2月4日のニュース:クラスニキがマレーシア国籍取得、FAMはプルリス州のクラブに州FAとは関わらないよう警告、AFCが本日緊急総会-コロナウィルスによりACL日程に変更も

クラスニキがマレーシア国籍取得
 今季ジョホール・ダルル・タジムJDTに加入したコソボ出身MFリリドン・クラスニキがマレーシア国籍を取得したことが、マレーシアサッカー協会FAMのホームページにて告知されています。
 クラスニキ選手は、昨季2019年はマラッカ・ユナイテッド(ただしケガのため試合出場はリーグ戦5試合のみ)、その前の4シーズンはクダFAでプレーし、国際サッカー連盟FIFAが規定する帰化選手申請の条件を満たしていました。
 FAMもクラスニキ選手の帰化の意思を確認した上で、同様の条件を満たしているブラジル出身のギリェルメ・デ・パウラ(ペラTBG)とともに、2人の帰化申請を後押しする意向を示していましたが、そのクラスニキ選手は1月1日付でマレーシア帰化申請が認められ、晴れてマレーシア人となりました。
 ただし、残念ながら即、フル代表入りとはいかないようで、FAMはFIFAに対してクラスニキ選手の国籍取得に関する書類等を送付後、審査を経る必要があるようですので、3月に迫ったFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選に間に合うかどうは微妙です。
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 クラスニキ選手は、MFLでは今後はマレーシア人選手登録となるため、JDTは既にいる5人の外国籍選手に加えてクラスニキ選手も同時にフィールド上に入ることが可能です。クラスニキ選手国籍取得のニュースは、マレーシア代表にとっては朗報ですが、JDTのライバルとなるマレーシアフットボールリーグMFLの他クラブにとっては悲報かもしれません。
(右はマレーシア の身分証明書MyKadを得たクラスニキ選手とFAMのりマリンガム事務局長-写真はFAMのホームページより)

FAMはプルリス州のクラブに州FAとは関わらないよう警告
 国際サッカー連盟FIFAは、給料未払い問題を解決しないプルリス州サッカー協会PFAに対し、昨年2019年よりサッカーに関するあらゆる活動の禁止処分を科しています。これに伴いマレーシアサッカー協会FAMは、今季2020年シーズンのMFL3部M3リーグに参加するPFA傘下の3クラブに対し、PFA自体とは無関係でいること、またフロントには元あるいは現PFA関係者を含めないよう警告していると、マレー語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、「プルリス」あるいは「(PFAが運営していたクラブチームの愛称)ノーザンライオンズ」をクラブ名に採用しているクラブにPFAの影響が見受けられる場合には、FIFAの査察が入る可能性や新たな処分が下される可能性があることから、FAMとしても監視を行う意向があることを明らかにしています。
 今季のM3リーグにはプルリス・ユナイテッドFC、クアラプルリスFC、MAHSAノーザンライオンズFCの3クラブが参加しますが、今回の警告は、これらのクラブが対象です。なお、プルリス・ユナイテッドFCについては、PFA関係者がフロントにいることが発覚したことから、先日日程が発表になった今季のFAカップへの出場が認められませんでした
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 PFAに対するFIFAの処分の解除は未払い給料完済が条件となっていますが、プルリスノーザンライオンズFC(当時MFL2部所属)、ノーザンライオンズII(同MFL3部)、プレジデントカップチーム(U21)、ユースカップチーム(U19)、フットサルチーム(男女)に対して300万リンギ(およそ7900万円)を超える未払い給料があるとされており、現時点ではMFLへの参加も認められていないため、スポンサー獲得もできない状態が続いており、未払い給料問題解決の目処は立っていません。

AFCが本日緊急総会-コロナウィルスによりACL日程に変更も
 マレーシアの通信社ベルナマによると、アジアサッカー連盟AFCは明日、本日2月4日にクアラルンプールにあるAFC本部で緊急会合を開催し、中国湖北省武漢市でのコロナウィルス感染拡大による影響を受け、今季のAFCチャンピオンズリーグACL東地区の日程変更を話し合う予定のようです。
 東地区のグループEには北京国安、グループFには上海申花、グループGには広州恒大、グループHには上海上港と、4つのグループ全てに中国のクラブが含まれており、各グループの初戦は2月11日と12日に予定されていますが、オーストラリア政府が外国人の中国からの入国を一時的に禁じているため、オーストラリアサッカー協会は、2月11日に予定されているパース・グローリー対上海申花、2月12日のシドニーFC対上海上港の2試合の延期を求めています。
 多くの国が中国からの入国を一時的に制限している他、中国への渡航を制限或は禁止している国もあり、いずれにしても当初の予定どおりの日程では開催されそうにありません。

1月30日のニュース:今季M3リーグでプレーする20クラブが決定、FAカップの予選組み合わせ決定、ACLプレーオフで退場処分を受けたクダFAのDFが謝罪

今季M3リーグでプレーする20クラブが決定
 今季2020年シーズンのマレーシアフットボールリーグMFL3部にあたるM3リーグに出場する20クラブが決定し、各クラブが参加を確定したことを、M3リーグ以下のリーグを統括するアマチュアフットボールリーグAFLがツイッターで発表しています。
 1月21日のこのブログでも取り上げましたが、今季はM3リーグ改革元年として昨季までの14クラブから20クラブへと参加クラブ数を増やし、今季の結果と各クラブの経営状況をもとに、来季から完全にセミプロリーグ化されるM3リーグに参加することができる12クラブを絞り込みます。またそれ以外のクラブは完全アマチュアリーグとなるM4リーグへ回ることになります。
 今回発表になった20クラブの中には、MFL1部のマラッカ・ユナイテッドのBリームであるマラッカ・ユナイテッドFC、MFL2部のクアラルンプールFAのBチームクアラルンプールローヴァーズ、同じくサラワク・ユナイテッドのBチームで昨季のMFL2部最下位で入れ替え戦に敗れて降格したサラワクFA、2012年にはMFL2部で優勝し、翌2013年から2015年まではMFL1部に所属していたATM FC(Armed Forces FC-マレーシア国軍のクラブ)などの名前が見えます。
(以下はアマチュアフットボールリーグAFLのFacebookにアップされた20クラブの名称とロゴです。)

