マレーシアスーパーリーグ26/27:第3節の試合結果とハイライト映像<br>・クアラルンプールは2連勝で勝率5割に戻す-クランタンは開幕3連敗<br>・司令塔不在の影響?ヌグリスンビランは土壇場のゴールでなんとか引き分けに<br>・つかみはOK!ジェファーソン・タビナス選手がスランゴールのホームデビューで決勝弾

マレーシアスーパーリーグ第3節が9月4日から6日にかけて行われています。第3節を終えて全勝は早くもジョホールとスランゴールのわずか2チーム。ここに開幕戦でジョホールに敗れたクチンが絡む展開です。その一方で、ペナン、スターシティ(旧イミグレセン)、クランタンは今シーズン未勝利のままです。なお、スーパーリーグの次節第4節は、金鷲末の9月11日から13日にかけて開催されます。(試合のハイライト映像はマレーシアンスーパーリーグの公式YouTubeチャンネルより。)


マレーシアスーパーリーグ2026/27 第3節
2026年9月4日@スルタン・イブラヒム・スタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
ジョホール 3-0 DPMM
⚽️ジョホール:ベルグソン・ダ・シウバ2(38分、40分)、ストイチコフ(77分)
MOM:サミュエル・サマヴィル(DPMM)


クアラルンプールは2連勝で勝率5割に戻す-クランタンは開幕3連敗

ここ数シーズンは常にリーグ上位のクアラルンプールは、開幕戦ヌグリスンビラン戦の不戦敗、そして10名で臨んだクチン戦とまさかの連敗スタート。しかも問題の根源は経営陣なので、選手のモチベーションはだいぶ下がったはず。しかしそこでチームが腐らないのは、ミスター・クアラルンプールことパウロ・ジョズエと、GGことジャンカルロ・ガリフオコのコンビの存在が大きく影響しています。前節第2節もアディショナルタイムにゴールを決めて今季初勝利に貢献したジョズエ選手は、この試合では芸術的なフリーキック2発で連勝に導いています。

直近の3試合で4ゴールと絶好調のジョズエ選手は、この試合の2ゴールでクラブ通算93ゴールとなり、自身の持つ最多記録を更新しています。またこの試合先制点となったゴールは、昨シーズンからクアラルンプールでプレーするアダム・ノー・アズリンの移籍後初ゴールでした。

マレーシアスーパーリーグ2026/27 第3節
2026年9月4日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)
クランタン・レッド・ウォリアー 1-3 クアラルンプールシティ
⚽️クランタン:フィリップ・ダンダダ・ムサ(44分)
⚽️クアラルンプール:アダム・ノー・アズリン(53分)パウロ・ジョズエ2(56分、81分)
MOM:パウロ・ジョズエ(クアラルンプールシティ)


司令塔不在の影響?ヌグリスンビランは土壇場のゴールでなんとか引き分けに

クアラルンプールの不戦敗でいきなり勝点3を獲得して今シーズンをスタートしたヌグリスンビラン。しかし第2節は新加入の日本代表FW皆川佑介選手のマレーシアリーグ初ゴールで先制しながら、昨シーズンは11位のマラッカにまさかの逆転負けで連勝を逃しています。

昨シーズン7位に終わったヌグリスンビランの今節の相手は同6位のスターシティ(旧イミグレセン)。実質的なホーム開幕戦となるこの対戦で、高まるサポーターの期待に応えたいところです。

しかし試合はスターシティが先制して前半を折り返します。後半に入っても、昨シーズンの活躍にも関わらずなぜクチンシティが手放したのかが全く不明なモーゼス・アテデのゴールで、ヌグリスンビランは2点のビハインドとなります。

それを救ったのがトレンガヌからローン移籍中のアキヤ・ラシドでした。75分にPKを決めると、アディショナルタイムには、平野佑一選手からのパスをワン・クズリがスルー。その後ろで待ち構えていたアキヤ選手がこれを押し込み、土壇場で同点としたヌグリスンビランが連敗を逃れています。

