10月29日のニュース:マレーシアカップ準決勝の勝敗決定方法についてMFLが説明、マレーシアカップ決勝は両チームにおよそ3万枚のチケットが割り当てられる、マレーシアカップ決勝は5年ぶりにブキ・ジャリル国立競技場で開催

マレーシアカップ準決勝の勝敗決定方法についてMFLが説明
 第1戦3-3、第2戦は延長も含めて5-5と2試合で16ゴールと壮絶な試合となったマレーシアカップ準決勝のクダFA対パハンFAの試合。この試合はアウェイゴールルールによってクダFAが決勝進出を決めましたが、延長の120分に同点ゴールを決めたパハンFAのディクソン・ヌワカエメがPK戦に持ち込んだと思いガッツポーズを取るなど選手はもちろん、パハンFAのホーム、ダルル・マクムール・スタジアムに詰めかけた29,275名の観衆の多くも、ぜクダFAが決勝進出が理解できなかったようです。
 これを受けて、マレーシアカップ を主催するマレーシアフットボールリーグMFLが公式ホームページで声明を発表し、今回適用されたアウェイゴールルールは新たに設けられたものではなく、2010年からマレーシアカップ 、マレーシアFAカップ、チャレンジカップなど国内のカップ戦で既に採用されていることを説明する事態になっています。
 欧州サッカー連盟UEFA主催のチャンピオンズリーグなどでは、延長戦でのゴールも含めてアウェイゴールが適用されますが、アジアサッカー連盟AFC主催の試合では、延長戦でのゴールはアウェイゴールルールの適用外となっています。第1戦は3-3、そして第2戦は90分の試合時間内ではやはり3-3でしたので、AFCの規則に照らせば、両チームともそれぞれアウェイゴールは3となり、試合の決着はPK戦により決定となります。しかし国際サッカー連盟FIFAは、加盟国の国内試合に関しては所轄の連盟にアウェイゴールールの詳細決定を委ねています。マレーシアの場合は延長も含めてのアウェイゴールルール採用となっていることから、延長での2-2も加えるとパハンFAのアウェイゴールは3、クダFAのアウェイゴールは5となり、クダFAが勝利チームになったわけです。

マレーシアカップ決勝は両チームにおよそ3万枚のチケットが割り当てられる
 クダFA対JDTの対戦が決まったマレーシアカップの決勝戦ですが、クダFAを倒閣するクダ州サッカー協会KFAとジョホール州サッカー協会PBNJには、それぞれ31,610枚のチケットが割り当てられると、マレーシアの通信社ベルナマ が報じています。
 KFAによると、チケットは10月31日よりクダFAの本拠地であるダルル・アマンスタジアムで26,610枚が売り出され、残る5,000枚はクダFAのサポーターを対象にネット販売されるということです。
 一方PBNJは、ジョホール州内全10地区で26,610枚のチケットが販売され、残りはJDTのホームであるタン・スリ・ハサン・ユノススタジアム(通称ラーキンスタジアム)とオンラインでやはり10月31日から販売されるということです。

マレーシアカップ決勝は5年ぶりにブキ・ジャリル国立競技場で開催
 過去4年間のマレーシアカップ決勝は、スランゴールFAのホームでもあるシャーアラムスタジアムで開催されてきましたが、今季2019年決勝は5年ぶりにブキ・ジャリル国立競技場で開催されることになりました。
 このブログでも何度か取り上げてきましたが、ブキ・ジャリル国立競技場は、そのピッチの状況の悪さから、マレーシア国内はもとより海外のチームからも評判が悪く、バルセロナが直前になって試合の会場変更を求めたり、先日のFIFAワールドカップ予選ではUAEのベルト・ファン・マルワイク監督が不満を述べるなど、酷評されています。
 しかし今年8月にブキ・ジャリル国立競技場はマレーシア代表の公式戦全ての開催会場、つまりマレーシア代表のホームとなったことで、コンサートなどの他の用途での使用が限られるようになり、ピッチ管理などにより多くの費用が注ぎ込まれるようにもなっています。
 また今回の決勝では、マレーシア史上初となるスタンドの座席番号の導入も行われるようです。マレーシアのスタジアムは一般的に座席の範囲は決まっているものの、座席そのものの指定はなく、皆が好きなところに早い者勝ちで座るようになっています。今回は試験的な導入となるようですが、この結果で完全な指定席制度が普及していくかもしれません。


 

