マレーシアカップ2021-準決勝第2試合結果-決勝のカードはJDT対KLシティFCに決定

 11月26日にマレーシアカップ準決勝第2戦の2試合が行われ、JDT(Mリーグ1部今季1位)が退場者を出しながらもトレンガヌFC(同4位)を3-0で一蹴し準決勝2試合通算のスコアを4-1として決勝進出をきめた一方、KLシティFC(同6位)対マラッカ・ユナイテッド(同8位)戦は90分を終えて1-1、さらに前後半合わせて30分の延長戦でも決着がつかず、PK戦へとも連れ込み、KLシティFCが5-3でマラッカ・ユナイテッドFCを振り切って、最後は日付が今日になっていた準決勝第2戦に勝利しています。この結果、11月30日にクアラルンプールのブキジャリル国立競技場で行われるマレーシアカップ100周年大会の決勝戦は、大会2連覇を目指すJDTと前回優勝した1989年以来32年ぶりの決勝進出となったKLシティFCの対戦となりました。
(試合の映像はMFLの公式YouTubeチャンネルよりお借りしています。)

マレーシアカップ準決勝第2戦
マラッカ・ユナイテッドFC 1-1 KLシティFC(通算スコア2-2、PK3-5)

2021年11月26日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
得点者:KL-J・パルティバン(9分)、シャミン・ヤハヤ(65分)
 停電により試合開始が1時間遅れて午後10時キックオフとなるなど波乱の予感が漂った試合は双方が総力戦で臨む中、パウロ・ジョズエのコーナーキックからのクリアボールを蹴ったアクラム・マヒナンのボールがゴール前に転がり、これをJ・パルティバンが振り向きざまにシュート。角度が変わったボールにマラッカ・ユナイテッドGKのカイルル・チェ・ファミが反応できずそのままゴールとなりKLシティFCが9分に先制し、そのまま前半は1-0で折り返します。
 後半に入るとマラッカ・ユナイテッドFCは65分にソニー・ノルデのコーナーキックからゴール前でアクマル・ザヒルが頭で流したボールをシャミン・ヤハヤが押し込んで同点とすると、その後は90分で決着がつかず、この試合は今大会初の延長戦に入りました。しかし延長前半、後半とも両チームがゴールを挙げることができず、120分で決着がつかなかった試合はPK戦に入りました。
 KLシティFCの先行で始まったPK戦は、1人目のキッカーに立った主将のパウロ・ジョズエからロメル・モラレス、インドラ・プトラ・マハユディン、ハディン・アズマンそしてジャンカルロ・ガリフォッコと5人全員がPKを決めたKLシティに対し、、マラッカ・ユナイテッドはアドリアーノ、マヌエル・オットと2人がいずれもPKを決めた後の3人目となったジョヴァンニ・ゴメスのシュートがゴールポストを叩いてい失敗となり、クラブ史上初のマレーシアカップ決勝進出はなりませんでした。

マレーシアカップ準決勝第1戦
JDT 3-0 トレンガヌFC(通算スコア4-1)

2021年11月26日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダルプテリ)
得点者:JDT-ベルグソン・ダ・シルヴァ2(6分、15分)、ゴンザロ・カブレラ(11分)
 JDTのホームで行われたこの試合は、準決勝第1試合で負傷した主将カルリ・デ・ムルガ不在の影響もあり、試合開始直後から意思の疎通が取れていないトレンガヌFC守備陣の隙をついて7分にはエースのベルグソン・ダ・シルヴァがミドルシュートを決めて先制すると、11分にはゴンザロ・カブレラ、そして15分には再びベルグソン・ダ・シルヴァがゴールを決めるなど、試合開始からわずか15分でJDTが3-0として、勝負あったかと思われた試合でしたが、16分にはオフザボールの場面でJDTのサフィク・ラヒムがトレンガヌFCのファイサル・ハリムに頭突きを食らわせて1発レッドで退場となります。
 準決勝2試合の通算スコアが4-1となった試合展開にも関わらず元代表主将が起こした愚行はトレンガヌFCに有利に働くかと思われましたが、そこからのJDTは…いやぁ強かった。というかトレンガヌFCは好機にシュートが枠を捉えられず、またパスの精度も低くボールが繋がらない、繋がってもすぐにボールを奪われるなど、相手が10人という数的有利すら活かすことができず全くの完敗でした。10人全員が全力でボールに激しく寄せてくるJDTに対して、トレンガヌFCは緩慢な動きでパスのコースをことごとく潰され、最後はチャンスさえもほとんど作り出すことができず、個々の選手の技術や体力、さらにチーム力とすべての面でこの試合ではトレンガヌFCはJDTに完敗、審判の助けを借りずにで2019年に続く2連覇(2020年は新型コロナの影響でマレーシアカップは中止)、そして今季2冠を目指して決勝進出を決めています。

11月26日のニュース:マレーシアカップ関連4題-トレンガヌFCとMFLがSOP違反で罰金処分、SOP違反が続けばマレーシアカップ決勝は無観客開催の可能性も、マレーシアカップ決勝は飲食禁止で定員2万人も変わらず、MFLは準決勝を前に審判の質の向上を求めるも今言われてもなぁ…

トレンガヌFCとMFLがSOP違反で罰金処分

 11月22日に開催されたマレーシアカップ準決勝トレンガヌFC対JDTの試合で標準作業手順SOPの違反があったとして、トレンガヌ州政府保健局は、この試合を開催したトレンガヌFCとマレーシアカップ主催者のMFLに対しそれぞれ1万リンギ(およそ27万円)の罰金処分を課しています。
 トレンガヌ州ゴンバダのスルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアムで行われたこの試合についてトレンガヌ州保健局のカセマニ・エムボン局長は、観衆のマスク着用やソーシャルディスタンス維持といった州内での試合開催における標準作業手順SOPが十分に守られなかったことに対する処分であると述べています。
 この試合を開催したトレンガヌFCは5万人収容可能なスルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアムで入場者を2万人に制限し、入場前の体温検査実施や新型コロナ対策アプリMySejahteraのQRコードを読み取りによる入場などの対策をとっていましたが、ソーシャルメディア上には塀を乗り越えて出入りするサポーターの映像が拡散するなど、対策の不備が指摘されていました。

