3月22日のニュース
シンガポール、フィリピンとの3カ国対抗戦出場の代表25名が発表
昨年12月就任のオーナーは早くもペラFCの新たな譲渡先と交渉中
ACLプレーオフ-ポートFCを破った蔚山現代FCがJDTと同組に

シンガポール、フィリピンとの3カ国対抗戦出場の代表25名が発表

マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、3月23日にシンガポールで開幕するシンガポール、フィリピンとの3カ国対抗戦に出場するマレーシア代表チームの25名を発表しています。

3月14日から行われていた合宿前には代表候補30名と予備候補10名が召集されていましたが、合宿開始前に夫人の出産を理由にシャーミ・サファリ(JDT)が辞退し、代わりにクザイミ・ピー(ヌグリスンビラン)が予備候補から合流した他、合宿中の新型コロナ検査で陽性となったダレン・ロック(PJシティ)に代わり、やはり予備候補からザフリ・ヤハヤ(KLシティ)が召集されていました。

その後、ナズミ・ファイズ(JDT)が練習中に鼠蹊部(そけいぶ)を痛めて途中離脱した他、ラハディアズリ・ラハリム(トレンガヌ)も新型コロナ検査で陽性となり隔離となりましたが、キム・パンゴン監督はこの両選手の代わりの選手を招集しませんでした。

この結果28名で行った合宿の結果、ハキミ・アブドラ(トレンガヌ)、シャールル・ナジーム(スランゴール)、ナタニエル・シオ・ホンワン(JDT)が外れ、最終25名が決定しています。代表チームは本日3月22日にシンガポール入りしますが、国外組のディオン・クールズ(ベルギー1部SVズルテ・ワレヘム)とリリドン・クラスニキ(インドスーパーリーグ オディシャFC)はシンガポールで直接チームと合流するということです。

今回発表された25名はこちらです。

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今回発表された28名中、JDT所属選手が11名と最多で、スランゴール、PJシティ、ヌグリスンビランからそれぞれ2名、そしてトレンガヌ、クダ、サバ、パハン、KLシティからはそれぞれ1名、そして海外組はルクマン・ハキム(ベルギー1部KVコルトレイク)、ディオン・クールズ、リリドン・クラスニキの3名となっています。

昨年12月就任のオーナーは早くもペラFCの新たな譲渡先と交渉中

昨年2021年12月にIMC社がその株式100%を取得して新オーナーになったペラFCが新たなオーナーに売却されると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

突如刷新されたクラブの公式Facebookページでも近々、現在進んでいる交渉は1週間ほどでまとまり、来週中にも新たなオーナーが発表できると告知されています。

ブルナマの取材に対して、ペラFCのヤヌス・ザカリア取締役はブルナマの取材に対して、この事実を認めているということです。

「昨年(2021年)12月にIMC社がペラ州サッカー協会が保持していたペラFCの運営会社であるペラFC社の株式100%を取得していたが、IMC社の経営危機が今年1月に発覚したことから、新たなオーナー候補からのオファーを受け入れる用意がある。」とクラブ公式Facebookには発表されており、新たなオーナーが決定した後は、IMC社はペラFCの運営から完全に手を引く予定であることも明らかにされています。

ACLプレーオフ-ポートFCを破った蔚山現代FCがJDTと同組に

ニュースというには少々古いですが、3月15日にAFCチャンピオンズリーグのプレーオフが行われ、蔚山現代FC(韓国)がポートFC(タイ)を破り、グループステージI組の最後の枠を獲得しています。このI組にはMリーグ代表のJDT、川崎フロンターレ、そして中国の広州FCがおり、JDTは日本、韓国、中国各リーグの悠と対戦することになりました。

2020年ACL覇者の蔚山現代FCは、新型コロナの影響で主力選手を欠く中、この試合がプロデビューとなった19歳のギ・ユンチョイが13分にゴールを決めて先制し、前半を1-0とリードして折り返します。後半に入ると、このギ・ユンチョイと交代で入ったオム・ウォンサンが62分にゴールを決めて追加点、さらに83分にはレオナルドがPKを決めてポートFCを3-0で破り、柏でもプレーした洪明甫(ホン・ミョンボ)監督率いる蔚山現代FCがACLグループステージ出場を決めています。

なおACLのグループステージI組はJDTの本拠地スルタン・イブラヒムスタジアムと「ジョホールバルの歓喜」の舞台となったラーキンスタジアムを会場として開催されます。

2月17日のニュース
ACL東地区I組はマレーシアのジョホールでの集中開催が決定
Mリーグは今季もスタジアム内での飲食は禁止
Mリーグはペラの「支援」を表明

スズキカップ2020のマレーシア戦でMOMになったインドネシア代表のプラタマ・アルハンがJ2の東京ヴェルディ移籍、そしてAFF選手権ではU23代表が結局ラオスと2試合することになったなどのニュースも入ってきていますが、本題はACLとMリーグのニュースです。

ACL東地区I組はマレーシアのジョホールでの集中開催が決定

アジアサッカー連盟AFCは今季2022年AFCチャンピオンズリーグACLのグループステージ集中開催地を発表していますが、Mリーグ1部スーパーリーグのJDTが所属するI組は、マレーシアのジョホールで開催されることが決定しています。

4月15日から30日までの予定で開催されるグループステージI組は、スーパーリーグ8連覇中のJDTの他、昨季のJリーグ覇者である川崎フロンターレ、広州FC(中国)、そしてプレーオフで対戦する蔚山現代FC(韓国)とポートFC(タイ)の勝者の4チームで構成されており、この4チームが対戦する1回戦総当たりの6試合がJDTのホーム、スルタン・イブラヒムスタジアムを中心に開催されます。