10月28日のニュース:AFCカップの決勝はKLで開催、FAMはU21とU19大会廃止の噂を否定、M3リーグはケランタン・ユナイテッドが優勝

AFCカップの決勝はKLで開催
 アジアサッカー連盟AFCが主催するAFCカップは、AFCチャンピオンズリーグACLの出場枠が与えられているAFCクラブチームランキングの上位14カ国以外の国および地域のリーグ戦やカップ戦の優勝チームに出場権が与えられる大会で、2015年には、マレーシアフットボールリーグMFLの優勝チーム、ジョホール・ダルル・タクジムJDTも優勝を経験しています。
 今季2019年の決勝戦は4.25 SC(北朝鮮)対アル・アヘドSC(レバノン)が対戦しますが、その会場が二転三転し、結局、マレーシアの首都クアラルンプールになったことが英字紙マレーメイル電子版で報じられています。
 当初は北朝鮮の平壌で11月2日に予定されていた決勝戦ですが、10月15日にやはり北朝鮮の金日成競技場で行われたFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選の北朝鮮対韓国の試合が中継なしの無観客試合として行われたことを受け、AFCは試合の中継権やスポンサーへの配慮から、決勝の舞台を平壌から中国の上海へ変更することを10月22日に発表していました。
 しかしAFCは10月25日に新たな告知として、AFCカップ決勝は上海からマレーシアの首都クアラルンプールで、予定よりも2日遅い11月4日に行われることを発表しています。AFCは再度の変更理由を明らかにしていません。
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 AFCの本部があるマレーシアのクアラルンプールでは、これまでも中立地域での試合会場を提供することが度々ありました。またマレーシアの国教であるイスラム教の教徒が人口の半数以上を占めるレバノンのクラブと、マレーシアとも国交のある北朝鮮のクラブの対戦場所として、クアラルンプールは無難な選択かもしれません。

FAMはU21とU19大会廃止の噂を否定
 マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、マレーシアフットボールリーグMFL所属クラブのU21チームの大会であるプレジデントカップと、U19チームの大会であるユースカップ廃止の噂を否定していると、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが伝えています。
 ラマリンガム事務局長は、両大会の廃止を否定する一方で、フォーマットの変更については、選手、コーチ、審判など関係者全員にメリットがあるような方式を現在検討中だとも述べています。
 FAMは年齢制限のない育成目的のリーグの発足を検討しているという話もあり、そこからU21チームとU19チームに限定されている両大会の廃止という話が出回った可能性がありますが、ラマリンガム事務局長はプレシデントカップとユースカップの有用性を強調した上で、廃止については現在は検討されていないとしています。

M3リーグはケランタン・ユナイテッドが優勝
 マレーシアフットボールリーグMFLの3部にあたるM3リーグでは、マレー半島北東部のケランタン州に本拠地を持つケランタン・ユナイテッドが2節を残して優勝を果たしています。
 14のクラブで構成されているセミプロリーグのM3は、ケランタン・ユナイテッドと鈴木啓太選手が所属する、東マレーシアのサラワク州に本拠地を持つクチンFAに優勝争いが絞られていましたが、10月27日にランカウィ島で開催されたアウェイのグローリー・ユナイテッド戦に5-0で快勝し勝点が65となり、2位のクチンFAに勝点差12をつけて優勝を決めています。
 なおケランタン・ユナイテッドのガンビア出身のFWアルフサイニ・ガッサマはこの日の4得点で27得点となり、やはりこの日、ゴールを決めたチームメイトのマレーシア人FWファクラル・ザマンと共にリーグの得点王レースのトップとなっています。
 ケランタン・ユナイテッドはM3リーグ優勝により来季2020年のMFL2部ブレミアリーグへの自動昇格権を獲得しています。また3位のマレーシア国軍FCに勝点5の差をつけている2位クチンFAはMFL2部11位のサラワクFAと入れ替え戦を行う可能性が高くなってきました。
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 本来ならば、MFL2部の11位、12位がMFL3部の1位、2位とそれぞれ入れ替え戦を行うことになっていますが、今季のMFL2部は開幕直後にプルリスFAが給料未払い問題により助名処分を受けており、M3優勝のケランタン・ユナイテッドには自動昇格権が与えられています。またケランタン・ユナイテッドのMFL2部昇格により、MFL2部にはケランタン州サッカー協会が統括するケランタンFAとケランタン・ユナイテッドの2クラブが同時に在籍することになりました。
 また、クチンFAが対戦する可能性があるサラワクFAはサラワク周サッカー協会が統括するクラブで、いわば上部組織である東京都サッカー協会が統括するクラブチームとその下部組織である新宿区サッカー協会のクラブチームが入れ替え戦を戦うような状況になる可能性があります。
(写真は優勝を決めたケランタン・ユナイテッドのFacebookより。”Kita Juara”は「俺たちはチャンピオンだ」の意味のマレーシア語です。)

10月27日のニュース:ワン・クザインのU22代表招集に暗雲、マラッカUのザイナル監督が留任

ワン・クザインのシーゲームズ参加に暗雲
 アメリカのプロサッカーリーグMLSのスポーティング・カンザスシティに所属する21歳のMFワン・クザイン・ワン・カマルはアメリカ生まれながらマレーシア人の両親を持ち、来月11月25日からフィリピンで開催される東南アジア競技大会、通称シーゲームズに参加するマレーシアU22代表へ招集される可能性が取り沙汰されています。
 しかしそのワン・クザイン選手はマレーシアのパスポートを持っているものの、既に有効期限切れになっているようで、新たなパスポート取得のためには直ちにマレーシアに戻る必要があるとマレー語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 マレーシアU22代表としてプレーするための手続きには2週間ほどかかるようで、シーゲームズ参加登録に間に合わせるためにも、11月初旬のMLS終了後、速やかな帰国を望んでいることをマレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は表明していますが、パスポート取得から代表参加までの期間が短ければ、チーム自体が混乱する懸念もあり、このままではワン・クザイン選手の招集自体が見送られる可能性があります。

