12月26日のニュース:スズキカップ2020-インドネシアがシンガポールとの死闘を制して2大会ぶりの決勝進出

 インドネシアとシンガポールの対戦は両チームのプライドが真正面からぶつかり合う「死闘」と表現したくなるほど白熱した試合は、微妙な判定は複数あったものの、個人的には今大会ここまでのベストマッチでした。両チームが見せた勝利への執念は、グループステージ敗退のマレーシアには見られなかったものでした。いずれもマレー系選手が代表チームの主力となっているインドネシア、シンガポール、マレーシアですが、なんでこんなに差がついちゃったんだろう。

スズキカップ2020準決勝第2戦
2021年12月25日@シンガポール国立競技場(シンガポール)
インドネシア 4-2 シンガポール(フルタイム2-2、2試合通算スコア 4-3)
得点者:インドネシア-エズラ・ワリアン(11分)、プラタマ・アルハン(87分)、シャワル・アヌワル(91分OG)、エギ・マウラナ(107分)、シンガポール-ソン・イニョン(49分)、シャーダン・スライマン(74分)

 スズキカップ2020の準決勝インドネシア対シンガポールの第2戦が行われ、インドネシアが延長の末4-2でシンガポールに勝利し、通算スコアを5-3としたインドネシアが2大会ぶりの決勝進出を決めています。
 12月22日の準決勝第1戦を1-1としていた両チームは、試合開始から果敢にゴールを狙い、11分にはインドネシアのウィタン・スラエマンがゴール前に持ち込み、シンガポールのGKハサン・サニをかわしてゴール前に出したクロスに合わせたエズラ・ワリアンがシュートを決めインドネシアが先制します。
 このままハーフタイムかと思われた前半終了直前、MリーグのスランゴールFCでプレーするサフアン・バハルディンがゴール前でインドネシア選手と小競り合いとなり、カシム・マタル・アル=ハトミ主審(オマーン)はサフアン選手にこの試合2枚のイエローカードを出し、サフアン選手は退場、シンガポールは10名となってしまいますが、残りわずかとなった前半のロスタイムには右サイドからのシャーダン・スライマンが蹴ったフリーキックのこぼれ球を今年8月にシンガポールに帰化した韓国出身のソン・イニョンが押し込んで1人少ないシンガポールが前半で同点追いつき、試合は1-1で後半に入ります。
 10名のシンガポールはスーパーセーブを連発するハサン・サニと最終ラインをコントロールする元JDTのハリス・ハルンを中心にインドネシアの攻撃を防ぐだけでなく、インドネシアゴールにも迫りますが、そんな中、67分にはペナルティエリアの外でインドネシアのイルファン・ジャヤを倒したイルファン・ファンディが痛恨の1発レッドで退場となり、シンガポールは9名となってしまいます。
 シンガポールの吉田達磨監督は同点ゴールを決めているソン・イニョンに代えてディフェンダーのアミルル・アイディルを投入するなど守備的な布陣を敷く中、インドネシアのペナルティエリアのすぐ外でファリス・ラムリが倒されて得たフリーキックをシャーダン・スライマンがゴールポスト隅に決めて9名のシンガポールが74分にリードを奪います。
 しかし87分にハサン・サニがウィタン・スラエマンのシュートを弾いたところにプラタマ・アルハンが詰めて2-2の同点に追いつきます。このまま延長かと思われた後半ロスタイムにインドネシアのペナルティエリア内でシャワル・アヌアルが倒されてシンガポールはPKを得ます。これを決めれば決勝進出となるところでしたがファリス・ラムリのPKをインドネシアGKナデオ・アルガウィナタが止めてインドネシアは九死に一生を得ます。そして2-2のまま試合は延長戦に入り、延長戦開始直後にはインドネシアのエギ・マウラナのシュートをシンガポールGKハサン・サニが弾いたものの、それをシャワル・アヌアルが自分の足に当ててオウンゴールとしてしまい、数的有利ながら苦しんでいたインドネシアがついに3-2とリードします。
 さらに延長前半の終了間際にもエギ・マウラナがコーナーキックからのこぼれ球を押し込んで4-2と点差を広げる中。延長後半119分にはペナルティエリアを飛び出したGKハサン・サニがイルファン・ジャヤに危険なタックルで1発レッドで最後は8名となったシンガポールはここで力尽き、インドネシアが準優勝に終わった2016年大会以来の決勝進出を決め、悲願のスズキカップ初優勝に一歩近づきました。

(映像はスズキカップ2020公式YouTubeチャンネルより)

スズキカップ2020日程および結果

*既に終了している試合の詳細については、試合結果をクリックするとスズキカップ2020公式サイト(英語)へ飛ぶことができます。

<グループステージA組>

2021年12月5日(日)
東ティモール 2-0 タイ
シンガポール 3-0 ミャンマー

2021年12月8日(水)
ミャンマー 2-0 東ティモール
フィリピン 1-2 シンガポール

2021年12月11日(土)
東ティモール 0-7 フィリピン
タイ 4-0 ミャンマー

2021年12月14日(火)
フィリピン 1-2 タイ
シンガポール 2-0 東ティモール

2021年12月18日(土)
タイ 2-0 シンガポール
ミャンマー 2-3 フィリピン

<グループステージB組>

2021年12月6日((月))
カンボジア 1-3 マレーシア
ラオス 0-2 ベトナム

2021年12月8日(水)
マレーシア 4-0 ラオス
インドネシア 4-2 カンボジア

2021年12月12日(日)
ラオス 1-5 インドネシア
ベトナム 3-0- マレーシア

2021年12月15日(水)
カンボジア 3-0 ラオス
インドネシア 0-0 ベトナム

2021年12月19日(日)
ベトナム 4-0 カンボジア
マレーシア 1-4 インドネシア

グループステージA組順位

順位チーム得失差勝点
1タイ4400912
2シンガポール430149
3フィリピン420266
4ミャンマー4103-63
5東ティモール4004-130

グループステージB組最終順位
*インドネシアとベトナムは勝点と得失点差で並んだものの、インドネシアの総得点13に対してベトナムは9のため、インドネシアがB組の1位に決定

順位チーム得失差勝点
*1インドネシア4310910
2ベトナム4310910
3マレーシア420206
4カンボジア4103-53
5ラオス4004-130

<準決勝第1回戦>

2021年12月22日(水)
シンガポール 1-1 インドネシア

2021年12月23日(木)
タイ 2-0 ベトナム

<準決勝第2回戦>

2021年12月25日(土)
インドネシア4 2- シンガポール

2021年12月26日(日)
ベトナム – タイ(20時30分@シンガポール国立競技場)

<決勝第1回戦>

2021年12月29日(木)
インドネシア – ベトナム/タイ(20時30分@シンガポール国立競技場)

<決勝第2回戦>

2022年1月1日(土)
ベトナム/タイ – インドネシア(20時30分@シンガポール国立競技場)