6月29日のニュース:ACL予選G組-JDTは3PK献上で自滅、名古屋は3試合連続完封勝

ACL予選G組-JDTは3PK献上で自滅
 JDTは初勝利を挙げたラーチャブリーFC戦からFWアキヤ・ラシドに代えてMFアフィク・アザイルを起用し、システムを4-3-3から4-1−4-1に変更し、ナチョ・インサを司令塔に、前戦でも攻撃に絡むことが多かったサフィク・ラヒムがより攻撃参加できる布陣で臨みましたが、その布陣が功を奏し、試合開始から格上の浦項にも守勢に回ることなく互角に渡り合いました。
 先制したのはJDTでした。17分にペナルティーエリア手前からレアンドロ・ベラスケスが放ったシュートが浦項ディフェンダーに当たって角度が変わり、GKカン・ヒョンムが反応できないまま浦項ゴールに吸い込まれ、JDTがリードします。
 しかしその10分後、左サイドからペナルティーエリアに切り込んできたコ・ヤングヨンをベラスケスが倒して浦項がPKを獲得、これをボリス・タシチーが決めて浦項が同点に追いつきます。さらに35分にはペナルティーエリア内でマウリシオが「フライング」タックルでマリオ・クヴェシッチを倒して再びPKを浦項に与え2失点目となりました。なおこの悪質な反則によりマウリシオにはイエローカードも出され、マウリシオは警告累積により次戦の出場停止が決まりました。なおオーストラリアのショーン・エバンス主審は前半だけでJDTに4枚のイエローカードを出すなどややイエローカード出し過ぎのきらいがある審判でした。
 浦項1点リードで折り返した後半は、試合開始から降る雨とこの日2試合目ということで、ピッチコンディションも悪化、早く同点に追いつきたいJDTは浦項ゴールに迫り、何度かチャンスを得るもベルグソン・ダ・シルヴァがいずれのチャンスも決めきれず、逆に浦項はオフィサイドと判断して足が止まったJDT守備陣を交わして82分にゴール、その後も焦るJDTは少しずつ「荒い」プレーが見られるようになり、ロスタイムにはマシュー・デイヴィーズがアレックス・グラントをまたもペナルティーエリアで倒し、この試合3度目のPKを与えて万事休すとなり、JDTは1-4で浦項に敗れています。
*****
 同じカードは7月1日に組まれていますが、この試合でイエローをもらった守備の要マウリシオとアリフ・アイマンが次戦は警告累積により出場停止となりました。またこの試合でも初戦で途中交代したラヴェル・コービン=オングはベンチしておらず、ベストメンバーとは程遠い布陣で浦項と再戦する事になります。

AFCチャンピオンズリーグ2021予選G組マッチデー3
2021年6月28日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
浦項スティーラーズ 4-1 JDT
得点者:JDT-レアンドロ・ヴァレスケス(17分)、浦項:ボリス・タシチー(27分PK)、カン・サンウ(35分PK)、クワン・ギピョ(82分)、イム・サンヒュブ(90+1分PK)
(下は両チームの先発XI-JDTと浦項のFacebookより)
*この試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeより

 G組のもう1試合は2戦2勝の名古屋が山崎凌吾選手のハットトリックを含む4ゴールで3連勝しています。敗れたラーチャブリーは勝ち星なしの3連敗となっています。
2021年6月28日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
ラーチャブリー・ミトポンFC 0-4 名古屋
得点者:名古屋-山崎凌吾3(26分、31分、46分)、斉藤学(65分)
*この試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeより

ACL予選G組順位(マッチデー3終了時点)

TeamGWDLGFGAGDP
1名古屋33008089
2浦項32016426
3JDT310225-33
4ラーチャブリー300307-70
P-試合数、W-勝利、D-引分、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点

ACL予選G組の日程(会場はいずれもラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク、試合は1試合目が午後6時、2試合目が午後10時キックオフ-いずれもマレーシア時間)
7月1日(木)
JDT-浦項、名古屋-ラーチャブリー
7月4日(日)
ラーチャブリー-浦項、名古屋-JDT
7月7日(水)
浦項-名古屋、ラーチャブリー-JDT

6月26日のニュース:ACL予選G組-JDTはラーチャブリー戦勝利で1勝1敗のタイに、名古屋は浦項を下して2連勝

ACL予選G組-JDTはラーチャブリー戦勝利で1勝1敗のタイに
 AFCチャンピオンズリーグACL予選G組はマッチデー2の2試合が行われ、JDTはラーチャブリー・ミトポンFCと対戦し1-0で予選初白星を挙げ、通算成績を1勝1敗としています。
 いずれも初戦で敗れている両チームの対戦となったこの試合は、初戦と同じメンバーで臨んだラーチャブリーに対し、初戦の先発メンバーからサファウィ・ラシド、ラベル・コービン=オング、アフィック・ファザイル、S・クナランの4名を入れ替えて臨んだJDTが、試合開始から積極的に仕掛けます。
 名古屋戦ではロスタイムのゴールが無効となるなどフラストレーションが溜まる試合となったJDTのエース、ベルグソン・ダ・シルヴァは27分にペナルティーエリア内で倒されPKを得ますが、自らが蹴ったPKもはラーチャブリーGKカンポン・パトマッカックルに止められるなど、この試合もフラストレーションが溜まる試合でしたが、その一方で今季はトップチームどころかセカンドチームでも試合出場がなかったアズリフ・ナスルルハクのサプライズ起用を筆頭に、サフィク・ラヒムやマシュー・デイヴィーズ、アキヤ・ラシドら予選初先発となった選手がベンヤミン・モラ監督の期待に応えるようにゴールに迫ります。しかしこの試合では度々好セーブを見せた絶好調のGKパトマッカックル、そしてJDT攻撃陣のフィニッシュの質の低さから両チームとも無得点で終了します。
 後半に入るとサファウィ・ラシドを押しのけて本来の右ウイングで先発したアリフ・アイマンがドリブルで持ち込み、これがベルグソンァからゴールを背にしたレアンドロ・ヴェラスケスに渡り、ベラスケスが振り向きざまに放ったシュートが決まり、JDTが47分に先制します。このゴールを境にラーチャブリーのテンポが上がり、JDT陣内までボールを運ばれるものの、マウリシオとシェーン・ローリーの両センターバックが決定機を作らせません。その後、JDTは再三チャンスを得るものの得点には至らず、ロスタイムの絶好機もサファウィ・ラシドのシュートが外れ、1-0のまま試合終了。シュート数で7-23(内オンターゲットは1-7)と相手を圧倒しながらも快勝とはいえない勝利でJDTが勝点3を獲得し、この日が誕生日だったベンヤミン・モラ監督へ勝利をプレゼントしました。この試合の結果、JDTは得失差で浦項を抜いて予選G組の2位に浮上しています。
*****
 名古屋戦では最後は足をひきづっていたラヴェル・コービン=オングがこの日はベンチから外れました。代わりに入ってアズリフ・ナスルルハクは守備面では必要最低限の仕事をしたものの、コービン=オングほどの攻撃参加はできず、多くのチャンスがありながら結局、1得点で終わったことからもその存在の沖さが改めて感じられました。また勝利したとは言え、エースのベルグソンも2戦連続で不発と次戦の浦項戦に向けて攻撃陣に不安も残ります。1点差のまま試合が進んだことで、シェーン・ローリー、マウリシオのセンターバックコンビとナチョ・インサは交代させることもできず、この予選G組で2位を狙うための重要な次戦の浦項戦での、この3選手の疲労度が心配です。