マラッカUのザイナル監督が留任
 マラッカ・ユナイテッドを統括するマラッカ州サッカー協会MUSAは、今季2019年に続いて来季2020年もザイナル・アビディン・ハサン監督がチームの指揮を取ることを発表しました。
 スポーツ専門サイトフォックススポーツによると、MUSAのアドリー・ザハリ会長はマレーシアフットボールリーグMFLで昨季の7位から今季は6位と順位を上げたこと、またマレーシアカップ でも準々決勝に進出したことを評価した結果の続投要請であったことを明かしています。
 今季のマラッカ・ユナイテッドは開幕の5試合で3勝1分1敗と好スタートを切ったものの、ケガ人の続出や下位チーム相手の取りこぼしなどで同じ勝点33の5位のペラTBGを勝数で上回りながら、得失差で6位となっています。
 マラッカ州知事でもあるザハリ会長は、より上位に進出すつための新たな戦力の獲得もザイナル監督に一任するとしています。
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 マラッカ・ユナイテッドは、リーグ戦中から給料未払いが何度か取り沙汰されましたが、マレーシアカップ準々決勝直前に主将のシュコル・アダンが数ヶ月の給料未払いを告発して試合出場を拒否、チームも準々決勝第1戦と第2戦通算でパハンFAに6-1で敗れています。
 また来季のMFL参加に必要なクラブライセンスも条件付きでの交付となっていることから、MUSAにどれだけの強化資金があるのかは不明で、ザイナル監督が望むような補強ができるのかどうかも定かではありません。 

マレーシアカップ準決勝第2戦の結果まとめ

10月26日(土)にマレーシアカップ準決勝第2戦の2試合が行われました。カードはスランゴールFA(マレーシアフットボールリーグMFL今季3位)対ジョホール・ダルル・タクジムJDT(同1位)、パハンFA(同2位)対クダFA(同4位)でしたが、それぞれJDTとクダFAが勝ち抜け、11月2日の決勝に駒を進めています。

スランゴールFA3-0JDT(第1戦と第2戦の合計はスランゴールFA1-5JDT)
得点者:JDT-サファウィ・ラシド3(25分、46分、51分)
 準決勝第1戦に2ー1と勝利したものの、エースのジオゴを欠き、第2戦に不安を残したJDTでしたが、そんな不安を払拭したのは復帰したジオゴではなく、時世代のエースとされながら代表では結果が出ず苦しむ、サファウィ・ラシドでした。
 スランゴールのDFをかわして先制ゴールを決めると、2点目は前に出ていたGKの頭の上を越える左足からの美しいループシュート、そしてGKの足の間を抜いて決めた3点目でスランゴールFAを粉砕し、2014年(準優勝)、2017 年(優勝)に続く3度目のマレーシアカップ 決勝進出を果たしています。

パハンFA5-5クダFA(第1戦と第2戦の合計はパハンFA8-8クダFA)
得点者:パハンFA-ディクソン・ヌワカエメ2(33分、120分)、ラザラス・カイムビ2(71分、76分)、エラルド・グロン(114分)、クダFA-フェルナンド・ロドリゲス2(9分、118分)、ジョナサン・ボウマン(56分)、バドロル・バクティアル(86分)、レノン・アルヴェス(93分)
 第1戦と第2戦の合計が8-8という壮絶な試合は、アウェイゴールルールにより、クダFAがパハンFAを振り切って、決勝進出を決めています。
 両チームとも積極的にゴールを狙って始まった試合でしたが、第1戦ではクダFA相手に3点のアウェイゴールを挙げていたパハンFAは、試合前の段階ではクダFAに対して心理的に優位に立っていたはずでした。試合はスペイン出身FWフェルナンド・ロドリゲスのゴールでクダFAが先制しましたが、パハンFAはすかさずエースのFWディクソン・ヌワカエメのゴールで追いつきます。
 後半に入ると、ジョナサン・ボウマンのゴールで再びクダFAがリードを奪いましたが、ラザラス・カイムビが71分に同点の、そして76分に逆転のゴールを決めて3-2とリードした時点で、勝負あったかに思えた試合は、85分にクダFAのキャプテンバドロル・バクティアルが同点ゴールを決め、この時点で両チームにアウェイゴールのアドバンテージがなくなりました。
 3-3のまま試合は延長戦に入ります。延長前半にはレノン・アルヴェスのゴールで再びクダFAがリードし、今度はクダFAにアウェイゴールのアドバンテージとなりました。すかさずパハンFAもヌワカエメ選手が得たPKをエラルド・グロンが決めて同点としますが、クダFAのロドリゲス選手がこの日2点目となるゴールを118分に決めて再度リードを奪いました。その後120分には、ヌワカエメ選手が同点ゴールを決めるも、試合はそこで終了しクダFAが決勝へ進出しました。
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 JDTとクダFAの対戦は2017年のマレーシアカップ決勝と同じ顔合わせとなりました。シャーアラムスタジアムで行われた決勝は、アイディル・ザフアンとゴンザロ・カブレラのゴールでJDTがクダFAを2-0で下し、初タイトルを獲得しています。