JDTにとっては途中で棄権した2020年大会を含め4度目の挑戦となるACLですが、全試合本拠地開催の利点を生かして、初のグループステージ突破が果たせるかどうかに注目してみたいです。ちなみにJDTの過去3大会での戦績は以下の通りです。

2019年 グループステージE組4位(1勝1分4敗得点4失点8)
(A)鹿島 2-1 JDT、(H)JDT 1-0 鹿島 *JDTのACL初勝利
(A)山東魯能(現山東泰山) 2-1 JDT、(H)JDT 0-1 山東魯能 *JDTのACL初勝利
(A)慶南FC 2-0 JDT、(H)JDT 1-1 慶南FC *JDTのACL初勝点

2020年 グループステージG組4位(1勝0分1敗得点3失点7)*新型コロナ禍の中、一旦、中断後にカタールでの集中開催が決定したものの、マレーシア政府は渡航を認めずJDTは出場を辞退。このため公式記録上はJDTの試合は全て無効となっていますが、あえて書き記しておきます。
(A)神戸 6-1 JDT、(H)JDT 中止 神戸
(A)水原三星 中止 JDT、(H)JDT 2-1 水原三星
(A)広州恒大中止 JDT、(H)JDT 中止 広州恒大

2021年 グループステージG組3位(1勝1分4敗得点3失点9)
(A)名古屋 2-1 JDT、(H)JDT 0-1 名古屋
(A)浦項スティーラーズ 4-1 JDT、(H)JDT 0-2 浦項スティーラーズ
(A)ラーチャブリーミトポン 0-1 JDT、(H)JDT 0-0 ラーチャブリーミトポン

Mリーグは今季もスタジアム内での飲食は禁止

3月5日のMリーグ開幕まで2週間と迫り、新たなシーズンを前にファンの期待も高まる中、Mリーグを運営するMFLは、昨季に続き今季もスタジアム内での飲食が禁止となることをマレーシアの通信社ブルナマが報じています。

MFLのスチュアート・ラマリンガムCEOによると、MFLは今季の開幕を前に、1)スタジアム内での飲食許可、2)現在は隔離が義務付けられている、検査が陰性ながら濃厚接触者である選手の試合出場許可、3)収容人員の50%あるいは最大2万人となっているスタジアム観戦者数制限の緩和の3点をマレーシア政府に求めたと説明しています。この内、2)については、昨年末にシンガポールで開催されたスズキカップ2020で採用された「国際基準」だということですが、マレーシア政府はこれを認めなかったということです。また3)については、1)と2)が認められた場合を前提としているということで、飲食許可と濃厚接触者ながら検査で陰性となった選手の出場が許可されない限り、スタジアムでの観戦者数は期待できなそうです。

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スタジアム内での飲食禁止とは言え、昨季はスタジアム周辺に屋台などは出ており、試合前と試合後はもちろん、試合中も柵越しに飲食物が購入されていたのをボラセパマレーシアJPは目撃しています。流石にスタンドまで持ち込む人は見ませんでしたが、スタンド下での飲食は試合中であっても黙認されており、規則を作っても取り締まる人間がいない状態でした。

Mリーグはペラの「支援」を表明

給料未払いによりFIFAとマレーシアサッカー協会MFLの双方から新たな選手獲得禁止処分を受けているペラFCは、今月2月22日に迫った今季1度目のトランスファーウィンドウ期間までに未払い給料を支払わなければ、新たな選手の獲得ができません。現在はチームの最小登録可能選手数の20名を割り込んでおり、このままではリーグへの参加ができませんが、この状況についてMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、登録選手が20名以下の場合でもリーグ参加を認める用意があると話しています。なおMリーグの規定では、リーグ出場するチームは最低20名、最高30名の選手を登録することが義務付けられています。

ペラFCの「苦境」を理解していると話すスチュアートCEOは「新たな選手の獲得を禁じられているペラFCは、昨季から残留する選手に加えて、U19チームやU17チームの選手が今季のリーグに出場することになるが、MFLはペラFCをできる限り『支援』する。」と述べています。スチュアートCEOはこれまでも、ペラFCの旧経営陣による「負の遺産」を引き継いだ新経営陣を規則に則って処分するのではなく、より現実的に対処することを繰り返し表明していることから、例外的にペラFCの参加を認める可能性が高そうです。

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給料未払いとなっている内の1人のジェオン・ヒョソクは2020年開幕前にペラFCと契約した選手です。契約直後にケガをしたと主張するジェオン選手とケガを隠して契約したとするペラFCとの間で起こった争いは、FIFAがペラFCに未払い給料支払いを求めることで決着しましたが、ペラFCはこれに応じなかった結果、FIFAによる新規選手獲得禁止処分を受けています。ペラFCがFIFAから処分を受けているにもかかわらず、MFLのクラブライセンス交付第一審機関FIBはペラFCに今季のクラブライセンスを交付していますが、これも「現実的な」対応だとすれば、FIBの独立性は根底から否定されてしまいます。




