Mリーグ2部プレミアリーグ
2022年シーズン第12節結果とハイライト(1)

2022年7月16日(土)@スルタン・イスマイル・ナシルディン・シャースタジアム(トレンガヌ州クアラ・トレンガヌ)
クランタン・ユナイテッド 1-1 PDRM
⚽️クランタン:アミルル・シャフィク・チェ・ソー(60分)
⚽️PDRM:ナビル・ラトピ(87分)
🟨クランタン(1):ファイサル・ロスリ
🟨PDRM(1):アミル・サイフル・バデリ
MOM:アレクサンダー・アムポンサ(ペラ)
 クランタン・ユナイテッドの本山雅志、深井脩平の両選手はいずれも先発し、本山選手は56分に交代しましたが、深井選手はフル出場しています。

2022年7月16日(土)@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラ 0-0 トレンガヌII
🟨ペラ(5):サンデー・アフォラビ、フィルダウス・サユディ、ワン・ザック・ハイカル、ルチアーノ・グアイコチェア、ユスリ・チェ・ラー監督
🟨トレンガヌ(3):ワン・ファズリ・ワン・ガザリ、アルグジム・レゾヴィッチ、リズアン・ラズリ
🟥ペラ(1):ヴィジェイ・バル・スブラマニアム チームドクター(!)
MOM:サンデー・アフォラビ(ペラ)

2022年7月18日(月)@スルタン・イスマイル・ナシルディン・シャースタジアム(トレンガヌ州クアラ・トレンガヌ)
クランタン 1-0 UITM
⚽️クランタン:サイド・ソブリ(77分)
🟨クランタン(1):アミルル・シャフィク・チェ・ソー
🟨UITM(1):アイズル・アシュラフ
MOM:サイド・ソブリ(ペラ)
 この試合がMリーグデビューとなったクランタンの原健太選手は先発して、フル出場しています。

Mリーグ2部プレミアリーグ
2022年シーズン第10節結果とハイライト(2)

2022年7月22日(金)@スルタン・イスマイル・ナシルディン・シャースタジアム(トレンガヌ州クアラ・トレンガヌ)
クランタン 1-1 JDT II
⚽️クランタン:ヌルシャミル・アブドル・ガニ(19分)
⚽️JDT:ダリル・シャム(50分)
🟨クランタン(3):ジャスミル・メハトー、フェリペ・エレダ、サイド・ソブリ
🟨JDT(4):ダニエル・ティン、ジュニオール・エルドストール、アイサル・ハディ、フェロズ・バハルディン
🟥クランタン(1):ジャスミル・メハト(🟨x2)
MOM:サイド・ソブリ(クランタン)
クランタンの原健太選手は先発してフル出場しています。

2022年7月22日(金)@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
FAM MSNプロジェクト 1-2 スランゴール2
⚽️FAM:ロクマン・バー(60分)
⚽️スランゴール:リッチモンド・テッテー(16分)、イズリン・イブラヒム(85分)
🟨FAM(1):ハズワン・ハサン
🟨スランゴール(1):イクワン・ハフィゾ
MOM:アシマウイ・ヤキン(スランゴール)

Mリーグ1部スーパーリーグ
2022年シーズン第12節結果とハイライト映像

AFCアジアカップ予選やAFC主催大会、さらにはU23代表が出場した東南アジア大会やU23アジアカップなどによる日程変更に次ぐ変更で、2月に発表されたものとは全く変わってしまっているMリーグ1部スーパーリーグ。中にはまだ10試合しか終えていないチームもありますが、12チーム編成のスーパーリーグはこの第12節からが実際の後半戦開幕です。
 JDTの首位は予想されていたものの、加賀山泰毅選手が所属するサバが2位、そして1部昇格初年喉のヌグリスンビランが3位といずれも開幕前の予想を覆す活躍を見せています。
(各試合のハイライト映像は、MFLの公式YouTubeチャンネルより)

2022年7月3日(日)@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
トレンガヌ 2-1 スリ・パハン
⚽️トレンガヌ:クパー・シャーマン(1分)、ファイサル・ハリム(80分PK)
⚽️スリ・パハン:アブドル・マリク(10分)
🟨トレンガヌ(2):アザム・アズミ、ファイサル・ハリム
🟨スリ・パハン(3):アズワン・アリピン、シーン・ジャンネリ、デヴィッド・ロウリー、シャールル・アイザッド、シェルゾド・ファイジエフ
MOM:クパー・シャーマン(トレンガヌ)

2022年7月3日(日)@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
ヌグリスンビラン 0-1 サバ
⚽️サバ:パク・タエスー(62分)
🟨ヌグリスンビラン(2):マテウス・アウヴェス、A・セルヴァン
🟨サバ(1):ジャクソン
MOM:パク・タエスー(サバ)
 サバの加賀山泰毅選手は先発してフル出場しています。

2022年7月19日(火)@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロースター)
クダ 3-1 サラワク・ユナイテッド
⚽️クダ:マフムード・アル=マルディ2(9分、80分)、ロナルド・ンガ(75分)
⚽️サラワク:ウチェ・アグバ(54分)
🟨クダ(1):カイルル・アズリン
🟨サラワク(2):ノル・アジジ・ラムリー、アブドル・ラーマン・イスマウイ
MOM:マフムード・アル=マルディ(クダ)

2022年7月20日(火)@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴール 3-1 KLシティ
⚽️スランゴール:ブレンダン・ガン(37分)
⚽️KLシティ:ロメル・モラエス(68分)
🟨スランゴール(5):ファズリ・マズラン、ジクリ・カリリ、シャルル・ナジーム、リッチモンド・テッテー、ムカイリ・アジマル
🟨KLシティ(2):ザフリ・ヤハヤ、モハマド・ファウジ
🟥スランゴール(1):ジクリ・カリリ(🟨x2)
MOM:サミュエル・サマーヴィル(スランゴール)

2022年7月20日(火)@シティスタジアム(ペナン州ジョージタウン)
ペナン 0-1 JDT
⚽️JDT:フェルナンド・ロドリゲス(69分)
🟨ペナン(2):T・サラヴァナン、クリスティアン・ロンティニ
🟨JDT(2):アリフ・アイマン、S・クナラン
MOM:ハフィズル・ハキム(ペナン)