SOP違反が続けばマレーシアカップ決勝は無観客開催の可能性も-MFL

 マレーシアカップを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは公式サイト上で、上の記事でも取り上げた準決勝第1戦での標準作業手順SOP違反を受け、今日11月26日に開催される準決勝第2戦でも同様の事態が起これば、11月30日にブキジャリル国立競技場で予定されているマレーシアカップ決勝が中止になる可能性があると話しています。
 新型コロナの新規感染者数は昨日11月25日には6日ぶりに6000人台に達するなどがここ数日は再び増加傾向にあり、マレーシア政府は感染拡大に躍起となっていることから、本日の準決勝第2戦でもサポーターがSOP遵守を怠れば、政府は方針を転換してスタジアム観戦を禁じ、その結果としてマレーシアカップ100周年記念大会の決勝を無観客で行わなければならなくなる可能性があると述べたスチュアートCEOは、サポーターに対して良識ある行動を求めています。
 準決勝第1戦でSOP違反が起きたことはマレーシアカップ主催者として残念だと話したスチュアートCEOは、新規感染者数が増加していることを真剣に受け止めて、スタジアムに足を運ぶサポーターに対してマレーシア政府が設けたSOPの遵守を改めて呼びかけています。

マレーシアカップ決勝は飲食禁止で定員2万人も変わらず


 MFLは公式サイト上でマレーシア政府に働きかけていたマレーシアカップ決勝の入場定員増とスタジアム内での飲食許可がいずれも却下されたことを明らかにしています。
 マレーシアカップグループステージ第3節の10月29日からおよそ6ヶ月ぶりにスタジアムでの観戦が可能になったマレーシアですが、感染拡大防止の観点からスタジアム内での飲食は禁止されています。店内での飲食はもとより映画館でも飲食が既に許可されていることもあり、スタジアムに足を運ぶサポーターからはスタジアム内での飲食解禁を求める声が多く上がっており、国内の新型コロナ対策を統括するマレーシア政府の国家安全保障委員会NSCに対して、せめて決勝戦だけでも飲食が可能となるよう、国内スポーツを統括する青年スポーツ省を通じて申請をしていましたが、国家安全保障委員会によってこの申請が却下されたことをMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOが明らかにしています。これについてスチュアートCEOは決勝戦入場前に飲食が済ませられるよう、ブキジャリル国立競技場を運営するマレーシアスタジアム社と協力して屋台やフードトラックなどの停波医を行うとしています。
 またスチュアートCEOは現在は2万人となっているマレーシアカップ決勝戦のスタジアム観戦者数の制限緩和も合わせて申請していましたが、こちらも申請が却下されたということです。クアラルンプールは国家復興プラン第4段階に入っていますが、この第4段階ではスポーツ施設への入場制限は定員の50%あるいは2万人の少ない方とすることが国家安全保障委員会により規定されており、マレーシアカップ決勝が開催されるクアラルンプールのブキジャリル国立競技場の定員が8万7000人超であることから、定員の半数程度の4万人を目処に制限緩和を求めていました。

MFLは準決勝を前に審判の質の向上を求めるも今言われてもなぁ…

 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、審判の質を直ちに向上するよう求めています。
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロの取材に対し、審判に関してはMFLの管轄外であると断った上で、質が低い審判はマレーシアカップだけでなくMリーグのイメージを損なうものだと述べ、マレーシアカップ準決勝第2戦ではより質が高い審判を求めたいと話しています。
 マレーシアカップ準決勝第1戦のトレンガヌFC対JDT戦では、ヤシン・モハマド主審がJDT選手の目に余る悪質な反則プレーが自身の前で起こっていたにもかかわらずカードを出さなかったことからトレンガヌFCサポーターだけでなく、国内の多くのサッカーファンからも槍玉に挙げられていました。
 アブドル・ガニCEOは「準決勝で主審が悪質なプレーを見過ごした回数はわずか数回だったかもしれないが、マレーシアカップ準決勝ともなれば利用チームのサポーターだけでなく多くのサッカーファンの注目も集まっており、そう言った見過ごしが特に目立ってしまった。審判がミスをするのは避けられないが、(審判を統括するマレーシアサッカー協会FAMには)それを改善するために直ちに手を打って欲しい。」と述べて、速やかな改善策を求めています。


11月25日のニュース:広告会社IMC社がペラFCを買収し新オーナーに、VAR導入には時間が必要-FAM審判委員長、サバFAが大型補強敢行か

広告会社IMC社がペラFCを買収し新オーナーに

 開幕後に未払い給料問題が発生したことから開幕戦の先発XIの内8名がシーズン途中に退団し、その結果、今季1部スーパーリーグでは11位となり来季は2部プレミアリーグ降格が決まっているペラFCはですが、このペラFCを運営するペラ州サッカー協会のムハマド・ヤザン会長代行は、広告会社のImpact Media and Communication社(IMC社)がクラブの株式100%を購入して新たなオーナーとなったことを発表しています。なお買収額は公表されていません。
 ペラ州サッカー協会の事務所で行われた記者会見では、IMC社が現在、ペラFCが直面している全ての問題を解決することは望んでおらず、ペラ州サッカー協会と協力して解決方法を模索していくと述べ、まず現在クラブに在籍する選手たちとの話し合いを持つとしています。
 なお今回の買収により、州サッカー協会が全ての株式を売却し、民営化されたMリーグクラブはJDT、PJシティFC、スリ・パハンFC、ケランタンFCに続く5クラブ目となります。
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 シーズン中も絶えず給料未払いが発生していたとされるペラFCの買収については今年4月に化粧品会社を経営するハスミザ・オスマン氏やスポーツ関連企業のコパ・アリーナ社が名乗りを上げ、特にコパ・アリーナ社とはかなり交渉が進んだものの、ペラ州サッカー協会が未払いとなっている給料などに加えて州内のサッカー活動支援など契約開始時からより多くの費用を要求したことから交渉が決裂していました。
 そんな中でやや唐突な印象もあるIMC社による買収劇ですが、ペラ州サッカー協会内でも一部にしか知らされていなかったという報道もあり、またで「全ての問題を解決することは望んでいない」といった点はコパ・アリーナ社との交渉内容とは少々異なるようで何かスッキリしない印象も残ります。

