6月12日のニュース:W杯予選G組-マレーシアはベトナムに敗れる、UAEはインドネシアに圧勝

W杯予選G組-マレーシアはベトナムに敗れる、UAEはインドネシアに圧勝
 マレーシア時間の6月12日早朝にFIFAワールドカップ2022年アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会が行われ、G組1位のベトナムと対戦したマレーシアは1-2で敗れています。
 試合開始8時間前に父親の訃報が届いたタン・チェンホー代表監督は、前戦のアラブ首長国UAE戦で批判を浴びたFWギリェルメ・デ・パウラ(JDT)をこの試合でも先発起用、また前戦では出場停止となっていたMFブレンダン・ガンも先発に戻り、現時点でのベスト布陣を揃えて試合に臨みました。
 スピードで勝るベトナムは試合開始直後からマレーシアを圧倒し、何度か好機を逃した後、27分にコーナーキックから折り返したボールをFWグエン・ティエン・リンがヘディングで決めてベトナムが先制します。一方、マレーシアも38分にDFマシュー・デイヴィーズ(JDT)のクロスにFWシャフィク・アフマッド(JDT)が頭で合わせますが、ベトナムGKブイ・タン・チュオンの好セーブに阻まれ得点に至らず、44分にはFWサファウィ・ラシド(JDT)がフリーキックでゴール狙いますが、これもブイ・タン・チュオンに弾かれ、さらにギレェルメ・デ・パウラのシュートもDFドゥオン・バン・ハオがコースに入って防ぐなどし、前半はベトナムリードのまま1-0で折り返します。
 後半に入るとタン監督はシャフィク・アフマッドに代わりMFナズミ・ファイズ(JDT)を、サファウィ・ラシドに代えてFWアキヤ・ラシド(JDT)を、さらに19歳のFWアリフ・アイマン(JDT)を精彩を欠くFWモハマドゥ・スマレ(JDT)に代えて投入すると、この交代が功を奏し、72分にはナズミ・ファイズからのゴール前へのクロスに合わせようとしたギリェルメ・デ・パウラにドゥオン・バン・ハオに乗りかかるようにファウルをし、佐藤隆治主審はマレーシアにPKを与えます。これをデ・パウラ自身が決めてマレーシアは同点に追いつきます。しかし83分にはブレンダン・ガンがベトナムFWグエン・バン・トアンを倒し、佐藤主審はベトナムにPKを与えます。シミュレーションのようにも見えるプレーでしたが、これをDFクエ・ゴック・ハイが決めてベトナムがリードし、試合はそのまま終了。この結果、ベトナムが勝点3を獲得して合計勝点17としてG組首位をキープ。最終戦となる次戦UAEで引き分け以上でG組1位突破が決まります。一方のマレーシアは勝点9で3位のタイと並んだものの得失差(タイ+1に対しマレーシア-3)で4位のままです。
*****
 マレーシアのメディアは第3次予選出場が消え去った、といった論調の記事を掲載していますが、イエローカード5枚が示すように、スピードで上回るベトナムをマレーシアはファウルでしか止められなかった場面が何度もあり、全く順当な結果に思えます。またこの試合では相手DF陣を何度もドリブルで突破したアリフ・アイマンや、DF陣の空いたスペースに入り込んだアキヤ・ラシドに使える目処がたったことも大きな収穫でした。新型コロナウィルスにより高いレベルでの試合不足だった代表自体もエンジンが温まってきたので、次のタイ戦こそ真価が問われる試合になりそうです。2019年末のスズキカップ準優勝以来、盛り上がってきたマレーシア代表へ声援がここで終わってしまうのか、それとも2023年アジアカップへ続くのか、タイ戦こそがDo-or-Dieの試合と言えそうです。

FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選G組
2021年6月12日@アール・マクトゥーム・スタジアム、アラブ首長国連邦ドバイ
マレーシア 1-2 ベトナム
得点者:マレーシア-ギリェルメ・デ・パウラ(72分PK)、ベトナム-グエン・ティエン・リン(27分)、クエ・ゴック・ハイ(83分PK)
(写真はマレーシアとベトナムの先発XI、マレーシア、ベトナム両サッカー協会のFacebookより)

2021年6月12日@ザビールスタジアム、アラブ首長国連邦ドバイ
アラブ首長国連邦UAE 5-0 インドネシア
得点者:UAE-アリー・マブフート2(23分、49分PK)、ファビオ・ヴィルジニオ・ジ・リマ2(28分、55分)、セバスティアン・ルーカス・タグリアブエ(86分)

FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選
兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選G組順位表(2021年6月12日現在)

TeamPWDLGFGAGDPTS
1ベトナム7520112917
2UAE75022051515
3タイ72329819
4マレーシア7304912-39
5インドネシア8017522-171

P-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、PTS-勝点

予選G組今後の日程(時間は現地時間、試合はいずれも午後8時45分キックオフ)
6月15日(火)
ベトナム-アラブ首長国連邦ザビールスタジアム、アラブ首長国連邦ドバイ
タイ-マレーシア@アール・マクトゥーム・スタジアム、アラブ首長国連邦ドバイ

6月11日のニュース:今夜はベトナム戦-試合前の代表の様子、ベトナム戦は中盤の勝負で長身選手起用が効果的-元Vリーグ選手がアドバイス、消滅クラブのコーチへも未払い給料の支援を求める- 指導者協会

 現在、アラブ首長国連邦UAEのドバイで開催中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選G組は、現地時間の6月11日に2試合が予定されています。
 6月2日のUAE戦では0-4と完敗したマレーシアは、タン・チェンホー監督就任以来の対戦成績が4試合で0勝1分3敗のベトナムと対戦します。UAE入り後、インドネシアと引き分け、UAEに敗れたタイと同様、3次予選進出の可能性が限り無く低くなったマレーシアですが、現実的な目標はW杯ではなくアジアカップ2023年大会出場。現在勝点9でタイと並びながら得失差でG組4位のマレーシアは、今夜のベトナム戦で万が一勝利すればタイ戦で引き分けても3位がとなりますが、今夜負ければタイ戦での勝利が必須となります。FIFAランキング153位のマレーシアが同92位のベトナムと同106位のタイを天秤に掛ければ、素人目ではここはタイ戦勝利のためにベトナム戦をどう戦うかという発想も必要かと思います。
 UAE入り後の練習試合と先日のUAE戦を合わせた3試合でマレーシアは1得点10失点と攻守とも不安材料満載ですが、前述したようにタイもこの予選では1分1敗(3得点5失点)と結果を出せておらず、タイと2-2で引き分けたインドネシアを4-1で一蹴したベトナムと比べれば、少なくともタイは与し易い相手に見えます。となれば、毎試合勝利が期待されている代表チームですが、今夜のベトナム戦、次戦のタイ戦の2試合合わせて勝点3獲得を目指す戦略があっても良いと思うのですがどうでしょうか。

