7月8日のニュース:FAカップ決勝の外国人審判案は個人的見解?、M3リーグで選手が審判に暴行、ケランタンFAの新会長が決定

FAカップ決勝の外国人審判案は個人的見解?
 7月27日(土)に行われるマレーシアFAカップの決勝に外国人のプロ審判を採用する案は、最終的に立ち消えになりましたが、この案を巡ってマレーシアサッカー協会FAMの審判委員会のダリ・ワヒド委員長が当初提案した案そのものが、審判委員会の中で話し合われたものではなかった、とマレー語紙ブリタ・ハリアン電子版が伝えています。
 2018年のマレーシアカップ決勝では、退場者を2名出すなど試合をコントロールしきれなかったとしてマレーシア人審判に対する批判がおこったとこから、今年のFAカップやマレーシアカップでは外国人のプロ審判の採用が何度も噂されてきました。マレーシアFAカップでは外国人のプロ審判不採用が決まった際には、日本、オーストラリアのサッカー協会へ依頼をしたものの返事がないとの説明もFAMからされていました。これを受け、マレーシアFAカップを運営するマレーシアフットボールリーグMFLも外国人プロ審判不採用を発表していました。
 FAMの審判委員会のメンバーによると、そもそも委員会内部で外国人プロ審判採用が話し合われたことはなく、ダリ委員長の話は「寝耳に水」だったようです。

M3リーグで選手が審判に暴行
MFL3部にあたるM3リーグで、選手と関係者が試合後に主審と副審に暴行という事件がMFLのホームページで報じられています。
 M3第11節のジョホール州のジョホール・バルFA(JBFA)とケランタン州のケランタン・ユナイテッドの試合で起こったこの事件は、1−3とJBFAにリードを許していたケランタン・ユナイテッドが3−3と追いついて引き分けとなった試合で、ケランタンFAの3点目となったPKが与えられた主審の判定を巡るものでした。
 JBFAの選手は試合終了の笛がなると、フィールドで主審を追いかけ、さらに控室にまで押しかけて暴行を働いたとしています。
 MFLはマッチコミッショナーや主審からの報告や、観戦していたケランタン・ユナイテッドのサポーターなどから事情聴取を行い、規律違反に対しては厳罰に処するとしています。
 一方JBFAのダト・シャヒラン・モハマド・ジャマルディンMDは審判の疑惑の判定がこの件を引き起こしたものだとして、選手の行動を擁護しています。
 どんな理由であれ、審判への暴行は許されるものではないと思いますが、MFLはどのような裁定を下すかに注目が集まります。

ケランタンFAの新会長が決定
7月8日に行われたケランタン州サッカー協会の臨時総会で行われた会長選挙で、国民信託党に所属する政治家のワン・アブドル・ラヒム・ワン・アブドラ氏が当選したことがブリタ・ハリアン電子版で伝えられています。ダト・スリ・アムリ・アイマン・アブドル・アジズ氏の16票に対して、28票を獲得したラヒム新会長は、2019年から2023年までの任期を務めることになります。ケランタン州サッカー協会は、協会自体の負債や、協会が運営するMFL2部のクラブチーム、ケランタンFAレッドウォリアーズの選手への給料未払いなど解決しなければならない問題は山積みです。

MFL第19節結果のまとめ

マレーシアフットボールリーグMFL第19節が7月5日(金)から7月7日(日)にかけて行われました。以下結果まとめです。左側がホーム、(カッコ)内は第19節終了時点での順位と成績です。

MFL1部スーパーリーグ

クダFA(4位:8勝6分5敗 勝点30)1-1PKNP FC(10位:3勝6分10敗 勝点15)
得点者:クダFA-アザムディン・アキル(52分)、PKNP FC-ジャンカルロ(81分)
 試合前には昨シーズンの6位を上回る成績を上げたいと語っていたクダFAのアイディル・シャリン監督ですが、降格圏のいるPKNP FCとホームで痛い引き分けでした。
 PKNP FCは195cmの長身FWジャンカルロがコーナーキックから得意のヘディングで同点ゴールを挙げ、MFL2部への降格争いで貴重な勝点1をチームにもたらしています。

PKNS FC(8位:5勝5分9敗 勝点20)1-2トレンガヌFC(7位:7勝6分6敗 勝点21)
得点者:PKNS FC-キティポン・プレムジャイ(85分)、トレンガヌFC-サンジャル・シャアフメドフ(35分)、ナスルラ・ハニフ(89分)
 途中出場となったキティポン・プレムジャイの移籍後初ゴールで同点に追いついたPKNS FCでしたが、この日は絶好調だったトレンガヌFCのGKイルハム・アミルラーとゴールポストに何度もチャンスを阻まれて逆転負け。ここ数試合の不調にスランゴールFAのBチーム化の報道が影響していることをラヤゴパル監督は否定していますが、シーズン前半の好調さからは思いもよらなかったMFL2部への降格圏に近づいています。
 トレンガヌFCはこの日の勝利で4位のクダFAとは勝点差が3、2位パハンFAとは勝点差6とトップ5あるいはトップ3が見えてきました。

プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC(9位:6勝2分11敗 勝点20)1-2マラッカ・ユナイテッド(5位:8勝5分6敗 勝点29)
得点者:PJシティFC-ペドロ・エンリケ(41分)、マラッカ・ユナイテッド-ルカ・ミルノヴィッチ(37分)、チャン・ソグォン(45分)
 逆転勝ちのマラッカ・ユナイテッドは2位のパハンFAとは勝点差が4となり、昨シーズンの7位から大幅に順位を上げて今シーズンを終えられそうな気配がでてきました。
 今シーズン1部に昇格したPJシティFCは、東ティモール代表のペドロ・エンリケのゴールで先制したものの、逆転負け。勝点はPKNSと並ぶ20ですが、得失点差で9位となっており、1部残留の目標は果たせそうです。

パハンFA(2位:9勝6分3敗 勝点33)2−0クアラ・ルンプール(KL)FA(11位:4勝2分13敗 勝点14)
得点者:パハンFA-エラルド・グロン(57分PK)、アザム・アジー(90分)

ペラTBG(6位:6勝9分4敗 勝点27)0−3ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)(1位:15勝4分0敗 勝点49)
得点者:JDT-レアンドロ・ヴァレスケス2(37分、48分)、アキヤ・ラシド(90分)
 前節にスーパーリーグ6連覇を決めているJDTが快勝。残り3試合はPJシティFC、KLFA、トレンガヌFCとの対戦が残っていますが、今シーズン無敗で終える可能性も出てきました。

フェルダ・ユナイテッド(12位:2勝6分10敗 勝点12)1−2セランゴールFA(3位:8勝7分4敗 勝点31)
得点者:フェルダ・ユナイテッド-ジョシネル・シャド(64分)、セランゴールFA-サンドロ・ダ・シルバ(44分)、イフェダヨ・オルセグン(51分)
 フェルダ・ユナイテッドの渡邉将基選手はスタメンでフル出場、池田圭選手は後半途中から出場しています。

2部プレミアリーグ

JDT II(2位:9勝6分3敗 勝点33)0-1サバFA(1位:11勝4分2敗 勝点37)
得点者:サバFA-ロドリュブ・パウノヴィッチ(59分)
 この試合の勝利で、サバFAは今シーズン2部プレミアリーグの上位2位以内が確定し、来シーズンは2012年以来となる1部スーパーリーグへ昇格が決まりました。

ケランタンFA(10位:3勝8分6敗 勝点14*)2-0スランゴール・ユナイテッド(8位:5勝3分9敗 勝点18)
得点者-ケランタンFA:ニック・アキフ・シャヒラン(49分PK)、ニック・アズリ・ニック・アリアス(53分)
 ケランタンFAは8試合ぶりの勝利、スランゴール・ユナイテッドは4連敗となりました。
 *ケランタンFAは国際サッカー連盟FIFAの裁定により、勝点3を剥奪(はくだつ)されています。

サラワクFA(11位:2勝4分11敗 勝点10)2-4ヌグリ・スンビランFA(5位:7勝4分6敗 勝点25)
得点者:サラワクFA-アリフ・ハサニ(17分)、ハドソン・ディアス(45分)、ヌグリ・スンビランFA-アルミール2(5分、79分)、イゴール・ルイス2(25分、62分)
 この試合で再び昇格争いに加わったヌグリ・スンビランFAの次節は昇格を争うPDRM FCとの対戦です。
 ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。

トレンガヌFC II(4位:7勝6分4敗 勝点27)0−0ペナンFA(6位:6勝6分6敗 勝点24)
得点者:なし
 ペナンFAはこの試合を含め8試合負けなしで順位を6位まで上げ、昇格争いに加わってきました。一方1部スーパーリーグのトレンガヌFCのBチームであるトレンガヌFC IIはJDT IIとともにMFLの規定により1部昇格はできません。
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はスタメンでフル出場しています。

UITM FC(3位:8勝4分6敗 勝点28)1-2PDRM FC(7位:7勝3分7敗 勝点24)
得点者:UITM FC-シルヴァ・マイコン(17分)、PDRM FC-ウチェ・アグバ2(44分、52分)
 一時はプレミアリーグ首位となったUITM FCはその後、成績が急降下。この試合も含めて5試合で勝ち星がありません。
 一方のPDRM FCは2連勝で昇格争いに加わってきました。