11月2日のニュース:タイ1部第10節-タンが今季初出場しエルドストールは今季初ゴール、クダ州政府州サッカー協会の2億7500万円超の所得税滞納の帳消しを交渉、ペラ州首相-州政府は2部降格のペラFCに対して身の丈にあった支援を行う

タイ1部第10節-タンが今季初出場しエルドストールは今季初ゴール
 2021/2022年シーズンのタイ1部リーグ第10節が10月30日と31日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCはチェンライ・ユナイテッドに勝利し7位から5位に浮上、DFドミニク・タンが所属するポリス・テロFCもポートFCを破って11位から10位とこちらも順位を上げています。

タイ1部リーグ第10節
2021年10月30日@ブンヤジンダースタジアム
ポリス・テロFC 3-3 レオ・チェンライ・ユナイテッド
 3位のチェンライ・ユナイテッドをホームに迎えた11位のポリス・テロFCがティーラテープ・ウィノータイの先制ゴールでリードを奪ったこの試合は、一度は同点に追いつかれたものの、ティーラテープ・ウィノータイがこの試合2点目のゴールを決めるなどしてポリス・テロFCが勝利しています。
 マレーシア代表のDFドミニク・タンは第10節にして84分に今季の初出場を果たしています。
 (試合のハイライト映像はタイリーグ公式Youtubeチャンネルより)

2021年10月31日@PATスタジアム
ポートFC 1-2 チョンブリーFC
 チョンブリーFCのDFジュニオール・エルドストールは今季初ゴールを48に決めています。なおエルドストール選手は先発してフル出場しています。
 (試合のハイライト映像はチョンブリーFCの公式Youtubeチャンネルより)

https://youtu.be/eqmjO1Nop7E

タイ1部リーグ順位表(第10節終了)

順位チーム試合得失差勝点
1ブリーラム・ユナイテッド98111425
2バンコク・ユナイテッド9622520
3BGパトゥム・ユナイテッド9612419
5チョンブリーFC10433715
10ポリス・テロFC10334112
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFC、ポリス・テロFCのみ表示しています。

クダ州政府州サッカー協会の2億7500万円超の所得税滞納の帳消しを交渉
 クダ州政府は日本の国税庁にあたる内国歳入庁に対し、1000万リンギ(およそ2億7500万円)に上るクダ州サッカー協会による所得税滞納金の帳消しを交渉する予定だとマレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 今年9月23日のクダ州議会で、クダ州サッカー協会が2014年から2019年3月までの期間で滞納している所得税が1000万リンギ超に上ることが明らかになったことを受け、クダ州のムハマド・サヌシ・モハマド・ノー州首相は州政府の財務担当大臣が内国歳入庁、クダ州サッカー協会、クダ・ダルル・アマンFCとの間での会合の席を設けたことを明かしています。「我々は内国歳入庁に対してこの滞納金を帳消しにするように依頼している。サッカーは州政府に利益をもたらすビジネスではないが、州政府はこれまではサッカーが国民的スポーツであることを考慮して、クダ州サッカー協会が運営するクラブへの資金提供を行なってきた。しかし、本来これは全面的にクラブのスポンサーによって賄われるべきものである。」と述べたモハマド・サヌシ州首相は、クダ州政府傘下のクダ州サッカー協会が抱えるこの1000万リンギ超の滞納金が帳消しになれば、その分を州民の福利厚生や開発に充当することできるとして、内国歳入庁に帳消しにすることを求めると話しています。
 モハマド・サヌシ州首相は、クダ・ダルル・アマンFCの来季2022年のクラブライセンス取得のためにこの滞納金問題についてこれ以前にも内国際入庁と話し合いを行なったことも明らかにしています。
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 この記事を読んで疑問に思うのは、マレーシアサッカー協会FAMやMリーグを運営するMFLが行ってきた毎年のクラブライセンス交付のための審査の精度です。クダ・ダルル・アマンFCは申請審査をパスして来季のクラブライセンスが交付されていますが、給料未払い問題により条件付きでの交付となったマラッカ・ユナイテッドFCやサラワク・ユナイテッドFCとは違い、特に何か条件付きの交付ということではありません。言い換えれば、この所得税滞納に関してはクラブライセンス交付を担当したMFL(審査はMFLの独立組織である第一審機関FIBが担当)からはなんのお咎めもなしということです。
 FAMやMFLはこれまでも内国歳入庁への滞納金などがあればクラブライセンスは交付されないと繰り返してきましたが、この記事を読む限り滞納は2014年からと長期間に渡っています。この間、この滞納の事実をFAMやMFLが見抜けなかったのか、あるいはクダ州サッカー協会が提出した審査書類に偽装があったのか、はたまた所詮はFAMと州協会の関係が「ずぶずぶ」で審査は単に形骸化したものなのか。いずれにしてもクダ州政府とクダ州サッカー協会だけの責任とは言えないように思えます。Mリーグ全てのクラブに対し、州政府の資金を使って運営する州協会(FA)運営型からスポンサーの資金で運営されるプロクラブ(FC)運営型(=民営化)への移行を求めているFAMとMFLですが、旗振り役の両者の目が節穴では、Mリーグクラブの完全民営化の実現はまだ先の話となりそうです。

ペラ州首相-州政府は2部降格のペラFCに対して身の丈にあった支援を行う
 ペラ州のサアラニ・モハマド州首相は、来季2部に降格するペラFCについて州政府として支援は行うとしながらも、従来のような多額の支援は行わず、運営に関してもペラFCを実質的に運営するペラ州サッカー協会主導で行うことを求めると述べています。
 マレーシア語紙ハリアンメトロは、サアラニ・モハマド州首相の「ペラFCはペラ州サッカー協会がその株式の100%を持つオーナーであり、その運営にはペラ州サッカー協会が責任を負うべきである。州政府としてはできる範囲での支援は行なっていくが、今年だけで既に500万リンギ(およそ1億3700万円)の支援を行なっている。1部復帰へ向けてどのようなチーム編成とするかはペラ州サッカー協会が考えるべきである。」という発言を紹介し、ペラ州政府は支援を継続することを表明する一方で、無尽蔵な支援は行わないと釘を刺したと報じています。
 ペラFCは今季途中に、給料未払い問題が発覚し、今季の開幕戦の先発XIの内8名が退団する異常事態となりました。その際にその批判の矛先がペラ州政府にも向けられた際には、サアラニ・モハマド州首相は1ヶ月あたりの運営費用が200万リンギ(およそ5500万円)かかるペラFCだけに州政府のスポーツ関連予算を振り分けるわけにはいかないと述べており、今季1部で11位となり2部降格となったことでペラ州政府が支援を打ち切るのではないかという声が上がっていました。
 現在はマレーシアカップ参戦中のペラFCですが、このマレーシアカップ中にも4名の外国籍選手との契約を解除しており、またカップ終了後には主力選手が放出されることが予想されています。さらにペラFCのセカンドチームで今季はMリーグ2部でプレーしたペラFC IIは運営資金不足から今季いっぱいで解散される可能性が取り沙汰されており、そうなれば主力が抜けたペラFCにペラFC IIの若手選手が合流して来季のチームが編成されることになりそうです。
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 上のクダ州サッカー協会に続き、ペラ州サッカー協会も州政府の公金に依存する体質からの脱却ができてないことが顕著なことを表す記事です。前身となるチームから数えると今年2021年がクラブ創設100周年だったペラFCですが、そんな記念の年にクラブ史上初となる2部降格となったのは、民営化を進めて次の新たな100年に向けての一歩を踏み出せという暗示なのかも知れません。