AFCチャンピオンズリーグ2021予選G組マッチデー2
2021年6月25日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
ラーチャブリー・ミトポンFC 0-1 JDT
得点者:JDT-レアンドロ・ヴァレスケス(47分)
(下は両チームの先発XI-ラーチャブリーとJDTのFacebookより)
*この試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeより

 なおこの試合に先立って行われた予選G組のもう1試合は名古屋グランパスが浦項スティーラーズ(韓国)を3-0で破っています。
2021年6月25日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
名古屋グランパス 3-0 浦項スティーラーズ
得点者:名古屋-柿谷 曜一朗(34分)、マテウス2(65分PK、82分)
*この試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeより

ACL予選G組順位(マッチデー2終了時点)

TeamGWDLGFGAGDP
1名古屋22004046
2JDT21011103
3浦項210123-13
4ラーチャブリー200203-30
P-試合数、W-勝利、D-引分、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点

ACL予選G組の日程(会場はいずれもラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク、試合は1試合目が午後6時、2試合目が午後10時キックオフ-いずれもマレーシア時間)
6月28日(月)
ラーチャブリー-名古屋、浦項-JDT
7月1日(木)
JDT-浦項、名古屋-ラーチャブリー
7月4日(日)
ラーチャブリー-浦項、名古屋-JDT
7月7日(水)
浦項-名古屋、ラーチャブリー-JDT

6月23日のニュース:ACL予選G組-JDTは名古屋に惜敗

 今季2021年AFCチャンピオンズリーグ東地区予選がいよいよ始まりました。JDTはバンコクで開催される予選G組で名古屋グランパス、浦項スティーラーズ(韓国)、ラーチャブリー・ミトポンFCと同組になっています。集中開催ということで19日間で6試合という強行日程、しかも同じ試合会場ということで、疲労やピッチコンディションなどホームアンドアウェイ方式とは異なる要因も勝敗に影響を及ぼす可能性があります。

ACL予選G組-JDTは名古屋に惜敗
 AFCチャンピオンズリーグACL予選が開幕し、バンコクで集中開催となった予選G組は2試合が行われました。Mリーグ7連覇中のJDTは名古屋グランパスと対戦し0-1で敗れ、黒星スタートとなりました。
 外国籍選手登録枠の都合からFWゴンザロ・カブレラでなくDFシェーン・ローリーを登録するなど守備重視の布陣で臨んだJDTは、その守備が機能し、また試合会場となったラジャマンガラスタジアムは前の試合の影響でピッチ状態が悪かったこともあり、前半は名古屋が優勢に試合を進めながらも0-0で終了します。後半に入ると名古屋はさらに攻撃のペースを上げ、JDTは守勢に回りますがそれでも何とか持ちこたえ続けたものの60分に阿部浩之選手のゴールで名古屋が先制します。JDT守備陣がオフサイドと判断して足が止まった隙をついたゴールでした。ここから選手交代で守備を固めた名古屋に対し、JDTはボールは保持できるものの、この試合はコーナーキック0というデーターが物語る通りアタッキングサードまで持ち込ませてもらえず、このまま終了かと思われたロスタイムにJDTはマシュー・デイヴィーズからのクロスにベルグソン・ダ・シルヴァが頭で合わせて同点ゴール!しかしこれはベルグソン選手が木本恭生を押し倒した反則によりゴールと認められませんでした。結局、試合はこのまま終了し、JDTは3季連続ACL初戦黒星となりました。
*****
 攻守の要として安定のプレーを披露していたラヴェル・コービン=オングが試合中に受けたタックルで動きがわるくなったところを名古屋のマテウスがドリブルで持ち込み、それがゴールにつながりました。その後もコービン=オング選手は足を引きずる場面も見られるなど動きが悪く、次戦以降の出場が気になるところです。
 またテレビの解説者が指摘していましたが、ベルグソン選手の幻の同点ゴールはその直前に木本選手がベルグソン選手のシャツを引っ張っており、ベルグソン選手が木本選手を押し倒さず、引っ張られたまま倒れてしまえばむしろJDTがPKを獲得できた可能性があります。この辺りもMリーグでは経験できない駆け引きだったかもしれません。しかし少なくとも守備では名古屋と十分に渡り合えることを示したJDTは、攻撃陣の奮起が期待されます。

AFCチャンピオンズリーグ2021予選G組マッチデー1
2021年6月22日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
JDT(マレーシア) 0-1 名古屋グランパス
得点者:名古屋-阿部浩之(60分)
*試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeチャンネルより
(下は両チームの先発XI-JDTのFacebookと名古屋のツイッターより)