2022年7月20日(火)@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ・ユナイテッド 2-2 PJシティ
⚽️マラッカ:エマヌエル・オティ(36分)、ソニー・ノルデ(76分)
⚽️PJシティ:ダレン・ロック(43分)、K・グルサミー(63分)
🟨マラッカ(2):ファドリ・シャス、ソニー・ノルデ
🟨PJシティ(1):コギレスワン・ラジ
MOM:ダレン・ロック(PJシティ)

2022年シーズン スーパーリーグ順位表(第12節終了時)

チーム勝点
1JDT119202862229
2SAB128132011925
3NSE12552148620
4KDA115241720-317
5SEL114432418616
6TRE105141311216
7KLC124351719-215
8MEL113441314-113
9PJC112541420-611
10SWU123181229-1710
11SRP112271320-78
12PEN121471221-97
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

2022年シーズン スーパーリーグ 得点ランキング(第12節終了時)

ゴール数選手名所属
113ベルグソン・ダ・シルヴァJDT
210カイオンSEL
39フェルナンド・フォレスティエリJDT
48ロナルド・ンガKDA
56パク・タエスーSAB
6ダレン・ロックPJC
75エラルド・グロンNSE
5マヌエル・イダルゴSRP
5ヒラル・エル=ヘルウェPEN
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

7月22日のニュース
シンガポールのレジェンド、ファンディ・アフマドがスリ・パハンのテクニカルディレクターに就任
協会が各代表の下半期の予定を発表-A代表は9月に中東や南米の代表チームと対戦も

シンガポールのレジェンド、ファンディ・アフマドがスリ・パハンのテクニカルディレクターに就任

今季ここまで2勝2分7敗と低迷するMリーグ1部スーパーリーグのスリ・パハンはクラブ公式Facebookで、クリストファー・ギャメル監督の退団とドラー・サレー チームマネージャー(TM)の監督代行就任、そして元シンガポール代表監督のファンディ・アフマド氏のテクニカルディレクター(TD)就任を発表しています。ドラーTDは昨季のトマス・ドゥーリー監督解任後の監督代行に続き、2年連続での監督代行就任となりました。

昨季は4勝6分12敗、降格権とは勝点2差の10位という際どいところでスーパーリーグ残留を果たしたスリ・パハンは、昨季、U21チームの監督を務めたギャメル氏を監督に据え、若手の起用とチーム立て直しを期待しました。しかし直近の5試合でも引き分けを挟んで4連敗中と復調の兆しも見えないことから、ギャメル監督更迭の噂はここ数ヶ月間、ソーシャルメディア上で囁かれていました。

そんな中、ファンディ氏が先月6月にシンガポールサッカー協会FASのエリートユースプログラムのトップを辞任したことから、すわギャメル監督の後任にファンディ氏か、と色めき立ちましたが、蓋を開けてみれば、まさかのテクニカルディレクター就任となりました。

シンガポールのレジェンドのファンディ氏は、1992年シーズンには当時のパハンFA、現在のスリ・パハンでリーグ優勝とマレーシアカップの2冠を達成した他、指導者として2012年から2013年にはJDTで、そして2018年にシンガポール代表で、そして今年5月の東南アジア競技大会通称シーゲームズではシンガポールU23代表の監督なども務めています。

*****

ボラセパマレーシア的には、ファンディ選手はやはりクアラルンプール(当時はKLシティホール)でプレーしていた印象が強いです。同じシンガポール出身のK・カナン、マレク・アワブとともに1987年からマレーシアカップ3連覇を果たしたKLの黄金時代を築いた立役者でした。

協会が各代表の下半期の予定を発表-A代表は9月に中東や南米の代表チームと対戦も

マレーシアサッカー協会FAMは今年5度目となる理事会を開催し、各代表チームの今後の活動について話し合われた内容を公開しています。

U16/17代表は、今月7月31日から8月12日までインドネシアで開催される東南アジアサッカー連盟AFF U16選手権に向けて、今月7月18日から29日まで代表候補合宿を開催、さらに10月の1日から9日まで同じインドネシアでAFF U16選手権予選が開催されることから、9月にも2度の合宿を予定していることが発表されています。

AFF U19選手権優勝が記憶に新しいU19/20代表は、9月14日から18日の日程で開催されるAFC U19選手権予選(モンゴル)に参加するため、今月末から8月にかけてと、9月の2回の合宿を予定しているということです。

U23代表は東南アジア競技大会通称シーゲームズは準決勝敗退、、AFC U23選手権はグループステージで敗退し、その責任をとる形でブラッド・マロニー監督が契約解除となり、現在は監督が不在です。また当初出場予定だった今年9月のアジア競技大会(中国)が来年に延期となり、当面は試合がないことから、新監督決定が最優先課題となりそうです。

AFCアジアカップ出場を決めた代表の次の目標は12月21日開幕のAFF選手権三菱電機カップ2022となりますが、その前には9月22日から25日の日程でタイ南部で開催されるという4ヶ国対抗に出場することが発表されています。中東と南米の代表チームも参加するということの大会は、格上チームとの対戦が少ないマレーシアにとってAFF選手権の前哨戦となりそうです。

7月21日のニュース
Mリーグが大改革を断行-来季は1部に日本人選手5名の可能性も

先日のこのブログでも取り上げた国内リーグMリーグ改革の具体的な内容が、リーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLより正式に発表されています。MFLの公式サイトによると、「国内リーグを各チームがよりダイナミックに競い合うものにする」目的のもと、MFLの臨時総会でスーパーリーグとプレミアリーグ全チームの同意を得て、来季2023年リーグから実施される変更は、大きく分けて6つあります。

1)現行のスーパーリーグとプレミアリーグを再編成して一本化-18チーム編成のスーパーリーグを2023年より開始し、2024年以降は16チーム編成に

来季2023年シーズンは、現行の1部スーパーリーグ12チームと2部プレミアリーグ10チームを再編して新たなスーパーリーグとして暫定的に18チーム編成で開催し、2024年シーズン以降はこれを16チームに絞って開催していきます。
 また今季のプレミアリーグ9位と10位のチームは、3部リーグのM3リーグの1位、2位と入れ替え戦を行い、この入れ替え戦に勝利した2チームは来季のスーパーリーグでプレーしますが、M3リーグのチームが勝利した場合には、スーパーリーグのクラブライセンス資格を満たすことが条件の上でスーパーリーグ参加となります。