10月25日のニュース:FAM会長はECPに基づいた戦力補強を求める、クラスニキがJDTの練習場で目撃される、ニック・アキフにはトレンガヌFC移籍の噂

FAM会長はECPに基づいた戦力補強を求める
 今季2019年シーズンは、残すところ今週末のマレーシアカップ 準決勝、そして11月2日の決勝だけとなりました。
 準決勝に残ったJDT、パハンFA、スランゴールFA、クダFA以外のクラブは、来季2020年シーズンに向けて、トライアウトなどを行って戦力増強に余念がないところでしょう。そういった各クラブに向けて、マレーシアサッカーリーグMFLのダト・ハミディン・モハマド・アミン会長は、来季から導入される経済コントロールプログラムECPに基づいた戦力補強を行うように求めています。
 このECPは、これまで多くのMFLクラブが抱えてきた給料未払いや所得税、雇用主負担が求められる従業員積立基金EPF(日本の年金制度に該当)、従業員社会保障制度SOCSO(日本の社会保険制度に該当)の滞納といった問題を事前に防ぐことを目的として導入されます。具体的には、各クラブはMFLが承認した金額内での経営を求められ、MFLが承認する金額は各クラブの経営状況をもとに判断されます。
 このECPはもとはスペインのラ・リーガで採用されたプログラムですが、本家のスペインでは、リーグ全体で9000万ユーロ(およそ108億700o万円)の未払い給料を含む6億ユーロ(およそ725億3000万円)の負債を抱えていた2012年に導入され、2017年には負債額が0になったそうです。
 ハミディン会長はマレーシアの通信社ベルナマのインタビューに答えて、選手との契約内容は、来季から段階的に導入されるECPにおける各クラブの経営状況判断の元になるとして、新戦力との契約は、自らの経営状況を理解した上で行うべきと各クラブに警告しています。
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 マレーシアのことわざに”Ukur Baju Di Badan Sendiri“「自らの身体に合わせた服の寸法を測れ」と言うものがあります。マレー語紙の電子版では、ECP導入に際して各チームに求められるものとして、このことわざを引用している記事もありました。文字通り、身の丈に合った経営がこの後は求められそうです。

クラスニキがJDTの練習場で目撃される
 スポーツ専門サイトフォックスフポーツでは、マットドンことリリドン・クラスニキがジョホール・ダルル・タクジムの練習場で目撃されことを報じています。
 記事の中では、ツイッター上で出回っている、JDTの練習場でしかもJDTのトレーニングジャージを着ているクラスニキ選手の写真を掲載した上で、クラスニキ選手の来季2020年シーズンのJDT入りの可能性について言及しています。
 27歳のクラスニキ選手は、2015年から2018年までクダFAでプレーし105試合で38ゴールという成績を残し、今季2019年はマラッカ・ユナイテッドと契約しましたが、MFL第5節のクアラルンプールFAとの試合でケガのため途中退場し、それ以降はカップ戦も含めて出場がありませんでした。
 コソボ出身のアルバニア人であるクラスニキ選手は、マレーシアサッカー協会FAMがリストアップした帰化選手(マレーシア人を父母、祖父母に持たない外国籍であっても、5年以上継続居住歴を持つことでFIFAの規定によりマレーシア人としでプレーが可能になる。マレーシアでは既にガンビア出身のモハマドゥ・スマレがこの要件を満たしてパハンFAとマレーシア代表でプレーしている。)候補となっており、JDTがクラスニキ選手を核とし、さらに彼が帰化選手となれば、JDTはMFL1部の各クラブに与えられている5人の外国籍選手枠を使わずに戦力補強ができることになります。
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 今季わずか5試合しか出場していないクラスニキ選手ですが、マラッカ・ユナイテッドは給料未払い問題を抱えていたこともあり、本当にケガだけが理由で長期離脱していたかどうかは正直不明です。ケガが完治していて、クダFA時代の活躍ができるのであれば、クラスニキ選手が加わることでJDT1強時代はまだまだ続くことになりそうです。

ニック・アキフにはトレンガヌFC移籍の噂
 今季はMFL2部で11チーム中10位と低迷したケランタンFAでプレーする20歳のMFニック・アキフ・シャヒラン・ニック・マットが、隣接するトレンガヌ州のMFL1部トレンガヌFCに移籍するのではという噂がソーシャルメディア上を賑わせていると、スポーツ専門サイトスタジアムアストロが報じています。
 トレンガヌFCのシャリザル・ヤハヤ チームマネージャーは、単なる噂であると否定していますが、戦力としてニック・アキフ選手が必要かどうかはモハマド・ナフジ・ザイン新監督次第であると述べています。
 なお、ナフジ新監督のもとで新たなチームづくりを目指すトレンガヌFCは、今季のチームからMFアーマド・シャミン・ヤハヤ、MFシャルル・アイザッド・ズルキフリ、FWカイルル・イズアン・ロスリ、MFナビル・アーマド・ラトピ、GKのワン・ムハマド・アズレイ・ワン・テーとの契約を更新しない方針であることが既に報じられています。
 前述のシャリザルチームマネージャーは、ニック・アキフ選手はケランタンFAとの契約中の選手であることは理解しており、現状ではケランタンFAを統括するケランタン州サッカー協会KAFAとの関係を悪化させることは望んでいないとしています。
 今年3月に行われたアジアサッカー連盟AFC U23選手権予選でもプレーしたニック・アキフ選手は、11月に開催される東南アジア競技大会、通称シーゲームズに参加するU22代表でも主力としての活躍が期待されている他、所属するケランタンFAは移籍金として100万リンギ(およそ2600万円)を設定しており、今後の行方が注目されます。