VAR導入には時間が必要-FAM審判委員長

 隣国タイやインドネシアでビデオアシスタントレフリーVARの導入が進む中、先日はJDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下がMリーグもVAR導入の時期に来ていると発言しましたが、その実現にはまだ時間がかかりそうだと、マレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。
 この記事の中でマレーシアサッカー協会FAM審判委員会のS・シヴァサンダラム委員長は、国内でのVARの導入については実証実験の前の段階であり、導入に向けて様々な点の検討が残っていると話しています。
 「VAR導入についての議論は行われているが、導入には最低でも1800万リンギから2000万リンギ(およそ4億9000万円から5億4000万円)に費用が必要と試算されており、新型コロナ禍の現状でその費用の調達が調達可能な可能かどうかを精査する必要があり、またMリーグの試合を開催するスタジアムでのインターネット環境の改善もVAR導入には必要で、これらについては現在も検討中である。」と話すシヴァサンダラム委員長は、現時点ではVAR導入時期などについて述べることはできないとしています。

サバFAが大型補強敢行か

 今季のMリーグ1部スーパーリーグでは4勝7分11敗の9位に終わったサバFCですが、昨季から2季監督を務めたクルニアワン・ドゥイ・ユリアントを解任し、マレーシアカップ直前の10月1日に前FAMテクニカルディレクターのオン・キムスイ新監督が就任して以降はマレーシアカップグループステージを突破して準々決勝に進出するなど、新監督就任効果が現れているます。このサバFCが来季2022年シーズンに向けてはさらなる補強を行うようだと、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 スーパーリーグの大物選手を複数獲得することが噂されているサバFCですが、その噂に上っているのが、今季スーパーリーグではマレーシア人選手として最多ゴールを挙げているMFバドロル・バクティアル(クダ・ダルル・アマンFC)とクラブ史上初となるマレーシアカップ準決勝進出に貢献しているGKカイルル・ファミ・チェ・マット(マラッカ・ユナイテッドFC)の代表コンビです。
 スタジアムアストロの取材に対してオン監督は、新戦力の獲得についてはフロントの許可が必要だが、名前はまだ明らかにできないもののの新戦力を獲得するための交渉が行われているのは事実であることを認め、最終的にはチームの20%から30%のメンバーが入れ替わるだろうと話しています。
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 2011年の東南アジア競技大会通称シーゲームズで金メダルを獲得した当時のU23代表は、オン監督、バドロル主将、正GKカイルルというメンバーだったことから、バドロル、カイルル両選手の移籍は濃厚ですが、バドロル選手が所属するクダ・ダルル・アマンFCは来季へ向けて残留交渉を行っていると報じられています。
 ユース時代からクダFA(当時、現クダ・ダルル・アマンFC)一筋でプレーし、リーグ戦とカップ戦合わせて通算123ゴールを挙げてきたバドロル選手に加え、チームメートでやはり代表選手のDFリザル・ガザリもサバFC移籍が噂されており、これが実現すれば、2季連続スーパーリーグ2位のクダ・ダルル・アマンFCは来季は大きくメンバーが変わることになりそうです。


11月24日のニュース:スランゴールFC-5選手と長期契約締結の一方で今季更迭された監督が来季はコーチに、JDT選手の蛮行を見逃した審判に批判が集中-JDTオーナーは審判の質を批判しVAR導入を提案も問題はそこなのかな?、クダはアイディル監督との契約更新へ

スランゴールFCが若手5選手と長期契約締結

 スランゴールFCは今季主力としてプレーした若手5選手との長期契約を結んだことをクラブ公式サイトで発表しています。今回長期契約を交わしたのは、AFC U23アジアカップ2022年大会予選に出場し本戦出場権を獲得したU22代表で主将を務め、来月12月のスズキカップに出場するA代表にも招集されているMFムカイリ・アジマル(20)、同じくU22代表の招集されながらケガで辞退となったアフロヘアーがトレードマークのDFシャルル・ナジーム(22)、昨季はMリーグ2部プレミアリーグでマレーシア人選手最多の7ゴールを挙げ、今季は1部スーパーリーグとマレーシアカップでやはりマレーシア人選手としてはチーム最多の6ゴールを挙げているFWダニアル・アスリ(21)、今季は24試合に出場し、かつてはJリーグでプレーすることが夢だと語ったこともあるMFアリフ・ハイカル(21)、そして来月12月開催されるスズキカップに出場するミャンマー代表に招集されているFWハイン・テット・アウン(20)の5名です。
 スランゴールFCはこれら若手選手の他、このブログでも取り上げたガン治療中のMFブレンダン・ガン(33)、代表GKのカイルルアズハン・カリド(32)、U22代表で今季は期限付き移籍していたペナンFCから復帰予定のDFクェンティン・チェン(22)の他、MFノー・ハキム・ハサン(30)、DFアシュマウイ・ヤキン(27)らと次々に契約を更新したことを発表しています。

ナイチェル前スランゴールFC監督はコーチに降格

 スランゴールFCは今季クラブのテクニカルダイレクターを務めたミヒャエル・ファイテンバイナー氏の来季監督就任を発表しましたが、今季開幕前に就任しながらチームがリーグ5位に終わり更迭されたカルステン・ナイチェル前監督と2年契約を結んでいたことからその去就に注目が集まっていました。
 そんな中、クラブ公式サイトでナイチェル前監督のトップチームアシスタントヘッドコーチ(?)就任が発表されました。マレーシアカップ準々決勝敗退から48時間後に更迭が発表されたナイチェル氏ですが、クラブ公式サイトでは「来季はナイチェル氏にはスランゴールFCのプレースタイルと哲学を浸透させるために、今季の経験を生かしたトップチームへの指導、そしてファイテンバイナー監督の支援を求めたい。」と淡々と述べられています。
 またスランゴールFCは前フェルダ・ユナイテッドFC(2019年に解散)監督で、スランゴールFCの前身、スランゴールFAでのプレー経験もあるニザム・ジャミル氏の来季のトップチームアシスタントヘッドコーチ(?)就任も発表されています。スランゴール州出身で、スランゴールFAでトップチームデビューを果たしたニザム氏はそこから2004年までプレーし、その後はPKNS FCなどでもプレー経験があります。

JDT選手の蛮行を見逃した審判に批判が集中-JDTオーナーは審判の質を批判しVAR導入を提案も問題はそこなのかな?

