2月11日のニュース:マラッカUはタイ人DFを獲得して外国籍選手枠が埋まる、JDTはいよいよ明日ACL初戦

マラッカUはタイ人DFを獲得して外国籍選手枠が埋まる
 マラッカ・ユナイテッドは5人目の外国籍選手としてナルポン・ワイルド・プッソーンの加入を発表しています。なおナルポン選手は東南アジア(アセアン)出身選手枠での契約となったいます。
 「ナザ」の愛称で呼ばれていると言うナルポン選手は、31歳でセンターバックあるいは守備的ミッドフィルダーでプレーする選手ということです。
 昨季はタイ1部リーグのナコーンラーチャシーマーFCでプレーしたナルポン選手ですが、2013年にプロ生活をスタートさせたのはバンコク・ユナイテッドFCで、その後はタイリーグの複数のクラブに所属しています。
 ナルポン選手は、先日行われたトレンガヌFC IIとのプレシーズンマッチに出場したものの、公式発表がなかったことから、サポーターの間で「謎の選手」とされていましたが、今回晴れてお披露目となりました。
(ナルポン選手入団を発表するマラッカ・ユナイテッドのFacebookより)

JDTはいよいよ明日ACL初戦
 マレーシアフットボールリーグの今季開幕は2月28日ですが、それに先駆けて、ジョホール・ダルル・タジムは、明日2月12日にアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLの初戦を迎えます。
 初戦の相手は昨季の天皇杯覇者ヴィッセル神戸で、敵地の御崎公園球技場(なぜかAFCチャンピオンズリーグの試合では、ノエビアスタジアム神戸の名称は「御崎公園球技場」となるそうです)での対戦です。
 試合前ということで今回は映像中心、文字少なめにしてみました。
(ヴィッセル神戸の公式サイトより)

昨季のJDTは、ACLグループステージでは鹿島アントラーズと同じグループに入り、1勝1敗と健闘しています。
下はJDTが鹿島を1-0で破ったホームの試合のダイジェスト(AFCの公式Youtubeチャンネルより)

こちらは鹿島に1-2と敗れたアウェイの試合のダイジェストです。(AFCの公式Youtubeチャンネルより)

こちらはヴィッセル神戸の試合前日記者会見映像(ヴィッセル神戸のFacebookより)

JDTは映像がないので記者会見と前日練習の写真だけです。(いずれもJDTのFacebookより)

2020.02.12追記-JDTのFacebookにも試合前練習と記者会見の様子がアップされているの、こちらも載せておきます。

2月10日のニュース:国内第2の金融グループがMFL1部の冠スポンサーに、スランゴールFCのホームに今季使用不可の可能性が浮上

国内第2の金融グループがMFL1部の冠スポンサーに
 
マレーシアフットボールリーグMFLの公式サイトでは、マレーシア第2の金融グループCIMB社がMFL1部スーパーリーグの冠スポンサーとなることを発表しています。これにより今季2020年シーズンのMFL1部の名称はCIMBスーパーリーグとなります。
 MFLはマレーシア最大のマルチメディア企業テレコム・マレーシア社(TM社)と3年間にわたるスポンサー契約を結んだことを発表したばかりですが、今回の契約はそれに続く有名企業との契約となります。なおCIMB社はMFL開幕戦として開催される昨季2019年シーズンのスーパーリーグ覇者ジョホール・ダルル・タジムJDT対昨季のFAカップで優勝したクダFAが激突するスンバンシーカップの冠スポンサーになることも決定しています。
 CIMB社は、2016年のリオオリンピックのケイリン競技のメダリストでもある「ポケット・ロケットマン」ことアジズル・ハスニ・アウァンや、アジア人としてスカッシュの世界ランキング1位になったニコル・デイヴィッドなどマレーシア人アスリートを支援してきた他、自社のNPOであるCIMB基金を通じて様々なスポーツの草の根活動にも支援を行なっており、今季クダFAでプレーするハディン・アワンやPJシティーのコギレスワラン・ラジ、パハンFAのデニシュ・ラジャシンガムなど、MFLでプレーする選手の中にもこのCIMB基金の支援を受けたアカデミーの出身者がいます。
 この他、CIMB社の運営するCIMB銀行発行のクレジットカード利用者は、MFLの試合のチケットが割引になることも発表されています。。
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 他のメディアの報道によれば、MFLとCIMB社のスポンサー契約は2年のようですが、TM社に続きCIMB社のスポンサー額は公表されませんでした…
 また、TM社とCIMB社がそれぞれ冠スポンサーとなったTMマレーシアカップ、CIMBスーパーリーグ、CIMBスンバンシーカップと出そろったところで、気になるのがMFL2部プレミアリーグのスポンサー契約です。2016年から2018年まではスポーツドリンクの100プラスがスポンサーでしたが、今季はMFLが冠スポンサーとして政府系企業と交渉中という噂が出ています。
(下はCIMB社とのスポンサー契約を伝えるMFL公式サイトの告知)