今夜はベトナム戦-試合前の代表の様子
 UAEに4-1で敗れてから今夜のベトナム戦まで試合のない期間が8日間続いたマレーシア代表チーム。選手は十分な休養が取れ、首脳陣は次戦に向けて戦術や戦略を用意する時間が確保できる一方で、タン・チェンホー監督は空き過ぎた時間のせいで必要以上に不安や緊張を感じることがあることから、選手を鼓舞し、対話を続け、練習を通じて自信を植えつけることに精を出していたようです。
 UAE戦敗戦の原因を分析し、それを修正するための練習を続けてきたと話すタン監督は、選手が敗戦を引きずらずにベトナム戦に臨む用意ができていると、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版に語っています。
 対戦相手のベトナムについて問われたタン監督は、FIFA U20ワールドカップ2017年大会出場選手を核とするチーム内の連携が良く取れており、相互理解と強い精神力を持ったチームだと称えた上で、前試合のUAE戦から連日の練習で攻守共に改善されたマレーシアにとって今夜の試合はベトナム戦連敗を止める好機だとして、最後まで集中力を切らさずに戦いたいと記者会見で話しています。

ベトナム戦は中盤の勝負で長身選手起用が効果的-元Vリーグ選手がアドバイス
 Mリーグ1部UITM FCの主将でフランス出身のヴィクトル・ニレノルドはベトナム1部VリーグのダナンFCでプレー経験があることから、今夜のW杯予選でベトナムと対戦するマレーシアに対して、自身の経験からアドバイスがあると英字紙スター電子版が報じています。
 「ベトナムの強さは中盤にあり、Mリーグで言えばJDTのように短いパスをつなぐサッカーを展開するので、そこで競り負けないことが第一。一方、攻撃に比べると守備には脆さもあり、マレーシアはギリェルメ・デ・パウラ、リリドン・クラスニキ、ディオン・コールズそしてラヴェル・コービン=オングといった長身選手をセットプレーで活用するべきだ。」と話すニレノルド選手は、マレーシアが注意するべき選手としてプレーメーカーのMFグエン・クアン・ハイ(ただしマレーシア戦は警告累積により出場停止)、FWグエン・バン・トアンを挙げています。

消滅クラブのコーチへも未払い給料の支援を求める- 指導者協会
 先日のこのブログでは、FIFAが国際プロサッカー選手会FIFProが共同で設立したFIFAサッカー選手基金(FIFA FPF)を通じ、かつてMリーグにありながら消滅してしまった5クラブによって給料未払い問題を被っている147選手に対して、一人当たりおよそ1230米ドルから9230米ドル(およそ13万5000円から101万円)が支払われるというニュースを取り上げました。これについて同じ5クラブからの給料がやはり未払いとなっている監督、コーチについての支援がないことから、マレーシアサッカー指導者協会FCAMはFIFAが監督、コーチの窮状を無視していると非難しています。
 プルリスFA、ハネランFC、マルセラ・ユナイテッドFC、クアンタンFA、トレンガヌシティFCの5クラブはかつてMリーグに所属しながら、運営資金不足などを理由にリーグから撤退し、クラブは消滅しています。
 FCAMのB・サティアナタン会長はFIFAが選手のみを支援し、監督、コーチを支援しない理由が理解できないとして、給料未払いとなっている5クラブの監督、コーチを代表してFCAMがFIFAに対し、問題喚起の手紙を送る予定だとニューストレイトタイムズの取材に対して明らかにしています。
 「国際プロサッカー選手会がFIFAサッカー基金創設で重要な役割を果たし、選手の福利を図るという目的を達成できているのは良いことだが、その一方でプロ指導者を統括する国際プロサッカー選手会のような世界的な組織はなく、権利のために戦う環境が整っていないのは残念だ。」
 数年前にFCAMの代表者としてヨーロッパサッカー指導者協会の定款に署名をしたと話すサティアナタン会長は、このヨーロッパサッカー指導者協会がプロ指導者の権利を守る唯一の国際的組織であり、世界各国が指導者協会を設けることを望んでいること、アジア諸国では指導者協会がほとんどなく、現在はインドと日本の指導者協会が中心となり、各国に協会設立を働きかけている最中であることなども述べています。
 最後にサティアナタン会長は、選手の声を代弁し、資金的にも裕福な国際プロサッカー選手会に倣って、FCAMはインドや日本の指導者協会と協力して、選手同様にサッカーに貢献しているプロ指導者の権利を守り、その代弁者となるような組織を設立したいと話しています。

6月10日のニュース:東南アジア競技大会延期案にマレーシアは反対、トレンガヌFCはヴァーチャルチームを発足、JDTのU21チームのシンガポールリーグ参加希望に対し地元は賛否両論

東南アジア競技大会延期案にマレーシアは反対
 マレーシアの通信社ブルナマは今年2021年11月21日に開幕予定の東南アジア競技大会延期案に反対の意を表明したと報じています。
 東南アジア版オリンピックとも言える東南アジア競技大会通称シーゲームズは隔年開催の大会で、第31回大会となる2021年大会はベトナムのハノイを中心に開催されることになっていますが、先日、オンラインで開催された東南アジア競技大会連盟SEAGFの会合席上で、主催者となるベトナムより新型コロナウィルス感染拡大を理由に主催者側から来年2022年5月または7月への延期が提案されたということです。この対案に対してSEAGF所属国のうち、開催国ベトナムともう1カ国が支持を表明した一方で、マレーシアを含めた8カ国が反対を表明、ラオスは意思表明を行わなかったということですが、反対多数により主催者は2週間以内にSEAGF所属各国が了承できる新たな提案を行う必要があるということです。
 反対の理由についてマレーシアオリンピック協会OCMのモハマド・ノルザ・ザカリア会長は、来年2022年には*コモンウェルス競技大会(7月28日から8月8日まで英国バーミンガムで開催)、アジア競技大会(9月10日から25日まで中国杭州市で開催)など大会が続き選手の日程が過密になることを挙げています。
 東南アジア競技大会ではサッカーはオリンピック同様、U23代表チームの大会となっていますが、2024年パリオリンピック出場を目指すマレーシアはU19代表チームを出場させることをマレーシアサッカー協会が明らかにしています。