 11月22日に行われたマレーシアカップ2021準決勝第1試合のトレンガヌFC対JDT戦では、JDT選手がトレンガヌFCの選手に対して度を超えたラフプレーを繰り返し、しかもそれに対して主審がイエローカードすら出さなかったことから、この試合で主審を務めたモハマド・ヤシン氏に対する非難が集まっています。
 この試合で映像で確認できるだけでもJDTのシェーン・ローリーが自陣ペナルティエリア内で倒れたトレンガヌFCのジョーダン・ミンターを突き飛ばし、さらにそれを止めに入ったトレンガヌFCのGKスハイミ・フシンを投げ倒し、またJDTのナチョ・インサはトレンガヌFCのエンク・ヌル・シャキルに対してブロックやショルダーチャージというよりは明らかにエルボーをかまして倒していますが、いずれも主審の目の前で起こったにもかかわらず、両選手には注意が与えられただけだったことからトレンガヌFCの選手がもう抗議するも聞き入れられませんでした。
 これらの判定にたいしてトレンガヌFCサポーターからは、JDTのオーナーがジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下であることから、その威光を恐れてカードが出せなかったのではといった批判まで飛び出す事態になっています。
 その一方でJDTオーナーのイスマイル殿下も、この日の試合については自チーム選手の行為には触れなかったものの、この試合の審判の質が低かったことを指摘した上で、VARの導入を提案しています。
 「マレーシア人の審判の質が低いのはこの試合(トレンガヌFC対JDT)だけではない。Mリーグの多くの試合でも同様で、それも毎年繰り返されている。マレーシアサッカー協会FAMは何かしらの行動を起こすべきだ。」と自身のTwitterに投稿し、VAR導入を検討すべきと提言しています。
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 国内リーグやカップ戦における審判の問題はこれまで何度も取り上げられながら、解消されずにきたマレーシアサッカーの長年の問題点の一つです。FAMは審判のプロ化に向けた計画を発表したものの中断?頓挫?しているのが現状です。選手も監督、コーチ、さらにサポーターも審判に対して敬意を払わず信用もしていない中、前年2018年のマレーシアカップ決勝ではやはり判定に多くに批判が集まったことから、日本人の岡部拓人主審と八木あかね、野村修両副審が2019年のFAカップ決勝で審判を務めたこともあります。
 ただしこの審判の問題は、その質だけでなく、上の記事でトレンガヌFCサポーターが指摘しているような「見えざる手」の影響も否定できません。マレーシアサッカー協会FAMが審判を外部からのあらゆる干渉から守る覚悟、そして選手による不正行為を厳格に罰する覚悟を持っているか否かにかかっていますが、その覚悟は…まだ感じられません。

クダはアイディル監督との契約更新へ

 Mリーグでは昨季に続き2位となりAFCカップ出場権を獲得したクダ・ダルル・アマンFC。マレーシアカップは外国籍選手の離脱などもあり準々決勝で敗退していますが、今季3年目を終えたアイディル・シャリン・サハック監督は来季も続けて指揮を取るようだと、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。
 2019年はリーグ4位、マレーシアカップ準優勝、マレーシアFAカップ優勝、昨季2020年と今季2021年はいずれもJDTに次ぐリーグ2位という成績を収めているクダ・ダルル・アマンFCですが、クラブ運営会社のカマル・イドリス・アリCEOはアイディル監督に対して来季の契約延長を申し出ていると話しています。
 「クラブとしては既に契約を延長したい旨をアイディル監督に伝えており、現在は返事を待っている状態である。来季のMリーグはさらに激しい争いになることが予想され、クラブにとってアイディル監督は必要であると考えている。来季の戦力についてはまだ明らかにすることはできないが、およそ80%は確定している。」と話したカマルCEOは、来季に向けて外国籍選手を中盤のポジションで補強することも明らかにしており、現在の候補者はいずれもMリーグでプレー経験があると話しています。

11月23日のニュース(2):マレーシアカップ決勝のチケットは11月27日正午から販売、スズキカップに向けて代表が合宿開始、タイ1部第14節-代表コンビは揃って出場

マレーシアカップ決勝のチケットは11月27日正午から販売

 マレーシアカップを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは公式サイトでマレーシアカップ決勝戦のチケット販売についての詳細を発表しています。
 11月30日にクアラルンプールのブキジャリルスタジアムで開催される決勝戦は2021年のマレーシア国内サッカー最後のビッグイベントですが、チケット価格は一般席の50リンギ(およそ1,400円)からメインスタンドプレミアム席の150リンギ(およそ4,100円)まで全4種類あります。
 MFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは今年2021年決勝のチケット価格は2019年決勝から据え置きとなっている一方で、満席となれば87,000人が収容できるブキジャリル国立競技場での今回の決勝は観衆を20,000人に制限することから、コスト増加分はMFLが負担していると述べています。
 また国内のコロナ対策を統括する国家安全保障委員会に対しては、入場可能な観衆の数の増加や、現在は禁止されているスタジアム内での飲食の許可なども申請しているということです。
 なお決勝のチケットは11月27日の正午よりチケットホットラインのサイトで販売が開始されるということです。

スズキカップに向けて代表が合宿開始

 12月5日にシンガポールで開幕する東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会に出場する代表候補合唱が昨日11月22日からスランゴール州プタリンジャヤにあるマレーシアサッカー協会FAMの施設で始まっています。
 現在、国内ではマレーシアカップ準決勝が行われており、今回の合宿には、先日発表になった代表候補28名の中から、準決勝に残っているJDT、トレンガヌFC、KLシティFCとマラッカ・ユナイテッドFCを除いたクラブに所属する選手12名が招集されています。なお第二子が生まれたばかりのバドロル・バクティアル(クダ・ダルル・アマンFC)も合宿初日となった昨日は練習に参加しなかったと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 代表合宿には11月28日にはマレーシアカップ準決勝で敗れたチームの選手が、そして12月1日からは決勝戦に出場した選手も含めた全員が練習に参加します。またジュニオール・エルドストール(対1部チョンブリーFC)、ドミニク・タン(タイ1部ポリス・テロFC)、ディオン・クールズ(デンマーク1部FCミッティラン)、ルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)の海外組4名は、シンガポールでチームに合流するということです。
 前回2018年大会ではベトナムに敗れて準優勝となったマレーシアは、今大会ではベトナム、ラオス、カンボジア、インドネシアと同じB組に入り、12月6日にラオスとの初戦が控えています。


タイ1部第14節-代表コンビは揃って出場

 2021/2022年シーズンのタイ1部リーグ第14節が11月20日と21日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCはナコーンラーチャシーマーFCと引き分けたものの4位を堅持、DFドミニク・タンが所属するポリス・テロFCはプラチュワップFCとこちらもやはり引き分けて、順位を1つ下げて11位としています。