スランゴールFCのホームに今季使用不可の可能性が浮上
 今季は2月28日に開幕するMFLに向けて、各クラブは最終調整に余念がありませんが、MFLも開幕に向けて各クラブの本拠地がリーグが規定する条件に適応しているかどうかの検査を行なっています。そんな中、スランゴールFCのホーム、シャーアラムスタジアムがMFLによる検査で不適合と評価されていることがわかりました。
 マレーシアの通信社ブルナマによると、シャーアラムスタジアムの観客席を覆っている屋根部分の一部が剥がれ落ちており、MFLのシャズリ・シャイク・モハマドCOOがスランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FASに対して、リーグ開幕前までにこの状況の改善を要望したということです。
 シャズリCOOは、MFLの試合で使用される全てのスタジアムはリーグ開幕日の2月28日から最低でも1週間前までには試合開催の認可を受ける必要があり、シャーアラムスタジアムについては、後日、再度検査を行うと話す一方、この要望後も改善が見られなければ今季中のMFLの試合開催許可は出せないとしています。
 同じ記事の中ではFASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長へもインタビューが行われており、シャーアラムスタジアムの損傷については把握しているものの、その修理についてはFASの管轄ではない上、その予算もないとしています。
 シャーアラムスタジアムを管理するダルル・エーサン施設管理社(DEFM社)は数ヶ月前に屋根を修理する業者選定のための入札を行ったことは知っていると言うジョハン事務局長ですが、MFLによる査察とその状況改善の要望については承知していないと話しています。また万が一、シャーアラムスタジアムの使用許可が出ない場合には、スランゴールFCはMFLに協力して、他のスタジアムでホームゲームを開催するとしています。
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 先月1月に開催されたスランゴールアジアチャレンジ(SAC)では、観戦中に降り始めた雨が破れた屋根のすき間から吹き込んできたため、屋根の下にいるのに濡れてしまうという経験を私もしました。1994年完成のシャーアラムスタジアムは大掛かりな補修などはこれまでも行われていません。
 シャーアラムスタジアムが使えなくなる、と言う最悪の事態は避けたいところですが、万が一そうなった場合には、PJシティーFCのホームであるMBPJスタジアム、昨季までスランゴール・ユナイテッドがホームとしていたスラヤン市営スタジアム、UITM FCのホームであるUITMスタジアムなどが候補に上がっていますが、どれも満員になれば8万人収容となるシャーアラムスタジアムの代わりにはならず、上記のどのスタジアムで試合を行っても、スランゴールFCにとって収入面では大きなマイナスです。


 

2月9日のニュース:(速報)JDTがAFCカップ過去10年のベストクラブに選出、クラスニキは3月のWC予選出場が可能に、

(速報)JDTがAFCカップ過去10年のベストクラブに選出
 アジアサッカー連盟AFCが公式サイトで行っていたAFCカップ過去10年のベストクラブ投票に、マレーシアフットボールリーグMFLのジョホール・ダルル・タジムJDTが選ばれました!
 AFCの公式サイトで紹介されている投票結果では、総投票数81,192の内、JDTは総投票数の80%を占めてダントツの1位、以下アル・クウワ・アル・ジャウウィーヤ(イラク)が同12%、アル・カーディシーヤ・クウェート(クウェート)が同6%、以下アル・クウェートSCが同2%、アル・アヘド(レバノン)が1%となっています。
 JDTの選手やスタッフ、フロントの皆さん、おめでとうございます!
(下の写真はAFCのFacebookより、またJDTが優勝した2015年AFCカップ決勝の映像はAFCのYoutubeより)

クラスニキは3月のWC予選出場が可能に
 帰化選手になったばかりのリリドン・クラスニキ(JDT)は3月に再開する国際サッカー連盟FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選に出場することが可能になった、英字紙スター電子版が伝えています。
 マレーシアサッカー協会FAM副会長で、フル代表のチームマネージャーを務めるモハマド・ユソフ・マハディ氏によると、3月26日に敵地で対戦するアラブ首長国連邦が、選手登録締め切り日の3月20日を前に、アルゼンチン出身のFWセバスティアン・ルーカス・タグリアブエ、ブラジル出身のFWカイオ・カネド・コレアとMFファビオ・ヴィルジニオ・ジ・リマの3名を出場選手登録したことから、FAMもクラスニキ選手を出場選手登録したようです。クラスニキ選手はこのUAE戦以外にもその後に予定されているヴェトナム戦(3月31日)、タイ戦(6月9日)にも出場が可能となります。(もちろんフル代表のタン・チェンホー監督がクラスニキ選手を招集すればの話ですが)
 試合当日にベンチ入りする選手の登録は、UAE戦の場合、前日の3月25日ですが、この日はクラスニキ選手がマレーシア滞在5年目が終了する日でもあることから、FAMはFIFAとの間でクラスニキ選手の登録を協議しているとしています。

2月8日のニュース:TMが正式にMFLのスポンサーに-試合のストリーミング配信も実施、マレーシアよりインドネシアで有名なマレーシア人コーチ、Jクラブへお勧めのCB3名

TMが正式にMFLのスポンサーに-試合のストリーミング配信も実施
 マレーシア最大のマルチメディア企業テレコムマレーシア(TM社)は子会社のTMマルチメディア社TMMを通じて、マレーシアフットボールリーグMFLのメインスポンサーとなったことを、MFLの公式サイトが公表しています。
 今回のスポンサー契約期間は3年間で、TM社はマレーシアカップの冠スポンサーとなり、今季2020年シーズンからその名称がTMマレーシアカップとなることも併せて発表されています
 さらにTM社のインターネット接続事業部門Unifi(ユニファイ)のストリーミングチャンネルUnifi TVが、MFL1部スーパーリーグとマレーシアカップは全試合を、またFAカップは一部の試合をストリーム配信することも併せて発表されています。(MFL2部プレミアリーグのストリーム配信はないようです。)
 なお配信を観戦するには、Unifiと契約すればテレビはもちろん、携帯のアプリなどでも感染が可能なようです。またUnifiと契約しなくとも、試合観戦パックを購入することも可能で、価格は以下の通りとなっています。
・1試合観戦パス – 3リンギ(およそ80円)
・1ヶ月観戦パス – 15リンギ
・スーパーリーグ年間パス – 100リンギ
・FAカップ年間パス – 100リンギ
・マレーシアカップ年間パス – 50リンギ
・チームVVIPチームマレーシアパス – 120リンギ
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 最後の「チームVVIPチームマレーシアパス」の内容がどのようになっているのかは記事からはわかりませんが、スタジアムに足を運べば入場料が最低でも15リンギはするので、多くの試合を見たいサポーターにはお得な価格設定だと言えるでしょう。
 ちなみに昨季はNetflixの廉価版ともいえるiFlixがスーパーリーグやマレーシアカップの試合を無料で配信していたのですが、MFLの発表では「独占」放映権という表現も見られたので、今季の配信は行われない可能性が高そうです。
 なお別のメディアの報道では、TM社とのスポンサー契約発表会見に集まった報道陣からスポンサー金額についての質問が出た際、MFLのダト・ハミディン・モハマド・アミン会長はその金額についてMFL1部と2部の各クラブには伝えると話す一方で、メディアに伝える必要はないと公表を拒否したとのことです。以前このブログでも取り上げたTM社とMFLの大型スポンサー契約が頓挫(とんざ)したことから、MFLは少々神経質になっているのかも知れません。(ネット上では3年間で3000万リンギ(およそ8億円)といった噂もみられます。)
 またTM社に加えて、マレーシア第2の銀行グループCIMB社がカップ戦スポンサーに参入する噂も出ていますので、こちらも確定次第、取り上げたいと思います。