<解説>
 現行のチーム数ならば、本来は12+10=22チームとなる2023年シーズンのスーパーリーグですが、プレミアリーグ10チーム中,3チームはスーパーリーグのクラブ(JDT、トレンガヌ、スランゴール)のセカンドチームであり、1チームはマレーシアサッカー協会FAMが運営する育成目的のチームとなっていることから、残る6チーム(クランタン、クチンシティ、クランタン・ユナイテッド、PDRM、UITM、ペラ)全てが2023年シーズンのスーパーリーグに参入することになります。
 上の説明では今季のプレミアリーグ9位と10位のチームが入れ替え戦出場と書きましたが、スーパーリーグ昇格権があるのはこの6チームなので、正確にはこの中の下位2チームが入れ替え戦に出場します。
 また現在、スーパーリーグでプレーしている日本人選手は加賀山泰毅選手(サバ)だけですが、これに今季はプレミアリーグでプレーしている本山雅志選手、深井脩平選手(いずれもクランタン・ユナイテッド)、谷川由来選手(クチンシティ)、原健太選手(クランタン)の4選手が来季残留となれば、国内トップリーグに日本人選手5名が在籍する可能性もあります。

2)スーパーリーグ18チームのU23チームを対象としたリザーブリーグの開設

新たなスーパーリーグを構成する18チームには、U23チームの保持が義務付けられるとともに、このU23チームが出場するリザーブリーグが新たに発足します。
 現行のスーパーリーグとプレミアリーグの各チームには既にU21とU19のチームを持つことが義務付けられていますが、この年代の選手たちとトップチームの選手との実力差、経験差は大きいことから、その差を埋めるものとして設置されるのがリザーブリーグです。このリザーブリーグ設置は、トップチームでは出場機会が少ない若い選手により多くの試合出場機会と試合出場時間を作り出すことを目的としています。
 リザーブリーグでプレーするU23チームには、23歳以上の「オーバーエイジ選手」5名(外国籍選手を含む)の登録が可能です。ただしリザーブリーグの主旨であるマレーシア人選手の出場機会確保の目的から、ピッチ上では同時に起用できるのは外国籍選手2名を含む3名のオーバーエイジ選手のみとなります。

<解説>
現在の2部プレミアリーグには3つのセカンドチームが在籍していますが、どのチームにも4名の外国籍選手が存在します。これらのセカンドチームがプレミアリーグでプレーするのは、若い選手の育成目的よりも、外国籍選手を含めたトップチームの選手の調整の場、という性質が強いものです。
 今回のリザーブリーグ開設により、各チームの若いマレーシア人選手は試合出場時間を得やすくなる反面、これまでU23チームを持たなかったクラブにとっては、U23チームの設置が義務付けれたことにより、クラブの経営が圧迫され、それが理由となる給料未払い問題が発生しやすい土壌を作ることにならないか、という懸念の声もあります。

3)3部リーグ以下のセミプロ化に伴う再編成が終わるまでプレミアリーグは開催なし

1部スーパーリーグと2部プレミアリーグが一本化されることにより、プレミアリーグは当面開催されません。この休止期間を利用して、MFLは現在の3部リーグにあたるM3リーグ以下を統括するアマチュアフットボールリーグと協力して「クラブ育成プログラム」を発足させます。M3リーグと2部プレミアリーグとのクラブ間では実力差だけでなく、クラブ運営面でもその差が大きいことから、MFLはこのプログラムを通じて、M3リーグ以下のクラブのセミプロ化やプロ化を支援し、国内リーグのレベルの底上げを目指します。
 またM3リーグのクラブは来季以降もFAカップに出場します。

<解説>
今季のMリーグ3部、M3リーグ以下は、各クラブに外国籍選手や外国籍指導者との契約を禁止するなど、上部リーグとは異なる条件で開催されています。また一昨年からM3リーグをアマチュアとプロが混在するセミプロリーグ化する意向があることを明らかにしていますが、新型コロナを理由にこれが全く進んでいませんでした。
 今回の発表では、現在のM3リーグが将来の2部プレミアリーグに該当することから、プロリーグであるスーパーリーグとの間で行われる将来の入れ替え戦に耐えうるクラブの育成が急務となります。

4)外国籍選手は1チームあたり最大9名まで契約可能-ただしベンチ入り6名でピッチ上には5名まで

現行の規定では、スーパーリーグでは外国籍選手5名(国籍問わず3名+アジア1名+アセアン1名)、プレミアリーグでは同4名(国籍問わず3名+アジア1名)が可能ですが、プレミアリーグにセカンドチームを持つJDT、トレンガヌ、スランゴールはこの規定に基づき9名の外国籍選手を登録していた一方で、セカンドチームを持たない各クラブはスーパーリーグでは5名、プレミアリーグでは4名のみの登録が可能でした。この「不均衡」を解消するため、2023年シーズンからはスーパーリーグ各チームは最大で9名の外国籍選手の登録が可能になります。

<解説>
アジアサッカー連盟AFCは、2023/24シーズンからAFCチャンピオンズリーグACLでの外国籍選手枠拡大を発表しています。現行の4名(国籍問わず3名+アジア枠1名)から6名(国籍問わず5名+アジア枠1名)へとなることから、Mリーグもそれに近づけるために、現行の5名ベンチ入りから6名ベンチ入りへと変更していますが、その一方でマレーシア人選手の出場機会の確保を目的として、ピッチ上でプレーできるのは最大5名という数字は維持しています。
 また最大9名が登録可能になったことにより、外国籍選手を多く獲得するだけの 資金のあるチームとそうでないチームとの差が大きく現れそうです。

5)FAカップおよびマレーシアカップの開催方式の変更

AFCはACLの秋春制への移行を発表していますが、この変更に伴い、マレーシアカップおよびFAカップの開催方式の変更が検討されています。

<解説>
従来はリーグ戦終了後の8月以降に開催されてきたマレーシアカップの開催方式と開催時期が見直されます。マレーシアカップは、現行ではスーパーリーグ1位から11位までとプレミアリーグのセカンドチームを除いた上位5チームの合計16チームだけが出場する大会ですが、新たなスーパーリーグの上位16チームのみが出場するのか、スーパーリーグ全18チームによる大会となるのか。今後の発表を待ちたいと思います。ACLやAFCカップの日程と重なってしまうことを避けるために開催時期も変更になることは必至です。
 またスーパーリーグ各チームの試合数が現在の22試合から34試合となることで、リーグ戦と並行して行われてきたFAカップについても何らかの変更が実施されそうです。

6)U19チーム出場のユースカップとU21チーム出場のプレジデントカップの開催方式の見直し

MリーグのU19チームが出場とするユースカップと、U21チームが出場するプレジデントカップはマレーシアサッカー協会が運営するリーグ戦ですが、MFLはFAMに協力して、各年代別チームの試合数を増やすような 開催方式を提案していくということです。

