2月8日のニュース:TMが正式にMFLのスポンサーに-試合のストリーミング配信も実施、マレーシアよりインドネシアで有名なマレーシア人コーチ、Jクラブへお勧めのCB3名

TMが正式にMFLのスポンサーに-試合のストリーミング配信も実施
 マレーシア最大のマルチメディア企業テレコムマレーシア(TM社)は子会社のTMマルチメディア社TMMを通じて、マレーシアフットボールリーグMFLのメインスポンサーとなったことを、MFLの公式サイトが公表しています。
 今回のスポンサー契約期間は3年間で、TM社はマレーシアカップの冠スポンサーとなり、今季2020年シーズンからその名称がTMマレーシアカップとなることも併せて発表されています
 さらにTM社のインターネット接続事業部門Unifi(ユニファイ)のストリーミングチャンネルUnifi TVが、MFL1部スーパーリーグとマレーシアカップは全試合を、またFAカップは一部の試合をストリーム配信することも併せて発表されています。(MFL2部プレミアリーグのストリーム配信はないようです。)
 なお配信を観戦するには、Unifiと契約すればテレビはもちろん、携帯のアプリなどでも感染が可能なようです。またUnifiと契約しなくとも、試合観戦パックを購入することも可能で、価格は以下の通りとなっています。
・1試合観戦パス – 3リンギ(およそ80円)
・1ヶ月観戦パス – 15リンギ
・スーパーリーグ年間パス – 100リンギ
・FAカップ年間パス – 100リンギ
・マレーシアカップ年間パス – 50リンギ
・チームVVIPチームマレーシアパス – 120リンギ
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 最後の「チームVVIPチームマレーシアパス」の内容がどのようになっているのかは記事からはわかりませんが、スタジアムに足を運べば入場料が最低でも15リンギはするので、多くの試合を見たいサポーターにはお得な価格設定だと言えるでしょう。
 ちなみに昨季はNetflixの廉価版ともいえるiFlixがスーパーリーグやマレーシアカップの試合を無料で配信していたのですが、MFLの発表では「独占」放映権という表現も見られたので、今季の配信は行われない可能性が高そうです。
 なお別のメディアの報道では、TM社とのスポンサー契約発表会見に集まった報道陣からスポンサー金額についての質問が出た際、MFLのダト・ハミディン・モハマド・アミン会長はその金額についてMFL1部と2部の各クラブには伝えると話す一方で、メディアに伝える必要はないと公表を拒否したとのことです。以前このブログでも取り上げたTM社とMFLの大型スポンサー契約が頓挫(とんざ)したことから、MFLは少々神経質になっているのかも知れません。(ネット上では3年間で3000万リンギ(およそ8億円)といった噂もみられます。)
 またTM社に加えて、マレーシア第2の銀行グループCIMB社がカップ戦スポンサーに参入する噂も出ていますので、こちらも確定次第、取り上げたいと思います。

マレーシアよりインドネシアで有名なマレーシア人コーチ
 フル代表監督としてアセアンサッカー連盟AFF選手権スズキカップで優勝経験もある元PKNS FC監督のラヤゴパル・クリシュナサミ氏が海外での指導を希望している、という話を取り上げた際、既に海外で指導しているマレーシア人コーチとして紹介したラジャ・イサ・ラジャ・アクラム氏を、サッカー専門サイトヴォケットFCがちょうど取り上げています。
 ラジャ・イサ氏がインドネシアへ来たきっかけは、前回も書いた通り元トレンガヌFCのイルファン・バクティ・アブ・サリム氏がインドネシアのパプア州にあるプルシプラ・ジャヤプラ監督として招聘(しょうへい)された際のアシスタントコーチを務めたことでした。
 ヴォケットFCのインタビューでは、2007年、プルシプラ・ジャヤプラは当時の監督だったブルガリア人のイヴァン・コレフがインドネシア代表監督に就任したことによって監督不在となり、招聘されたラジャ・イサ氏が自分の代わりにイルファン・バクティ氏を推薦し、自分がアシスタントコーチになったと話しています。
 「当時、自分はペルシス・ソロ(中央ジャワにあるクラブ)の監督に就任するつもりだったが、イルファン・バクティ氏に招かれて、共にプルシプラ・ジャヤプラを指導することになった」と話すラジャ・イサ氏ですが、イルファン・バクティ氏がマレーシアのプルリスFAの監督に就任することとなり、その半年後には、プルシプラ・ジャヤプラの監督に就任し、2007年のコパインドネシア(当時、現インドネシアンカップ)では、当時絶頂期だったスリウィジャヤFCにPK戦で敗れるも準優勝を果たします。
 その後は下のインフォグラフィックにもある通り、その後もラジャ・イサ氏は2015年から2016年までUITM FCの監督を務めた以外は、インドネシア1部から3部リーグまでの様々なクラブで指導を続けてきました。(インフォグラジックはヴォケットFCのサイトより)

 そんなラジャ・イサ氏によると、サッカーに対する関心はマレーシアとは比較にならないほど高いようで、例え3部リーグの試合であっても数千人の熱狂的なサポーターが集まるということで、毎試合スタジアムが満員になるクラブが数えるほどしかないマレーシアリーグと比べると、観客動員という点では、インドネシアに軍配が上がるようです。しかしその一方で練習施設や競技場といったインフラの面ではマレーシアに遅れをとっているということです。
 54歳のラジャ・イサ氏は、将来は代表チームの監督を目指したいと話しており、実際に2010年には東ティモール代表の監督就任の話もあったようですが、そのときは残念ながら実現しなかったようです。