FAカップの予選組み合わせ決定
 マレーシアサッカー最大のカップ戦であるFAカップへの出場権を賭けた予選組み合わせが、マレーシアフットボールリーグMFLのホームページで発表になっています。
 昨日1月29日にMFL本部で行われた組み合わせ抽選は、MFL3部にあたるM3リーグと同4部にあたるM4リーグに所属する40クラブが対象に行われ、32クラブが出場する予選16試合のカードが決定しました。また残りの8クラブ、スタロバFC、KSRサイエンス、クアタグFC、トゥンラザクFC、タイスランゴールFC、キッカーズFC、イミグレーション(入国管理局)FC、ノーファルファンFCは予選不戦勝扱いで本選1回戦から登場します。なお、この予選16試合は2月13日と14日に行われます。
 M3リーグとM4リーグを統括するアマチュアフットボールリーグAFLのダト・ウィラ・ユソフチェアマンは、M3とM4リーグからは過去最高の40クラブが出場となる今季のFAカップでは、AFLのクラブにMFL1部や2部を相手の「ジャイアントキリング」を期待する他に、国内サッカーのレベルアップ、特に来季のM3リーグのセミプロ化に向けての準備の一環としての参加を求めています。
 また当初、参加が予定されていたのは42クラブでその内、マレー半島最北部プルリス州から参加するプルリス・ユナイテッドFCと、同じく最南端のジョホール州から参加するジョホールFAの両クラブについて予選出場が認められなかったことも併せて発表されています。ペルリス・ユナイテッドFCは、昨季の給料未払い問題により国際サッカー連盟FIFAから活動停止処分を受けているプルリス州サッカー協会PFA傘下のクラブであり、クラブ運営がPFA関係者によって行われていることが理由です。またジョホールバルFAも未払い給料の完済が終わっていないことからFAMからAFLに出場を認めないよう指示が出ているとのことです。なお、この2クラブはM3リーグ参加も発表されていますが、リーグ戦への出場については何も述べられていません。
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 今季のFAカップ予選にはM3とM4リーグ合わせて40クラブが参加しますが、AFLとMFLは来季のM3とM4リーグはそれぞれ12クラブで構成することを発表しているため、参加各クラブにとっては来季以降、どのレベルでプレーするのかを決める資料となる重要な大会です。
 なお昨季は、M3リーグで優勝したケランタン・ユナイテッドFCとM4リーグのジャラントゥットFCが3回戦まで進出したの最高成績でした。
(左は予選参加対象となったM3とM4リーグの40クラブ、右は予選16試合のカードです-いずれもAFLのツイッターより)

ACLプレーオフで退場処分を受けたクダFAのDFが謝罪
 1月28日のAFCチャンピオンズリーグプレーオフでクダFAは1−4とFCソウルに敗れましたが、多くのサポーターは実力差通りの結果であったことを理解する一方で、レナン・アウヴェスが愚行により36分に退場となっていなければ、その後の展開は変わっていた可能性があると思っているサポーターもいるようです。
 結果が変わっていたかどうかはわかりませんが、アウヴェス選手の退場がこの試合の転換点だったことは明らかで、それまでFCソウルの猛攻を耐え凌いでいたDFがこの退場で10人となった後に4失点を喫することになります。
 ブラジル出身のアウヴェス選手は、チームメートやコーチ、監督、フロントやサポーターに対して謝罪の意を表明しているとスポーツ専門サイトのフォックススポーツが報じています。アウヴェス選手は、あのプレーが意図的ではなかったこと、そして退場によってチームを不利な立場にしてしまったことで皆を失望させたことを詫びるとともに、この敗戦を無駄にせずにより強いチームを作っていく決意を述べています。

1月29日のニュース:ACLプレーオフでクダFAはFCソウルに敗れる、スランゴールFCの賠償金に減額の可能性

ACLプレーオフでクダFAはFCソウルに敗れる
 昨日1月29日に行われたアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLプレーオフで、クダFAはFCソウルに1−4で敗れ、ACL本選出場を逃しています。
 試合は、昨季の正GKイフワット・アクマルに代わり、PDRM FCから加入のGKシャーリル・サアリを先発させたアイディル・シャリン監督の起用がみごとに当たり、シャーリル選手が好セーブを連発し、試合開始直後から続くFCソウルの猛攻を防ぎ、試合は0-0のまま進みます。
 この試合の決定的な瞬間は36分でした。FCソウルのCKでゴール前に上がったボールをクダFAのDFレノン・アウヴェスがハンドし、アウヴェス選手にはイエローカードが出され、FCソウルがPKを獲得しました。しかし、問題はここからでした。執拗に抗議を続けるアウヴェス選手は、オマーンのオマル・アル・ヤコウビ主審は2枚目のイエローカード、そしてレッドカードを出し、アウヴェス選手は退場処分となりました。
 抗議中、アウヴェス選手は相手選手に押されたことを主張していたようですが、映像を見る限りでは激しい接触もなく、サッカー素人から見ても何をやってんだ!というプレーでした。FCソウルは獲得したPKをパク・チュヨンが決めて、1−0のスコアで前半が終了しました。
 それまでもFCソウルにはゴール前へのクロスボールを簡単に上げさせ、ゴール前でもフリーでヘディングシュートを打たせる場面が多かったクダFAは、数的に不利になるとさらにDF陣の綻びが目立ち始め、49分にはパク・ドンジンのヘディングシュートが決まり、FCソウルは2-0とリードを広げました。しかしその後の52分にはクダFAの主将バドロル・バクティアルのFKをFCソウルのオスマル・イバニェス・バルバがオウンゴールし、クダFAが1-2と1点差に詰め寄りました。
 しかしオウンゴールしてしまったバルバ選手は、63分にクダFAのペナルティエリアの外から素晴らしいFKを決め、FCソウルは再び3-1とリードを広げ、さらに90分にはイクロムジョン・アリバエフがこれまたカーブのかかった美しいシュートを決めて4−1となり、試合はこのまま終了しました。
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 プレーオフとは言えACLデビューとなったクダFAは、終始FCソウルに押される展開でした。それでも何とか持ち堪えていたクダFAにとっては、返す返すも残念なのはアウヴェス選手の退場でした。また、マレーシア出国が遅れ、この試合への出場が心配されたクパ・シャーマンも先発メンバーに名前を連ねましたが、試合の映像を見る限りでは目立った場面はありませんでした。
(映像はAFCによる試合のハイライト、写真はクダFAのFacebookより)