マレーシアカップ-グループステージ第3節結果

 代表のヨルダン遠征などにより9月30日以来中断していたマレーシアカップのグループステージが再開し、第3節の7試合が10月29日(金)と30日(土)に開催されました。
 なおマレーシアカップ第3節からは一定の制限はあるもののスタジアムでの観戦が可能になっています。(各試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

グループステージA組
2021年10月30日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
KLシティFC 4-0 サラワク・ユナイテッドFC
得点者:KL-ロメル・モラレス2(9分、12分)、J・パルティバン(55分)、ライアン・ラムバート(59分)
 1部スーパーリーグのKLシティFCがロメル・モラレスの2ゴールなどで2部プレミアリーグのサラワク・ユナイテッドFCに快勝。シーズン後半からストライカーにコンバートされたモラレスが3試合で5ゴールと好調維持しています。
 ここまで1部のペナンFCとスリ・パハンFCを撃破したサラワク・ユナイテッドFCは守備陣が崩壊して完敗。このブログでも取り上げましたが主将で守備陣の要となるテイラー・リガンが中断期間中の練習試合でのケガで今季絶望となったことが響きました。

2021年10月30日@ダルル・マクモルスタジアム(パハン州クアンタン)
スリ・パハンFC 4-0 ペナンFC
得点者:アブドル・マリク・アリフ2(11分、55分)、マヌエル・イダルゴ(47分)、ヤクブ・アブバカル(72分)
 スリ・パハンFCが今季のマレーシアカップ3試合目で初勝利。リーグ戦から数えても8試合勝星のなかったスリ・パハンFCでしたが、リーグ戦でも連敗していたペナンFCを相手に大勝しています。
 どうしたペナンFC!? 今季のMリーグでは3位と大躍進したペナンFCは、エースのFWカサグランデと代表GKサミュエル・サマーヴィルを欠くなど苦しい布陣で臨んだこの試合は自慢の守備陣が崩壊し、良いところなく敗れています。

2021年マレーシアリーグ グループステージA組順位表(第3節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1KLC32108267
2SWU320145-16
3SRP31025413
4PEN301328-61
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:PEN-ペナンFC、KLC-KLシティFC、SPP-スリ・パハンFC、SWU-サラワク・ユナイテッドFC、

グループステージB組
2021年10月30日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴールFC 5-1 クチンシティFC
得点者:スランゴール-ハイン・テット・アウン(1分)、ダニアル・アスリ2(59分、80分)、サフアン・バハルディン(66分PK)、シーン・セルヴァラジ(90+4分)、クチン-マイケル・イジェジー(10分)
 1部のスランゴールFCが2部のクチンシティFCに圧勝しています。今季Mリーグ1部得点王のイフェダヨ・オルセングンら主力がベンチ入りせず、若手主体で望んだこの試合ではキックオフからいきなりハイン・テット・アウンのゴールで先制すると、一度は追い付かれたものの、クチンシティFCのミスなどに乗じて勝利しています。
 クチンシティFCは一度は同点に追いつきながら、追加点の好機を悉く生かすことができず、後半はミスなどで失点を重ねて敗れています。
 クチンシティFCの鈴木雄太選手は先発してフル出場しています。

2021年10月30日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラFC 1-4 トレンガヌFC
得点者:ペラ-セルヒオ・アグエロ(24分PK)、トレンガヌ-ファイサル・ハリム(7分)、ダニシュ・ハジク(47分OG)、リー・タック2(54分、83分)
 20年ぶりのマレーシア優勝とAFCカップ出場権獲得を目指すトレンガヌFCは、リーグ戦からの好調を持続する若きエース、ファイサル・ハリムのゴールを皮切り4点を挙げて大勝しています。
 今季11位と低迷し来季の2部降格が決まっているペラFCは、先週、選手外国籍選手4名との契約解除を発表した結果、トレンガヌFCの5名に対して3名の外国籍選手を先発させましたが、戦力差は明らかで太刀打ちできませんでした。

2021年マレーシアリーグ グループステージB組順位表(第3節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1TFC33008269
2SEL32017346
3PRK301337-41
4KUC301228-61
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:TFC-トレンガヌFC、SEL-スランゴールFC、PRK-ペラFC、KUC-クチンシティFC

グループステージC組
2021年10月29日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ・ユナイテッドFC 2-1 ケランタン・ユナイテッドFC
得点者:マラッカ-ソニー・ノルデ(25分)、アドリアーノ(54分)、ケランタン-深井脩平(43分)
 今季リーグ戦では8位だったマラッカ・ユナイテッドFCが3連勝を飾っています。ゴール前の混戦からソニー・ノルデのゴールで先制すると、一度は追いつかれたもののアドリアーノがペナルティエリアの外からシュートを決めて無傷の3連勝で首位を堅持しています。
 マレーシアカップ初出場のケランタン・ユナイテッドFCは深井脩平選手が記念すべきクラブ史上初となるマレーシアカップ初得点を決めて一度は同点としましたが、反撃はそこまででした。
 ケランタン・ユナイテッドFCの深井脩平、谷川由来の両選手は先発してフル出場し、本山雅志選手はベンチ入りしませんでした。

*10月29日に予定されていたヌグリスンビランFC対クダ・ダルル・アマンFCの試合は、ヌグリスンビランFCの出場辞退により、クダ・ダルル・アマンFCが3-0で不戦勝となっています。

2021年マレーシアリーグ グループステージC組順位表(第3節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1MLU33007259
2KDA32017346
3*NSE310215-40
4KLU300316-50
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:KDAークダ・ダルル・アマンFC、MLU-マラッカ・ユナイテッドFC、NSE-ヌグリスンビランFC、KLU-ケランタン・ユナイテッドFC
*ヌグリスンビランFCは新型コロナ感染者が多数発生したため、第3節以降を出場辞退しています。

グループステージD組
2021年10月29日@リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
JDT 2-0 サバFC
得点者:JDT-ハズワン・バクリ(5分)、ゴンザロ・カブレラ(13分)
 マレーシアサッカー協会FAMのテクニカルディレクターを辞職し、10月1日付でサバFCの監督に就任したオン・キムスイ監督にとって初采配となったこの試合は、いずれも守備陣のミスから試合早々に2失点したサバFCが敗れ、オン監督の初戦を勝利で飾ることができませんでした。
 一方JDTは3試合連続の完封勝ちでリーグ優勝との2冠に向けて、死角なしといったところです。

2021年10月29日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティFC 3-1 ケランタンFC
得点者:PJ -ダレン・ロック2(11分、81分)、コギレスワラン・ラジ(19分)、ケランタン-クリストス・インツィディス(36分)
 今季リーグ戦の大半をケガで棒に振ったダレン・ロックがこの試合も2ゴールを決め3戦で3発と活躍。現在、ストライカー不足に悩む代表への復帰が見えてきました。