マレーシアよりインドネシアで有名なマレーシア人コーチ
 フル代表監督としてアセアンサッカー連盟AFF選手権スズキカップで優勝経験もある元PKNS FC監督のラヤゴパル・クリシュナサミ氏が海外での指導を希望している、という話を取り上げた際、既に海外で指導しているマレーシア人コーチとして紹介したラジャ・イサ・ラジャ・アクラム氏を、サッカー専門サイトヴォケットFCがちょうど取り上げています。
 ラジャ・イサ氏がインドネシアへ来たきっかけは、前回も書いた通り元トレンガヌFCのイルファン・バクティ・アブ・サリム氏がインドネシアのパプア州にあるプルシプラ・ジャヤプラ監督として招聘(しょうへい)された際のアシスタントコーチを務めたことでした。
 ヴォケットFCのインタビューでは、2007年、プルシプラ・ジャヤプラは当時の監督だったブルガリア人のイヴァン・コレフがインドネシア代表監督に就任したことによって監督不在となり、招聘されたラジャ・イサ氏が自分の代わりにイルファン・バクティ氏を推薦し、自分がアシスタントコーチになったと話しています。
 「当時、自分はペルシス・ソロ(中央ジャワにあるクラブ)の監督に就任するつもりだったが、イルファン・バクティ氏に招かれて、共にプルシプラ・ジャヤプラを指導することになった」と話すラジャ・イサ氏ですが、イルファン・バクティ氏がマレーシアのプルリスFAの監督に就任することとなり、その半年後には、プルシプラ・ジャヤプラの監督に就任し、2007年のコパインドネシア(当時、現インドネシアンカップ)では、当時絶頂期だったスリウィジャヤFCにPK戦で敗れるも準優勝を果たします。
 その後は下のインフォグラフィックにもある通り、その後もラジャ・イサ氏は2015年から2016年までUITM FCの監督を務めた以外は、インドネシア1部から3部リーグまでの様々なクラブで指導を続けてきました。(インフォグラジックはヴォケットFCのサイトより)

 そんなラジャ・イサ氏によると、サッカーに対する関心はマレーシアとは比較にならないほど高いようで、例え3部リーグの試合であっても数千人の熱狂的なサポーターが集まるということで、毎試合スタジアムが満員になるクラブが数えるほどしかないマレーシアリーグと比べると、観客動員という点では、インドネシアに軍配が上がるようです。しかしその一方で練習施設や競技場といったインフラの面ではマレーシアに遅れをとっているということです。
 54歳のラジャ・イサ氏は、将来は代表チームの監督を目指したいと話しており、実際に2010年には東ティモール代表の監督就任の話もあったようですが、そのときは残念ながら実現しなかったようです。

Jクラブへお勧めのCB3名
 昨日取り上げた、日本のクラブがマレーシア人センターバックを探している、という記事を掲載したサッカー専門サイトのヴォケットFCが続報として、Jクラブへお勧めのセンターバック3選手を紹介する記事を掲載しています。
 東南アジアの選手にとって日本でプレーすることは競技レベルの高い環境でプレーできることだけでなく、ヨーロッパでプレーする飛び石にもなる、という書き出しで書かれた記事で紹介されているのは以下の3選手です。
1. アダム・ノー・アズリン(JDT、24歳)
 昨年の東南アジア競技大会シーゲームズでは、オーバーエイジ選手としてU22代表にも加わったアダム選手は、代表でも完全なセンターバックというよりも守備的ミッドフィールダーです。フル代表では準レギュラーと言った位置付けですが、JDTでは主力選手として活躍し、AFCチャンピオンズリーグACLで対戦したアウェイの鹿島戦でもフル出場し、日本のサッカーを体験している選手です。
2. シャルル・サアド(ペラTBG、26歳)
 現代表のセンターバックを務めるシャルル選手は、準優勝した2018年のスズキカップでも活躍し、今回のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選全てに出場しています。
3. ハリス・ハイカル(スランゴールFC II、18歳)
 マレーシアサッカー協会FAMが運営するエリート選手アカデミーのAMDを卒業し、スランゴールFCのBチーム、スランゴールFC IIに加入したばかりのハリス選手は、昨年2019年のAFF U18選手権準優勝に貢献しただけでなく、飛び級でU22代表に招集され東南アジア競技大会にも参加するなど最も期待されているディフェンダーで、守備だけでなく積極的な攻撃参加も魅力的な選手です。
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 日本のクラブ(探しているのはJ2のクラブらしいです)が求めるのが即戦力なのか、育成枠扱いなのかにもよりますが、個人的にはハリス選手にチャンスが巡ってくると良いですね。この年代は東南アジアでは良い成績を残している年代なので、高みを目指してほしいです。そしてフル代表になったときに、国内ではなく日本のクラブから招集される、なんてことになるとフル代表も強くなりそうです。

2月7日のニュース:クラスニキのマレーシア国籍取得に様々な反応、TMが今季のMFLスポンサーに復帰、日本のクラブがマレーシア人選手を募集、MFLがFAカップ予選詳細を発表