*****

「国内トップリーグであるスーパーリーグが1チームあたり年間22試合では少なすぎる」というFIFAの「助言」をもとに動き出したMリーグ改革ですが、今回の改革により試合数は確かに増えるものの、その質が担保できるのかという疑問は残ります。トップリーグのチーム数が増えることで、クラブ間の格差もより明らかになり、資金力が豊富なチームはさらに有利に、そうでないチームはさらに不利になる改革に思えます。
 例えば資金力のあるJDTがリーグ10連覇、20連覇を続け、ACLでも結果を残すようになる可能性がある反面、下位のクラブは降格しない程度に勝ち星を重ねるといった国内リーグにもなりかねず、トップリーグがその中で二極化するといった事態も考えられます。
 ボラセパマレーシア的には不安しか感じられないこの改革ですが、この改革によってMリーグがより多くのファンを惹きつけ、また商業的にも成功するのかどうかはMFLと各クラブの努力、そしてそれを支える私たちファンにかかっています。

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Mリーグ1部スーパーリーグ
2022年シーズン第11節結果とハイライト映像(2)

変則日程が続くMリーグ1部スーパーリーグ第11節の残り4試合が行われています。今節最大の注目は首位攻防戦となったサバ対JDTでしたが、首位攻防戦にふさわしい熱戦は最後にドラマが待っていました。
(各試合のハイライト映像は、MFLの公式YouTubeチャンネルより)

2022年7月15日(金)@リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル)
サバ 1-2 JDT
⚽️サバ:パク・タエスー(23分)
⚽️JDT:フェルナンド・フォレスティエリ2(26分、90+5分)
🟨サバ(3):サディル・ラムダニ、パク・タエスー、ジョゼ・エンバロ
🟨JDT(3):マシュー・デイヴィーズ、レアンドロ・ヴァレスケス、シェーン・ローリー
MOM:フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)
 リーグ1位JDTを2位サバがホームに迎えた首位攻防戦は、サバが勝てば順位が入れ替わるため、両チームとも試合開始から闘志を前面に出した試合となりました。
 今季9試合で13ゴールとリーグ得点王争いを独走するJDTのベルグソン・ダ・シルヴァは、7月2日のマラッカ戦で足首を痛めて途中退場し、試合も引き分けに終わっています。そのベルグソン選手はこの試合はベンチ外となっており、JDTはエース不在でこの試合に臨みました。
 しかし試合開始からJDTはサバゴールに襲いかかり、開始直後にはレアンドロ・ヴァレスケス、さらにはアリフ・アイマンらがシュートを放ちますが、サバGKカイルル・ファーミの好守もあり試合は0-0のまま進みました。
 一方のサバも守勢に回ることなくJDTゴールを狙い、それが功を奏して23分にパク・タエスーが相手DFのクリアミスを拾ってシュート。このゴールでサバが先制します。しかしその3分後、アリフ・アイマンからのパスを受けたフェルナンド・フォレスティエリがゴールを決め、JDTが直ちに同点に追いつきます。フォレスティエリ選手をフリーにしてしまったサバDF陣の痛恨のミスでした。
 前半を1-1で折り返すと、後半は試合が膠着状態となり、ロスタイムも5分と発表され、このまま引き分けかと思われましたが、90+5分にJDTがサバのペナルティエリアのすぐ外でフリーキックを得ます。デッドボールスペシャリストのフォレスティエリ選手がゴール右隅に放ったキックは、これに反応したGKカイルル・ファーミをすり抜けるようにゴールに吸い込まれ、JDTが今季の天王山とも言える試合を制しています。
 サバの加賀山泰毅選手は先発して87分に交代しています。

2022年7月15日(金)@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
トレンガヌ 2-1 クダ
⚽️トレンガヌ:クパー・シャーマン(13分)、マヌエル・オット(57分)
⚽️クダ:アザムディン・アキル(90+1分)
🟨トレンガヌ(1):スハイミ・フシン
🟨クダ(3):アクマル・ザヒル、カミル・アクマル、カイルル・アズリン・カザリ
MOM:アリフ・ザカリア(トレンガヌ)
 7月6日のマレーシアFAカップ2回戦の再戦となったこのカードは、9日前と同様にトレンガヌが管を破っています。
 昨季はクダでプレーしたクパー・シャーマンのゴールで先制したトレンガヌは、後半にマヌエル・オットが追加点となるゴールを決めて、4位に浮上しています。
 一方のクダは、AFCカップのグループステージを突破し、チームの調子が上向き始めたかと思われたタイミングでアンドラ出身のセンターバックのマーク・ヴァレスがケガのため手術を受けることとなり、今季中の復帰が絶望と発表されて以来、この日の敗戦で同一カード2連敗となっています。2019年に就任して以来、2019年4位、2020年2位、2021年2位とクダを着実に成長させてきたアイディル・シャリン監督が、この苦境をどう乗り越えるかに注目です。

2022年7月16日(土)@KLフットボールスタジアム(クアラ・ルンプール)
KLシティ 0-0 PJシティ
🟨KLシティ(3):モハマド・ファウジ、アリフ・シャキリン、ハディン・アズマン
🟨PJシティ(2):K・カナン、ザイナル・アビディン・ジャミル
MOM:ジャンカルロ・ガリフオッコ(KLシティ)
 今季なかなか調子が上がらず、黒星が先行する両チームの対戦はスコアレスドローに終わっています。

2022年7月16日(土)@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴール 2-0 ペナン
⚽️スランゴール:シャーレル・フィクリ(73分)、シャヒール・バシャー(79分)
🟨スランゴール(2):ヤザン・アル=アラブ、ムカイリ・アジマル
🟨ペナン(1):スクリ・ハミド
🟥ペナン(1):スクリ・ハミド(🟨x2)
MOM:シャヒール・バシャー(スランゴール)
 大勝するかと思えば、大敗するなど、負け越してはいないものの、スランゴールも今季調子が上がらないクラブの一つ。そのスランゴールが代表復帰を目指すシャーレル・フィクリとU23代表でのレギュラー定着を目指すシャヒール・バシャーの「崖っぷちコンビ」の活躍で、未だ今季1勝と最下位のペナンに完封勝ちしています。

2022年シーズン スーパーリーグ順位表(第11節終了時)