スランゴールFCの賠償金に減額の可能性
 このブログでも取り上げたスランゴールFCの中国広東省での大会出場辞退とそれに伴う賠償金問題が新たな展開です。
 マレー語紙ブリタハリアン電子版によると、大会直前の事態によりスランゴールFCは大会主催者より30万リンギ(およそ800万円)の賠償金を請求されていた梅州客家カップが結局、新型コロナウイルス感染の拡大を理由に開催中止となったことで、賠償請求額が減額される可能性が出てきたようです。
 スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FASのジョハン・カマル・ハミディン事務局長は、請求されている賠償金の減額について交渉中であることを明かしています。大会中止となったものの、主催者は賠償金を請求しているということですが、その金額は当初の金額から減額され、半額になる可能性もあるとジョハン事務局長はブリタハリアンとのインタビューで答えています。
 ただし、この賠償金請求に当初の予算が変更になったことから、中国での大会に代わる海外遠征は行わず、今後は国内でプレシーズンの練習や試合を行なっていく予定であることも明かしています。

1月28日のニュース:PJシティFCは今季初タイトルを逃す、KLFAはBチーム設立をあきらめず、マラッカUもBチーム設立を検討、クダFAのエースはチームに合流予定

PJシティFCは今季初タイトルを逃す
 ユネスコの世界遺産として知られるアンコールワットに程近いカンボジアのシエムリアップで開催された大会に出場したPJシティFCは、最終戦でインドネシア 1部リーグのバヤンガラFCと対戦し、1−2と破れ惜しくも今季初タイトルを逃しています。
 最終戦で対戦した両クラブに加え、カンボジア1部リーグのアンコール・タイガーFCとヴィサカFCの4クラブが出場するプレシーズントーナメントとして開催されたシエムリアップスーパーアジアカップでは、PJシティーFCがアンコール・タイガーFCを、バヤンガラFCもヴィサカFCをいずれも1−0で破り、両試合の勝者が優勝をかけて最終戦で対戦しました。
 昨年2019年に完成したばかりのシエムリアップ・ユナイテッド(SRU)スタジアムで開催された最終戦は、PJシティFCのコンゴ共和国出身の新外国籍選手FWフェレボリ・ドレが45分にゴールを決めて先制しましたが、バヤンガラFCもイ・プトゥ・グデ・ジュニ・アンタラ(52分)と新加入のエゼシエル・エンドゥアセル(55分)がそれぞれゴールを決めています。
 なお、3位決定戦はフルタイム1-1の後、PK戦の末、アンコール・タイガーFCがヴィサカFCを5-4で破っています。
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 現地のメディアであるクメールタイムズ電子版によれば、この大会は地元の新設クラブであるシエムレアップ・ユナイテッドと、サッカー関連のイベント企画会社のボラブロズ社とスポーツ衣料メーカーのカキジャージ社の2つのマレーシア企業とが企画した大会のようです。ボラブロズ社はカンボジア国外からのクラブの招致を担当し、カキジャージ社はシエムレアップ・ユナイテッドへユニフォームなど衣料品を提供する一方でカンボジア国内での宣伝効果、シエムレアップ・ユナイテッドは、新設のSRUスタジアムのプロモーション、そして各クラブのプレシーズンマッチという目的で開催されたようです。なお、SRUスタジアムはアンコール・タイガーFC画今季から使用することになっています。
(以下は最終戦のPJシティFC対バヤンガラFCの試合の様子です。)

KLFAはBチーム設立をあきらめず
 先日もこのブログで取り上げ通り、クアラルンプールFAを運営するクアラルンプールサッカー協会KLFAはMFL3部にあたるM3リーグにクアラルンプールFAのBチーム設立を申請するも、MFLによってその申請が却下されましたが、KLFAは当初の予定通りBチーム設立を進めていく方針を明らかにしていることを、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 KLFAのノクマン・ムスタファ事務局長は、当初の予定から変更せざるを得ないものの、Bチーム設立はKLFAの長期計画の一環であり、Aチーム強化のためには必須であるとしています。その上で、KLローヴァーズ*にKLFAに所属する若手とAチームでプレーしないMFL経験のある選手を集約して、今季2020年シーズンのM3リーグで出場機会を作りたいと話しています。また、KLFAは今季のMFL2部優勝と来季のMFL1昇格を目標としており、そのためにもBチーム設立は欠かせないともスタジアムアストロに語っています。
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 KLFAのBチーム設立申請は、M3に新たなクラブの創設を認めないというMFLの方針により却下されたことから、KLFAは既存のクラブをBチーム化する方針へと転換したようです。しかし記事で取り上げられているKLローヴァーズというクラブについては、私も知識がなく、ネットで検索するとそれらしいクラブが複数見つかりますが、そのクラブとKLFAの関係が不明です。また、M3クラブのリーグ所属権の譲渡についてはMFL傘下のAFL(アマチュアフットボールリーグ)に決定権があることをAFLのトップが明言しており、その辺りの問題をはっきりさせる必要がありそうです。

マラッカUもBチーム設立を検討
 KLFA同様、マラッカ・ユナイテッドを運営するマラッカ州サッカー協会MUSAもマラッカ・ユナイテッドのBチームを設立して、今季のM3リーグに参加したい意向を表明しているとマレー語紙ハリアン・メトロ電子版が伝えています。
 記事の中でMUSAのファルハン・イブラヒム事務局長はMFLにM3リーグ傘下申請を行っていることを明らかにしています。具体的には昨季、M3リーグに参加したマラッカをホームとするアマチュアチームのマラッカ水道局サッカークラブSAMB FCのリーグ所属権を使ってBチームをM3リーグに参加させる計画のようで、その監督には元マラッカの選手でサラワクFAやペナンFAでもプレー経験のあるアジザン・ババ氏が決まっているようです。なおSAMB FCは今季M3リーグ参加に必要なスポンサー獲得ができなかったため、M3リーグ参加辞退が既に発表されています。
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 SAMB FCはこれまでもマラッカ・ユナイテッドへ選手を送り込んでおり、Bチーム的な役割を果たしてきたクラブのようで、昨季もMFモハマド・ファクルラー・ロスリ、FWジャスミル・メエナト、MFムハマド・シャミエルル・ラズミ・ジャスミらをマラッカ・ユナイテッドへ送り込んでいます。