クラスニキのマレーシア国籍取得に様々な反応
 先日、このブログでも取り上げたコソボ出身のリリドン・クラスニキ(JDT)のマレーシア国籍取得について、英字紙ニューストレイトタイムズは、ソーシャルメディア上では様々な反応がみられると報じています。
 クダFAで4年、マラッカ・ユナイテッドで1年プレーし、国際サッカー連盟FIFAが規定する帰化選手の条件を満たすクラスニキ選手がマレーシア国籍を取得したことに対し、多くのサッカーファンはクラスニキ選手が今後、フル代表でプレーすれば代表の戦力強化につながるとしてこれを歓迎しています。
 しかしその一方で、マレーシア国内にいる「無国籍」状態の子どもの問題と絡めて、「無国籍の子どもは全員JDTでプレーすれば良い。そうすればすぐにマレーシア国籍が取得できる」と皮肉を込めたツイートや、「マレーシア国籍を申請するには最低12年の滞在歴が必要であると憲法で規定されているが、クラスニキ選手がマレーシアに来たのは2015年である」と憲法を持ち出して非難するツイートなどもみられるます。
 この他、マレーシアサッカー協会FAMが帰化選手を活用してアジアの強国と競えるようになることへの期待がある一方で、帰化選手に安易に依存することへの批判などもあるとニューストレートタイムズは報じています。
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 クラスニキ選手の国籍取得が「無国籍」状態の子どもと対比されているのは、それだけ「無国籍」状態の子どもがマレーシアでは深刻な問題であるため、このような反応となって現れたのでしょう。例え片親がマレーシア人であっても、両親が正式な婚姻届を提出する前に生まれた子どもには自動的にマレーシア国籍が与えられないため、その子どもは「無国籍」状態になってしまいます。またインドネシアやフィリピンからやって来るいわゆる出稼ぎ(そしてビザを持たない不法の)労働者とマレーシア人女性の間に子どもが生まれ、届出をすれば自分の不法就労がバレてしまうことから、届出をせずにいるケースも多いようです。
 「無国籍」状態の子どもの数はフィリピンやインドネシアと隣り合うサバ州ではおよそ5万人、一説には全国では20万人を超えるとされ、不法労働者の中には数十年に渡ってマレーシアに滞在しているケースもあることから、「無国籍」状態の親が産んだ子どもが「無国籍」になるケースなどもあり、正確な人数の把握は難しいようです。また、そういった子どもたちが教育を受けられなかったり、仕事につけないなど人権問題にもなっています。
 また無国籍状態の子どもがマレーシア国籍を取得できる年齢の上限が21歳と法律で定められており、それを過ぎると国籍取得は事実上困難になるため、28歳のクラスニキ選手がマレーシア滞在わずか5年で国籍を取得したことがダブルスタンダードであると非難する声が上がっています。

TMが今季のMFLスポンサーに復帰
 マレーシア最大のマルチメディア企業のテレコムマレーシア社TMが、今季のマレーシアフットボールリーグMFLの冠スポンサーとして復帰すると、マレーシアの通信社ベルナマが報じています。
 TM社は子会社TMマルチメディア社を通じて、マレーシアフットボールリーグMFLとのスポンサー契約締結イベントをを本日2月7日に開催することをメディア向けに告知しているようです。
 記事のタイトルに「復帰」とつけましたが、2018年1月にTM社はインターネットサービスプロバイダー事業部門のUnifi(ユニファイ)をリーグの冠スポンサーとしたスポンサー契約をMFLとの間で締結しました。その額は8年契約で4億8000万リンギ(およそ128億円)で、マレーシアのスポーツスポンサー契約としては史上最大として大きなニュースになりましたが、その翌年2019年3月にはMFLとTM社の双方が契約破棄を発表し、1年ほどでこの契約は頓挫してしまいました。その後、MFLはTM社に対する損害賠償訴訟を起こしましたが、昨年2019年10月には訴訟を取り下げていました。

日本のクラブがマレーシア人選手を募集
 サッカー専門サイトのヴォケットFCは、日本の選手エージェントがマレーシアで選手を募集していると報じています。
 ヴォケットFCによれば、選手募集を行っているのは「世界中で愛されているサッカーを通じ、日本から世界へ挑戦をする人達のベストパートナーとなることを目指している」Goal Sports Agencyで、Twitter上に以下のようなツイートを日本語で掲載しています。

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 このように日本語でツイートしているということは、このGoal Sports Agencyさんが募集しようとしているのは「日本から世界へ挑戦をする」選手、つまり日本から来てマレーシアリーグでプレーしたい選手ということでしょうか、それとも日本語が読める人に向けてマレーシア人選手を紹介してほしい、ということなのか、この情報だけではわかりませんね。
 日本のクラブがマレーシア人を求めているとすると、この年代でMFLの試合に出ている選手と言えば、アキヤ・ラシド(JDT)くらいしか思いつきませんが、彼はFWなので該当しません。年代的には各クラブのプレジデントカップ(U21)やユースカップ(U19)チームに所属している選手となるので、MFL(Aチーム)でプレーできていない段階で、日本へ行っても試合に出られるのかどうかはわかりません。
 そう言えばスランゴールFCのBチーム、スランゴールFC IIには今季、マレーシアサッカー協会FAMのエリート養成のサッカーアカデミーAMDからの卒業生が退去加入しているので、その辺りなら候補者がいるかも知れません。

