12月5日のニュース:19歳のアリフ・アイマンが今季のMリーグMVP、FAMはMリーグクラブによる帰化選手申請を妨げず

19歳のアリフ・アイマンが今季のMリーグMVP

 今季2021年のMリーグ年間表彰式ナショナルフットボールアウォーズが昨日12月5日にオンラインで開催され、19歳のアリフ・アイマン(JDT)が史上最年少で今季のMVPを獲得しています。これ 今季2021年のMリーグ年間表彰式ナショナルフットボールアゥオーズが昨日12月5日にオンラインで開催され、19歳のアリフ・アイマン(JDT)が史上最年少で今季のMVPを獲得しています。これまでの最年少記録は2018年にサファウィ・ラシド(JDT)が記録した21歳でした。
 アリフ選手はJDTではリーグ戦、カップ戦合わせて今季31試合に出場し、成績自体は3ゴール、3アシストと目立った記録は残していませんが、記憶に残る活躍を見せており、MVPの他にベストFW賞と最も将来が期待される選手に与えら得るベストヤングプレーヤー賞も合わせて受賞しています。
 2021年年間表彰の受賞者は以下の通りです。

2021年ナショナルフットボールアウォーズ受賞者

最優秀GK:ファリザル・マーリアス(JDT)6度目
最優秀DF:マシュー・デイヴィーズ(JDT)2度目
最優秀MF:バドロル・バクティアル(クダ・ダルル・アマンFC)
最優秀FW:アリフ・アイマン(JDT)初受賞
最優秀監督:ボジャン・ホダック(KLシティFC)
最優秀外国籍選手:ロメル・モラレス(KLシティFC)
最優秀チーム:JDT
フェアプレー賞:FAM-MSNプロジェクト
ゴールデンブーツ(Mリーグとマレーシアカップを合わせた最多得点者):ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)- 30ゴール
Mリーグ1部最多得点(外国籍選手):イフェダヨ・オルセグン(スランゴールFC)- 26
Mリーグ1部最多得点(マレーシア人選手):バドロル・バクティアル(クダ・ダルル・アマンFC)- 7
Mリーグ2部最多得点(外国籍選手):フェルナンド・ロドリゲス(JDT II)/ ジョーダン・ミンター(トレンガヌFC II)- 16
Mリーグ2部最多得点(マレーシア人選手):ヌルシャミル・アブドル・ガニ(ケランタンFC)- 9

またサポーター投票による今季のベストXIは以下の通りです。(フォーメーション4-3-3で選出)
監督:ナフジ・ザイン(トレンガヌFC)
ゴールキーパー:ケヴィン・メンドーザ(KLシティFC)
右サイドバック:リザル・ガザリ(クダ・ダルル・アマンFC)
センターバック:レナン・アルヴェス(クダ・ダルル・アマンFC)、アリファジラー・アブ・バカル(トレンガヌFC)
左サイドバック:ラヴェル・コービン=オング(JDT)
ミッドフィルダー:ザフリ・ヤハヤ(KLシティFC)、バドロル・バクティアル(クダ・ダルル・アマンFC)、レアンドロ・ヴァレスケス(JDT)
右ウィング:アリフ・アイマン(JDT)
センターフォワード:ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)
左ウィング:ゴンザロ・カブレラ(JDT)

FAMはMリーグクラブによる帰化選手申請を妨げず

 マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長はMリーグクラブ主導による外国籍選手の帰化申請に関してクラブの意思に任せると述べています。
 代表チーム強化を目的としたFAM主導の帰化プログラムは、代表チームに帰化選手が加わることの効果について検討するため、現在は一時停止中ではあると述べたハミディン会長は、Mリーグクラブによる外国籍選手の帰化申請きに関してはクラブの権利であり、申請の条件を満たしているのであれば、FAMがそれを妨げることはしないと、マレーシアの通信社ブルナマの取材に答えています。
 FAMは代表チーム強化を目的として帰化選手申請プログラム委員会を発足させ、これまでにブラジル出身のギリェルメ・デ・パウラ(JDT)とコソボ出身のリリドン・クラスニキ(JDTからインドスーパーリーグのオディシャFCに期限付き移籍中)の帰化申請を支援し、両選手は現在、マレーシア国籍を取得しています。またガンビア出身のムハマドゥ・スマレ(JDT)は当時所属していたパハンFAを運営していたパハン州サッカー協会の支援で帰化選手となっています。
 今日から開幕するスズキカップに出場するマレーシア代表にはこの3名の帰化選手の内、デ・パウラ選手だけしか召集されていないことを指摘されたハミディン会長は、タン・チェンホー監督の人選については異論がないと前置きした上で、移籍したばかりのクラスニキ選手は実戦が不足していることから召集せず、またスマレ選手は一旦は召集したもののケガによりチームから外れることになったと説明を受けていると述べています。
 マレーシアカップで優勝したKLシティFCは、コロンビア出身のロメル・モラレスについてFIFAが規定する同一国に5年以上継続して居住するという帰化選手の条件を満たすことから、帰化選手申請を行う計画があることを明らかにしている一方で、スリ・パハンFCは英国出身のリー・タックの帰化申請を始めていると現地メディアで報じられています。

12月4日のニュース:スズキカップ2020開幕!ボラセパマレーシアJP的スズキカップ直前予想(グループステージ編)

スズキカップ2020は明日開幕

東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会がいよいよ明日12月5日に開幕します。東南アジアNo. 1を決めるこの大会は本来は隔年開催ですが、新型コロナ禍により昨年開催予定だった大会が中止されたことから、今大会では2020年大会の名前が使われています。また、開催方法も従来のホームアンドアウェイ方式から集中開催方式に変更され、今大会ではシンガポールでの開催となっています。

参加国と試合方式

東南アジアサッカー連盟所属の*11ヶ国が出場するこの大会は、ブルネイが直前に出場辞退を表明したことから、ブルネイとプレーオフで対戦予定だった東ティモールがそのまま本戦入りしています。この結果、10ヶ国中、タイ、フィリピン、ミャンマー、シンガポール、東ティモールがA組、ベトナム、マレーシア、インドネシア、カンボジア、ラオスがB組にそれぞれ分かれて1回戦総当りのグループステージを行い、両組の上位2ヶ国が2回戦制の準決勝に進出、さらにその勝者がやはり2回戦制の決勝を行い東南アジアNo. 1が決定されます。
*東南アジアサッカー連盟にはオーストラリアサッカー連盟も加盟していますが、このスズキカップにはオーストラリア代表は出場しません。

ボラセパマレーシアJP的グループステージ見どころ

マレーシアが入るB組では前回2018年大会優勝のベトナムの力が頭一つ、いや二つ、いや三つ・・・とにかくダントツで抜けています。東南アジアのチームで唯一、FIFAワールドカップ2022年大会アジア最終予選に残っていることからも明らかなように、今大会でも優勝候補筆頭です。マレーシアはこのベトナムとワールドカップ予選では同じ予選G組に入っており、予選の集中開催地となったアラブ首長国連邦のドバイで6月に対戦した際には、与えたPKが決勝ゴールとなり1-2で敗れています。少なくともこの6月の時点では個々の選手の身体の強さ、スピードなどではベトナムがマレーシアを圧倒していましたので、それからおよそ半年経った現在マレーシアが東南アジアNo. 1のチーム相手にどのようなサッカーを展開するかが見ものです。