Jクラブへお勧めのCB3名
 昨日取り上げた、日本のクラブがマレーシア人センターバックを探している、という記事を掲載したサッカー専門サイトのヴォケットFCが続報として、Jクラブへお勧めのセンターバック3選手を紹介する記事を掲載しています。
 東南アジアの選手にとって日本でプレーすることは競技レベルの高い環境でプレーできることだけでなく、ヨーロッパでプレーする飛び石にもなる、という書き出しで書かれた記事で紹介されているのは以下の3選手です。
1. アダム・ノー・アズリン(JDT、24歳)
 昨年の東南アジア競技大会シーゲームズでは、オーバーエイジ選手としてU22代表にも加わったアダム選手は、代表でも完全なセンターバックというよりも守備的ミッドフィールダーです。フル代表では準レギュラーと言った位置付けですが、JDTでは主力選手として活躍し、AFCチャンピオンズリーグACLで対戦したアウェイの鹿島戦でもフル出場し、日本のサッカーを体験している選手です。
2. シャルル・サアド(ペラTBG、26歳)
 現代表のセンターバックを務めるシャルル選手は、準優勝した2018年のスズキカップでも活躍し、今回のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選全てに出場しています。
3. ハリス・ハイカル(スランゴールFC II、18歳)
 マレーシアサッカー協会FAMが運営するエリート選手アカデミーのAMDを卒業し、スランゴールFCのBチーム、スランゴールFC IIに加入したばかりのハリス選手は、昨年2019年のAFF U18選手権準優勝に貢献しただけでなく、飛び級でU22代表に招集され東南アジア競技大会にも参加するなど最も期待されているディフェンダーで、守備だけでなく積極的な攻撃参加も魅力的な選手です。
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 日本のクラブ(探しているのはJ2のクラブらしいです)が求めるのが即戦力なのか、育成枠扱いなのかにもよりますが、個人的にはハリス選手にチャンスが巡ってくると良いですね。この年代は東南アジアでは良い成績を残している年代なので、高みを目指してほしいです。そしてフル代表になったときに、国内ではなく日本のクラブから招集される、なんてことになるとフル代表も強くなりそうです。

2月2日のニュース:サバFAはインドネシアでのプレシーズン大会に参加、サバFAは新外国籍選手獲得を発表、パハンFAも新外国籍選手らの獲得を発表

サバFAはインドネシアでのプレシーズン大会に参加
 サバFAはFacebook上で2月10日からインドネシアのジャワ島で開催される東ジャワ州州知事杯大会に参加することを発表しています。
 先月には隣国フィリピンでプレシーズンのキャンプやフィリピン1部リーグのスタリオン・ラグナFCと練習試合をこなしたサバFAは、クルニアワン・ドゥイ・ユリアント監督の母国インドネシアで開催される大会への招待を受けたことをサバFAを運営するサバ州サッカー協会SAFAのダト・ピーター・アンソニー会長が明らかにしています。
 この東ジャワ州州知事杯大会は、サバFA以外の7チームは全てインドネシアのクラブで、サバFAはマドゥーラ・ユナイテッド、プルセバヤ・スラバヤ、プルセラ・ラモンガンとともにグループAに入り、アレマFC、プルシク・ケディリ、プルシジャ・ジャカル、バヤンガラFCがグループBに組み込まれています。また、一部報道では、この大会にはスランゴールFCの参加も噂されていますが、その真偽は定かではありません。
 SAFAのアンソニー会長は、クラブは質の高い練習試合を希望する一方で、マレー半島にホームを持つクラブをサバFAのホームであるサバ州に招くのは難しいことから、この大会への参加を決めたこと、またこの大会では勝利もさることながら、2012年以来となるMFL1部復帰前にチーム内の連係を強化することを目的としていると話しています。
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 同じマレーシア国内ながら、サバFAのホームがあるサバ州や、サラワク・ユナイテッド、クチンFAのホームがあるサラワク州(いずれもボルネオ島)と他のMFLクラブのホームがあるマレー半島は結構離れていて、例えばクアラルンプールからサバ州のコタキナバルまでは飛行機で2時間30分以上、サラワク州のクチンまでも飛行機で2時間近くかかります。
 ちなみにマレーシア成立の経緯から、クアラルンプールやペナン、ジョホールバルなどマレー半島でマレーシアに入国した外国人がサバ州あるいはサラワク州へ入る際には、マレー半島を「出国」し、サバ州あるいはサラワク州に「入国」するためパスポートが必要で、逆もまた同様です。

サバFAは新外国籍選手獲得を発表
 またサバFAは同じFacebookページで新外国籍選手との契約を発表しています。サバFAに加入するのは、2018年シーズン以来の復帰となるプエルトリコ出身のピトことFWエクトル・ラモス(29、エルサルバドルのアリアンザFCより加入)とFWデニス・ブシェニング(28、タイのチャイナート・ホーンビルFCより加入)の両選手で、タイとドイツの国籍を持つブシェニング選手はアセアン(東南アジア)出身選手枠での登録となっています。
 なお、サバFAは昨季も在籍した韓国出身のDFパク・テスーとセルビア出身のFWロドリュブ・パウノヴィッチが残留しており、5つ目の外国籍選手枠が空いている状況ですが、SAFAのアンソニー会長は、前述したインドネシアでの大会後に決定したいとしています。