 なおこの試合に先立って行われた予選G組のもう1試合は浦項スティーラーズ(韓国)がラーチャブリー・ミトポンFC (タイ)を2-0で破っています。
2021年6月22日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
浦項スティーラーズ(韓国)2-0 ラーチャブリー・ミトポンFC (タイ)
得点者:浦項-ボリス・タシチー(11分)、リム・サンヒュブ(80分)
試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeチャンネルより

ACL予選G組順位(マッチデー1終了時点)

TeamWDLGFGAGDP
1浦項11002023
2名古屋11001013
3JDT100101-10
4ラーチャブリー100102-20
P-試合数、W-勝利、D-引分、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点

ACL予選G組の日程(会場はいずれもラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク、試合は1試合目が午後6時、2試合目が午後10時キックオフ-いずれもマレーシア時間)
6月25日(金)
名古屋-浦項、JDT-ラーチャブリー
6月28日(月)
ラーチャブリー-名古屋、浦項-JDT
7月1日(木)
JDT-浦項、名古屋-ラーチャブリー
7月4日(日)
ラーチャブリー-浦項、名古屋-JDT
7月7日(水)
浦項-名古屋、ラーチャブリー-JDT

6月19日のニュース:FAM会長-JDTオーナーによる自身の代表チームマネージャー就任提案は慎重に検討、サファウィ・ラシドがタイ戦ゴール後のパフォーマンスについて謝罪、JDTがACL登録メンバーを発表

FAM会長-JDTオーナーによる自身の代表チームマネージャー就任提案は慎重に検討
 Mリーグ1部JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が自身をマレーシア代表チームのマネージャーとするよう提案した件について、マレーシアサッカー協会FAMが正式に声明を発表しタコとを、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 FAMのハミディン・アミン会長は前FAM会長でもあるイスマイル殿下の提案については、FAMの内規に沿って検討したいという声明を発表しています。イスマイル殿下は代表チームに最善の練習環境と最善のコーチングスタッフをできるとして、自身を代表チームのマネージャーにするよう、ハミディンFAM会長に宛てたメッセージを6月14日に自身のインスタグラムに投稿しています。
 またハミディン会長は、今回のW杯予選で不振を極め各方面から批判的な意見が出ている帰化選手について、FAM内の帰化選手プログラム委員会、技術委員会、そしてテクニカルディレクターのオン・キムスイ氏の間で帰化選手プログラムの効果についての検証を行うよう、事務局長に指示を出したことも明らかにしています。
 ハミディン会長はこの他、代表チーム運営委員会に今回のW杯予選に関する最終報告書と既に出場が決定しているAFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選への準備計画が提出されるのを待って、その詳細をFAMの理事会で検討する予定であると述べています。

サファウィ・ラシドがタイ戦ゴール後のパフォーマンスについて謝罪
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ20223年大会予選G組最終戦となったタイ戦で決勝ゴールを決めたサファウィ・ラシド(JDT)が得点後のパフォーマンスついて謝罪していると、ブルナマが報じています。
 タイを破り予選G組でマレーシアの3位とアジアカップ3次予選進出を確定させたこのゴールの後、サファウィ選手はやはりこの予選でゴールを決めていたギリェルメ・デ・パウラと喜びを爆発させた後、キーボードを打つようなジェスチャーの後に口に人差し指を当てて黙るようなポーズをスタンドに向かってしていました。
 予選通算3得点を挙げたサファウィ選手ですが、アラブ首長国連邦でのW杯予選では不調を極めたことから、一部ファンからはこのパフォーマンスについて「やり過ぎ」という声が上がっていました。
 サファウィ選手は自身のゴールパフォーマンスを不快に思ったサポーター対して、同じようなことは2度と繰り返さないようにすると謝罪しています。
*****
 今回のW杯アジア2次予選中、この試合で初めて先発を外れたサファウィ選手は、デ・パウラ選手とともに主力選手として期待されていた分だけ、その期待以下のプレーによって他の選手以上に連日、激しい批判にさらされていました。そんなストレスがかかる中でのこの試合でのゴールは喜びも大きかったと思いますし、ゴールパフォーマンスも個人的には理解できます。時には理不尽とも言えるような批判を受けてもで常に結果を出すことがサファウィ選手には求められていくと思いますが、それに応えていけるようになれば名実ともに代表のエースとなれると思います。

JDTがACL登録メンバーを発表
 6月22日からタイのバンコクで開催されるAFCチャンピオンズリーグ予選に出場するMリーグ1部JDTが登録メンバー30名を公式Facebookで発表しています。
 Mリーグ1部は5名の外国籍選手(内1名はAFC枠、1名はアセアン東南アジア枠)が登録可能ですが、ACLでは外国籍選手の登録は4名であることから、守備を強化するためにFWゴンザロ・カブレラが外れたことを、JDTのベンヤミン・モラ監督が別の投稿で説明しています。
 今回のACLでJDTは外国籍選手として現在リーグ得点王でブラジル出身のFWベルグソン・ダ・シルヴァ、同じブラジル出身のDFマウリシオ、アルゼンチン出身のMFレアンドロ・ヴァレスケス、そして新たに獲得したオーストラリア出身のDFシェイン・ローリーの4名を登録しています。またマレーシア人選手では、先日終了したW杯予選に参加したサファウィ・ラシド、ギリェルメ・デ・パウラ、モハマドゥ・スマレ、アキヤ・ラシド、シャフィク・アフマド、アリフ・アイマンのFW陣、シャマー・クティ・アッバ、ナズミ・ファイズのMF陣、そしてラヴェル・コービン=オング、マシュー・デイヴィーズ、アダム・ノー・アズリン、アイディル・ザフアンのDF陣、そしてGKファリザル・マーリアスの13名がアラブ首長国連邦のドバイから直接、バンコク入りした他、に加え、JDT IIからMFチア・ルオハン(20)、DFフィルダウス・ラムリ(19)、DFフェロズ・バハルディン(21)の若手選手も登録されています。
 JDTは予選G組で、名古屋グランパス、浦項スティーラーズ(韓国)、ラーチャブリー・ミトポンFC (タイ)と対戦します。
(以下はJDTのACL登録メンバー-JDTのFacebookより)