チーム勝点
1JDT108202762126
2SAB117131810822
3NSE12552148720
4TRE9513129316
5SEL104332317615
6KLC114251618-214
7KDA104241419-514
8MEL103341112-112
9PJC102441218-610
10SWU113171126-1510
11SRP112271320-78
12PEN111461220-87
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

2022年シーズン スーパーリーグ 得点ランキング(第11節終了時)

ゴール数選手名所属
111ベルグソン・ダ・シルヴァJDT
210カイオンSEL
39フェルナンド・フォレスティエリ
47ロナルド・ンガKDA
55エラルド・グロンNSE
5ダレン・ロックPJC
5マヌエル・イダルゴSRP
5ヒラル・エル=ヘルウェPEN
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

Mリーグ1部スーパーリーグ
2022年シーズン第2節、第6節、第7節、第8節の延期試合結果とハイライト映像

今季は開幕時のコロナ禍による試合延期に始まり、JDTが出場するAFCチャンピオンズリーグやU23代表が出場した東南アジア競技大会やAFC U23アジアカップ、またKLシティとクダが出場するAFCカップとの日程調整で日程が変則となり、第11節に差し掛かったMリーグ1部スーパーリーグは、サラワク・ユナイテッドが11試合全てを終えている一方で、トレンガヌはまだ6試合しか消化していません。
 7月26日から始まる第13節からは12チームの足並みが揃う予定ですが、それまでのおよそ1ヶ月間はマレーシアFAカップと第12節までの未消化試合を解消する期間となり、変則日程での試合が続きますが、今週は第2節、第6節、第7節の未消化試合が開催されています。

2022年6月28日(火)@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)JDT 4-0 PJシティ
⚽️JDT:ベルグソン・ダ・シルヴァ2(23分、65分)、フェルナンド・フォレスティエリ2(26分、85分)
🟨JDT(0)
🟨PJシティ(1):D・クガン
MOM:ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)
 この試合は第7節の未消化試合です。
 先週のスランゴール戦で5-1と圧勝したJDTがこの試合でも得点王争いの首位を走るベルグソン・ダ・シルヴァの2ゴールなどで圧勝し、今季の無敗記録を9に伸ばしています。2ゴールを挙げていたベルグソン・ダ・シルヴァがGKと1対1となった85分にはハットトリックのチャンスがありながら、敢えてフリーのフェルナンド・フォレスティエリにパスを出したところにJDTの強さを改めて見た気がした試合でした。
 AFC選手権アジアカップ最終予選で滑り込みで本戦出場を獲得したマレーシア代表メンバーがこの試合では先発に5名、さらにベンチも5名が控えるJDTは、いわばA代表を外国籍選手で補強した国内最強クラブ。そのJDTは今季2度目のトランスファーウィンドウでは、昨季はKLシティでプレーしながら、シーズン終了後には新型コロナワクチン接種を拒否して退団、出身地の英国に帰国していたDFダニエル・ティン、そしてスペイン生まれで各年代代表でもプレー経験があるもの、祖母がインドネシア出身であることからインドネシア代表としてプレーすることを決めたジョルディ・アマト(ベルギー1部KASオイペンから加入)を獲得するなどえげつない補強を行っています。
 一方のPJシティはGKカラムラー・アル=ハフィズが好セーブを見せ、一方的に攻められながらも4失点で済んで良かった、という印象でした。

2022年6月28日(火)@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
スランゴール 1-1 サバ
⚽️スランゴール:カイオン(3分)
⚽️サバ:サディル・ラムダニ(56分)
🟨スランゴール(4):ユーリ、シャルル・ナジーム、ヤザン・アル=アラブ、カイオン
🟨サバ(2):ゲイリー・スティーヴン・ロバット、バドロル・バクティアル
MOM:ブレンダン・ガン(ペナン)
 この試合も第7節の未消化試合です。
 先週の試合でJDTに1-5と完敗したスランゴールのミヒャエル・ファイヒテンバイナー監督は、代表GKのカイルルアズハン・カリドに代えてサミュエル・サマーヴィル今季初先発させています。昨季オフにペナンから移籍したサマーヴィルにとってはこれがスランゴールでの初出場となっています。
 ここまで3連勝中のサバに対し、スランゴールは開始3分にサバDF陣のミスからその裏に抜け出たカイオンが今季11得点目(8試合)となるゴールを決めて先制します。その後も攻撃の手を緩めいないスランゴールはブレンダン・ガン、ユーリ、ムカイリ・アジマルと次々にシュートを放つものの得点には至らず、前半は1-0で終了します。
 防戦一方だったサバは57分に同点に追いつきます。AFC選手権アジアカップ最終予選でインドネシア代表に招集された後、チーム合流が遅れたことで非難されていたサディル・ラムダニがドリブルでスランゴールDF3名をかわして見事なゴールを決めて、試合は振り出しに戻りました。
 その後もスランゴール優勢で試合は進んだものの、結局、両チームとも無得点で試合は引き分けに終わっています。
 スランゴールにとって朗報は、この日はキャプテンマークを巻いたブレンダン・ガンがJDT戦に続き、中3日の強行日程にもかかわらず2試合連続でフル出場できたことではないでしょうか。昨季後半から精巣腫瘍の治療で練習もままならなかったガン選手が完全に復調したことで、ここからスランゴールの巻き返しに期待したいところです。
 一方、この試合が今季初の引き分けとなったサバは、2度目のトランスファーウィンドウでFWネト・ペソアに代えて獲得したFWジョゼ・エンバロ(29歳、ポルトガル出身、アルメニア1部アラシュケルトFCから加入)がこの試合でMリーグデビューを果たしています。リーグ優勝はもちろん、来季のAFC大会出場権獲得のためにも、まだ2試合を残しているJDTや、開幕戦で敗れているヌグリスンビランといった上位チームとの対戦に向けて、戦力補強に怠りなし、といったところでしょうか。
 サバの加賀山泰毅選手は先発して、フル出場しています。