ベトナム1強のB組ではマレーシアにとってはおそらくインドネシアが相手となる2位争いが熾烈を極めそうです。ワールドカップ予選ではやはり同じ予選G組に入っていたインドネシアとは新型コロナ感染拡大前の2019年にホーム、アウェイ共に対戦を終えており、6月のドバイでは対戦がありませんでした。ワールドカップ予選でマレーシアに連敗した後に就任した元韓国代表監督のシン・テヨン監督率いるチームはこのスズキカップに向けてトルコで合宿を行い、練習試合ではMリーグのペナンFCでプレーするリュウジ・ウトモに加え、やはり海外組の19歳エルカン・バゴット(英国2部イプスウィッチタウン)、20歳のエギ・マウラナ・フィクリ(スロバキア1部FKセニツァ)、21歳のウィタン・スレイマン(ポーランド1部レヒア・グダニスク)ら若い選手が加わったチームがミャンマーを破るなどチーム力も大きく変わっているようです。このインドネシアとはグループステージ最終戦で対戦することから、そこまでの3試合で確実に勝点を積み上げておきたいところです。そのためにもマレーシアは初戦の相手となる本田圭佑GM率いるカンボジア、2戦目のラオスにはいずれも勝利し、3戦目のベトナム戦を落としたとしても、インドネシアとの対戦までに2勝1敗としておけば、今大会では準決勝進出がノルマのマレーシアはプレッシャーを感じることなく自分たちのサッカーができるのではないでしょうか。

一方のA組は西野朗監督に代わりアレシャンドレ・ポルキン新監督が就任したタイ代表がチャナティップ・ソングラシン(札幌)、ティーラトン・ブンマタン(横浜)のJリーグ組に加え、その他の海外組も召集し、グループリーグ突破は順当です。ただし前回2018年大会準決勝ではホームでマレーシア相手に引き分け、アウェイゴールルールで決勝進出を逃しているだけに、AFF選手権最多優勝5回を誇るタイにとっては、優勝候補ベトナムとは決勝まで当たらないためにもグループリーグの1位突破を目指してくるでしょう。またB組同様、A組もおそらく開催国シンガポールとフィリピンの間で争われる2位争いが注目です。本来ならここにミャンマーが入ってくるべきですが、軍政と民主化との争いによる政情不安に加え、軍政反対への意思表示として代表招集を辞退する選手も出ており、戦力的にも今大会に関しては2位争いに絡んでくるのは難しそうです。

ということでボラセパマレーシア的には、A組がタイフィリピン、B組はベトナムと願望込みでマレーシアを準決勝進出と予想してこの記事を締めくくりたいと思います。

スズキカップ2020日程

<グループステージA組>

2021年12月5日(日)
東ティモール – タイ(17時30分@シンガポール国立競技場)
シンガポール – ミャンマー(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月8日(水)
ミャンマー – 東ティモール (17時30分@シンガポール国立競技場)
フィリピン – シンガポール (20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月11日(土)
東ティモール – フィリピン(17時30分@シンガポール国立競技場)
タイ – ミャンマー(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月14日(火)
フィリピン – タイ(17時30分@シンガポール国立競技場)
シンガポール – 東ティモール(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月18日(土)
タイ – シンガポール(20時30分@シンガポール国立競技場)
ミャンマー – フィリピン(20時30分@ビシャンスタジアム)

<グループステージB組>

2021年12月6日((月))
カンボジア – マレーシア(17時30分@ビシャンスタジアム)
ラオス – ベトナム(20時30分@ビシャンスタジアム)

2021年12月8日(水)
マレーシア – ラオス (17時30分@ビシャンスタジアム)
インドネシア – カンボジア (20時30分@ビシャンスタジアム)

2021年12月11日(土)
ラオス – インドネシア(17時30分@ビシャンスタジアム)
ベトナム – マレーシア(20時30分@ビシャンスタジアム)

2021年12月14日(火)
カンボジア – ラオス(17時30分@ビシャンスタジアム)
インドネシア – ベトナム(20時30分@ビシャンスタジアム)

2021年12月18日(土)
ベトナム – カンボジア(20時30分@ビシャンスタジアム)
マレーシア – インドネシア(20時30分@シンガポール国立競技場)

<準決勝第1回戦>

2021年12月22日(水)
A組2位 – B組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月23日(木)
A組1位 – B組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)

<準決勝第2回戦>

2021年12月25日(土)
B組1位 – A組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月26日(日)
B組2位 – A組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)

<決勝第1回戦>

2021年12月22日(水)
A組2位 – B組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月23日(木)
A組1位 – B組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)

<決勝第2回戦>

2021年12月29日(木)
準決勝勝者1 – 準決勝勝者2(20時30分@シンガポール国立競技場)

2022年1月1日(土)
準決勝勝者2 – 準決勝勝者1(20時30分@シンガポール国立競技場)

12月3日のニュース:JDTの19歳MFアリフ・アイマンらが代表に追加召集、Mリーグ3部は来年2月に2年ぶりの開催へ、日本人Mリーガーも出場する聴覚障害者スポーツ支援のチャリティーマッチが12月11日に開催

 東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会はいよいよ今週日曜日の東ティモール対タイで開幕します。西野朗氏に代わってタイ代表の監督に就任したアレシャンドレ・ペルキンク氏率いるタイ代表でチャナティップ・ソングラシン(札幌)が主将に指名された、またベトナム代表のパク・ハンソ監督はケガ人を恐れて4名のGKを含む30名の大所帯でシンガポールに乗り込んだ、など大会関連のニュースも続々と入ってきていますが、マレーシア代表も今日12月3日にシンガポール入りが予定されています。

JDTの19歳MFアリフ・アイマンらが代表に追加召集

 12月5日に開幕するスズキカップ2020年大会に出場するマレーシア代表は、大会開催地のクアラルンプールへ向けて本日出発しますが、出発前の最後の練習が行われた昨日、MFアリフ・アイマン(JDT)とカラムラー・アル=ハフィズ(PJシティFC)が追加招集されています。
 11月17日にマレーシアサッカー協会FAMが発表した代表候補28名からは、代表合宿に参加していたFWダレン・ロック(PJシティFC)がケガのため合宿参加後に辞退していますが、11月30日に行われたマレーシアカップ決勝で負傷した箇所が重傷だったことから、MFアクラム・マヒナン(股関節)とMFケニー・パッラジ(膝靱帯)も代表参加を辞退しています。またこの日、MFモハマドゥ・スマレ(JDT)が家族の事情で、またGKアズリ・アブドル・ガニ(ペラFC)が肩の痛みを訴えて代表辞退を表明したことから、当初は追加召集を行わないと話していたタン・チェンホー監督は予備召集候補だったカラムラー選手に加えて、アリフ選手の招集にも踏み切ったようです。
 既に6月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選にも召集されていたアリフ選手は、スズキカップでも当然代表入りすると思われていましたが、11月17日の代表候補発表の際には「今季の疲労を考慮して」スズキカップ出場の代表チームに招集しないとタン監督が発表していました。
 アリフ、カラムラー両選手が加わった結果、マレーシア代表は以下の24名でシンガポールに乗り込みます。