10月24日のニュース:2021年のU20ワールドカップはインドネシア開催が決定、最新のFIFAランキングでマレーシアは158位と変わらず、JDT II監督が退任

2021年のU20ワールドカップはインドネシア開催が決定
 スポーツ系ニュースのポータルサイトであるフォックススポーツは、10月24日に中国の上海で開かれた国際サッカー連盟FIFAの定例会議の席上で、U20ワールドカップの開催国にインドネシアが決定したと報じています。
 当初はタイ、ミャンマーも含めた8カ国が開催に立候補していましたが、今年8月にタイとミャンマーが立候補を取りやめたことにより、インドネシアは東南アジアで唯一の立候補国となっていました。その後、最終的にはブラジル、ペルーとの争いになっていたようですが、両国に勝って、開催権を獲得したようです。
 またこの定例会議では、新たに24チームが出場する新たなクラブワールドカップが2021年に中国で、またU17ワールドカップが2021年にペルーでそれぞれ開催されることも発表しています。
(下はインドネシアサッカー協会PSSIのインスタグラムに挙げられた大会ロゴ)

最新のFIFAランキングでマレーシアは158位と変わらず
 10月24日に最新のFIFAランキングが発表され、マレーシアは前回と変わらず158位と変わりませんでした。
 東南アジアでは、ベトナムが97位(前回は99位)、先日のワールドカップ予選でアラブ首長国連邦を破った西野朗監督のタイが109位(同114位)、同じく中国と0-0で引き分けたフィリピンが126位(同127位)とトップ3を構成しています。
 これに続くのがミャンマーの147位(同145位)で、これに続くマレーシアは東南アジアでは5番手につけています。
 マレーシア以下の国では吉田達磨監督のシンガポールが159位(同157位)、インドネシアが171位(同167位)、本田圭佑氏が実質的な指揮を取るカンボジアは172位(169位)、以下ラオス188位(同187位)、ブルネイ191位(同191位)、東ティモール198位(同199位)と続いています。
(以下はマレーシアサッカー協会FAMのFacebookより)

JDT II監督が退任
 先日のチャレンジカップ でPK戦の末、UKM FCを下して初優勝したジョホール・ダルル・タクジムJDTのBチーム、JDT IIのエルヴィン・ボバン監督が退任することがJDTのホームページで伝えられています。
 クロアチア出身のボバン監督は1989年から1995年まで、JDTの前身となったジョホールFAでプレーし、1991年にはマレーシアカップ優勝に貢献しています。当時のチームメートには、現JDTテクニカルダイレクターのアリスター・エドワーズ、アッバス・サアドなどがいました。
 その後、2015年からはJDT III(U21チーム)、そして昨年2018年からはJDT IIの監督を務め、選手、コーチとして12年間に渡ってジョホールFAそしてJDTに関わってきたボバン監督ですが、今季2019年はマレーシアフットボールリーグMFL2部プレミアリーグで優勝したサバFAに勝点で10点も離された2位になり、チャレンジカップでも、決勝第2戦ではUKM FCに敗れるなど苦しいシーズンとなっていました。(下はJDTのFacebookより)

10月22日のニュース:ケランタン州サッカー協会は来季へ向けて1000万リンギが必要、ラーキンでの記憶に残る5試合

ケランタン州サッカー協会は来季へ向けて1000万リンギが必要
 マレーシアの通信社ベルナマのポータルサイトは、ケランタン州サッカー協会KAFAは、KAFAが統括するレッドウォリアーズことケランタンFAの来季2020年のマレーシアフットボールリーグMFL参加に向けて、1000万リンギ(およそ2億5900万円)が不足していると報じています。
 今年7月の会長選で当選したワン・アブドゥル・ラヒム・ワン・アブドラ会長のもと、来季はフロントも一新して臨むことになっているKAFAですが、退任したビビ・ラムジャニ・イリアス・カーン前会長のもとでMFLに参戦した今季は、資金不足による選手への給料未払い問題や、全ての在籍外国籍選手のシーズン途中での解雇などによって、戦力ダウンを強いられ、ケランタンFAは今季MFL2部11チーム中10位となっています。
 その状況からMFL上位進出を目指すための戦力補強、さらにはMFL以外のカップ戦参戦の費用なども含めると、来季に向けて必要な資金として1000万リンギという金額になっているようです。
 KAFAのフセイン・デラマン事務局長は、マレーシアサッカー協会による来季のクラブライセンス交付が決定すれば支援の意思表示をしているスポンサーがあるとして、クラブライセンス獲得に向けて問題解決に取り組んでいるとしています。
 しかし同じベルナマのポータルサイトでは、数日前に54万リンギ(およそ1400万円)の給料未払いでKAFAを告発したかつての在籍選手モルガロ・ゴミス(セネガル)と未払い給料の支払いで交渉中と伝えられ、さらには複数のマレーシア人選手およびスタッフの所得税、従業員積立金EPF(マレーシアの年金にあたる)、従業員社会保障SOCSOなどの支払いをKAFAが今月末までに終える予定であると報道していますが、こういった問題が解決しなければ、各クラブが身の丈に合った経営を行うために来季2020年から導入される経済コントロールプログラムECPの規定に抵触する可能性があり、KAFAにはクラブライセンスを交付されない可能性があります。