2022年6月28日(火)@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
トレンガヌ 0-0 ヌグリスンビラン
🟨トレンガヌ(1):パペ・ディアキテ
🟨ヌグリスンビラン(2):マテウス・アウヴェス、ハリズ・カマルディン
MOM:ファイサル・ハリム(トレンガヌ)
 この試合は第2節の未消化試合です。
 この試合前の順位が7位のトレンガヌは、この前の試合では最下位のペナンに今季初勝利を献上し、チームの連勝も3で止まっています。ここまでリーグ戦は6試合しか消化しておらず、試合数が少ないとはいえ、上位進出のためにはここから勝点を積み上げていきたいところです。
 一方のヌグリスンビランは、今季が1部スーパーリーグ昇格初年度ながら前半戦は好スタートを切り、直近の5試合を見てもスコアレスドロー2試合を含めて2勝2分1敗、得点5失点2、敗れたのは10分と異常に長い疑惑のロスタイムに失点して0-1と敗れたJDT戦のみです。
 そんな両チームの対戦は、予定通り9時キックオフとなったものの、直後の豪雨で70分間中断。再開後もボールが走らない劣悪なピッチで行われました。前半は両チームともゴール前で苦しみ、無得点で折り返し、後半はトレンガヌが優勢ではあったものの、代表でもプレーするヌグリスンビランGKシハン・ハズミの好守もあり、やはり無得点で終了しています。

2022年7月2日(土)@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ 1-1 JDT
⚽️マラッカ:ジャスティン・バース(39分)
⚽️JDT:レアンドロ・ヴァレスケス(27分)
🟨マラッカ(3):ソニー・ノルデ、ブライアン・シー、ワン・アミルル・アフィク
🟨JDT(2):レアンドロ・ヴァレスケル、マシュー・デイヴィーズ
MOM:ソニー・ノルデ(マラッカ・ユナイテッド)
 この試合は第6節の未消化試合です。
 16分にエースのベルグソン・ダ・シルヴァが足首を痛めて退場したJDTが、下位のマラッカ・ユナイテッドと引き分けで連勝が2でストップしています。

2022年7月5日(火)@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ 2-0 スランゴール
⚽️マラッカ:イフェダヨ・オルセグン2(39分、57分)
🟨マラッカ(2):ファディル・イドリス、ワン・アミルル・アフィク
🟨スランゴール(2):ファズリ・マズラン、リッチモンド・テタ
MOM:ブライアン・シー(マラッカ・ユナイテッド)
 この試合は第8節の未消化試合です。
 昨季はスランゴールに在籍し26ゴール(22試合)を挙げてリーグ得点王を獲得したイフェダヨ・オルセグンは、今季開幕前にマラッカに移籍しましたが、この試合までは2ゴール(9試合)と期待通りの働きができていませんでした、そのオルセグン選手が古巣相手に2ゴールを挙げ、マラッカの勝利に貢献しています。

2022年シーズン スーパーリーグ順位表(第11節一部終了時)

チーム勝点
1JDT87102442022
2NSE11551147720
3SAB9612168819
4KDA94231317-414
5KLC104151618-213
6SEL83322115612
7TRE731387110
8SWU113171126-1510
9PJC92341218-69
10MEL8224811-38
11SRP92261218-68
12PEN101451218-67
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

2022年シーズン スーパーリーグ 得点ランキング(第11節一部終了時)

ゴール数選手名所属
113ベルグソン・ダ・シルヴァJDT
210カイオンSEL
37ロナルド・ンガKDA
7フェルナンド・フォレスティエリ
55エラルド・グロンNSE
5ダレン・ロックPJC
5マヌエル・イダルゴSRP
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

7月12日のニュース
アセアンU19選手権-ラオスに敗れてグループ2位通過のマレーシアはベトナムとの準決勝へ
JDTがBGパトゥムUやブリーラムUを押さえて東南アジアで最も市場価値の高いクラブ
FIFAが給料未払いのサラワクUに新規選手獲得禁止処分

アセアンU19選手権-ラオスに敗れてグループ2位通過のマレーシアはベトナムとの準決勝へ

インドネシアで開催中のアセアンサッカー連盟AFF U19選手権はB組の最終節第5節が行われ、ここまで2勝1分のマレーシアと3勝のラオスがグループ首位突破をかけて対戦しました。

マレーシアのハサン・サザリ監督は、ここまでの3試合全てに先発したウバイドラー・シャムスル(FAM-MSNプロジェクト)、アリフ・ファルハン、アリフ・イズハン(いずれもスランゴール2)を先発から外し、オマル・ライアン(レッドスター・ベルグラード)らを起用してました。

前半は両チーム無得点で折り返しますが、68分に主将のファイズ・アメル(スランゴール2)がGKからのパスを相手FWに奪われると、その選手を自陣ペナルティーエリア内で倒してしまいPKを与えてしまいます。これA代表でもプレーするDFのフォウタウォン・サンウィライが決めてラオスが先制。結局最後までこのゴールを守り切ったラオスが4戦全勝でB組1位となり、マレーシアは2位でグループステージを終えています。

AFF U19選手権 グループステージB組第5節
2022年7月11日(月)@パトリオット・チャンドラバガスタジアム(西ジャワ州ブカシ)
マレーシア 0-1 ラオス
⚽️ラオス:フォウタウォン・サンウィライ(68分PK)
🟨カンボジア(1)
🟨マレーシア(0)

(下はラオス戦の先発XI)

この結果、B組の順位は以下のように1位ラオス、2位マレーシア、3位東ティモール、4位カンボジア、5位シンガポールとなっています。また、準決勝のカードはA組1位ベトナム対B組2位マレーシア、B組1位ラオス対A組2位タイに決まっています。

JDTがBGパトゥムUやブリーラムUを押さえて東南アジアで最も市場価値の高いクラブに

マレーシア語紙のブリタハリアンは、Mリーグ1部スーパーリーグで8連覇中のJDTが当南アジアで最も市場価値の高いクラブとなったと報じています。これは選手の個人成績や市場価格、移籍情報などを掲載しているドイツのウェブサイト「トランスファーマルクト」のデータをもとに書かれた記事で、JDTはアジア全体では85位ながら、市場価値が883万ユーロ(およそ12億2000万円)とされています。他の東南アジアのクラブを見るとブリーラム・ユナイテッドの市場価値が848万ユーロ(およそ11億8000万円)がアジア88位、BGパトゥム・ユナイテッドが773万ユーロ(およそ10億7000万円)と続きます。

ちなみにアジア全体では、昨季も含めACL4回優勝を誇るアル・ヒラル(サウジアラビア)が1位で6102万ユーロ(およそ84億6000万円)、2位もサウジアラビアのアル・ナスルで5408万ユーロ(およそ74億9000万円)、3位はカタールのアル・ドゥハイルSCで3335万ユーロ(およそ46億2000万円)となっており、トップ10にはこの他にもサウジアラビアやカタールの他、アラブ首長国連邦UAEのクラブがひしめく中、中国スーパーリーグの上海ポートが2900万ユーロ(およそ40億2000万円)と中東以外の唯一のクラブとして健闘しています。