クダFAのエースはチームに合流予定
 昨日のこのブログで取り上げたクパ・シャーマンは、ACLプレイオフでソウルFCとクダFAに合流できそうだとマレー語紙ブリタハリアン電子版が伝えています。
 クダFAを運営するクダ州サッカー協会KFAのモハマド・アスミルル・アヌアル事務局長が明らかにしたところによると、ビザの問題は解決済みでマレーシア出国が可能になったということで、本日1月28日の試合までには試合会場のソウルへ到着できそうだということです。
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 本日、マレーシア時間で午後6時(日本時間午後5時)キックオフの試合に間に合ったとしても、先ほどネットでチェックしたところソウルの試合開始時の予想気温6度(同じ時間のクアラルンプールの予想は34度)とマレーシアとは30度近い気温差に慣れるのは難しいでしょうが、シャーマン選手がベンチにいるか否かでチームの雰囲気も大きく変わると思いますので、その効果に期待したいです。
(写真はいずれもクダFAのFacebookより。寒そうです…。)

1月27日のニュース:マレーシア割り当てACLプレイオフ予選枠が2つに、クダFAはエースを欠いてソウルFCと対戦か、スランゴールFCが対戦カード別に設定したチケット価格を導入

マレーシア割り当てACLプレイオフ予選枠が2つに
 明日1月28日にはクダFAとソウルFCがアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACL本選出場をかけたプレイオフで対戦しますが、マレーシアに割り当てられているこのプレイオフ予選出場枠が、現在の1から来季2020/2021シーズンは2となることを、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 記事の中でマレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、最新のAFCクラブコンペティョンランキングでマレーシアが東アジアで9位となったことによることによる出場枠増であること、そしてACLプレイオフ予選枠は1つ増えるもののAFCカップの出場枠数には変更がないことも明らかにしています。
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 ACLプレーオフ予選出場枠増は、マレーシア自体の活動というよりも来季の本選出場クラブ数が現在の32から40へと増えることに伴うものでしょう。但し、その増加枠にプレーオフ予選枠とは言え、1枠増となったのは明るいニュースです。
 ところでこのAFCクラブコンペティションランキングは、かつてはMAランキング(Member Associationランキング)とも呼ばれていましたが、最新となる2019年のランキングでマレーシアはアジアで全体は18位、東南アジアではタイ(8位)、フィリピン(13位)、ベトナム(16位)に続く4番目となっています。なお、2018年のランキングはタイ(8位)、マレーシア(13位)、フィリピン(17位)、ベトナム(21位)の順でした。
 なお、このランキングは、各国のクラブの過去4年間のAFC主催大会での戦績(90%)と各国のFIFAランキング(10%)から算出されるポイントに基づくようなので、近年のフィリピンやベトナムの代表チーム好調さなども反映されているのでしょう。
 ちなみに上で取り上げたクダFAは、ACLプレーオフ二次予選で香港の大埔足球会に勝利したことによって、最新のAFCクラブランキングでは順位が9位上昇して117位となっていますが、これはMFLクラブではACL本選から出場するジョホール・ダルル・タジムJDTの49位に次ぐ成績です。MFLクラブはこの他、フェルダ・ユナイテッドが121位、ペラTBGが124位につけています。(なお順位などのデータはFooty Rankingを参考にさせていただきました。)

クダFAはエースを欠いてソウルFCと対戦か
 先週土曜日1月25日にソウル入りし、明日1月28日にACL本選を賭けてソウルFCと対戦するクダFAのエース、FWクパ・シャーマンがチームに帯同していないとサッカー専門サイトのヴォケットFCが報じています。
 現地での練習でも姿が見られず、クダFAのサポーターの間でシャーマン選手の動向が心配されていましたが、クダFAを運営するクダ州サッカー協会KFA関係の話では、シャーマン選手はビザに関する問題で、またDFカイルル・ヘルミ・ジョハリは税金に関する問題でチームと共に出国できなかったようです。
 シャーマン選手のビザ問題は解決し、既にソウルへ出発したという非公式情報もある一方で、クダFAのアイディル・シャリン監督は、この件について言及を避け、もしシャーマン選手がチームに合流できない場合には他の選手で対応すると話しています。
 なおACLでは同時に出場できる外国籍選手は4名に限られていますが、クダFAの5名の外国籍選手の内、シャキール・ハムザ(シンガポール)は、シンガポール1部リーグのホーム・ユナイテッド在籍時に出場したAFCカップで4試合出場停止処分を受けており、先日の大埔足球会は出場できず、明日のソウルFC戦も出場できません。
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 昨季2019シーズンの得点王の看板を背負って、今季加入したシャーマン選手が明日の試合に出場できないとなると、クダFAには大きな痛手ですが、Kリーグ昨季3位のソウルFC相手にアイディル監督がどんな戦術、どんな選手起用で臨むのかに注目したいと思います。

スランゴールFCが対戦カード別に設定したチケット価格を導入
 スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FASのFacebookでは、今季のMFLの試合でのチケット価格が対戦カードによって2段階になったことを発表しています。
 昨季のMFLで上位のクラブのJDT、パハンFA、クダFA、ペラTBG、トレンガヌFC戦はティア1(第1階層)として、オープンスタンドのチケットが大人20リンギ(およそ540円)、その他のマラッカ・ユナイテッド、PJシティFC、フェルダ・ユナイテッド、サバFA、PDRM FC、UITM FC戦はティア2(第2階層)大人15リンギとなっています。なお、マレーシアカップとFAカップの準々決勝と準決勝の試合もティア1扱いとなり、チケットは20リンギとなります。また12歳以下の子どもはティア1あるいはティア2に関わらず5リンギと昨季より据置となっています。
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 日本とマレーシアとでは、物価の違いや、快適さや利便性を含めて施設面、そしてプレーの質など様々な違いがあるので、一概には比較はできませんが、Jリーグのチケットに比べれば、かなり安い価格設定になっています。しかし、スランゴールFCはオープンスタンドのシーズンパスが109リンギで販売しており、8試合以上観戦なら、シーズンパスの方がさらにお得になっています。
(下は新たなチケット価格を告知するFASのFacebookページ) 