トレンガヌFCはヴァーチャルチームを発足
 Mリーグ1部のトレンガヌFCがEスポーツにも参戦することをクラブの公式サイトで発表しています。
 トレンガヌFCを運営するTFC社は、同じトレンガヌ州を拠点とするEスポーツマレーシアトレンガヌ社(ESMT)とパートナー契約を結び、仮想空間で「ヴァーチャル」トレンガヌFCを立ち上げるということです。このようなヴァーチャルチームを発足させるのはMリーグのクラブとしては初めてということです。
 TFC社のアブドル・ラシド・ジュソーCEOは、トレンガヌFCがEスポーツに参戦することで、クラブのサポーターなどにもEスポーツを体験する機会が提供できるだけでなく、このヴァーチャルチームを国内だけでなく国外へのトレンガヌFCのマーケティングの手段として活用したいと話しています。
 なおこのヴァーチャルトレンガヌFCの選手は、トレンガヌFCのユニフォームと同じユニフォームを着用して、EAスポーツのFIFAシリーズやプロエヴォリューションサッカーPES(日本語名ウイニングイレブン)などの国際大会にも出場するということです。
 

JDTのU21チームのSリーグ参加希望に対し地元は賛否両論
 Mリーグ1部JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下はJDTのU21チーム、JDT IIIをシンガポール1部のSリーグに参加するための交渉が行われていることを明らかにしました。
 イスマイル殿下はクラブがU21チームに多額の投資を行う一方で、マレーシア国内ではU21チームが出場できる試合が少ないことがその理由で、これに対してシンガポールサッカー協会FASのリム・キアトン会長は、Sリーグへの参加が公式に申請された場合、シンガポール国内サッカーにとって利益になるようであれば、JDT IIIの参戦を検討すると前向きな姿勢を見せています。
 これについてシンガポールの英字紙ストレイトタイムズはこのJDT IIIのSリーグ参加希望に対する様々な意見を取り上げています。
 元シンガポール代表のR・サシクマル氏はイスマイル殿下のサッカーに対する考えには共感するが、JDT IIIがU21のサードチームだとして、シンガポールサッカーにとっては何の利益もないとして、Sリーグ参加には反対だと述べています。さらに2034年のワールドカップ出場を目指しているシンガポール代表を強化するためには、外国のクラブ参加を認める代わりにSリーグに参加する国内クラブの数を現在の7から10に増やすべきだと述べています。
 またやはり元代表のシャーリル・ジャンタン氏はFASに対してSリーグの存在意義を再検討するよう求めています。強い国内リーグが強い代表チームや質の高いシンガポール代表選手を生み出す基盤になるとして、JDT IIIの参加はシンガポール人選手のレベルアップには全く繋がらないと話しています。
 その一方でSリーグ昨季5位のバレスティア・カルサFCの副会長でFASの理事でもあるダーウィン・ジャリル氏は、リーグ内の競争を激しくするようなクラブの参加は認めるべきだとしています。チーム数が増えることは歓迎すべきことで、チーム数が増えれば試合数も増えることから、国内クラブ数が増えることが望ましいものの、当座しのぎとしてはJDT IIIのSリーグ参加は悪いアイディアではないと述べています。
******
 昨季2020年シーズンのSリーグ優勝チームはアルビレックス新潟シンガポール、そしてその前年2019年シーズンブルネイのDPMMが優勝といずれも外国のクラブが2連覇を達成しています。また、それ以前にもマレーシアのU22代表が2012年に、またU21代表が2013年から2015年にSリーグに参加(同時にシンガポールU22がMリーグに参加)していたこともあります。ちなみにシンガポールU22代表は2013年にはMリーグ1部スーパーリーグで優勝しています。
 なお現在のSリーグは8チームが所属していますが、アルビレックス新潟シンガポールは先発に必ずシンガポール人選手2名を含めること、またベンチ入りも含めて最低10名のシンガポール人選手を登録することなどが義務付けられています。

6月9日のニュース:DFエルドストールはベトナム戦欠場か、ペラFCは再建に向けて外国籍選手を総入れ替え、スランゴールFC監督は現有戦力に自信

DFエルドストールはベトナム戦欠場か
 現在アラブ首長国連邦で開催中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選ではマレーシア代表は6月11日(現地時間)にベトナムと対戦しますが、この試合にはDFジュニオール・エルドストール(チョンブリーFC-タイ)が欠場するようだと、スポーツ専門サイトのヴォケットFCが報じています。
 スポーツ専門チャンネルのアストロ・アリーナのズルヘルミ・ザイナル・アザム記者のツイートを引用する形で書かれた記事では、エルドストール選手は途中出場となった先日のアラブ首長国連邦UAE戦でアキレス腱を痛め、現在は練習にも参加していないということです。
 主将のアイディル・ザフアン(JDT)に代わって69分から出場したエルドストール選手は、この試合が代表初戦となったDFディオン・コールズ(ミィティランFC-デンマーク)とともにセンターバックとしてプレーしましたが、チームは試合終了前の10分で3失点するなどし、0-4で敗れています。
 守備陣だけの責任とは言えないものの、UAE戦は4失点と大敗し、必勝が求められるベトナム戦を控えた状況でのエルドストール選手の離脱により、タン・チェンホー代表監督は、アイディル・ザフアン選手やコールズ選手の他、まだ起用していないアダム・ノー・アズリン(JDT)、ドミニク・タン(ポリステロFC-タイ)、イルファン・ザカリア(KLシティ)らも含めた守備陣の再編成を迫られています。
*****
 この情報が本当なら、大事な試合の前にベトナムにとっては有益、マレーシアにとっては不利益以外の何物でもないこういった情報は外部に漏らされるべきではないと思うのですが、代表には情報管理というのは概念はないようです。
 代表のマシュー・デイヴィーズ(JDT)がUAE戦敗戦後、インスタグラムに「ミスを修正して次戦に向けて集中します。」と投稿すると、JDTオーナーのTMJことトゥンク・イスマイル ジョホール州皇太子が「まずはソーシャルメディアを止めて集中しろ」とコメント欄で返信したことがサポーターの話題になっているのですが、これも外部に情報がダダ漏れしている現状を野放しにしているチームマネージャーや事務方の力量不足が露呈した形です。