2021年マレーシアリーグ グループステージD組順位表(第3節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1JDT33005059
2PJC31114314
3SAB302135-22
4KEL301237-41
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:PJC-PJシティFC、SAB-サバFC、KEL-ケランタンFC

10月29日のニュース:AFCU23アジアカップ予選-タイがラオスに快勝、マレーシアカップ-グループ首位のサラワク・ユナイテッドは主将がケガで戦線離脱、マレーシアプロサッカー選手会CEOが国際プロサッカー選手会FIFPRO国際理事会の理事に就任

AFCU23アジアカップ予選-タイがラオスに快勝
 AFC U23アジアカップ(旧U23選手権)予選J組の第2節が行われ、マレーシアは2連勝、タイは予選初勝利を挙げ、この両チームが対戦する第3節でこの組を突破するチームが決定することになりました。
 この日の第1試合でマレーシアがモンゴルに1-0で勝利した後、所詮はモンゴルと引き分けたタイとマレーシアに敗れたラオスが対戦し、39分には英国1部のレスターシティに所属するタナワット・スンジッターウォンが予選初ゴールをPKで決め、さらに59分にはモンゴル戦でもゴールを決めているジャキット・パラポンが今予選2得点目となるゴールを、そしてロスタイムには個人技でDFをかわしたコラウィット・ターサーがゴール決めてラオスに快勝しています。
 10月31日の最終第3節では首位のマレーシアと2位のタイが対戦し、勝点差2をつけているマレーシアが勝つか引き分ければマレーシアが首位を堅持して予選突破、マレーシアが敗れれば入れ替わりでタイが首位となり予選を突破します。

2021年10月28日@MFFスタジアム(モンゴル、ウランバートル)
タイ 3-0 ラオス
得点者:タイ-タナワット・スンジッターウォン(39分PK)、ジャキット・パラポン(59分)、コラウィット・ターサー(90+2分)

AFC U23アジアカップ予選J組 順位表(第2節終了時)

順位チーム試合得点失点得失差勝点
1マレーシア22002026
2タイ21104134
2モンゴル201112-11
4ラオス100203-30

グループ首位のサラワク・ユナイテッドは主将がケガで戦線離脱
 代表のヨルダン遠征などで中断していたマレーシアカップグループステージは今日10月29日から再開しますが、Mリーグ1部の3クラブを抑えて首位に立つサラワク・ユナイテッドFCは残る4異彩を主将を欠いて臨むことになると、東マレーシア(サバ、サラワク)のサッカー専門サイト、サラワククロックスが伝えています。
 サラワク・ユナイテッドFC主将のDFテイラー・リガンは、先日のスランゴールFCとの練習試合でケガを負い、完治まで1ヶ月という診断が出ていることから、E・エラヴァラサン監督は今季の出場は絶望だと話しています。
 今季のMリーグ2部プレミアリーグでは準優勝を果たし来季の1部スーパーリーグ昇格を決めているサラワク・ユナイテッドFCは、マレーシアリーググループステージ第2節を終えてスーパーリーグで今季3位のペナンFCと10位のスリ・パハンFCに2連勝するジャイキリでA組の首位となっています。

マレーシアプロサッカー選手会CEOが国際プロサッカー選手会FIFPRO国際理事会の理事に就任
 マレーシアプロサッカー選手会PFAMは公式サイト上で、PFAMのイズハム・イスマイルCEOが国際プロサッカー選手会FIFPROの理事に任命されたことを発表しています。イズハムCEOはアジア・オセアニア地区を代表する理事として、元オーストラリア代表選手でもあるキャサリン・ギル氏とともにFIFPRO国際理事会に加わるということです。
 2014年からPFAMのCEOを務めるイズハムCEOは、2015年からはFIFPROアジア・オセアニア理事会の理事にも就任しており、契約や雇用に関する問題についてマレーシア人選手や外国籍選手がマレーシアサッカー協会FAMの選手ステータス委員会やFIFAの紛争解決室に訴え出た際の代理人などを務めてきました。また2017年にはPFAMとFAMの間での了解覚書MOU締結、2018年にはマレーシア国内でプレーする選手を対象とした統一契約書の内容の改善なども行なっています。
 このブログでもたびたび(というか頻繁に)取り上げているマレーシアサッカー界での契約に関する様々な問題を解決するため、現在はFAMの間でマレーシア版紛争解決室設立に向けて交渉中であることも明かしたイズハムCEOは今回の国際理事会の理事就任について、様々な背景を持つアジアの選手の声を国際理事会に伝える役割を担いたいと抱負を述べています。

10月28日のニュース:AFC U23アジアカップ予選-マレーシアが2連勝で首位堅守、スズキカップ前の代表合宿は11月25日から、アジアカップ3次予選開催に政府の金銭的支援は不要-マレーシアサッカー協会

AFC U23アジアカップ予選J組-マレーシアが2連勝
 AFC U23アジアカップ(旧U23選手権)予選J組に出場中のマレーシアU22代表の2試合目が本日10月28日に行われ、モンゴルを破って2連勝したマレーシアは予選J組の首位を守っています。

AFC U23アジアカップ予選J組
2021年10月28日@MFFスタジアム(モンゴル、ウランバートル)
マレーシア 1-0 モンゴル
得点者:マレーシア-アズファル・フィクリ(40分)
 予選突破のためには負けられないこの試合でマレーシアのブラッド・マロニー監督は、1-0で辛勝したラオス戦に途中出場し、試合の流れを変えたDFクェンティン・チェン、FWハキミ・アブドラ、DFハイリー・ハキムの3選手を先発に起用しました。試合は開始から拮抗した展開で進みましたが、初戦のラオス戦に続きアズファル・フィクリがコーナーキックからの折り返しを頭で押し込んで40分にマレーシアが先制しました。
 前半終了直前にはGKアズリ・アブドル・ガニとDFハリス・ハイカルのコミュニケーション不足からアズリ選手がペナルティエリアの外でボールを捕球してしまう不用意なミスでPKを与えるなど途中、緊張する場面もありましたが、モンゴル守備陣の運動量が落ちた試合終盤は敵陣でボールを保持して時計を進めることもでき、虎の子(Pun intended)の1点を守って2連勝を話しています。
 たびたび見られたモンゴルの挑発に乗ってイエローを出されながらも退場者を出さなかった選手たち、そして先発の起用に応えて豊富な運動量で攻守に貢献したクェンティン・チェンが勝因ではないでしょうか。
 最終戦の相手となるタイは本日午後にラオスと対戦しますが、そこでタイが大勝(No pun intended)しない限り、予選突破の可能性が高まったと言える勝利でした。(写真はこの試合のマレーシアU22代表の先発メンバー-FAMのFacebookより)

AFC U23アジアカップ予選J組 順位表(第2節第1試合終了時)

