11月20日のニュース:トレンガヌFCはナフジ監督続投も今季のチーム得点王と契約更新せず、ケランタンFCはユスリ監督の契約を更新せず、フェルダUとUKM FCの来季Mリーグ不参加が確定

トレンガヌFCはナフジ監督続投も今季のチーム得点王と契約更新せず
 Mリーグ1部のトレンガヌFCは、ナフジ・ザイン監督の続投を発表する一方、大幅な選手の入れ替えを行うようだとマレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 既に退団を明らかにしたシンガポール出身のMFファリス・ラムリに続き、今季は11試合の短縮日程となったMリーグで9ゴールを挙げチーム得点王となったFWドミニク・ダ・シルヴァとの契約を更新しないことが、トレンガヌFCを運営するトレンガヌ州サッカー協会から発表されています。
 ベトナム1部リーグのサイゴンFCから加入して1年目のダ・シルヴァ選手は、他のMリーグクラブからのオファーの話があれば、国外よりもマレーシア国内での移籍を優先したいとも話しています。
 トレンガヌFCはダ・シルヴァ選手以外の外国籍選手との契約更改が行われていないことから、英国出身のMFリー・タック主将やウズベキスタン出身のMFサンジャル・シャアフメドフらの退団も噂されています。
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 Mリーグで今季3位となったトレンガヌFCは、今季のマレーシアカップが中止となったことから、優勝チームに与えられることになっていた来季のAFCカップ出場権が与えられており、本来ならアジアで戦うため来季へ向けての戦力補強が必要そうですが、新たな獲得選手のニュースが報じられない一方で、これだけ今季の主力選手が流失すると、せっかく棚ぼたでAFCカップ出場権を得たにもかかわらずその先には暗雲が立ち込めています。

ケランタンFCはユスリ監督の契約を更新せず
 今季Mリーグ2部で6位となったケランタンFCは、ユスリ・チェ・ラー監督とアシスタンコーチのテンク・ハムザ・ラジャ・ハサン、アズリ・マムード・、イスマイル・チャワリット・アブ・バカルの3名との契約を更新しないことを発表しています。
 ケランタンFCのノリザム・トゥキマン オーナーは、クラブが1部昇格を達成するためには厳しい決断を下す必要があるとし、そのためには自分が求める「勝者のメンタリティー」を持つ指導者が必要だったと話しています。
 マレーシア国内からだけでなく、スペインやハンガリー、ドイツなどからも監督職への応募を受けていることを明かしたノリザム オーナーは経験豊かで選手とともに強いチームを作ることができる人材を応募者から選びたいと話しています。

フェルダ・ユナイテッドFCとUKM FCの来季Mリーグ不参加が確定
 民営化に伴い新たに獲得したオーナーによる支援の内容がクラブ運営には不十分であるとして、マレーシアサッカー協会FAMから来季のMリーグ参加が認められていなかったMリーグ1部のフェルダ・ユナイテッドFCと同2部のUKM FCは、FAMに再考を求めていました。
 これについてFAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、両クラブからの再考依頼についてFAM内で協議を行った結果、やはり来季のリーグ参加資格を両クラブには与えないことを発表しています。
 「両クラブからの再考依頼を受け、追加提出された書類を精査した結果、FAMの決定は変わらず、来季のMリーグ参加は認められないことが決定した。なお、これは最終決定であり、これ以上の再考依頼は受け付けない。」とスチュアート事務局長は話しています。
 さらにスチュアート事務局長は、今回の決定により両クラブのMリーグ参加への道が完全に閉ざされたわけではなく、他の新規参入クラブ同様、まずはセミプロリーグのMリーグ3部であるM3リーグに参加し、そこから2部への昇格を目指す方法があるとも話しています。

11月19日のニュース:ラジャゴバル元代表監督がブルネイ代表監督候補に、MFLが来季の外国籍選手の雇用および登録を手順を公表、前ヌグリスンビランFAの外国籍選手が文書偽造の罪で罰金刑

ラジャゴバル元代表監督がブルネイ代表監督候補に
 ラジャゴバル・クリシュナサミ元マレーシア代表監督がブルネイ代表監督候補に上がっているとマレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 2010年の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップの優勝監督でもあるラジャゴバルはブルネイサッカー協会による書類審査と面接を終えており、他の候補者2名とともに最終選考に残っているということです。
 ラジャゴバル監督は、前述のスズキカップ優勝の他にも、U23代表を率いた2009年の東南アジア大会ではマレーシアに20年ぶりの金メダルをもたらすなど、代表監督して十分な実績がある他、クラブレベルでは2019年を最後にスランゴールFCと合併したPKNS FC(1990年から1998年と2017年〜2019年に監督)の他、スランゴールFA(現スランゴールFC、1999年〜2000年)、ケランタンFA(2001年〜2002年)、サラワクFA(現サラワク・ユナイテッド、2015年〜2016年)で監督を務めています。

MFLが来季の外国籍選手の雇用および登録を手順を公表
 Mリーグを運営するマレーシアフットボールMFLは、公式Facebook上で来季2021年シーズンの外国籍枠選手および監督、コーチの雇用と登録についての手順を公表しています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOによればマレーシア国内のスポーツを監督する青年スポーツ省には既に報告済みとされるこの手順では、外国籍選手や監督、コーチを雇用し登録を希望するクラブは、マレーシア入国管理局に直接、公式な申請を行う必要があるということです。申請には登録を希望する選手や監督、コーチの氏名と有効期限内のパスポートのコピーが必要ということです。
 また2021年シーズンからは1部スーパーリーグと2部プレミアリーグに登録される選手はマレーシア人選手、外国籍選手を問わず全て選手がマレーシアサッカー協会FAMが用意する統一契約書にプロ選手として署名する必要があり、マレーシア王立警察を母体とするPDRM FCやマレーシア国軍を母体とするAF FC(国軍FA)の選手も同様ということです。