プレシーズンのケガで、今季はまだベンチ入りすらない佐々木匠選手が不在ということもあってか、この2試合はヌグリスンビランはチームとして機能していないように見えましした。次節第4節は王者ジョホール、第5節はサバと好調なチームとの対戦が続く一方で、佐々木選手は今月中の復帰は無理という報道も出ており、今シーズンから指揮を取るダニエル・ヒメネス監督にとっても厳しい試合が続きそうです。

マレーシアスーパーリーグ2026/27 第3節
2026年9月5日@トゥンク・アブドル・ラーマン・スタジアム(ヌグリ・スンビラン州パロイ)
ヌグリスンビラン 2-2 スターシティ
⚽️ヌグリスンビラン:アキヤ・ラシド2(75分PK、90+6分)
⚽️スターシティ:ペドロ・エンリケ(39分)、モーゼス・アテデ(47分)
MOM:アキヤ・ラシド(ヌグリスンビラン)
ヌグリスンビランの大城蛍、平野佑一、皆川佑介の3選手は先発してフル出場し、皆川選手は1アシストを記録しています。また常安澪、佐々木匠の両選手はいずれもケガのためベンチ外でした。


クチンは3連勝で2位浮上-サバは今季初黒星

ともに東マレーシアとも呼ばれるボルネオ島に本拠地を持つ両チームの「ボルネオダービー」は、2連勝中のサバがホームにクチンを迎えています。

開幕戦でジョホールに敗れたクチンは、いずれも給料未払い問題により戦力が整っていないクアラルンプールとクランタンを相手に2試合で11得点0失点と大勝。一方のサバもスターシティ、ペナンを相手に連勝してこの試合に臨んでいます。

選手をローテーションした結果、最下位クランタンとFAカップ1回戦を0−0で引き分けたクチンのアイディル・シャリン監督は、この試合ではジョホールからローン移籍のアイディン・ムヤギッチ、サファウィ・ラシド、ライアン・ランバートを含む先発8名を入れ替えてこの試合に臨んでいます。

その起用に応えたのがムヤギッチ選手でした。昨シーズンはサバでスタートして、シーズン中にジョホールへ移籍し、今シーズンはクチンにローン移籍と2シーズンで3チームに在籍したボスニア出身の長身FWはその豪快なミドルシュート2発でクチンに勝利をもたらしています。

マレーシアスーパーリーグ2026/27 第3節
2026年9月5日@リカス・スタジアム(サバ州コタキナバル)
サバ 0-2 クチンシティ
⚽️クチン:アイディン・ムヤギッチ2(5分、21分)
MOM:ペトラス・シテムビ(クチンシティ)
クチンシティの谷川由来選手は先発してフル出場し、山崎海秀選手は90+3分から出場して試合終了までプレーしています。


トレンガヌとサバはスコアレスドロー

マレーシアスーパーリーグ2026/27 第3節
2026年9月5日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディン・スタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
トレンガヌ 0-0 ペナン
MOM:ウバイドラー・シャムスル(クチンシティ)


つかみはOK!ジェファーソン・タビナス選手がスランゴールのホームデビューで決勝弾

この試合は、今シーズンの最も印象的な試合の一つになりそう。

開幕からの2試合をアウェイで戦ったスランゴールは、今節のマラッカ戦はサポーターが待ちに待ったホーム開幕戦です。しかしマレー半島でも悪化しつつあるヘイズ(煙害)により、スランゴール州のこの日の午後3時の大気汚染指標(API)は「不健康」に該当する172。この「不健康」の指標下では、心臓・肺疾患のある方、高齢者、子供は長時間の屋外活動を控えることや、一般の大人も激しい屋外活動を減らすことが推奨されています。

これをうけてこの試合前にセランゴールは、この日の試合の観戦には小さな子どもをスタジアムに連れてこないよう呼びかける告知を行いました。さらに購入済みの子ども用チケットは、購入者が選択したセランゴールの他のホームゲームのチケットと交換できることも発表しています。しかし、そういった影響もあってか、ホーム開幕戦の観衆は3775名とやや寂しいものでした。

この試合は現地観戦しました。試合は開幕からの2試合で4ゴールを挙げているエースのクリゴール・モラエスのゴールでスランゴールが先制します。ジェファーソン・タビナスのコーナーキックを頭で合わせたゴールは一旦はVARが入ったものの、12分と早い時間帯でスランゴールが試合の主導権を握ります。