MFLがFAカップ予選詳細を発表
 マレーシアフットボールリーグMFLの公式サイトでは、今季のFAカップ予選の詳細が発表されています。
 MFL3部と4部に当たるM3リーグとM4リーグに所属する30クラブが対戦する予選は今月2月15日と16日の対戦カードは既に決まっていましたが、試合会場や時間は発表になっていませんでした。なお、予定されていた試合のうち、ノッサブキジュルトンFCとクルアンFAの試合は、クルアンFAが出場を取りやめたため、ノッサブキジュルトンFCが一回戦へと駒を進めています。
 この予選を勝ち上がった16クラブと予選を不戦勝で勝ち上がった8クラブが1回戦で対戦し、2回戦からはMFL1部と2部のクラブが登場します。
 詳しい試合日程はこちらです。

2月6日のニュース:スランゴールFCはインドネシア遠征取りやめ、サラワクUは選手・スタッフにメディアとの接触を禁止、JDTがAFCカップの過去10年間のベストクラブ候補に上がる

スランゴールFCはインドネシア遠征取りやめ
 新型コロナウィルスの影響により中国遠征を取りやめたスランゴールFCは、インドネシアのジャワ島で開催される大会への参加が噂されていましたが、結局、出場を取りやめたことをスポーツ専門サイトフォックスポーツが報じています。
 サバFAも出場するすることになっている、この東ジャワ州知事杯大会は2月10日から始まりますが、スランゴールFCのバスカラン・サティアナタン監督は、2月28日のシーズン開幕に向けた準備は最終段階に入っており、現在の練習では戦術理解や選手間の連携確認に重点を置いているとして、長距離を移動する上、予選だけで5日間で3試合、決勝まで残れば11日間で5試合という日程の大会出場は今の時期には適切ではないと話しています。
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 中国遠征に続き、インドネシア遠征も中止したスランゴールFC。ドバイで合宿を行ったジョホール・ダルル・タジムJDT、カンボジアでの大会に参加したクダFA、現在はタイ遠征中のトレンガヌFCと、ライバルたちが国外で質の高い練習試合を組む一方で、バンコク・ユナイテッド(タイ)、ハノイFC(ベトナム)、プルシブ・バンドン(インドネシア)を招いて地元で行ったスランゴールアジアチャレンジSAC大会でも2試合しかできておらず、試合不足の感は否めません。
 クダFAとともに打倒JDTの一番手と思っていますが、大型補強を行ったにもかかわらず、昨季同様スタートダッシュにつまづくと、サティアナタン監督解任論が浮上する可能性もあります。

サラワクUは選手・スタッフにメディアとの接触を禁止
 英字紙ニューストレイトタイムズによると、MFL2部のサラワク・ユナイテッドは選手、コーチ及びスタッフにメディアとの接触を禁止したようです。
 サラワク・ユナイテッドは、昨季2019年シーズンにMFL2部に所属していたスランゴール・ユナイテッドの経営権をサラワク州サッカー協会FASが買い取り、さらにそのリーグ所属権を譲渡された結果誕生したクラブです。昨季、同じMFL2部にはFASが運営するサラワクFAが存在していましたが、このクラブはリーグ最下位となった後、MFL3部のクチンFAとの入れ替え戦に敗れ、降格しています。
 サラワク・ユナイテッドのチームマネージャーを務めるハムザ・イブラヒム氏は、現在クラブは開幕に向けての準備期間中のため、メディアに対しては良い結果が出始めてから対応したいとニューストレイトタイムズに述べています。
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 このサラワク・ユナイテッドについては、先日のブログでスペイン出身のホアン・カルロス・マグロ監督が開幕を前に解任されたことを取り上げましたが、開幕が近づく一方で、プレシーズンマッチでのチームの不調もあり、このような措置になったのかもしれません。

JDTがAFCカップの過去10年間のベストクラブ候補に上がる
 アジアサッカー連盟AFC公式サイトでは、AFCカップの過去10年間のベストクラブを決める企画を行っています。
 AFCチャンピオンズリーグACLグループリーグに出場枠を持たない国のクラブを対象にした大会なので、日本のクラブとは無縁の大会ですが、いわゆるアジアの第2グループの国のクラブが、AFCクラブコンペティションランキングやクラブランキングのポイントを稼ぐには貴重な大会です。
 2004年から開催されているこのAFCカップでは、クウェートのクラブが4回優勝、イラクとヨルダンが同3回、シリアが同2回、バーレーンとレバノンが同1回と過去16回の大会の内、中東のクラブが14回優勝するなど中東のクラブが圧倒的な強さを誇っている大会です。そしての残り2回の大会では2011年にナサフ・カルシFC(ウズベキスタン)が、そして2015年にはJDTが優勝しています。
 そのAFCカップに過去10年間で出場したクラブからまずAFCが5クラブを選び、その中からサポーターの投票でベストクラブを選ぼうというのがこの企画です。候補となっている5クラブは以下の通りです。
・アル・クウワ・アル・ジャウウィーヤ(イラク):2016年から3連覇
・アル・クウェートSC(クウェート):2009年、2012年、2013年の覇者
・アル・カーディシーヤ・クウェート(クウェート)2010年と2013年準優勝、2014年優勝
・アル・アヘドFC(レバノン):昨季2019年の覇者
・JDT:2015年優勝、2016年ベスト4
 なおAFC公式サイトでは、今週日曜日2月9日のマレーシア時間(世界標準時+8時間)の12時まで投票を受け付けています。

2月5日のニュース:シーズン開幕を前にPDRM FCの勝点3剥奪(はくだつ)が確定、デ・パウラの帰化申請の結果発表は数週間後、ACLは新型コロナウィルの影響で一部日程が変更に