1月18日のニュース(1)
ACL-JDTは川崎フロンターレや広州FCと同組に
AFCカップ-クダとKLシティは日本人所属クラブとの対戦も

ACL-JDTは川崎フロンターレや広州FCと同組に

アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLの今季2022年グループステージの組み合わせ抽選がクアラルンプールのAFCハウスで行われ、マレーシアから出場するMリーグ覇者のジョホール・ダルル・タジムJDTは、タイ代表のチャナティップ・ソンクラシンが加入した昨季のJリーグ覇者川崎フロンターレ、2013年と2015年のACL覇者広州FCと同じI組に入っています。なおI組のもう1チームは蔚山現代FC(韓国)とポートFC(タイ)が対戦するプレーオフの勝者となります。なお集中開催で行われるACLグループステージI組は4月15日から始まります。

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マレーシア国内では圧倒的な強さを誇るJDTですが、アジアの壁に跳ね返されて続けています。悲願となるグループステージ突破を目指すには、今季も厳しいグループに入ってしまいました。(まぁACLでは厳しくないグループなどそもそもないですが)4季連続グループステージ出場となるJDTは、昨季2021年は名古屋グランパス、浦項スティーラーズに敗れグループ3位、その前年2020年はヴィッセル神戸、広州恒大(当時、現広州FC)、水原三星(韓国)と同じ組になり水原三星戦では勝利を挙げたものの、新型コロナウィルス感染拡大による中断を挟んで集中開催地カタールで再開したグループステージは、マレーシア政府が不要不急の渡航を禁止したことから出場辞退しています。

AFCカップ-クダとKLシティは日本人所属クラブとの対戦も

またAFCはACLの下位大会に当たるAFCカップのグループステージ組み合わせ抽選を行い、マレーシアから出場するクダ(昨季スーパーリーグ2位)とKLシティ(昨季マレーシアカップ優勝)の両クラブの対戦相手も決まっています。

H組に入ったKLシティは、帰化選手となりシンガポール代表入りを目指すMF仲村京雅、DF山下柊哉の両選手を擁するタンピネス・ローヴァーズ(シンガポール、昨季国内リーグ4位)、PSMマカッサル(インドネシア、2019年国内カップ優勝)、そしてミャンマーのシャン・ユナイテッド(2020年国内リーグ1位)とエーヤワディー・ユナイテッド(2020年国内リーグ3位)の間で行われるプレーオフの勝者と同組になっています。

またG組のクダは、スズキカップ2020のマレーシア代表戦でゴールを決めたFWイルファン・ジャヤや、やはりマレーシア戦に出場したインドネシア代表正GKナデオ・アルガウィナタが所属するバリ・ユナイテッド(インドネシア、2019年国内リーグ1位)、DF大村真也、MF藤井亮、FW堀越大蔵の3選手が所属し、昨季2021年シーズンにはACLに出場しているカヤFC-イロイロ(フィリピン、2021年国内カップ戦優勝)、そしてMリーグのトレンガヌやペラでプレーしたDFチエリー・チャンタ・ビンが所属するビサカFC(カンボジア、2021年国内カップ戦優勝)とDF川上典洋が所属するヤングエレファンツ(カンボジア、2020年国内リーグ3位)が対戦するプレーオフの勝者と同組になっています。

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レベルの高いACLも面白いですが、東南アジアのクラブ同士の対戦が多いAFCカップも拮抗した試合が多く魅力的です。特にクダとKLシティにはこのAFCカップで好成績を上げて、クラブランキングの上昇、そしてマレーシアからのACLの出場枠を現在の1枠からプレーオフ出場を含めた1+1枠、そして将来的にはグループステージ2枠が獲得できるように頑張ってもらいたいです。

1月17日のニュース(2)
FAM-マレーシア政府の厳格なSOPがアジアカップ予選開催を困難に
MFLはMリーグ日程への負担を減らすためACLとAFCカップGSの国内開催を希望
タイ1部リーグ第17節-エルドストールが先発に復帰

FAM-マレーシア政府の厳格なSOPがアジアカップ予選開催を困難に

アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選の開催地決定が来月2月24日と迫る中、この3次予選に出場するマレーシアは自国での予選開催を目論んでいますが、マレーシア政府が設けている厳格なSOP(標準作業手順)のせいで実現が難しいと英字紙ニューストレイトタイムズが伝えています。アジアカップ2023年大会は開催国の中国の他、日本や韓国、オーストラリアやベトナムなど既に13カ国が出場を決めており、残る11枠をこの3次予選に出場する24ヶ国が争います。

マレーシアサッカー協会FAMのモハマド・ユソフ・マハディ会長代行は、アジアカップ2023大会3次予選の集中開催地として立候補する旨を既にAFCに伝えていることを明らかにする一方で、マレーシア政府が全ての渡航者に課している検疫隔離と厳格なSOPが自国開催実現の際の障害になる可能性があると述べています。モハマド・ユソフ会長代行はさらにマレーシア政府が大規模な国際スポーツ大会そのものの国内開催を認めない可能性もあると話していますが、政府による支持が得られ、AFCにより集中開催地に選ばれた場合には、ブキジャリル国立競技場を会場に開催する計画があることも明らかにしています。

MFLはMリーグ日程への負担を減らすためACLとAFCカップGSの国内開催を希望

また同じニューストレイトタイムズは、Mリーグを運営するMFLがやはり集中開催が決まっているAFCチャンピオンズリーグACLと、ACLの下部大会AFCカップのグループステージGS開催に意欲を示していると伝えています。マレーシアからはMリーグ1部スーパーリーグ昨季2021年シーズンのチャンピオンとしてJDTがACLグループステージに、また昨季スーパーリーグ2位のクダと昨季マレーシアカップ優勝のKLシティがAFCカップグループステージに出場します。