<GK>
カイルルアズハン・カリド(スランゴールFC)、カイルル・ファミ(マラッカ・ユナイテッドFC)、カラムラー・アル=ハフィズ(PJシティFC)
<DF>
リザル・ガザリ、アリフ・ファルハン(以上クダ・ダルル・アマンFC)、シャールル・サアド、アイディル・ザフアン(以上JDT)、ドミニク・タン(サバFC)、クェンティン・チェン(スランゴールFC)、アリフ・ファジラー(トレンガヌFC)、ディオン・クールズ(デンマーク1部FCミッティラン)、ジュニオール・エルドストール(タイ1部チョンブリーFC)、シャミ・サファリ(スランゴールFC退団)
<MF>
サファウィ・ラシド、アリフ・アイマン、シャフィク・アフマド、アキヤ・ラシド(以上JDT)、バドロル・バクティアル(サバFC)、ムカイリ・アジマル(スランゴールFC)、ファイサル・ハリム(トレンガヌFC)、コギレスワラン・ラジ(PJシティFC)
<FW>
ギリエルメ・デ・パウラ(JDT)、ルクマン・ハキム(ベルギー1部KVコルトレイク)、シャーレル・フィクリ(スランゴールFC)

Mリーグ3部は来年2月に2年ぶりの開催へ

 Mリーグ3部に当たるM3リーグ以下のリーグを運営するアマチュアフットボールリーグAFLのモハマド・ユソフ・マハディ チェアマンは、新型コロナの影響で2019年シーズンを最後に中止が続いている下部リーグについて、M3リーグとM5リーグは来年2022年の2月あるいは3月に新シーズンの開幕を、またMリーグ4部に当たるM4リーグについては2022年シーズン終了後にM3リーグからの降格クラブとM5リーグからの昇格クラブが決定することを受けて2023年より新シーズンを開幕すると発表しています。
 モハマド・ユソフAFLチェアマンは、来季2022年のM3リーグでは参加する20クラブを2つのグループに分けて2回戦制のリーグ戦を行い、各グループの上位4チームずつがホームアンドアウェイ形式で行われる準々決勝、準決勝を経て、2部プレミアリーグへ昇格する2クラブが決定されるということです。
*****
 スタジアムではなく、オープンフィールドで試合が行われることもあるM3リーグは、観衆の制限ができず新型コロナの感染拡大防止対策が十分行えないという理由で2年連続で中止となっていました。昨季が中止となったことを受け、AFLは今季の開催を模索し開幕時期をが2度延期したものの、最終的には9月半ばに正式に中止が発表されました。今季のM3リーグは外国籍選手及び外国籍指導者の登録禁止となりましたが、来季はこれまで通り、外国籍選手もプレーできるようになってくれることを期待したいです。

日本人Mリーガーも出場する聴覚障害者スポーツ支援のチャリティーマッチが12月11日に開催

 マレーシア聴覚障害者スポーツ協会の2022年の活動を支援するためのチャリティーマッチが12月11日にクアラルンプールのKLフットボールスタジアムで開催されます。
 この試合ではデフ(聴覚障害者)サッカーマレーシア代表のマレーシアデフタイガーズとヤクルトオールスターズが対戦しますが、ヤクルトオールスターズは先日のマレーシアカップで優勝を果たしたKLシティFCからインドラ・プテラ・マハユディン、さらにはザクアン・アドハ(ヌグリスンビランFC)、アズミ・ムスリム(ペナンFC)、ヌルシャミル・アブドル・ガニ(ケランタンFC)、ノーシャルル・イドラン・タラハ(サラワク・ユナイテッドFC)など現役Mリーガーの他、先日引退を発表したシュコル・アダン氏やサッカー解説者のサイド・アドニー氏など錚々たるメンバーが顔を揃える一方で、本山雅志、谷川由来、深井脩平、東山晃(以上ケランタン・ユナイテッドFC)、鈴木雄太(クチンシティFC)、鈴木ブルーノ(PDRM FC)ら日本人Mリーガーや指導者もこのヤクルトオールスターズに参加します。
 ヤクルトマレーシア社が主催し、国家スポーツ評議会NSCが全面支援するこのチャリティーマッチのチケットですが、VIP席は既に売り切れとなっていますが、オープンスタンドの座席はこちらから入手可能です。

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12月2日のニュース:KLシティFCのマレーシアカップ優勝を祝って12月3日が祝日に、サバFCが来季に向けて大型補強を敢行、ペラFCの給料未払いは新オーナーが10日以内の解決を約束

 KLシティFCのマレーシアカップ優勝の興奮が冷めやらぬ中、多くのクラブが来季に向けて動き始めています。マレーシアでは一般に選手とクラブの契約は11月末までとなっており、前所属クラブとの契約満了を待って、次が変わった12月から続々と新加入選手の発表が行われそうです。

KLシティFCのマレーシアカップ優勝を祝って12月3日が祝日に

 11月30日に行われたマレーシアカップ決勝では、Mリーグ優勝との2冠達成を目指したJDTをKLシティFCが2-0で破り、前身のクアラルンプールFAから数えて32年振りとなるマレーシアカップ優勝を果たしていますが、これを祝してクアラルンプールを含む連邦直轄地では12月3日が祝日になることが発表されています。
 昨日急遽、開かれた記者会見でシャヒダン・カシム連邦直轄地担当大臣は、クアラルンプールだけでなくプトラジャヤ、ラブアンも含めた全ての連邦直轄地で12月3日が祝日となると発表しています。マレーシアにはどの州にも属さない政府の直轄地(マレーシアは連邦制をとっていることから連邦直轄地と呼ばれています。)があり、首都クアラルンプール、行政府が集まるプトラジャヤ、そして東マレーシア(ボルネオ島)の沖にあるオフショア金融センターのラブアン島がこれにあたります。
 マレーシアカップ決勝前にはJDTが勝てばジョホール州の祝日を設けるとジョホール州首相も話しており、サッカーで勝ったから祝日!というのはマレーシアでは「あるある」なのですが、前任者のアヌアル・ムサ前連邦直轄地大臣、そしてその前任者であるカリド・サマド元連邦直轄地大臣とともにスタンドでマレーシアカップ決勝を観戦しながら、前任者の2人はフィールドでの表彰式に呼ばれて参加した一方で、自分だけが呼んでもらえなかったといった愚痴を試合後に自身のFacebookに投稿したシャヒダン連邦直轄地担当大臣による発表だけに、祝日制定自体は合法とはいえ政治家特有の人気取りパフォーマンス的な面もありそうです。ちなみにアヌアル前連邦直轄地大臣はKLシティFCの会長、カリド元連邦直轄地大臣はクアラルンプールサッカー協会会長を務めています。