シーズン開幕を前にPDRM FCの勝点3剥奪が確定
 先日もこのブログで取り上げた通り、マレーシアフットボールリーグMFL1部のPDRM FCは2月28日のMFL開幕を前にして、既に勝点3の剥奪が確定しました。
 マレーシアサッカー協会FAMは、1月31日までに未払い給料完済あるいは未払い給料支払い方法について選手及びスタッフとの間で合意を得られなければ、今季MFLでの勝点剥奪処分を科すとの警告を、PDRM FCの他、MFL1部のマラッカ・ユナイテッドFCとMFL2部のケランタンFAにも出していましたが、マラッカ・ユナイテッドFCは270万リンギ(およそ7130万円、1リンギはおよそ26.4円)ある負債の内210万リンギを、ケランタンFAは160万リンギの負債の内の100万リンギを既に支払っており、また残る未払い給料については両クラブとも選手との間で完済まで期限についての合意が得られているということで今回、勝点の剥奪がないことが、FAMのホームページで告知されています。
 マレーシア王立警察が運営するPDRM FCは、2月28日までにこの未払い給料問題の解決ができない場合、さらに勝点6が剥奪されることになっています。
 またFAMは選手への給料未払い問題が解決した後は、税務署、従業員積立基金EPF、従業員社会保障制度SOCSOなど公的機関に対する各クラブの負債の有無についての調査を行うとしています。
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 PDRM FCの給料未払い問題については、昨季在籍し、5ヶ月以上の給料が未払いになっているコーチ選手がクラブから話し合いの提案などを全く受けていないことを他のメディアで明らかにしており、クラブの姿勢に疑問が出ています。2月28日の期限を過ぎ、次の期限となる3月30日にまでに進展がなければ、今季の出場停止と自動降格の処分が下されることになっています。
(下はFAMのホームページで発表された各クラブへの処分の告知)

デ・パウラの帰化申請の結果発表は数週間後
 一昨日発表されたリリドン・クラスニキ(JDT)のマレーシア国籍獲得の際に話題となったのが、もう1人の帰化選手候補であるブラジル出身のギルェルメ・デ・パウラ(ペラTBG)。このデ・パウラ選手の帰化申請について、マレーシアサッカー協会のスチュアート・ラマリンガム事務局長がマレー語紙シナルハリアンのインタビューに答えています。
 2016年シーズンはPDRM FCで、その後は昨季までクアラルンプールFAに所属、今季はペラTBGでプレーするデ・パウラ選手について、ラマリンガム事務局長はいくつか解決が必要な問題があるものの、2週間程度でそれらは解決できるだろうとしています。
 ラマリンガム事務局長は、FAMは(国籍取得を扱う)マレーシア内務省に対して一方的に国籍取得許可を依頼することはできず、、マレーシア人となるべき適切な人物を推薦し、関係各省と協力しながら国籍取得をサポートしていると述べています。

ACLは新型コロナウィルの影響で一部日程が変更に
 アジアサッカー連盟AFCは本部のあるクアラルンプールで緊急会議を開催し、新型コロナウイルス感染拡大の影響を考慮し、AFCチャンピオンズリーグACLグループステージの一部日程変更をホームページで告知しています。
 具体的には中国の4クラブ(北京国安、上海上港、上海申花、広州恒大)について、第1節から第3節までに予定されていた試合は全て4月あるいは5月まで延期となりました。また第4節以降についても、状況が大きく変化する叶瀬があることから、各試合日から21日前までに予定通り試合実施が可能かどうかを決定し、試合実施が不可能となった場合は試合日より14日前までにホームチームの責任で試合を行う中立国を決定するなどの措置をとることも言及しています。
 またこれに伴い、各グループの上位2クラブが出場するノックアウトステージ(ベスト16)の試合はは第1戦が6月16日あるいは17日、第2戦が6月23日あるいは24日へと変更になっています。
 AFCは当初、今季のACLグループステージ第3節までの中国クラブのホームゲームを全て対戦クラブのホームゲームと入れ替えることで対処しようとしていましたが、オーストラリアサッカー協会などから、中国からの入国が一時的に制限されており試合の開催が不可能であるとして、日程変更を求める声が上がっていました。
 この日程変更の結果、MFLチャンピオンとして出場するジョホール・ダルル・タジムJDT関連では、第2節の2月19日にJDTのホームで開催が予定されていた広州恒大との試合が5月20日に延期となっています。

2月4日のニュース:クラスニキがマレーシア国籍取得、FAMはプルリス州のクラブに州FAとは関わらないよう警告、AFCが本日緊急総会-コロナウィルスによりACL日程に変更も

クラスニキがマレーシア国籍取得
 今季ジョホール・ダルル・タジムJDTに加入したコソボ出身MFリリドン・クラスニキがマレーシア国籍を取得したことが、マレーシアサッカー協会FAMのホームページにて告知されています。
 クラスニキ選手は、昨季2019年はマラッカ・ユナイテッド(ただしケガのため試合出場はリーグ戦5試合のみ)、その前の4シーズンはクダFAでプレーし、国際サッカー連盟FIFAが規定する帰化選手申請の条件を満たしていました。
 FAMもクラスニキ選手の帰化の意思を確認した上で、同様の条件を満たしているブラジル出身のギリェルメ・デ・パウラ(ペラTBG)とともに、2人の帰化申請を後押しする意向を示していましたが、そのクラスニキ選手は1月1日付でマレーシア帰化申請が認められ、晴れてマレーシア人となりました。
 ただし、残念ながら即、フル代表入りとはいかないようで、FAMはFIFAに対してクラスニキ選手の国籍取得に関する書類等を送付後、審査を経る必要があるようですので、3月に迫ったFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選に間に合うかどうは微妙です。
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 クラスニキ選手は、MFLでは今後はマレーシア人選手登録となるため、JDTは既にいる5人の外国籍選手に加えてクラスニキ選手も同時にフィールド上に入ることが可能です。クラスニキ選手国籍取得のニュースは、マレーシア代表にとっては朗報ですが、JDTのライバルとなるマレーシアフットボールリーグMFLの他クラブにとっては悲報かもしれません。
(右はマレーシア の身分証明書MyKadを得たクラスニキ選手とFAMのりマリンガム事務局長-写真はFAMのホームページより)