ペラFCは再建に向けて外国籍選手を総入れ替え
 このブログでも何度も取り上げたMリーグ1部ペラFCの給料未払い問題とそれに伴う主力選手の流失ですが、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロによると、選手の流失は止まり、後半戦へ向けてチームの再建が始まっているようです。
 移籍が噂れながらも残留したペラFCのGKハフィズル・ハキムがアストロ・アリーナの取材に対応し、経営陣が問題解決に対して見せた取り組みにより、残留した選手たちはチームに対しての信用が回復し、2部降格を阻止しようという気持ちを持ち始めているということです。W杯予選開催に伴い現在中断中のMリーグ1部でペラFCは3勝3分7敗の成績で、降格圏の11位とは勝点差1の10位につけています。
 代表FWギリェルメ・デ・パウラやDFシャールル・サアドら流出した6名の主力選手に代わり、ペラFCは先月末に終了したトランスファーウィンドウ期間に英国出身のMFチャーリー・マシェル(カンボジア1部ビサカFCより加入)、いずれも元レバノン代表のDFジャド・ヌールディン(バーレーン2部アル・アハリ・マナマより加入)、MFサミル・アヤス(ブルガリア1部POFKボテフ・ヴラツァより加入)、カメルーン生まれのインドネシア人DFズバイロウ・ガルバ(インドネシア1部ペルセバヤ・スラバヤ より加入)、コートジボアール出身のDFジスラン・コナン(昨季は所属なし)と5名の外国籍選手を総入れ替えした他、マレーシア人選手4名もこのトランスファーウィンドウ期間に獲得しています。
 ペラFCのチョン・イーファット監督はセカンドチームでMリーグ2部のペラFC IIからの選手昇格も明言しており、ハフィズル選手ら残留した4名の主力選手に新たな外国籍選手、そしてセカンドチームから昇格する若手の融合チームで、ペラFCは1部残留を目指して後半戦に臨みます。

スランゴールFC監督は現有戦力に自信
 上の記事でも取り上げたペラFCを含めMリーグ1部の他のクラブが新戦力獲得に動く中、スランゴールFCはトランスファーウィンドウ期間に加入した選手はいませんでしたが、カルステン・ナイチェル監督は現有戦力で後半戦に臨むことに何の心配もしていないとスタジアムアストロが報じています。
 合宿形式での練習を再開したスランゴールFCには、開幕前に同じ1部のスリ・パハンFCから移籍しながらプレシーズンマッチでのケガにより前半戦を棒に振ったMFニック・シャリフ・ハッセフィ、やはり長期離脱中だったDFティム・ホイバッハ、DFサフアン・バハルディンらが復帰した他、セカンドチームでMリーグ2部のスランゴール2からも複数の選手を昇格させています。
 前半最終戦後から各選手とも十分な休養が取れたと話すナイチェル監督は、全選手が今季初めて揃ったチームは残る後半戦9試合に向けて練習を再開できることを喜んでいると話しています。
 スランゴールFCはMFブレンダン・ガンとDFシャミ・サファリがW杯予選を戦う代表に召集されていますが、この2人が戻りベストの布陣となったところで、自身の戦術や戦略を浸透させたいとないチェル監督は語っています。
*****
 正直なところ、今季はトップ3も現実的な目標ではないスランゴールFCですが、これまでのように次々に新戦力を獲得して目先の勝利を追及する方針から、育成しながら勝つ方針へと転向したことは中、長期的には良い結果をもたらす可能性が高そうです。前半戦終盤の試合で起用され始めた国内エリートアカデミーAMD出身者や20代前半の若い外国籍選手たちも1部のサッカーに慣れ、後半戦には期待が持てそうです。

6月8日のニュース:W杯予選G組-ベトナムとUAE勝利で順位は変わらずマレーシアは4位のまま、JDTオーナーが自身のクラブ運営方法批判を一蹴

W杯予選-ベトナムとUAE勝利で順位は変わらずマレーシアは4位のまま
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選G組の試合が行われ、グループ1位のベトナムと2位のアラブ首長国連邦UAEがそれぞれ勝利しています。
 首位ベトナムと最下位インドネシアの対戦は、0-0で前半を折り返したものの、後半のゴールラッシュで順当にベトナムが勝利してグループ首位を堅持しています。
 一方、2019年10月15日のホームでの試合ではUAEを2-1で破っていたタイでしたが、この試合はタイの神童こと18歳のスファナット・ムエアンタがゴールを挙げるも、3−1でUAEがブラジル出身の帰化選手の2ゴールを含む3ゴールで快勝しています。

6月7日@アール・マクトゥーム・スタジアム、アラブ首長国連邦ドバイ
ベトナム 4-0 インドネシア
得点者:ベトナム-グエン・ティエン・リン(51分)、グエン・クアン・ハイ(52分)、グエン・コン・フオン(67分)、ヴー・ヴァン・タン (74分)

6月7日@ザビールスタジアム、アラブ首長国連邦ドバイ
アラブ首長国連邦UAE 3-1 タイ
得点者:UAE-カイオ・カネド (14分)、ファビオ・ヴィルジニオ・ジ・リマ (33分)、ユースィフ・ジャービル(90+4分)、タイ-スファナット・ムエアンタ (54分)

FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選
兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選G組順位表(2021年6月8日現在)

TeamPWDLGFGAGDPTS
1ベトナム642091814
2UAE64021551012
3タイ72329819
4マレーシア6303810-29
5インドネシア7016522-171

P-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、PTS-勝点

予選G組今後の日程(時間は現地時間、試合はいずれも午後8時45分キックオフ)
6月11日(金)
インドネシア-アラブ首長国連邦@ザビールスタジアム、アラブ首長国連邦ドバイ
マレーシア-ベトナム@アール・マクトゥーム・スタジアム、アラブ首長国連邦ドバイ
6月15日(火)
ベトナム-アラブ首長国連邦ザビールスタジアム、アラブ首長国連邦ドバイ
タイ-マレーシア@アール・マクトゥーム・スタジアム、アラブ首長国連邦ドバイ

JDTオーナーが自身のクラブ運営方法批判を一蹴
 英字紙スター電子版は、Mリーグ1部7連覇中のJDTがMリーグのトップ選手を独占しているという批判に対するオーナーの反論を紹介しています。
 JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が参加して先日行われたインスタグラムライブ中、一人の参加者がイスマイル殿下に対して国内のトップ選手をJDTが次々と獲得していることによりMリーグ全体に悪影響を及ぼしているのではないのではないか、と問いかけました。そこでイスマイル殿下はMリーグで給料未払いとなっている複数のクラブがあることを挙げて、給料未払いのクラブと自身のどちらがリーグにとって悪影響を及ぼしているのかと問い返し、選手の給料や福利に責任を持たないクラブに苦しめられている選手を救っているだけだと主張したということです。
 さらにイスマイル殿下は「JDTは自らの予算の範囲内でクラブを運営している。他のMリーグクラブも同様にするべきで、それができないのであれば、その失敗の責任は各クラブが負うべきである。JDTのオーナーとしてクラブの成功を目指すのは当然で、選手を獲得する必要があれば獲得し、育成する必要があれば育成する。」と述べています。
 またイスマイル殿下は、ややもすると傲慢(ごうまん)とも言える自身のクラブの運営方法に対して問われると、プロサッカークラブを運営するにはプロとして見栄えが重要であり、自身の自尊心を高揚させるためにあらゆる面で最高のものが必要になり、ライバルとの争いには謙虚さは全く必要でない、という自信の考えも明かしています。
 なおJDTはW杯予選、そしてAFCチャンピオンズリーグ後のMリーグ再開に向けて、期限付きでオーストラリア1部のニューカッスルジェッツに移籍していたシャフリアン・アビマニュを復帰させるほか、英国1部ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズFCのU23チームでプレーする20歳のナサニエル・シオ・ホング・ワンの獲得も発表しています。