前ヌグリスンビランFAの外国籍選手が文書偽造の罪で罰金刑
 今季Mリーグ2部のヌグリスンビランFAでプレーしたブラジル出身のDFマテウス・フェルナンデス・ビーラ・リアルが文書偽造の罪で罰金刑を受けたたことをマレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 今年9月に海外送金に必要な文書を偽造し、これを銀行に持ち込んだ容疑に対し有罪を認めており、8000リンギ(およそ20万3000円)の罰金刑を受け、これが支払えない場合には禁錮10ヶ月となることが言い渡されています。
 28歳のマテウス選手は、今年9月30日にヌグリスンビラン州の州都スレンバンの銀行に海外送金申請書とともに偽造した請求書を持ち込み、4万8879リンギ(およそ124万円)を違法に送金しようとした罪に問われていました。
 2019年からヌグリスンビランFAでプレーするマテウス選手は自分の行なった行為を悔いており、マレーシアの国内法と送金手続きに関する規則を十分理解していなかったと弁明、送金しようとしていたのはブラジル国内にいる家族への送金だったと話しています。
 その後、マテウス選手は罰金を支払ったということです。
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 中武駿介選手が所属していたヌグリスンビランFAは、今季Mリーグ2部で11位と振るわず、中武選手は現役引退により退団、残るブラジル出身の外国籍選手3名も全員が契約を更新されませんでした。

11月18日のニュース:来季のMリーグは2月26日開幕、Mリーグの移籍期間は11月21日から、スランゴールFCが元浦和ACのナイチェル新監督就任を正式発表、スランゴールFCは来季のチーム作りへ向けての精力的に活動、シャキル・ハムザとファリス・ラムリのシンガポールコンビはいずれも退団

来季のMリーグは2月26日開幕
 Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは公式Facebook上で、来季2021年シーズンの開幕日を発表しています。
 これによると、来季は2月26日のMリーグ1部優勝のJDTと2位クダFAが激突するスルタン・ハジ・アーマド・シャーカップで開幕します。このカップ戦は本来ならMリーグ1部優勝クラブとFAカップの優勝クラブが対戦する、日本で言えばゼロックススーパーカップ的なものです。ちなみに今季も同じカードとなりましたが、その試合は独立したカップ戦としてではなく、Mリーグ1部の公式戦として開催されました。
 Mリーグ1部と2部は2月27日と28日第1節が開催され、最終節となる第22節は8月20日と21日開催と発表になっています。
 また今季は中止となったFAカップは3月2日開幕で9月21日決勝、またやはり中止となったマレーシアカップは9月17日開幕で11月27日決勝となることも発表されています。この他、マレーシアカップに出場できないMリーグ1部と2部のクラブが出場するチャレンジカップは9月3日に開幕し、ホームアンドアウェイで行われる決勝は第1戦が11月6日または7日、第2線が11月13日または14日となっています。

Mリーグの移籍期間は11月21日から
 またMFLの公式Facebookでは、Mリーグの移籍期間として今月11月21日から来年2月14日までの12週間を1度目のトランスファーウィンドウ期間、来年7月12日から8月4日までの4週間を2度目のトランスファーウィンドウ期間とすることも発表されています。

スランゴールFCが元浦和ACのナイチェル新監督就任を正式発表
 スランゴール州サッカー協会(スランゴール州FA)は、公式サイト上でカルステン・ナイチェル新監督就任を成績に発表しています。
 この発表によるとナイチェル新監督は10月半ばには既にマレーシアに入国しており、マレーシア政府が渡航者全員に義務付けている14日間の隔離検疫期間も終了しているということです。
 52歳のナイチェル新監督はドイツ1部のSCフライブルグで選手としてプレーし、現役引退後は同クラブでアシスタントコーチを務めた経験があります。その後はドイツ4部のロートヴァイス・エッセン、ETBシュヴァルツ=ヴァイス・エッセン、同2部のVfLボーフムやホルシュタイン・キールで監督を務め、2009年から2010年まではJリーグ浦和レッズのアシスタントコーチも務めています。
 スランゴール州FAのマイケル・ファイヒテンバイナーTD(テクニカルダイレクター)は、かつて自分が指揮をしたチームの選手でもあったナイチェル新監督は「(ナイチェル新監督は)性格も良く仕事熱心な上、アジアで自分の力量を示したいと常に思っており、スランゴールFCで指揮を取ることに大変な意欲を見せている。」と話し、さらなる高みを目指すスランゴールFCにとって適任の人物だと述べています。
 「ナイチェル新監督は、失敗を恐れがちな若い選手でも、才能があると見れば少々の失敗には目を瞑り積極的に起用できる「勇気がある」指導者でもあり、クラブの新戦力を育てる能力もあると考えている。」とも話すファイヒテンバイナーTCは、素晴らしい選手を外部から獲得することはできないかも知れないが、育成プログラムや戦術、戦略などを駆使するなど独自の方法で、スランゴールFCがマレーシアのトップのクラブとなることを目指していると話しています。
 またナイチェル新監督自身も就任後最初の仕事は「レッドジャイアンツ」の愛称で知られるスランゴールFCサポーターのクラブに対する信頼を回復することにあると話しています。「試合に勝つことがサポーターの信頼を回復する最善の方法であり、(自分が観戦した)シーズン終盤の数試合ではトップチームは質の高さを示し、良い結果も残し、好印象を残したと思う。」
 また「セカンドチーム(スランゴール2)の試合も観戦したが、潜在能力が高い若手選手が多いので、過度のプレッシャーを与えないようにしながら、他の主力選手たちと同様に支援していくつもりである。」とも述べたナイチェル新監督は最後にサポーターに向けて「サポーター同様、自分自身も勝利を渇望し、すべての試合に勝ちたいと思っているが、そのためには段階を踏んでいく必要がある。現在はプレーのスタイルを改善する必要があり、多くの細かな点を修正する必要がある。なぜならそう言った細かな点が大きな違いを生み出すからだ。サポーターにはその点を理解してもらい、クラブを応援して欲しい。」と言ったメッセージをサポーターに送っています。