パハンFAも新外国籍選手らの獲得を発表
 昨季プレーした外国籍選手5名のうち、DFエラルド・グロンを除く4選手との契約を更新しなかったパハンFAは、ディクソン・ヌワカエメらとの再契約の噂などが出る一方で、ここまで新外国籍選手との契約発表は皆無でしたが、スポーツ専門サイトのフォックススポーツが、ブラジル人ストライカーと、フィリピンとイギリスの両国籍を持つ守備的ミッドフィールダーの獲得を報じています。
 キプロスのAELリマソールから加入する30歳のFWイヴァン・カルロス・フランサ・コエーリョは、インドネシアリーグのプルセラ・ラモンガンやプルシジャ・ジャカルタなどでもプレー経験がある選手です。
 またイギリス人の父親とフィリピン 人の母親を持つイギリス出身のMFアダム・マイケル・リードは、フィリピン代表でのプレー経験もあり、昨季プレーしたタイ1部リーグのチャイナート・ホーンビルFCより加入し、アセアン(東南アジア)出身選手枠での登録となります。
 また残る2つの外国籍選手枠について、パハンFAのチームマネージャーを務めるダト・モハメド・スフィアン・アワン氏は全くの未定であるとしながらも、フォワードとミッドフィルダーを候補にしているとしています。
 この他、パハンFAは同じMFLのジョホール・ダルル・タジムJDTから左サイドバックのムハンマド・ファズリー・マズラン(26)とストライカーのクマーハン・サタシバン(23)を期限付き移籍で獲得しています。

1月27日のニュース:マレーシア割り当てACLプレイオフ予選枠が2つに、クダFAはエースを欠いてソウルFCと対戦か、スランゴールFCが対戦カード別に設定したチケット価格を導入

マレーシア割り当てACLプレイオフ予選枠が2つに
 明日1月28日にはクダFAとソウルFCがアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACL本選出場をかけたプレイオフで対戦しますが、マレーシアに割り当てられているこのプレイオフ予選出場枠が、現在の1から来季2020/2021シーズンは2となることを、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 記事の中でマレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、最新のAFCクラブコンペティョンランキングでマレーシアが東アジアで9位となったことによることによる出場枠増であること、そしてACLプレイオフ予選枠は1つ増えるもののAFCカップの出場枠数には変更がないことも明らかにしています。
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 ACLプレーオフ予選出場枠増は、マレーシア自体の活動というよりも来季の本選出場クラブ数が現在の32から40へと増えることに伴うものでしょう。但し、その増加枠にプレーオフ予選枠とは言え、1枠増となったのは明るいニュースです。
 ところでこのAFCクラブコンペティションランキングは、かつてはMAランキング(Member Associationランキング)とも呼ばれていましたが、最新となる2019年のランキングでマレーシアはアジアで全体は18位、東南アジアではタイ(8位)、フィリピン(13位)、ベトナム(16位)に続く4番目となっています。なお、2018年のランキングはタイ(8位)、マレーシア(13位)、フィリピン(17位)、ベトナム(21位)の順でした。
 なお、このランキングは、各国のクラブの過去4年間のAFC主催大会での戦績(90%)と各国のFIFAランキング(10%)から算出されるポイントに基づくようなので、近年のフィリピンやベトナムの代表チーム好調さなども反映されているのでしょう。
 ちなみに上で取り上げたクダFAは、ACLプレーオフ二次予選で香港の大埔足球会に勝利したことによって、最新のAFCクラブランキングでは順位が9位上昇して117位となっていますが、これはMFLクラブではACL本選から出場するジョホール・ダルル・タジムJDTの49位に次ぐ成績です。MFLクラブはこの他、フェルダ・ユナイテッドが121位、ペラTBGが124位につけています。(なお順位などのデータはFooty Rankingを参考にさせていただきました。)

クダFAはエースを欠いてソウルFCと対戦か
 先週土曜日1月25日にソウル入りし、明日1月28日にACL本選を賭けてソウルFCと対戦するクダFAのエース、FWクパ・シャーマンがチームに帯同していないとサッカー専門サイトのヴォケットFCが報じています。
 現地での練習でも姿が見られず、クダFAのサポーターの間でシャーマン選手の動向が心配されていましたが、クダFAを運営するクダ州サッカー協会KFA関係の話では、シャーマン選手はビザに関する問題で、またDFカイルル・ヘルミ・ジョハリは税金に関する問題でチームと共に出国できなかったようです。
 シャーマン選手のビザ問題は解決し、既にソウルへ出発したという非公式情報もある一方で、クダFAのアイディル・シャリン監督は、この件について言及を避け、もしシャーマン選手がチームに合流できない場合には他の選手で対応すると話しています。
 なおACLでは同時に出場できる外国籍選手は4名に限られていますが、クダFAの5名の外国籍選手の内、シャキール・ハムザ(シンガポール)は、シンガポール1部リーグのホーム・ユナイテッド在籍時に出場したAFCカップで4試合出場停止処分を受けており、先日の大埔足球会は出場できず、明日のソウルFC戦も出場できません。
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 昨季2019シーズンの得点王の看板を背負って、今季加入したシャーマン選手が明日の試合に出場できないとなると、クダFAには大きな痛手ですが、Kリーグ昨季3位のソウルFC相手にアイディル監督がどんな戦術、どんな選手起用で臨むのかに注目したいと思います。