ラーキンでの記憶に残る5試合
 マレーシア版Goal. comでは、「ラーキンでの記憶に残る5試合」と題した記事を掲載しています。このラーキンとは、マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグ6連覇中のジョホール・ダルル・タクジムJDTが2013年から今季2019年まで本拠地としていたタン・スリ・ダト・ハジ・ハサン・ユノススタジアム、通称ラーキンスタジアムのことです。なおJDTは来季2020年のシーズン前に建設完了予定のスルタン・イブラヒムスタジアムにホームを移し、ラーキンスタジアムはJDTのBチームでMFL2部プレミアリーグに所属するJDT IIの本拠地となります。
 JDTの現オーナーであるジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下が2013年初頭にオーナーに就任した際には、酷い状況だったとされるラーキンスタジアムはその後の改修を経て、マレーシアでもトップクラスのスタジアムとなっています。そんなラーキンでは国内リーグやカップ戦だけでなく、アジアサッカー連盟AFCカップやチャンピオンズリーグなども開催されており、Goal. comはそういった試合の中から5試合を厳選しています。

2013年1月11日 JDT1-0ペラTBG
 前身のジョホールFCからリブランディングされたJDTとして初めてラーキンスタジアムで行われたのがこの試合でした。試合は現在もJDTに在籍するアイディル・ザフアンのゴールで記念すべきホーム初勝利を飾っています。
 当時のクラブにはサフィク・ラヒム(現在はマラッカ・ユナイテッド所属)、ノーシャルル・イドラン・タラハ(同パハンFA)、サフィー・サリー(同プタリンジャヤシティーFC)、ザクアン・アドハ(同クダFA)、アイディル・ザフアンらが在籍し、今に劣らないスター軍団で、このチームを率いたのはシンガポールの英雄ファンディ・アーマド監督(現シンガポールU22監督)でした。
 JDTとなって初めて迎えたこのシーズンでは、リーグ戦は3位、FAカップでは決勝進出という結果を残しました。

2014年6月20日 JDT3-0ケランタンFA
 この試合は、この年のJDTのホーム最終戦でした。MFL首位のJDTは2位のスランゴールFAに勝点1差まで迫られていましたが、この試合をアミルハディ・ザイナル(現在はJDT II所属)、ナズリン・ナウィ(同マラッカ・ユナイテッド)、そして現在はJDTのマネージャーを務めるルシアーノ・フィゲロアのゴールで勝利し、同じ日にサラワクFAを破ったスランゴールFAとの勝点差を守りました。
 最終節となった次戦アウェイのサラワクFA戦でも勝利し、MFL優勝の初タイトルを獲得したJDTは、これがリーグ6連覇の始まりとなりました。

2015年8月2日 JDT1-1サウスチャイナFC(香港)
 JDTとなってから初めての出場となったAFCカップの準々決勝第1戦は、ルシアーノ・フィゲロアがPKを決めて先制するも、追いつかれて引き分けに終わった試合でした。しかしアウェイとなった準々決勝第2戦に3-1と快勝して、JDTは準決勝にコマを進めました。
 しかし同年10月に政府の干渉があったとして、クウェートサッカー協会が国際サッカー連盟FIFAによる資格停止処分を受けたことから、同国のアル・カーディシーヤSCとの準決勝はJDTの不戦勝となり、JDTはAFCカップの決勝に進出しました。そしてイスティクロル・ドゥシャンベ(タジキスタン)との決勝戦ではレアンドロ・ベラスケスの決勝ゴールで1-0と勝利し、AFCカップ初優勝を飾っています。
 余談ですが、この年限りでJDTを退団したレアンドロ・ベラスケスは、今季2019 年にJDTに復帰しています。

2017年10月21日 JDT3-0ペラTBG
 前年までで既にリーグ3連覇を果たし、2016年にはFAカップにも優勝していたJDTにとって、マレーシアカップだけが手にできていない国内タイトルでした。第1戦を敵地で1-1と引き分けてむかえたマレーシアカップ準決勝第2戦のこの試合は、ゴンザロ・カブレラの2ゴールとガブリエル・ゲラ(現在はPKNS FC所属)のゴールでペラTBGを破り、決勝に進出しました。
 決勝ではクダFAを2-0で破り、マレーシアカップ初優勝を遂げています。