4月27日のニュース:本田圭佑選手にスランゴール入りの噂、FAMは選手が審判に「触れる」ことは容認、クダとトレンガヌが出場するAFCカップの日程が変更

本田圭佑選手にスランゴール入りの噂
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロによると、現在、アゼルバイジャン1部リーグのネフチ・バクーPFCの退団が濃厚とされている元日本代表の本田圭佑選手にMリーグ1部のスランゴールFCが獲得オファーを出しているようです。
 今期は残り4試合を残しているネフチ・バクーPFCですが、アゼルバイジャンのメディア「スポーツインフォ」によると、34歳の本田選手はスランゴールFCからのオファーを検討中という事です。
*****
 配信された記事は短いもので、このニュース自体の信憑性は定かではありません。本田選手を獲得すれば、近年はJDTの後塵を拝しているかつての王者スランゴールにとっては集客、そしてメディアの注目という点で大いにプラスですが、現在、若手に切り替えつつあるチーム編成を考えると、本田選手にが加入することはむしろマイナスではないのかなという印象です。
 個人的には育てながら勝ちを目指しているのが今季のスランゴールだと思っていますが、トップチームで試合に出場し、そこで様々なことを学んだ20歳前後の若い選手たちが来季は主力になったとき、本田選手自身の持つ経験で足りないものを補ってもらえれば、単なる客寄せ目的以上の貢献をしてもらえるように思います。
FAMは選手が審判に「触れる」ことは容認
 今季のMリーグでは判定に不満を持った選手が審判を押したり、小突いたりする事例が複数件あり、それに対する審判の反応も何のお咎めなしから一発退場までと様々なことから、その裁定基準が統一されていないことが度々疑問視されてきました。
 これについてマレーシアサッカー協会FAMの審判委員会が会合を開き、S・シヴァサンダラム審判委員長は、委員会としての統一見解はなく、個々のケースによるという非常に「グレー」な見解を発表しています。
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によると、シヴァサンダラム審判委員長は選手が無条件で審判に触れることを認めるわけではなく、注意を引こうとしたり、何かを説明しようとする場合に審判に触れるのは許されると話しています。「もし選手が審判に触れる度に審判がイエローカードを与えれば、試合は面白く無くなるだろう。」と述べたシヴァサンダラム審判委員長はその一方で、審判に対してはフィールド上では自身の解釈に基づいてのみ判断するべきではないが、審判にも状況に基づいた判定を下すことを認めるというなんともグレーで無責任なコメントをしています。
*****
 野球出身の筆者から見れば、理由の如何に関わらず審判に「触れる」ことは言語道断なことですが、サッカーはそういうことではないのですね。選手が試合中に冷静に審判に接触しようとするとは個人的には思えませんが、この新型コロナウィルス蔓延の中では、どんな理由であれ審判は触れて欲しくないでしょう。

クダとトレンガヌが出場するAFCカップの日程が変更
 アジアサッカー連盟AFCはAFCカップのアセアン東南アジアゾーンの日程変更を公式サイトで発表しています。
 集中開催で行われる予選各組は6月22日から28日までの日程で開催予定でしたが、クダ・ダルル・アマンが所属するG組は6月29日から7月5日まで、またトレンガヌが所属するI組は6月30日から7月6日へと変更になっています。なお今回の日程変更はAFCチャンピオンズリーグの東地区プレーオフの日程が6月22日と変更になったことが理由に挙げられています。
 昨季のMリーグ2位チームとしてAFCカップに出場するクダが所属するG組は、クダに加えてライオンシティー・セイラーズFC(シンガポール)、サイゴンFC(ベトナム)、そしてプレーオフの勝者で構成されており、試合はシンガポールの国立スタジアムで集中開催される予定になっています。
 一方のトレンガヌはゲイラン・インターナショナルFC(シンガポール)、カヤFC-イロイロ(フィリピン)、シャン・ユナイテッドFC(ミャンマー)と同組でしたが、国内情勢が不安定なことからシャン・ユナイテッドFCが出場を辞退しています。代わりの候補として2019年国内リーグ3位のプルシプラ・ジャヤプラ(インドネシア、インドネシア1部リーグの2020年シーズンは中止になったため。)の名前が上がっていますが、AFCの公式AFCカップページにはまだ記載されていません。

4月9日のニュース:ペラFC関連3題-MFLは給料未払いの報告は受けていない、ペラ州首相は州政府への批判を筋違いと指摘、ペラFCは未払い給料支援対価にクラブ株式を譲渡、サバFCでも給料未払い発生で選手が練習をボイコットか、タイリーグ-エルドストールのゴールでチョンブリーFCはFAカップ決勝進出

MFL-ペラFCの給料未払いの報告は受けていない
 英字紙スターのT・アヴィネシュワラン記者がペラFCの給料未払いが数ヶ月に及んでおり、選手たちに声を上げるべきとTwitterで明らかにしたことは、このブログでも取り上げましたが、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、ペラFCの給料未払いについての報告は受けていない述べていると英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 過去3年間はMリーグ1部スーパーリーグで2位、5位、4位、カップ戦でも2018年はマレーシアカップ優勝、2019年にはFAカップ準優勝と安定した成績を残してきたペラFCは今季も上位を狙うチームと予想されましたが、開幕前にはメフメト・ドゥラコヴィッチ監督が突然辞任、そしてチームは第7節を終えて8位となっています。
 監督の辞任と給料未払いとで、主力選手の中には移籍を望んでいる選手も複数いるとされているペラFCの現状について、MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは現在は来年2022年のクラブライセンス交付について各クラブと話し合いを行っている最中であるものの、ペラFCの未払い給料については報告を何も受けていないと話しています。

ペラ州首相は州政府への批判を筋違いと指摘
 上のような記事が出る一方で、ペラ州首相はペラFCの給料未払いについて州政府を非難するのは筋違いであると述べています。
 ペラ州のサアラニ・モハマド州首相はマレーシアの通信社ブルナマに対して、州政府はペラFCの選手への未払い給料分としてこれまでに既に400万リンギ(およそ1億550万円)を支払っていることを明らかにし、ペラ州政府が給料未払い問題に無関心であるというサポーターからの批判の声を否定した上で、州政府を批判するのは間違っていると述べています。
 「ペラFCの運営に州政府が100%の責任を持つことは、州内の他の競技にとっても公平ではない。しかもペラFCは州政府ではなく、ペラ州サッカー協会傘下の団体であり、州政府が給料の保証をする立場にもない。自分はその責任はないが、現在は複数の政府関連企業に対して支援を求めてい最中であり、サポーターは冷静にことの進展を見守って欲しい。」と述べています。
 その上でペラ州政府の資金は州民から集めた税金であり、ペラ州サッカー協会のものではなく、それは最終的には州民に返されるべきものであることも強調しています。

