12月29日のニュース:FAMはマロニーU22代表監督との契約を更新、AFFU23選手権の組み合わせ発表-マレーシアはインドネシアと同組に、女子代表GKはクリーンシートでインドリーグデビュー

FAMはマロニーU23代表監督との契約を更新

マレーシアサッカー協会FAMは、AFCU23アジアカップ予選を突破し、来年の本戦出場を決めたマレーシアU22代表のブラッド・マロニー監督との契約を更新したとスポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。なお今回の契約期間は2年間ということです。

スタジアムアストロの取材に対しFAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長は、オーストラリア出身のマロニー監督の業績を評価した結果、契約延長を決定したと述べています。「FAMの契約延長オファーをマロニー監督が受け入れたことで、マロニー監督はU22代表監督して指導にあたる。来年2022年は5月に東南アジア競技大会(通称シーゲームズ)がベトナムで、6月にはAFCU23アジアカップ2022年大会がウズベキスタンでそれぞれ開催されるが、シーゲームズでは金メダル獲得を、またU23アジアカップでも好成績が期待できるようなチームを作り上げてくれた。」と話しています。

AFC U23アジアカップ2022出場を決めたU22代表は予選でタイと引き分けてグループ首位で予選を突破するなど、東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020ではグループスタージで敗退したA代表とは対照的な2021年となりました。スズキカップ2020出場のA代表には、アリフ・アイマン(JDT)、クエンティン・チェン、ムカイリ・アジマル(いずれもスランゴールFC)、ルクマン・ハキム(ベルギー1部KVコルトレイク)らU22代表組も含まれていますが、AFC U23アジアカップ本戦に出場するU22代表と、同じ6月に予定されているAFCアジアカップ2023大会予選に出場するA代表との間で選手の「奪い合い」が起こる可能性もあります。

AFFU23選手権の組み合わせ発表-マレーシアはインドネシアと同組に

来年2022年2月に開催される東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権の組み合わせが発表になり、マレーシアはA代表がスズキカップで惨敗したインドネシアと同組になっています。上の記事でも取り上げたマロニー監督にとっては契約更新後の初の公式戦となります。

2月14日から26日にかけてカンボジアのプノンペンで開催されるこの大会にはAFF加盟11カ国が出場し、FAMのサイフディン事務局長とU22代表のマロニー監督が出席して行われたシンガポールでの組み合わせ中の結果、マレーシアはインドネシア、ミャンマー、ラオスと同じB組となり、開催国のカンボジア、フィリピン、東ティモール、ブルネイが入るA組、タイ、ベトナム、シンガポールのスズキカップ4強中3チームが集まったC組がそれぞれグループステージを戦い、各組の1位と2位チームのうち最も成績の良いチームが準決勝へ進みます。

スズキカップの3強が集まり文字通り「死の組」となったC組に注目が集まりそうですが、マレーシアにとってもスズキカップでインドネシアに敗れたA代表の「仇討ち」となります。ただしインドネシアA代表のシン・テヨン監督はU22代表も兼ねており、マレーシア同様、A代表の選手数名かU22代表に加わるとされており、仇討ちどころか返り討ちにならないように気をつけてもらいたいです。

女子代表GKはクリーンシートでインドリーグデビュー

インドのアマチュアクラブで挑戦中のマレーシア女子代表GKヌルル・アズリン・マズランは、加入したミサカ・ユナイテッドFCの試合に初先発し、クリーンシートデビュー飾っています。またたヌルル・アズリン選手が所属するミサカ・ユナイテッドFCは4ゴールを挙げてバンガロールブレイブズを破り、ヌルル・アズリン選手のデビューに花を添えています。

インドについてこの日で6日目であると話した21歳のヌルル・アズリン選手は、マレーシアの通信社ブルナマの取材に対して、次戦となるキックスタートFC戦でも先発したいと述べています。ヌルル・アズリン選手は来年2022年1月31日までこのミサカ・ユナイテッドFCと契約しています。

2015年と2018年に国内最優秀選手に選ばれているヌルル・アズリン選手はマレーシア国内でのプレートの違いを問われると、練習内容自体は大きく違いはないと話す一方で、時には14度まで下がる寒さには閉口していると述べています。


12月28日のニュース:FAMはスズキカップ早期敗退によるタン代表監督解任説を否定、代表FWシャフィクが古巣のクダ🔰へ期限付き移籍、FIFAによる資格停止処分を受けたプルリス州サッカー協会が活動再開

FAMはスズキカップ早期敗退によるタン代表監督解任説を否定

 マレーシアサッカー協会FAMは東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020でグループステージ敗退となったマレーシア代表のタン・チェンホー監督を解任する予定はないようです。
 前回2018年大会では準優勝したマレーシア代表ですが、現在シンガポールで開催中の2020年大会ではグループステージで2勝2敗でインドネシア、ベトナムに次ぐグループ3位となり準決勝進出を逃しており、前回大会に引き続きマレーシア代表の指揮を取ったタン監督の責任を指摘する声も出ており、FAMは大会敗退後、公式サイトで早期敗退の責任はタン監督ではなくFAMにあると表明するほどでした。それでもタン監督解任論は収まらず、このブログでも取り上げたようにKLシティFCのボジャン・ホダック監督の名前などもその後任として上がっています。
 そんな中、FAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長は英字紙ニューストレイトタイムズの取材に対してタン監督の解任についてはFAM内で議論すらされていないと述べています。
 「あらゆる対外試合の後で代表チームのパフォーマンスに対する評価を行うことは、代表チーム運営委員会の標準作業手順であり、代表監督と代表チームマネージャからの報告を参考にしながら、代表チーム運営委員会の委員長でFAMのハミディン・アミン会長のもと話し合いを行い、その結果をFAM理事会で発表する手順は従来通りである。スズキカップで起こった問題点などを洗い出し、その反省点を6月のAFC選手権アジアカップ2023年大会最終予選に生かしたい。」と述べたサイフディン事務局長は、2022年末までの契約となっているタン監督を契約途中で解任することは考えていない話しています。
 サイフディン事務局長はこの時期に新監督を採用しても来年6月に迫ったアジアカップ予選までにチームをゼロから作る十分な時間がないこと、さらに新監督が必ずしも望むような結果をもたらすとは限らないことなどを挙げて、今は監督交代について議論する時期ではないとも述べ、タン監督の元でアジアカップ予選を戦うための環境を整えることが優先であるとしています。

🔰代表FWシャフィクが古巣のクダへ期限付き移籍

 Mリーグ1部スーパーリーグで2季連続で2位となったクダ・ダルル・アマンFCは、スズキカップ2020にも出場したマレーシア代表FWのシャフィク・アフマドがJDTから1年間の期限付きで移籍することをクラブ公式Facebookで発表しています。
 ペナン州出身で26歳のシャフィク選手ですが、2013年の高校卒業後に18歳でクダFA(現クダ・ダルル・アマンFC)のU21チームに入るとそこで頭角を表し、20歳のときにトップチームデビューを果たしています。2018年にJDTへ移籍するとチームのタイトル獲得にも貢献した他、U23代表、そしてA代表でもプレーするようになり、タン・チェンホー監督の元では主力選手となり、新型コロナ禍前に行われた2019年のW杯予選ではアラブ首長国連邦戦など2試合でゴールを決めるなど活躍していました。
 5季ぶりのクダ復帰となるシャフィク選手ですが、今季は選手層が厚いJDTではほとんど出場機会がなく、試合出場時間の不足から代表戦でもかつてほどの輝きを見せておらず、出場機会を求めて今回の移籍になりました。
 クダ・ダルル・アマンFCにとっても今季のチーム得点王FWクパー・シャーマンと同2位のチェチェ・キプレが揃って同じスーパーリーグへ移籍したことでストライカーのポジションが空席なため、この移籍は文字通り両者がウィンウィンとなる移籍となりました。
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 ちなみにこの記事の見出しに使われているのはご存知の初心者マーク(若葉マーク)です。マレーシアではこのようなマークは使わないのですが、クダ・ダルル・アマンFCのチームカラーが緑色と黄色(チームの相性もマレーシア語で緑色と黄色を表すHijau Kuningです)なことから、なぜかこのアイコンがクラブ公式サイトで使われています。