1月22日のニュース:クダFAは快勝でACLプレーオフ進出決定、MFL2部昇格クラブの新たなニックネームがサポーターの不評を買う

クダFAは快勝でACLプレーオフ進出決定
 1月21日に行われたアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLのプレーオフ二次予選で、クダFAは大埔足球会(香港)を5ー1で破り、プレーオフ進出が決定しました。
 今季2020年シーズン開幕前のクダFAと2019/2020シーズン真っ只中の大埔足球会の対戦となったこの試合は、クダFAのホーム、クダ州アロースターのダルル・アマンスタジアムで開催されました。試合は、34分に孫銘謙(スン・ミンヒム)の退場で大埔足球会が10人となる展開の中、トレンガヌFCから加入したチェチェ・キプレが3分、21分、90分にゴールを決めハットトリック、フェルダ・ユナイテッドから加入したハディン・アズマンも47分と66分にそれぞれゴールを決め2得点と新戦力が活躍しました。なお大埔足球会は陳文輝(チャン・マイファイ)が68分にゴールを決め1点を返しましたが、反撃はそこまででした。
 この日の勝利でプレーオフ進出を決めたクダFAは、ACL本選をかけて昨季韓国1部リーグ(Kリーグ)3位のFCソウルと敵地ソウルワールドカップスタジアムで1月28日に対戦します。
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 この日の試合は、クダFAのセンターバックを務めるDFシャキール・ハムザ(シンガポール)が、かつて在籍したシンガポール1部リーグのホーム・ユナイテッドが2018年シーズンのAFCカップに出場した際の累積警告によるAFC公式戦への出場停止処分のためベンチ入りしませんでしたが、それを全く感じさせない快勝でした。
(写真左はハットトリックを決めたキプレ選手、写真右は2ゴールのアズマン選手(左の27番)とクパ・シャーマン選手-クダFAのFacebookより)

MFL2部昇格クラブの新たなニックネームがサポーターの不評を買う
 ケランタン・ユナイテッドFCは、昨季マレーシアフットボールリーグMFL3部にあたるM3リーグで優勝し、今季はMFL2部プレミアリーグに昇格しています。昇格に伴いケランタン・ユナイテッドFCが発表したチームの新たなニックネームがサポーターの不評を買っていると、サッカー専門サイトのセムアニャボラが伝えています。
 ケランタン・ユナイテッドFCは昨季は赤と緑のユニフォームを着用し、マレーシア語でSang Kijang Hijau(Kijangはマレー半島に生息する小型の鹿「ホエジカ」、Hijauは「緑色」、Sangは擬人化を表す語で、あえて日本語にすれば「緑色のホエジカさん」)というニックネームを使っていましたが、先日、Facebook上で発表された新たなニックネームはThe Real Warriors(「真の戦士」とでも訳せば良いでしょうか)でした。ところがこれが同じケランタン州にホームを持ち、しかも同じプレミアリーグに所属するケランタンFAのニックネームThe Red Warriorsに酷似していることからサポーターの不評を買っているようです。
 昨季のユニフォームやニックネームでも使われていた「緑」は、ケランタン州議会与党派を構成し、マレーシアをイスラム国家とする事を党是とする保守系政党の全マレーシア・イスラム党PASのロゴと同じ色で、ケランタン・ユナイテッドFCはケランタン州政府から運営資金援助を受けていることから、緑といういわばアイデンティティーをわざわざ無くす必要はないという意見もサポーターから出ていると、セムアニャボラは報じています。
(下左は全マレーシア・イスラム党PASのロゴ、右はケランタン・ユナイテッドFCのロゴ)

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 マレー半島の中でも特に保守層が多い東海岸北部のケランタン州は、全マレーシア・イスラム党PASが州議会で与党派を構成するマレーシア唯一の州です。(2019/01/23訂正:ケランタン州の隣、同じマレー半島東海岸沿いのトレンガヌ州も州議会はPASが与党です。)国政では野党ながら、州議会では与党となっていることから、時として連邦制のマレーシアでは中央政府との対立がしばしば起こります。また州内にはフドゥド法と呼ばれるイスラム刑法が導入されており、婚前交渉や婚外交渉に対して鞭(むち)打ちの刑が課せられたり、映画館の座席やスーパーのレジなどは男性専用、女性専用に分けられたりするなど、同じマレーシア内でも他の州とやや状況が異なる州です。

1月15日のニュース:代表FWがタイ1部リーグのクラブへ移籍、MFLから未払い給料問題を抱える3クラブに対して最後通牒が出される、クダFAはカンボジア遠征を勝利で終える

代表FWがタイ2部リーグのクラブへ移籍
 昨年2019年のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選でもプレーしたフル代表のFWノーシャルル・イドラ・タラハが、隣国タイの2部リーグで昨季優勝し、今季は1部に昇格するBGパトゥム・ユナイテッドFCへ加入すると英字紙ニューストレイトタイムズで報じられています。
 マット・ヨーの愛称でも知られるノーシャルル選手は、昨季はマレーシアフットボールリーグ1部で2位となったパハンFAに在籍していましたが、シーズン終了後に契約満了が伝えられていたものの、移籍先が決まっていませんでした。今年の6月に34歳となるノーシャルル選手は健康診断を経て、問題がなければ今週中には契約となるようです。なお契約期間は1年となっています。
 ノーシャルル選手が加入するBGパトゥム・ユナイテッドFCとともに今季タイ1部リーグに昇格するポリス・テロFCには前JDTでU22代表の主将も務めたドミニク・タンもいますので、今季のタイ1部リーグではマレーシア人選手が二人もプレーすることになります。
 タイ1部リーグは2月15日に開幕しますが、ノーシャルル選手が所属予定のBGパトゥム・ユナイテッドFCは昨季5位のムアントン・ユナイテッドFCと、タン選手が所属するポリス・テロFCは、昨季2位となったものの2017年、2018年とリーグ2連覇を果たしている強豪ブリーラム・ユナイテッドFCと対戦します。