ペラFCは未払い給料支援対価にクラブ株式を譲渡
 ペラFCは騒ぎに紛れて未払い給料問題を抱えていることを公表すると同時に、株式譲渡を条件にしてスポンサーを募り、未払い給料解消を目論んでいるようです。
 ペラFC運営会社のカイルル・シャーリル・モハメド理事は、民間企業も含めて広くスポンサーを募り、チームの株式譲渡と引き換えに未払い給料問題解決の支援を求めたいと、ブルナマに述べています。
 「ペラFCを実際に運営する意思のあるスポンサーを現在も探している。これまでに複数の申し出は受けているが、支援の対価に州内の公有地を求めるなど、我々にとっては不利益が多い申し出であり、その内容も不透明な点があった。未払い給料問題解決を支援してくれるのであればどんな個人、企業で合っても歓迎し、株式を譲渡する事も含めて検討している。」とカイルル・シャーリル理事は話しています。
******
 これまでメディアやSNSなどで噂となりながら、MFLは全く知らないと話しているペラFCの未払い給料問題がこうもあっさりと公になると、むしろMFLのMリーグクラブの管理能力が心配になります。本当に報告を受けていなかったのか、それとも知っていながらしらを切ったのかはさだではないですが、いずれにしてもその対応にはリーグ運営責任者としては不適格なような気がします。

サバFCでも給料未払い発生で選手が練習をボイコットか
 上のペラFCに加え、現在リーグ2位のクダ・ダルル・アマンでも給料未払いが噂されていますが、今度は新たにサバFCでも給料未払いが起こっているようで、昨日4月8日の練習を選手がボイコットしたと複数のメディアが報じています。
 サバFCは昨日午後4時から地元コタキナバルでチーム練習が予定されていましたが、選手や首脳陣の間で激しい議論が戦わされた後、練習が中止となったと報じているのはマレーシア語紙ハリアンメトロ電子版です。
 ハリアンメトロの取材に対し、給料に関する問題で練習が中止になったことを明かした関係者は、明日(4月9日)には未払い分の給料が支払われることが選手には伝えられていたと話す一方で、すでに何度も同様の約束が破られていることから、我慢ができなくなった一部の選手が行動に出たのではないかと話しています。なお、昨日の練習は今週日曜日4月11日にペナンで行われるMリーグ第8節ペナンFC戦前の本拠地での最後の練習だったということです。
 なおサバFCのアフマド・マルズキ チームマネージャーはクラブは本日4月10日に公式声明を発表すると自身のFacebookで告知していますが、サバFCの公式Facebookには1500を超えるコメントが寄せられています。

タイリーグ-エルドストールのゴールでチョンブリーFCはFAカップ決勝進出
 2020/2021年シーズンが終了したタイリーグは、現在、FAカップの試合が行われていますが、4月7日に行われた準決勝で、マレーシア元代表で現在はタイ1部リーグのチョンブリーFCでプレーするジュニオール・エルドストールが決勝ゴールを決めて、チームを決勝戦に導いています。
 リーグでは12位に終わったチョンブリーFCは、同2位のブリーラム・ユナイテッドと対戦し、1-1の同点から58分にペナルティエリアの外でフリーキックを得ました。このフリーキックはブリーラム・ユナイテッドのGKに止められたものの、詰めていたエルドストール選手がそのこぼれ球を冷静に押し込み逆転し、チームはそのまま逃げ切りました。

2021年4月7日 タイFAカップ準決勝@タマサートスタジアム
チョンブリーFC 2-1 ブリーラム・ユナイテッド 
ジュニオール・エルドストールは先発してフル出場し、59分には決勝ゴールを決めています。

(下はこの試合のダイジェスト映像-チョンブリーFCの公式Youtubeチャンネルより)

https://www.youtube.com/watch?v=SiV7R0UDR_I

 チョンブリーFCはもう1試合の準決勝で細貝萌選手のいるバンコク・ユナイテッドを破ったチェンライ・ユナイテッドと今週日曜日4月11日に行われる決勝で対戦します。なお、タイリーグのFAカップ王者には2022年アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグのグループステージ出場権が.与えられるため、エルドストール選手とチョンブリーFCにとってはACL出場権もかかった大一番となります。
 3月の代表合宿はマレーシア政府が渡航者全員に義務付けている検疫隔離の都合から招集されなかったエルドストール選手ですが、チョンブリーFCではレギュラーとして活躍していることから5月に予定されているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選前の代表合宿への招集は間違い無いでしょう。

4月6日のニュース:Mリーグは断食月の試合日程変更を発表-トランスファーウィンドウも2ヶ月前倒しに、FAM-MSNプロジェクトのプレミアリーグ出場続行に関する議論がさらに加熱

Mリーグは断食月の試合日程変更を発表-トランスファーウィンドウも2ヶ月前倒しに
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、4月23日以降のMリーグ1部スーパーリーグと2部プレミアリーグの日程を変更することを公式サイト上で発表しています。
 この日程変更は6月に再開されるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に出場するマレーシア代表合宿と、試合日程が変更になったAFCチャンピオンズリーグACLとAFCカップに出場するMリーグクラブを考慮しての変更ということです。
 マレーシア代表は6月3日にアラブ首長国連邦UAEとの試合を控え、このブログでも既報の通りマレーシアサッカー協会FAMは代表合宿をイスラム教の断食月が明けた5月16日から開催できるよう、MFLにMリーグ日程の変更を求めていました。
 またJDTが出場するACLは集中開催となるグループリーグが当初の4月21日から5月7日から6月21日から7月7日に変更となっています。
 この他、クダ・ダルル・アマンとトレンガヌが出場するAFCカップのグループステージも6月22日から28日の開催が発表されています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOはMリーグ各クラブの代表者とオンラインでの会談を行い、日程の変更を通達済みだということです。
 なお今回の日程変更により、4月13日から始まる予定のイスラム教の断食月の間に1部スーパーリーグの各クラブはは当初の2節(2試合)から5節(5試合)へ、また2部プレミアリーグの各クラブは3節(3試合)から4節(4試合)へ、それぞれ試合数が増えています。
 アブドル・ガニCEOは今回のMリーグ日程の変更により1部スーパーリーグは最終節が8月14日に、2部プレミアリーグの最終節は8月8日となることから、今年2度目のトランスファーウィンドウ期間が当初の7月5日から8月1日からおよそ2ヶ月早まり5月3日から5月30日となることも発表しています。