サバFCが来季に向けて大型補強を敢行

 今季のMリーグ1部スーパーリーグでは4勝7分け11敗で9位に終わったサバFCが次々と大物選手を獲得しています。昨季に続き今季も指揮を取ったインドネシア出身のクルニアワン・ドゥイ・ユリアント監督が後半戦10試合を0勝3分7敗としたことからリーグ閉幕後に解任され、マレーシアサッカー協会FAMのテクニカルディレクターを務めていたオン・キムスイ監督が10月1日付で就任したサバFCは、マレーシアカップではグループステージを突破し、マラッカ・ユナイテッドFCに敗れたもののベスト8に進出しています。
 2009年から2018年までU22やU23代表監督を務めてきたオン監督は、各年代に指導した選手がいることから、サバFCはその人脈を使った大型補強を次々と発表しています。2011年にインドネシアのジャカルタで開催された東南アジア競技大会通称シーゲームズの男子サッカーでマレーシアは優勝していますが、この大会に出場したU23代表の指揮を取ったのがオン監督のもとで主将を務めたMFバドロル・バクティアルが同じ1部スーパーリーグで今季2位のクダ・ダルル・アマンFCから移籍する他、2018年のAFC U23選手権(現U23アジアカップ)予選で監督を務めたU23代表の主将DFドミニク・タンも出場機会がなかったタイ1部のポリス・テロFCからの移籍が決まっています。
 この他FAMのテクニカルディレクター時代に設立に関わったFAM-MSNプロジェクト(2部プレミアリーグ)でプレーし、今季リーグ戦でマレーシア人選手としてはリーグ2位の8ゴールを挙げた18歳のFWアズハド・ハラズの獲得のために地元サバ州サンポルナ出身のアズハド選手の実家を電撃訪問するなど、今季は得点はリーグ8位、失点はリーグ9位と降格した11位のチームとは勝点差がわずか3だったチームの立て直しを図るオン監督ですが、バドロル、タンの両代表選手やU22代表のアズハド選手に加え、今後も代表クラスの加入が噂されているサバFCは来季の台風の目になることは間違いなさそうです。
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 2部プレミアリーグから1部スーパーリーグへ昇格した際に、それまでクラブレベルでの指導経験がなく、インドネシアU23代表のアシスタントコーチの経験しかなかったクルニアワン・ドゥイ・ユリアント氏を監督に据えた時点で既にサバFCは失敗していたようにも思えます。また昨季の10位から捲土重来を期したクルニアワン氏でしたが、インドネシア代表では歴代2位の33ゴール(キャップ数59)を挙げている「レジェンド」にとっては、期待していた自国代表のFWサディル・ラムダニがケガによりシーズン途中で脱落するなどの誤算もあり、今季を最後まで全うすることができませんでした。

ペラFCの給料未払いは新オーナーが10日以内の解決を約束

 今季開幕直後から給料未払いが発覚し、大半の主力選手がシーズン途中に退団したことから今季のMリーグ1部スーパーリーグでは11位となり、来季の2部プレミアリーグ降格が決まっているペラFCですが、先日のこのブログでもニュースとして取り上げたように広告会社のインパクトメディアアンドコミュニケーション社(IMC社)がクラブの株式100%を購入して新たなオーナーとなっています。
 このIMC社に株式を譲渡したペラ州サッカー協会PAFAを統括するペラ州政府青年・スポーツ・コミュニケーション・マルチメディア委員会のカイルル・シャーリル委員長は、既に3ヶ月分を超えるとされる未払い給料について、IMC社がこの問題解決の時間を必要としているとして10日の猶予を与えたと話しています。なおペラFCの給料未払い問題に関しては、マレーシアプロサッカー選手会PFAMも選手から訴えがあったことを明らかにしています。
 また、このIMC社への株式譲渡にはペラ州サッカー協会メンバーの総意を得られないまま譲渡が決定したとして、臨時総会の開催を求めた協会傘下の地区サッカー協会の代表者12名をムハマド・ヤザン会長代行が評議員から免職処分を下すと、この12名が独自に臨時総会を告知する泥試合となっており、ペラFCを取り巻く問題はまだまだ一件落着とはならなそうな気配です。


12月1日のニュース:KLシティFCが32年ぶりにマレーシアカップ優勝、KLシティFCは来季AFCカップ出場権も獲得

KLシティFCが32年ぶりにマレーシアカップ優勝

 今季の国内サッカーの最終戦となるマレーシアカップの決勝が11月30日にクアラルンプールのブキジャリル国立競技場で開催され、KLシティFCがJDTを破り前身のクアラルンプールFAが1989年に優勝して以来32年ぶりの優勝を飾っています。
 前日の記者会見でJDTのベンヤミン・モラ監督がKLシティFCを「喰らいに行く」と宣言した通り、試合開始から猛攻を続けるJDTに対し、フィリピン代表に復帰したGKケヴィン・メンドーザの度重なるファインセーブなどでKLシティFCはこれを凌ぎます。しかし、果たしてこれがあと45分続けられるのか、と不安を残して始まった後半でしたが、後半に入るとKLシティFCは徐々にJDTサイドでのプレー時間が増え始め、アンダードックのKLシティFCが何度もあった好機に得点を奪えなかった王者JDTにプレッシャーをかけ始めます。
 そんな中、66分に左サイドのJ・パルティバンからのクロスにファーサイドのザフリ・ヤハヤが飛び込み、KLシティFCが欲しかった先制ゴールを挙げてリードします。ここ両チームの動きが活発になる中、74分にはライアン・ランバートからのパスをペナルティエリア内で受けた主将のパウロ・ジョズエが振り向きざまにシュートを決め、KLシティFCは2-0とさらにリードを広げます。
 ギアが上がったJDTはナチョ・インサらが得意の汚いプレーも見せながらゴールを狙いますが、この日一番のヒーロー、GKメンドーザが文字通りゴール前に仁王立ちして失点を許さず、最後は今季引退を発表しているシュコル・アダンを投入する余裕を見せたKLシティFCがこのまま2-0で勝利し、2部昇格からの32年ぶりマレーシアカップ優勝というシンデレラストーリーを達成して、100周年記念大会となった今季のマレーシアカップに花を添えるとともに今季のマレーシア国内サッカーシーズンのフィナーレを飾りました。
 スタッツを見れば、JDTのシュート数14(オンターゲット9)に対してKLシティFCのシュート数は5(オンターゲット2)、コーナーキックはJDTの6に対してKLシティFCは2、ボールポゼッションもJDTの60%に対してKLシティFCは40%と、数字的には明らかに優勢だったJDTでしたが、試合後のインタビューでボジャン・ホダック監督が話したように、DF陣だけでなく、FWの選手も含めた全員守備、そして全員攻撃で勝ち取った優勝でした。

2021年11月20日@ブキジャリル国立競技場(クアラルンプール)
KLシティFC 2-0 JDT
得点者:KL-アムリ・ヤハヤ(66分)、パウロ・ジョズエ(74分)
最優秀選手:アムリ・ヤハヤ
(下のダイジェスト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

KLシティFCは来季AFCカップ出場権も獲得

 今季のマレーシアカップで優勝を果たしたKLシティFCは、来季2022年のAFCカップ出場権も獲得しています。
 今季開幕前にマレーシアカップを運営するMFLは、Mリーグ1部スーパーリーグ優勝チームにはACLの出場権を、マレーシアカップとマレーシアFAカップそれぞれの優勝チームにはAFCカップ出場権が与えられるとしていましたが、新型コロナの影響によりマレーシアFAカップは昨季に続き中止となり、これによりAFCカップ出場枠はMリーグ2位のチームに与えられることになりました。またMリーグ優勝チームがマレーシアカップでも優勝した場合には、Mリーグ3位にAFCカップ出場権が授与されることも発表になっていましたが、KLシティFCがJDTを破ったため、KLシティFCはマレーシアカップ優勝チームとして、来季のAFCカップ出場を決めています、