FIFAによる資格停止処分を受けたプルリス州サッカー協会が活動再開

 今季2021年シーズンのMリーグは1部スーパーリーグに12チーム、2部プレミアリーグには11チームが所属していましたが、この中にはマレー半島北端にあるプルリス州を本拠地とするクラブが一つもありません。マレーシアには13の州がありますが、Mリーグ1部と2部にクラブがないのはプルリス州だけです。
 プルリス州のサッカー活動の中心となるプルリス州サッカー協会は、かつてプルリスFA(名前がややこしいですがこちらはクラブの名称です)というクラブを運営していました。プルリスFAは2005年にはスーパーリーグで優勝し、2004年と2006年にはマレーシアカップも制覇したクラブでしたが、2010年に入ると2部プレミアリーグと当時の3部リーグに当たるFAMリーグの間で昇格と降格を繰り返すクラブになっていました。
 そんな中、2018年にプルリス州FAの会長に就任したアフマド・アミザル・シャイフィット氏は、高額の給料で元代表選手ら国内の有力選手、さらにはシンガポールや日本出身の選手を文字通りかき集めてプルリスFAの強化を図りましたが、2019年シーズン開幕前には未払い給料問題が発覚し、その後は給料を支払う財源がなく、未払い給料返済の目処が全く立たなかったことから、プルリスFAを運営していたプルリス州サッカー協会はFIFAにより2年間の活動停止処分を受けました。FAMもプルリスFAをMリーグから除名し、プルリス州サッカー協会のアフマド・アミザルプルリス会長には国内のあらゆるサッカー活動に関わる資格を生涯停止する処分を言い渡しました。
 そんな「黒歴史」を持つプルリス州サッカー協会ですが、現在の会長を務めるザムリ・イブラヒム会長は、プルリス・ユナイテッドFCが来季2年ぶりに開催されるMリーグ3部に当たるM3リーグへの参加を認められたと、マレーシアの通信社ブルナマの取材に応えています。
 M3リーグ以下を運営するアマチュアフットボールリーグAFLから2022年シーズンのリーグ参加を認められたと話すアフマド会長は、マレーシアサッカー協会FAMが運営するU21リーグのプレジデントカップ、U19のユースカップへの参加も同時に認められたことも明らかにしています。
 アフマド会長はプルリス・ユナイテッドFCがM3リーグへの参加がプルリス州のサッカー復興に役立つと信じていると話し、プルリス州スポーツ評議会と協力して州内リーグを来年2021年から再開し、プレジデントカップとユースカップチームでプレーする選手を21歳以下の選手を選抜したいとも述べています。


12月27日のニュース(2):スズキカップ2020-タイがベトナムを完封し2大会ぶりに決勝進出

スズキカップ2020準決勝第2戦

2021年12月26日@シンガポール国立競技場(シンガポール)
タイ 0-0 ベトナム(通算スコア 2-0)
得点者:なし

スズキカップ2020の準決勝タイ対ベトナムの第2戦が行われ、結果は0-0のスコアレスドローとなり、第1戦に2-0と勝利していたタイが通算スコアを2-0として2大会ぶりの決勝進出を決めています。昨日の準決勝でシンガポールを破り既に決勝進出を決めているインドネシアとタイの決勝戦は奇しくも2017年大会の決勝戦と同じカードとなりました。

第1戦で0-2と敗れているベトナムはゴールを決めない限り決勝進出の可能性がないことから、試合開始と同時に攻撃モードでタイゴールに迫りますが、タイもこのリードを守るための引き気味の布陣ではなく最終ラインを高く保ってベトナムに対抗します。

しかし33分にはこの最終ラインを抜けたベトナム選手と1対1となったタイGKチャッチャイ・ブドプロムがこの選手と交錯し負傷退場となるアクシデントが起こりますが、交代出場のシワラック・テースーンヌーンもベトナムの猛攻に対して危なげないプレーでゴールを死守、チームもベトナムを完封しました。

タイが安定した強さを見せて、ここ数年間東南アジアで1強だったベトナムを破り、盟主交代が見えた試合でした。しかし決勝の相手インドネシアはシンガポールと延長戦を戦った疲労も残っているとは言え、悲願のスズキカップ初優勝、そして2017年大会決勝で敗れた雪辱を果たすために全力で向かってくるでしょう。来年元旦の決勝第2戦までまだまだ熱い試合が続きそうです。

(映像はスズキカップ2020公式YouTubeチャンネルより)

スズキカップ2020日程および結果

*既に終了している試合の詳細については、試合結果をクリックするとスズキカップ2020公式サイト(英語)へ飛ぶことができます。

<グループステージA組>

2021年12月5日(日)
東ティモール 2-0 タイ
シンガポール 3-0 ミャンマー

2021年12月8日(水)
ミャンマー 2-0 東ティモール
フィリピン 1-2 シンガポール

2021年12月11日(土)
東ティモール 0-7 フィリピン
タイ 4-0 ミャンマー

2021年12月14日(火)
フィリピン 1-2 タイ
シンガポール 2-0 東ティモール

2021年12月18日(土)
タイ 2-0 シンガポール
ミャンマー 2-3 フィリピン

<グループステージB組>

2021年12月6日((月))
カンボジア 1-3 マレーシア
ラオス 0-2 ベトナム

2021年12月8日(水)
マレーシア 4-0 ラオス
インドネシア 4-2 カンボジア

2021年12月12日(日)
ラオス 1-5 インドネシア
ベトナム 3-0- マレーシア

2021年12月15日(水)
カンボジア 3-0 ラオス
インドネシア 0-0 ベトナム

2021年12月19日(日)
ベトナム 4-0 カンボジア
マレーシア 1-4 インドネシア

グループステージA組順位

順位チーム得失差勝点
1タイ4400912
2シンガポール430149
3フィリピン420266
4ミャンマー4103-63
5東ティモール4004-130

グループステージB組最終順位
*インドネシアとベトナムは勝点と得失点差で並んだものの、インドネシアの総得点13に対してベトナムは9のため、インドネシアがB組の1位に決定

順位チーム得失差勝点
*1インドネシア4310910
2ベトナム4310910
3マレーシア420206
4カンボジア4103-53
5ラオス4004-130

<準決勝第1回戦>

2021年12月22日(水)
シンガポール 1-1 インドネシア

2021年12月23日(木)
タイ 2-0 ベトナム

<準決勝第2回戦>

2021年12月25日(土)
インドネシア4 2- シンガポール

2021年12月26日(日)
ベトナム 0-0 タイ

<決勝第1回戦>

2021年12月29日(木)
インドネシア – タイ(20時30分@シンガポール国立競技場)

<決勝第2回戦>

2022年1月1日(土)
タイ – インドネシア(20時30分@シンガポール国立競技場)

12月27日のニュース:マレーシアの最新FIFAランキングは154位と変わらず、女子代表GKがインドのアマチュアリーグで「武者修行」、国外からの代表監督招聘に元代表監督がクギ、サラワク・ユナイテッドFCは未払い給料を完済

 スズキカップ2020はタイがベトナムを2試合連続完封して決勝進出を決め、12月29日と来年2022年元旦の決勝(2試合制)でインドネシアと対戦します。地力に勝るタイと勢いのインドネシアの対戦は今年の東南アジアサッカーのフィナレーとして面白い試合になりそうで今から楽しみです。