2019年5月8日 JDT1−0鹿島アントラーズ
 今季2019年、初めてAFCチャンピオンズリーグACL本選からの出場を果たしてJDT。ラーキンスタジアムでのACL初開催となった3月12日の慶南FC(韓国)戦では1-1の引き分けでACL初の勝点1を挙げました。続く4月24日の山東魯能泰山FC(中国)戦は0ー1で敗れ、迎えたホーム第3戦のこの試合でJDTは前年のACL王者、鹿島アントラーズを現在のフル代表のエースと言っても過言ではないシャフィク・アーマドのゴールで破って嬉しいACL初勝利を記録しています。
 ACL初出場で予選グループGでは1勝1分4敗という結果に終わったJDTですが、サザンタイガーズ(南の虎)の愛称通り、ACLに爪痕は残せたと思います。来季2020年はアウェイでの勝点獲得を目標に頑張ってもらいたいです。

10月20日のニュース:マレーシアカップ準決勝で偽造チケットが見つかる、ケランタン州サッカー協会のアドバイザーに現職国防大臣が就任

マレーシアカップ準決勝で偽造チケットが見つかる
 10月19日にクダ州アロースターで行われたマレーシアカップ 準決勝のクダFA対パハンFAの試合前に偽造チケットが見つかったこと英字ニューストレイトタイムズ電子版が伝えています。
 偽造チケットは、本物のチケットと比べると紙質が違っているものの、セキュリティー用のホログラムやチケット裏側にマレーシアフットボールリーグMFLのロゴが印刷されている一方で、ロゴ自体はMFLの古いロゴが使われていたようです。
 試合前日にファンによってクダ州サッカー協会に持ち込まれた偽造チケットは、オープンスタンドへの入場が可能なチケットで15リンギ(およそ390円)で売られていたということですが、準決勝のオープンスタンチケットは売り出しから数時間で売り切れとなっていたということで、準決勝当日には入場口で厳格なチケットのチェックが行われ、またクダFAは警察に被害届を出したことなどが記事では述べられています。

ケランタン州サッカー協会のアドバイザーに現職国防大臣が就任
 マレー語紙ブリタハリアン電子版では、現職のモハマド・サブ国防大臣がクランタン州サッカー協会KAFAのアドバイザーに就任したことが報道されています。
 現在は与党連合の希望同盟所属構成党の国民信任党党首を務めているサブ氏ですが、1990年代にはケランタン州選出の全マレーシア・イスラム党PAS所属の国会議員として2期務めた経験を持っており、クランタン州では知名度もある人物です。
 外国籍選手のシーズン途中での全員解雇や給料未払い問題など、このブログでも何度か取り上げてきたKAFAの厳しい財政状況は、その運営資金を州政府頼りとすることが限界に来ていることによります。現政権の閣僚がアドバイザーになることで、KAFAへの信用が増し、スポンサーが獲得へ繋がる可能性が高くなるだろうとこの記事はまとめています。
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 全マレーシア・イスラム党PASは、クルアーンやスンナといったイスラム法源に基づく「マレーシア・イスラム国家」を設立を党是とし、クランタン州やトレンガヌ州といったマレー半島東海岸の保守的な地域から大きな支持を得ている超イスラム政党です。このPASが州政府与党のクランタン州では、イスラム教に基づき金曜日が公休日であり、その前日の木曜日も多くの学校、企業が全休となっているなど、マレーシアの他の地域と一線を画している地域でもあります。

マレーシアカップ準決勝第1戦の結果まとめ

今季2019年最後のカップ戦マレーシアカップはいよいよ準決勝。その第1戦が、10月19日にジョホール・ダルル・タクジムJDTとクダFAのホームで行われました。なお、準決勝第2戦は、10月26日にスランゴールFAとパハンFAのホームで開催されます。

JDT2-1スランゴールFA
得点者:JDT-シャフィク・アーマド(15分)、レアンドロ・ヴァレスケス(49分)、スランゴールFA-イフェダヨ・オルセグン(17分)
 代表でも絶好調のシャフィク・アーマドがこの試合でもゴールを決めてJDTが先制しましたが、スランゴールもイフェダヨ・オルセグンがゴール前でDFをかわして巧みなシュートで同点ゴールを決め、前半を終了した試合はレアンドロが決勝ゴールを決めています。
 この試合はJDTのエース、ジオゴが負傷のため先発どころかベンチ入りもできない状況でしたが、FWの位置に入ったシャフィック選手がジオゴ不在を感じさせない活躍でチームを引っ張りました。個人的には、代表でもこのポジションを試してもらいたいのですが、代表のタン・チェンホー監督はこの試合をどう見たでしょうか。
 またスランゴールFAもエンドリックを欠くなど、ベストの布陣ではありませんでしたが、鼠蹊部(そけいぶ)負傷で出場のなかったサンドロ・ダ・シルバが2ヶ月半ぶりの復帰して75分プレーするなど朗報もありました。スランゴールFAのバスカラン・サティアナタン監督も1点を取れたことで第2戦に希望がつながったと述べるなど、悲壮感というよりもむしろ余裕が感じられるコメントがメディア上で見られました。
 ちなみに今季までMFL6連覇中のJDTですが、カップ戦に関してはこの6年間で2016年のFAカップ、2017年のマレーシアカップと2度の優勝にとどまっています。
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 ちなみに来季2020年から新たに建設されたスルタン・イブラヒムスタジアムがホームとなるJDTにとって、この日の試合がタン・スリ・ハサン・ユノススタジアムでの最後の試合となりました。マレーシアフットボールMFL6連覇が始まる前年の2013年からホームとして使われているこのスタジアムは、日本人にとっては、1997年11月16日に日本代表がイラン代表を破ってFIFAワールドカップ初出場を決めたラーキンスタジアムと言えばピンと来る方もいるかもしれませんね。