11月30日のニュース:今季のフィナーレを飾るマレーシアカップは今日決勝、タイ1部第15節-代表コンビは揃って出場もタンは退団へ

今季のフィナーレを飾るマレーシアカップは今日決勝

 100周年記念大会となったマレーシアカップは今日11月30日午後9時からブキジャリル国立競技場を舞台に決勝が行われ、2019年に続き連覇を狙うJDT(Mリーグ1部今季1位)と決勝進出32年ぶりのKLシティFC(同6位)が対戦します。準々決勝、準決勝はいずれもホームアンドアウェイ方式で行われましたが、決勝は文字通りの一発勝負。JDT有利の予想が大方を占める中、KLシティFCのボジャン・ホダック監督が策士としての本領を発揮すれば、好試合が期待できそうです。ということで今回は今日の決勝戦にまつわる小ネタ集です。

1. 両チームともグループステージから無敗
 JDTはグループステージから準決勝までの10試合を8勝2分(19得点2失点)、一方のKLシティFCは6勝4分(17得点6失点)と無敗で勝ち上がっています。

2. 今季のリーグ戦ではJDTの1勝1分
 今季リーグ戦からマレーシアカップまでホームでは15戦無敗のKLシティFCは4月30日にJDTと対戦して1-1で引き分けており、この時のJDTのゴールは既に退団したシンガポール代表主将のハリス・ハッルンがゴールを決めています。またJDTがKLシティFCをホームに迎えた9月12日の今季Mリーグ最終戦では、KLシティFCはニック・シャールルのオウンゴールで1-2と敗れています。

3. KLシティFCのホダック監督は今回が4度目のマレーシアカップ決勝
 KLシティFCは32年ぶりの決勝進出ですが、クラブの指揮を取るボジャン・ホダック監督自身は今回が4回目のマレーシアカップ決勝です。2012年にケランタンFA(現ケランタンFC)を率いてマレーシアカップに優勝し、国内3冠(Mリーグ、マレーシアカップ、マレーシアFAカップ)を達成した浦ダック監督は翌2013年にもケランタンFAで2年連続でマレーシアカップ決勝に進出しましたが、この年は決勝で敗れています。その翌年の2014年にJDTの監督に就任したホダック監督は、前年同様パハンFA(現スリ・パハンFC)に決勝で敗れています。ただしこの2014年の決勝は前後半を終えて2-2から延長戦に入るも決着がつかず、最後はPK戦による惜敗でした。

4. 幻となった「師弟対決」
 前述の2014年の決勝ではサフィク・ラヒムがJDTの主将を務めており、今日の決勝戦では7年前の決勝では同じチームだったホダック監督との「師弟対決」になるはずでしたが、サフィク選手は11月26日の準決勝第2戦トレンガヌFC戦で試合中にトレンガヌFCのファイサル・ハリムに頭突きを喰らわせて1発退場となり、今日の決勝戦は出場停止になっています。

5. 3度目の優勝を目指すJDTに対しKLは32年前に3連覇達成
 2017年、2019年(2020年は新型コロナにより大会中止)に続く3度目の優勝を目指すJDTに対し、32年ぶりの決勝進出となったKLシティFCですが、1987年から1989年までは前身のクアラルンプールFAがファンデイ・アフマドとマレク・アワブ、K・カナンのシンガポールトリオの活躍で3連覇を果たしています。ちなみにこの3連覇の立役者で当時のクアラルンプール市長でクアラルンプールサッカー協会会長でもあったエリアス・オマー氏、そして3連覇を果たした監督のチョウ・カイラム氏はいずれも故人となりましたが、キャラクターが濃いこの2人の印象はちょうどマレーシアのサッカーを見始めたばかりの私にはとても印象深く残っています。

タイ1部第15節-代表コンビは揃って出場もタンは退団へ

 2021/2022年シーズンのタイ1部リーグ第15節が11月27日と28日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCはラーチャブリー・ミトポンFCに勝利し3位に浮上、一方DFドミニク・タンが所属するポリス・テロFCもチェンマイ・ユナイテッドに勝利し、順位を2つ下げて今季最高位の9位としています。

タイ1部リーグ第15節
2021年11月27日@ブンヤジンダースタジアム
ポリス・テロFC 1-0 チェンマイ・ユナイテッド
 11位のポリス・テロFCが最下位のチェンマイ・ユナイテッドに勝利し、今季最高位の9位に浮上しています。
 ドミニク・タンは88分から出場し、試合終了までプレーしています。

2021年11月28日@チョンブリースタジアム
チョンブリーFC 3-0 ラーチャブリー・ミトポンFC
 今季のACLではMリーグチャンピオンのJDTや名古屋グランパスと同組となったラーチャブリー・ミトポンFCと対戦したチョンブリーFC。4日前にはFAカップで最下位のチェンマイ・ユナイテッドに敗れる波乱がありましたが、この試合ではリーグ戦6試合無敗の好調を取り戻して解消しています。
 ジュニオール・エルドストールは先発してフル出場しています。

タイ1部リーグ順位表(第15節終了)

順位チーム試合得失差勝点
1ブリーラム・ユナイテッド1510231632
2バンコク・ユナイテッド1510231532
3チョンブリーFC158431428
9ポリス・テロFC15555-220
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFC、ポリス・テロFCのみ表示しています。
ドミニク・タンはポリス・テロ退団へ

 タイ1部ポリス・テロFCに所属するマレーシア代表DFドミニク・タンが自身のインスタグラムを更新し「ポリス・テロFC、素晴らしい思い出をありがとう。一生忘れません。でもこれは終わりではありません。私は戻ってきます。コップンカップ」というメッセージとともにチームメートとの写真を投稿しています。
 2019年にJDTから期限付き移籍で当時2部に在籍していたポリス・テロFCに加入していたタン選手は、翌2020年には完全移籍していました。
 昨季は21試合に出場しましたが、今季は第9節まで出場はなく、初出場となった第10節以降も終盤の起用が多く、第15節まででプレー時間の最長は29分でした。
 U23代表では主将も務めるなど将来の代表DF陣の中心選手と目されていただけに、この出場時間の少なさでは、今後は代表招集すら危うくなることからの退団のようです。
 ポリス・テロFC退団後は、U23代表時代の監督だったオン・キムスイ監督が就任したMリーグ1部のサバFCへの加入が濃厚と噂されています。今季Mリーグ2部のFAM-MSNプロジェクトでプレーし、マレーシア人選手としてはリーグ2位の8ゴールを挙げたU22代表でもプレーする18歳のFWアズハド・ハラズに4年契約をオファーする一方で、今季Mリーグ1部2位のクダ・ダルル・アマンFCからMFバドロル・バクティアル、DFリザル・ガザリ、マレーシアカップでベスト4のマラッカ・ユナイテッドFCからGKカイルル・ファミ・チェ・マットの代表トリオ獲得が噂されるなど、来季に向けた大型補強が噂される中、タン選手獲得もその一つと考えられています。

マレーシアカップ2021-準決勝第2試合結果-決勝のカードはJDT対KLシティFCに決定

 11月26日にマレーシアカップ準決勝第2戦の2試合が行われ、JDT(Mリーグ1部今季1位)が退場者を出しながらもトレンガヌFC(同4位)を3-0で一蹴し準決勝2試合通算のスコアを4-1として決勝進出をきめた一方、KLシティFC(同6位)対マラッカ・ユナイテッド(同8位)戦は90分を終えて1-1、さらに前後半合わせて30分の延長戦でも決着がつかず、PK戦へとも連れ込み、KLシティFCが5-3でマラッカ・ユナイテッドFCを振り切って、最後は日付が今日になっていた準決勝第2戦に勝利しています。この結果、11月30日にクアラルンプールのブキジャリル国立競技場で行われるマレーシアカップ100周年大会の決勝戦は、大会2連覇を目指すJDTと前回優勝した1989年以来32年ぶりの決勝進出となったKLシティFCの対戦となりました。
(試合の映像はMFLの公式YouTubeチャンネルよりお借りしています。)

