様、U23代表チームの大会となっていますが、2024年パリオリンピック出場を目指すマレーシアはU19代表チームを出場させることをマレーシアサッカー協会が明らかにしています。

トレンガヌFCはヴァーチャルチームを発足
 Mリーグ1部のトレンガヌFCがEスポーツにも参戦することをクラブの公式サイトで発表しています。
 トレンガヌFCを運営するTFC社は、同じトレンガヌ州を拠点とするEスポーツマレーシアトレンガヌ社(ESMT)とパートナー契約を結び、仮想空間で「ヴァーチャル」トレンガヌFCを立ち上げるということです。このようなヴァーチャルチームを発足させるのはMリーグのクラブとしては初めてということです。
 TFC社のアブドル・ラシド・ジュソーCEOは、トレンガヌFCがEスポーツに参戦することで、クラブのサポーターなどにもEスポーツを体験する機会が提供できるだけでなく、このヴァーチャルチームを国内だけでなく国外へのトレンガヌFCのマーケティングの手段として活用したいと話しています。
 なおこのヴァーチャルトレンガヌFCの選手は、トレンガヌFCのユニフォームと同じユニフォームを着用して、EAスポーツのFIFAシリーズやプロエヴォリューションサッカーPES(日本語名ウイニングイレブン)などの国際大会にも出場するということです。
 

JDTのU21チームのSリーグ参加希望に対し地元は賛否両論
 Mリーグ1部JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下はJDTのU21チーム、JDT IIIをシンガポール1部のSリーグに参加するための交渉が行われていることを明らかにしました。
 イスマイル殿下はクラブがU21チームに多額の投資を行う一方で、マレーシア国内ではU21チームが出場できる試合が少ないことがその理由で、これに対してシンガポールサッカー協会FASのリム・キアトン会長は、Sリーグへの参加が公式に申請された場合、シンガポール国内サッカーにとって利益になるようであれば、JDT IIIの参戦を検討すると前向きな姿勢を見せています。
 これについてシンガポールの英字紙ストレイトタイムズはこのJDT IIIのSリーグ参加希望に対する様々な意見を取り上げています。
 元シンガポール代表のR・サシクマル氏はイスマイル殿下のサッカーに対する考えには共感するが、JDT IIIがU21のサードチームだとして、シンガポールサッカーにとっては何の利益もないとして、Sリーグ参加には反対だと述べています。さらに2034年のワールドカップ出場を目指しているシンガポール代表を強化するためには、外国のクラブ参加を認める代わりにSリーグに参加する国内クラブの数を現在の7から10に増やすべきだと述べています。
 またやはり元代表のシャーリル・ジャンタン氏はFASに対してSリーグの存在意義を再検討するよう求めています。強い国内リーグが強い代表チームや質の高いシンガポール代表選手を生み出す基盤になるとして、JDT IIIの参加はシンガポール人選手のレベルアップには全く繋がらないと話しています。
 その一方でSリーグ昨季5位のバレスティア・カルサFCの副会長でFASの理事でもあるダーウィン・ジャリル氏は、リーグ内の競争を激しくするようなクラブの参加は認めるべきだとしています。チーム数が増えることは歓迎すべきことで、チーム数が増えれば試合数も増えることから、国内クラブ数が増えることが望ましいものの、当座しのぎとしてはJDT IIIのSリーグ参加は悪いアイディアではないと述べています。
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 昨季2020年シーズンのSリーグ優勝チームはアルビレックス新潟シンガポール、そしてその前年2019年シーズンブルネイのDPMMが優勝といずれも外国のクラブが2連覇を達成しています。また、それ以前にもマレーシアのU22代表が2012年に、またU21代表が2013年から2015年にSリーグに参加(同時にシンガポールU22がMリーグに参加)していたこともあります。ちなみにシンガポールU22代表は2013年にはMリーグ1部スーパーリーグで優勝しています。
 なお現在のSリーグは8チームが所属していますが、アルビレックス新潟シンガポールは先発に必ずシンガポール人選手2名を含めること、またベンチ入りも含めて最低10名のシンガポール人選手を登録することなどが義務付けられています。