順位チーム試合得点失点得失差勝点
1マレーシア22002026
2タイ10101101
2モンゴル201112-11
4ラオス100101-10

スズキカップ前の代表合宿は11月25日から
 12月5日に開幕する東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会に向けてマレーシア代表は11月25日から代表合宿が始まることをマレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。
 シンガポールで集中開催される今回のスズキカップでは、前回優勝のベトナム、インドネシア、カンボジア、ラオスと同じB組に入っているマレーシア代表は12月6日のカンボジア戦が開幕戦となります。
 マレーシアサッカー協会FAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長は、11月25日に予定されているマレーシアカップ準決勝終了後、11月30日の決勝に進出していないクラブの選手がまず合宿に参加し、決勝戦に出場する選手はその後に合流すると述べています。(*この記事では「11月25日のマレーシアカップ準決勝終了後」とありますが、準決勝はホームアンドアウェイ形式で行われ、11月26日が準決勝2試合目と発表されています。)
 また代表チームはシンガポール入国後の検疫隔離期間を考慮して、日程に余裕を持たせてシンガポール入りするとサイフディン事務局長は述べています。

アジアカップ3次予選開催に政府の金銭的支援は不要-マレーシアサッカー協会
 マレーシアサッカー協会FAMが来年6月に予定されているAFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選のマレーシア開催を検討したいと述べましたが、その後、国内のスポーツを統括する青年スポーツ省のアフマド・ファイザル・アズム大臣が政府は国際大会開催よりも、新型コロナによって打撃を受けた国内経済復興に支援を優先したいと述べたことで3次予選の開催が遠のいた、という記事を先日、このブログでも取り上げました。
 これに対してFAMのモハマド・ユソフ・マハディ会長代理は、自国開催はマレーシア代表が予選を突破し本戦出場権獲得に大きな影響を与えるとして、自国開催を諦めていないと発言しています。ユソフ会長代理は、FAMは青年スポーツ省と国内の新型コロナ対策を担う国家安全保障委員会からの予選開催許可のみを求めており、マレーシア政府には資金援助は求めないと述べています。
 「3次予選開催のための費用はAFCから得られる予定の開催支援金で賄うことができる。さらに自国開催となれば、多くのサポーターの声援が後押しとなり、マレーシア代表の本戦出場の可能性は高まるだろう。」と述べたユソフ会長代理は、予選参加国が落とす宿泊などの経費や予選開催に伴う関連ビジネスなどで、自国開催は国内経済にプラスの影響は与えられる一方で、マイナスの要素は何も思い当たらないとも述べて、今後も国家安全保障委員会にアジアカップ3次予選のマレーシアでの開催を求めていくとしています。
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 マハディFAM会長代理が自国開催にこだわる理由としてマレーシア代表の内弁慶ぶりがあります。新型コロナ感染拡大前の2019年9月から11月にかけて行われたFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼アジアカップ2次予選では、代表の本拠地ブキジャリル国立競技場で多くのサポーターの応援を背に戦った試合では、マレーシアは格上のアラブ首長国連邦UAEに接戦の末1-2と敗れたものの、格上のタイには2-1で、インドネシアには2-0と2勝しています。

10月26日のニュース:AFC U23アジアカップ予選J組開幕-マレーシアはラオスに辛勝、タイはモンゴルと1-1で引き分けに、マレーシア政府はアジアカップ最終予選開催に慎重姿勢、シャーアラムスタジアム使用再開は2024年に

 昨日のこのブログではペナンFCでの期限付き移籍を終えて所属するインドネシア1部ブルシジャ・ジャカルタに復帰するとされていたDFリュウジ・ウトモについて取り上げましたが、このリュウジ選手をめぐってJリーグのジュビロ磐田と韓国のクラブが争奪戦となっているようです。Mリーグ2部から今季1部に昇格したばかりながら3位と大躍進したペナンFCの中心となったリュウジ選手の退団は残念ですが、MリーグでアピールしてJリーグへといった先鞭をつけてもらいたいです。

AFC U23アジアカップ予選J組が開幕
 AFC U23アジアカップ(旧U23選手権)予選J組が10月25日にタイ対モンゴルのカードで開幕しました。終盤の同点ゴールでモンゴルが追いつき引き分けに終わった1試合目に続き、マレーシア対ラオスの2試合目は、押し気味に進めながらも得点できなかったマレーシアが何とか1点を奪って逃げ切っています。

AFC U23アジアカップ予選J組
2021年10月25日@MFFスタジアム(モンゴル、ウランバートル)
マレーシア 1-0 ラオス
得点者:マレーシア-アズファル・フィクリ(68分)
 この試合の前には予選J組突破の最右翼と目されるタイがモンゴルと引き分けたことから、この試合では何としても勝利が必要なマレーシアは試合開始から押し気味に試合を進めるものの好機を生かせずに0-0で前半を終了します。後半に入ってもラストパスの精度が低く、なかなかゴール前までボールを運べない中でマレーシアのブラッド・マロニー監督は65分にフル代表組のクェンティン・チェンとハキミ・アブドラ、そしてハイリー・ハキムを投入すると、この交代が功を奏します。66分にはそのクェンティン・チェンのクロスに走り込んできたアズファル・フィクリが合わせてゴールし、ついにマレーシアが均衡を破ります。しかしその後も好機を活かせない展開が続き、試合はそのまま1-0で終了しています。
 初戦ということからの緊張、また30度を超えるマレーシアから気温差が20度以上もあるモンゴルの気候など様々な要因はあったでしょうが、ボールの保持率72%、シュート13本(内オンターゲット3本)といったスタッツを見ると、もう1、2点はとっておきたかった試合でした。ラオスをシュート4本に抑えるなど安定していた守備に比べ、積極的に寄せてくるラオス守備陣によるプレッシャーからパスの精度は低くなり、ゴールが見えてもシュートが打てないなど、攻撃は1点を取るのが精一杯でした。
 この日の勝利で予選好発進となったマレーシアですが、連勝すれば本戦出場が一気に近づく次戦のモンゴル戦に向けてチームがどのように修正してくるかに期待したいところです。(写真はこの試合のマレーシアU22代表の先発メンバー-FAMのFacebookより)

2021年10月25日@MFFスタジアム(モンゴル、ウランバートル)
タイ 1-1 モンゴル
得点者:タイ-ジャキット・パラポン(10分)、モンゴル-バルジニャム・バトボルド(75分)

AFC U23アジアカップ予選J組 順位表(第1節終了時)

順位チーム試合得点失点得失差勝点
1マレーシア11001013
2タイ10101101
2モンゴル10101101
4ラオス100101-10

マレーシア政府はアジアカップ最終予選開催に慎重姿勢
 AFC選手権アジアカップ最終予選は従来のホームアンドアウェイ方式から集中開催形式へ変更して行われることが発表になっていますが、6カ所と想定される集中開催地の1つに立候補する可能性が取り沙汰されていたマレーシアですが、マレーシアの通信社ブルナマはその可能性が低そうだと報じています。
 国内スポーツを統括するマレーシア政府の青年スポーツ省のアフマド・ファイザル・アズム大臣は、現在の政府が最優先するのは新型コロナ感染拡大により打撃を受けた国内経済の回復であり、アジアカップ予選のようなスポーツイベントに巨額を投入することではないと発言しています。
 「アジアカップ最終予選開催によって国外から多くのサポーターがマレーシアを訪れたり、スポーツツーリズム復活のきっかけになるのであれば、予選開催について検討する価値があるが、最優先されるべきはマレーシア経済の復興であり、政府はそこに注力することになるだろう。」と述べて、国際的スポーツイベント開催については時期尚早という見解を発表したということです。