MFLから未払い給料問題を抱える3クラブに対して最後通牒が出される
  サッカー専門サイトヴォケットFCによると、本日1月15日に開催された今季のMFL開幕イベント後のメディアとの会見の席で、MFLのスチュアート・ラマリンガム事務局長はMFLの3クラブが最後通牒を出されており、期限までに未払い給料問題の解決方法が明示されない場合、今季のMFL出場停止処分もありうるとしています。ラマリンガム事務局長は具体的に以下の日程を挙げています。

1月30日
 この日までに未払い給料の完済、あるいは選手との間で未払い給料支払い方法についての合意が得られない場合、勝点3を剥奪する。
2月28日
 この日までに未払い給料の完済あるいは選手との間で合意した支払い方法が守られない場合、勝点6を剥奪する。
3月30日
 この日までに未払い給料の完済あるいは選手との間で合意した支払い方法が守られない場合、今季のリーグ戦およびカップ戦全てに出場停止処分を科す。
 
 また、リーグ出場停止処分を科されたクラブは、未払い給料を完済するまでリーグへの復帰は認められず、また復帰が認められた場合も下部リーグからの出場となるとしています。
 なお、ラマリンガム事務局長は最後通牒を出されたクラブ名をこの日は公表せず、まずは該当クラブに通告し、その後、FAMから公式に発表するとしています。

クダFAはカンボジア遠征を勝利で終える
 カンボジア遠征中のクダFAは、出場したスマートRSNカップ最終戦で地元のプノンペン・クラウンFCを2−1で破りで優勝したと、公式Facebookで伝えています。
 1月21日にアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLの予選プレーオフ、和富大埔(Tai Po FC – 香港)戦を控え、他のMFLクラブに比べると早めの始動となったクダFAですが、この日の決勝戦は新戦力のチェチェ・キプレ(トレンガヌFCより加入)とハディン・アズマン(フェルダ・ユナイテッドFCより加入)がゴールスなど、大型補強の効果が出ているようです。
 13日間で5試合の強行軍でしたが、カンボジアのクラブとは4勝1敗、その間に行ったトレーニングにも満足しているというアイディル・シャリン監督は、試合の結果以上にACL予選プレーオフに向けて勢いがついたと語っています。
(優勝を祝うクダFA。写真はクダFAのFacebookより)

1月9日のニュース:フェルダUにはオバメヤンのチームメートが加入、JDT IIに昨季MFL1部の得点王と日本人選手が加入、FIFAはFAMに対して罰金処分

フェルダUにはオバメヤンのチームメートが加入
 英字紙スター電子版は、マレーシアフットボールリーグMFL1部のフェルダ・ユナイテッドにMFフレデリック・ビュロがJ2リーグの岐阜FCから加入したと報じています。
 岐阜FC時代はフレデリックの登録名だったビュロ選手は、フランス、イギリスなどでプレー経験がある現役のガボン代表選手で、英国プレミアリーグ、アーセナル主将で快速FWピエール=エメリク・オバメヤンとはガボン代表でチームメートです。
 わずか1日のトライアウトでその技術に魅了されたというフェルダ・ユナイテッドのニザム・ジャミル監督は、今季のフェルダ・ユナイテッドの攻撃の中心になる選手と評価した上で、様々な国でのプレー経験は若手主体となる今季のチームにとって貴重だとし、またその控えめな姿勢がチームに良い作用を与えてくれるだろうと話しています。
 ビュロ選手の加入により、フェルダ・ユナイテッドは今季の陣容が決まりましたが、昨季在籍した渡邉将基選手、池田圭選手ら外国籍選手だけでなく、ハディン・アズマンらマレーシア人の主力選手の多くが去ったことにより、残留争いの一番手と目されていたチームは、カイルル・アムリ(シンガポール)以外は総入れ替えとなった外国籍選手枠も5人全てが埋まりました。
 シンガポールリーグのタンピネス・ローバーズ時代にはカイルル選手と攻撃陣をリードしたMF恵龍太郎選手、DFニコラ・ラスポポヴィッチ(セルビア、チェコリーグ2部のFKデュクラ・プラハより加入)、FWニコラス・ヴェレズ(アルゼンチン、ポルトガルリーグ1部のベレネンセスより加入)にビュロ選手が加わった布陣は十分な補強ができているように見えます。
 ニザム監督は外国籍選手の若返り(昨年は全員が30歳以上)により、バランスの取れたチーム構成になっていること、そして単なる数合わせといったシーズン前の評判を覆したいと話しています。

JDT IIに昨季MFL1部の得点王と日本人選手が加入
 マレーシアフットボールリーグMFL1部のジョホール・ダルル・タジムJDTはFacebook上で、JDTのBチームでMFL2部所属のJDT IIに昨季のMFL1部の得点王FWフェルナンド・ロドリゲス(前クダFA)とMF廣瀬慧(前インドネシアリーグ1部プルセラ・ラモンガン)両選手の加入を発表しています。
 昨季はクダFAで21ゴールを挙げたスペイン出身のロドリゲス選手は、今季はクダFAとの契約が更新されず、母国のリーグへ戻るのではとされていましたが、何とMFL2部のチームとの契約を選んだようです。とは言え、マレーシアでの実績は申し分ないので、AチームのJDTの外国籍選手の誰かが不調になれば直ちに入れ替えとなる可能性があります。
 また昨季はインドネシアでプレーした24歳の廣瀬選手は、プルセラ・ラモンガン加入1年目ながら34試合に出場し2ゴール、8アシストを記録しています。
 なお英字紙スター電子版によると、両選手とも2年契約を結んだとのことです。
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 今季は国内の試合の他、AFCチャンピオンズリーグなどが控えるJDTは、過密な日程に対処するため、今回獲得し両選手も含めていわゆるローテーション制を導入する可能性もあり、開幕時はMFL2部の両選手を1部で見ることができるかも知れません。
 なお廣瀬選手のJDT II加入により、今季2020年シーズンにMFLでプレーする日本人選手は恵龍太郎選手(フェルダ・ユナイテッド)、廣瀬慧選手(JDT II)、鈴木ブルーノ選手(トレンガヌFC II)、中武駿介選手(ヌグリ・スンビランFA)、鈴木裕太選手(クチンFA)の5名となりました。
(写真左からJDTIIのラファ・ギル監督、フェルナンデス選手、廣瀬選手、アリスター・エドワーズJDTテクニカルダイレクター。JDTのFacebookより)