6月3日のニュース:U19代表合宿がロックダウンにより中止に、主力選手流出のペラFCに9選手が加入、今年のスズキカップは一箇所での集中開催か

U19代表合宿がロックダウンにより中止に
 今年2021年11月からベトナムのハノイで開催される東南アジア競技大会通称シーゲームズに向けて今月6月に予定されていたU23代表合宿が中止になったと、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 事前に関係各所から合宿開催許可を得ていたU19代表でしたが、新型コロナウィルス感染拡大が止まらないマレーシアでは6月1日から14日まで移動制限を含む完全ロックダウンが実施されたことで、今回の合宿も中止となったようです。
 オリンピックの東南アジア版とも言えるシーゲームズでは、サッカーは各国のU23代表が出場しますが、マレーシアサッカー協会FAMは2024年パリオリンピック予選の準備としてU19代表を派遣する予定にしています。
 現在のロックダウン下では半径10kmを超えての原則として禁じられており、これによりスランゴール州プタリンジャヤにあるFAMの練習施設で開催予定だった合宿に選手が参加できない可能性があることなどが中止の理由とされています。
 オーストラリア出身のブライアン・マロニーU19代表監督は現時点ではチームをいつ招集できるかは不明だと話す一方で、新型コロナウィルスの感染状況やFIFAの国際マッチデーカレンダーなどを考慮しながら、次の合宿の予定を立てるとしています。
 U19代表はアジアサッカー連盟AFC U19選手権2020年大会の予選を勝ち抜き、ウズベキスタンで開催予定だった本戦出場の資格を得ましたが、新型コロナウィルス感染拡大により大会そのものが中止になっています。なお、この2020年大会の中止決定後、AFCはこの大会を2023年よりAFC U20選手権として開催することを発表しています。

主力選手流出のペラFCに9選手が加入
 5月31日の今年2度目のトランスファー期間が終了したMリーグですが、給料未払い問題により主力選手が多数退団した1部スーパーリーグのペラFCは公式Facebook上で新たに9選手が加入したことを発表しています。
 9選手の氏名の公表はMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLへの登録が正式に承認されるのを待って行われるということです。
 ペラFC経営陣の署名で行われたFacebookへの投稿では、主力選手6名の退団に伴うサポーターの憂慮を理解しているとした上で、残留した選手が継続して力を発揮できるよう、バランスの取れたチーム作りをするための補強を行ったとしています。
 給料未払い問題が発覚したペラFCからは帰化選手でマレーシア代表でもあるFWギリェルメ・デ・パウラと同じく代表選手のDFシャールル・サアドがJDTへ、MFJ・パルティバンとMFケニー・パッラジがKLシティFCへ、DFナジルル・ナイム・チェ・ハシムがサバFCと、いずれも同じMリーグ1部のクラブに移籍した他、シンガポール出身のDFシャキル・ハムザは母国シンガポール1部のライオンシティセーラーズFCに移籍しています。
 またマレーシア語紙ウトゥサン・マレーシア電子版は、ペラFCのイシャサム・シャールディン チームマネージャーは退団した主力選手6名に感謝の言葉を述べる一方で、この6選手の退団により1ヶ月あたりおよそ50万リンギ(およそ1330万円)の支出減となり、これは経営危機を乗り越えなければならないクラブにとっては重要なことだというコメントを紹介しています。

今年のスズキカップは一箇所での集中開催か
 アセアン(東南アジア)サッカー連盟AFF選手権スズキカップは東南アジアナンバー1を決める大会です。これまではグループステージから決勝までをホームアンドアウェイ方式で行ってきたこの大会は昨年2020年11月に開催が予定されていたものの新型コロナ感染拡大により中止となり、一旦は今年2021年4月に延期されました。しかし東南アジア各国で感染拡大が止まらなかったことから、再度延期された結果今年の12月5日開幕、来年2022年1月1日決勝となる日程が発表されています。
 これについてマレーシアの通信社ブルナマは、新型コロナの感染状況が各国とも改善されていないことからAFFが今年の大会を一箇所での集中開催に方式を変更する可能性があると報じています。
 AFFのKhiev Sameth会長は従来のホームアンドアウェイ方式で大会を開催するのが本意であるとしながらも、新型コロナの影響を考慮して、いくつかの選択肢を用意しておきたいと話しており、その一つが一箇所での集中開催方式だと言うことです。
 今年8月10日に組み合わせ抽選が予定されているスズキカップですが、開催方式についての発表は7月中に行われると言うことです。