FAMはプルリス州のクラブに州FAとは関わらないよう警告
 国際サッカー連盟FIFAは、給料未払い問題を解決しないプルリス州サッカー協会PFAに対し、昨年2019年よりサッカーに関するあらゆる活動の禁止処分を科しています。これに伴いマレーシアサッカー協会FAMは、今季2020年シーズンのMFL3部M3リーグに参加するPFA傘下の3クラブに対し、PFA自体とは無関係でいること、またフロントには元あるいは現PFA関係者を含めないよう警告していると、マレー語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、「プルリス」あるいは「(PFAが運営していたクラブチームの愛称)ノーザンライオンズ」をクラブ名に採用しているクラブにPFAの影響が見受けられる場合には、FIFAの査察が入る可能性や新たな処分が下される可能性があることから、FAMとしても監視を行う意向があることを明らかにしています。
 今季のM3リーグにはプルリス・ユナイテッドFC、クアラプルリスFC、MAHSAノーザンライオンズFCの3クラブが参加しますが、今回の警告は、これらのクラブが対象です。なお、プルリス・ユナイテッドFCについては、PFA関係者がフロントにいることが発覚したことから、先日日程が発表になった今季のFAカップへの出場が認められませんでした
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 PFAに対するFIFAの処分の解除は未払い給料完済が条件となっていますが、プルリスノーザンライオンズFC(当時MFL2部所属)、ノーザンライオンズII(同MFL3部)、プレジデントカップチーム(U21)、ユースカップチーム(U19)、フットサルチーム(男女)に対して300万リンギ(およそ7900万円)を超える未払い給料があるとされており、現時点ではMFLへの参加も認められていないため、スポンサー獲得もできない状態が続いており、未払い給料問題解決の目処は立っていません。

AFCが本日緊急総会-コロナウィルスによりACL日程に変更も
 マレーシアの通信社ベルナマによると、アジアサッカー連盟AFCは明日、本日2月4日にクアラルンプールにあるAFC本部で緊急会合を開催し、中国湖北省武漢市でのコロナウィルス感染拡大による影響を受け、今季のAFCチャンピオンズリーグACL東地区の日程変更を話し合う予定のようです。
 東地区のグループEには北京国安、グループFには上海申花、グループGには広州恒大、グループHには上海上港と、4つのグループ全てに中国のクラブが含まれており、各グループの初戦は2月11日と12日に予定されていますが、オーストラリア政府が外国人の中国からの入国を一時的に禁じているため、オーストラリアサッカー協会は、2月11日に予定されているパース・グローリー対上海申花、2月12日のシドニーFC対上海上港の2試合の延期を求めています。
 多くの国が中国からの入国を一時的に制限している他、中国への渡航を制限或は禁止している国もあり、いずれにしても当初の予定どおりの日程では開催されそうにありません。

2月3日のニュース:JDTが今季ユニフォームをド派手に発表、ファイズ・スブリはM3のクラブから再起を目指す、フェルダUは期待の若手が開幕に間に合わず

JDTが今季ユニフォームをド派手に発表
 今季のマレーシアフットボールリーグで7連覇を目指すジョホール・ダルル・タジムJDTが、今季着用するユニフォームの発表イベントを開催したことをFacebookで告知しています。5000人近いサポーターが参加したこのイベントで発表されたユニフォームは3年連続のナイキ社製ですが、なんとホーム、アウェイとも胸スポンサーがありません。胸スポンサーがない理由についてJDTのFacebookでは「JDTは、MFLで初の資産価値10億リンギ(およそ264億円)クラブという目標実現に向けて、(スポンサーが無くとも)クラブ自体の商業価値のみで運営可能であることを表現している」としています。
 なおマレーシアの通信社ベルナマの報道によれば、JDTとナイキ社のユニフォーム提供の契約は2023年まで延長されたようです。
 ユニフォーム発表イベントはFacebookでライブストリーミングで中継された他、ユニフォーム紹介の映像もFacebook上で公開されています。内容はドラマ仕立て版ミュージックビデオ仕立て版となっていて、ドラマ仕立て版では西部劇に出てくるようなサロン風の店にムスリム(イスラム教徒)の選手がいるのは良いのか、など突っ込みどころもありますが、選手の皆さんの素人っぽい演技には個人的には好感が持てました。
(下はユニフォーム発表イベントの様子と、今季着用の新ユニフォーム-いずれもJDTのFacebookより)

 ちなみに早速、ネット上ではナイキ社製のJDTの新ユニフォームが、ブンデスリーガのアイントラハト・フランクフルトの今季ホームユニフォーム(写真右)とただの色違いとの指摘も出ています。

でも、そんなこと言ったらロット社製のクダFAの今季サードユニフォームは、やはり同じブンデスリーガ、1.FSVマインツ05の昨季のカーニバルユニフォーム(写真右)との色違いだよ!

ファイズ・スブリはM3のクラブから再起を目指す
 国際サッカー連盟FIFAが2009年に創設したプスカシュ賞は、前年10月から当年9月までに開催されたリーグ戦やカップ戦、FIFA主催大会がで最も優れたゴールをした選手が授賞対象はとなる賞です。2016年にこの賞をアジア人として初めて受賞したのが当時MFLのペナンFAでプレーしていたファイズ・スブリでした。受賞対象となった、当時「重力の法則を無視した」と表現されたフリーキックの映像は下に張りましたが、ファイズ選手自身はその後、目立った活躍もないまま、2018年シーズン後にペナンFAを退団、このブログでもその後の所属クラブが決まらないことを取り上げましたが、結局、昨季はMFLでプレーすることはありませんでした。
 そのファイズ選手が、今季はMFL3部にあたるM3リーグのMAHSAノーザンライオンズFCでプレーすることが、クラブのFacebookで発表になっています。なおファイズ選手が所属するMAHSAノーザンライオンズFCは、今月中旬に行われるマレーシアFAカップ予選でクルテーFCと対戦することになっています。
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 プスカシュ賞を受賞したフリーキックの映像と、表彰式の映像を張りましたが、フリーキックの方は、どのように蹴ればあのような軌道になるのか、と思うような驚くような変化をするので、是非、見ていただければと思います。