FIFAはFAMに対して罰金処分
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、国際サッカー連盟FIFAがマレーシアサッカー協会に対し、サポーターによるフーリガン行為が発生したことを理由に5万スイスフラン(およそ562万円)の罰金を課したと報じています。
 昨年11月19日にブキジャリル国立競技場で行われたFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選のマレーシア対インドネシア戦では、41人のサポーターが逮捕された他、暴動鎮圧部隊が出動する事態となっていました。
 また10月10日にハノイで行われたワールドカップ予選ベトナム戦では、試合後に義務付けられている記者会見を頭痛を理由にキャンセルしたマレーシア代表のタン・チェンホー監督がFIFAより警告を受けています。
 なお今回のワールドカップ予選ではマレーシアも属するグループGのインドネシアが、ホームで行われたマレーシア戦とタイ戦でのサポーターによるフーリガン行為のため、24万5000スイスフラン(およそ2750万円)の罰金と1試合の無観客試合という処分を受けています。

1月2日のニュース:JDTはACLでヴィッセル神戸と対戦が決定、前U19代表監督はインドネシア1部リーグのクラブ監督に就任、未払い給料問題を抱えるPDRM FCは解決の期限を明言せず

JDTはACLでヴィッセル神戸と対戦が決定
 今季2020年のアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLの本選から出場する昨季2019年マレーシアンフットボールリーグMFL1部チャンピオンのJDTは、ACLの予選グループGに入っていますが、このグループは広州恒大(中国)、水原三星(韓国)が入ることは決まっていましたが、残りの1チームは日本の天皇杯優勝チームということになっていました。
 昨日1月1日の天皇杯決勝でヴィッセル神戸が2-0で鹿島アントラーズを破ったため、このグループGにはヴィッセル神戸が入ることが決まりました。
 イニエスタやポドルスキといったビッグネームが在籍することから、マレーシアでも注目が集まるヴィッセル神戸と対戦するJDTは、昨年の鹿島アントラーズに続き、また日本勢との対戦となりました。
 ヴィッセル神戸とJDTが同じグループになると直ちにJDTオーナーのジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下がチームのFacebookにメッセージを寄せています。(写真下)

前U19代表監督はインドネシア1部リーグのクラブ監督に就任
 昨年2019年5月までマレーシアU19代表の監督を務めたボジャン・ホダック氏がインドネシア1部リーグの強豪PSMマカッサルの監督として2年契約を結んだことが、AFCの公式サイトで報じられています。
 今季2020年のAFCカップ予選プレーオフで、東ティモールのレレノック・ユナイテッドFCと対戦するPSMマカッサルは、AFCカップ本選出場とリーグ戦優勝を目標にホダック氏と契約したされています。
 クロアチア出身のホダック氏は、プノンペン・クラウンFC(カンボジア)、山東魯能(中国)で監督、コーチを務めた後、ケランタンFA(2012年から2013年)、JDT(2014年〜2015年)、ペナンFA(2016年)とMFLのクラブを指導した他、マレーシア U19代表の監督を2017年〜2019年まで務め、東南アジアサッカー連盟AFF U19選手権では2018年大会でマレーシアを初優勝へ導き、さらにAFC U19選手権本選に12年ぶりの出場を果たしています。
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 2012年にケランタンFAの監督に就任するとリーグ戦、マレーシアFAカップ、マレーシアカップのいわゆるトレブル(Treble、三冠)を果たし、続く2013年もJDTを破りFAカップ2連覇を果たしました。翌2014年にJDT監督に就任すると、MFL6連覇の始まりとなるリーグ初優勝をもたらしています。このように申し分ない実績を持つホダック氏は、U19代表監督時代もマレーシア サッカー協会FAMが求めた結果を全て残してきましたが、昨年7月にはU19監督としての契約更新が行われませんでした

未払い給料問題を抱えるPDRM FCは解決の期限を明言せず
 マレーシア王立警察を母体とするPDRM FCは今季、MFL1部に昇格しますが、昨年2019年分の未払い給料問題が未だ解決していないことを、スポーツ専門サイトフォックススポーツが報じています。
 同サイトの記事によれば4ヶ月間、選手に対する給料の支払いが滞っているようで、2月28日に迫った今季のMFL開幕に間に合うのかどうかどころか、今季のMFLへの参加が認められるのかどうかも怪しくなってきています。
 昨季2度目のトランスファーウィンドウ期間中に大型補強を行い、外国籍選手とマレーシア人選手の新戦力を獲得した結果、MFL3部への降格争いにいた状況から一気にリーグ3位となり今季MFL1部昇格を勝ち取るまでに至ったPDRM FCですが、その頃から給料未払い問題の兆候は現れており、フォックススポーツでも給料を受け取れていない選手の声が紹介されたこともありました。
 また昨季途中に就任し、チームを立て直したエラヴァラサン・ランゴワン監督は辞任し、昨季在籍した多くの選手は退団し、今季のチームは現職の警察官が選手全体の半数以上となるなど、チーム運営が厳しい状況下では、未払い給料問題の解決は容易ではなさそうです。

12月15日のニュース:2021年のACLとAFCカップの割り当て決定、MFLは各クラブへ放映権料支給を取り止め、スランゴールFA監督がシーゲームズの結果についてコメント