2月12日のニュース:Mリーグクラブは2月15日より練習試合が可能にプロ選手会が未払い給料完済前に完済と発表したマラッカUを非難、そのマラッカ・ユナイテッドが新加入の外国籍選手を発表、スランゴールIIがミャンマーU23の有望株と契約

 本日2月12日は旧正月(中国正月)でマレーシアは国民の祝日です。例年ならばちょうど日本の年末年始のように帰省する人が多い時期ですが、今年は活動制限令MCOにより州境を超えての移動が禁じられており、恒例の帰省ラッシュもない静かな正月になりそうです。

Mリーグクラブは2月15日より練習試合が可能に
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、Mリーグ各クラブに対して、マレーシア政府が設けた標準作業手順SOPを厳守する条件付きながら、2月15日より練習試合を行うことを許可すると発表しています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは国家スポーツ評議会と協力して各クラブの代表者が出席するオンラインでのミーティングを開催し、2月15日から許可されるチーム練習についての説明を行なったとしています。
 これを報じたマレーシアの通信社ブルナマによると、このミーティングではチーム練習再開時に採用される合宿隔離方式と自宅隔離方式についても説明されたということです。なお合宿隔離方式とは選手と監督、コーチら関係者全員が一箇所に合宿して練習を行い、指定された場所でPCR検査を受ける方式で、自宅隔離方式とは選手は自宅から練習に通うことが可能方式です。また自宅隔離方式は、選手や監督、コーチは自宅から練習に参加できる一方で、練習に参加する本人だけでなく同じ家に住む家族全員がPCR検査を受ける必要がある他、自宅隔離機関中は居住者以外の訪問が全面的に禁止される方式で、いずれも新型コロナウィル感染を防ぐ手段として各クラブにいずれかの方式を採用することが求められているということです。

プロ選手会が未払い給料完済前に完済と発表したマラッカUを非難
 口を開く前に支払え。ここ数日このブログでも取り上げているMリーグ1部マラッカ・ユナイテッドの給料未払い問題については、マラッカ・ユナイテッドとクラブを運営するマラッカ州サッカー協会(マラッカ州FA)が未払い給料、諸手当、従業員積立基金EPF、そして所得税の総額91万5000リンギ(およそ2370万円)を完済したことを発表というニュースを紹介しましたが、さらに新たな展開がありました。
 マレーシアプロサッカー選手会PFAMは、マラッカ州FAが完済を発表した時点では、未払い給料が実際に選手の手には渡っていないことを明らかにしています。
 PFAMのイズハム・イスマイルCEOは 「マラッカ・ユナイテッドの発表は非常に無責任なものである。発表が行われた時点では選手は誰1人として未払い給料を受け取っていない。マラッカ・ユナイテッドは未払い給料を支払ってから公表するべきであり、公表してから支払いを行うべきではない。」という投稿をTwitterに行い、PFAMに訴え出たマラッカ・ユナイテッドのトップチームの選手やU21チームの選手たちは誰1人として何も支払われていないことを明らかにしています。
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 これにはさらに続報があり、昨日2月11日にはブルナマがマラッカ・ユナイテッドのモハマド・サイフル・マット・サプリCEOの反論を掲載しています。
 「我々には支払い記録が証拠として残っており、(未払い給料を)支払わずに完済を発表するわけがない。ただし、銀行側の問題で入金が遅れている可能性があるかも知れない。」と述べています。またこのような発言によりマラッカ・ユナイテッドのイメージが損なわれるとして、PFAMが選手の福利を大事にしていることは理解できるが、ソーシャルメディアに投稿する前にクラブに直接、問い合わせをするべきだと逆ギレ気味に反論しています。
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 個人的にはどちらが正しいのか気になるところですが、自信があればすぐに名誉毀損で訴えるところですが、マラッカ・ユナイテッド側はPFAMに対する単なる非難でことを終わらせているところを見ると、どちらが本当のことを言っているかは一目瞭然でしょう。