シャーアラムスタジアム使用再開は2024年に
 スランゴールFCの本拠地シャーアラムスタジアムは老朽化から2億リンギから3億リンギ(54億7000万円から82億1000万円)と言われる費用をかけて大規模な改修工事が行われていますが、新型コロナの影響でこの故事が予定通り進まず、工事完了が2024年までずれ込みそうであることを英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 1994年開場のシャーアラムスタジアムは今年初めから改修工事が始まっていましたが、新型コロナの影響で中断しており、スランゴール州のアミルディン・シャアリ州首相は、工事再開は今年の年末によていされていること、そしてそこから1年以上は工事期間が必要であると述べ、スランゴールFCは同じスランゴール州のMBPJスタジアムを来季も暫定本拠地として使用することになると話しています。

10月25日のニュース:MFLのCEOは未払い給料問題はメディアではなくMFLに報告を求める、ペナンFCのリュウジ・ウトモは期限付き移籍終了でプルシジャ・ジャカルタ復帰か、タイ1部第9節-エルドストールは先発もタンはベンチ入りせず 

MFLのCEOは未払い給料問題はメディアではなくMFLに報告を求める
 Mリーグを運営するMFLは、給料未払いなどの問題を抱える選手に対して積極的にそれを報告するように求めていルト、マレーシア語紙ウトゥサンマレーシアが報じています。
 MFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは選手の個人情報は所属クラブに対して明らかにしないことも保証した上で、MFL、マレーシアサッカー協会FAM、そしてマレーシアプロサッカー選手会PFAMに報告してほしいと話しています。
 「監督、選手及び関係者は自身の権利を守るためなので、恥ずかしがったり、その後のチームからの処分などを恐れずに報告してほしい。我々はそういった声に応じる準備ができている。」と話すスチュアートCEOは、選手からの正式な報告を受けて初めて対応できることを強調する一方で、メディアに未払い給料などの問題を明らかにしても何の解決にもならないとも話しています。
 さらに「正式な報告を受け取れば、不誠実あるいは無責任なクラブや経営陣に対してMFLは行動を起こせるが、メディアに明らかにしたところで、そのメディアが未払い給料を取り戻してくれるわけではない。」とスチュアートCEOは述べています。
 このブログでも取り上げましたがMリーグ2部のサラワク・ユナイテッドFCでは2ヶ月半とも3ヶ月半とも言われる未払い給料が明らかになっています。

ペナンFCのリュウジ・ウトモは期限付き移籍終了でプルシジャ・ジャカルタ復帰か
 今季1部スーパーリーグに昇格しながらいきなり3位と大躍進したペナンFC。その守備を支えた1人が今季加入したインドネシア出身のDFリュウジ・ウトモでしたが、期限付き移籍しているこのリュウジ選手が今季終了後に所属するインドネシア1部のプルシジャ・ジャカルタに復帰すると、複数のサッカー専門サイトが報じています。
 その一つのスムアニャボラによると、かつてスランゴールFA(現スランゴールFC)でもプレー経験があるバンバン・パムンカス監督は、12月1日付でのリュウジ選手のプルシジャ・ジャカルタ復帰を明言していると伝えています。インドネシア1部リーグのリーグ1の昨季2020/2021シーズンは2020年2月末に開幕したものの翌3月半ばにはシーズン中止が決定したことから、プルシブ・ジャカルタは昨年2021年12月にリュウジ選手をペナンFCに期限付き移籍させていましたが、今季2021/22年シーズンは8月下旬から始まっており、バンバン・パムンカス監督はマレーシアカップの終了後の12月にリュウジ選手を復帰させる意向を表明しています。
 母親が日本人、父親がインドネシア人の「日系人」選手で26歳のリュウジ選手は途中、ケガなどもあったもののペナンFCでは22試合中15試合に出場し、リーグ4位の30失点(22試合)に貢献した他、ペナンFCサポーターから多くの支持を集めていました。またペナンFCでの活躍によって、2017年以来となるフル代表にも復帰し、今月11日行われたAFC選手権アジアカップ2023年大会予選プレーオフの台湾戦には先発してフル出場し、チームの最終予選進出に貢献しています。

タイ1部第9節-エルドストールは先発もタンはベンチ入りせず 
 2021/2022年シーズンのタイ1部リーグ第9節が10月23日と24日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCはエスクデロ競飛王選手が所属するチェンマイ・ユナイテッドと引き分けて4位から7位に順位を下げ、DFドミニク・タンが所属するポリス・テロFCはムアントン・ユナイテッドに敗れて8位から11位とこちらも順位を降下させています。

タイ1部リーグ第9節
2021年10月23日@チョンブリースタジアム
チョンブリーFC 1-1 チェンマイ・ユナイテッド
 チョンブリーFCのDFジュニオール・エルドストールは先発して90+4分に交代しています。
 (試合のハイライト映像はチョンブリーFCの公式Youtubeチャンネルより)

https://youtu.be/2HonSuDiiJ0

2021年10月23日@サンダードームスタジアム
ムアントン・ユナイテッド 2-1 ポリス・テロFC
 3試合負けなしだったポリス・テロFCがムアントン・ユナイテッドに敗れています。
 マレーシア代表のDFドミニク・タンはこの試合でもベンチ入りせず、これで開幕から9試合で出場なし。先月のマレーシア代表のヨルダン遠征に参加し、試合出場もあるのでケガではなさそうですが、このまま出場なしが続くと12月開幕のスズキカップでの代表入りが怪しくなってきそうです。

タイ1部リーグ順位表(第9節終了)

順位チーム試合得失差勝点
1ブリーラム・ユナイテッド97111222
2バンコク・ユナイテッド9612519
3チェンライ・ユナイテッド9522417
7チョンブリーFC9333612
11ポリス・テロFC923409
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFC、ポリス・テロFCのみ表示しています。

10月23日のニュース:ドイツ5部でプレーするV・アニルのU22代表召集が物議を醸す、U22代表監督はV・アニルの招集理由を公式に説明、今季2部優勝のヌグリスンビランFCは陽性反応者多発によりマレーシアカップ出場辞退