FAM-MSNプロジェクトのプレミアリーグ出場続行に関する議論がさらに加熱
 Mリーグ2部プレミアリーグに今季初参戦中のFAM-MSNプロジェクトは、マレーシアサッカー協会FAMとマレーシア政府の青年スポーツ省傘下の国家スポーツ評議会が共同運営するエリートアカデミーAMD出身者らで構成されている平均年齢17.23歳と若いチームですが、第6節を終了した時点で0勝0分6敗で得点4、失点20、得失差-16という成績で、先月のリーグ中断期間中にはリーグに残るべきかどうかがメディアやソーシャルメディア上で様々な議論が起こりました。
 そのFAM-MSNプロジェクトが第6節でもJDT IIに0-5と惨敗したことから、このチームの指揮を取るユスリ・チェ・ラー監督がJDT II戦後の記者会見で。短期間でこのチームが成長することは難しいと認めた上で「外野では様々なことが言われていることは承知しているが、このチームが育成目的であることは理解する必要がある。また外国籍選手がいるような(プレミアリーグの他の)クラブと渡り合うことはこのチームの選手にとっては容易なことではない。」とマレーシアの通信社ブルナマに語り、次節のクチンシティ戦では、チームが改善されたパフォーマンスを見せてくれることを期待しているとも話しています。
*****
 これに対し、FAM-MSNプロジェクトのプレミアリーグ参戦が決まった時点から一貫してリーグ参加に否定的な意見を繰り返し述べているのが元エリートアカデミーAMDの責任者でもあったリム・ティオンキム氏です。
 今回の敗戦後にも「FAMが『育成』と呼んで行っている(FAM-MSNプロジェクトのプレミアリーグ参加)行為は完全に間違いである。」とし、リーグ参加自体が無責任な判断であり、FAMのオン・キムスイ テクニカルディレクターはその責任責任を果たすべきであると批判しています。
 リム氏はサッカー選手の育成とは強靭な精神や個性を持った個々の選手を生み出すことであると定義し、FAMが行っているのは単に選手を集めてチームを作っているだけである、と話しています。またこのFAM-MSNプロジェクトの先例として挙げられるハリマウムダ(ヤングタイガーズ、2008年から2012年まで当時のMリーグ2部プレミアリーグに参戦し、2009年にはリーグ制覇したU21代表チーム)については、Mリーグが2009年から2011年までは外国籍選手の出場を認めていなかったことから、対戦チームには外国籍選手がおらず、FAM-MSNプロジェクトとハリマウムダを比較すること自体に無理があると話しています。
 「FAM-MSNプロジェクトの選手が対戦しているのはスピードがある上に体躯に勝り、経験もある国内トップクラスの選手である。ハリマウムダは当時のU21の代表選手を集めて結成されたが、FAM-MSNプロジェクトの選手28名中、FAMが主催する国内トップレベルのU19リーグに出場経験がある選手はわずか6名で、チーム自体が当時のハリマウムダのレベルには達していないが、それはここまでの試合結果を見ても明らかである。育成とは選手に自信を持たせ、他の選手に敬意を払いながらもフィールド上では自分自身で問題を解決する能力を身に付けさせることである。」というコメントを元バイエルン・ミュンエヘンU19チームのアシスタントコーチでもあったリム氏は現在居住しているドイツから発信しています。
******
 FAMのシヴァサンダラム会長代理はスランゴール2との対戦ではFAM-MSNプロジェクトが2-4と「善戦」したことを引き合いに出し、リム氏のコメントが適切ではないと述べてていますが、リム氏はスランゴール2は大半の選手が20歳で30歳代の選手が1名しかチームにいない点を指摘しています。
 さらにリム氏はFAM-MSNプロジェクトの選手について0-2で敗れた第5節のヌグリスンビラン戦では90分間の試合中にアズハド・ハラズ・アルマンがボールを保持したのが23秒間、ウバイドゥラー・シャムスル・ファズリが5秒間だったことを指摘した上でこの両選手がチーム内で最も長くボールを保持できていた選手であり、試合中のボールタッチの数多ければ多いほど良いとされる若い年代にも関わらず、この両選手以外は試合中は走っているか、ボールを追いかけているかするだけであり、この状況を放置しておくことが果たして「育成」と呼べるものなのか、そしてサッカーをしていると言えるのかと疑問を呈し、FAMはボールに触れられていない選手をどう評価するのかとも述べています。
******
 なお次節第7節で選手の平均年齢17.23歳のFAM-MSNプロジェクトは、プレミアリーグで最年長となる選手平均年齢30.26歳のクチンシティと対戦します。

3月19日のニュース:Mリーグは第6節よりスタジアムでの観戦が解禁、JDTのACL対戦相手が変更-名古屋・浦項・ラーチャブリーに、タイ1部リーグ第28節と2部リーグ第30節-元代表トリオは出場なし