スランゴールFCは来季のチーム作りへ向けての精力的に活動
 新型コロナウィルスの影響によりマレーシアカップは1回戦終了後に中止となり、今季のサッカー活動はすべて終了しましたが、これにより選手や監督、コーチの移籍市場が開幕したことを意味し、メディア上ではさまざまな噂が飛び交い始めました。
 Mリーグの選手は今月11月30日までが今季の契約となっていることから、来季の所属についてクラブが既に公式発表していたり、選手自身がソーシャルメディアで発信しているケースもあります。
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版は、そんな中で現在、最も活発な動きを見せているのが今季のMリーグ1部で5位に終わったスランゴールFCで、今季、主将を務めたオーストラリア出身のDFテイラー・リガンやスペイン出身で2018年の得点王FWルフィノ・セゴヴィアといった外国籍選手の他、FWシャズワン・ザイノン、MFノー・ハキム・ハサン、MFサルクナン・クリシュナサミーら主力選手が退団と報じられる一方で、今季のMリーグでマレーシア人最多ゴールを挙げたペラTBGのFWシャーレル・フィクリとの契約がほぼ決定と報道しています。また、リガン選手に変わる外国籍アジア枠にはウズベキスタン1部FCパフタコール・タシュケント所属で、ウズベキスタン代表でもプレーするFWドストンベク・ハムダモフの獲得が濃厚とされている他、クダFAのFWクパ・シャーマンにも接触してるとされています。

シャキル・ハムザとファリス・ラムリのシンガポールコンビはいずれも退団
 今季、Mリーグ1部で2位となったクダFAに所属するシンガポール出身のDFシャキル・ハムザが自身の2年契約が満了となる今季で退団することを明らかにする一方、複数のMリーグのクラブが来季に向けて獲得に動いているとマレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。
 この記事によれば、ペラTBG、パハンFA、そして来季1部に昇格するクアラルンプールFAがアセアン(東南アジア)枠での獲得を検討しているということです。
 また同じシンガポール出身でMリーグ1部で今季3位となったトレンガヌFCに所属するMFファリス・ラムリも自身のソーシャルメディアで退団することを明らかにしたと、ハリアンメトロは報じています。
 ファリス選手は2018年には現在は消滅してしまったMリーグ1部のPKNS FCでプレーし、翌2019年はやはりMリーグ2部のプルリスFAへ移籍しましたが、このプルリスFAが給料未払い問題で昨季開幕直後にリーグ出場停止となり、シンガポール1部リーグのホウガン・ユナイテッドFCへ移籍しました。そして昨季はシンガポール人選手最多ゴールと最優秀選手賞を獲得し、今季からトレンガヌFCに加入しましたが、1年での退団となっています。
 ファリス選手は新型コロナウィルスによるリーグ中断時にシンガポールへ帰国し、その後は両国間の渡航が許可されなかったことからリーグ再開後もチームへの合流が遅れ、リーグ再開後の7試合で先発出場は3試合のみ、今季通算では’は3ゴールでした。

11月17日のニュース:マレーシアカップ中止を理由とした給料削減を行わないようPFAMが各クラブに警告、FAMは年内の代表合宿中止を決定、Mリーグ試合配信のYoutubeチャンネルはのべ2900万人が視聴

マレーシアカップ中止を理由とした給料削減を行わないようPFAMが各クラブに警告
 マレーシアプロサッカー選手会PFAMは、マレーシアカップが中止となったことを理由にして、クラブが選手に対して契約内容通りの給料を支払うことを拒否することがないようにと警告しています。
 マレーシア語紙ブリタハリアンはPFAMによる声明を取り上げていますが、それによると、PFAMは現在も未払い給料問題を抱えているクラブがあるとして、これらのクラブに対して、来季2021年シーズン開幕前までには完済するように警告を行っています。
 マレーシアカップ中止は残念だとしながらも、Mリーグの選手の契約は11月末までとなっており、マレーシアカップが12月まで延期されれば、選手の契約問題が発生することは明らかだったことから、PFAMは大会主催者であるマレーシアフットボールリーグMFLによる中止決定は妥当なものであると生命の中で述べています。
 また、来季以降もマレーシアサッカー界を持続させていくためには、今季、マレーシアサッカー界が経験したことを関係者全員が教訓とする必要があり、来季のMリーグやマレーシアカップはいわゆる「ニューノーマル」に基づいた形で開催されることをPFAMは望んでいるとしています。

FAMは年内の代表合宿中止を決定
 マレーシアサッカー協会FAMは、マレーシアカップ終了直後に予定されていた代表合宿について、年内には行う予定がないと発表しています。
 英字紙ニューストレイトタイムズは、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長の話として、現在2つの案が検討されていると報じています。
 アジアサッカー連盟AFCは、現在中断中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選およびAFC選手権アジアカップ2023年大会予選の新たな日程を発表しており、これによると来年3月に予選が再開されることになっています。
 「現在の新型コロナウィルスの感染状況では、国内での代表合宿は難しい。このためタン・チェンホー監督と相談した上で、1月の代表合宿開催、あるいは3月から再開するアジア二次予選の直前の数日間の合宿開催を検討中である。」とスチュアート事務局長は話しています。しかしその一方で、1月はMリーグ開幕直前であるだけでなく、FIFAの国際マッチデー期間でないことから各クラブは選手が招集されることに難色を示す可能性があるとし、Mリーグを主催するマレーシアフットボールリーグMFLが来季の日程を確定した時点で、代表合宿の日程を決定したいとスチュアート事務局長は述べています。
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 ジョホール・ダルル・タジムJDTが国民の海外渡航を禁じているマレーシア政府の指示に従って、カタールで開催されるAFCチャンピオンズリーグへの出場を辞退しましたが、新型コロナウィルスの状況が改善されず、マレーシア政府が方針を変えない場合、来年3月から再開するW杯アジア二次予選の際には代表が国外の代表選に出場できない可能性、さらには国外からの渡航者に2週間の隔離検疫期間を義務付けていることから国内での代表選開催にも支障が出る可能性があります。