FIFAが給料未払いのサラワクUに新規選手獲得禁止処分

ブリタハリアンは、Mリーブ1部スーパーリーグで今季ここまで3勝1分7敗で9位に低迷するサラワク・ユナイテッドが昨季所属した外国籍選手への給料未払いにより、FIFAから今後3回のトランスファーウィンドウでの新たな選手獲得を禁じる処分を受けたことを報じています。

具体的には、昨季在籍したサンドロ・ダ・シルヴァへの15万リンギ(およそ465万円)を超える給料が未払いとなっていることから、FIFAによる処分が課せられたことをサンドロ選手の代理人のモハマド・ザフリ・アミヌラシドがブリタハリアンに明かしています。「FIFAからは6月18日を期限に未払い給料を支払うことが求められていたが、それが実現しなかったことが今回の処分の原因だ。」と説明したザフリ氏は、今後も支払い完了までに時間がかかれば、サラワク・ユナイテッドには勝点剥奪などのより厳しい処分がFIFAから科されるだろうと話しています。

7月11日のニュース
アセアン女子選手権-タイに敗れグループステージ敗退が決定
マレーシアFAカップ-ベスト8が出揃う

アセアン女子選手権-タイに敗れグループステージ敗退が決定

フィリピンで開催中の東南アジアサッカー連盟AFF女子選手権に出場中のマレーシア女子代表は第4節でタイ女子代表と対戦し、0-4で敗れて通算成績を0勝2分2敗として、グループステージ敗退が決まりました。

この試合でマレーシア女子代表は、前回2019年大会優勝チームでもあるタイ女子代表を相手に前半を0-1で折り返したものの、後半の3失点でグループステージ敗退が決まっています。ここまでの4試合でインドネシア女子代表戦のロスタイムにステフィ・カウルが決めたゴールが唯一の得点で、4試合で1得点9失点と前回大会同様、準決勝進出を逃しています。

この大会の前哨戦とも言えた5月の東南アジア競技大会通称シーゲームズ2021年大会(ベトナム)にマレーシアサッカー協会FAMが女子代表を参加させない決定を下した時点で、この結果は見えていたかと思います。昨年2021年9月の女子アジアカップ以降活動のなかった女子代表は、この大会前にバングラディシュ遠征を行ったものの、そこでも2試合で0得点6失点と得点力不足を露呈していました。

AFF女子選手権2022 グループステージA組第4節
2022年7月10日(月)@ビニャンスタジアム(ラグナ州ビニャン)
マレーシア 0-4 タイ
⚽️タイ:Ploychompoo Somnuek(24分)、Pattaranan Aupachai(54分)、U-Raiporn Yongkul(73分)、Nutwadee Pram-Nak(86分)

下はこの試合の両チームの先発XI

マレーシアFAカップ-ベスト8が出揃う

クダとKLシティのAFCカップグループステージ出場によりいずれも延期されていたマレーシアFAカップの2回戦残り2試合が行われ、Mリーグ1部スーパーリーグのトレンガヌとスランゴールがそれぞれAFCカップ出場組のクダとKLシティを破り、準々決勝進出を決めています。

マレーシアFAカップ2022 2回戦
2022年7月6日(水)@スルタン・ミザン・ザイナル・アビデインスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
トレンガヌ 1-0 クダ
⚽️トレンガヌ:ファイズ・ナシル(7分)
🟨トレンガヌ(1):クパー・シャーマン
🟨クダ(4):アクマル・ザヒル、ロドニー・ケルヴィン、アリフ・ファルハン、デシ・マルセル
🟥トレンガヌ(1):パペ・ディアキテ
 6月には代表戦などによるMリーグ日程の変更などもあり、マレーシア国内での公式戦は5月10日以来となったクダはアンドラ出身のセンターバック、マルク・バレスが膝のケガにより手術を受け、AFCカップ準決勝、そして今季の残りリーグ戦出場が絶望となりましたが、この試合は開始1分にトレンガヌがあわやゴール、というシーンが見られるなどバレス選手不在の影響の大きさが現れた試合でした。
 トレンガヌは9分、身長158センチのファイサル・ハリムのクロスに、走り込んできた身長156センチのファイズ・ナシルが頭で合わせて、「ちびっ子コンビ」(失礼)の活躍でトレンガヌが先制し、1点のリードを守って前半を折り返しました。
 後半に入ると50分にはトレンガヌ守備陣の裏に抜けようとしたロナルド・ンガを止めようとしたパペ・ディアキナがンガ選手を倒して一発レッドで退場となり、トレンガヌは10名となってしまいます。
 しかし、セットプレーでもその長身で貢献してきたバレス選手の不在が響いたクダは、1点も奪えず、試合はこのままトレンガヌが逃げ切っています。勝ったトレンガヌは、準々決勝ではMリーグ2部プレミアリーグ勢として最後のチームとなった谷川由来選手が所属するクチン・シティと対戦が決まっています。
 (試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

マレーシアFAカップ2022 2回戦
2022年7月8日(金)@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴール 1-0 KLシティ
⚽️スランゴール:アリフ・ハイカル(53分)
🟨スランゴール(6):クエンティン・チェン、ヤザン・アル=アラブ、ブレンダン・ガン、ユーリ、ムカイリ・アジマル、サミュエル・サマーヴィル
🟨クダ(1):アクラム・マヒラン
 いずれも首都圏を本拠地とするスランゴール対KLシティの対戦は、首都圏の通称からクランバリーダービーと呼ばれていますが、今季のスーパーリーグ開幕戦で激突した両チームは3-3で引き分けており、この試合でも接戦が予想されました。
 先制したのはスランゴールでした。U23代表候補合宿には参加しながら、その後の東南アジア競技大会通称シーゲームズや、AFC U23アジアカップに出場したU23代表には選ばれなかったアリフ・ハイカルが、ムカイリ・アジマル、クエンティン・チェンらチームメートのU23代表組を抑えて、決勝ゴールを挙げてスランゴールを準決勝進出に導いています。
 KLシティは、昨季のMリーグ2部プレミアリーグ得点王で、トレンガヌから期限付き移籍で加入したジョーダン・ミンターが移籍後初先発しましたが、ゴールを挙げることはできませんでした。

なお、準々決勝の組み合わせは7月4日に抽選が行われ、以下のようなカードとなっています。

マレーシアFAカップ2022 準々決勝組み合わせ
(試合は全て7月23日に開催予定)
マラッカ対JDT@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
サバ対スランゴール@リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル)
スリ・パハン対ペナン@ダルル・マクムルスタジアム(パハン州クアンタン)
トレンガヌ対クチンシティ@スルタン・ミザン・ザイナル・アビデインスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)