ドイツ5部でプレーするV・アニルのU22代表召集が物議を醸す
 AFC U23アジアカップ(旧U23選手権)予選に出場するマレーシアU22代表は韓国の仁川を経由して無事、開催地となるモンゴルのウランバートルに到着し、早速練習を開始したことがマレーシアサッカー協会FAMの公式Facebookで伝えられています。そんな中、先日のこのブログでも「サプライズ」と控えめに紹介したDFアニル・ヴィグネスワラン(以下V・アニル)の代表召集が物議を醸しています。
 V・アニル選手は8月30日から9月7日に行われたU20代表合宿(当初FAMはこのU23アジアカップ予選にU20代表を派遣する方針でしたが、その後、U22代表派遣に方針転換)では召集されたものの、新型コロナ感染拡大によりマレーシア入国が困難になったことから参加を見送り、10月4日から20日まで行われた第2次合宿にも参加せず、滞在国であるドイツからモンゴルのU22代表に直接、合流しています。
 MリーグクラブのアカデミーやFAMと国家スポーツ評議会が運営する国家サッカー選手育成プログラムNFDP傘下のアカデミーの所属経験もない上、海外のクラブとは言え、現在はドイツ5部リーグのアマチュアクラブSGVフライブルグののU19チームに所属するV・アニル選手が国内合宿に参加せず、直接、U22代表に合流することが発表されると、「『国外のクラブ所属』ということを偏重している」「国内のアカデミーで育成されている選手はドイツ5部リーグのアマチュア選手よりも劣るのか」さらに「合宿に参加していない選手をU23代表首脳陣が評価できるのか」など、Mリーグで試合に出場している選手が召集されず、海外とはいえアマチュアチームでプレーするV・アニル選手が召集されたことに疑問の声が多く上がっています。
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 批判の中には国家サッカー選手育成プログラムNFDPの「エリートアカデミー」モクタル・ダハリアカデミーAMDからU22代表に選手供給をできないのなら、このAMDを直ちに閉鎖して全ての若い選手は国外のクラブに育成を任せるべき、さらに国外組というだけで飛びつくFAMこそ直ちに解散すべきといった意見まで飛び出しています。
 マレーシア国内の若手有望選手は、州内地区大会、州大会、全国大会、あるいは各州のトレーニングセンター(トレセン)や州立体育専門学校などで「発見」されるのが一般的で、網の目のように張り巡らされた選手発掘の目には引っ掛からなかったV・アニル選手が国外のクラブからそのままU22代表入りとなれば、「発見」された選手を鍛えてもU22代表に選手を送り込めないエリートアカデミーAMDの存在意義が否定されてしまう、という論理が成り立ちます。
 何の罪もないV・アニル選手には必要以上に注目が集まることになってしまいましたが、来週月曜日から始まる予選では、そんな批判を黙らせるような活躍を期待したいです。

U22代表監督はV・アニルの招集理由を公式に説明
 上で取り上げたV・アニル選手のU22代表招集について、マレーシアの通信社ブルナマは、マレーシアサッカー協会FAM発表の形で出されたマロニーU22代表監督の談話を紹介しています。
 「U22代表の首脳陣の間でV・アニル選手の名前が突然、U22代表候補とし上がったわけではない。U22代表のコーチの1人は、V・アニル選手がドイツへ渡る数年前まで彼が所属していたクアラルンプールのクラブチームのコーチでもあり、そこで彼の才能に気づいて以来、観察を続けてきた。」と述べたマロニーU22代表監督は、このV・アニル選手は昨年2020年12月には当時U19代表合宿に参加するためにマレーシアに一時帰国し、それ以降はドイツでの動向などについて注視していたことも説明しています。(なおAFC U19選手権大会が新型コロナの影響を受けて中止となったことから、U19代表合宿は開催されませんでした。)

今季2部優勝のヌグリスンビランFCは陽性反応者多発によりマレーシアカップ出場辞退
 マレーシアカップを運営するMFLは公式サイト上で、新型コロナ検査で20名の選手と4名の関係者が陽性となったヌグリスンビランFCが10月29日再開予定のマレーシアカップの出場を辞退したことを発表しています。
 10月18日に陽性反応が見つかり、チーム全体が既に14日間の隔離期間に入っているヌグリスンビランFCは、チームドクターによる提案や関係者の安全などを考慮した上で、マレーシアカップ出場辞退決定し、これを知らせる連絡を受け取ったMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは陽性反応を示した選手と関係者の早期回復を祈ると述べる一方で、マレーシアカップ出場中の他のクラブに対して合宿形式での練習を続けることを改めて求めています。
 またスチュアートCEはヌグリスンビランFCが所属するマレーシアカップグループステージC組について、対戦予定だったクダ・ダルル・アマンFC、マラッカ・ユナイテッドFC、ケランタン・ユナイテッドFCの各チームにはいずれも3-0のスコアで不戦勝が与えられることも発表しています。

10月22日のニュース:「未払い給料はたったの2ヶ月半」-サラワクU会長の発言が波紋、1部と2部の17クラブに来季のクラブライセンス交付も2クラブには条件付き、サラワク・ユナイテッドの給料未払い問題が長引けばクチンシティFCが1部に昇格の機会も

「未払い給料はたったの2ヶ月半」-サラワクU会長の発言が波紋
 昨日のこのブログでも取り上げたMリーグ2部プレミアリーグのサラワク・ユナイテッドFCで起きている給料の未払い問題について、クラブを運営するサラワク州サッカー協会のポサ・マジャイス会長の発言が波紋を呼んでいます。
 「未払い給料はたった2ヶ月半である。(Mリーグには)未払い給料がもっと長期に渡っているクラブがあるにも関わらず、(たった2ヶ月半で)皆が大騒ぎしている。」
 「未払い給料問題で騒ぎたててサラワク・ユナイテッドFCの評判を貶めようとしているのであれば、それは卑劣な方法だ。」
 クラブにとっては好ましくない理由で注目を集めていることに対して不服なポサ・マジャイス会長はこのような発言をしていますが、これをマレーシア語紙ブリタハリアンが取り上げるとソーシャルメディア上ではこの発言を非難するコメントで溢れ返りました。
 「旧態依然のマレーシアのサッカークラブオーナーの発言だ。」「自分が実際に2ヶ月半の間給料なしで生活してみろ。」といったものから、「こんな人物が理事を務めることを許しているFAM(マレーシアサッカー協会)や、この人物が会長であることを認めている(Mリーグを運営する)MFLも同じような人間が運営しているんだろう。」といったものまで、様々な非難がポサ・マジャイス会長だけでなく、FAMやMFLにまで向けられる事態になっています。
 今年5月に同様の数ヶ月分の未払い給料問題が明らかになった際には「未払いではなく遅配だ」と強気な主張をしたポサ・マジャイス会長は、今回は未払いであることを認めた上で、今月末のマレーシアカップグループステージ再開までには未払い分を完済すると述べています。
 しかしその一方で、2ヶ月半分の未払い給料が払われなければFIFAに訴え出るとしていた外国籍選手に関しては、既に未払い分の内の1ヶ月分を支払ったことを明らかにした上で、残りの1ヶ月半分の未払いではFIFAに訴え出ることはしないだろうと述べるなど、強気な姿勢は変わっていないようです。
 「無観客試合開催により入場料収入がなくなるなど、新型コロナがクラブ運営に与えている影響が大きいことに対する選手の理解を求めたい。」と述べながらも「昔から自分のことを知っている選手はこの状況を理解してくれている。」と暗に外国籍選手を避難するような発言も忘れないなど、ポサ・マジャイス会長がどこまで強気な発言を続けられるのかが見ものです。
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 10月29日に再開するマレーシアカップグループステージではここまでMリーグ1部スーパーリーグのペナンFCとスリ・パハンFCを連続で撃破し、グループ首位に立つサプライズを見せているサラワク・ユナイテッドFCですが、この給料未払い問題が再開後の選手のパフォーマンスに影響を及ぼさないことを祈りたいです。