マレーシアの最新FIFAランキングは154位と変わらず

 最新のFIFAランキングが発表されマレーシア代表は男子が154位、女子が88位となっています。男子は前回発表となった11月から変わっていませんが、女子は前回8月の発表の92位から順位を4位上げています。
 昨年2020年最後のランキング発表では男子が153位、女子が83位だったことから、2021年通年では男子は1位、女子は5位とそれぞれランキングを下げたことになります。
 なお次回のFIFAランキングは来年2022年2月10日に発表される予定ですが、男子はグループステージで敗退したスズキカップ2020で166位のインドネシアに敗れており、次回発表ではランキングが下がる可能性があります。。

女子代表GKがインドのアマチュアリーグで「武者修行」

 今年9月にパレスチナで行われたAFC女子アジアカップにも出場したマレーシア女子代表のGKヌルル・アズリン・マズランがインドのアマチュアリーグに参戦するとマレーシア語紙ウトゥサンマレーシアが報じています。
 21歳のヌルル・アズリン選手は12月22日にマレーシアを出発し、インド南部のバンガロールを拠点とするアマチュアクラブのミサカ・ユナイテッドFCに合流し、既に練習に参加しているということで、気温18度とマレーシアでは経験できないような寒さの中で練習をこなしているようです。
 ヌルル・アズリン選手が出場するアマチュアリーグのカルナタカ女子リーグは来年2月までおよそ2ヶ月間続くということですが、その際の宿泊費や食費さらには移動の費用もクラブが負担するということも報じられています。
 AFC女子アジアカップ予選ではパレスチナに2-0で勝利したマレーシアですが、同じH組のタイには0-4で敗れて来年2022年にインドで開催される本戦出場を逃しています。

国外からの代表監督招聘に元代表監督がクギ

 スズキカップ2020ではグループステージで敗退したマレーシア代表ですが、前回2018年大会準優勝からのグループステージ敗退となったことで2022年まで契約が残るタン・チェンホー監督の更迭論なども浮上し、さらにその後任候補としてマレーシアU16代表元監督で、今年のマレーシアカップでKLシティFCを32年ぶりに優勝させたボジャン・ホダック監督の名前も上がっています。また、ホダック監督自身も自身は十分、代表監督の候補になるうるとして、成績に話があれば検討すると発言するなど賑やかになっています。
 そんな中、2007年から2009年まで代表監督を務めたB・サティアナタン氏は、来年6月に予定されているAFC選手権アジアカップ2023年大会最終予選を控えた現時点の監督交代は大きな「賭け」であり、決定に際してマレーシアサッカー協会FAMは様々な角度から検討するべきであるとマレーシアの通信社ブルナマの取材に答えています。
 現在は今季Mリーグ2部で2位となり来季は1部に昇格するサラワク・ユナイテッドFCのテクニカルディレクターを務めるサティアナタン氏は、特に外国籍の監督を採用する場合の給与を例に挙げています。
 「ベトナム代表のパク・ハンソ監督は手取りで月給5万5000米ドル(およそ630万円)と聞いているが、それはパク監督の月給であり、他のコーチの月給はこれとは別である。もしFAMが同様に有能な外国籍の代表監督を採用するのであれば、FAMだけでこの給料を支払うことは容易ではなく、スポンサーを探す必要があるだろう。しかし果たしてそんなスポンサーは見つかるだろうか。」と述べたサティアナタン氏は、今回のスズキカップ2020の準決勝に進出した4チームの内、ベトナムはパク監督、インドネシアはシン・テヨン監督、そしてシンガポールは吉田達磨監督と韓国と日本から指導者を招いていることを指摘し、アジア出身の監督も含めて外国籍監督の招聘そのものには反対ではないとしながらも、ベトナムの躍進はパク監督が2017年から長期にわたって指導を続けた結果だとして、外国籍監督を採用する場合でもこのベトナム同様に長期的なプランを検討するべきであるとも述べています。
 「外国籍監督を採用する場合でも、FAMは短期の成功を期待するのではなく、選手やコーチの選択、さらにチームのプレースタイルなども全て監督に一任した上で、一定の期間は任せる覚悟が必要である。」とも述べて、そのためにもキュ葉面などを含めた条件を慎重に検討することが大事だとしています。

サラワク・ユナイテッドFCは未払い給料を完済

今季Mリーグ2部プレミアリーグで2位となり、来季は1部スーパーリーグへ昇格するサラワク・ユナイテッドFCはおよそ200万リンギ(およそ5450万円)に及ぶ未払い給料を完済したと、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。
 サラワク・ユナイテッドFCの共同オーナーでサラワク州サッカー協会のポサ・マジャイス会長は過去3ヶ月分の未払い給料は既に完済されたことを明らかにしています。
 未払い給料が完済されたことで、サラワク・ユナイテッドFCは1部昇格に備えてチーム編成に取り掛かりたいと話すポサ会長は、未払い給料は様々な要因による単なる遅配であり、支払うつもりがないということではなかったとこれまでの主張を繰り返し、さらには今回の未払い給料については、一部の選手が問題を大ごとにして、チームの評判を落とそうとしていたと責任転嫁とも言える発言もこれまで通り繰り返しています。
 また来季に向けては5名の主力選手との契約を解除し、このチームで来季もプレーしたいという選手だけが残ったと述べたポサ会長は、給料未払い問題が解決したことで、直ちに来期へ向けてのチーム編成に取り掛かりたいと話しています。
*****
 給料未払い問題が発覚したことで、来季2022年のクラブライセンスが条件付きで発給されていたサラワク・ユナイテッドFCは、この問題が長期化すれば、1部昇格取り消しの可能性も取り沙汰されていましたが、期限とされていた12月31日までに全ての選手への未払い給料支払いが終わったようです。ただし、Mリーグの選手とクラブの契約は11月末までが一般的とされており、契約期間を終えて未払い給料があった事態に対してFAMあるいはMリーグを運営するMFLが何の処分も科さないとすれば、未払い給料問題を容認したことにもなり、今後も結果的に払えば「未払い」ではなく「遅配」という説明がまかり通ることになりますが、毎度毎度の通り今回もマレーシア的決着で誰も処分されず、うやむやになるのだろうなぁ。



12月26日のニュース:スズキカップ2020-インドネシアがシンガポールとの死闘を制して2大会ぶりの決勝進出

 インドネシアとシンガポールの対戦は両チームのプライドが真正面からぶつかり合う「死闘」と表現したくなるほど白熱した試合は、微妙な判定は複数あったものの、個人的には今大会ここまでのベストマッチでした。両チームが見せた勝利への執念は、グループステージ敗退のマレーシアには見られなかったものでした。いずれもマレー系選手が代表チームの主力となっているインドネシア、シンガポール、マレーシアですが、なんでこんなに差がついちゃったんだろう。

スズキカップ2020準決勝第2戦
2021年12月25日@シンガポール国立競技場(シンガポール)
インドネシア 4-2 シンガポール(フルタイム2-2、2試合通算スコア 4-3)
得点者:インドネシア-エズラ・ワリアン(11分)、プラタマ・アルハン(87分)、シャワル・アヌワル(91分OG)、エギ・マウラナ(107分)、シンガポール-ソン・イニョン(49分)、シャーダン・スライマン(74分)