6月5日のニュース:タン監督は不振のデ・パウラを擁護、代表チームへの帰化選手不要論が賑やかに、帰化選手プロジェクトに期待を懸け過ぎた

タン監督は不振のデ・パウラを擁護
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選の再開後第1戦では、マレーシアはアラブ首長国連邦UAEに0-4と良いところなく敗れました。
 試合に負けてしまったので当然と言えば当然ですが、ソーシャルメディア上では不振の選手、特に帰化選手への風当たりが強く、その中でもマレーシアサッカー史上3人目の帰化選手となったブラジル出身のギリェルメ・デ・パウラは敗戦の責任を一人で背負わされるような非難の嵐の中にいます。
 UAEとの試合では、MFノー・アザム・アジー(スリ・パハンFC)やFWサファウィ・ラシド(JDT)といった主力選手が機能していないとわかると躊躇なく交代を命じたタン・チェンホー代表監督ですが、デ・パウラ選手だけは最後まで使い続けたことで、ソーシャルメディア上ではタン監督の起用方法にも疑問の声が多く挙がっています。
 これについてマレーシアの通信社ブルナマはタン監督の「首脳陣はデ・パウラ選手の体躯と得点能力に期待し、(0-1とUAEにリードされた後も)同点ゴールを期待して起用し続けた。」というコメントを紹介しています。しかしメディアとのオンライン会見に応じたタン監督は、次戦以降(6月11日のベトナム戦、6月15日のタイ戦)もデ・パウラ選手が先発メンバーに入るのかどうかを問われると、「敗戦は一人や二人の選手のせいではなく、どの選手もベストのプレーができなかったチーム全体のせいであり、2週間しか準備期間がなかったマレーシア代表に対してUAEは準備という点でははるかに優っていた。」と述べています。
 またタン監督はUAE戦についてディフェンスの最終ラインの健闘をたたえ、特に3日前に合流したディオン・コールズについては短期間で守備陣の一員となったことを賞賛しています。
*****
 ディオン・コールズが高いレベルでプレーしてきた選手であることは理解しますが、大事な試合の3日前に代表に合流させる意味が果たしてあったのかは正直、疑問です。準備期間が2週間と短かったと述べているタン監督ですが、だとすればここまでの練習試合2試合で起用し、国内での合宿からチームに馴染んでいるイルファン・ザカリアを起用する、あるいは練習試合でのイルファン選手のミスが気になるなら、少なくともUAE合宿初日から合流しているジュニオール・エルドストールでスタートし、途中からコールズという起用もあったのではないかという気もします。(実際にエルドストール選手はアイディル・ザフアンと交代で途中出場しています。)

代表チームへの帰化選手不要論が賑やかに
 可愛さ余って憎さ百倍、というわけではないでしょうが期待通りのパフォーマンスを見せることができていない帰化選手に対して、マレーシア人選手やOBから帰化選手の器用に疑問の声が上がっています。
 W杯予選前に行われたクウェート、バーレーンとの練習試合に連敗した代表に向けて、まず声を挙げたのは幻のモスクワオリンピックで代表選手だった「レジェンド」のサントク・シン氏でした。この練習試合ではクウェート戦でギリェルメ・デ・パウラがゴール挙げましたが、他のマレーシア人選手と比べても圧倒的に活躍したわけでもないことから、Mリーグでの活躍が評価されて帰化選手となり、代表に招集されたものの国際舞台では力が発揮できないのであれば帰化選手(ここでの帰化選手はマレーシア人の血を引かない外国出身選手)はそもそも代表には必要ない、と言い切っています
 この発言の根拠の一つとして挙げている、ボイコットによって幻となったモスクワオリンピックの出場を懸けた予選ではマレーシア人選手だけで勝ち抜き出場を勝ち取ったという発言は、当時と現在の状況が違いすぎるため話半分で聞くとしても、期待通りの活躍を見せられていない帰化選手に対する厳しい意見は、このシン氏だけではなくサポーターの間からも聞こえてきます。
 デ・パウラ選手についてはやはり「レジェンド」のカリド・アリ氏が、ワントップとして前線で孤立してしまう機会が多かったとして、デ・パウラ選手が問題なのではなく、そこへボールを供給できなかったサファウィ・ラシドらがむしろ問題だったという指摘もありますが、自体を冷静に見られているのは招集はのようです。
 帰化選手が増えれば、マレーシア人選手の機会が奪われることも指摘しているシン氏ですが、それも結果を出していれば、そのような意見もファンの声援にかき消されてしまうでしょう。マレーシア人選手と同じレベルの活躍では不十分なことはマレーシア代表の3名の帰化選手も当然理解しているはず。次戦のベトナム戦では意地を見せて欲しいです。

帰化選手プロジェクトに期待を懸け過ぎた
 2010年の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップでマレーシアが初優勝した際には得点王となった元代表のエース、サフィ・サリー(KLシティFC)は、マレーシアサッカー協会FAMが進めようとしている帰化選手プロジェクトを非難する投稿を自身のFacebookに投稿しています。
 今後もさらに帰化選手を生み出そうとするプロジェクトは「詐欺」だとして、マレーシア人選手が責任感と信用を与えられれば、代表チームは良い結果を生み出すことができると、サフィ選手は述べています。
 「我々は代表チームと帰化選手プロジェクトに騙されていたと言わざるを得ない。」と投稿したるサフィ選手は、残る2試合(ベトナム戦とタイ戦)にマレーシア人選手が責任感と信用をを与えられれば、期待されている結果を出すことができるとして、帰化選手の出場を暗に否定する発言をしています。
 中東のチームと相手のホームで対戦するのは易しいことではないが、帰化選手に懸けた期待が大きすぎたため、その分の失望も大きくなったと述べるサフィ選手は、直ちに気持ちを切り替えて最大の勝点を獲得して欲しいと、マレーシア人選手に奮起を促しています。