スランゴールFCが対戦カード別に設定したチケット価格を導入
 スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FASのFacebookでは、今季のMFLの試合でのチケット価格が対戦カードによって2段階になったことを発表しています。
 昨季のMFLで上位のクラブのJDT、パハンFA、クダFA、ペラTBG、トレンガヌFC戦はティア1(第1階層)として、オープンスタンドのチケットが大人20リンギ(およそ540円)、その他のマラッカ・ユナイテッド、PJシティFC、フェルダ・ユナイテッド、サバFA、PDRM FC、UITM FC戦はティア2(第2階層)大人15リンギとなっています。なお、マレーシアカップとFAカップの準々決勝と準決勝の試合もティア1扱いとなり、チケットは20リンギとなります。また12歳以下の子どもはティア1あるいはティア2に関わらず5リンギと昨季より据置となっています。
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 日本とマレーシアとでは、物価の違いや、快適さや利便性を含めて施設面、そしてプレーの質など様々な違いがあるので、一概には比較はできませんが、Jリーグのチケットに比べれば、かなり安い価格設定になっています。しかし、スランゴールFCはオープンスタンドのシーズンパスが109リンギで販売しており、8試合以上観戦なら、シーズンパスの方がさらにお得になっています。
(下は新たなチケット価格を告知するFASのFacebookページ) 

1月23日のニュース:MFLはクアラルンプールFA IIのM3リーグ加盟申請を却下、SAC優勝のバンコク・ユナイテッド監督がタイとマレーシアの違いを語る

MFLはクアラルンプールFA IIのM3リーグ加盟申請を却下
 マレーシアフットボールリーグMFLは、クアラルンプールサッカー協会KLFAから出されていたクアラルンプールFAのBチーム、クアラルンプールFA IIのM3リーグ加盟申請を却下したと、サッカー専門メディアのヴォケットFCが報じています。
 昨年2019年11月にKLFAの会長に就任したカリド・サマド会長は、就任後からクアラルンプールFAのBチームを創設し、MFL3部にあたるM3リーグ参加について言及しており、クアラルンプールFA II自体も既に選手獲得が始まっていたようですが、少なくとも今季のM3リーグ参加は不可能となりました。
 MFLのダト・ガニ・ハサンCEOは、MFL3部にあたるM3リーグに参加するクラブはMFL4部にあたるM4リーグから昇格という形での加盟が認められており、新たなクラブがM3リーグから参加することは、MFLの規定により認められていないとしています。
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 今季2020年シーズンからMFL2部プレミアリーグには、スランゴールFCのBチームであるスランゴールFC IIと、ペラTBGのBチームであるペラTBG IIの2チームが参加しますが、これらはいずれも昨季2019年シーズンにそれぞれPKNS FCとPKNP FCとしてMFL1部スーパーリーグでプレーしていたクラブを吸収合併した作られたチームです。プレミアリーグにはこの他にもジョホール・ダルル・タジムJDT IIとトレンガヌFC IIというBチームがありますが、JDT IIは2014年に、トレンガヌFC IIは2017年にMFLに所属していた既存のクラブ名を変更したものです。

SAC優勝のバンコク・ユナイテッド監督がタイとマレーシアの違いを語る
 先週末に開催された東南アジアの4クラブ対抗戦スランゴールアジアチャレンジでは、バンコク・ユナイテッドFCがホストのスランゴールFCをPK戦で破り優勝しましたが、そのバンコク・ユナイテッドFCのアレシャンドレ・ペルキンク監督は、タイとマレーシアの違いについて、英字紙スター電子版に語っています。
 ベルキンク監督はまず国内リーグの「競争力」について指摘し、現在のようなJDT1強の「ジョホールリーグ」で、JDTに対抗できるクラブがリーグ内に数クラブしかない状況は不健全であると指摘、その上で豊富な資金を毎年投入するJDTに対抗するには、才能のある若い選手に投資し、そういった選手を育ててチーム力を上げていくべきだと提案しています。
 また施設面については、マレーシアではサポーターの数も多く、スタジアムも素晴らしい一方で、ベルキンク監督は、雨が降るとプレーが難しくなるなど近代のサッカーには向いていない「古い」タイプの芝が使われていると話し、ピッチについては改善の余地があるとしています。
 タイリーグは現在、アジアサッカー連盟AFCのクラブコンペティションランキングで東南アジアではトップ(2019年はタイが8位に対してマレーシアは18位)であることから、マレーシア人選手も含めたこの地域の多くの選手がタイリーグでのプレーを望んでいるとする一方で、マレーシアの国内リーグも上記のような点が改善されれば、タイリーグと競争できるとも話しています。
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 先日、このブログでも取り上げた、元クダFA監督で現プルシブ・バンドン(インドネシア)のロバート・アルバーツ監督によるインドネシアとマレーシアのサッカーの違いに続く、隣国との比較記事です。マレーシアで監督経験があり、当地の状況を理解しているアルバーツ監督に比べると、ペルキンク監督のコメントはかなり辛辣ですが、残念ながら反論の余地はありません。
 それでもかつてのマレーシアリーグは、1980年代から90年代にはファンディ・アマドやマレク・アワブ、K・カナン(以上シンガポール)、ピヤポン・ピエオンやキャティサック・セーナームアン(以上タイ)、2000年代にはバンバン・パムンカスやクルニアワン・ドゥイ・ユリアント(以上インドネシア)といずれも自国ではスーパースターの選手たちが集まる東南アジアのトップリーグでした。
 しかし、1993年から1994年にかけては、関係した選手とコーチ合わせて21名が永久追放処分、58名が出場停止、100名を超える選手が警察の捜査対象となった八百長事件が起こり、国内リーグは凋落していきました。しかも2014年にはクアラルンプールFAの5名の選手と3名のスタッフが永久追放処分を受ける別の八百長事件が発覚し、サッカー人気は大打撃を受けました。そうこうしている間に隣国のリーグがマレーシアリーグに取って代わったということでしょう。