タイ1部リーグ第14節
2021年11月20日@80周年スタジアム
ナコーンラーチャシーマーFC 0-0 チョンブリーFC
 過去5戦を4勝1分と好調なチョンブリーFCはこの試合ではスコアレスドローに終わっていますが、3位の今節でポートFCに敗れた3位のBGパトゥム・ユナイテッドと勝点差1まで迫っています。
 ジュニオール・エルドストールは先発してフル出場しています。

2021年11月21日@サームアーオスタジアム
PTプラチュワップFC 1-1 ポリス・テロFC
 この試合前は15位のPTプラチュワップFCと対戦した10位のポリス・テロFCは、開始直後の5分に先制し、そのまま逃げ切りを図りましたが後半ロスタイムに同点ゴールを許して引き分けています。
 ドミニク・タンは78分から出場し、81分にはイエローカードももらっていますが、試合終了までプレーしています。

タイ1部リーグ順位表(第14節終了)

順位チーム試合得失差勝点
1バンコク・ユナイテッド1410221732
2ブリーラム・ユナイテッド149231529
3BGパトゥム・ユナイテッド14824326
4チョンブリーFC147431125
11ポリス・テロFC14445-316
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFC、ポリス・テロFCのみ表示しています。

11月23日のニュース(1):マレーシアカップ2021-準決勝第1試合結果

 11月22日にマレーシアカップ準決勝第1戦の2試合が行われ、JDT(Mリーグ1部今季1位)をホームに迎えたトレンガヌFC(同4位)、マラッカ・ユナイテッド(同8位)をホームに迎えたKLシティFC(同6位)がいずれも1-1で引き分けています。ホームアンドアウェイ形式行われる準決勝の第2戦は11月26日に予定されています。
(試合の映像はMFLの公式YouTubeチャンネルよりお借りしています。)

マレーシアカップ準決勝第1戦
KLシティFC 1-1 マラッカ・ユナイテッドFC

2021年11月22日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
得点者:KL-ザフリ・ヤハヤ(28分)、マラッカ-アドリアーノ(8分)
 準々決勝のスランゴールFC戦後にサポーターがピッチになだれ込んだことに対する処分として無観客で開催されたこの試合は、今季ホームでは無敗を誇るKLシティFCが先制を許すも、ザフリ・ヤハヤがパウロ・ジョズエのクロスに合わせたヘディングシュートで同点とし、そのまま引き分けて今季のホーム無敗記録を16に伸ばしています。
 マラッカ・ユナイテッドFCは先制ゴールを決めたアドリアーノやマレーシアカップでは好調なソニー・ノルデ、マヌエル・オットが連動し、試合前の豪雨で水が浮くピッチに悩まされながらもグループステージから続く果敢な攻撃を繰り広げ、1-1と引き分けたもののアウェイゴールのアドバンテージを得て次戦のホームゲームに臨みます。

マレーシアカップ準決勝第1戦
トレンガヌFC 1-1 JDT

2021年11月22日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
得点者:トレンガヌ-ジョーダン・ミンター(8分)、JDT-ベルグソン・ダ・シルヴァ(50分)
 今季のMリーグでJDTに唯一の黒星をつけているトレンガヌFCは、リー・タックのクロスにジョーダン・ミンターが頭で合わせて先制し、前半を1-0とリードして折り返します。後半に入ってもトレンガヌFCはジョーダン・ミンターが積極的にゴールを狙いますが、得点には至りません。追加点が奪えないまま試合が進んだ50分、JDTはアリフ・アイマンからのパスを受けたエースのベルグソン・ダ・シルヴァがとトレンガヌDFをかわして同点ゴールを決めています。
 トレンガヌFCはその後もジョーダン・ミンターを中心にゴールを狙いますが、このまま試合は引き分けに終わり、こちらも次戦はJDTがアウェイゴールのアドバンテージを持ってホームでトレンガヌFCを迎え撃ちます。

11月22日のニュース:スランゴールFCとケランタンFCがいずれも内部昇格による新監督就任を発表、スランゴールFCはガン治療中のブレンダン・ガンとの契約更新

 マレーシアカップは準決勝となり、今日11月22日はホームアンドアウェイ方式の第1戦が開催されます。今季最後の大会にはJDT、トレンガヌFC、KLシティFCそしてマラッカ・ユナイテッドFCの4チームが残っていますが、他のチームは既に来季に向けた準備を始めています。そんな中、Mリーグの2チームが新監督就任を発表していますが、いずれも内部昇格なのが興味深い点です。

ファイヒテンバイナーTDがスランゴールFC新監督就任

 Mリーグ1部のスランゴールFCは、クラブのテクニカルディレクター(TD)を務めるミヒャエル・ファイヒテンバイナーの新監督就任をクラブの公式サイトで発表しています。なおファイヒテンバイナー新監督はクラブのスポーティングダイレクターも兼任することも併せて発表されています。
 今季のスランゴールFCは今季開幕前に就任したカルステン・ナイチェル監督が若い選手を積極的に起用するなど、育成しながら勝つという難題を抱えながらMリーグに臨み、リーグ戦は昨季と同じ5位、マレーシアカップでは準々決勝で敗退していました。フォルカー・フィンケ監督時代にはJリーグの浦和でコーチの経験もあるナイチェル監督はスランゴールFCと2年契約を結んでいますが、解任された後については何も発表されていません。
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 今季リーグ得点王のイフェダヨ・オルセグンを擁するスランゴールFCですが、今季はセカンドチームのスランゴールFC2から多くの若手を昇格させ、「育成」を目的に選手起用を行ったシーズンだったことから、ナイチェル監督の解任理由がリーグ5位やマレーシアカップ準々決勝敗退という成績が理由であれば、開幕当初のクラブの方針がそもそも違っていたということなります。A代表にも招集されたU22代表主将のMFムカイリ・アジマルだけでなく、FWダニアル・アスリ、DFシャルル・ナジームに代表される若手が各ポジションでレギュラーとなるなど。ナイチェル監督に責任を負わせるのだとすればそれは見当違いなだけでなく、育成を後回しにすればクラブは「暗黒の時代」に戻りかねません。