Mリーグ試合配信のYoutubeチャンネルはのべ2900万人が視聴
 新型コロナウィルス感染拡大により、今季のMリーグはそれぞれ12クラブが所属する1部、2部とも1回戦総当たりの第11節までとシーズンが短縮される結果になり、しかも3月中旬の第4節以降は全試合が無観客で行われました。これにより国内サッカー人気の停滞が心配される中、Youtubeにより配信されたMリーグの試合はのべ2900万人が視聴したと、マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 さらに1回戦終了後中止となったマレーシアカップの視聴者数は7試合でのべ660万人となっているということです。
 Mリーグ1部で最も視聴されたのは9月19日のジョホール・ダルル・タジムJDT対スランゴールFC戦で138万人が視聴、2部(2部はYoutube配信が行われていないので、Mycujooによる配信のデータと思われます-筆者注)は8月22日のUKM FC対ケランタンFA戦で3万5000人が視聴したということです。
 またマレーシアカップ1回戦ではクダFA対パハンFAをのべ220万人が視聴、最大視聴者数を記録しています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、これだけ多くの視聴者がいることは新型コロナウィルス禍の中、国内サッカーが下火になるどころかより活気付いていることを証明していると話しています。
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 ここで取り上げられている数字の根拠は不明ですが、MFLの公式Youtubeチャンネルではマレーシアカップ1回戦のクダFA対パハンFAの視聴回数は75万回となっています。それを考えるとこの記事の数字はスポンサーを意識した上での「盛った」数字かも知れませんが、それでもインターネットに接続できれば無料(本来はYoutubeでの無料配信はなく、テレビあるいストリーム配信視聴は年間で100から120リンギ(およそ2540から3050円)のパッケージ契約が必要)で1部リーグ全試合が観戦できたことは、視聴者数の押上には役立ったことは確かでしょう。

11月14日のニュース:パハン州政府はマレーシアカップの州内開催を拒否していた、パハンFAの「ミッキー」は退団へ、フィンク前神戸監督は候補者リストになし-スランゴール州FA、スランゴールFC新監督はフィンク元神戸監督ではなく元浦和ナイチェルAC

パハン州政府はマレーシアカップの州内開催を拒否していた
 1回戦が終了してベスト8が出揃っていたマレーシアカップは、マレーシア政府の国家安全保障委員会から延期勧告を受けた結果、延期ではなく中止となったことは先日のこのブログでも取り上げました。
 主催者のマレーシアフットボールリーグMFLは、新型コロナウィルスの感染が比較的少なく、条件付き活動制限令CMCOが施行されていないパハン州やケランタン州で試合を開催する案を国家安全保障委員会に提出して延期勧告の取り消しを求めていましたが、国家安全保障委員会がマレーシアカップの続行を認めていたとしても、パハン州首相は同州内での試合開催を拒否していたと、マレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 パハン州のワン・ロスディ・ワン・イスマイル州首相は、MFLから出されていた同州内での試合許可申請について、パハン州安全保障委員会などの助言に基づき却下していたことを明かしています。パハン州政府は同州が比較的感染者が少ない「グリーンゾーン」であったものの、新型コロナウィルス感染を広げないための努力は必要であり、サッカーの試合開催はその努力を妨げるものであるとして、MFLに理解を求めたということです。

パハンFAの「ミッキー」は退団へ
 Mリーグ1部で今季は8位に終わったパハンFAのFWモハマド・ファイザル・アブドル・ハリムの退団が決定したようです。
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、パハンFAを運営するパハン州サッカー協会(パハン州FA)から来季の契約オファーがなかったとして、既にMリーグの他のクラブと契約したファイザル・ハリム選手が契約していると報じています。
 22歳のファイザル・ハリム選手は2016年シーズンからパハンFAでプレーし、通算で55試合に出場し、6ゴールを決めている他、今季は初めてフル代表にも招集されています。
 今季終了間近にペナンFAなど複数のクラブからオファーを受けたということですが、来季プレーするクラブ名については現時点では明かすことを拒んだということです。またパハン州FAには今年8月には来季の契約について話をしたものの、返事を受け取ったのは、既に他のクラブと来季の契約を済ませた後だったということで、もっと早くオファーを受けいればパハンFAに残留しただろうと話しています。
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 ペナン州出身のファイザル・ハリム選手は、複数のオファーがあった中から、来季1部に昇格するペナンFAと契約した可能性が高いとされています。

フィンク前神戸監督は候補者リストになし-スランゴール州FA
 昨日のこのブログでは、来季のスランゴールFCの新監督に前ヴィッセル神戸監督トルステン・フィンク氏が有力という話を取り上げましたが、スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会(スランゴール州FA)はこの報道を否定し、フィンク氏の名前は来季の監督候補者リストには含まれていないとしています。
 マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版はスランゴール州FAのカマル・ハミドン事務局長がネット上の噂を否定し、フィンク氏は候補者になったことすらないと述べているとしています。その一方でハミドン事務局長は「我々は既に来季の新監督候補者を数名に絞り込んでおり、近いうちに正式に発表できるだろう。」とも話しています。