 スズキカップ2020の準決勝インドネシア対シンガポールの第2戦が行われ、インドネシアが延長の末4-2でシンガポールに勝利し、通算スコアを5-3としたインドネシアが2大会ぶりの決勝進出を決めています。
 12月22日の準決勝第1戦を1-1としていた両チームは、試合開始から果敢にゴールを狙い、11分にはインドネシアのウィタン・スラエマンがゴール前に持ち込み、シンガポールのGKハサン・サニをかわしてゴール前に出したクロスに合わせたエズラ・ワリアンがシュートを決めインドネシアが先制します。
 このままハーフタイムかと思われた前半終了直前、MリーグのスランゴールFCでプレーするサフアン・バハルディンがゴール前でインドネシア選手と小競り合いとなり、カシム・マタル・アル=ハトミ主審(オマーン)はサフアン選手にこの試合2枚のイエローカードを出し、サフアン選手は退場、シンガポールは10名となってしまいますが、残りわずかとなった前半のロスタイムには右サイドからのシャーダン・スライマンが蹴ったフリーキックのこぼれ球を今年8月にシンガポールに帰化した韓国出身のソン・イニョンが押し込んで1人少ないシンガポールが前半で同点追いつき、試合は1-1で後半に入ります。
 10名のシンガポールはスーパーセーブを連発するハサン・サニと最終ラインをコントロールする元JDTのハリス・ハルンを中心にインドネシアの攻撃を防ぐだけでなく、インドネシアゴールにも迫りますが、そんな中、67分にはペナルティエリアの外でインドネシアのイルファン・ジャヤを倒したイルファン・ファンディが痛恨の1発レッドで退場となり、シンガポールは9名となってしまいます。
 シンガポールの吉田達磨監督は同点ゴールを決めているソン・イニョンに代えてディフェンダーのアミルル・アイディルを投入するなど守備的な布陣を敷く中、インドネシアのペナルティエリアのすぐ外でファリス・ラムリが倒されて得たフリーキックをシャーダン・スライマンがゴールポスト隅に決めて9名のシンガポールが74分にリードを奪います。
 しかし87分にハサン・サニがウィタン・スラエマンのシュートを弾いたところにプラタマ・アルハンが詰めて2-2の同点に追いつきます。このまま延長かと思われた後半ロスタイムにインドネシアのペナルティエリア内でシャワル・アヌアルが倒されてシンガポールはPKを得ます。これを決めれば決勝進出となるところでしたがファリス・ラムリのPKをインドネシアGKナデオ・アルガウィナタが止めてインドネシアは九死に一生を得ます。そして2-2のまま試合は延長戦に入り、延長戦開始直後にはインドネシアのエギ・マウラナのシュートをシンガポールGKハサン・サニが弾いたものの、それをシャワル・アヌアルが自分の足に当ててオウンゴールとしてしまい、数的有利ながら苦しんでいたインドネシアがついに3-2とリードします。
 さらに延長前半の終了間際にもエギ・マウラナがコーナーキックからのこぼれ球を押し込んで4-2と点差を広げる中。延長後半119分にはペナルティエリアを飛び出したGKハサン・サニがイルファン・ジャヤに危険なタックルで1発レッドで最後は8名となったシンガポールはここで力尽き、インドネシアが準優勝に終わった2016年大会以来の決勝進出を決め、悲願のスズキカップ初優勝に一歩近づきました。

(映像はスズキカップ2020公式YouTubeチャンネルより)

スズキカップ2020日程および結果

*既に終了している試合の詳細については、試合結果をクリックするとスズキカップ2020公式サイト(英語)へ飛ぶことができます。

<グループステージA組>

2021年12月5日(日)
東ティモール 2-0 タイ
シンガポール 3-0 ミャンマー

2021年12月8日(水)
ミャンマー 2-0 東ティモール
フィリピン 1-2 シンガポール

2021年12月11日(土)
東ティモール 0-7 フィリピン
タイ 4-0 ミャンマー

2021年12月14日(火)
フィリピン 1-2 タイ
シンガポール 2-0 東ティモール

2021年12月18日(土)
タイ 2-0 シンガポール
ミャンマー 2-3 フィリピン

<グループステージB組>

2021年12月6日((月))
カンボジア 1-3 マレーシア
ラオス 0-2 ベトナム

2021年12月8日(水)
マレーシア 4-0 ラオス
インドネシア 4-2 カンボジア

2021年12月12日(日)
ラオス 1-5 インドネシア
ベトナム 3-0- マレーシア

2021年12月15日(水)
カンボジア 3-0 ラオス
インドネシア 0-0 ベトナム

2021年12月19日(日)
ベトナム 4-0 カンボジア
マレーシア 1-4 インドネシア

グループステージA組順位

順位チーム得失差勝点
1タイ4400912
2シンガポール430149
3フィリピン420266
4ミャンマー4103-63
5東ティモール4004-130

グループステージB組最終順位
*インドネシアとベトナムは勝点と得失点差で並んだものの、インドネシアの総得点13に対してベトナムは9のため、インドネシアがB組の1位に決定

順位チーム得失差勝点
*1インドネシア4310910
2ベトナム4310910
3マレーシア420206
4カンボジア4103-53
5ラオス4004-130

<準決勝第1回戦>

2021年12月22日(水)
シンガポール 1-1 インドネシア

2021年12月23日(木)
タイ 2-0 ベトナム

<準決勝第2回戦>

2021年12月25日(土)
インドネシア4 2- シンガポール

2021年12月26日(日)
ベトナム – タイ(20時30分@シンガポール国立競技場)

<決勝第1回戦>

2021年12月29日(木)
インドネシア – ベトナム/タイ(20時30分@シンガポール国立競技場)

<決勝第2回戦>

2022年1月1日(土)
ベトナム/タイ – インドネシア(20時30分@シンガポール国立競技場)

12月25日のニュース:スズキカップ早期敗退の原因と指摘された国内日程にMFLが反論、タン代表監督はアジアカップ予選に向けて十分な準備期間を求める、部外者は実情を何も知らない-ファイサル・ハリム、代表チームマネージャーが帰化プログラムの有効性を疑問視する発言

 スズキカップ2020はいよいよノックアウトステージとなり、12月22日と23日には準決勝第1戦が行われました。シンガポール対インドネシア、タイ対ベトナムのいずれの試合も好ゲームでした。ベトナムの対東南アジア代表チーム連勝記録をストップさせたタイは、W杯予選時とは全く別のチームになっていますし、悲願のスズキカップ初優勝を狙うインドネシア、さらには開催国の利点を生かしたシンガポールと、ベトナム1強かと思われた大会はまだまだ予断を許さない試合が続きそうです。

スズキカップ早期敗退の原因と指摘された国内日程にMFLが反論

 スズキカップ2020は準決勝が行われていますが、代表チームがグループステージで敗退したことから、マレーシア国内ではメディア報道も含めて大会そのものへの関心は低下しています。しかしその一方で今回の「戦犯探し」は続いており、その非難の矛先は国内リーグやカップ戦を主催するマレーシアンフットボールリーグMFLにも向けられています。
 国内カップ戦マレーシアカップの決勝が11月30日に開催され、スズキカップ2020に出場する代表メンバー(国内組のみ)の全員が顔を合わせたのがシンガポール出発前日の12月2日でした。そこから12月6日のスズキカップの初戦までの期間が短すぎて、代表チームには十分な準備期間がなかったのは日程を作成するMFLの責任だ、と言うのが非難の内容です。
 これに対してMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、今季の日程は新型コロナの影響を受けた国内リーグ戦とカップ戦を無事終えるためであった一方で、代表の試合日程にも配慮して作成されたとして、グループステージ敗退の原因がMFLの日程によると言う主張を真っ向から否定していると、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 「スズキカップ前の準備期間が短くなってしまったのは、Mリーグやマレーシアカップの日程が原因ではなく6月のW杯予選と10月の中東遠征、そしていずれも帰国時に義務付けられていた検疫隔離期間が原因である。これによりMリーグとマレーシアカップは合わせて1ヶ月半以上の中断を強いられが、MFLはFAMと協調してこの中断を受け入れた。昨年から今年にかけては新型コロナの影響で国内リーグの日程にも大きな影響が出ていることも理解して欲しい。」と話したスチュアートCEOは、日程については議論の余地があることは理解しているが、マレーシアのサッカー界は現実を理解する必要があるとも述べています。
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 W杯予選は別として、10月の中東遠征に関しては後知恵ではありますが、その実施をもう少し慎重に考えても良かったのかもしれません。遠征と帰国後の検疫隔離期間によってマレーシアカップは1ヶ月ほど中断しましたが、もしこの遠征を行わず、マレーシアカップが1ヶ月早く終了していれば、その期間を代表合宿に活用できたはずですし、さらにミャンマーやインドネシア、シンガポールのように大会前に国外で代表合宿と練習試合を行い、そこから直接、シンガポール入りする方法もありました。
 一方で昨季はMリーグは試合数が半減し、マレーシアカップは途中で中止となったこともあり、入場料収入が貴重な財源となっている各クラブの収入は激減しており、MFLはプロリーグとしての存続をかけてリーグ戦とカップ戦開催に尽力したと思いまし、W杯予選に加え、中東遠征によるリーグ戦やカップ戦の中断を受け入れのはマレーシアサッカー協会FAMに対する最大の譲歩だったはず。まえーシア政府が今後も渡航者全員を対象とする検疫隔離を続けるのであれば、同様のことも起こりうるわけで、そのためにもFAMとMFLの間での日程調整作業が必要になります。