MFLは今季のリーグ日程作成の際に、このACLやAFCカップのグループステージが国外で開催された場合に備え、Mリーグクラブのために帰国後の検疫隔離期間として28日間を予備日として設けてあるということですが、ACLやAFCカップのグループステージにマレーシアが集中開催地に選ばれれば、この検疫隔離期間が不要になり、国内リーグ日程の過密化を防げることから、国内開催を強く希望しているということです。

タイ1部リーグ第17節-エルドストールが先発に復帰

タイ1部リーグ第17節が1月15日と16日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCは今季1部昇格のノーンブワ・ピッチャヤFCに敗れたものの、リーグ3位を維持しています。

2022年1月15日@チョンブリースタジアム
ノーンブワ・ピッチャヤFC 3-2 チョンブリーFC
 前節第16節はベンチ入りしなかったジュニオール・エルドストールは、スズキカップ2020後は初出場となるこの試合で先発し、85分にはイエローカードをもらっています。チームも89分に決勝ゴールを決められて敗戦。連続無敗記録も8で止まってしまいました。
(試合のハイライト映像はチョンブリーFCの公式YouTubeチャンネルより)

タイ1部リーグ順位表(第17節終了)

順位チーム得失差勝点
1ブリーラムU1611231935
2バンコクU1610331533
3チョンブリーFC168541329
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFCのみ表示しています。

7月14日のニュース:Mリーグの2022/23シーズンACL出場枠は1のまま、サッカー賭博で31名逮捕

Mリーグの2022/23シーズンACL出場枠は1のまま
 アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLやAFCカップの出場枠決定の基準となるAFCクラブコンペティションランキング最新版が発表され、マレーシアはAFC加盟47カ国中18位となっています。
 このクラブンペティションランキングなどに詳しいFootyRankingによると、マレーシアは先日終了したACLのグループステージG組で1勝1分4敗に終わったJDTが稼いだ勝点4が加算され、2018年から2021年のACLグループステージ終了時までの過去3年間(2020年は各クラブともポイントなし)の総合ポイントが23,681となり18位となっています。これにより来季2022/23年シーズンのMリーグからのACL出場枠は1(Mリーグチャンピオン)、そしてAFCカップ出場枠は2(FAカップチャンピオンおよびMリーグ2位)となり、出場枠の増減はありませんでした。
 東南アジア各国のAFCクラブコンペティションランキングポイントと、ACLおよびAFCカップの出場枠は以下の通りです。
7位タイ(ポイント57.080:ACL2枠+ACLプレーオフ2枠)
12位ベトナム(同39.232:ACL1枠+プレーオフ2枠)
17位フィリピン(同25.919:ACL1枠、AFCカップ予選2枠)
18位マレーシア(同23.681:ACL1枠、AFCカップ予選2枠)
21位シンガポール(同19.108:ACLプレーオフ1枠、AFCカップ1枠+プレーオフ1枠)
23位インドネシア(同17.923:ACLプレーオフ1枠、AFCカップ1枠+プレーオフ1枠)
28位ミャンマー(同11.097:AFCカップ1枠+プレーオフ1枠)
33位カンボジア(同6.369:AFCカッププレーオフ1枠)
37位ラオス(同0.947:AFCカッププレーオフ1枠)
41位東ティモール(同0.000:AFCカッププレーオフ1枠)
41位ブルネイ(同0.000:AFCカッププレーオフ1枠)
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 ここで目を引くのはベトナムのACLプレーオフ枠2増です。今季2021年ACLではマレーシア同様、グループステージ出場枠1だったベトナムですが、JDTが勝点4でACLを終了したのに対し、昨季のベトナムリーグチャンピオンのベトテルFCはグループステージで勝点6を挙げて、アジアクラブランキングポイントを積み上げています。またシンガポールは出場したシンガポールリーグチャンピオンのタンピネスローヴァーズが勝点0となったことでアジアクラブランキングが下がり、この結果、ACLグループステージ出場枠を失い、プレーオフ出場枠1となってしまいました。

サッカー賭博で31名逮捕
 マレーシアの通信社ブルナマは、マレーシア北部クダ州で31名がサッカー賭博で逮捕されたことを報じています。
 クダ州警察は17歳(!)から55歳までの女性2名を含む31名が、先日終了したUEFA選手権ユーロ2020を対象としたサッカー賭博に関連して逮捕されたことを発表し、合計27回行われた手入れでは31名を逮捕したほか、40台の携帯電話と7台のコンピューター、そして現金3万3326リンギ(およそ88万円)が押収されています。また賭博で動いた総額は200万リンギ(およそ5260万円)で、賭けはメッセージアプリのWhatsAppやWeChatやショッピングアプリWishなどを使って行われたということです。
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 ギャンブルが禁じられているイスラム教を国教とするマレーシアでは、賭博はもちろんご法度です。英国植民地であったことから競馬はありますが、非イスラム教徒の中華系やインド系が対象です。ギャンブルとは言えませんが宝くじもイスラム教徒は購入することができません。
 今回の賭博対象はEURO2020ということですが、サッカー賭博は八百長という形でマレーシアのサッカーに何度も暗い影を落としてきました。かつては代表経験者も関与し逮捕されたこともあります。新型コロナの影響でMリーグでは給料未払いや長期の遅配が起こっていることが報道されていますが、そんなときに賭博の胴元などから接触されれば、選手の中には誘惑に負けてしまう者が出てしまう可能性があることは過去の事例が証明しています。
 今回のサッカー賭博自体はマレーシアサッカーとは直接は関係はありませんが、Mリーグを何度も破壊しかけたサッカー賭博について書いておきたかったのでこの話題を取り上げました。