リーザル・ザムベリ監督代行が正式にケランタンFC監督に就任

 Mリーグ2部のケランタンFCは、今季途中から監督代行を務めていたリーザル・ザムベリ アシスタントコーチの監督就任をクラブの公式Facebookで発表しています。契約は3年契約ということです。
 今季就任したイタリア出身のマルコ・ラギニ監督は8月7日の試合を最後に、椎間板ヘルニアの手術を受けるため母国イタリアへ帰国しており、この間はザムベリ監督代行がチームの指揮を取っていました。
 クラブのノリザム・トゥキマン オーナーは2023年のMリーグ1部復帰を厳命していますが、リーザル新監督は正式に監督となったことで、自身の戦術や戦略に合わせた選手の起用ができることから、オーナーの厳命はプレーシャーとは感じず、むしろ好機と受け止めたいと話しています。

スランゴールFCはガン治療中のブレンダン・ガンとの契約更新

 スランゴールFCは、現在、ガン治療中のブレンダン・ガンとの2022年の契約を更改したことを公式クラブサイトで発表しています。
 2020年にペラFC(当時ペラFA)から移籍してきたガン選手はクラブで主将を務めていた他、今年6月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選に出場した代表のプレーを最後に、自身の精巣腫瘍の治療を受けるために今季はプレーしないことを公表していました。
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 このブログでも取り上げましたが、JDTのトゥンク・イスマイル オーナーが「ガン治療中の選手の来季の給料が半減されると聞いた」と契約クラブを非難する投稿をソーシャルメディアに挙げ、それに対してスランゴールFCとガン選手の両方がそれを否定する内容を挙げて反論するなど、ちょっとした事件になっていました。今回の契約内容は不明なものの、来季もガン選手はスランゴールFCに残留することになったのはまずは良かったと言えるでしょう。


11月20日のニュース:Mリーグ年間表彰候補が発表

Mリーグ年間表彰候補が発表
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは2021年のMリーグ年間表彰(ABK21)の各部門の候補者を発表しています。Jリーグアウォーズのマレーシア版にあたるこのAKB21は全16部門で表彰が行われ、表彰式は12月4日にオンラインで開催されます。
 このABK21は今季のMリーグ(1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグ)に一定試合数以上出場した403選手を対象に選考委員会によって各ポジションごとに選ばれた各部門の上位10選手の中から、Mリーグ1部12チーム、2部11チームの全23チームの監督と主将、そしてメディアの代表23名による投票で最優秀選手が選ばれます。

<ゴールデンシュー(今季最多得点)>
 今季のMリーグとマレーシアカップを合わせた今季最多得点を挙げた選手に与えられるゴールデンシューは、マレーシアカップ決勝戦終了後に発表されます。
<1部スーパーリーグ最多得点>
・外国籍選手部門
 イフェダヨ・オルセグン(スランゴールFC)- 26ゴール
・マレーシア人選手部門
 バドロル・バクティアル(クダ・ダルル・アマンFC)- 7ゴール
<2部プレミアリーグ最多得点>
・外国籍選手部門
 ジョーダン・ミンター(トレンガヌFC II)- 16ゴール
 フェルナンド・ロドリゲス(JDT II)- 16ゴール
・マレーシア人選手部門
 ヌルシャミル・アブドル・ガニ(ケランタンFC)- 9ゴール

<最優秀GK部門候補>
1. ファリザル・マーリアス (JDT)
2. サミュエル・サマーヴィル(ペナンFC)
3. スハイミ・フシン(トレンガヌFC)
4. カイルルアズハン・カリド(スランゴールFC)
5. カラムラー・アル=ハフィズ(PJシティFC)
6. カイルル・ファミ・チェ・マット(マラッカ・ユナイテッドFC)
7. ダニエル・リム (ヌグリスンビランFC)
8. シャルビニー・アラウィー・ラムリ(サラワク・ユナイテッドFC)
9. アスリ・ムハマド (PDRM FC)
10. シーク・イズハン・ナズレル・シーク・アズマン(スランゴールFC2)

<最優秀DF部門候補>
1. ラヴェル・コービン=オング(JDT)
2. マシュー・デイヴィーズ(JDT)
3. リザル・ガザリ(クダ・ダルル・アマンFC)
4. クェンティン・チェン(ペナンFC)
5. アリフ・ファジラー(トレンガヌFC)
6. ハキミ・アブドラー(トレンガヌFC)
7. イルファン・ザカリア(KLシティFC)
8. ダニエル・ティン(KLシティFC)
9. ラフィ・ナグールガニ(PJシティFC)
10. ファリス・シャー・ロスリ(マラッカ・ユナイテッドFC)

<最優秀MF部門候補>
1. アフィク・ファザイル(JDT)
2. ナチョ・インサ(JDT)
3. バドロル・バクティアル(クダ・ダルル・アマンFC)
4. シャズワン・ザイノン(クダ・ダルル・アマンFC)
5. アル=ハフィズ・ハルン(ペナンFC)
6. シャミ・サファリ(スランゴールFC)
7. ザフリ・ヤハヤ(KLシティFC)
8. S・クマーラン(マラッカ・ユナイテッドFC)
9. アムリ・ヤハヤ(サバFC)
10. R・バラトクマル(ヌグリスンビランFC)

<最優秀FW部門候補>
1. アリフ・アイマン(JDT)
2. サファウィ・ラシど(JDT)
3. ファイサル・ハリム(トレンガヌFC)
4. ダニアル・アスリ(スランゴールFC)
5. コギレスワラン・ラジ(KLシティFC)
6. ダレン・ロック(PJシティFC)
7. マリク・アリフ(スリ・パハンFC)
8. ザクアン・アドハ・アブドル・ラザク(ヌグリスンビランFC)
9. ヌルシャミル・アブドル・ガニ(ケランタンFC)
10. アズハド・ハラズ・アルマン(FAM-MSNプロジェクト)

<最優秀監督部門候補>
1. ベンヤミン・モラ(JDT)
2. アイディル・シャリン(クダ・ダルル・アマンFC)
3. トーマス・トルカ(ペナンFC)
4. ナフジ・ザイン(トレンガヌFC)
5. ボジャン・ホダック(KLシティFC)
6. P・マニアム(PJシティFC)
7. ザイナル・アビディン・ハサン(マラッカ・ユナイテッドFC)
8. K・デヴァン(ヌグリスンビランFC)
9. E・エラヴァラサン(サラワク・ユナイテッドFC)
10. ワン・ロハイミ・ワン・イスマイル(PDRM FC)