1月21日のニュース:スランゴールFCは今季初タイトルを逃す、フェルダUは退場者を出しながらタイトル獲得、M3リーグ改革案が発表される

スランゴールFCは今季初タイトルを逃す
 スランゴール州のシャーアラムスタジアムで開催されていたスランゴールアジアチャレンジSACは、ホストのスランゴールFCとバンコク・ユナイテッド(タイ)がいずれも1勝1分得失差3で並んだ結果、PK戦が行われ、バンコク・ユナイテッドが4−2で勝利し優勝しました。
 スランゴールFCは初戦でプルシブ・バンドン(インドネシア)に3-0、バンコク・ユナイテッドは同じくハノイFC(ベトナム)に3-0と快勝しており、この試合が優勝決定戦でした。なお優勝したバンコク・ユナイテッドは、優勝賞金1万米ドル(およそ110万円)を獲得しています。
 また3位決定戦となったプルシブ・バンドン対ハノイFCの試合は、プルシブ・バンドンが前半2−0とリードしたところで、豪雨のため終了となっています。
(以下はスランゴールFC対バンコク・ユナイテッドの試合のダイジェストです-スランゴール州サッカー協会FASのYouTubeチャンネルより)

フェルダUは退場者を出しながらタイトル獲得
 インドネシアのメダンで開催された大会に出場したフェルダ・ユナイテッドFCは、最終戦で退場者を出しながらも、ボーウング・ケット・アンコールFC(カンボジア)を1-0で破って優勝しています。
 メダンで開催されていたエディ・ラーマヤディカップには、ホストのPSMSメダン、フェルダ・ユナイテッド、ボーウング・ケット・アンコールFC、そして同じMFL(2部)のペナンFAが出場していました。
 フェルダ・ユナイテッドFCは、初戦のPSMSメダン戦でもファイズ・マズランが退場になりながらも、新外国籍選手のニコラス・ヴェレズとアクマル・ハイカルのゴールで2−1と勝利しています。
 最終戦となったボーウング・ケット・アンコールFCでは、主将のジャサズリン・ジャマルディンが60分に退場となる展開となりましたが、その直後の65分にニコラス・ヴェレズが初戦に続きゴールを決め、1-0と逃げ切って優勝しています。
 フェルダ・ユナイテッドFCのニザム・ジャミル監督は、英字紙スター電子版のインタビューに対し、カウンター主体となるチーム戦術は改善の余地があるものの、両試合とも退場者を出し10名となりながらも、チーム全員が見せた勝利への執念を評価したいと述べています。
 フェルダ・ユナイテッドFCは、今季、外国籍選手を総入れ替えしましたが、今大会で2得点を挙げたFWニコラス・ヴェレズの他、加入後の初の対外試合となったDFニコラ・ラスポポヴィッチ(セルビア)のピッチ上でのリーダーシップ、右サイドでのMF恵龍太郎の動きなど、外国籍選手とマレーシア人選手の連携が改善したとする一方で、FWフレデリック・ビュロ(ガボン)にはもう少し時間が必要だろうと話し、開幕までのおよそ1ヶ月でその点を改善したいとも話しています。
 なお3位/4位決定戦に回ったペナンFCは、PSMSメダンとフルタイムで1-1となった後、PK戦5−4で3位を獲得しています。
(写真左はフェルダ・ユナイテッドFC、右はペナンFAのFacebookより)

M3リーグ改革案が発表される
 マレーシアフットボールリーグMFL3部にあたるM3リーグは、昨季は14クラブが参加し、プロとアマが混在するアマチュアフットボールリーグAFLという扱いでしたが、これを段階的にセミプロリーグとする案をAFLのダト・モハマド・ユソフ・マハディ最高責任者(チェアマン)が発表しています。
 マレー語紙ブリタハリアン電子版によると、今季2020年シーズンのM3リーグは6クラブを新たに加え総勢20クラブでスタートし、今季終了後、成績上位クラブの内、クラブ運営において経済上の問題がないことが認められた12クラブは、そのまま来季2021年シーズンもM3リーグ所属となり、これ以外の残り8クラブはMFL4部にあたるM4リーグの今季上位4クラブとともに来季のM4リーグを構成するということです。
 この改革案についてモハマド・ユソフAFLチェアマンは、MFL2部プレミアリーグとMFL3部M3リーグとの間で入れ替え戦があることから、M3リーグのレベルアップに加え、両リーグ間のレベル差が離れ過ぎないようすることが目的であるとし、2021年シーズンからはM3リーグはセミプロリーグ、M4リーグ以下がアマチュアリーグという位置づけになるとしています。
 なお今季のMFL2部プレミアリーグには、昨季のM3リーグチャンピオンのケランタン・ユナイテッドが自動昇格、また昨季2位となった鈴木裕太選手が所属するクチンFAがプレミアリーグ最下位のサラワクFAとの入れ替え戦に勝利して、昇格を勝ち取っています。
 また、モハマド・ユソフAFLチェアマンは、チャレンジカップ(MFL1部と2部のクラブの内、マレーシアカップに出場しないクラブが出場するカップ戦)へM3リーグ所属クラブにも出場枠を設けるようチャレンジカップを主催するMFLへAFLから働きかけていることも明かしています。
 この他、モハマド・ユソフAFLチェアマンはM3リーグ所属のクラブに対し、そのリーグ所属権を他のクラブへ譲渡しないよう警告し、所属権譲渡の最終決定権はAFLにある事を強調しています。
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 興味深いのはモハマド・ユソフAFLチェアマンが最後に述べたリーグ所属権の譲渡についてです。上でも書きましたが、昨季MFL2部プレミアリーグで最下位だったサラワクFAは、クチンFAとの入れ替え戦に敗れてM3リーグ降格となりましたが、その後、サラワクFAは、プレミアリーグのスランゴール・ユナイテッドの経営権を買い取り、サラワク・ユナイテッドとチーム名を変えてプレミアリーグに残留するという荒技を駆使しています。
 MFL役員でもあるモハマド・ユソフAFLチェアマンは元記事の中で、リーグ所属権の譲渡を「健全でない文化」budaya tidak sehatと呼んで、この行為を糾弾していますが、下位リーグ降格危機を金銭で解決したサラワク・ユナイテッドの件が念頭にあるのは明らかです。