7月11日のニュース:FAMはU23アジアカップ予選にU20代表を派遣、ペラFCはリーグ再開前の練習試合で新外国籍選手をテスト、JDTオーナーは監督解任の声に対して冷静な対応を求める

FAMはU23アジアカップ予選にU20代表を派遣
 昨日のコラムではアジアサッカー連盟AFC U23アジアカップ2022年大会の予選組み分けが行われ、マレーシアはタイ、ラオス、モンゴルと同じ予選J組となり、モンゴルでの集中開催となることを取り上げましたが、マレーシアサッカー協会FAMはこのU23大会にU23代表ではなく、U20代表を派遣することを公式サイトで発表しています。
 FAMのオン・キムスイ テクニカルディレクターTDによれば、このU20代表派遣は2024年のパリオリンピック出場を目指すU23代表強化プログラムの一環として行われ、オーストラリア出身のブラッド・マロニー現U23代表監督がこのチームの指揮を取る予定だということです。
 「このU20代表派遣は既にFAMの代表チーム運営委員会で提案され、FAM理事会の承認も得た上で決定されている。現在のU20代表を10月のAFC U23アジアカップ2022年大会予選、そして11月の東南アジア競技大会2021年ベトナム大会(この発表後に来年に延期が決定-筆者注)さらには、AFC U23アジアカップ2024年大会予選、東南アジア競技大会2023年カンボジア大会と継続して派遣していく予定になっている。これによりこの年代の代表チームは早い段階から様々なレベルで経験を積み重ね、長期間かけて(オリンピック2024年パリ大会予選に向けて)準備していくことができる。」とオンTDは話しています。
 またオンTDは10月のAFC U23アジアカップ予選前には次の国際マッチデー期間(8月30日から9月7日)にU20代表候補を招集して候補合宿も開催する予定も明らかにしています。
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 先月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選にも出場したFWルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)やFWアリフ・アイマン(JDT)、代表に招集されながら合宿中のケガで代表辞退となったといったGKラハディアズリ・ラハリム(トレンガヌFC)さらにMFムカイリ・アジマル、DFハリス・ハイカル(いずれもスランゴールFC)など才能豊かな選手がU20代表の主力になる可能性がある一方で、代表選手のFWアキヤ・ラシド(JDT)、先日終了したAFCチャンピオンズリーグ予選に出場したFWラマダン・サイフラー(JDT)、リーグでは好調のMFハキミ・アブドゥラ(トレンガヌFC)、FWダニアル・アサリ(スランゴールFC)そしてFWハディ・ファイヤッド(J3沼津)など順当ならU23代表候補となる選手たちが勝負の機会も与えられず、U23アジアカップ出場の選考対象ならないのはもったいない気もしますし、さらに言えばこのような育成のための「複数年計画」は、失敗した際にその前の年代も含めて代表強化の「空白期間」ができてしまうこともあります。個人的にはU20代表に限定するのではなく、U23代表に飛び級できる能力のあるU20代表の主力を加えたチームを編成し、彼らに同年代のタイやラオスと対戦されて、本大会出場を目指す方が一足飛びにオリンピック出場を目指すよりは遥かに現実的な目標に思えます。言い換えれば、既にフル代表でもプレーするルクマン選手やアリフ選手を敢えてU20代表でプレーさせることは、むしろ開きかけている才能の芽を摘みかねない気もします。

ペラFCはリーグ再開前の練習試合で新外国籍選手をテスト
 Mリーグ1部スーパーリーグのペラFCは、7月24日より再開するMリーグを前に新たに獲得した外国籍選手をテストする予定だとマレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 ペラFCのチョン・イーファット監督はいずれも2部プレミアリーグのPDRM FCとヌグリスンビランFCとの練習試合で、これまでは練習参加のみだった新外国籍選手を起用すると話しています。
 給料未払いにより主力5選手が他のMリーグクラブに流出したペラFCはトランスファーウィンドウ期間中に英国出身のMFチャリー・マシェル(昨季はシンガポール1部ホウガン・ユナイテッドでプレーし今季はカンボジア1部のビサカFCに移籍するも出場なし)、2018年にもペラに在籍したレバノン出身のDFジャド・ヌールディン(レバノン1部のアル・アヘドFCより期限付き移籍)、同じくレバノン出身のMFサミル・アヤス(ブルガリア1部POFKボテフ・ヴラツァより移籍)、カメルーン出身のDFゾバイロウ・ガルバ(昨季はインドネシア1部プルスバヤ・スラバヤでプレー)、フランス出身のFWジスラン・グゥエッサン(2019年にアルジェリア1部CAボルジュ・ブー・アリエージュでプレーも昨季はプレー記録なし)の5選手を獲得しています。
 なおペラFCにはMFレアンドロ・ドス・サントスとMFカレッカのブラジルコンビ、やはりトランスファーウィンドウ期間中に同じ1部のUITM FCから移籍したガーナ出身のFWナナ・ポク、そしてスリ・パハンFCから期限付き移籍しているFWセルヒオ・アグエロがおり、この9選手はペラFCに5名と2部プレミアリーグでプレーするセカンドチームのペラFC II4名がに配置される予定ということです。
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 別の報道ではブラジルコンビのレアンドロとカレッカは放出を希望していたものの、条件面でクラブとの合意に至らず、今季の残留が決まったと報じられています。守備的MFのレアンドロ、攻撃的MFのカレッカはいずれもリーグ中断前の第13節までに12試合に出場している主力選手ですが、この2人が残留となったことでペラFCではFWナナ・ポク、DFジャド・ヌールディン、DFゾバイロウ・ガルバの5名の外国籍選手が、残る4選手はペラFC IIでプレーするのではないかと予想されています。それにしてもペラFC IIは外国籍選手なしでスタートしながら、突然4名の外国籍選手を割り振られるなど、数ヶ月前までは給料未払い問題て揺れていたクラブとは思えないような大盤振る舞いです。