<最優秀外国籍選手部門候補>
1. ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)
2. ゴンザロ・カブレラ(JDT)
3. レアンドロ・ヴァレスケス(JDT)
4. クパー・シャーマン(クダ・ダルル・アマンFC)
5. マカン・コナテ(トレンガヌFC)
6. ジョーダン・ミンター(トレンガヌFC)
7. イフェダヨ・オルセングン(スランゴールFC)
8. ロメル・モラレス(KLシティFC)
9. マヌエル・オット(マラッカ・ユナイテッドFC)
10. ウチェ・アグバ(サラワク・ユナイテッドFC)

 この他、最優秀チーム部門はMFLの技術委員会が、フェアプレーチーム部門はマレーシアサッカー協会FAMとMFLが選考します。
 また最優秀選手MVPは、最優秀GK、最優秀DF、最優秀MF、最優秀FWに選ばれた4選手の中かからタン・チェンホー代表監督、ブラッド・マロニーU22代表監督、B・サティアナタン マレーシアサッカー指導者協会PJBM会長、サフィー・サリ マレーシアプロサッカー選手会会長、イザハル・アタン スポーツ記者協会理事らで構成される選考委員会による投票で決定します。
 なおファンが選ぶベストイレブン部門もあり、こちらから投票が可能です。(投票サイトはマレーシア語です。)

マレーシアカップ-準々決勝第2戦結果

 11月14日にマレーシアカップ準々決勝第2戦の4試合が行われ、JDT(Mリーグ1部今季1位)、トレンガヌFC(同4位)、KLシティFC(同6位)、マラッカ・ユナイテッド(同8位)の4チームがベスト4に進出しています。準々決勝と同様、準決勝もホームアンドアウェイ方式で行われ、第1戦は11月22日、第2戦は11月26日に予定されています。

マレーシアカップ準々決勝第2戦
2021年11月18日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
KLシティFC 1-0 スランゴールFC(2試合通算:KLシティFC 3-0 スランゴールFC)
得点者:KL-ロメル・モラレス(51分)
 絶好調を維持するロメル・モラレスがマレーシアカップ8試合で10ゴール目となるゴールを決めたKLシティFCが準々決勝2試合に連勝して、1992年以来29年振りとなる準決勝進出を決めています。KLシティFCの今季ホーム無敗記録はこの日の勝利で15試合(12勝3分)に伸びています。
 ケガでグループステージでの出場がなかった今季のリーグ得点王イフェダヨ・オルセグンが復帰したスランゴールFCは準々決勝1回戦とは明らかに別のチームで、選手同士の連動も目に見えて良くなっていました。後半には検疫隔離明けのU22代表主将のMFムカイリ・アジマルを投入するなど総力戦で臨みましたが、総合力で上回ったKLシティFCの軍門に降りました。
 いずれも首都圏クランバリーに本拠地を持つ両チームが対戦した「クランバリーダービー」に連勝したKLシティFCは準決勝ではマラッカ・ユナイテッドと対戦します。

2021年11月18日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ・ユナイテッドFC 2-1 サバFC(2試合通算:マラッカ・ユナイテッドFC 3-1 サバFC)
得点者:マラッカ-アドリアーノ(3分)、ソニー・ノルデ(77分)、サバ-リスト・ミトレフスキ(90+3分PK)
 マラッカ・ユナイテッドFCがソニー・ノルデの2戦連発となるゴールなどでサバFCを破り、クラブ史上初となる準決勝進出を決めています。

2021年11月18日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダルプテリ)
JDT 0-0 クダ・ダルル・アマンFC(2試合通算:JDT 1-0 クダ・ダルル・アマンFC)
得点者:JDT-アリフ・アイマン(40分)
 2019年に続く連覇(2020年は新型コロナ感染拡大により中止)を目指すJDTが19歳のFWアリフ・アイマンのゴールで挙げた1点を守り切り、準決勝に進んでいます。
 今季のMリーグ1部1位と2位の対決となった準々決勝第1戦のホームゲームを0-0で終えたクダ・ダルル・アマンFCは初戦を欠場したチェチェ・キプレが先発し、GKシャーリル・サアリの好セーブを連発しましたが、今季ホームでは12勝1分1敗と圧倒的な強さを誇るJDTの前に敗れています。
 JDTは準決勝でトレンガヌFCと対戦しますが、今季唯一の黒星がホームでのトレンガヌFC戦です。

2021年11月18日UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
サラワク・ユナイテッドFC 2-4 トレンガヌFC(2試合通算:サラワク・ユナイテッドFC 3-6 トレンガヌFC)
得点者:サラワク-サンドロ・ダ・シルヴァ(71分)、ウチェ・アグバ(89分)、トレンガヌ-ジョーダン・ミンター2(2分、64分)、ファイサル・ハリム(12分)、ファイズ・ナシル(45分)
 ホームでの準々決勝初戦に2-1と勝利していたトレンガヌFCはこの日もジョーダン・ミンターとファイサル・ハリムのFWコンビが絶好調。ミンター選手がマレーシアカップ4得点目となるゴールを決めて先制すると、ハリム選手も2戦連発となるマレーシアカップ5得点目となるゴールを決めるなど、前半で3−0、通算成績を5-1としてリードを広げて勝利したトレンガヌFCは、JDTと準決勝で対戦します。

11月18日のニュース:KLシティFCはモラレスの帰化を画策、ペラFC主将は条件付きで2部降格クラブへの残留を表明、タン代表監督はコービン=オングらJDT選手を招集しなかった理由を説明

 昨日は12月5日に開幕する東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップに出場する代表候補が発表されましたが、今季の代表戦7試合の総得点が4点という慢性的な得点力不足に悩む代表のタン・チェンホー監督は今季リーグ戦の大半を棒に振るほどのケガから復帰のシャーレル・フィクリ(スランゴールFC)とダレン・ロック(PJシティFC)の2人のFWを招集しています。そんな火力不足の攻撃陣に朗報、という話題から始めましょう。