6月4日のニュース:W杯予選G組-マレーシアはUAEに0-4で完敗、タイは最下位インドネシアと引き分け

W杯予選-マレーシアはUAEに0-4で完敗
 新型コロナウィルス感染拡大により中断していたFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選が再開し、アラブ首長国連邦UAEで集中開催となっている予選G組は2試合が行われ、マレーシアはUAEに0-4で敗れています。
 2019年11月19日のW杯予選インドネシア戦以来の公式戦となったマレーシアは、新たに帰化選手2名が代表に加わり期待が持たれていましたが、蓋を開けてみれば完敗でした。国内リーグのMリーグでも調子が上がっていないブラジル出身のFWギリェルメ・デ・パウラ、期限移籍中のオーストラリア1部リーグでは最長でも45分しか出場時間のないコソボ出身のMFリリドン・クラスニキの両帰化選手はいずれも機能しなかった一方で、UAEの帰化選手、MFファビオ・ヴィルジニオ・ジ・リマ (ブラジル)は2得点、後半途中から出場したFWカイオ・カネド(ブラジル)も得点はなかったものの、試合出場と同時にUAEの攻撃陣が一変し、そこから試合終了までの10分間で3ゴールを挙げたUAEの攻撃陣をリードしました。
 マレーシアは2019年9月10日にホームのブキジャリル国立競技場で行われたUAE戦で2ゴールを決めたFWアリー・マブフートにこの試合でも先制ゴールを含む2得点を許しており、相手のエース対策不足も露呈しています。
 素人目から見ても、マレーシアGKのファリザル・マーリアスのファインセーブやDFジュニオール・エルドストールの献身的な守備で0-4で済んで良かったという試合でした。フィットネスレベル、運動量、戦術とあらゆる面でUAEに対して明らかに劣っていたマレーシアは、前線ではいつもなら集中力を途切れさせないサファウィ・ラシドから試合中何度も笑みがこぼれる場面も見受けられる一方で、中盤の選手がほとんどボールに絡むことがなく、UAE攻撃陣にスペースを与え続けました。本来ならDFラヴェル・コービン=オングとDFマシュー・デイヴィーズの両サイドバックが攻撃を演出するマレーシアの得点パターンも試合当初は機能したものの、途中からは守備の比重が増える形になり、積極的な攻撃参加の機会が減りました。また、この試合の3日前に「秘密兵器」として披露されたDFディオン・コールズと主将のDFアイディル・ザフアンのセンターバックコンビも意思の疎通が不十分なところから先制点を許すなど、次戦となる6月11日のベトナム戦までに修正しなければならない課題が多く残った試合でした。
 UAE守備陣の明らかなハンドの反則が見逃されるなどマレーシアにとっては不運な場面もありましたが、この日のような試合では何度対戦してもUAEには歯が立ちそうもない印象が残りました。
 なお韓国メディアが「監督日韓戦」と呼んだ予選G組のもう一つの試合ではJリーグでプレーするDFテーラトン・ブンマタン(横浜M)、MFチャナティップ・ソングラシンタイ(札幌)らを欠くタイが、若手主体のインドネシアと2-2と引き分けています。
 この結果、マレーシアに勝利したUAE、インドネシアと引き分けたタイ、UAEに敗れたマレーシアの3チームが勝点9で並んだものの、得失差でUAEが2位、タイが3位、マレーシアが4位となり、この日試合がなかったベトナムが勝点11で首位、引き分けで予選初の勝点1を獲得したインドネシアが5位となっています。
*****
 正直、悔いが全く残らないほどの完敗で、むしろ次のベトナム戦には気持ちの切り替えが容易なのではと思いました。このベトナム戦、そして続くタイ戦は同じ東南アジアのライバルとしてプライドもかかる試合です。次戦までの1週間でタン・チェンホー監督とチームが与えられた宿題をどうこなしてくるのかに期待したいです。

FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選G組
6月3日@ザビールスタジアム、アラブ首長国連邦ドバイ
アラブ首長国連邦UAE 4-0 マレーシア
得点者:UAE-アリー・マブフート2(18分、90+1分)、ファビオ・ヴィルジニオ・ジ・リマ(83分、90+2分)

6月3日@アール・マクトゥーム・スタジアム、アラブ首長国連邦ドバイ
タイ 2-2 インドネシア
得点者:タイ-ナルバディン・ウェーラワトノドム(5分)、アディサク・クライソーン(50分)、インドネシア-イ・カデック・アグン・ウィドニャナ(39分)、エヴァン・ディマス(60分)

FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選
兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選G組順位表(2021年6月4日現在)

TeamPWDLGFGAGDPTS
1ベトナム532051411
2UAE530212489
3タイ62318539
4マレーシア6303810-29
5インドネシア6015518-151

P-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、PTS-勝点

予選G組今後の日程(時間は現地時間、試合はいずれも午後8時45分キックオフ)
6月7日(月)
アラブ首長国連邦-タイ@ザビールスタジアム、アラブ首長国連邦ドバイ
ベトナム-インドネシア@アール・マクトゥーム・スタジアム、アラブ首長国連邦ドバイ
6月11日(金)
インドネシア-アラブ首長国連邦ザビールスタジアム、アラブ首長国連邦ドバイ
マレーシア-ベトナム@アール・マクトゥーム・スタジアム、アラブ首長国連邦ドバイ
6月15日(火)
ベトナム-アラブ首長国連邦ザビールスタジアム、アラブ首長国連邦ドバイ
タイ-マレーシア@アール・マクトゥーム・スタジアム、アラブ首長国連邦ドバイ

6月3日のニュース:U19代表合宿がロックダウンにより中止に、主力選手流出のペラFCに9選手が加入、今年のスズキカップは一箇所での集中開催か

U19代表合宿がロックダウンにより中止に
 今年2021年11月からベトナムのハノイで開催される東南アジア競技大会通称シーゲームズに向けて今月6月に予定されていたU23代表合宿が中止になったと、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 事前に関係各所から合宿開催許可を得ていたU19代表でしたが、新型コロナウィルス感染拡大が止まらないマレーシアでは6月1日から14日まで移動制限を含む完全ロックダウンが実施されたことで、今回の合宿も中止となったようです。
 オリンピックの東南アジア版とも言えるシーゲームズでは、サッカーは各国のU23代表が出場しますが、マレーシアサッカー協会FAMは2024年パリオリンピック予選の準備としてU19代表を派遣する予定にしています。
 現在のロックダウン下では半径10kmを超えての原則として禁じられており、これによりスランゴール州プタリンジャヤにあるFAMの練習施設で開催予定だった合宿に選手が参加できない可能性があることなどが中止の理由とされています。
 オーストラリア出身のブライアン・マロニーU19代表監督は現時点ではチームをいつ招集できるかは不明だと話す一方で、新型コロナウィルスの感染状況やFIFAの国際マッチデーカレンダーなどを考慮しながら、次の合宿の予定を立てるとしています。
 U19代表はアジアサッカー連盟AFC U19選手権2020年大会の予選を勝ち抜き、ウズベキスタンで開催予定だった本戦出場の資格を得ましたが、新型コロナウィルス感染拡大により大会そのものが中止になっています。なお、この2020年大会の中止決定後、AFCはこの大会を2023年よりAFC U20選手権として開催することを発表しています。