マレーシアカップ準決勝第2戦
マラッカ・ユナイテッドFC 1-1 KLシティFC(通算スコア2-2、PK3-5)

2021年11月26日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
得点者:KL-J・パルティバン(9分)、シャミン・ヤハヤ(65分)
 停電により試合開始が1時間遅れて午後10時キックオフとなるなど波乱の予感が漂った試合は双方が総力戦で臨む中、パウロ・ジョズエのコーナーキックからのクリアボールを蹴ったアクラム・マヒナンのボールがゴール前に転がり、これをJ・パルティバンが振り向きざまにシュート。角度が変わったボールにマラッカ・ユナイテッドGKのカイルル・チェ・ファミが反応できずそのままゴールとなりKLシティFCが9分に先制し、そのまま前半は1-0で折り返します。
 後半に入るとマラッカ・ユナイテッドFCは65分にソニー・ノルデのコーナーキックからゴール前でアクマル・ザヒルが頭で流したボールをシャミン・ヤハヤが押し込んで同点とすると、その後は90分で決着がつかず、この試合は今大会初の延長戦に入りました。しかし延長前半、後半とも両チームがゴールを挙げることができず、120分で決着がつかなかった試合はPK戦に入りました。
 KLシティFCの先行で始まったPK戦は、1人目のキッカーに立った主将のパウロ・ジョズエからロメル・モラレス、インドラ・プトラ・マハユディン、ハディン・アズマンそしてジャンカルロ・ガリフォッコと5人全員がPKを決めたKLシティに対し、、マラッカ・ユナイテッドはアドリアーノ、マヌエル・オットと2人がいずれもPKを決めた後の3人目となったジョヴァンニ・ゴメスのシュートがゴールポストを叩いてい失敗となり、クラブ史上初のマレーシアカップ決勝進出はなりませんでした。

マレーシアカップ準決勝第1戦
JDT 3-0 トレンガヌFC(通算スコア4-1)

2021年11月26日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダルプテリ)
得点者:JDT-ベルグソン・ダ・シルヴァ2(6分、15分)、ゴンザロ・カブレラ(11分)
 JDTのホームで行われたこの試合は、準決勝第1試合で負傷した主将カルリ・デ・ムルガ不在の影響もあり、試合開始直後から意思の疎通が取れていないトレンガヌFC守備陣の隙をついて7分にはエースのベルグソン・ダ・シルヴァがミドルシュートを決めて先制すると、11分にはゴンザロ・カブレラ、そして15分には再びベルグソン・ダ・シルヴァがゴールを決めるなど、試合開始からわずか15分でJDTが3-0として、勝負あったかと思われた試合でしたが、16分にはオフザボールの場面でJDTのサフィク・ラヒムがトレンガヌFCのファイサル・ハリムに頭突きを食らわせて1発レッドで退場となります。
 準決勝2試合の通算スコアが4-1となった試合展開にも関わらず元代表主将が起こした愚行はトレンガヌFCに有利に働くかと思われましたが、そこからのJDTは…いやぁ強かった。というかトレンガヌFCは好機にシュートが枠を捉えられず、またパスの精度も低くボールが繋がらない、繋がってもすぐにボールを奪われるなど、相手が10人という数的有利すら活かすことができず全くの完敗でした。10人全員が全力でボールに激しく寄せてくるJDTに対して、トレンガヌFCは緩慢な動きでパスのコースをことごとく潰され、最後はチャンスさえもほとんど作り出すことができず、個々の選手の技術や体力、さらにチーム力とすべての面でこの試合ではトレンガヌFCはJDTに完敗、審判の助けを借りずにで2019年に続く2連覇(2020年は新型コロナの影響でマレーシアカップは中止)、そして今季2冠を目指して決勝進出を決めています。

11月26日のニュース:マレーシアカップ関連4題-トレンガヌFCとMFLがSOP違反で罰金処分、SOP違反が続けばマレーシアカップ決勝は無観客開催の可能性も、マレーシアカップ決勝は飲食禁止で定員2万人も変わらず、MFLは準決勝を前に審判の質の向上を求めるも今言われてもなぁ…

トレンガヌFCとMFLがSOP違反で罰金処分

 11月22日に開催されたマレーシアカップ準決勝トレンガヌFC対JDTの試合で標準作業手順SOPの違反があったとして、トレンガヌ州政府保健局は、この試合を開催したトレンガヌFCとマレーシアカップ主催者のMFLに対しそれぞれ1万リンギ(およそ27万円)の罰金処分を課しています。
 トレンガヌ州ゴンバダのスルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアムで行われたこの試合についてトレンガヌ州保健局のカセマニ・エムボン局長は、観衆のマスク着用やソーシャルディスタンス維持といった州内での試合開催における標準作業手順SOPが十分に守られなかったことに対する処分であると述べています。
 この試合を開催したトレンガヌFCは5万人収容可能なスルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアムで入場者を2万人に制限し、入場前の体温検査実施や新型コロナ対策アプリMySejahteraのQRコードを読み取りによる入場などの対策をとっていましたが、ソーシャルメディア上には塀を乗り越えて出入りするサポーターの映像が拡散するなど、対策の不備が指摘されていました。

SOP違反が続けばマレーシアカップ決勝は無観客開催の可能性も-MFL

 マレーシアカップを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは公式サイト上で、上の記事でも取り上げた準決勝第1戦での標準作業手順SOP違反を受け、今日11月26日に開催される準決勝第2戦でも同様の事態が起これば、11月30日にブキジャリル国立競技場で予定されているマレーシアカップ決勝が中止になる可能性があると話しています。
 新型コロナの新規感染者数は昨日11月25日には6日ぶりに6000人台に達するなどがここ数日は再び増加傾向にあり、マレーシア政府は感染拡大に躍起となっていることから、本日の準決勝第2戦でもサポーターがSOP遵守を怠れば、政府は方針を転換してスタジアム観戦を禁じ、その結果としてマレーシアカップ100周年記念大会の決勝を無観客で行わなければならなくなる可能性があると述べたスチュアートCEOは、サポーターに対して良識ある行動を求めています。
 準決勝第1戦でSOP違反が起きたことはマレーシアカップ主催者として残念だと話したスチュアートCEOは、新規感染者数が増加していることを真剣に受け止めて、スタジアムに足を運ぶサポーターに対してマレーシア政府が設けたSOPの遵守を改めて呼びかけています。