JDTオーナーは監督解任の声に対して冷静な対応を求める
 Mリーグ1部スーパーリーグで7連覇中のJDTは、先日終了したAFCチャンピオンズリーグACLでは同組の名古屋グランパスと浦項スティーラーズ(韓国)にそれぞれ2敗、ラーチャブリーFC(タイ)とは1勝1分のグループ3位でノックアウトステージ進出を逃しましたが、ほぼマレーシア代表とも言えるメンバーを揃えながら、この結果に不満を持つ一部サポーターがソーシャルメディア上でベンヤミン・モラ監督の解任を求めている事態について、JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下はモラ監督を擁護しているとブリタハリアンが報じています。
 自身のインスタグラムに投稿したイスマイル殿下は、ACLはJDTにとっては超えるには高い壁だとし、大志を持つことは良いことだが、現実に目を向けない大志はそうではないと述べ、モラ監督を批判するなら、モラ監督を採用した自分を非難するべきだと述べて、サポーターに現実的になることを求めています。
 2019年から連続してMリーグの唯一の代表としてACLに参戦できていることは名誉であるとも述べたイスマイル殿下は、JDTのレベルはACLのレベルには達していないと述べる一方で、2019年には鹿島アントラーズを、2020年には水原三星ブルーウィングス (韓国)を破ったことは事実だとして、今後もクラブのレベルアップを図っていくことをサポーターに約束しています。

7月8日のニュース:ACL予選G組マッチデー6-JDTはスコアレスドローでACL終了、名古屋は浦項と引き分けもベスト16進出決定

ACL予選G組マッチデー6-JDTはスコアレスドローでACL終了
 AFCチャンピオンズリーグ予選G組は最終日のマッチデー6となり、予選3位のJDTは4位のラーチャブリーFCとG組の3位と4位を賭けて対戦しました。
 激闘の名古屋戦から先発8名を入れ替えたJDTは、開始7分にサフィク・ラヒムがラーチャブリーGKカンポン・ファトマッカックルと1対1となるチャンスを得ながらシュートがゴールの枠を捉えられず先制機を逃します。
 JDTは37分には守備のキーマンDFマウリシオがケガで交代し、守勢に回るかと思われましたが、前戦の浦項スティーラーズ戦でのラーチャブリーの戦いぶりをベンヤミン・モラ監督が「勝とうとはせず、負けないような試合運びをした」と評したように、この試合でもラーチャブリーは自陣深くで守りカウンターを狙う戦術を選択しました。前半終盤には、ラーチャブリーが攻撃に転じる場面もありましたが、決め手を描く両チームはいずれもゴールを割れず0-0で前半を終了します。
 後半に入ると途中交代のモハマドゥ・スマレ、アキヤ・ラシドらがラーチャブリーゴールを狙いますが、ゴール前を固めるらーチャブリー守備陣の壁を破れないまま時間が過ぎ、結局、フラストレーションの溜まる試合はこのまま終了し、JDTの今季ACL最終戦はスコアレスドローに終わりました。
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 昨季、JDTがいたACL予選G組は新型コロナウィルス感染拡大により中断を挟んでカタールのドーハで集中開催となりましたが、当時、マレーシア政府が不要不急の海外渡航を認めていなかったことからJDTは途中棄権となりました。今回、満を辞してACLに臨んだJDTでしたが、国内リーグ得点王のベルグソン・ダ・シルヴァが6試合で無得点に終わり、不調のサファウィ・ラシドは先発どころか最終戦はベンチ入りすらせず、また、ラヴェル・コービン=オングがケガで2試合の出場に終わるなど思うような試合運びができず、2年ぶりのACL挑戦は今回も残念な結果に終わりました。

FCチャンピオンズリーグ2021予選G組マッチデー6
2021年7月7日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
JDT 0-0 ラーチャブリーFC
得点者:なし
(下は両チームの先発XI-JDTとらーチャブリーFCのFacebookより)


 G組のもう1試合は既にベスト16進出を決めている予選G組首位の名古屋グランパスが2位の浦項スティーラーズと対戦し、こちらの試合も先制した名古屋に浦項が試合終了間際に追いつき、1-1と引き分けに終わっています。
FCチャンピオンズリーグ2021予選G組マッチデー6
2021年7月7日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
浦項スティーラーズ 1-1 名古屋グランパス
得点者:名古屋-前田直輝(51分)、浦項-ボリス・タシティー(88分)
(下は両チームの先発XI-ラーチャブリーと浦項のFacebookより)


ACL予選G組順位(マッチデー5終了時点)

TeamGWDLGFGAGDP
1名古屋65101321116
2浦項632195411
3JDT611439-64
4ラーチャブリー6024010-102
P-試合数、W-勝利、D-引分、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点