観戦記:1月18日ハノイFC対バンコク・ユナイテッドFC-セランゴールアジアチャレンジ@シャーアラムスタジアム

18分にはハノイFCがPKを得るも主将のグエン・バン・クエットのシュートはバーの上を超えていきます。
スタジアム内のスタンド下には、この大会を盛り上げるために、SACに参加するクラブの国の食べ物を売る屋台が出ていました。こちらはインドネシア料理を売る屋台です。
こちらはタイ料理の屋台。グリーンカレーなどが売られています。

1月18日のニュース:かつての同僚がSACで対戦、マレーシアとインドネシアのサッカーの違いをプルシブ・バンドンの監督が語る

かつての同僚がSACで対戦
 本日1月18日から2日間の予定でスランゴール州シャーアラムスタジアムで開催されるスランゴールアジアチャレンジSACは、主催するスランゴールFCと東南アジアの3クラブが参加する大会です。
 参加クラブのうちの一つであるプルシブ・バンドン(インドネシア)の監督は、かつてマレーシアでも複数のクラブで監督の経験があるロバート・アルバーツ氏です。アルバーツ氏は1990年代に監督を務めたクダFAでリーグ優勝とマレーシアカップ優勝を経験している他、2000年代と2010年代にはサラワクFAでも監督を務め2部リーグで優勝、この他、インドネシアやシンガポールでもリーグ優勝経験があり、東南アジアサッカー界のカリスマ監督の一人です。
 またアルバーツ氏は、マレーシアサッカー協会FAMのもとで2005年から2008年までテクニカルダイレクターTDやU19代表の監督を務めた経験もあります。そしてそのTD時代に、同じFAMでU23代表の監督をしていたのが今回の大会のホストであるスランゴールFCを率いるサティアナタン・バスカラン監督です。長年の知り合いであるというこの二人はかつてアーセナルがマレーシアで開催するサッカーアカデミーで一緒に指導していた経験もあります。
 今回のプルシブ・バンドンは、経験の浅い若手選手や新外国籍選手候補など、この大会で契約獲得を目指す選手で構成されており、アルバーツ監督が「サティアナタン監督は戦略家だが、ウチのチームの情報はほとんど持っていないだろう」と軽くジャブを放つと、サティアナタン監督は「未契約選手が多いチームは、(契約獲得のために)コーチに好印象を持ってもらおうと全員が全力でプレーしてくるので厄介だ」と切り返し、大会前の公式記者会見でも火花を散らしています。

マレーシアとインドネシアのサッカーの違いをプルシブ・バンドンの監督が語る
 前述したように、マレーシアとインドネシアで指導経験が豊富なアルバーツ氏は、英字紙スター電子版で両国のサッカー界の違いを述べています。
 マレーシア人自身が「設備や施設は一流国並み、精神構造は三流国並み」という言い方を自虐的にすることがありますが、アルバーツ氏はサッカーにもこれが当てはまると指摘し、マレーシアのサッカー組織は一流だが、文化としてのサッカーは貧弱であるとし、以下のようなコメントを出しています。
 「マレーシアではいつからシーズンが始まるか分かっているので、それに合わせて各クラブはプレシーズンの練習を開始するが、インドネシアではいつ開幕かがわからないことがよくある」
 「プロサッカーでは目標を設定し、そこへ向かって努力するためにはそういったこと(スケジュールの確定)が欠かせないので、マレーシアの方が明らかに進んでいる」
 「組織という点では、インドネシアはマレーシアが現在、到達しているレベルを目指している状況である。しかしそのレベルまで達することができれば、サッカーへの情熱、豊かな才能といったことを考えると、インドネシアは東南アジアのサッカーを席巻できる可能性がある」
 「特にサッカーへの情熱という点では、インドネシアはマレーシアを凌駕している。どんな小さな街にでもスタジアムがあり、大半のスタジアムに多くのファンが常に詰め掛け、贔屓(ひいき)のクラブに対して情熱的なサポーターが多い。また、国内リーグという点では、インドネシアでは既にピラミッドが出来上がっており、多くのクラブがトップを目指して激しく競争している」
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 アルバーツ氏が述べているように、国内のクラブ同士の競争の熾烈さ、サポーターの熱狂度合いでは、インドネシアは既にマレーシアを上回っているように感じます。またインドネシアは人口が2億7000万人を超える一方で、マレーシアの人口は3300万人弱、他のアジアの国々と比べても、国の規模そのものが違っており、タレント持った選手が育つ確率が同じだとすれば、東南アジアどころかアジアのサッカー強国になる可能性するあります。