1部と2部の17クラブに来季のクラブライセンス交付も2クラブには条件付き
 Mリーグを運営するMFLは、クラブライセンス交付に関する審査を担当する第一審機関FIBが1部スーパーリーグと2部プレミアリーグの17クラブに対して、来季2022年シーズンのMリーグに出場するための国内クラブライセンスを交付したことを発表しています。
 FIBが10月20日から21日にかけて行なった最終審査を通過し、国内クラブライセンスが交付されたのは今季Mリーグ1部スーパーリーグでプレーしたJDT、クダ・ダルル・アマンFC、ペナンFC、トレンガヌFC、スランゴールFC、KLシティFC、PJシティFC、マラッカ・ユナイテッドFC、サバFC、スリ・パハンFC、ペラFC、UITM FCの12クラブ全てと2部プレミアリーグでプレーしたヌグリスンビランFC、クチンシティFC、ケランタンFC、ケランタン・ユナイテッドFCとPDRM FCの5クラブです。
 ただしマラッカ・ユナイテッドFCについては、9月30日とされていた従業員積立基金EPF(国民年金)と国内歳入庁IRB(国税庁)への納付期限を守らなかったことから1万5000リンギ(およそ41万円)の罰金と戒告処分が課され、11月20日までに罰金の支払いおよびEPFとIRBへの納付証明書類の提出することが来季の国内クラブライセンス交付の条件とされているということです。また申請条件を満たさなかったマラッカ・ユナイテッドFCと申請そのものを行わなかったスリ・パハンFCを除く今季Mリーグ1部の10クラブにはアジアサッカー連盟AFCクラブライセンスも合わせて交付されています。
 またここ数日、給料未払い問題が報道されている今季2部プレミアリーグの準優勝チームでもあるサラワク・ユナイテッドFCについては国内歳入庁IRBへの見納付分支払いとその納付証明書類提出を11月20日までにFIBに提出することを求めた他、来季2022年シーズンを全うするのに十分な運営資金があることを証明するための追加書類の提出も求め、これらの書類が用意できない場合には下部リーグへの降格やクラブライセンスを交付取り止めなどの処分の可能性もあるとしています。
 また来季2022年シーズンに向けての事前対策として、MFLは来季のクラブライセンスが交付されたMリーグ各クラブに対して今年12月15日の時点で給料の未払いや従業員積立基金や内国歳入庁へ未納がないことを証明する宣誓書の提出を義務付けるとする一方で、宣誓書が提出されながら今季終了時点で給料未払いなどが発覚したクラブにはトランスファーウィンドウ期間中の新たな選手獲得禁止処分を科すとしています。
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 サラワク・ユナイテッドFCの2度に渡る給料未払い問題や、主力が大量退団したペラFCの給料未払い問題、さらに今季開幕時にはクダ・ダルル・アマンFCで、シーズン半ばにはサバFCでそれぞれ給料未払い問題が発覚し、また開幕前には昨季の給料未払いが解決していなかったマラッカ・ユナイテッドFCが勝点剥奪処分を受けるなど、「厳格な審査をパス」してクラブライセンスの交付を受けたチームでこれだけ給料未払い問題が起こると、クラブだけでなくクラブを審査するMFLやFIBに問題があるのではないかという気がします。
 今年の東京パラリンピックではマレーシア人の砲丸投げ選手が「遅刻」を理由に金メダル獲得の機会を逃したことは国内でも大きく報道されましたが、プロサッカークラブとして関係者全ての生活に関わるクラブライセンス交付でも書類の提出期限を守れないクラブがあるのを見ると、金メダルを逃したあの騒動も所詮は他人事と思ってんだろうなぁ。

サラワク・ユナイテッドの給料未払い問題が長引けばクチンシティFC1部昇格の機会も
 サラワクとサバのサッカーを中心に報じるサイトのサラワククロックスは、サラワク・ユナイテッドFCが給料未払い問題の解決を長引かせた場合、今季Mリーグ2部プレミアリーグで準優勝によって獲得した来季の1部昇格権が取り消される可能性について言及しています。
 上の記事でも取り上げたように、Mリーグのクラブライセンスを交付する第一審機関FIBは、来季2022年シーズン用クラブライセンス交付についての審査の最終結果を発表し、今季Mリーグでプレーした全てのクラブに来季2022年シーズンの国内クラブライセンスが交付されました。
 この審査にはクラブの経営状況などを示す書類の提出も義務付けられており、サラワク・ユナイテッドFCは条件付きでの交付となっている一方で、MFLはさらなる書類の提出を求めており、これにより給料未払い問題の解決に手間取った場合、あるいはMFLが提出内容に問題があると判断した場合には、来季のクラブライセンスが交付されず、Mリーグではサラワク・ユナイテッドFCがプレーできないことが考えられるとサラワククロックスは指摘し、サラワク・ユナイテッドFCが獲得した1部昇格権が今季の2部プレミアリーグで5位だったクチンシティFCに与えられる可能性があるとしています。
 プレミアリーグでは5位だったクチンシティFCですが、3位のトレンガヌFC II、4位のJDT IIがいずれも1部スーパーリーグでプレーするトレンガヌFCとJDTのセカンドチームであり、Mリーグの規定ではトップチームとセカンドチームが同じリーグに在籍することはできないため、サラワク・ユナイテッドFCに次ぐ昇格権の順位は5位のクチンシティFCにあります。このためMリーグを運営するMFLはサラワク・ユナイテッドFCが万が一、クラブライセンスの交付を受けられなかった場合には1部スーパーリーグの12チーム編成を維持するために、クチンシティFCを昇格させる可能性があるとサラワククロックスは説明しています。

10月19日のニュース:U22代表はMリーグ1部クラブ相手に連勝、U22代表監督はフル代表監督と掛け持ち組の処遇についての話し合いを希望、ペラFCが全ての外国籍選手との契約解除を発表

 今日10月19日はイスラム教の開祖とされるムハマドの誕生日でマレーシアは国民の祝日ですが、それよりも何よりも嬉しいのは昨日の発表では新型コロナの新規感染者数がおよそ4ヶ月ぶりとなる5000人台となったこと。また今月末にはクダ州とケランタン州が、11月1日からはペナン州、ペラ州、サバ州が国家復興計画の第3段階に入ることからこれらの週を含めた多くの州で11月からは学校でも対面授業が再開される他、ワクチン接種者に限り海外からの入国者の隔離期間が7日間に短縮されるなど、マレーシアにも徐々に日常が戻りつつあります。

