国内リーグの今後について各監督の意見は
マレーシア国内リーグのMリーグは1部スーパーリーグと2部プレミアリーグは第4節終了時点で、3部M3リーグは第2節終了時点でそれぞれのリーグが中断しています。新型コロナウィルス感染拡大を防ぐためにマレーシア全土に発令中の活動制限令解除後MCO解除のMリーグの早期再開について、マレーシア政府が否定的であることは先日このブログでも取り上げましたが、ここ数日で早期再開どころか年内再開すら怪しくなり、今季2020年シーズンはこのまま終了という気配が濃厚になっています。
マレーシア政府のイスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相が「ピッチ上に22人が集まるサッカーも、集団が形成される活動であり、活動制限令MCOが解除になっても許可されないであろう」と話したことから、検討されていた無観客試合すら実施が難しい状況になっていますが、そんな状況について、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が各クラブの反応を取り上げています。
スーパーリーグで首位のジョホール・ダルル・タジムJDTを勝点2で追うペラTBGのメフメト・ドゥラコビッチ監督は、リーグ最下位の是非は専門家に任せるべきだと話しています。「マレーシア政府の保健省や国家安全保障委員会が再開許可を出せば、再開すれば良いし、そうでなければ選手やスタッフ、審判など関係者全員の安全を優先するべきだ」「自分たちは専門家の意見を聞く立場であって、リーグ再開の是非を決める立場にない。例えリーグを再開する必要があっても、関係者全員の安全が最優先である」と話しています。
一方、スランゴールFCのサティアナタン・バスカラン監督は今季のリーグ中止後の影響が心配であるとしています。「リーグが中止となった場合には、クラブは選手やスタッフの契約内容見直しを行う必要があるだろう。また、来季2021年シーズンのアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグにマレーシア代表としてどのクラブが出場するべきなのかも疑問である」開幕4試合でスランゴールFCは上位のクラブとの対戦が続いたとは不運であったとも述べて、第4節までの結果でACL出場クラブを決めるべきではないことをほのめかしています。
また、今季スーパーリーグに昇格したばかりのUITM FCでチームマネージャーを務めるムスタザ・アーマド氏は、第4節で12位のPDRM FCを破って、今季初勝利を飾ったチームの調子が上向いてきたところでの中断だったして、スーパーリーグ12クラブ中11位ながら、UITM FCはリーグ再開を望んでいると話しています。
フェルダ・ユナイテッドFCのニザム・ジャミル監督は「第4節終了時点で5位という順位には満足しているが、リーグは本来なら22試合あり、現在の各クラブの順位はリーグの状況を正確には反映していない」と述べ、とにかく政府の方針が決定するのを待つしかないと語っています。
この他、スーパーリーグ最下位12位でリーグ中断となったPDRM FCのイシャク・クンジュ監督はこの中断のおかげで今季の2部降格が猶予されたと考え、このままリーグが中止となれば、来季2021年シーズンもPDRM FCは1部スーパーリーグで戦えると話し、そうなれば評価を覆す可能性はあると話しています。
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筆者注:突然ですが、今回から国内リーグの表記をこれまでの「MFL」から「Mリーグ」とすることにしました。国内リーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは組織名であり、記事の中でこの組織を指す場合とリーグそのものを指す場合に同じ表記では曖昧となることからの措置です。
マレーシアの通信社ブルナマによると、活動制限令が解除されてから最大で4ヶ月後にはMリーグが再開される可能性があるということです。
本日4月28日の定例記者会見の席上で、イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相は、現在中断中のMリーグの再開について、現在発令中の活動制限令が解除となった後、4ヶ月程度の「冷却期間」が必要だと述べたということです。
「マレーシアサッカー協会と国内リーグを統括するマレーシアフットボールMFLがMリーグを7月に再開する希望があることは理解しているが、活動制限令が解除されてから1、2ヶ月での再開は時期尚早である。しかし、活動制限令が6月中に解除となれば、10月あるいは11月のリーグ再開については、無観客試合などの条件付きで、政府が許可する可能性がある」と述べています。
しかしその一方で、サブリ上級相はMリーグ再開についての最終判断は、保健省の指示や助言を仰ぐことも明言しています。「保健省による助言は必要であり、FAMと(FAMを統括する)スポーツ青年省からのリーグ再会の提案を受けた段階で、マレーシア政府が最終決断を下す」と述べています。
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マレーシア政府関係者がMリーグ再開の具体的な時期について述べたのは今回が初めてです。これは朗報と言えるのではないでしょうか。ただし10月あるいは11月に再開許可が出た場合、時期的に今季2020年シーズンの再開となるのか、2020/2021シーズンとなるのかは不明です。