スランゴールFC新監督はフィンク元神戸監督ではなく元浦和ナイチェルAC
 来季のスランゴールFCがフィンク元神戸監督でない、という報道が出た後、今度はサッカー専門サイトGoal. comマレーシア版が、来季のスランゴールFC監督に2009年から2010年までJリーグ浦和でアシスタントコーチを務めた、フィンク紙と同じドイツ出身でしかも同じ52歳のカルステン・ナイチェル氏に決定したと報じています。
 その根拠として、サッカー移籍専門サイトのTransfermarktのナイチェル氏のプロフィールぺージには所属先がFAスランゴール、ポジションが監督、契約開始が2020年12月1日からと記載されていることを挙げています。
 「伝統のあるアジアのクラブにかつての栄光を取り戻す機会を与えられたことを嬉しく思う。時として人はなんでも知っていると思いがちだが、スランゴールFCで新たな文化や新たなサッカーの見方を知る機会を得ることで、自分の視野を広げたい。」とTransfermarktで述べているナイチェル氏は、同じドイツ出身のカーステン・ヌレ氏とマルコ・グリム氏をコーチとして招聘するとしています。
 またハリアンメトロは、このナイチェル氏はマレーシアへの渡航者全員に義務付けられている14日間の隔離期間を既に終了し、マレーシアカップ1回戦のスランゴールFCとマラッカ・ユナイテッド戦も観戦し、契約期間は2年間であると報じています。

11月13日のニュース:マレーシアカップの中止が決定-AFCカップ出場権はTFCへ、スランゴールFCの新監督に前ヴィッセル神戸監督が就任か、JDTから移籍のジオゴはタイ1部リーグの最高給取りに

マレーシアカップの中止が決定-AFCカップ出場権はトレンガヌFCへ
 マレーシアカップを主催するマレーシアフットボールリーグMFLは、公式Facebookで今季のマレーシアカップ中止を発表しています。
 MFLは国内のスポーツを監督する青年スポーツ省を通じて、国家安全保障委員会NSCが発表した大会延期の再検討を求めていましたが、これが受け入れられなかったことから、中止を決定したとしています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、今回の中止決定はMFLは選手を含めた関係者全員の健康と安全を優先するNSCの決定を尊重した結果であると話す一方で、大会が延長された場合、選手の契約期間が11月末までであることから、契約延長によって様々な問題が生じる可能性があるとも中止決定の理由に挙げています。
 またマレーシアカップ優勝チームに与えられる予定であった来季2021年シーズンのAFCカップ出場権は、今回のマレーシアカップ中止の決定により今季Mリーグ3位のトレンガヌFCに与えられることも臨時役員会で決定されたしています。

スランゴールFCの新監督に前ヴィッセル神戸監督が就任か
 Mリーグ1部で5位となったスランゴールFCはリーグ戦中にサティアナタン・バスカラン監督を解任し、残りの試合はマイケル・ファイヒテンバイナーTD(テクニカルダイレクター)が代行監督を務めましたが、既に新監督が決まっているようです。
 その新監督とは今季、Jリーグのヴィッセル神戸で指揮をとりながら、家庭の事情を理由に9月に辞任していたトルステン・フィンク氏だとスポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 スタジアムアストロによれば、ドイツ出身のフィンク監督は既にマレーシア国内におり、渡航者全員に義務付けられている入国後2週間の隔離期間を過ごして最中であるとも報じています。
 昨年2019年にヴィッセル神戸の監督に就任したフィンク氏は同年の天皇杯、今年2月の富士ゼロックススーパーカップで優勝するなどの実績を残していました。
 なおフィンク氏が率いていたヴィッセル神戸は、今季のアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグでMリーグ覇者のジョホール・ダルル・タジムJDTと同じG組に入り、監督在任中だった今年2月12日のグループステージ開幕戦ではJDTを5-1と一蹴しています。
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 Mリーグ7連覇の覇者JDTとの今季の対戦では1-6と惨敗し、昨年までの過去5シーズンでもリーグ戦では10試合で1勝4分5敗とJDTには劣勢のスランゴールFCですが、フィンク監督が新監督に就任することになれば、スランゴールFC対JDTは俄然注目のカードとなります。
 Mリーグ1部では9勝2分0敗と今季無敗だったJDTが2020年に喫した唯一の黒星がACLのヴィッセル神戸戦だったことを考えると、JDTによる一強多弱状況を打破したいかつての王者スランゴールFCが探していたのは、まさに「JDTを破った経験のある監督」だったということかも知れません。

JDTから移籍のジオゴはタイ1部リーグの最高給取りに
 サッカー専門サイトのヴォケットFCは、Mリーグ1部チャンピオンのJDTからタイ1部リーグのBGパトゥム・ユナイテッドに移籍するジオゴがタイ1部リーグで最高の年棒が払われる選手となる可能性を報じています。
 ヴォケットFCはタイ国内メディアのサイアムスポーツの記事を引用し、JDTでプレーしていた際に支払われていた給料金額が高かったことから、BGパトゥム・ユナイテッドもそれに見合った金額を用意した結果、対1部リーグの最高級取りとなりそうだとしています。
 ジオゴ選手のBGパトゥム・ユナイテッドでの月給は330万バーツ(およそ1150万円)ということですが、このジオゴ選手の他のBGパトゥム・ユナイテッドの選手の給料は、チーム内2位のヴィクトル・カルドゾは月給100万バーツ(およそ348万円)、3位の清水エスパルスから移籍するとされているティーラシン・デーンダーは月給72万5000バーツ(およそ252万円)となっていますが、このチームでプレーするマレーシア代表のノーシャルル・イドラ・タラハは、チームの給料ランキングではトップ8に入っていないということです。

11月12日のニュース:JDTは政府の出国禁止措置によりACL出場取り止めに、政府はマレーシアカップ延期の決定を再検討せず、AFCは中断中のW杯予選日程の概要を発表