KLシティFCはモラレスの帰化を画策
 マレーシアカップ準々決勝は今日11月18日にホームアンドアウェイ方式の第2戦が行われますが、グループステージから通算して7試合で9ゴールを挙げているKLシティFCのロメル・モラレスはチームのベスト16進出の原動力となっています。
 昨季2020年シーズンはトレンガヌFCでプレーしたドミニク・ダ・シルヴァ(モーリタニア)を獲得したものの開幕からわずか6試合で今季絶望の負傷を負い、後半戦に向けてシーズン中のトランスファーウィンドウ期間に獲得したキリアン・ヌワブエズ(アメリカ)に至っては加入後初出場となった試合で負傷しこちらも今季絶望となるなど、ストライカーを立て続けに失ったボジャン・ホダック監督はMFのロメル・モラレスをFWにコンバートするとこれが大成功。リーグ戦では5ゴールにとどまったものの、マレーシアカップに入ってからはゴールを量産しています。
 そんなモラレス選手が代表の救世主となるのでは、とマレーシア語紙のブリタハリアンが報じています。24歳のモラレス選手は2018年にMリーグ1部のPKNS FC(当時、後にチームはスランゴールFCと合併)に加入し、2020年シーズンはマラッカ・ユナイテッドFC、そしてKLシティFCに移籍した今季がマレーシアでの4年目のシーズンになることから、来季2022年もマレーシアでプレーすればFIFAが認める「継続して5年間の居住歴を持つこと」というマレーシアの帰化選手となる条件を満たすことになります。
 KLシティFCのスタンリー・バーナードCEOはブリタハリアンの取材に対して、クラブとして支援していく計画があることも認めており、またコンバートを命じたホダック監督もモラレス選手の身体の強さや技術に加え24歳という年齢も帰化選手として代表に貢献できるだろうと話しています。
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 モラレス選手のコンバートについてホダック監督は「他に候補者がいなかったことに加えて、(モラレス選手は)守備をしたがらないから、とりあえず前線に置いてみた。」と冗談とも本気ともわからないコメントを述べていますが、FWとなってからは身体を絞り込むなど意識も変わったことに加えて、本人の努力がゴールという結果になって出ていることも好結果が続いている理由だろうと分析しています。
 マレーシアの帰化選手(マレーシア人の父母や祖父母を持たないマレーシア国外生まれの選手)は2018年4月にマレーシア国籍を取得し同年10月に代表に招集されてマレーシアサッカー史上初の帰化選手となったガンビア出身のモハマドゥ・スマレ(27歳、JDT)、2020年2月にマレーシアサッカー協会FAMの支援で帰化したコソボ出身のリリドン・クラスニキ(29歳、JDTからインドスーパーリーグのオディシャFCに期限付き移籍中)、同じくFAMの支援で帰化したブラジル出身のギリェルメ・デ・パウラ(35歳、JDT)の3選手がいますが、今年6月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選では3選手ともに活躍することができず、国内サッカーファンからはFAMの帰化プログラムに避難が集中し、FAMもプログラム見直しを表明する事態となりました。

ペラFC主将は条件付きで2部降格クラブへの残留を表明
 今季開幕後に発覚した給料未払い問題により、主力の大半がシーズン途中に退団した結果、Mリーグ1部で11位となり来季は2部に降格するペラFCの正GKで主将でもあるハフィズル・ハキムは、来季もペラFCでプレーするとしながらもそのためにはゼネラルマネージャー(GM)とチームマネージャー(TM)の留任を条件としていると、マレーシア語紙ウトゥサンマレーシアが報じています。
 ペラ州イポー出身でペラFCのユースチーム上りでもあるハフィズル選手は、アズマン・ノーGMとラシディ・ラヒムTMが来季もペラFCに残るのであれば、自身もペラFCに残留すると話していますが、ペラFCは一昨日の11月16日にアズマンGMを理事に任命した上でGM職を廃止し、ペラ州サッカー協会の理事でもあるハイリル・アンワル氏をCEOに任命する人事を敢行しています。
 「アズマンGMとラシディTMに対しては自身の来季残留を約束したが、もし両名がクラブに残らなければ、約束を果たす義理もなくなるので、残留に関する自分の考えも変わる可能性がある。」と話すハフィズル選手は、同じMリーグ1部のペナンFCを含めた複数のクラブからのオファーがあることを明らかにした上で、近々予定されている新たに就任したハイリルCEOとの面談で直接、説明を聞いてから最終決定を行うとしています。
 ウトゥサンマレーシアの記事では既にU22代表のGKでスズキカップ出場の代表候補にも選ばれているGKアズリ・アブドル・ガニとMFアディブ・ラオプは既に他のクラブと移籍交渉を行っており、ペラFCが選手の不信感を払拭できなければさらに選手の流出は続くとしています。

タン代表監督はコービン=オングらJDT選手を招集しなかった理由を説明
 東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会に出場する代表候補が昨日発表されましたが、そのメンバーから代表でも主力として活躍するJDTの選手が複数漏れていましたが、これについてタン・チェンホー代表監督がその理由を説明しています。
 Mリーグ1部で8連覇を達成したJDTの主力選手でもあり、代表でも今年の試合にはほぼ全て出場したGKファリザル・マーリアス、DF(左SB)のラベル・コービン=オング、DF(右SB)のマシュー・デイヴィーズ、そしてU22代表招集をチームが拒否したFWアリフ・アイマンらがスズキカップ出場の代表候補に選ばれなかった理由についてマレーシアの通信社ブルナマは、疲労と休養をタン監督が理由にしていると報じています。
 「6月のW杯予選、その直後のAFCチャンピオンズリーグ、さらにはMリーグ、マレーシアカップと今年1年間を通して代表とクラブの両方で国内外の試合に休まず出場してきた選手に疲労回復と休養を与えるために今回の招集を見送った。代表チームの首脳陣は彼らの能力を熟知しており、JDTの監督、コーチらとも話し合いを行った結果、今回の選手選考となった。」と説明しています。さらに主力が欠場するスズキカップは他の選手にとってはポジション奪取のための好機であるとも述べて、来年6月に予定されているAFC選手権アジアカップ3次予選に向けて代表チームの選手層を厚くするための選手選考であるとも説明しています。
 この他、ノー・アザム・アジー(スリ・パハンFC)、シャマー・クティ・アッバ(JDT)、ブレンダン・ガン(スランゴールFC)についてもそれぞれヒザの負傷、太ももの負傷、精巣腫瘍の治療を理由に招集しなかったことを説明しています。
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 東南アジアNo.1の称号が懸かるスズキカップですが、今回の招集メンバーは現在の代表が目指すべきはこのスズキカップ優勝ではなく、来年6月のアジアカップ予選突破であるというタン監督の決意の表れとも理解できます。その一方で前回大会では準優勝したスズキカップでメンバーを落として結果がグループステージ敗退となれば、アジアカップの前に自身の更迭論にも発展しかねません。
 そうならないためにもタン監督の覚悟に今回招集された選手たちが応えることに期待しましょう。