 
 

7月2日のニュース
アセアン選手権出場のU19代表発表-レッドスター・ベオグラード所属のオマル・ライヤンの名も
今週日曜日のスーパーリーグの結果次第では今季4人目の監督交代も
シャー・アラムスタジアムの解体案が浮上
クランタンのオーナーがシャー・アラムスタジアムのリース希望を表明

アセアン選手権出場のU19代表発表-レッドスター・ベオグラード所属のオマル・ライヤンの名も

マレーシアサッカー協会FAMは今日7月2日からインドネシアのジャカルタで始まる東南アジアサッカー連盟AFFU19選手権に出場するマレーシアU19代表25名を公式サイトで発表しています。

ハサン・サザリ監督率いるU19代表には、スランゴールのセカンドチームでMリーグ2部プレミアリーグのスランゴール2からの10名を筆頭に、同じプレミアリーグのFAM-MSNプロジェクト、そしてJDTのU19チームのJDT IIIからそれぞれ4名、FAMとマレーシア政府青年スポーツ省傘下の国家スポーツ評議会が共同で運営するエリートアカデミーAMDのU17チームから3名、JDTのセカンドチームJDT IIから2名、Mリーグ1部スーパーリーグのKLシティから1名、そしてセルビア1部の名門レッドスター・ベオグラードに所属するオマル・ライヤンも召集されています。

この25名の中にはいずれも飛び級で、今年2月のAFF U23選手権に出場したU23代表でプレーしたアイサー・ハディ(JDT II)や5月の東南アジア競技大会通称シーゲームズ出場のU23代表でプレーしたファイズ・アメル(スランゴール2)やウバイドラー・シャムスル(FAM-MSNプロジェクト)らが含まれている一方で、この年代のエースとして活躍してきたアズハド・ハラズ(サバ)がケガのため参加していません。

グループステージではB組に回ったマレーシアは、既にジャカルタ入りしており、7月5日の初戦でカンボジアと対戦し、その後はシンガポール(7月7日)、東ティモール(7月9日)、ラオス(7月11日)と対戦予定となっています。

U19代表の全メンバーはこちらです。

今週日曜日のスーパーリーグの結果次第では今季4人目の監督交代も

Mリーグ1部スーパーリーグは明日7月3日(日)に後半戦の初戦となる第12節の試合が行われますが、その結果次第では今季4人目の監督交代劇が起こりそうだと、マレーシア語紙ハリアン・メトロが報じています。

その候補(!)に上がっているのはスリ・パハンのクリストフ・ギャメル監督です。昨季開幕前にスリ・パハンのコーチに就任したギャメル氏は、開幕わずか2試合で当時のトーマス・ドゥーリー前監督(現フィリピン代表監督)が「休養」となると、それに呼応するかのようにU19チームの監督に降格されました。しかし、今季開幕前にトップチームの監督就任が発表され、ここまで10試合で2勝2分6敗、得点12(リーグ7位タイ)失点18(同8位タイ)で降格圏の11位と低迷しています。

直近の4試合でも引き分けを挟んで3連敗中のスリ・パハンですが、ハリアン・メトロの記事によると、今週末の7月3日のトレンガヌFC戦で敗れることがあれば、ギャメル監督が更迭される可能性が高いということです。

今季2度目のトランスファーウィンドウでは、今季ここまで5得点のMFマヌエル・イダルゴとGKママドゥ・サマサ以外の3名の外国籍選手を入れ替えるなど、経営陣は降格圏脱出の環境を整えたとして、今週末の試合ではギャメル監督に勝利が求められているということです。当のギャメル監督は、トレンガヌ戦では全力を尽くし、その結果は受け入れる覚悟ができていると話しています。

シャー・アラムスタジアムの解体案が浮上

スランゴール州シャー・アラムにあるシャー・アラムスタジアムは、1994年に開場した収容人数8万人を超える巨大スタジアム。本来はMリーグ1部スーパーリーグのスランゴールの本拠地ですが、施設老朽化のため観客に危険が及ぶ可能性があるとして、Mリーグを運営するMFLによって昨季から使用が禁止されています。このシャー・アラムスタジアムはスランゴール州の施設であることから、昨年、州政府は改修工事を行うことを発表していました。

しかし先月6月29日に、スランゴール州のアミルディン・シャリ州首相が、州政府が特別委員会を設け、スタジアムの解体も含めた再開発計画の検討を行うことを自身のツイッターで明らかにしたことから事態は急転直下、様々な憶測が飛び交い、その一つが現スタジアムの解体と規模を縮小した新スタジアムへの建て替えです。

具体的には、今後の維持管理費用の削減にもつながるよう、最大収容人数を現在の8万300人から3万から4万人収容程度(それでも十分大きいですが)にして立て替える案が有力ともされています。

*****

1998年にブキ・ジャリル国立競技場ができるまでは、大きな国際試合といえばこのシャー・アラムスタジアムが使われていました。こけら落としの大会ではバイエルン・ミュンヘンやリーズ・ユナイテッドを招き、1995年のバルセロナオリンピックアジア最終予選、1997年のFIFAユースワールドカップ、そしてチェルシーやアーセナルのアジアツアーでも試合会場になるなど、このシャー・アラムスタジアムは、文字通りマレーシアを代表するスタジアムでした。マレーシアでは素晴らしい施設が作られながら、維持管理が不十分でダメになる例をよく見ますが、ここもその例にもれなかったようです。また新しい施設を作れば、その費用の一部が中抜きされて誰かの懐に入るのもこの国の常なので、改修するよりは建て替えを望む声の方が大きいんだろうなぁ。

クランタンのオーナーがシャー・アラムスタジアムのリース希望を表明

そんなシャー・アラムスタジアムですが、Mリーグ2部プレミアリーグのクランタンのオーナーであるノリザム・トゥキマン氏が、シャー・アラムスタジアムのリースを希望していると、マレーシア語ニュースサイトのマジョリティが報じています。

ノリザム オーナーは自身のFacebookに投稿し、スタジアムの解体は不要で、施設管理者のスランゴール州政府に対してそのままクランタンに貸し出すことを希望しているということです。

これ以上の詳細は明らかになっていませんが、解体すれば費用がかかるこのスタジアムを賃貸すれば、州政府への収入にもなるわけで、ノリザム オーナーの申し出にスランゴール政府がどう反応するかが注目です