マラッカ・ユナイテッドが新加入選手を発表
 昨季の選手には給料未払いでも、新戦力は獲得するのかぁ。Mリーグ1部マラッカ・ユナイテッドは3月5日に迫った今季開幕を前に2人の外国籍選手加入を発表しています。加入が発表されたのはブラジル出身のFWアレックス・ドス・サントス・ゴンサウヴェスと、ドイツ出身でフィリピン代表のMFマヌエル・オットの両選手です。オット選手は東南アジア枠での契約となります。
 契約式はマラッカ州首相でもあるマラッカ州サッカー協会(マラッカ州FA)のスライマン・モハマド・アリ会長も出席し、州首相府で行われました。
 アレックス・ゴンサウヴェス選手は30歳で昨季はインドネシア1部リーグのプルシカボ1973でプレーしていました。一方、2010年から代表でプレーする28歳の「マニー」ことオット選手は昨季はフィリピン1部リーグのセレス・ネグロスでプレーし、タイ1部リーグのラーチャブリーでのプレー経験があります。
 またこの契約式では昨季もマラッカ・ユナイテッドでプレーした外国籍選手でハイチ出身のソニー・ノルデと韓国出身のジャン・スックウォンがそれぞれ1年契約で残留することや、JDT入りも噂されていたGKカイルル・ファミ・チェ・マットと2年契約を、DFラズマン・ロスランと単年契約を結んだことなども併せて発表されています。
 なおこの契約式を報じたブルナマは、5人目の外国籍選手となるモンテネグロ出身のFWステファン・ニコリッチが現在、クアラルンプールで検疫期間中であることも報じています。

スランゴールIIがミャンマーU23の有望株と契約
 ルクマンを手放したスランゴールはミャンマー版ルクマンを獲得。Mリーグ2部で同1部スランゴールのセカンドチームであるスランゴール2は、外国籍選手としてミャンマー出身のFWハイン・テット・アウンの獲得をクラブの公式サイトで発表しています。各年代の代表でプレーし、直近では飛び級でU23代表でもプレーしている19歳のハイン選手とは2023年までの契約となっているということです。
 昨季はミャンマー1部リーグのハンタワディ・ユナイテッドでプレーしたハイン選手について、スランゴールのマイケル・ファイテンバイナー テクニカルディレクターTDは、右ウィングが本職のハイン選手はミャンマーの若手有望選手の1人であると話し、スランゴールに加入することで、自身のサッカーキャリアを発展させていく良い機会となるだろうと話しています。
 なお、スランゴール2は今季、既にガーナ出身の20歳FWジョージ・アトラムと19歳DFジョーダン・アイムビラの両選手をガーナ2部のアクラ・ライオンズから期限付き移籍で獲得しており、昨季から残留したシンガポール出身の23歳MFアーミン・マイヤーと合わせてMリーグ2部クラブに認められている外国籍選手枠4名全てが埋まりました。

1月18日のニュース:FIBはクラブライセンス交付をけた3クラブを今後も監視、ケランタンFCオーナー対MリーグCEOの第2ラウンド勃発、マレーシアが出場予定のAFC U19選手権は結局中止に

 ケランタンFCのノリザム・トゥキマン オーナーがマレーシアサッカー協会FAM、マレーシアンフットボールリーグMFLと繰り広げている舌戦が第2ラウンドに入りました。野次馬根性丸出しで取り上げています。

FIBはクラブライセンス交付をけた3クラブを今後も監視
 マレーシアサッカー協会FAMが、条件付きで2021年のクラブライセンスが交付されていた7クラブの内、UKM FCを除いた6クラブにフルクラブライセンスを交付したことは、先日のこのブログでも取り上げましたが、ライセンス交付を担当するFAMのクラブライセンス交付第一審査機関(FIB)のシーク・モハマド・ナシル議長は、Mリーグ1部のマラッカ・ユナイテッド、スリ・パハン、そして2部のサラワク・ユナイテッドの3クラブについて、FIBに提出された宣言書の内容が守られなかった場合には交付されたクラブライセンスの無効も含めた措置を取る可能性があるとし、今後もこの3クラブを監視していくと話しています。
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版によれば、選手の税金と労働者積立金を滞納しているマラッカ・ユナイテッドと未払い給料を抱えるスリ・パハンとサラワク・ユナイテッドは、いずれもこれらを分割で支払うことを関係機関及び選手との間で合意しており、マラッカ・ユナイテッドは1回目の支払い分となる47万6160リンギを、ケランタンFA(ケランタンFCではありません)は4万4327リンギの支払いをそれぞれ終えており、残る未払い給料も予定されている日程に沿って支払われることになっているということです。またサラワク・ユナイテッドは来月2月よりやはり分割で未払い給料の支払いを行うということです。
 この状況についてシーク・モハマド・ナシルFIB議長はこの3クラブがフルライセンス交付に当たっての条件となっている分割払いが行われる状況を監視し続けるとし、この分割払いが予定通り行われない場合や、マレーシア人以外の選手への未払い給料問題が発覚した場合には、クラブライセンスの無効化も含めた処分を行うと話しています。