 
 

1月17日のニュース:フル代表の中東遠征は予定通り実施、マット・ヨーがタイ1部リーグのクラブに正式加入、ケランタンFAとケランタンUが今季のクラブライセンス取得

フル代表の中東遠征は予定通り実施
 フル代表は3月にFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選のアラブ首長国連邦UAE戦を控えていますが、アメリカとイランの対立により中東情勢が緊迫したことによりその実施があやぶまれていました。これについてFAMのダト・ハミディン・・モハマド・アミン会長は、マレーシア内務省やアジアサッカー連盟AFC、またUAEサッカー協会によって安全が保障されたことにより、フル代表の遠征は予定通り実施すると英字紙スター電子版に語っています。
 フル代表はUAE遠征前にバーレーン代表とブキジャリル国立競技場で国際親善試合を行ったのち、3月26日に予定されているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選でアラブ首長国連邦UAEと対戦する予定になっています。
 なおUAE戦後のフル代表は、3月31日にホームでのベトナム戦、6月9日のアウェイでのタイ戦という日程が残っています。なお、6月のタイ戦の前にはクウェート代表との国際親善試合も予定されています。

マット・ヨーがタイ1部リーグのクラブに正式加入
 フル代表でもプレーする33歳のベテランFWノーシャルル・イドラ・タラハの正式加入が新たな所属先となるBGパトゥム・ユナイテッドFCのFacebookで発表されています。既にタイ入りし、健康診断を残すだけという話はこのブログでも一昨日、取り上げましたが、ついに入団が正式に決まったようです。
 昨季タイ2部リーグで優勝し、今季は1部に昇格するBGパトゥム・ユナイテッドFCには、大分から期限付き移籍を終えてタイリーグに復帰するMFティティパン・プアンチャンもおり、ティティパン選手からのパスを受けてノーシャルル選手がゴール!といった場面も見られるかも知れません。
(写真はBGパトゥム・ユナイテッドFCのFacebookより)

ケランタンFAとケランタンUが今季のクラブライセンス取得
 MFL2部のケランタンFAとケランタン・ユナイテッドFCがマレーシアフットボールリーグMFL参加に必要なクラブライセンスを取得したことをマレーシアの通信社ベルナマが報じています。
 ケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会のフシン・デラマン事務局長によると、マレーシアサッカー協会FAMとアジアサッカー協会AFCが規定したライセンス取得のための6条件の内の5つを満たしていることから、ケランタンFAに条件付きではあるもののライセンスが発行されたとのことです。
 また昨季はMFL3部にあたるM3リーグで優勝し、今季からMFL2部でプレーするケランタン・ユナイテッドFCのワン・モハマド・ズル・イクマン事務局長は、ライセンス取得により新たな選手との契約が可能となったことから、戦力を強化してリーグ戦に臨みたいとベルナマに語っています。
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 クラブライセンスを獲得したとはいえ、ケランタンFAはFAMから最後通帳を受けた3クラブの1つです。クラブライセンス取得条件の残る1つの条件は財政面ということで、給料未払い問題と関連している可能性もあります。2018年シーズン終了後、自動昇格となる条件を満たさないまま3部からMFL2部に参加したものの、リーグ開幕後に出場停止処分を受けたプルリスFAのようなことにならないよう、FAMとMFLには厳格な審査をお願いしたいです。

1月15日のニュース:代表FWがタイ1部リーグのクラブへ移籍、MFLから未払い給料問題を抱える3クラブに対して最後通牒が出される、クダFAはカンボジア遠征を勝利で終える

代表FWがタイ2部リーグのクラブへ移籍
 昨年2019年のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選でもプレーしたフル代表のFWノーシャルル・イドラ・タラハが、隣国タイの2部リーグで昨季優勝し、今季は1部に昇格するBGパトゥム・ユナイテッドFCへ加入すると英字紙ニューストレイトタイムズで報じられています。
 マット・ヨーの愛称でも知られるノーシャルル選手は、昨季はマレーシアフットボールリーグ1部で2位となったパハンFAに在籍していましたが、シーズン終了後に契約満了が伝えられていたものの、移籍先が決まっていませんでした。今年の6月に34歳となるノーシャルル選手は健康診断を経て、問題がなければ今週中には契約となるようです。なお契約期間は1年となっています。
 ノーシャルル選手が加入するBGパトゥム・ユナイテッドFCとともに今季タイ1部リーグに昇格するポリス・テロFCには前JDTでU22代表の主将も務めたドミニク・タンもいますので、今季のタイ1部リーグではマレーシア人選手が二人もプレーすることになります。
 タイ1部リーグは2月15日に開幕しますが、ノーシャルル選手が所属予定のBGパトゥム・ユナイテッドFCは昨季5位のムアントン・ユナイテッドFCと、タン選手が所属するポリス・テロFCは、昨季2位となったものの2017年、2018年とリーグ2連覇を果たしている強豪ブリーラム・ユナイテッドFCと対戦します。

MFLから未払い給料問題を抱える3クラブに対して最後通牒が出される
  サッカー専門サイトヴォケットFCによると、本日1月15日に開催された今季のMFL開幕イベント後のメディアとの会見の席で、MFLのスチュアート・ラマリンガム事務局長はMFLの3クラブが最後通牒を出されており、期限までに未払い給料問題の解決方法が明示されない場合、今季のMFL出場停止処分もありうるとしています。ラマリンガム事務局長は具体的に以下の日程を挙げています。