タン代表監督はアジアカップ予選に向けて十分な準備期間を求める

 スズキカップ2020ではグループステージ敗退に終わったマレーシア代表ですが、現場の声も少しずつですが報じられ始めています。そんな中、タン・チェンホー監督は、その原因を準備期間不足と分析しているとスタジアムアストロが報じています。
 今大会の総括としてタン代表監督からはマレーシアサッカー協会FAMに詳細な報告書が提出されることになっていますが、その中では来年6月に予定されているAFC選手権アジアカップ2023年大会最終予選に向けて選手を早めに招集し、練習試合の日程も速やかに確定させるべきだという提言が含まれるようです。
 「国際マッチデー期間には代表チームにの日程を優先させることはFAMとMリーグを運営するMFLとの間の同意事項であり、これに基づき、練習試合の日程作成と代表合宿の早めの開催が必要になる。(アジアカップ最終予選までの)6ヶ月はあっという間に過ぎてしまうので、最終予選突破のためのベストチームを直ちに編成する必要がある。」とタン代表監督は述べています。
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 上の記事でも書きましたが、FIFAマッチデー期間とは言えマレーシアカップを中断してまで代表チームが10月の中東遠征を行った理由の一つに、9月の国際マッチデー期間(8月30日から9月7日)に国内リーグの日程を優先してリーグ戦を開催し、代表合宿を行わなかったことがあります。しかも10月の中東遠征も「見えない手」の影響があったのかなかったかJDTの選手を中心にタン監督が臨んだ選手全員を招集できたわけではなく、結果として、この10月の中東合宿がスズキカップ2020の準備となったのかどうかを問われれば、その効果は限定的だったように思えます。

部外者は実情を何も知らない-ファイサル・ハリム

 タン代表監督に続いてスズキカップ2020に関して発言したのがFWファイサル・ハリム(トレンガヌFC)です。代表チームが12月3日に大会開催地のシンガポールへ入国した際に行われた新型コロナ検査でファイサル選手は陽性反応を示して10日間の隔離を義務付けられ、グループステージのラオス戦、カンボジア戦、ベトナム戦には出場できず、出場可能となったのはグループステージ最終戦インドネシア戦のみでした。
 スタジアムアストロの取材に対して失望感を隠さずに応じたファイサル選手は、大会前の準備の失敗が敗因だったと認めた一方で、代表チームに起こっていた状況を知らずに批判を受けるのは公平ではないと述べています。
 「初戦までの6日間しか準備期間がなかったチームが成功するはずはなく、我々選手は魔法使いでもない。マレーシアカップ敗退後の休暇を返上して代表のために全力を尽くすことを誓った自分としては、今回の敗戦は残念なだけでなく受け入れることが難しい。」とファイサル選手が述べるように、24名と発表されたスズキカップ2020出場の代表は国内組全員21名が揃ったのが12月1日、しかも海外組2名は12月3日に現地合流する中、初戦となった12月6日のラオス戦に臨みました。しかしもう1人の海外組でデンマーク1部FCミッティランでプレーするディオン・クールズに至ってはインドネシア戦直前の12月16日にシンガポール入りと、全24名が揃ったのがすでに3試合を終えた12月16日ではファイサル選手の指摘を受けるまでもなく準備不足は明らかでした。
 またわざわざデンマークから参戦し、インドネシア戦のみ出場となったクールズ選手は自身のインスタグラムに投稿し、今回の結果については早く忘れ、次の機会にはより強くなってチームで臨みたいと述べています。

代表チームマネージャーが帰化プログラムの有効性を疑問視する発言

 スズキカップ2020に出場したマレーシア代表のチームマネージャー(TM)が帰化選手プログラムの有効性を疑問視する発言をしたことをスタジアムアストロが報じています。
 Mリーグで5年以上プレーし、FIFAが規定する「同一国で5年以上継続して滞在していること」を条件とする帰化選手の資格を得たブラジル出身のギリェルメ・デ・パウラとコソボ出身のリリドン・クラスニキの両選手に対し、マレーシアサッカー協会FAMは代表チーム強化を目的とする帰化選手プログラムの一環として両選手のマレーシア国籍取得を支援しました。
 その結果、デ・パウラ、クラスニキの両選手は今年6月に行われたFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選に出場しましたが、いずれも活躍というには程遠く、代表チームも2次予選で敗退しました。
 今回のスズキカップ2020には35歳のデ・パウラ選手だけが招集されましたが、グループステージ4試合中で先発したのは1試合だけと今大会でも絶対的な戦力とはならず、準決勝進出を目標としていた代表チームはまさかのグループステージ敗退となったことから、代表チームサポーターを中心に帰化選手不要論なども出ていました。
 スタジアムアストロの取材にたいしてユソフ・マハディ代表TMは、帰化選手が代表チームで効果的な役割を果たしていなかったとして、代表でプレーすることに誇りを持つマレーシア人選手を代わりに招集するべきという意見に同意しています。
 「(6月のW杯予選とは異なり)スズキカップは東南アジア内の大会であり、帰化選手のデ・パウラ選手は今度は活躍できるだろうと期待していたが、大会で見せた彼の能力には全く裏切られた。」と述べたユソフTMは、今大会を見ても帰化選手プログラムの有効性をこれ以上擁護するのは難しくなっているとも話す一方で、タン・チェンホー代表監督が今後も帰化選手を代表チームに招集する場合には、FAMの代表チーム運営委員会でその必要性を議論するとも話しています。

12月21日のニュース:FAMはスズキカップ早期敗退の責任を認める、トレンガヌFCのナフジ監督は続投が決定

 マレーシアは先週末の記録的な大雨によりクアラルンプールやスランゴール州の首都圏やその周辺地域では2万人とも3万人とも言われる被災者を出しています。1ヶ月分に当たる降水量がわずか3日で降る豪雨による被害の影響は大きく、サッカーどころではないですが、被災者の皆さんが速やかに自宅へ戻れることを祈りつつ今日のニュースです。

FAMはスズキカップ早期敗退の責任を認める

 東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020でマレーシア代表がグループステージ敗退となったことを受け、マレーシアサッカー協会FAMはこの敗退の全責任を負うと公式サイトで発表しています。
 当初の目標であった準決勝進出を逃したマレーシア代表について、FAMのハミディン・アミン会長は現場からの報告を受け取り次第、FAM内の代表チーム運営委員会でスズキカップでのチームのパフォーマンス内容や敗因についての詳細な分析を行うとしています。
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 今年6月のワールドカップ予選敗退の際にはこのような発表はなかったので、今回の敗戦のショックはファンだけでなく、協会にとっても大きかったようです。敗因分析の結果が公表されるかどうかは分かりませんが、選手選考の段階から問題があったとされる今回の代表チームですので、運営面や選手選考などについて見直しが行われるでしょうが、選手のパフォーマンス自体も今回のスズキカップ2020で準決勝に進出した4チームには遠く及ばず、運営と現場の双方が改善されなければ、東南アジア上4強との差は縮まりそうにありません。
 なお多くのメディアでは既にスズキカップ2020のグループステージ敗退の原因解明が始まっています。このブログでも何度か取り上げた、30名登録可能にも関わらず24名しか登録しなかった「24名登録問題」に加え、国内カップ戦の決勝が11月30日に開催されたわずか3日後の12月3日に代表がシンガポール入りとなった「準備期間の不足」、マレーシアサッカー協会FAM主導で行われた帰化選手プログラムの3選手中、今回の代表招集は1名でしかも大会ではスタメンは1回だけの「帰化選手プログラムの失敗」などがその主な原因に上がる一方で、タン代表監督の選手招集を妨げる外部圧力の「見えない手」(これについてはまた機会を作って取り上げる予定です)まで取り沙汰されています。
 マレーシアのタン監督以外は全員が外国籍監督だった今回のスズキカップ2020で、グループステージでは同じB組から準決勝へ進んだベトナム、インドネシアが韓国人監督であることや、やはり準決勝へ進んだ開催国シンガポールが吉田達磨監督であることから、アジア人監督待望論なども出ているようで、来年6月に予定されているAFC選手権アジアカップ2023年大会最終予選はタン監督以外が監督をしている可能性もありそうです。