2021年のACLとAFCカップの割り当て決定
 アジアサッカー連盟AFCが主催するアジアのクラブ王者決定戦AFCチャンピオンズカップACLは、2021年からは現行の32チームから40チームへと本戦出場チーム数が拡大しますが、これに伴いACLの各国割り当て枠が変更になり、マレーシアはこれまでの1+1(本戦出場枠1つと予選プレーオフ出場枠1つ)から1+0(本戦出場枠1つと予選プレーオフ出場枠0)へと、実質的には出場枠減になっています。
 なお来季2020年は、マレーシア国内最上位リーグとなるマレーシアフットボールリーグMFL1部優勝チームのジョホール・ダルル・タジムJDTがACL本戦に出場、全国レベルの国内カップとなるマレーシアFAカップ優勝のクダFAがACL予選プレーオフに出場となっています。
 なお今回の変更により東南アジアの各国は、AFC東地区でAFC加盟協会(MA-Member Association)ランキングが4位のタイが2+2、6位のフィリピンは1+1、8位のベトナム、9位のマレーシア、10位のシンガポールはいずれも1+0、12位のミャンマーは0+1の出場枠を割り当てられています。
 また今回のACLの出場枠割り当て変更に伴い、2021年AFCカップへの出場条件も変更になり、本選出場枠、予選プレーオフ出場枠を問わずACL出場枠が1つ以下のAFC加盟協会にはAFCカップの出場枠が与えられることになりました。この結果、マレーシアは本戦出場枠が2枠となり、来季2020年MFL1部2位のチームとマレーシアFAカップ優勝チームに出場権が与えられます。
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 ACL予選プレーオフ枠は減ったものの、AFCカップ出場枠が2つ増えたことで、より多くのクラブが東南アジアで、さらにはアジアで力試しをする機会を得ることになりました。ACLとAFCカップに出場するクラブは、結果を出し続けてACLの出場枠を従来の1+1に引き戻すことを目指して欲しいです。

MFLは各クラブへ放映権料支給を取り止め
 マレーシアフットボールリーグMFLは、ホームページで所属各クラブへ分配予定だった放映権料の残りの支給を行わないことを正式に発表しています。
 緊急臨時総会を開いたMFLのダト・ハミディン・アミン会長は、MFLが抱える不安定な経営状況を回復させる必要があることから今回の決定に至ったと説明する一方で、今年2019年7月にはその不安定な経営状況下で各クラブに約束していた放映権料の半額を支払ったことへの理解を求めています。今年7月の時点では、MFL1部クラブには150万リンギ(およそ3970万円)が、MFL2部クラブには50万リンギ(およそ1320万円)が支給されています。
 また来季2020年分の放映権料については、MFLが得る放映権料と商業利益が総額が1800万リンギ(およそ4億7600万円)以下の場合には従来のMFL1部300万リンギ、MFL2部100万リンギから見直しを行うこと、そして2021年以降は放映権料分配は年末に行うことも併せて発表しています。
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 このブログでも取り上げたマレーシアのマルチメディア企業テレコムマレーシアTMとMFLの間で2018年1月に締結された8年間で4億8000万リンギ(およそ127億円)という放映権料を含む巨大なスポンサー契約が今年2月に打ち切られたことにより、MFLには期待していた放映権そのものが全く入らない中、各クラブに約束していた金額の半分を支給した(噂では、資金源はジョホール州皇太子で前MFL会長のトゥンク・イスマイル殿下のポケットマネー)のが7月でした。残りは8月、11月と支給予定日を先送りしてきましたが、結局、無い袖は振れぬ、ということでした。

スランゴールFA監督がシーゲームズの結果についてコメント
 2019年東南アジア競技大会通称シーゲームズのサッカー男子に出場したU22代表は、大会前は準決勝出場間違いなし、そこから何色のメダルが取れるか、と言われていましたが、結果は予選グループで敗退し、準決勝に進出することができませんでした。
 シーズン末の大会であったことから疲労の蓄積、あるいは参加した選手の意欲の欠如など、様々な理由がメディアを賑わせましたが、スランゴールFAのバスカラン・サティアナタン監督は、この大会に臨んだ選手たちの姿勢が問題ではないかと指摘しています。FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選に出場しているフル代表のメンバー7名を含むU22代表のメンバーは近年でも最高のメンバーであるとする一方、代表チームでプレーするということはサッカー選手にとって最高の栄誉であることを理解していない選手がいたのではないかと述べています。
 今大会で優勝したベトナムにもフル代表でプレーする選手が含まれていたことからシーズン末の大会であることや疲労は理由にならないだろうとし、マレーシアが初戦のミャンマー戦の引き分け以降、低下していったことを指摘、選手たちが準決勝進出を諦めてしまったように感じたと述べています。
 またその一方で、ファンやサッカー関係者、メディアの何が何でもシーゲームズでは金メダル、という姿勢も変えるべきだとしています。金メダルを目指すこと自体は間違えていないが、時にはことの全体像を捉え、各大会ごとの目標を正しく設定すルことが重要とも指摘しています。サティアナタン監督は個人的な意見であると前置きした上で、(東南アジアのチームのみが参加する)シーゲームズの結果を選手やチーム評価基準として使うことには反対で、むしろ(アジアのチームが参加する)AFC主催の各大会を評価基準とするべきとし、例えば今回で言えば、U22代表ではなくU19代表をシーゲームズに出場させる、という考え方があっても良かったのではないかとも話しています。U19の選手にとって上の年代の選手との対戦は良い経験になるだけでなく、予選を突破したAFC U19選手権の準備にもなっただろうと述べていますが、同時に現在のファンやサッカー関係者、メディアの姿勢ではそのような方針は決して許されることはないだろうとも述べています。
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 マレーシアサッカーがその域まで達しているかどうかは別として、例えば昨年2018年のアジア競技大会はU23代表が出場する大会でしたが、日本はU21代表を派遣しています。また、今回U22代表のオン・キムスイ監督はU19代表でプレーする17歳のルクマン・ハキムとウマル・ハキームの2選手を招集するなど、現場レベルでは、サティアナタン監督の考えが理解されているようですが、マレーシアサッカー協会幹部や、メダルの数が気になるマレーシアオリンピック協会(シーゲームズはオリンピック協会が統括)幹部がこの考えを理解できるかどうかは、マレーシアサッカーに対してどのくらい先まで見越した方針を持てるかどうかによりそうです。