7月6日のニュース:AFCカップ東南アジアゾーンは中止に、未払い給料完済が来季のクラブライセンス発給の条件-MFL

AFCカップ東南アジア地区は中止に
 アジアサッカー連盟AFCは公式サイト上で、新型コロナウィルス感染拡大により開催できないAFCカップ予選については中止とすることを発表しています。
 AFCの大会運営委員会は会合を開き、AFCが主催するAFCチャンピオンズリーグACLとAFCカップの日程及びフォーマット変更を発表し、ACL西地区は10月16日と19日に、東地区は10月17日と20日にそれぞれ準々決勝と準決勝を行うことや、決勝も従来のホームアンドアウェイ方式から1試合方式に変更して11月22日に開催することを発表しています。なお、決勝の会場は西地区に所属する各国サッカー協会からの立候補を求めるとしています。
 またAFCカップについては、既に予選が行われている組はそのまま予定通り開催する一方で、現在も集中開催地が未定の予選組は中止が決定されています。具体的には東南アジア(アセアン)地区の予選H組とI組だけがいまだ試合を行えていないことから、アセアン地区の予選の中止が決定したことになります。昨季Mリーグ2位のクダ・ダルル・アマンFCと3位のトレンガヌFCはそれぞれ、AFCカップの予選H組とI組で予選を戦う予定でしたが、集中開催地として当初、立候補していたシンガポールが新規感染者数の拡大により開催地を返上し、その後は開催地が決まっていませんでした。
 今回の発表では、この他に来季2022年のACL、AFCカップとも今季同様に、予選は集中開催、ノックアウトステージは決勝まで全試合が1試合の試合フォーマットで行われることも明らかにされています。

未払い給料の完済来季のクラブライセンス発給の条件-MFL
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは未払い給料問題を抱えるMリーグクラブに対し、速やかに問題が解決されない場合、来季2022年シーズンのクラブライセンスを発給しないとしています。
 現在Mリーグは来季のクラブライセンス申請期間中ということでが、MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは「MFLは給料未払い問題解決に真剣に取り組んでいる。例えば給料未払い問題が発覚したペラFCに対しては、問題が解決されなければ今年2度目のトランスファーウィンドウ期間の新規選手獲得を禁じる警告を出したが、これに対してペラFCは直ちに未払い給料を支払った。Mリーグクラブの民営化が行われた現在は、(従来の州サッカー協会ではなく)各クラブ自体が未払い給料を支払う義務を負っているが、民営化が実現したことにより未払い給料問題の件数は例年より少なくなっている。」と話しています。
 また来季のクラブライセンスについては、合計18クラブがMリーグでプレーするためのクラブライセンスを申請中であると述べたアブドル・ガニCEOは、その内、JDT、マラッカ・ユナイテッドFC、PJシティFC、ペラFC、クダ・ダルル・アマンFC、スランゴールFC、ペナンFC、トレンガヌFC、UITM FC、KLシティFC(以上Mリーグ1部)とサラワク・ユナイテッドFC(Mリーグ2部)の11クラブがAFCライセンスも併せて申請していることも明らかにしています。
 ただしサラワク・ユナイテッドFCは2ヶ月分の給料未払いが発生しているとして、来季のクラブライセンス発給のためには8月末までにこの問題を解決する必要があると記事では述べられています。
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 現段階で18クラブが来季のMリーグクラブライセンスを申請していると記事には書かれていますが、現在のMリーグは1部と2部を合わせると24チームで構成されています。その内、JDT、トレンガヌ、スランゴール、ペラは2部でセカンドチームがプレーしており、また今季は数合わせ的にMSN -FAMプロジェクトチームが2部に参加していることから、Mリーグ1部と2部は実質的には19クラブとなっています。となるとこの19クラブの内、1クラブだけが未だ来季のクラブライセンス申請を行っていないことになります。

 

7月5日のニュース:ACL予選G組マッチデー5-JDTは名古屋の無失点記録を破るも惜敗、ラーチャブリーは浦項と引分でACL初勝点獲得

ACL予選G組マッチデー5-JDTは名古屋の無失点記録を破るも惜敗
 前戦の浦項戦からラヴェル・コービン=オング以外の先発メンバー10名を入れ替えたJDTは開始3分でこの予選初先発となったアダム・ノー・アズリンが、これをマテウスが決め、名古屋が先制します。その後もJDTは落ち着く間も無く名古屋の連続攻撃にさらされ、致命的なチャンスを何度も逃した後、28分には阿部浩之がペナルティーエリアの外から文字通り美しいシュートを決めた名古屋がリードを2点に広げます。
 しかしJDTは守勢に回ることなく、積極的に攻め続けた42分、ペナルティーエリアの外からラヴェル・コービン=オングが放ったシュートは名古屋GKミッチェル・ランゲラックがパンチングで逃れるも、それに詰めていたラマダン・サイフラーがこぼれ球を押し込み、ここまで無失点の名古屋からゴールを奪ったJDTが1点差に迫ります。
 1−2で始まった後半は、開始からペースを上げた名古屋が攻め込むも、そこを持ち堪えたJDTも徐々に攻撃のリズムを掴み始め、62分にはハズワン・バクリがシュートを放つもゴールポストに阻まれます。その後は名古屋、JDTともチャンスを作りながらゴールに至らず後半は両チーム無得点となり、1-2でJDTが名古屋に敗れています。
 なお、この試合の結果、名古屋は勝点15となり、この前の試合でラーチャブリーFCと引き分けて勝点10となった浦項スティーラーズとの最終戦の結果に関わらず予選G組の1位突破とノックアウトステージとなるベスト16進出が決まりました。
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 警告累積などで先発XIを大きく入れ替え、Mリーグ1部では出場のなかったGKハジック・ナズリ、同じくリーグでは先発1試合のラマダン・サイフラーなど明らかに「メンツ落ち」かと思えた面々が、ここまでの5試合では最も見応えのある試合を演出しました。それでも名古屋の堅守に攻めあぐねてボール回しに終始する場面もあり、素人考えではギリェルメ・デ・パウラを投入して「高さ」というカードを切れば膠着した試合展開に変化を与えられたかも、という印象は残りました。
 いずれにせよ今日のJDTはここまでの5試合で名古屋に最も冷や汗を欠かせたチームであったのは事実なので、最終戦のラーチャブリーFC戦には高いモチベーションんで臨めるのではないでしょうか。

