2013年と2014年は154位、2015年は170位、2016年161位、2017年は174位、そして昨年2018年は167位。これは過去5年間のマレーシア代表のFIFAランキングの推移です。この低迷状態を打破するため、満を持してポルトガル人のネロ・ヴィンガダが2017年5月に監督に就任しましたが、就任直後7試合で6敗1引き分けの成績で辞任し、彼のもとでアシスタントコーチを務めていたタン・チェンホーが同年12月7日付で監督に昇格したのは自然な流れでした。タン新監督の元、フル代表が2018年を迎えました。
タン監督就任後の初戦は2018年3月22日のモンゴル戦でした。スペイン生まれながらマレーシア人の祖母を持つナチョ・インサ、イギリス生まれカナダ育ちながらマレーシア人の母親を持つラヴェル・コービン=オンなどが初代表に選出されましたが、結果は2−2の引き分けでした。そしてこの試合後、代表チームに選出された29名の内、14名が1部リーグのJDTからの選手であったこと、さらにその内の9名が出場したことで「特定チームに偏重した選手選考」という批判をメディアやファンから浴びることになりました。まぁ一つのチームからレギュラーだけでなく控えの選手まで招集してしまえば、こんな批判が出るのはやむを得ませんが、言い換えれば、それだけJDTの選手層が厚く、充実しているということでもあります。
そのモンゴル戦後、タン監督は、今度はJDTから招集した14選手全員を代表チームから外し、他のチームの選手達と入れ替えるというこれまで驚く行動に出ました。記者会見で理由を問われたタン監督は「ファンの求めることをしたまで。」と答えました。モンゴル戦から5日後に行われたAFC Asian Cupの最終予選レバノン戦は、すでに予選敗退が決まっていたこともあり、モチベーションが上がらなかったのか敵地で1−2の敗戦でした。
て迎えたエイプリルフールならぬ4月1日のブータン戦はレバノン戦とほぼ同じメンバーで臨み、それまでのうっぷんを晴らすかのような7−0のスコアとともに、フル代表は2016年11月のカンボジア戦以来の勝利を挙げ、2016年11月から続いていたインターナショナルマッチ白星なしという状況を脱することができました。ブータン代表の当時のFIFAランキングはFIFAに加盟する211の国と地域中184位であっても良いんです。とにかく勝って良かった!
その後はフィジー、台湾、カンボジア、スリランカ、キルギスタン、モルジブとの試合で勝ち負けを繰り返しながら、今年最大の目標であったAFF スズキカップへの調整を進めました。グループAでカンボジア、ベトナム、ラオス、ミャンマーと同組となったグループステージ初戦は、本田圭佑GM率いるカンボジアが相手です。試合は31分にキャプテンザクアン・アドハのクロスにベテランのノーシャルル・イドラン・タラハが頭で合わせて先制し、そのまま1-0で逃げ切りました。攻撃陣の精度が高ければもっと余裕のある試合展開となったでしょうが、とにかくアウェイの試合で貴重な1勝を挙げました。
その後はホームでラオスに3-1で勝利したものの、アウェイのベトナムには0-2で敗れてしまいました。グループステージ突破の懸かった最終戦は収容人数87000人を超えるブキ・ジャリル国立競技場を満員にしたホームサポーターの前で行われ、3-0でミャンマーに快勝し、ノックアウトステージ(ベスト4)へ進みました。グループステージの殊勲者は、完封されたベトナム戦以外の全ての試合で得点を挙げたフォワードのノーシャルル・イドラン・タラハでしょう。マット・ヨー(Mat Yo)の愛称で呼ばれる32歳のベテランは2010年、2012年、2014年に続いてのスズキカップ出場でした。2014年のスズキカップ準決勝ベトナム戦でゴールを決めたものの、その後は低調で、2017年は一度も代表に招集されませんでしたが、このスズキカップで復活を遂げました。