マレーシアカップ決勝は飲食禁止で定員2万人も変わらず


 MFLは公式サイト上でマレーシア政府に働きかけていたマレーシアカップ決勝の入場定員増とスタジアム内での飲食許可がいずれも却下されたことを明らかにしています。
 マレーシアカップグループステージ第3節の10月29日からおよそ6ヶ月ぶりにスタジアムでの観戦が可能になったマレーシアですが、感染拡大防止の観点からスタジアム内での飲食は禁止されています。店内での飲食はもとより映画館でも飲食が既に許可されていることもあり、スタジアムに足を運ぶサポーターからはスタジアム内での飲食解禁を求める声が多く上がっており、国内の新型コロナ対策を統括するマレーシア政府の国家安全保障委員会NSCに対して、せめて決勝戦だけでも飲食が可能となるよう、国内スポーツを統括する青年スポーツ省を通じて申請をしていましたが、国家安全保障委員会によってこの申請が却下されたことをMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOが明らかにしています。これについてスチュアートCEOは決勝戦入場前に飲食が済ませられるよう、ブキジャリル国立競技場を運営するマレーシアスタジアム社と協力して屋台やフードトラックなどの停波医を行うとしています。
 またスチュアートCEOは現在は2万人となっているマレーシアカップ決勝戦のスタジアム観戦者数の制限緩和も合わせて申請していましたが、こちらも申請が却下されたということです。クアラルンプールは国家復興プラン第4段階に入っていますが、この第4段階ではスポーツ施設への入場制限は定員の50%あるいは2万人の少ない方とすることが国家安全保障委員会により規定されており、マレーシアカップ決勝が開催されるクアラルンプールのブキジャリル国立競技場の定員が8万7000人超であることから、定員の半数程度の4万人を目処に制限緩和を求めていました。

MFLは準決勝を前に審判の質の向上を求めるも今言われてもなぁ…

 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、審判の質を直ちに向上するよう求めています。
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロの取材に対し、審判に関してはMFLの管轄外であると断った上で、質が低い審判はマレーシアカップだけでなくMリーグのイメージを損なうものだと述べ、マレーシアカップ準決勝第2戦ではより質が高い審判を求めたいと話しています。
 マレーシアカップ準決勝第1戦のトレンガヌFC対JDT戦では、ヤシン・モハマド主審がJDT選手の目に余る悪質な反則プレーが自身の前で起こっていたにもかかわらずカードを出さなかったことからトレンガヌFCサポーターだけでなく、国内の多くのサッカーファンからも槍玉に挙げられていました。
 アブドル・ガニCEOは「準決勝で主審が悪質なプレーを見過ごした回数はわずか数回だったかもしれないが、マレーシアカップ準決勝ともなれば利用チームのサポーターだけでなく多くのサッカーファンの注目も集まっており、そう言った見過ごしが特に目立ってしまった。審判がミスをするのは避けられないが、(審判を統括するマレーシアサッカー協会FAMには)それを改善するために直ちに手を打って欲しい。」と述べて、速やかな改善策を求めています。


11月25日のニュース:広告会社IMC社がペラFCを買収し新オーナーに、VAR導入には時間が必要-FAM審判委員長、サバFAが大型補強敢行か

広告会社IMC社がペラFCを買収し新オーナーに

 開幕後に未払い給料問題が発生したことから開幕戦の先発XIの内8名がシーズン途中に退団し、その結果、今季1部スーパーリーグでは11位となり来季は2部プレミアリーグ降格が決まっているペラFCはですが、このペラFCを運営するペラ州サッカー協会のムハマド・ヤザン会長代行は、広告会社のImpact Media and Communication社(IMC社)がクラブの株式100%を購入して新たなオーナーとなったことを発表しています。なお買収額は公表されていません。
 ペラ州サッカー協会の事務所で行われた記者会見では、IMC社が現在、ペラFCが直面している全ての問題を解決することは望んでおらず、ペラ州サッカー協会と協力して解決方法を模索していくと述べ、まず現在クラブに在籍する選手たちとの話し合いを持つとしています。
 なお今回の買収により、州サッカー協会が全ての株式を売却し、民営化されたMリーグクラブはJDT、PJシティFC、スリ・パハンFC、ケランタンFCに続く5クラブ目となります。
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 シーズン中も絶えず給料未払いが発生していたとされるペラFCの買収については今年4月に化粧品会社を経営するハスミザ・オスマン氏やスポーツ関連企業のコパ・アリーナ社が名乗りを上げ、特にコパ・アリーナ社とはかなり交渉が進んだものの、ペラ州サッカー協会が未払いとなっている給料などに加えて州内のサッカー活動支援など契約開始時からより多くの費用を要求したことから交渉が決裂していました。
 そんな中でやや唐突な印象もあるIMC社による買収劇ですが、ペラ州サッカー協会内でも一部にしか知らされていなかったという報道もあり、またで「全ての問題を解決することは望んでいない」といった点はコパ・アリーナ社との交渉内容とは少々異なるようで何かスッキリしない印象も残ります。

VAR導入には時間が必要-FAM審判委員長

 隣国タイやインドネシアでビデオアシスタントレフリーVARの導入が進む中、先日はJDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下がMリーグもVAR導入の時期に来ていると発言しましたが、その実現にはまだ時間がかかりそうだと、マレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。
 この記事の中でマレーシアサッカー協会FAM審判委員会のS・シヴァサンダラム委員長は、国内でのVARの導入については実証実験の前の段階であり、導入に向けて様々な点の検討が残っていると話しています。
 「VAR導入についての議論は行われているが、導入には最低でも1800万リンギから2000万リンギ(およそ4億9000万円から5億4000万円)に費用が必要と試算されており、新型コロナ禍の現状でその費用の調達が調達可能な可能かどうかを精査する必要があり、またMリーグの試合を開催するスタジアムでのインターネット環境の改善もVAR導入には必要で、これらについては現在も検討中である。」と話すシヴァサンダラム委員長は、現時点ではVAR導入時期などについて述べることはできないとしています。

サバFAが大型補強敢行か

 今季のMリーグ1部スーパーリーグでは4勝7分11敗の9位に終わったサバFCですが、昨季から2季監督を務めたクルニアワン・ドゥイ・ユリアントを解任し、マレーシアカップ直前の10月1日に前FAMテクニカルディレクターのオン・キムスイ新監督が就任して以降はマレーシアカップグループステージを突破して準々決勝に進出するなど、新監督就任効果が現れているます。このサバFCが来季2022年シーズンに向けてはさらなる補強を行うようだと、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 スーパーリーグの大物選手を複数獲得することが噂されているサバFCですが、その噂に上っているのが、今季スーパーリーグではマレーシア人選手として最多ゴールを挙げているMFバドロル・バクティアル(クダ・ダルル・アマンFC)とクラブ史上初となるマレーシアカップ準決勝進出に貢献しているGKカイルル・ファミ・チェ・マット(マラッカ・ユナイテッドFC)の代表コンビです。
 スタジアムアストロの取材に対してオン監督は、新戦力の獲得についてはフロントの許可が必要だが、名前はまだ明らかにできないもののの新戦力を獲得するための交渉が行われているのは事実であることを認め、最終的にはチームの20%から30%のメンバーが入れ替わるだろうと話しています。
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 2011年の東南アジア競技大会通称シーゲームズで金メダルを獲得した当時のU23代表は、オン監督、バドロル主将、正GKカイルルというメンバーだったことから、バドロル、カイルル両選手の移籍は濃厚ですが、バドロル選手が所属するクダ・ダルル・アマンFCは来季へ向けて残留交渉を行っていると報じられています。
 ユース時代からクダFA(当時、現クダ・ダルル・アマンFC)一筋でプレーし、リーグ戦とカップ戦合わせて通算123ゴールを挙げてきたバドロル選手に加え、チームメートでやはり代表選手のDFリザル・ガザリもサバFC移籍が噂されており、これが実現すれば、2季連続スーパーリーグ2位のクダ・ダルル・アマンFCは来季は大きくメンバーが変わることになりそうです。


