5月20日のニュース:ペラTBGが3人目の新外国人と契約、MFL3部から1部に移りいきなり2ゴールを決めた選手

ペラTBGが3人目の新外国人と契約
第14節を終えて勝分敗でマレーシアフットボールリーグMFL1部プレミアリーグの位に低迷するペラTBGがトランスファーウィンドウ期間中では3人目となる新外国人と契約したことを、当地の英字新聞スターのオンライン版が伝えています。
 ペラTBGと契約したのは、コートジボワール生まれのレバノン人DFフセイン・エル・ドール(25)で、契約期間は6ヶ月です。また、ケガで前節から欠場中だったオーストラリア人のDFザック・アンダーソンが、エル・ドール選手に代わって退団することになりました。モルディヴのニュー・ラディアントFCやインドのチャーチル・ブラザーズFCなどアジアでのプレー経験もある190cmと長身のエル・ドール選手は、登録後は早速、昨日のパハンFAとの試合にも出場しています。
 前節第13節のPKNP FC戦では新外国人のロナウドが2ゴールを決め、そしてFAカップの準々決勝のPKNP FC戦はやはり新外国人のカレッカが2ゴールを決めるなど攻撃陣は新外国人の活躍で勢いづいているペラTBGが、第13節終了時点で17失点という守備陣を立て直すことができれば、上位陣に食い込むこと可能です。

MFL3部から1部に移りいきなり2ゴールを決めた選手
トランスファーウィンドウ期間中に移籍するのは外国人選手だけではありません。
 当地のマレー語紙ブリタ・ハリアンのオンライン版が、MFL1部スーパーリーグのトレンガヌFCと契約したナビル・アーマド・ラトピを取り上げています。ナビル選手は、MFL3部M3リーグのアルティメイトFCから移籍金無しで移籍してきた27歳のFWで、2018年シーズンはPDRM FCでプレーしていましたが、シーズン後に解雇され、今シーズンはアルティメイトFCと契約していました。
 アルティメイトFCは今年の4月2日にマレーシアFAカップの2回戦でトレンガヌFCと対戦し0-5で大敗していますが、ウィングのポジションに人材不足を感じていた前トレンガヌFCのイルファン・バクティ監督がこの試合でのナビル選手の動きを見て、トランスファーウィンドウが開くと同時に獲得に動いたという経緯があります。
 アルティメイトFCではストライカーとしていたプレーしてナビル選手は、トレンガヌFCでは左ウィングとしてプレーしていますが、スーパーリーグデビュー戦となった5月14日のプタリン・ジャヤ(PJ)シティFC戦では先発スタメン出場する早速ゴールを決め、さらに5月18日のフェルダ・ユナイテッド戦では途中出場ながら先制ゴールを決めるなど、2試合で2ゴールと活躍しています。
 トレンガヌFCは、マレーシアFAカップの準々決勝ではパハンFAに敗退し、5月14日のPJシティFC戦後にイルファン・バクティ監督が成績不振の責任を取り辞任するなど暗い話題が続く中で、このラトピ選手がマレーシア版ジェイミー・バーディーとなれるかどうかに注目が集まっています。


 

MFL第14節の結果まとめ

5月17日(金)から5月19日(日)にかけて行われたマレーシアフットボールリーグMFL第14節の結果です。

MFL1部スーパーリーグ

プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC1-0クアラ・ルンプール(KL)FA
得点者:PJシテイFC-サフィ・サリー(90分)
 この試合を観戦しましたが、両チームとも決め手を欠き、無得点のまま試合終了かと思ったその時にたった一つのミスで決着がつきました。KLFAの苅部隆太郎選手はレフトバックでスタメンフル出場し、要所では効果的な活躍をしていたのですが、最後にGKとのコミュニュケーションがうまくいかず、途中出場のサフィ・サリーがそのミスを見逃さずPJシティFCの決勝ゴールにつながりました。

ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)2−1PKNS FC
得点者:JDT-サファウイ・ラシド(18分)、ジオゴ(61分)、PKNS FC-ロメル・モラレス(30分)
 アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLのグループステージ最終戦、アウェイでの慶南FCを来週の水曜日に控えるJDTにとっては、勢いをつけるためにも国内では負けるわけにはいかない試合でした。将来の代表のエース(と私が思っている)サファウィ・ラシドの先制ゴールは、帰化選手の候補にも上がっているロメロ・モラレスのゴールで同点にされましたが、ゴール前の混戦からジオゴがヘディングで決勝ゴールを決めています。

クダFA2-1マラッカ・ユナイテッド
得点者:クダFA-バドロル・バクティアル(61分)、ジャン・スクウォン(71分OG)、マラッカ・ユナイテッド-ルカ・ミルノヴィッチ(31分)
 前節第13節では、スランゴールFAの新外国人FWイフェダヨ・オルセグンのハットトリックで大敗したクダFAが、マラッカ・ユナイテッド相手に勝利しリーグ順位を3位と上げました。クダFAは次節第15節はアウェイのJDT戦です。
 一方のマラッカ・ユナイテッドは前節は最下位のフェルダ・ユナイテッド相手にルカ・ミルノヴィッチがハットトリックを決めるなど6-0の圧勝でしたが、この試合はミルノヴィッチが2試合連続ゴールを決めたものの、最後はオウンゴールで逆転負けでした。