主力選手流出のペラFCに9選手が加入
 5月31日の今年2度目のトランスファー期間が終了したMリーグですが、給料未払い問題により主力選手が多数退団した1部スーパーリーグのペラFCは公式Facebook上で新たに9選手が加入したことを発表しています。
 9選手の氏名の公表はMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLへの登録が正式に承認されるのを待って行われるということです。
 ペラFC経営陣の署名で行われたFacebookへの投稿では、主力選手6名の退団に伴うサポーターの憂慮を理解しているとした上で、残留した選手が継続して力を発揮できるよう、バランスの取れたチーム作りをするための補強を行ったとしています。
 給料未払い問題が発覚したペラFCからは帰化選手でマレーシア代表でもあるFWギリェルメ・デ・パウラと同じく代表選手のDFシャールル・サアドがJDTへ、MFJ・パルティバンとMFケニー・パッラジがKLシティFCへ、DFナジルル・ナイム・チェ・ハシムがサバFCと、いずれも同じMリーグ1部のクラブに移籍した他、シンガポール出身のDFシャキル・ハムザは母国シンガポール1部のライオンシティセーラーズFCに移籍しています。
 またマレーシア語紙ウトゥサン・マレーシア電子版は、ペラFCのイシャサム・シャールディン チームマネージャーは退団した主力選手6名に感謝の言葉を述べる一方で、この6選手の退団により1ヶ月あたりおよそ50万リンギ(およそ1330万円)の支出減となり、これは経営危機を乗り越えなければならないクラブにとっては重要なことだというコメントを紹介しています。

今年のスズキカップは一箇所での集中開催か
 アセアン(東南アジア)サッカー連盟AFF選手権スズキカップは東南アジアナンバー1を決める大会です。これまではグループステージから決勝までをホームアンドアウェイ方式で行ってきたこの大会は昨年2020年11月に開催が予定されていたものの新型コロナ感染拡大により中止となり、一旦は今年2021年4月に延期されました。しかし東南アジア各国で感染拡大が止まらなかったことから、再度延期された結果今年の12月5日開幕、来年2022年1月1日決勝となる日程が発表されています。
 これについてマレーシアの通信社ブルナマは、新型コロナの感染状況が各国とも改善されていないことからAFFが今年の大会を一箇所での集中開催に方式を変更する可能性があると報じています。
 AFFのKhiev Sameth会長は従来のホームアンドアウェイ方式で大会を開催するのが本意であるとしながらも、新型コロナの影響を考慮して、いくつかの選択肢を用意しておきたいと話しており、その一つが一箇所での集中開催方式だと言うことです。
 今年8月10日に組み合わせ抽選が予定されているスズキカップですが、開催方式についての発表は7月中に行われると言うことです。

6月2日のニュース:「秘密兵器」ディオン・コールズが代表に合流、JDT退団のハリス・ハルンはシンガポール代表を離脱、ディオン・コールズの代表加入にワン・クザインが反応

「秘密兵器」ディオン・コールズが代表に合流
 マレーシアサッカー協会FAMは公式Facebook上でベルギー出身のDFディオン・コールズがFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に向けてアラブ首長国連邦のドバイで合宿中のマレーシア代表チームに合流したことを発表しています。
 前日にはFAMのハミディン・アミン会長自身がFAMの公式Youtubeチャンネルで代表26番目の選手が新たに参加することを知らせるティーザー映像を投稿していました。
 ベルギー出身のコールズ選手は25歳で2020/2021年シーズンはデンマーク1部で2位となったFCミッティランでプレーし、今季は22試合中21試合に出場した他、UEFAチャンピオンズリーグにも3試合出場しています。また、ベルギーの年代別代表でのプレー経験があり、U19代表時代にはUEFA U19選手権にも出場しています。
 FAMの公式Facebookへの投稿によると、コールズ選手がマレーシア代表としてプレーする意思を表示して以来、FAMはFIFAの選手地位委員会よりコールズ選手がベルギー代表(フル代表)としてのプレー経験がないことの承認や、コールズ選手がサラワク州クチン生まれで母親がマレーシア人でもあることなどを示した上で、ベルギーサッカー協会との交渉を経て、マレーシア代表としてプレーする資格取得の申請を行いました。その結果、マレーシア代表としてプレーする資格を得られると、FAMは直ちにアジアサッカー連盟AFCにW杯アジア2次予選出場資格の申請を行い、その申請が認められたことで晴れて今回の代表合流発表となったとしています。
 またコールズ選手がマレーシア代表としてプレーすることを決める際には、Mリーグ1部JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下の尽力があったこともFAMの発表では明らかにされています。
(写真はFAMの公式Facebookに掲載されたハミディン会長とコールズ選手の写真)

JDT退団のハリス・ハルンはシンガポール代表を離脱
 Mリーグ1部JDTを退団し、母国シンガポール1部のライオンシティセイラーズへ移籍したハリス・ハルンは、6月3日からサウジアラビアのリヤドで行われるW杯予選に出場するシンガポール代表を辞退することをシンガポールサッカー協会FASが公式サイト上で発表しています。
 代表チームの主将を務めるハリス選手は家庭の事情を理由に代表を辞退し、リヤドへ移動するチームには帯同しないということです。
 ハリス選手の代表辞退についてシンガポール代表の吉田達磨監督は「どんなチームであれ主将を失うのは当然、大きな損失である。自分が監督に就任以来、ハリス選手は代表チームのリーダーとしてチームに尽くしてくれてきた。」とハリス選手の代表辞退を惜しみつつも、ハリス選手不在のままであっても試合に臨まなければならない現実と向かい合い、戦術の変更は必要なものの、勝利を目指す姿勢は変わらないと話しています。
 シンガポールは6月3日から始まるFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選D組でサウジアラビア、ウズベキスタン、パレスチナとの対戦が控えています。

ディオン・コールズの代表加入にワン・クザインが反応
 上で取り上げたディオン・コールズのマレーシア代表加入のニュースに対し、同じく将来の代表候補とされるアメリカ在住のワン・クザイン・ワン・カマルがソーシャルメディアに意味深な投稿しているとサッカー専門サイトのヴォケットFCが報じています。
 マレーシアサッカー協会FAMによるコールズ選手の代表加入を知らせる投稿を引用した上で、疑問を表すような絵文字をつけて再投稿しています。
 ヴォケットFCは、この投稿はワン・クザイン選手自身も代表招集があれば応じる用意があるという意味ではないかと分析しています。
 両親がマレーシア人のワン・クザイン選手はこれまでフル代表に招集されたことはありませんが、2019年の東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場するU23代表に招集されたことはあります。しかし、この時は書類の不備などが理由で、結局、最終的には大会に出場できませんでした。
 22歳のワン・クザイン選手はアメリカ2部リーグにあたるUSLチャンピオンシップのスポルティング・カンザスシティIIから今季は同じUSLのリオ・グランデ・バレーFCトロスに在籍し、今季はここまでチームの全試合5試合(うち先発4試合)に出場しています。