11月24日のニュース:スランゴールFC-5選手と長期契約締結の一方で今季更迭された監督が来季はコーチに、JDT選手の蛮行を見逃した審判に批判が集中-JDTオーナーは審判の質を批判しVAR導入を提案も問題はそこなのかな?、クダはアイディル監督との契約更新へ

スランゴールFCが若手5選手と長期契約締結

 スランゴールFCは今季主力としてプレーした若手5選手との長期契約を結んだことをクラブ公式サイトで発表しています。今回長期契約を交わしたのは、AFC U23アジアカップ2022年大会予選に出場し本戦出場権を獲得したU22代表で主将を務め、来月12月のスズキカップに出場するA代表にも招集されているMFムカイリ・アジマル(20)、同じくU22代表の招集されながらケガで辞退となったアフロヘアーがトレードマークのDFシャルル・ナジーム(22)、昨季はMリーグ2部プレミアリーグでマレーシア人選手最多の7ゴールを挙げ、今季は1部スーパーリーグとマレーシアカップでやはりマレーシア人選手としてはチーム最多の6ゴールを挙げているFWダニアル・アスリ(21)、今季は24試合に出場し、かつてはJリーグでプレーすることが夢だと語ったこともあるMFアリフ・ハイカル(21)、そして来月12月開催されるスズキカップに出場するミャンマー代表に招集されているFWハイン・テット・アウン(20)の5名です。
 スランゴールFCはこれら若手選手の他、このブログでも取り上げたガン治療中のMFブレンダン・ガン(33)、代表GKのカイルルアズハン・カリド(32)、U22代表で今季は期限付き移籍していたペナンFCから復帰予定のDFクェンティン・チェン(22)の他、MFノー・ハキム・ハサン(30)、DFアシュマウイ・ヤキン(27)らと次々に契約を更新したことを発表しています。

ナイチェル前スランゴールFC監督はコーチに降格

 スランゴールFCは今季クラブのテクニカルダイレクターを務めたミヒャエル・ファイテンバイナー氏の来季監督就任を発表しましたが、今季開幕前に就任しながらチームがリーグ5位に終わり更迭されたカルステン・ナイチェル前監督と2年契約を結んでいたことからその去就に注目が集まっていました。
 そんな中、クラブ公式サイトでナイチェル前監督のトップチームアシスタントヘッドコーチ(?)就任が発表されました。マレーシアカップ準々決勝敗退から48時間後に更迭が発表されたナイチェル氏ですが、クラブ公式サイトでは「来季はナイチェル氏にはスランゴールFCのプレースタイルと哲学を浸透させるために、今季の経験を生かしたトップチームへの指導、そしてファイテンバイナー監督の支援を求めたい。」と淡々と述べられています。
 またスランゴールFCは前フェルダ・ユナイテッドFC(2019年に解散)監督で、スランゴールFCの前身、スランゴールFAでのプレー経験もあるニザム・ジャミル氏の来季のトップチームアシスタントヘッドコーチ(?)就任も発表されています。スランゴール州出身で、スランゴールFAでトップチームデビューを果たしたニザム氏はそこから2004年までプレーし、その後はPKNS FCなどでもプレー経験があります。

JDT選手の蛮行を見逃した審判に批判が集中-JDTオーナーは審判の質を批判しVAR導入を提案も問題はそこなのかな?

 11月22日に行われたマレーシアカップ2021準決勝第1試合のトレンガヌFC対JDT戦では、JDT選手がトレンガヌFCの選手に対して度を超えたラフプレーを繰り返し、しかもそれに対して主審がイエローカードすら出さなかったことから、この試合で主審を務めたモハマド・ヤシン氏に対する非難が集まっています。
 この試合で映像で確認できるだけでもJDTのシェーン・ローリーが自陣ペナルティエリア内で倒れたトレンガヌFCのジョーダン・ミンターを突き飛ばし、さらにそれを止めに入ったトレンガヌFCのGKスハイミ・フシンを投げ倒し、またJDTのナチョ・インサはトレンガヌFCのエンク・ヌル・シャキルに対してブロックやショルダーチャージというよりは明らかにエルボーをかまして倒していますが、いずれも主審の目の前で起こったにもかかわらず、両選手には注意が与えられただけだったことからトレンガヌFCの選手がもう抗議するも聞き入れられませんでした。
 これらの判定にたいしてトレンガヌFCサポーターからは、JDTのオーナーがジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下であることから、その威光を恐れてカードが出せなかったのではといった批判まで飛び出す事態になっています。
 その一方でJDTオーナーのイスマイル殿下も、この日の試合については自チーム選手の行為には触れなかったものの、この試合の審判の質が低かったことを指摘した上で、VARの導入を提案しています。
 「マレーシア人の審判の質が低いのはこの試合(トレンガヌFC対JDT)だけではない。Mリーグの多くの試合でも同様で、それも毎年繰り返されている。マレーシアサッカー協会FAMは何かしらの行動を起こすべきだ。」と自身のTwitterに投稿し、VAR導入を検討すべきと提言しています。
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 国内リーグやカップ戦における審判の問題はこれまで何度も取り上げられながら、解消されずにきたマレーシアサッカーの長年の問題点の一つです。FAMは審判のプロ化に向けた計画を発表したものの中断?頓挫?しているのが現状です。選手も監督、コーチ、さらにサポーターも審判に対して敬意を払わず信用もしていない中、前年2018年のマレーシアカップ決勝ではやはり判定に多くに批判が集まったことから、日本人の岡部拓人主審と八木あかね、野村修両副審が2019年のFAカップ決勝で審判を務めたこともあります。
 ただしこの審判の問題は、その質だけでなく、上の記事でトレンガヌFCサポーターが指摘しているような「見えざる手」の影響も否定できません。マレーシアサッカー協会FAMが審判を外部からのあらゆる干渉から守る覚悟、そして選手による不正行為を厳格に罰する覚悟を持っているか否かにかかっていますが、その覚悟は…まだ感じられません。

クダはアイディル監督との契約更新へ

 Mリーグでは昨季に続き2位となりAFCカップ出場権を獲得したクダ・ダルル・アマンFC。マレーシアカップは外国籍選手の離脱などもあり準々決勝で敗退していますが、今季3年目を終えたアイディル・シャリン・サハック監督は来季も続けて指揮を取るようだと、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。
 2019年はリーグ4位、マレーシアカップ準優勝、マレーシアFAカップ優勝、昨季2020年と今季2021年はいずれもJDTに次ぐリーグ2位という成績を収めているクダ・ダルル・アマンFCですが、クラブ運営会社のカマル・イドリス・アリCEOはアイディル監督に対して来季の契約延長を申し出ていると話しています。
 「クラブとしては既に契約を延長したい旨をアイディル監督に伝えており、現在は返事を待っている状態である。来季のMリーグはさらに激しい争いになることが予想され、クラブにとってアイディル監督は必要であると考えている。来季の戦力についてはまだ明らかにすることはできないが、およそ80%は確定している。」と話したカマルCEOは、来季に向けて外国籍選手を中盤のポジションで補強することも明らかにしており、現在の候補者はいずれもMリーグでプレー経験があると話しています。