トレンガヌFCのナフジ監督は続投が決定

 今季のMリーグ1部スーパーリーグで4位に終わったトレンガヌFCは、今季指揮を取ったナフジ・ザイン監督が来季も続投することを発表しています。
 トレンガヌFCを運営するTFC社はトレンガヌ州首相でもあるアフマド・サムスリ・モクタル トレンガヌ州サッカー協会会長を議長として12月6日に理事会を開催し、続投を求めるオファーをナフジ監督に出していましたが、マレーシア語紙ハリアンメトロはこのオファーをナフジ監督が受けたことを報じています。
 スーパーリーグでは4位、そしてリーグ戦後のマレーシアカップでは準決勝でJDTに敗れてベスト4止まりだった今季のトレンガヌFCは、TFC社が今季開幕前に設定した重要業績評価指数KPIをナフジ監督が達成できなかったこともあり、シーズン終了後、直ちに続投オファーが出されませんでした。またTFC社から続投オファーが出た後もナフジ監督が受諾した報道がなかなか出なかったことから、来季は他のクラブでの監督就任も噂されるなど、その去就に注目が集まっていましたが、TFC社のサブリ・アバスCEOはナフジ監督から監督受諾の連絡を受け取ったことを明らかにしています。
 

12月20日のニュース:スズキカップ2020-マレーシアはインドネシアに完敗でグループステージ敗退

2021年12月19日@シンガポール国立競技場(シンガポール)
マレーシア 1-4 インドネシア
得点者:マレーシア-コギレスラワン・ラジ(13分)、インドネシア-イルファン・ジャヤ2(36分、43分)、プラタマ・アルハン(50分)、エルカン・バゴット(82分)

スズキカップ2020のグループステージB組の最終節が行われ、インドネシアが先制点を許すものの4-1の逆転勝利でマレーシアを破り、準優勝した2016年大会以来の準決勝進出を決めています。最終節のもう1試合はベトナムがカンボジアを4-0で破っています。この結果、B組は1位インドネシア、2位ベトナムとなり、12月22日(水)から始まる準決勝はタイ対ベトナム、インドネシア対シンガポールのカードに決まりました。前回2018年大会準優勝のマレーシアは今大会はグループステージ敗退となりました。
 準決勝に進出するためにはこの試合での勝利が必要なマレーシア代表のタン・チェンホー監督は、フォワード5人、ミッドフィルダー1人(1-4-1-4)の布陣を選択。開始直後にはインドネシアに攻め込まれるも、13分にインドネシアDFのクリアミスを奪ったFWコギレスラワン・ラジがペナルティエリアの外からゴールを決め、マレーシアに欲しかった先制点が入ります。
 この試合は引き分けでも準決勝進出が決まるインドネシアは、先に失点したことで攻撃陣のギアが入り36分にはDFラインの裏に抜け出したウィタン・スライマンのマイナスのクロスをイルファン・ジャヤが蹴り込んで同点とし、さらに前半終了間際の43分にはプラタマ・アルハンがゴール前に持ち込んで放ったシュートのこぼれ球をイルファン・ジャヤが押し込んで逆転します。
 後半に入るとタン監督は負傷のFWサファウィ・ラシドに代えて、DFドミニク・タンを投入し、前半はセントラルディフェンダーとしてプレーしたディオン・クールズのポジションを上げて攻撃的ミッドフィールダーとして起用して攻撃を続けますが、逆に50分にはコーナーキックからのクリアを奪ったプラタマ・アルハンがペナルティエリアの外からシュートを決めて3点目、さらに82分にはコーナーキックからエルカン・バゴットがGKカイルル・ファミに競り勝つヘディングシュートを決めて駄目押しの4点目が入りました。
 先制点を奪ったところまではシナリオ通りだったマレーシアですが、ベトナム戦と同様にパスを出すタイミングがワンテンポ遅いところにインドネシア選手が詰め、そこでボールを奪われたり、苦し紛れのパスを出すしかなくなるなど、追加点を取るための中盤を組み立てることができませんでした。
 インドネシアの1点目、2点目はいずれも左SBに入ったシャーミ・サファリのマークが不十分でしたが、所属するスランゴールFCでは今季は右SBで出場しており本職ではありません。また3点目はプラタマ・アラハンの狙い澄ましたゴールも見事でしたが、GKカイルル・ファミのポジショニングが前すぎたようにも見えました。さらにCBが本職のドミニク・タンではなく所属クラブでは右SBでプレーするディオン・コールズをCBとして起用するなど、この試合だけでなく大会を通じてタン監督の選手起用法にも疑問が残りました。
 またこの試合ではケガで途中退場したドミニク・タン(サバFC)、第3節のベトナム戦でいずれもハムストリングを痛めたシャールル・サアド、アイディル・ザフアン(ともにJDT)のCB3選手は所属チームではいずれも出場試合が非常に少なく、もしそれが影響しているとすれば、開幕前に指摘されていた大会規定により30名登録可能にもかかわらず、24名しかシンガポールへ連れて行かなかった選択を含め、タン監督とマレーシアサッカー協会FAMの選手選考にも検証が必要でしょう。
 JDTの選手を中心にすぐに倒れてファールをもらおうとする国内リーグでの癖が抜けなかった選手たちに対して、マレーシアのテレビの解説者からは「気力が感じられない」と酷評されるなどいいところが何一つなかった敗戦ですが、来年6月に予定されているAFC選手権アジアカップ2023年大会最終予選に向けては、同じく予選に出場するインドネシアとも明らかに差が開いたことも明らかになった敗戦でもありました。また今大会参加国中、代表監督が外国籍ではなかった唯一の国がマレーシアでしたが、今回のグループステージ敗退によって今後は外国籍監督待望論が出てくる可能性もあります。

(試合のハイライト映像はスズキカップ2020nの公式YouTubeチャンネルより)

スズキカップ2020- ベトナムはカンボジアを完封も得失差でグループ2位で準決勝進出

2021年12月19日@ビシャンスタジアム(シンガポール)
ベトナム 4-0 カンボジア
得点者:グエン・ティエン・リン2(3分、27分)、ブイ・ティエン・ドゥン(55分)、グエン・クアン・ハイ(57分)

グループステージB組最終順位
*インドネシアとベトナムは勝点と得失点差で並んだものの、インドネシアの総得点13に対してベトナムは9のため、インドネシアがB組の1位に決定