1月30日
 この日までに未払い給料の完済、あるいは選手との間で未払い給料支払い方法についての合意が得られない場合、勝点3を剥奪する。
2月28日
 この日までに未払い給料の完済あるいは選手との間で合意した支払い方法が守られない場合、勝点6を剥奪する。
3月30日
 この日までに未払い給料の完済あるいは選手との間で合意した支払い方法が守られない場合、今季のリーグ戦およびカップ戦全てに出場停止処分を科す。
 
 また、リーグ出場停止処分を科されたクラブは、未払い給料を完済するまでリーグへの復帰は認められず、また復帰が認められた場合も下部リーグからの出場となるとしています。
 なお、ラマリンガム事務局長は最後通牒を出されたクラブ名をこの日は公表せず、まずは該当クラブに通告し、その後、FAMから公式に発表するとしています。

クダFAはカンボジア遠征を勝利で終える
 カンボジア遠征中のクダFAは、出場したスマートRSNカップ最終戦で地元のプノンペン・クラウンFCを2−1で破りで優勝したと、公式Facebookで伝えています。
 1月21日にアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLの予選プレーオフ、和富大埔(Tai Po FC – 香港)戦を控え、他のMFLクラブに比べると早めの始動となったクダFAですが、この日の決勝戦は新戦力のチェチェ・キプレ(トレンガヌFCより加入)とハディン・アズマン(フェルダ・ユナイテッドFCより加入)がゴールスなど、大型補強の効果が出ているようです。
 13日間で5試合の強行軍でしたが、カンボジアのクラブとは4勝1敗、その間に行ったトレーニングにも満足しているというアイディル・シャリン監督は、試合の結果以上にACL予選プレーオフに向けて勢いがついたと語っています。
(優勝を祝うクダFA。写真はクダFAのFacebookより)

1月14日のニュース:前PKNS FC監督は国外のクラブでの指導を視野に、カンボジアリーグ王者がマレーシアでのプレシーズンマッチツアーを終了

前PKNS FC監督は国外のクラブでの指導を視野に
 スランゴールFA(現スランゴールFC)に吸収合併され、スランゴールFCのBチームとなったPKNS FC前監督のラヤゴパル・クリシュナサミ氏は、マレーシア国外での監督に興味を持っているとマレー語氏シナルハリアン電子版が伝えています。
 現役時代にもプレーしたPKNS FCの他、ケランタンFA、スランゴールFA、サラワクFAでも監督経験のあるラヤゴパル氏は、昨年2019年10月に開幕したインドスーパーリーグISLで、12試合を経過した時点で8位に低迷するチェンナイインFCの監督就任が噂されていました。しかしジョン・グレゴリー監督が解任され空席となった監督のポストにはオーウェン・コイル氏が就任したことから、この話は立ち消えになってしまいました。
 ラヤゴパル氏自身はシナルハリアンの取材に対し、現在も東南アジアのクラブでの監督就任を希望している一方で、新たなシーズンに向けて多くのクラブで監督がすでに決まっていることを認めています。
 ラヤゴパル監督は、フル代表の監督として2010年の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップで優勝している他、その前年2009年にはU22代表監督として東南アジア競技大会通称シーゲームズでも金メダルを獲得するなど現役監督しての実績はトップクラスです。フル代表監督を退いた2014年にはベトナム代表監督候補という報道もでるなど、その評価は国外でも高いようなので、近いうちにどこかの国のクラブの監督に就任する可能性は大有りです。
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 国外で監督を務めたマレーシア人指導者としては、前トレンガヌFC監督のイルファン・バクティ(2007年にインドネシア1部リーグのプルシプラ・ジャヤプラで監督)やそのイルファン氏のコーチングスタッフとしてインドネシアに渡り、イルファン氏が帰国後もインドネシアに残り、現在はマレーシアよりもインドネシアで名前が知られているラジャ・イサ氏(現インドネシア2部リーグのPSPSリアウ監督)がいます。

カンボジアリーグ王者がマレーシアでのプレシーズンマッチツアーを終了
 マレーシアに遠征していた昨季2019年カンボジアリーグ王者のプレア・カン・リーチ・スヴァイ・リエンFC(PKRSR FC)が3試合のプレシーズンマッチを終えたとスポーツ専門サイトのフォックススポーツが伝えています。
 PKRSR FCはスランゴールFC、フェルダ・ユナイテッド、そして昨日のトレンガヌFCとMFL1部の3クラブと対戦し、それぞれ4−0、2-1、4-3と3戦全勝でツアーを終えています。
 このPKRSR FCは、昨季のカンボジアリーグでは20勝5分1敗(しかも1敗はリーグ最終戦)と国内リーグではダントツの強さを誇り、アイルランド出身のコナー・ネストー監督がアイルランドサッカー協会の育成コーチや国内リーグのリムリックFCのU19監督などを歴任後、カンボジアでの監督就任2年目で優勝チームを作り上げています。
 なお、PKRSR FCは1月22日と29日に行われるアジアサッカー連盟AFCカップの予選ラウンドではラオスのマスター7FCと対戦し、この試合に勝つとAFCカップ本選に出場します。

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 昨日のトレンガヌFCとの試合は、私も後半だけ観戦しました。主将のリー・タックらが出場していなかったせいもあるかも知れませんが、私が観戦した時間帯はほぼトレンガヌFCのハーフ内で試合が行われている印象で、トレンガヌFCは前線にボールが渡ることがあっても結局シュートまで結びつかず、私が観戦する前までにどうやって3点も取ったのだろうという印象でした。