FCチャンピオンズリーグ2021予選G組マッチデー5
2021年7月4日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
名古屋グランパス 2-1 JDT
得点者:名古屋-マテウス(4分PK)、阿部浩之(28分)、JDT-ラマダン・サイフラー(42分)
(下は両チームの先発XI-名古屋のインスタグラムとJDTのFacebookより)

 G組のもう1試合はここまで4連敗だったラーチャブリーFCが浦項スティーラーズと引き分けてクラブ史上初のACL勝点を獲得しています。一方の浦項にボールポゼッションでは67%とラーチャブリーFCを圧倒しながら得点できず、この引き分けで2位でのグループリーグ突破が難しくなりました。
FCチャンピオンズリーグ2021予選G組マッチデー5
2021年7月4日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
ラーチャブリーFC 0-0 浦項スティーラーズ
得点者:なし
(下は両チームの先発XI-ラーチャブリーと浦項のFacebookより)


ACL予選G組順位(マッチデー5終了時点)

TeamGWDLGFGAGDP
1名古屋55001311115
2浦項531184410
3JDT510439-63
4ラーチャブリー5014010-101
P-試合数、W-勝利、D-引分、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点

ACL予選G組の日程(会場はいずれもラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク、試合は1試合目が午後6時、2試合目が午後10時キックオフ-いずれもマレーシア時間)
7月7日(水)マッチデー6
浦項-名古屋、ラーチャブリー-JDT

7月2日のニュース:ACL予選G組-JDTは浦項に雪辱ならず、名古屋は4試合連続完封勝ち

ACL予選G組-JDTは浦項に雪辱ならず
 AFCチャンピオンズリーグ予選G組はこの日から後半戦となるマッチデー4の2試合が行われました。集中開催の会場となっているバンコクのラジャマンガラスタジアムでは連日2試合が行われますが、初めて1試合目に登場したJDTは3日前に対戦し1-4と敗れている浦項スティーラーズと対戦しました。
 JDTは開幕戦での負傷からラヴェル・コービン=オングが先発に復帰した一方、警告累積により出場停止となったDFマウリシオとMFレアンドロ・ヴァレスケスの両外国籍選手を欠く布陣で臨みました。
 試合開始早々ボリス・タシティがシュートを放つなど浦項優勢で始まった試合でしたが、それでもJDTは16分に敵ペナルティーエリアの外でPKを得ます。2試合ぶりの先発となったサファウィ・ラシドが得意とする位置からのキックでしたが、これがゴールポストに当たりJDTは絶好の先制機を逃します。その後は再び浦項ペースで試合が進み、33分にはイ・ソンモ、37分にはカン・サンウのゴールで浦項がリードして前半が終了します。いずれのゴールもJDT守備陣が浦項の選手に寄り切れず、完全に振り切られてのゴールで、両チームとも10日間で4試合目となるこの試合はコンディションの面では浦項がJDTを圧倒している様子が明らかでした。また、前半終了間際にはゴールにはならなかったもののカン・サンウからのクロスにイ・ソンモが反応するなど、JDTは防戦一方でした。
 後半に入っても浦項が攻勢のまま試合は進みますが、浦項攻撃陣のシュートの精度の低さに助けられてJDTは2失点で済んだ格好です。浦項のシュート数14(内オンターゲット4)に対し、JDTの攻撃はヴァレスケス不在が大きく影響してシュート数4(オンターゲットなし)と完全に封じられ、勝てる要素が全くない試合でした。
 JDTの主力は代表のW杯予選から連戦が続いている点を考慮しても、格下のチームが格上のチームにフィジカルで負けていてはそもそも話にならず、この敗戦でACL予選突破は来年以降に持ち越しとなりました。

AFCチャンピオンズリーグ2021予選G組マッチデー4
2021年7月1日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
JDT 0-2 浦項スティーラーズ
得点者:浦項-イ・ソンモ(33分)、カン・サンウ(37分)
(下は両チームの先発XI-JDTと浦項のFacebookより)
*この試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeより

 G組のもう1試合は名古屋が山崎凌吾選手のハットトリックを含む4ゴールで3連勝しています。敗れたラーチャブリーは勝ち星なしの3連敗となっています。
2021年7月1日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
名古屋 3-0 ラーチャブリー・ミトポンFC
得点者:名古屋-マテウス(50分)、柿谷曜一朗(73分)、山崎凌吾(79分)
*この試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeより

ACL予選G組順位(マッチデー4終了時点)

TeamGWDLGFGAGDP
1名古屋44001101112
2浦項43018449
3JDT410327-53
4ラーチャブリー4004010-100
P-試合数、W-勝利、D-引分、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点

ACL予選G組の日程(会場はいずれもラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク、試合は1試合目が午後6時、2試合目が午後10時キックオフ-いずれもマレーシア時間)
7月4日(日)
ラーチャブリー-浦項、名古屋-JDT
7月7日(水)
浦項-名古屋、ラーチャブリー-JDT