順位チーム得失差勝点
*1インドネシア4310910
2ベトナム4310910
3マレーシア420206
4カンボジア4103-53
5ラオス4004-130

グループステージA組最終順位

順位チーム得失差勝点
1タイ4400912
2シンガポール430149
3フィリピン420266
4ミャンマー4103-63
5東ティモール4004-130

スズキカップ2020日程および結果

*既に終了している試合の詳細については、試合結果をクリックするとスズキカップ2020公式サイト(英語)へ飛ぶことができます。

<グループステージA組>

2021年12月5日(日)
東ティモール 2-0 タイ
シンガポール 3-0 ミャンマー

2021年12月8日(水)
ミャンマー 2-0 東ティモール
フィリピン 1-2 シンガポール

2021年12月11日(土)
東ティモール 0-7 フィリピン
タイ 4-0 ミャンマー

2021年12月14日(火)
フィリピン 1-2 タイ
シンガポール 2-0 東ティモール

2021年12月18日(土)
タイ 2-0 シンガポール
ミャンマー 2-3 フィリピン

<グループステージB組>

2021年12月6日(月
カンボジア 1-3 マレーシア
ラオス 0-2 ベトナム

2021年12月8日(水)
マレーシア 4-0 ラオス
インドネシア 4-2 カンボジア

2021年12月12日(日)
ラオス 1-5 インドネシア
ベトナム 3-0- マレーシア

2021年12月15日(水)
カンボジア 3-0 ラオス
インドネシア 0-0 ベトナム

2021年12月19日(日)
ベトナム 4-0 カンボジア
マレーシア 1-4 インドネシア

<準決勝第1回戦>

2021年12月22日(水)
A組2位 – B組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月23日(木)
A組1位 – B組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)

<準決勝第2回戦>

2021年12月25日(土)
B組1位 – A組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月26日(日)
B組2位 – A組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)

<決勝第1回戦>

2021年12月22日(水)
A組2位 – B組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月23日(木)
A組1位 – B組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)

<決勝第2回戦>

2021年12月29日(木)
準決勝勝者1 – 準決勝勝者2(20時30分@シンガポール国立競技場)

2022年1月1日(土)
準決勝勝者2 – 準決勝勝者1(20時30分@シンガポール国立競技場)

12月19日のニュース:スズキカップ2020-今日のインドネシア戦を前に隔離終了のアキヤ・ラシドらが出場可能に、来季ペナンでプレーのエンドリックをJDTが23年シーズンに獲得表明

スズキカップ2020-今日のインドネシア戦を前に隔離終了のアキヤ・ラシドらが出場可能に

 昨日のグループステージA組最終節ではタイが追い縋るシンガポールを振り切って2-0で勝利し、1位タイ、2位シンガポールの両チームが準決勝進出を決めています。本日行われるB組の最終節では、現在、グループ3位のマレーシアは首位インドネシアと、2位のベトナムは4位のカンボジアと対戦します。ベトナムの勝利はほぼ確実なので、マレーシアが準決勝に出場するためにはインドネシア戦の勝利あるのみで、この試合に勝利することができればB組の2位として準決勝ではA組1位のタイと対戦します。
 そのマレーシア代表ですが、所属クラブの試合日程の都合から木曜日にシンガポール入りしチームに合流したディオン・クールず(デンマーク1部FCミッティラン)に加え、新型コロナ検査で陽性となっていたアキヤ・ラシド(JDT)が10日間の隔離を終えてチームに復帰した他、初戦のカンボジア戦で腹筋を痛めていたジュニオール・エルドストル(タイ1部チョンブリーFC)も練習に参加していると、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。
 とは言えアイディル・ザフアン、シャールル・サアド(いずれもJDT)の両センターバックはともにハムストリングを痛めてインドネシア戦は出場が絶望視されており、ディフェンダー陣にはやや不安があるマレーシアに対し、この試合は引き分けでも準決勝進出となるインドネシアは先日のベトナム戦と同様に全員が身体を張る守備的な布陣が予想されます。
 インドネシア戦に先立って行われたオンラインの記者会見では、その守備をこじ開けない限り勝利がないマレーシアのタン・チェンホー代表監督は初戦のラオス戦でMOMに選ばれたアキヤ・ラシドがチームに戻ってくることで、ベトナム戦無得点に終わったフォワード陣について、ベトナム戦でセンターフォワードとして起用されたルクマン・ハキム(ベルギー1部KVコルトレイク)に代わり、帰化選手のギリェルメ・デ・パウラ(JDT)がカンボジア戦以来の先発に復帰する可能性やここまでは先発出場のないシャーレル・フィクリ(スランゴールFC)の起用などもほのめかしていたということです。
 なおインドネシアとマレーシアの対戦成績は直近の8試合では4勝4敗ですが、同組となったFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選ではホームとアウェイで2連勝しています。

来季ペナンでプレーのエンドリックをJDTが23年シーズンに獲得表明

 今季のマレーシアカップでは大方の下馬評に反しKLシティFCに敗れて連覇を逃したJDTは、クラブ経営から引退をほのめかしていたオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が俄然、やる気を見せて来季に向けて選手の大幅な入れ替えを含めた積極的な補強を行うことを表明しています。トップチームではクラブ歴代最多ゴールを記録しているゴンザロ・カブレラが退団し、代表でもプレーするシャフィク・アフマドを期限付き移籍で放出、またMリーグ2部プレミアリーグでプレーするJDT IIでも外国籍選手との契約を更新せず、複数のマレーシア人選手を他のクラブへ期限付き移籍させるなど、新たな選手を受け入れる準備を着々と進めています。
 そんな中で、既に来季の契約をペナンFCと結んでいるエンドリックを2023年に帰化選手として獲得する予定であることがJDTのクラブ公式Facebookで発表され、ペナンFCのサポーターを中心に波紋を投げかけています。
 Mリーグ1部スーパーリーグで8連覇を果たしたJDTはオーナーが皇族ということもあり、ある意味、国内リーグではやり放題、もとい非常に影響力を持つチームですが、さすがにこの発表はエンドリック選手と契約しているペナンFCに対して敬意を欠くあるいは職業倫理に反するという声が上がっています。(それ以上に選手があるクラブと契約中に他のクラブが獲得に動けば間違いなくタンパリング(tampering、イギリス英語ではtapping up)ですが、マレーシアのメディアではこれについて言及しているものはありません。)、
 ソーシャルメディアではこのJDTの行為に対して、エンドリック選手はもともとJDTの選手であり、ペナンFCには期限付き移籍しているだけなので何の問題もない、といった投稿があると、サッカー専門サイトのラ・ボラが報じていますが、それが真実であれば隠す必要は全くなく、単に期限付き移籍の期間が延長されたとJDTあるいはペナンFCが発表するはずですので、これは事実ではなさそうです。
 現在26歳のエンドリック選手は、2018年にマレーシア政府系企業である連邦土地整理統合局(通称フェルクラ)が運営するMリーグ2部プレミアリーグのフェルクラFC(現在は既に解散)に加入し、翌2019年にはMリーグ1部スーパーリーグのスランゴールFA(当時、現スランゴールFC)へ移籍しています。そのスランゴールFAではケガでたびたび試合を欠場するもその原因は医療スタッフにも解明できずこのシーズン限りで退団し、2020年はプレミアリーグのペナンFCに移籍するとここでは新型コロナの影響で11試合に短縮されたリーグ戦では10試合に出場し8ゴールを挙げなど、クラブのプレミアリーグ優勝に貢献してチームを1部に昇格させる原動力となりました。今季もリーグ戦とカップ戦を合わせた出場試合数ではチーム最多タイの23試合に出場し、昇格初年度に3位となったクラブの躍進を支えました。

12月18日のニュース
主力が大挙退団のクダは来季の運営資金削減を発表
代表FWシャフィクはクダへ期限付き移籍へ
給料未払いを明らかにしたサラワクUの主将が契約を1年残し退団