U22代表はMリーグ1部クラブ相手に連勝
 AFC U23アジアカップ予選に出場するマレーシアU22代表は予選出場前の最終戦となる3試合目の練習試合を行い、今季Mリーグ1部スーパーリーグ2位のクダ・ダルル・アマンFCに2ー0で勝利しています。
 DFアフマド・ジクリ・カリリ(スランゴールFC)のゴールで先制したU22代表は、後半には5日前に追加招集されたばかりのMFモハマド・ヌル・アズファル・フィクリ・アズハル(トレンガヌFC II)がロスタイムに2点目のゴールを挙げて、10月15日のペナンFC戦に続き2連勝しています。
 クダ・ダルル・アマンFCは外国籍選手など複数の主力を欠く布陣でしたが、それでもこの勝利はU22代表にとって自信になったはず。この日は出場しなかったフル代表組のルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)、ムカイリ・アジマル(スランゴールFC)、ハキミ・アブドラ(トレンガヌFC)、クェンティン・チェン(ペナンFC)も検疫隔離期間を終えてチームに合流しており、U22代表は最終メンバーの23名を決定した後、明日10月20日に予選J組の集中開催地であるモンゴルのウランバートルへ向けて出発することになっています。

U22代表監督はフル代表監督と掛け持ち組の処遇についての話し合いを希望
 U22代表のブラッド・マロニー監督は、フル代表とU22代表を兼ねる選手たちの今後についてフル代表のタン・チェンホー監督と話し合いを持つ用意があると、マレーシア語紙ハリアンメトロにか立っています。
 上でも取り上げたAFC U23アジアカップ(旧U23選手権)予選に出場するU22代表候補には、先月9月にフル代表が行ったヨルダン遠征のメンバーからルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)、ムカイリ・アジマル(スランゴールFC)、ハキミ・アブドラ(トレンガヌFC)、クェンティン・チェン(ペナンFC)の4名が含まれていますが、この4選手は今回の予選終了後の12月に開幕するアセアンサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会に出場するフル代表に再び招集される可能性が高いことから、マロニーU22代表監督はこの4選手の両代表の間で過度に行き来させないような方法をタン代表監督と話し合いたいとしています。
 「フル代表でプレーすることによってより高いレベルでのプレーを経験できることはU22代表の選手にとってもU22代表チームにとっても良いことである。今回U22代表に招集したフル代表組は今後も、両代表でプレーする可能性があることから、彼らにとって最善の方法をタン監督と話し合いたいと思っている。」とマロニーU22代表監督は述べています。
 U22代表は10月25日から31日までモンゴルのウランバートルで行われるAFC U23アジアカップ2022年大会予選に出場後、予選を突破できれば来年6月にAFC U23アジアカップ本戦が控えている一方、フル代表は12月5日から始まるスズキカップが終わると来年2月にはAFC選手権アジアカップ2023年大会第3次予選が予定されています。

ペラFCが全ての外国籍選手との契約解除を発表
Mリーグ1部で今季11位となり来季の2部降格が決まっているペラFCは、所属する4名の外国籍選手との契約を解除したことをクラブの公式Facebookで発表しています。
 ペラFCのアズマン・ノーGM(ゼネラルマネージャー)名で発表された告知ては、既に先月末にクラブを離れているMFサミル・アヤス(レバノン)に加えて、DFズバイロウ・ガルバ(カメルーン、ただしインドネシア帰化選手のためアセアン枠)、FWジスラン・ゲサン(コートジボアール)、FWナナ・ポク(ガーナ)が今週中にもチームを離れるということです。
 今回の契約解除については経営陣と監督、コーチが話し合いを行った結果によって決定されたものであり、クラブと各選手との間で合意に達していると説明されています。
 なお10月29日から再開するマレーシアカップグループステージには、ペラFCのセカンドチームであるペラFC II登録となっているDFジャド・ヌールディーン(レバノン)、MFチャーリー・マシェル(イングランド)、セルヒオ・アグエロ(アルゼンチン、スリ・パハンFCより期限付き移籍中)の3選手と既存の選手で臨むということです。
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 今季前半戦終了後に給料未払いでファーストXIの半数以上が退団したことから、急遽補強した外国籍選手もマレーシアカップが心境中にも関わらず退団と、まさに今季のペラFC経営陣のお粗末さを示しています。中にはわずか3ヶ月程度で契約解除となった選手もおり、まさに泥縄式の補強だったことが露呈しています。

10月16日のニュース:U22代表はMリーグ1部今季3位のクラブに勝利、協会はフル代表からU22合流組の検疫隔離期間短縮を交渉、U22代表はトレンガヌFC IIのアズファル・フィクリを追加招集

U22代表はMリーグ1部今季3位のクラブに勝利
 AFC U23アジアカップ予選に出場するU22代表が今季Mリーグ1部3位のペナンFCと練習試合を行い、2-1で勝利しています。。
 U22代表は10月12日に今季Mリーグ2部優勝のヌグリスンビランFCと対戦し、1-2で敗れています。
 この試合では22分にペナンFCがMFモハマド・アメル・アザハのゴールで先制したものの、U22代表はいずれもトレンガヌFCのFWモハマド・シャフィク・イスマイルが71分に同点ゴールを、MFニック・アキフ・シャヒランが86分に決勝ゴールを決めて逆転で勝利を収めています。
 U22代表は10月18日に予選前の最後の練習試合として今季Mリーグ1部2位のクダ・ダルル・アマンFCと対戦します。
 10月25日からモンゴルのウランバートルで開催されるAFC U23アジアカップ予選J組でマレーシアはタイ、ラオス、モンゴルと同組となっています。

協会はフル代表からU22合流組の検疫隔離期間短縮を交渉
 上の記事で取り上げたU22代表には、先日のヨルダン遠征を終えたフル代表からMFムカイリ・アジマル(スランゴールFC)、FWハキミ・アブドラ(トレンガヌFC)、DFクェンティン・チェン(ペナンFC)、FWルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)が加わることが発表されていますが、すでに帰国したこの4選手は現在、検疫隔離期間中でU22代表に合流できていません。U22代表のブラッド・マロニー監督とFAMはこの4選手の検疫隔離期間短縮とU22代表合流を求めているようですが、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロによると、未だ承認されていないということです。
 マレーシア政府は全ての渡航者に14日間の検疫隔離を求めており、ヨルダン遠征から帰国した代表チームも例外ではありません。これについてマロニー監督とFAMは新型コロナ対策を担当する国歌安全保障委員会NSCと保健省に対して4選手の検疫隔離期間短縮を求めているということですが、交渉が難航しているようです。
 スタジアムアストロの記事ではこの4選手の他に、アメリカでプレーしているMFワン・クズリ・ワン・カマル(アクロン大学)、DF V・アンニル(ドイツ5部SGVフライベルク)の両選手のU22代表招集についても現在、所属チームとの交渉が続いていると報じています。
 今回のAFC U23アジアカップ予選はFIFA国際マッチデー期間外であることから、DFハリス・ハイカルと代表でもプレーするFWアリフ・アイマンがそれぞれ所属するスタンゴールFCとJDTの招集拒否により、U22代表に参加できていません。

U22代表はトレンガヌFC IIのアズファル・フィクリを追加招集
 マレーシアサッカー協会FAMはU22代表に新たにMFモハマド・ヌル・アズファル・フィクリ・アズハ(21)を招集したことを発表しています。Mリーグ2部プレミアリーグのトレンガヌFC IIでプレーするアズファル・フィクリ選手は、今回の合宿中のケガにより離脱するJDT IIのMFアフマド・アシャル・ハディ・モハマド・シャプリ(18)に代わって招集されています。