6月1日のニュース:W杯予選-初戦出場停止のガンはチームの集中力に期待、MFL-ロックダウン中のMリーグクラブの練習は可能、KLシティFCにナイジェリア出身ストライカーが加入

 マレーシア政府は6月1日より6月14日までの2週間について、いわゆる「ロックダウン」を実施することを発表しました。生活に必要なビジネスのみが午前8時から午後8時までに限って営業が許可され、市民生活については生活必需品の買い物も含めて移動は自宅から半径10km以内、1台の車で外出できるのは1家族2名までなど昨年2020年3月に実施されたロックダウンとほぼ同様の内容ですが、現時点で累計感染者数およそ57万人も累計死亡者数およそ2800人と当時とは異なり、より深刻な状況下での実施となっています。

W杯予選-初戦出場停止のガンはチームの集中力に期待
 6月3日から始まるFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に向けて、初戦のアラブ首長国UAE戦は出場停止となっているブレンダン・ガンはチームに対して相手のことを気にかけるのではなく自分たちのプレーに集中すべきと述べています。
 いわゆるボックストゥボックスプレーヤーとしてしられるガン選手自身が出場できないことで、チームには穴が空いてしまいますが、ガン選手は予選G組の各チームはW杯予選中断前の2019年の時点より強くなっていると話す一方で、マレーシア代表も帰化選手のFWギリェルメ・デ・パウラ(JDT)、MFリリドン・クラスニキ(オーストラリア1部ニューカッスルジェッツ)が新たに加わり、またDFジュニオール・エルドストール(タイ1部チョンブリーFC)が2016年6月以来となる代表に復帰したことで確実に強くなっていると話しています。
 初戦で対戦するUAEはFIFAランキングでは73位とマレーシア(同153位)より明らかに格上で、さらに2019年の対戦時以降はMFファビオ・ヴィルジニオ・ジ・リマ、FWカイオ・カネド(いずれもブラジル出身)、FWセバスティアン・ルーカス・タグリアブエ(アルゼンチン出身)ら帰化選手が新たにチームに加わっています。
 それでもガン選手は相手ではなく自分たちのプレーに集中すればチャンスがあると話し、むしろUAEの方がプレッシャーを感じていると指摘しています。「UAEはこの12ヶ月間で4人の監督が就任し、(2019年にマレーシアと対戦した際の)ベルト・ファン・マルワイク監督を解任しながら、その後任2名を解任すると再びファン・マルワイク監督を就任させている。まだ代表チームの選手の選考も混乱しているようだ。」と述べています。
*****
 ガン選手の指摘通り、UAEは2019年12月にベルト・ファン・マルワイク監督(オランダ)を任期わずか9ヶ月で解任し、その後任にはイヴァン・ヨヴァノヴィッチ監督(セルビア)が就任するも新型コロナ禍の中、1試合も指揮をとることなく解任し、さらにその後任のホルヘ・ルイス・ピント(ポルトガル)監督も昨年2020年11月に解任すると、2020年12月からはファン・マルワイク監督を再登板させています。
 またホームのブキジャリル国立競技場(クアラルンプール)での試合とはいえ、2019年9月10日のW杯予選ではマレーシアはUAEをギリギリまで追い詰めたのは事実なので、6月3日の試合がガン選手が期待するように同じような接戦になるのかどうかに注目です。

MFL-ロックダウン中のMリーグクラブの練習は可能
 前述したようにマレーシア政府は6月1日より6月14日までの2週間はいわゆる「ロックダウン」を実施することを発表しましたが、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、ロックダウン期間中であっても合宿形式であればチーム練習は可能であるという声明を発表しています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOによれば、新型コロナウィルス対策を決定するマレーシア政府の国家安全保障委員会、保健省、そして国内のスポーツを監督する青年スポーツ省より了承を得たことで、ロックダウン期間中であってもMリーグ各クラブは合宿形式での実施を条件に練習が可能になったとしています。
 この練習許可は今月6月下旬に予定されているAFCチャンピオンズリーグに出場するJDTや*AFCカップに出場するクダ・ダルル・アマンFC、トレンガヌFCにとっては朗報だと話すアブドル・ガニCEOは、この練習許可はあくまでも合宿形式でのチーム練習を行うこと、さらには厳格な標準作業手順SOPを遵守することが条件であると強調した上で、MFLはこれまでにJDT、クダ、トレンガヌに加えて、1部ではUITM FC、2部ではトレンガヌFC IIとPDRM FCに対してチーム練習を許可したことも明らかにしています。
*****
 *AFCカップはクダ、トレンガヌが所属する予選H組とI組の集中開催地となっていたシンガポールが新型コロナ感染拡大を理由に開催権を返上したため、実際には6月下旬の開催となるかどうかは確定していません。

KLシティFCにナイジェリア出身ストライカーが加入
 Mリーグ1部のKLシティFCは公式Facebookでナイジェリア出身のFWキリアン・ヌワブエズの加入を発表しています。
 アルバニア1部のKFラチから加入する28歳のヌワブエズ選手は2019/2020年シーズンには36試合で23ゴールを挙げてリーグの得点王に輝いている他、このシーズンに出場したUEFAヨーロッパリーグ予選ではハポエル・ベエルシェバFC(イスラエル)相手にゴールも決めています。
 このヌワブエズ選手を取り上げたスポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、KLのボジャン・ホダック監督からかつてパハンに所属していた同じナイジェリア出身のディクソン・ヌワカエメの映像を見るようにとアドバイスされたこと、さらにKLのスタンリー・バーナードCEOとの面談がKL加入の決め手となったことなどヌワブエズ選手のコメントを紹介しています。
 KLはトレンガヌFCから加入したドミニク・ダ・シルヴァ(モーリタニア)が第6節(4月3日)のサバFCとの試合で負ったケガで今季の出場は絶望となっており、ヌワブエズ選手はダ・シルヴァ選手欠場で空いた攻撃陣の穴を埋めることが期待されています。
 またKLはこのブログでも以前取り上げた、地元KL出身でオーストラリア育ちのMFライアン・ランバート(22)の加入も併せて発表しています。昨季はオランダ2部リーグのFCデン・ボスのU21チームでプレーしていました。ライアン選手は英国やオーストラリアに加えてマレーシア代表としてプレーする資格もあります。