主力が大挙退団のクダは来季の運営資金削減を発表

 Mリーグ1部スーパーリーグのクダ・ダルル・アマンFCは、過去に在籍した選手への給料未払いが発覚した上、現役選手らについても数ヶ月の給料遅配も報じられる中、今季は2位の成績を挙げ、来季のAFCカップ出場権も獲得しています。しかし今季終了後には在籍した外国籍選手5名全員の退団に加え、バドロル・バクティアル、リザル・ガザリの代表コンビも同じスーパーリーグのサバFCへ移籍することが発表され、来季は主力選手が大幅に入れ替わることが明らかになっています。
 そのクダ・ダルル・アマンFCが来季は資金を今季より大幅に削減して運営されると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。クダ州州首相でもあるクダ州サッカー協会のムハマド・サヌシ・ノー会長は、クダ・ダルル・アマンFCの運営資金が今季の3000万リンギ(およそ8億800万円)から2200万リンギ(およそ5億9200万円)となることを発表し、外国籍選手と主力マレーシア人選手の退団により資金削減が可能になったと話しています。
 昨年2020年5月にクダ州首相就任と同時にクダ州サッカー協会の会長にも就任したサヌシ会長は、政敵でもあった前会長下での外国籍選手を含む複数の選手との高額契約がクラブの財政を圧迫していたことが現役選手の給料遅配につながったとして前会長によるクラブ運営を批判し、今後はクラブの資金規模にあった運営を行うと述べ、、高額契約の選手が退団、移籍したことで今後は給料未払いの問題は発生させないとしています。
 クダ・ダルル・アマンFCが昨季、今季と2季連続スーパーリーグで2位となったのは、同じスーパーリーグのトレンガヌFCへ移籍することが発表されたリベリア代表のクパー・シャーマン、チェチェ・キプレ(コートジボワール)のフォワードコンビ、そしてサバFCへ移籍する代表コンビらの力が大きかったのですが、彼らを含め今季の主力7名が抜ける上に、クラブの資金が2割以上も削減される来季は、他のクラブが積極的に補強を起こっているのとは対照的で、優勝争いどころか10年振りのBクラス(7位以下)の可能性もあります。

代表FWシャフィクはそのクダへ期限付き移籍へ

 現在開催中のスズキカップ2020に出場中のマレーシア代表でプレーするFWシャフィク・アフマドはMリーグ1部スーパーリーグのJDTに所属していますが、代表選手でありながら選手層が厚いJDTでは出場機会に恵まれず、今季のJDTの公式戦(リーグ戦およびカップ戦)33試合中、出場したのはわずか8試合でそのうち先発は2試合しかありません。
 シーズン中にはソーシャルメディアで「試合に出ている仲間を見ているのは楽しいな」と皮肉混じりに自身の不遇を託つと、チームのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下からは「チームを去りたければ自由にすれば良い」と言い放たれるなど、今季は散々なシーズンになりました。
 そんなシャフィク選手が期限付きで同じスーパーリーグのクダ・ダルル・アマンFCに移籍が濃厚になったと英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。クダ・ダルル・アマンFCの前身のクダFAのユースで育ち、プロデビューもクダFAだった26歳のシャフィク選手は2018年にJDTに移籍するとその才能が開花し、代表では2018年に3ゴール(8試合)、そして翌2019年にはFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選のアラブ首長国戦やインドネシア戦でもゴールを決め、この年は最終的に5ゴール(9試合)を挙げるなどして代表の主力として活躍しました。
 しかし新型コロナの影響でワールドカップ予選が延期となり、さらに国内リーグも短縮されて開催された昨年2020年12月のシーズンオフには、シャフィク選手は自身が運転する車で事故を起こし、生後22日の長男を含む3名が亡くなりました。その事故の影響があったかどうかはわかりませんが、今季開幕を迎えるとJDTのトップチームにはシャフィク選手の名はなく、今季の初出場はチームの6試合目でしかも90分からの途中出場でした。結局今季のスーパーリーグでは4試合に出場し、うち1試合が先発、出場時間は4試合合計で91分、その後に行われたマレーシアカップでも4試合に出場し、うち先発1試合、出場時間は4試合合計で88分といった状況でした。
 それでもタン・チェンホー代表監督は6月にアラブ首長国連邦で開催されたワールドカップ予選、そして10月に行われた中東遠征のいずれにもシャフィク選手を代表チームに招集し続け、そしてスズキカップ2020出場に出場している24名のマレーシア代表にもその名を連ねています。
 クダ・ダルル・アマンFCの期限付き移籍についてクラブ運営会社のカマル・イドリス・アリCEOはJDTとの交渉が行われていることを認め、さらにシャフィク選手自身からは再びクダでプレーしたいという希望が明かされているということです。
 JDTのオーナーのイスマイル殿下はシャフィク選手の移籍先についてAFC主催大会に出場できるチームを条件にしていると話し、これに当てはまるのはいずれもAFCカップに出場するクダ・ダルル・アマンFCとKLシティFCしかないことから、シャフィク選手のクダ・ダルル・アマンFC移籍は濃厚と見られています。
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 シャフィク選手のファンとしては、出場機会を得るための移籍は望ましいことに思えます。タン代表監督が気に入っているとは言え、今後も試合に出なければ試合感は鈍り、いつかは代表に呼ばれなくなるどころか、このまま選手としても向上せずに選手生命を終えてしまう可能性すらあります。一方でクダでは出場機会が得られるだけでなく、スーパーリーグ随一の堅牢さを誇るJDTを相手にプレーすることになり、それを破って得点を挙げられればシャフィク選手もかつての輝きを取り戻してくれるかも知れません。

給料未払いを明らかにしたサラワクUの主将が契約を1年残し退団

 今季Mリーグ2部で2位となり来季の1部昇格を決めているサラワク・ユナイテッドFCはシーズン終盤に一部選手への給料未払いが明らかになったものの、クラブのオーナーであるサラワク州サッカー協会がその速やかな解決を約束していましたが、実際にはその約束は守られていなかったようです。
 英字紙スターはサラワク・ユナイテッドFCのテイラー・リガン主将がクラブが給料未払い問題を解決する意思がないとして、1年の契約を残して退団し、この事態をFIFAに提訴済みであると報じています。この記事ではサラワク州サッカー協会はリガン選手を含めた複数の選手に対して給料未払いに加えて勝利給も未払いとなっているということです。さらにクラブの共同オーナーでもあるサラワク州サッカー協会のポサ・マジャイス会長は今年3月からクラブに姿を見せていないことにも失望していると話すリガン主将は、この現状を明らかにするためにチームを離れることを決意したと述べています。
 給料未払いの問題を抱えながらもプレーが続けられた理由として、チームメートや監督、コーチと良好な関係を挙げたリガン主将は、そういった仲間と一緒にプレーできたのは幸せだったとも話し、既に複数のクラブから受けている獲得オファーについてはクリスマス以降に決めたいとも話しています。
 来季1部昇格の権利を得ているサラワク・ユナイテッドFCですが、マレーシアサッカー協会FAMのクラブライセンス発給である第一審査機関FIBからはこの給料未払い問題の解決を条件とした上で来季のクラブライセンスを発給されており、サラワク州サッカー協会のマジャイス会長は10月までに未払い給料を完済したと述べていました。しかし11月には複数の選手がマレーシアプロサッカー選手会PFAMに給料未払いを訴え出ており、事態の真偽を確かめるためMリーグを運営するMFLがサラワク州サッカー協会とマジャイス会長から聞き取りを行うことが発表されていました。現時点ではこの聞き取りについては現時点では何も明らかになっていませんが、給料未払い問題が解決されていない場合にはクラブの来季1部昇格が取り消しになるだけでなく、クラブライセンスの発給を受けられなくなることも考えられ、その場合には来季のMリーグ参戦も不可能になります。
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 サラワク・ユナイテッドFCの1部昇格が取り消しになれば、今季2部プレミアリーグで5位となったクチンシティFCが昇格となることも考えられますが、サラワク・ユナイテッドFCには最悪の場合にはチーム解散といった噂も出ており、MFLによる聞き取りの結果に注目が集まります。
 サラワク・ユナイテッドFC(当時はサラワクFA)は2019年シーズンにプレミアリーグで最下位の11位となり、Mリーグ3部のM3リーグで2位となったクチンFA(当時、現在のクチンシティFC)との入れ替え戦に敗れて3部降格が決まりましたが、経営不安を抱えていた同じプレミアリーグで9位のスランゴール・ユナイテッドFCを買収し、クラブの本拠地をスランゴール州からサラワク州に移してサラワク・ユナイテッドFCと名称変更する離れ業で2部に留まっています。