しかし前半終了間際の44分、スランゴールのケイ・テジャンが1発レッドで退場となります。マラッカゴール前の密集からテジャン選手がバイシクルシュートを試みますが、その足がすぐ横にいたマラッカの選手に当たり、一旦はイエローカードが出されました。その後VARが入ると主審はイエローを年消してレッドを提示、スランゴール側の猛抗議も通じず、スランゴールは10人になってしまいます。

テジャン選手退場の際には、スランゴールサポーターは拍手を送っていましたが、チームにピンチをもたらした無謀なプレーには拍手ではなく、ブーイングが相応しかったのではと思いました。だってあと45分は10人で戦わなければならないのに…。

それでも後半の51分にモラエスが再びゴールを決めて、スランゴールがリードを広げると、そんな心配は杞憂だったかと思い始めたその8分後、マラッカはシャヒル・アブ=ラシドがペナルティエリアの外からミドルシュートを決めて、マラッカが1点差に迫ります。さらに75分には7シーズンぶりにマレーシアリーグに戻ってきた元FC岐阜のト・ドンヒュンがフリーでボールを受けると、そこから同点弾となるシュートを決めて、マラッカが追いつきます。いずれの失点もスランゴールDF陣はボールへ行くのか、ゾーンで守るのかの意思統一がされていない印象でした。

前半の押せ押せの雰囲気も何処へやら、時計が刻々と数みこのまま引き分けか、という重苦しい雰囲気がスタジアムに広がる中、82分にスランゴールがPKを獲得します。マラッカゴール前でモラエスが倒された結果でしたが、これでスタジアムの空気が一変します。しかしモラエス選手の蹴ったボールはゴールポストに当たるミスキック。最高潮に達していた盛り上がりは一気に大きなため息となります。

試合は6分と表示されたアディショナルタイムに入り、引き分けの結果を見込んで席を立ち始める人が出始めた中、待望のヒーローが登場します。ペナルティエリア外での混戦からボールを得たジェファーソン・タビナスがそのままドリブルで持ち込み、そのままシュート!これがマラッカGKカイルル・ファーミの股下を抜いてゴールとなり、土壇場でスランゴールが逆転し、開幕からの連勝を3に伸ばしています。

決勝ゴールだけでなく、試合中はファイサル・ハリムを追い越して飛び出す形でのサイド攻撃なども見せていたタビナス選手の加入は、スランゴールにとっては新たな攻撃のバリエーションをもたらしています。昨シーズンの59ゴール中、2人合わせて29ゴールを挙げるなどファイサル、モラエス両選手頼りだったスランゴールにとって、東南アジア最強クラブのブリーラム・ユナイテッド(タイ)でレギュラーだったタビナス選手は攻守両面で、今後もチーム内での存在感を増していきそうです。

マレーシアスーパーリーグ2026/27 第6節
2026年9月6日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴール 3-2 マラッカ
⚽️スランゴール:クリゴール・モラエス2(12分、51分)、ジェファーソン・タビナス(90+2分)
⚽️マラッカ:シャヒル・アブ=ラシド(59分)、ト・ドンヒュン(75分)
MOM:クリゴール・モラエス(スランゴール)
スランゴールのジェファーソン・タビナス選手は先発してフル出場し1ゴール1アシストを記録しています。
マラッカの浅野崇斗選手はベンチ外でした。


2026/27 マレーシアスーパーリーグ順位表(8月31日現在)

2026/27 マレーシアスーパーリーグ得点ランキングトップ10(8月31日現在)

順位選手氏名所属得点
1シャハブ・ザヘディジョホール6
1ジェローム・ムパコ・エタメクチンシティ6
1クリゴール・モラエススランゴール6
4ベルグソン・ダ・シウバジョホール5
4アイディン・ムヤギッチクチンシティ5
6パウロ・ジョズエクアラルンプール4
7マルコス・ギリェルメジョホール2
8ムサ・フィリップ・ダンダダクランタン2
8サファウイ・ラシドクチンシティ2
8アキヤ・ラシドヌグリスンビラン2
8ファイサル・ハリムスランゴール2
8ヘルファネ・カスタネールトレンガヌ2