フェルダ・ユナイテッド1-1トレンガヌFC
得点者:フェルダ・ユナイテッド-池田圭(88分)、トレンガヌFC-ナビル・ラトピ(83分)
 前節にKLFAと入れ替わりで最下位へ落ちたフェルダ・ユナイテッドは、上位チーム相手に貴重な勝点1を手にしました。
 また、前節の試合後にイルファン・バクティ監督が辞任したトレンガヌFCにとっては、上位進出が遠のく引き分けと言えるでしょう。
 なお、前節第12節はベンチ入りしていなかったフェルダ・ユナイテッドの渡邉将基選手は先発スタメンでフル出場、池田圭選手は72分から出場して、今シーズン3ゴール目となる貴重な同点ゴールを決めています。

PKNP FC1-1スランゴールFA
得点者:PKNP FC-G・ムゲンティラン(48分)、スランゴールFA-イフェダヨ・オルセグン(29分)
 前節は新加入のイフェダヨ・オルセグンのハットトリックで上位のクダFAに快勝しましたが、この試合ではトマス・アビィ、ジャンカルロ・ロペス、アマニ・アギナルドといった外国人選手をケガや累積警告による出場停止で欠く下位のPKNS FC相手に上位進出にとっては手痛い引き分けとなりました。

パハンFA0-0ペラTBG
得点者:なし
 いずれもワールドカップ予選出場の代表候補となっているキャプテンのDFシャルル・サアドを累積警告による出場停止で、GKハフィズル・ハキムをケガで欠いたペラTBGでしたが、後半は明らかに引き分け狙いの戦術で、2位パハンFAを完封し、勝点1を獲得しました。
 一方のパハンFAはFWディクソン・ヌワカエメがケガで欠場して以来3試合連続の無得点の1分2敗と明らかな得点力不足に苦しんでおり、JDTとの勝点差を1つ詰めたものの、その差はまだ10あり、リーグ優勝を狙うには痛恨の引き分けでした。

MFL2部プレミアリーグ

トレンガヌFC II1−0PDRM FC
得点者:トレンガヌFC II-セルヒイ・アンドリエイエフ(43分)
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手は先発スタメンでフル出場しています。

UKM FC0-1サバFA
得点者:サバFA-アギナルド・ポリカルポ(49分)
 サバFAは、期限付き移籍で獲得していたセルビア人MFルカ・ミルノヴィッチがマラッカ・ユナイテッドへ復帰し、ブラジル人FWルイス・カルロス・ジュニオールとの契約を解除しましたが、同時に二人の新外国人選手をトランスファーウィンドウ期間中に獲得しました。一人はトルクメニスタン出身のMFアフメット・アタエフで、彼は今年1月9日に行われたアジアサッカー連盟AFC選手権での対日本戦でもゴールを決めています。もう一人がこの試合でゴールを決めたアンゴラ出身のFWアギナルド・ポリカルポです。

UITM FC2-1サラワクFA
得点者:UITM FC-ザルコ・コラチ(29分)、ナズリン・シャムスル(85分)、サラワクFA-ボビー・ゴンザレス(3分)
 ついにUITM FCが今シーズン初の敗戦で勝利数でもJDT IIを抜き、8勝2分3敗の勝点26で勝点25のJDT IIを抑えて首位に浮上しました。

ヌグリ・スンビランFA3-1ケランタンFA
得点者:ヌグリ・スンビランFA- アルミール(5分)、イゴール・ルイス2(26分、28分)、ケランタンFA-ニック・アキフ・シャヒラン(65分PK)
 新戦力のブラジル出身FWイゴール・ルイスの2ゴールなどでヌグリ・スンビランFAが快勝しています。アルミール選手のゴールをアシストするなどチームの勝利に貢献したヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手は先発スタメンでフル出場しています。
 各チームが新外国人を獲得し、その多くが活躍している他チームと比べると、ケガが完治しないまま出場を続けている(しかも途中交代し続けている)ブラジル人DFカッシオ・デ・ジーサスしか外国人がいないケランタンFAは、今シーズンの残り試合もこの体制で臨むようですので、このままだとMFL3部のM3リーグ降格に一番近いチームとなりそうです。

JDT II0-2ペナンFA
得点者:ペナンFA-セルジオ・アグエロ(34分)、カサグランデ(46分)
 ペナンFAは、スランゴール・ユナイテッドから移籍のFWセルジオ・アグエロが2試合連続ゴール、マラッカ・ユナイテッドから期限付き移籍のFWカサグランデが移籍後初ゴールを決め、JDT IIの今シーズン初の黒星をつけました。
 セルジオ・アグエロは元ハイチ代表のMFセバスティアン・テュリエールに代わって、カサグランデはザンビア出身のFWンドゥンバ・マケチェに代わっての入団です。