クダFA3−3パハンFA
得点者:クダFA-フェルナンド・ロドリゲス2(33分、40分PK)、ザクアン・アドハ(90分)パハンFA-ワン・ザハルニザム(14分)、ディクソン・ヌワカエメ(26分)、ノー・アザム・アジー(73分)
 前半で2-0とパハンFAがリードする展開となった試合は、クダFAが2-2と追いつきましたが、ケガのためFIFAワールドカップアジア予選のベトナム戦を欠場した代表MFのノー・アザム・アジーがゴールを決めパハンFAが3-2としました。このままパハンFAが逃げ切るかと思われましたが、途中出場のザクアン・アドハが試合終了直前にゴールを決め、クダFAが辛くも追いついて引き分けとなりました。

10月17日のニュース:サバFAは新監督を外部招聘、トレンガヌFAは新たにTDを設置、ルクマンをU22代表候補合宿へ招集か

サバFAは新監督を外部招聘
 今季2019年のMFL2部プレミアリーグ優勝のサバFAは、新監督を外部から招聘する予定であることが、東マレーシアの英字紙デイリーメイル電子版で伝えられています。
 今季サバFAの監督を務めたジュリアス・アティン監督は、来季2020年よりマレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグへ昇格しますが、スーパーリーグが監督資格の一つとして挙げているアジアサッカー連盟AFCのプロライセンスを保持していないため、今回の外部招聘となったと、サバ州サッカー協会SABA年次総会席上でサバFAのダト・ピーター・アンソニー会長が発表しています。
 元サバFAの主将も務めたアティン監督を含め、サバFA内にはAFCプロライセンス保持者がいないため新監督はサバ州外から招聘すること、既に候補者の人選も終わっていることなどなども発表されています。またアティン監督は今季の新監督の元でアシスタントコーチを務めることになっています。
 新監督の他、新外国籍選手も最終候補者が決まっているようで、ピーター会長の言葉を借りると「新外国籍選手は皆を驚かすような選手で、JDTの選手よりも良い選手である」とも述べています。
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 JDTの選手より良い選手、というのがとても気になります。ジオゴ級の選手を獲得するくらいの気概があれば、昇格組ながらスーパーリーグに旋風を巻き起こすかも知れません。

トレンガヌFAは新たにTDを設置
 来季に向けて今季途中から指揮を取っていたナフジ・ザイン監督代行が新監督に昇格するトレンガヌFC。このトレンガヌFCを運営するトレンガヌ州サッカー協会PBSNTは、来季からテクニカルダイレクターTDを職を設けることを発表しています。なおマレーシアサッカー協会FAMは、MFL各クラブへの来季クラブライセンス交付要件の一つにTD設置を挙げています。
 PBSNTのヒシャムディン・アブドゥル・カリム副会長は、トレンガヌFC各年代のチーム(トレンガヌFC IからトレンガヌFC V)の監督、コーチが全員決定した後になること、またPBSNTの経営状況にもよるとしながら、トレンガヌFC全体を統括するTDの人選を進めたいと話していると、マレー語紙ブリタハリアン電子版が伝えています。
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 トレンガヌFC関連では、来季のトレンガヌFC II(Bチーム)はテンク・ハズマン・ラジャ・ハサン監督が退任し、後任にロシャディ・ワハブアシスタントコーチの昇格が決まっている他、トレンガヌFC III(U22チーム)はバドルル・アフザン・ラザリ監督、トレンガヌFC IV(U19チーム)はワン・アドレミー・インデラ・ワン・アドナン監督の就任が決まっています。

ルクマンをU22代表候補合宿へ招集か
 このブログでも何度か取り上げたマレーシア期待の17歳ルクマン・ハキム・シャムスディンが、来月11月末から開催される東南アジア競技大会シーゲームズに出場するU22代表候補合宿に招集されたようです。
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によると、11月2日から10日までカンボジアのプノンペンで開催されるアジアサッカー連盟AFC U19選手権予選に出場した後、U22代表候補合宿に参加するようです。
 U22代表のオン・キムスイ監督は、ルクマン選手に取っては初めての飛び級となるU22代表レベルで通用するかどうかを見ることが第一で、当然ながらポジションが自動的に与えられるわけではないとし、シーゲームズまでの合宿や練習試合の結果で、他の選手と同じように評価されるとしています。
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 先日のベトナム戦敗戦を受け、不振のFWノーシャルル・イドラン・タラハの代わりにルクマン選手を使うべきといった新聞記事(記事はマレーシア語です)なども出ており、ルクマン選手の今後に注目したいと思います。