JDTは政府の出国禁止措置によりACL出場取り止めに
 今季のMリーグ1部で7連覇を達成したジョホール・ダルル・タジムJDTは、昨季2019年のMリーグ優勝チームとしてアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLに出場しています。ヴィッセル神戸(日本)、広州恒大(中国)、水原三星(韓国)と同じG組に入り、ここまで1勝0分1敗のグループ2位につけています。
 このACLのG組は11月19日からカタールのドーハでの集中開催が決まっていますが、マレーシア政府の国家安全保障委員会NSCは新型コロナウィルス感染拡大防止のため自国民の国外渡航を禁じており、これによりJDTにも出国の許可が下りず、JDTはACLへの出場を取り止めことが、JDIの公式Facebookで発表されています。
 アリスター・エドワーズTD(テクニカルディレクター)名で出された発表では、アジア最高峰の大会に参加できなくなったことには失望しているとしながらも、マレーシア政府の決定を尊重し、またドーハへ渡航する予定だったJDTの選手や監督、コーチの安全は最優先されるべきであり、新型コロナウィルス感染が拡大する中ではこのような安全措置は理解していると述べています。

政府はマレーシアカップ延期の決定を再検討せず
 マレーシア政府は今季のマレーシアカップ延期の決定について、マレーシアフットボールリーグMFLが求めている再検討をする予定がないようです。
 マレーシアの通信社ブルナマは、新型コロナウィルス関連を担当するスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)の話として、MFLからの再検討依頼があったとしながらも、選手を含めた関係者の間で感染が発生するリスクを避けるために決定を変更する予定はないとしています。
 「国家安全保障委員会の席上では、ピッチ上での選手同士の接触は避けられないことから感染のリスクが指摘されている。また選手や監督、コーチなど試合に関わる人間の数は多い上、大半が同じバスで移動し、同じ更衣室を使えば厳格な標準作業手順SOPを遵守することは難しい。また演劇のような娯楽では無観客の上、出演者全員がマスクをした上で社会的距離ソーシャルディスタンスを維持するなどのSOPの遵守は難しくないが、サッカーではそのようなわけにはいかない。」と一部から出ていた批判についてもサブリ上級相は答えています。
 しかしその一方で、新規感染者数に減少傾向が見られるようになれば、数週間でマレーシアカップを再開することは可能であるとも話しています。

AFCは中断中のW杯予選日程の概要を発表
 アジアサッカー連盟AFCは公式サイト上で、現在中断されているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選の日程が理事会で承認されたと発表しています。
 これによるとアジア二次予選は来年2021年6月15日までに完了するしている必要があるとし、第7節と第8節は来年3月に、第9節と第10節は来年6月にそれぞれ開催し、アジア最終予選を来年9月に開催するとしています。
 またアジア最終予選は2022年3月末までに終了し、大陸間プレーオフはFIFAの国際試合カレンダー期間の2022年5月または6月に行うこと、またアジア最終予選A組とB組の3位動詞が対戦するアジア枠のプレーオフは従来のホームアンドアウェイ式ではなく1試合で決着をつけることも提案されています。
 また中国が開催を辞退したAFC U23選手権2022年大会とその次回大会となる2024年大会、さらにはAFC選手権2027年大会も西アジア諸国を対象に開催希望国を改めて募ることについても理事会で同意されたということです。
 この他、マレーシアも出場予定ながら延期となっているU19選手権は来年3月3日から20日まで当初の予定どおりウズベキスタンで、またU16選手権は日程は未定ながらバーレーンで開催されることも明らかにされています。

11月11日のニュース:MFLはマレーシアカップ延期の再検討を政府に求める、PDRM FCはモハマド・イシャク監督との契約を更新せず

MFLはマレーシアカップ延期の再検討を政府に求める
 新型コロナウィルス対策を担当するイスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)がマレー半島の大半に条件付き活動制限令CMCOが施行されている現状を踏まえ、マレーシアカップを延期すると述べた一方で、マレーシアカップを主催するマレーシアフットボールリーグMFLは公式声明を発表していないことは、昨日のこのブログで取り上げました。
 サブリ上級相の発言を受けてMFLは昨日11月10日に臨時役員会を開催し、マレーシアカップ延期の再検討をマレーシア政府の国家安全保障委員会NSCに対して求めることを決定したと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、NSCによる決定は国内の新型コロナウィルス感染状況を反映したものであることを理解しているとした上で、準決勝以降は、CMCOが施行されていないケランタン州コタバルやパハン州クアンタンを会場とした集中開催で試合を行うなど、より厳格な標準作業手順SOPを採用することで、マレーシアカップを継続したいと話しています。
 「MFLによる再検討の依頼はベスト8に残った全チームからも支持を受けており、この全チームがMFLと国家安全保障委員会が求めるSOPに従ってプレーするつもりである。準々決勝や準決勝で敗退したクラブは試合終了後、直ちに試合が開催されている州を離れる予定である。」と話すアブドル・ガニCEOは、さらに「マレーシアカップの延期によってMFLと各クラブはそのスポンサーに対しての義務を果たすことが難しくなるだけでなく、マレーシアカップ出場クラブと選手との契約は今月11月末に切れることから、延期は国内のサッカー産業全体にとって多大な影響を与えるものである。」と述べています。
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 この状況で問われるのがMFLのこれまでの姿勢です。現在同様、無観客試合で行われるべきであったMリーグの試合でも、JDTが優勝を決めた試合では選手の家族など一部関係者をスタジアムに入れるなどの「寛容な」対応をし、少人数なので問題ないと嘯いた前歴があります。Mリーグはここまで2ヶ月ほどのリーグ戦開催期間中、試合開催によりクラスターなども発生していないのは事実ですが、国家安全保障委員会がMFLをどの程度信用しているのかが問われそうです。
 また実際にマレーシアカップが延期となった場合、CMCOは12月9日まで施行される予定で、そこから再開が実際にできるのかどうかも疑問です。このマレーシアカップは優勝チームに来季2021年のAFCカップ出場権が与えられることにもなっており、もしこのまま中止となれば、今季Mリーグ3位のトレンガヌFCがその権利を与えられる可能性が最も高いチームです。