2016年2月16日のMFL1部パハンFAとの試合で決めたフリーキックの映像はこちら。
プスカシュ賞授賞式でのスピーチはこちらです。

フェルダUは期待の若手が開幕に間に合わず
 フェルダ・ユナイテッドのアフィザル・アブ・オスマン事務局長は、チーム期待の若手であるダニエル・アミール・ノーヒシャムが昨年から患っている中足骨骨折の手術を受けることを公表しています。
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロによると、手術は明日2月4日に行われ、3週間程度は療養が必要であると語っています。昨季からのこの中足骨には悩まされており、昨季も5試合ほどは出場を見送るなどしていましたが、今季開幕前の手術に踏み切ることになったとアフィザル事務局長は話しています。
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 クラブで唯一のフル代表選手でもあるダニエル選手のこの時期の離脱は本人はもちろん、チームにとっても痛手なのは明らかです。チームはプレシーズンもメダンの大会で優勝するなど、開幕に向けて順調に来ていただけに、ダニエル選手の早期復帰が望まれます。

2月2日のニュース:サバFAはインドネシアでのプレシーズン大会に参加、サバFAは新外国籍選手獲得を発表、パハンFAも新外国籍選手らの獲得を発表

サバFAはインドネシアでのプレシーズン大会に参加
 サバFAはFacebook上で2月10日からインドネシアのジャワ島で開催される東ジャワ州州知事杯大会に参加することを発表しています。
 先月には隣国フィリピンでプレシーズンのキャンプやフィリピン1部リーグのスタリオン・ラグナFCと練習試合をこなしたサバFAは、クルニアワン・ドゥイ・ユリアント監督の母国インドネシアで開催される大会への招待を受けたことをサバFAを運営するサバ州サッカー協会SAFAのダト・ピーター・アンソニー会長が明らかにしています。
 この東ジャワ州州知事杯大会は、サバFA以外の7チームは全てインドネシアのクラブで、サバFAはマドゥーラ・ユナイテッド、プルセバヤ・スラバヤ、プルセラ・ラモンガンとともにグループAに入り、アレマFC、プルシク・ケディリ、プルシジャ・ジャカル、バヤンガラFCがグループBに組み込まれています。また、一部報道では、この大会にはスランゴールFCの参加も噂されていますが、その真偽は定かではありません。
 SAFAのアンソニー会長は、クラブは質の高い練習試合を希望する一方で、マレー半島にホームを持つクラブをサバFAのホームであるサバ州に招くのは難しいことから、この大会への参加を決めたこと、またこの大会では勝利もさることながら、2012年以来となるMFL1部復帰前にチーム内の連係を強化することを目的としていると話しています。
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 同じマレーシア国内ながら、サバFAのホームがあるサバ州や、サラワク・ユナイテッド、クチンFAのホームがあるサラワク州(いずれもボルネオ島)と他のMFLクラブのホームがあるマレー半島は結構離れていて、例えばクアラルンプールからサバ州のコタキナバルまでは飛行機で2時間30分以上、サラワク州のクチンまでも飛行機で2時間近くかかります。
 ちなみにマレーシア成立の経緯から、クアラルンプールやペナン、ジョホールバルなどマレー半島でマレーシアに入国した外国人がサバ州あるいはサラワク州へ入る際には、マレー半島を「出国」し、サバ州あるいはサラワク州に「入国」するためパスポートが必要で、逆もまた同様です。

サバFAは新外国籍選手獲得を発表
 またサバFAは同じFacebookページで新外国籍選手との契約を発表しています。サバFAに加入するのは、2018年シーズン以来の復帰となるプエルトリコ出身のピトことFWエクトル・ラモス(29、エルサルバドルのアリアンザFCより加入)とFWデニス・ブシェニング(28、タイのチャイナート・ホーンビルFCより加入)の両選手で、タイとドイツの国籍を持つブシェニング選手はアセアン(東南アジア)出身選手枠での登録となっています。
 なお、サバFAは昨季も在籍した韓国出身のDFパク・テスーとセルビア出身のFWロドリュブ・パウノヴィッチが残留しており、5つ目の外国籍選手枠が空いている状況ですが、SAFAのアンソニー会長は、前述したインドネシアでの大会後に決定したいとしています。


パハンFAも新外国籍選手らの獲得を発表
 昨季プレーした外国籍選手5名のうち、DFエラルド・グロンを除く4選手との契約を更新しなかったパハンFAは、ディクソン・ヌワカエメらとの再契約の噂などが出る一方で、ここまで新外国籍選手との契約発表は皆無でしたが、スポーツ専門サイトのフォックススポーツが、ブラジル人ストライカーと、フィリピンとイギリスの両国籍を持つ守備的ミッドフィールダーの獲得を報じています。
 キプロスのAELリマソールから加入する30歳のFWイヴァン・カルロス・フランサ・コエーリョは、インドネシアリーグのプルセラ・ラモンガンやプルシジャ・ジャカルタなどでもプレー経験がある選手です。
 またイギリス人の父親とフィリピン 人の母親を持つイギリス出身のMFアダム・マイケル・リードは、フィリピン代表でのプレー経験もあり、昨季プレーしたタイ1部リーグのチャイナート・ホーンビルFCより加入し、アセアン(東南アジア)出身選手枠での登録となります。
 また残る2つの外国籍選手枠について、パハンFAのチームマネージャーを務めるダト・モハメド・スフィアン・アワン氏は全くの未定であるとしながらも、フォワードとミッドフィルダーを候補にしているとしています。
 この他、パハンFAは同じMFLのジョホール・ダルル・タジムJDTから左サイドバックのムハンマド・ファズリー・マズラン(26)とストライカーのクマーハン・サタシバン(23)を期限付き移籍で獲得しています。