Mリーグは第6節よりスタジアムでの観戦が解禁
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、マレーシア政府の承認が得られたとしてMリーグ1部スーパーリーグ第6節(4月2日および3日)からスタジアムでの観戦が可能となることを発表しています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、まずスーパーリーグ第6節のJDT対マラッカ・ユナイテッド戦(4月2日、スルタン・イブラヒムスタジアム)とKLシティ対サバ(4月3日、KLフットボールスタジアム)の2試合で試験的に観衆をスタジアムに入れて開催することを発表しています。
 アブドル・ガニCEOは、この2試合は他のMリーグクラブがスタジアムに観客を入れて試合を開催できるかどうかの審査に使われ、その結果をもとにMFLは他の試合での観客の入場を認めるかどうかを判断するとしています。
 またMFLは、観戦許可が出た後もMリーグ各クラブに対して部外者との接触を避けるスポーツバブルを維持し、さらに今後も標準作業手順SOPを遵守することを求める一方で、スタジアムへ来場予定のサポーターに対しても同様にSOPの遵守を求めるとしています。
 なおスタジアムでの観戦解禁に際し、入場可能となる観戦者数は、最も制限が緩和される「回復のための行動制限令」RMCO施行地域では8000名あるいはスタジアム収容総人数の25%の内少ない方が、「条件付き行動制限令」CMCO施行地域では2000名あるいはスタジアム収容総人数の10%の内少ない方が上限となるということです。
 この他、現在は毎試合で必要されている抗原検査(RTK Antigen)が、今後は週1回でよくなることもアブドル・ガニCEOは発表しています。

JDTのACL対戦相手が変更-名古屋・浦項・ラーチャブリーに
 アジアサッカー連盟AFCは、AFCチャンピオンズリーグG組の江蘇FC(中国)が出場を辞退し、G組の残る1枠をプレーオフで争う予定だった浦項スティーラーズ(韓国)とラーチャブリーFC(タイ)の両クラブがともにG組に組み込まれたことを公式サイト上で発表しています。浦項スティーラーズとラーチャブリーFCは4月14日に予定されていたプレーオフで対戦し、その試合の勝者がG組に入る予定でした。なおこのG組にはMリーグ7連覇中のJDTと名古屋グランパスも所属しています。
 昨季中国1部リーグ優勝の江蘇FCはこのブログでも既報通り、運営停止が発表されており、今季のACLの出場が危ぶまれていました。
 このG組は6月下旬にタイを会場とした集中開催となることが決まっています。
 

タイ1部リーグ第28節と2部リーグ第30節-元代表トリオは出場なし
 タイ1部リーグ第28節が3月16日と17日に、また2部リーグ第30節が3月17日に開催されました。
 1部チョンブリーFCに所属するジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・ナデール・アマルハン・マダナー)は、前節第27節は警告累積により出場停止でしたが、今節はベンチ入りしたものの出場はありませんでした。またポリス・テロFCのドミニク・タンはケガが完治しておらず、こちらもベンチ入りしませんでした。
 この他、2部ノーンブワ・ピッチャヤFCのニコラス・スウィラッドもベンチ入りしませんでした。
タイ1部第28節
チョンブリーFC(12位-9勝3分16敗)0-2 サムットプラーカーン・シティFC(7位-13勝5分10敗)
 ジュニオール・エルドストールはベンチ入りしたものの出場せず。
ラヨーンFC(16位-4勝2分22敗) 6-1 ポリス・テロ(11位-10勝5分13敗)
 ドミニク・タンはケガが完治しておらずベンチ入りせず。
タイ2部第30節
ノーンブワ・ピッチャヤFC(1位-18勝12分0敗)1-0 ウドーンターニーFC(16位-6勝10分14敗)
 ニコラス・スウィラッドはベンチ入りせず。

3月13日のニュース:ACL日程が変更へ-Mリーグも日程変更か、W杯アジア二次予選の集中開催地決定-マレーシアはアラブ首長国連邦、青年スポーツ省はスタジアム観戦許可を政府に申請へ

ACL日程が変更-Mリーグも日程変更が必至か
 アジアサッカー連盟AFCは公式サイト上でAFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループステージの日程変更を発表しています。
 Mリーグからは昨季1部スーパーリーグで7連覇を達成したジョホール・ダルル・タジムJDTが出場する今季2021年シーズンのACLは、当初は4月21日から5月7日までの期間で各組ごとに集中開催で行われることが発表されていましたが、AFCは各国の新型コロナウィルス対策による渡航制限や検疫隔離実施状況などを考慮して6月から7月へと変更すると発表しています。
 またJDTと名古屋グランパス、江蘇蘇寧(中国)、プレーオフ3の勝者が対戦する東地区のG組は同F組、J組とも集中開催地がタイとなることも発表されています。
*****
 3月5日に開幕した今季のMリーグは第9節(4月16日から18日)から第10節(5月8日から10日)までのおよそ3週間は4月13日から始まる予定のイスラム教の断食月とJDTのACL出場に合わせてリーグ戦を組んでいません。また断食月はおよそ1ヶ月後の5月13日に終わりますが、6月にはFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選が6月3日から15日まで開催されることがAFCから発表されており、この時期にはACLが行われないでしょう。となるとJDTにとっては、Mリーグの試合が組まれてない6月後半から7月初旬にかけての時期にACLが開催されるのが理想です。7月のMリーグは4週間で8試合という日程が組まれており、しかもリーグ終盤の重要な時期なので、JDTにとってはたとえ隣国タイでの開催とは言え、リーグ8連覇のためには国内リーグに集中したいところでしょう。
*****
 ACLでJDTが所属するG組にはもう一つ問題があります。昨季の中国1部リーグでクラブ史上初の優勝を達成した江蘇蘇寧が債務超過を理由に解散する可能性が2月末に報じられれました。現在も無期限の活動停止中ということで、このままではACL棄権の可能性も取り沙汰されています。
 同じ中国1部リーグのクラブでは2月にもACLのJ組に所属する山東泰山(前山東魯能)がAFCへの債務未払いからAFCライセンスを剥奪されて出場権を失い、広州FCが変わって出場することがAFCから発表されてます。

W杯アジア二次予選の集中開催地決定-マレーシアはアラブ首長国連邦
 アジアサッカー連盟AFCは公式サイト上で、未定となっていたFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選の集中開催地を発表しています。
 マレーシアが所属する予選G組はアラブ首長国連邦UAEでの開催が決定し、このブログでも既報の通り、以下の日程が決まっています。

FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選G組日程
6月3日(木) 
 UAE対マレーシア および タイ対インドネシア
6月7日(月)
 UAE対タイ および ベトナム対インドネシア
6月11日(金) 
 マレーシア対ベトナム および インドネシア対UAE
6月15日(火) 
 UAE対ベトナム タイ対マレーシア
 