ケランタンFCオーナー対MリーグCEOの第2ラウンド勃発
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、ケランタンFCのノリザム・トゥキマン オーナーに対して、MFLの方針に反するコメントを公言することは、倫理規定に反する行為であると非難しましたが、ノリザム オーナーはこれに対してさらに反論を行なっているとブリタハリアンが報じています。
 未払い給料問題を抱えるケランタン州サッカー協会(ケランタン州FA)がこの問題を解決しなければ、FAMはケランタンFCの勝点剥奪処分を課すという発言の有無をめぐってFAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長とメディア上で非難の応酬を繰り広げたノリザム オーナーはその流れでMFLへも非難の矛先を向けました。これに対してMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは既に各クラブに対して説明済みの問題を敢えて蒸し返したとして倫理規定に違反するとしてノリザム オーナーを非難し、理由説明書を送付して説明を求めました。
 これで一件落着かと思いきや、ノリザム オーナーは理由説明書を受け取ったことを明らかにした上で、MFLのアブドル・ガニCEOに対して「MFLのCEOであるにも関わらず、ケランタン州FAとケランタンFCは民営化の結果、互いに別の組織となったことを理解していない。Mリーグ参加クラブを所有しているのが誰なのかをもっと正確に把握するべきだ。」と改めて非難しています。
 昨年9月にケランタン州FAからクラブの経営権を買い取ったノリザム オーナーは所有するケランタンFCがMリーグやMFLにマイナスイメージを植え付ける意図は全くはないとした上で、MFLに対して組織の透明性をより高め、Mリーグクラブのオーナーともミーティングを行うなど、プロらしく行動するべきであると提言しています。
 「MFLは経営状況を公開し、信用性、透明性、法令遵守をより高めるべきである。ケランタンFCは現在に至るまでMFLから会計監査の結果や年次総会の日程などの連絡を全く知らされていない。」とも述べているノリザム オーナーは、自身がMFLに求めているのはMリーグの地位や価値を高めるために、企業経営の監督管理を改善するための行為であるとも話しています。

AFC U19選手権は結局中止に
 東南アジアサッカー連盟AFFの公式サイトでは、昨年から延期されていたアジアサッカー連盟AFC U19選手権とU16選手権がいずれも中止となったと報じています。
 インドネシアサッカー協会(PSSI)のモハマド・イリアワン会長が今月1月15日にAFCから中止決定を知らせる内容を公式に書面で受け取ったことを報じている他、その書面にはAFCフットサル選手権とAFCビーチサッカー選手権の中止も書かれていたということです。
 マレーシアも出場予定だったAFC U19選手権は昨年10月にウズベキスタンで開催予定でしたが、新型コロナウィルス感染拡大の影響で今年3月に日程が変更になっていました。また同U16選手権は9月にバーレーンで開催予定でしたが、こちらも今年3月から4月にかけての開催に日程が変更になっていました。またこの両選手権の上位チームが出場する予定だったFIFA U20W杯と同U17W杯は既に中止が決まっていました。
 この中止決定を受け入れたと話すイリアワンPSSI会長は、AFCの決定を尊重するとし、中止によってPSSIはU16代表とU19代表の強化により多くの時間が取れると話しているということです。
 また中止となった選手権は2023年にAFC U20アジアンカップ、AFC U16アジアンカップとしてそれぞれウズベキスタンとバーレーンで開催される予定ということです。
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 U19選手権とU16選手権中止のニュースはAFCの公式サイトでは一切発表されていないのですが、AFFの公式サイトで記事となっていたので、取り上げました。