PDRM FCはモハマド・イシャク監督との契約を更新せず
 マレーシア王立警察が運営するMリーグ1部のPDRM FCは、今季開幕前に選手への給料未払いを理由に勝点3が剥奪されました。今季開幕後は勝星に恵まれず、最終的には勝点がマイナスのまま1部で最下位となり、来季の2部降格が決まってます。
 このPDRM FCで今季の監督を務めたモハマド・イシャク・クンジュ監督に対し、PDRM FCは今月11月末に切れる契約の更新を行わないと、マレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 先週行われたPDRM FCの経営に関する会合で決定されたということで、既にモハマド・イシャク監督にも伝えらえているということです。
 48歳のモハマド・イシャク監督は来季も続投を希望していることをメディアで公言していましたが、残念ながら実現しませんでした。

11月10日のニュース:マレーシアカップ準々決勝順延報道もMFLからの公式発表なし、ポルトガルリーグ1部第7節-サファウィはベンチ入りも出場なし

マレーシアカップ準々決勝順延報道もMFLからの公式発表なし
 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は新型コロナウィルス新規感染者数が減少しないことを理由に、マレーシアカップ準々決勝が延期されるだろうと述べています。
 さらにイスマイル上級相は、サッカーは接触が起こるスポーツであり、選手間で感染が広がる危険があることを保健省が憂慮しているとも述べています。
 「マレーシアカップは順延することで関係各所が同意しており、新たな日程は後日発表になる。サッカーファンには我慢して欲しい。」と昨日の記者会見で述べたことを英字紙スター電子版が報じています。
 感染者増が止まらないために政府はマレー半島の大半の州に条件付き活動制限令を施行せざるをえなくなったと話すイスマイル上級相は「保健省と新型コロナウィルス感染者の治療にあたる医療従事者は、感染を抑え込もうと全力を尽くしている。感染者の数が減り、無観客とは言え(試合ができる)状況に戻ってくれることを期待している。」とも話しています。
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 マレー半島ではプルリス州、ケランタン州、パハン州以外の全ての州に条件付き活動制限令が施行されており、幼稚園、保育園から高等学校まで全ての学校が休校になり、州を跨ぐ移動も原則禁止、商店や飲食店も営業時間が午前6時から午後10時までに制限されており、このような状況ではマレーシアカップ延期も止むを得ないのかもしれませんが、不思議なのはマレーシアカップ延期について英字紙スター以外にも、マレーシア語紙ブリタハリアンなどが取り上げている一方で、このをブログ書いている11月9日午後11時30分(マレーシア時間)の時点では、マレーシアカップを主催するマレーシアフットボールリーグMFLの公式Facebookでは何も告知されておらず、国営の通信社ブルナマでも何も報じられていません。(なので、実は確定していないのかも…。)
 MFLが抵抗しているのか、それともそもそもまだ確定ではないのか。その理由は不明です。
 実はこの記事が出る前には、すでにベスト8が決まり、11月12日と13日に予定されているマレーシアカップ準々決勝4試合を条件付き活動令が施行されていないケランタン州のコタバルとパハン州クアンタンで実施できるよう、MFLが国内のスポーツを統括する青年スポーツ省に提案し、国家安全保障委員会より認可を受ける予定であるという記事も出ていました。

ポルトガルリーグ1部第7節-サファウィはベンチ入りも出場は無し
 11月9日早朝(マレーシア時間)に開催されたポルトガル1部リーグ第7節のFCポルト対ポルティモネンセSCの試合は、日本では「中島翔哉と安西幸輝の日本人対決が実現」(Goal.com日本語版より)と注目されていたようですが、マレーシアのサッカーファンはJDTから期限付きで移籍しているサファウィ・ラシドがついにデビューか、と待ち望みにしていた試合でした。
 移籍後初のトップチームの試合でベンチ入りが明らかになり、さらにこの試合前にポルティモネンセの公式Facebookにサファウィ選手のユニフォーム姿の写真までが投稿されたことで、マレーシアの多くのサッカーファンの期待が高まりましたが、残念ながら出番はありませんでした。
 ポルティモネンセSCはこの試合も1-3で敗れ、最近5試合を1勝4敗として最下位に転落しました。

11月9日のニュース:マレーシアカップ1回戦終了-ベスト8が決定、「鉄人」はパハンFA退団へ、パハンFAのドラー監督の去就も未定、タイリーグオールスターに代表トリオは選出されず

マレーシアカップ1回戦終了-ベスト8が決定
 11月7日(土)と8日(日)にマレーシアカップ1回戦の残り4試合が行われ、7日はMリーグ1部で今季3位のトレンガヌFCが同9位のPJシティFCを1-0、1部4位のペラTBGが2部8位のケランタン・ユナイテッドFCを4−0で破り、順当にベスト8進出を決めています。
 また8日には1部リーグ5位のスランゴールFCが同9位のマラッカ・ユナイテッドFCを2−1、同6位のUITM FCが2部6位のケランタンFAを3-1で破り、こちらもリーグ上位が下位のクラブに勝利しペスト8へ名乗りをあげました。
 なお、ベスト8のカードは以下の通りです。
ペナンFA(2部1位)-UTIM FC(1部6位)
JDT(1部1位)-クアラルンプールFA(2部3位)
トレンガヌFC(1部3位)-ペラTBG(1部4位)
スランゴールFC(1部5位)-クダFA(1部2位)