 その他の予選各組はA組(シリア、中国、フィリピン、モルディヴ、グアム)は中国、B組(オーストラリア、クウェート、ヨルダン、ネパール、台湾)はクウェート、C組(イラク、バーレーン、イラン、香港、カンボジア)はバーレーン、D組(ウズベキスタン、サウジアラビア、シンガポール、イエメン、パレスチナ)はサウジアラビア、E組(カタール、オマーン、アフガニスタン、インド・バングラディシュ)はカタール、F組(日本、キルギス、タジキスタン、ミャンマー、モンゴル)は日本、そしてH組(トルクメニスタン、韓国、レバノン、北朝鮮、スリランカ)は韓国がそれぞれチュウチュ開催地に選ばれており、5月31日から6月15日までの期間に試合を行います。
(以下はAFC公式サイト上の集中開催国の告知)

AFC Asian Qualifiers

青年スポーツ省はスタジアム観戦許可を政府に申請へ 
 英字紙ニューストレイトタイムズは、国内スポーツを監督する青年スポーツ省のリーザル・メリカン大臣の話として、サッカーファンがMリーグをスタジアムで観戦できる時期はそう遠くないと報じています。
 リーザル・メリカン大臣はMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLに対してスタジアム観戦に必要な標準作業手順SOPを作成することを求め、それが用意でき次第、青年スポーツ省は国家安全保障委員会に対して、ファンでのサポーターの観戦許可を早ければ来週にも申請したいと話しています。
 「国家安全保障委員会の会合は不定期に行われるため、具体的な申請日程については確約できない。」と述べるにとどまったリーザル・メリカン大臣は、これまでMリーグ開幕から2ヶ月後を目処に行うとするとしていた申請について、2ヶ月以上先に行うことなく、もし開幕から1ヶ月程度で申請が行えれば「ボーナス」だと考えて欲しいと、ファンに理解を求めたということです。


1月31日のニュース:フットサルリーグなどの開幕が6月に延期、Mリーグの選手登録期限が延長か、ACLとAFCカップの集中開催地争いではマレーシアは不利

フットサルリーグなどの開幕が6月に延期
 マレーシアサッカー協会FAMは主催するマレーシアプレミアフットサルリーグMPFLとMリーグのU21チームが参加するプレジデントカップ、同じくU19チームが参加するユースカップの開幕を6月に延期されると英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 3月開幕が予定されていたこれらの大会は、暫定措置として6月開催が予定されているということです。FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は試合方式を変更し、プレジデントカップとユースカップには地域リーグ制を導入し、移動距離を短くすることで移動制限に対応できるすることも明らかにしています。この他、新型コロナウィルスによるロックダウンなどによって、FAMが設定する地域リーグ終了期限までにリーグ内の試合が全て終了できない場合は、その期限の時点で首位のチームがノックアウトステージへ進出するルールを採用するとしています。またMPFLは各節ごとに1カ所での集中開催で実施し、週ごとに開催地を変更する予定ということです。
 スチュアート事務局長は今年のイスラム教の断食月が4月13日から5月12日までであることも考慮した上での6月開幕を予定としているとも話しています。
 なおMPFL、プレジデントカップ、ユースカップはいずれも昨年2020年は新型コロナウィルスの影響により中止となっています。

Mリーグの選手登録期限が延長か
 今季2021年シーズンのMリーグの選手登録は2月14日が期限となっていますが、Mリーグの開幕が当初の2月26日から3月5日に延期されたことを受け、選手登録期限も延期される可能性が高いと、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 現時点では外国籍選手枠(1部5名-アジア枠1名と東南アジア枠1名を含む、2部4名-アジア枠1名を含む)の全てが埋まっていないクラブもあり、そういったクラブには朗報となるだろうとしています。
 ただし選手登録変更期限の変更はマレーシアサッカー協会FAMとFIFAの承認が必要であるとしており、Mリーグを運営するアブドル・ガニ・ハサンCEOもリーグ開幕延期を各クラブに知らせた際には、選手登録期限の延期がFAMとFIFAの承認待ちであることも合わせて伝えてあるとスタジアムアストロのインタビューに答えています。
 なお外国籍選手枠が全て埋まっていないクラブはMリーグ1部のスリ・パハン、ペラ、マラッカ・ユナイテッド、サバの4クラブです。

ACLとAFCカップの集中開催地争いではマレーシアは不利
 1月27日に開催されたアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグとAFCカップのグループステージ抽選で、マレーシアからACLに出場するジョホール・ダルル・タジムJDTとAFCカップに出場するクダ・ダルル・アマンとトレンガヌの対戦相手が決定しました。
 今季のACLとAFCカップはいずれもグループステージは集中開催方式で行われることが決定しており、今後は予選各組の試合開催国が決定されていくことになります。集中会さということで、自国開催が最も望ましいところですが、新型コロナウィルスの感染状況を見る限り、マレーシアが自国開催権を手に入れることは難しいだろうと、サッカー専門サイトのスムアニャボラが予想しています。
 昨日1月29日にはマレーシア全土で合わせて5728人の新規感染者が出ており、JDTやクダ・ダルル・アマンやトレンガヌが本拠地での集中開催を希望しても、実現の可能性は低そうだと分析しています。例えばJDTが予選で同組となっている江蘇蘇寧(中国)や名古屋グランパスと比べても、中国はここ数日の新規感染者数平均が100名程度、日本は4000名程度と、マレーシアと比べると明らかに感染者数が少ないいずれかの国での開催が有力です。
 またAFCカップでクダ・ダルル・アマンと同組のライオンシティ・セイラーズ(シンガポール)とサイゴン(ベトナム)を比べても、マレーシアはシンガポール(新規感染者27名)とベトナム(同15名)の後塵を拝しており、トレンガヌ同組のカヤ-イロイロ(フィリピン)、シャン・ユナイテッド(ミャンマー)についてもフィリピンが1694名、ミャンマーが427名となっており、いずれの国もマレーシアよりはるかに新規感染者数が少ないため、こちらもマレーシアでのグループリーグ開催の可能性は限りなく低いと言えそうです。