マレーシアカップ1回戦
11月7日(土)
スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
トレンガヌFC 1-0 PJシティFC
得点者:トレンガヌ-サンジャル・シャアフメドフ(37分)
 サイドラインが不明瞭なため、試合開始前に改めてサイドラインを引き直すという、プロの試合としては前代未聞の理由により試合開始が30分近く遅れたものの、ホームのトレンガヌFCが順当に勝利を収めています。

ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラTBG 4-0 ケランタン・ユナイテッドFC
得点者:レアンドロ・ドス・サントス3(7分、21分、49分)、カレッカ(90+1分)

11月8日(日)
ハンジェバスタジアム(マラッカ州クルボン)
スランゴールFC 2-1 マラッカ・ユナイテッドFC
得点者:スランゴール-イフェダヨ・オモスイ(21分)、サンドロ・ダ・シルヴァ(52分)、マラッカ-ウチェ・アクバ(57分)

MPMスタジアム(ペラ州マンジュン)
UITM FC 3-2 ケランタンFA
得点者:UITM-アリフ・アヌアル2(12分、67分)、ラフィ・ヤアコブ(15分)、ケランタン-ダニアル・アシュラフ2(61分、63分)
 ケランタンFAの渡邉将基選手はベンチ入りしませんでした。

ディクソン・ヌワカエメはパハンFA退団へ
 11月6日に行われた対クダFA戦に敗れたパハンFAのFWディクソン・ヌワカエメが自身のTwitterで「この試合がパハンFAのユニフォームを着てプレーした最後の試合で、このように終わって欲しくなかった。」と退団をほのめかす投稿を行っています。
 Orang Besi(マレーシア語でorangは「人」、besiは「鉄」なので「鉄人」)の愛称でパハンFAサポーターから親しまれた34歳のヌワカエメ選手はナイジェリア出身で、2014年にケランタンFAからパハンFAへ移籍すると、この年のFAカップ決勝のフェルダ・ユナイテッドFC戦では1ゴール、マレーシアカップ決勝のJDT戦では2ゴールを決めていずれもチームを優勝に導き、パハンFAの2冠達成に貢献しています。(ちなみに前年にはケランタンFAでもFAカップ準決勝で2ゴールを決め、ケランタンFAのFAカップ優勝にも貢献しています。)
 ヌワカエメ選手はリーグ戦でも2014年は6ゴール、翌年2015年には9ゴールを決め、パハンFAはこの2シーズンともリーグ3位となっています。
 2016年にはフランス1部リーグのアンジェSCOに移籍したものの、昨季2019年シーズンにパハンFAに復帰すると、リーグ戦で7ゴールを決めるなどクラブを前季のリーグ4位から2位へと押し上げたものの、今季はケガなどもあり先発した試合もわずか4試合でリーグ通算2ゴールと以前のような活躍はできていませんでした。
 しかしその一方で、この試合でもフル出場しており、Mリーグで自分を必要とするクラブがあれば話を聞く用意があるとして、34歳のヌワカエメ選手は現役続行に意欲を示しています。

パハンFAのドラー監督の去就も未定
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版は、マレーシアカップ1回戦で敗退したパハンFAのドラー・サレー監督の去就についてはまだ何も決まっていないようだと報じています。
 2010年から2013年までパハンFAで監督を務めたのち、2017年に4年ぶりに復帰したドラー監督は2017年にはリーグ2位、2018年は4位、昨季2019年シーズンには再び2位となり、カップ戦でも2017年にはFAカップ準優勝、2018年にはFAカップ優勝という成績を収め、今季も好成績が期待されていました。
 しかし今季は開幕前に代表選手でもあるマシュー・デイヴィーズがJDTに移籍した他、新型コロナウィルスによる中断期間中にはやはり代表選手のモハマドゥ・スマレがチームを離れてタイのクラブへ移籍、また上でも取り上げたディクソン・ヌワカエメの不調などからリーグ8位に終わり、マレーシアカップも1回戦敗退という成績に終わっています。
 マレーシアカップ1回戦終了後、ドラー監督は来季の去就はパハンFAを運営するパハン州サッカー協会が決めることであると話し、どのような結果になっても受け入れる用意はあると話しています。

タイリーグオールスターに代表トリオは選出されず
 サッカー専門サイトのヴォケットFCは、11月14日に予定されているタイ代表対タイリーグオールスターのメンバーに、現在、タイ1部リーグでプレーするマレーシア代表トリオが一人も選出されなかったことを報じています。
 この試合では、新型コロナウィルスの影響により他国代表と試合ができない西野朗監督率いるタイ代表がタイリーグオールスターと対戦しますが、タイリーグオールスターはタイ1部リーグでプレーする外国籍選手17名と代表に選出されていないタイ人選手5名の計22名で構成され、監督は先月10月にバンコク・ユナイテッドの監督を辞任したばかりのアレシャンドロ・「マノ」・ポルキン氏が指揮を取りますが、このタイリーグオールスターにはマレーシア代表のノーシャルル・イドラン・タラハ(BGパトゥム・ユナイテッド)、ドミニク・タン、モハマドゥ・スマレ(いずれもポリス・テロFC)の3名は選出されませんでした。
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 この11月14日は、本来ならばFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選のタイ代表対マレーシア代表が予定されていたFIFAの国際マッチデーでしたが、新型コロナウィルスの影響でワールドカップ予選が来年に延期となったことで日程的には空いており、今回の試合が実現しています。
 今回のタイリーグオールスターのメンバーは、タイサッカー協会FATの公式サイトで発表されており、代表トリオのチームメートからポリス・テロFCのFWグレッグ・フーラ (フランス)やDFクォン・デヒ(韓国)、BGパトゥム・ユナイテッドのMF丸岡満やMFチャウワット・ヴィラチャード(タイ)らが選出されている他、東南アジア出身選手としてフィリピン代表のGKミカエル・ファルケスゴーア(バンコク・ユナイテッド)、DFマルティン・シュトイブレ (ポートFC)らが選ばれています。