2021年Mリーグ1部スーパーリーグ第1節結果

 2021年シーズンが3月5日いよいよ開幕しました。1部スーパーリーグは8月8日の最終第22節まで全132試合が開催されます。なお現在は無観客試合での開催となっています。なお、対戦カードの左側がホームチームです。なお、試合のダイジェスト映像はいずれも各クラブの公式TVチャンネルからお借りしています。

2021年3月5日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
JDT 2- 0 クダ・ダルル・アマン
得点者:JDT-サファウィ・ラシド(35分)、ナチョ・インサ(68分)
 昨季の1位と2位が対決した開幕戦はボールへ寄るスピード、ボールキープやパスの精度などあらゆる面で得点差以上の実力差を見せたJDTが圧勝しています。この日が24歳の誕生日だったサファウィ・ラシドが今季のMリーグ初ゴールを決め、ナチョ・インサがダメ押しの2点目を決めています。新戦力のFWベルクソン・ダ・シルバがチームに合流できておらず、セカンドチームのJDT IIから一昨年はクダでプレーしたFWフェルナンド・ロドリゲスを招集する苦しい布陣にもかかわらず、試合はカウンター狙いで引き気味にプレーするクダを自陣に釘付けにして攻め続け、今季も圧倒的な優勝候補であることを見せつけました。
 なおクダにとっては守備陣のキーマンであるレノン・アルヴェスがコンディション不良で出場できなかった影響が大きそうですが、アイディル・シャリン監督は試合前から分かっていたことと、言い訳にはしたくないとメディアに語っています。

2021年3月6日@シティスタジアム(ペナン州ジョージタウン)
ペナン 1-0 KLシティ
得点者:ペナン-デヴィッド・ロウリー(29分)
 試合の数日前にクラブ名称がクアラルンプール・ユナイテッドFCからクアラルンプールシティFCへと変更になるなどバタバタ感は試合中も見られました。ロウリー選手のゴールも守備陣の選手は棒立ちで、結果だけでなく試合内容も前半は明らかにペナンが勝っていました。後半に入るとKLが優勢に試合を進めましたが、ペナンのリュウジ・ウトモとラファエル・ヴィトールが中心の守備陣が持ちこたえ1部復帰初戦での勝利としています。なおペナンの守備陣がJDTやクダ、スランゴールといったクラブの攻撃陣に対応できれば、上位進出もありそうです。
 

https://youtu.be/WKEpGV3ESDc

2021年3月6日@UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
UITM 1-2 トレンガヌ
得点者:UITM-モハマド・ファウジ(34分)、トレンガヌ-ダビ・アパレシド・ダ・シルバ(77分)、モハマド・ハキミ・アブドゥラ(88分)
 トレンガヌは新戦力でJ2金沢でもプレー経験があるFWダビと、2部ケランタンFCが手放した理由が不明な若手有望株のFWモハマド・ハキミがゴールを決めています。いずれのゴールはこちらも新戦力のMFマカン・コナテのピンポイントのパスからのものでしたが、昨季もインドネシア1部のプルシブバンドンでチームメートだったコナテ・ダビのホットラインでのゴール量産もありそうですが、今後他のチームはこのコナテ選手に要注意でしょう。

2021年3月6日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴール 3-1 スリ・パハン
得点者:スランゴール-オリヴァー・バフ2(45+1分、90+3分)、シャーレル・フィクリ(55分)、パハン-モハド・ノル・アザム・アジ(70分)
 ストップJDTの一番手を目指すスランゴールはいずれも期待される新戦力の3ゴールで快勝しています。バフの1点目はペナルティーボックスの外から、ダメ押しの2点目はボックス内で躊躇なく放ったゴールでした。シャーレル・フィクリのゴールも含め、今季のスランゴールは昨季のイフェダヨ・オルセグン頼りから多彩な攻撃パターンを持つチームへ変貌したようです。

2021年3月6日@ハンジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ・ユナイテッド 1-1 サバ
得点者:マラッカ-クマーハン・サタシバン(63分)、サバ-ハムラン・ピーター(45分)
 マラッカが優勢に試合を進めながら、新加入の外国籍選手4名が合流できていないサバと引き分け、ホームのマラッカにはとっては痛い引き分けです。
(マラッカ・ユナイテッドとサバは公式チャンネルにダイジェスト映像がないので、試合のフル映像をUnifiからお借りしました。)

https://youtu.be/knFJRDCYNgs

3月7日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラ 0-0 PJシティ
得点者なし
 開幕2週間前に監督が交代したペラと外国籍選手が1名もいないPJシティの試合は、今節で唯一のスコアレスドローとなっています。この試合では試合終了間際にPJシティのP・マニアム監督がイエローカードをもらっています。
(ペラとPJシティは公式チャンネルにダイジェスト映像がないので、試合のフル映像をUnifiからお借りしました。)

https://youtu.be/HMXUtVZPtkA

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第1節終了時)

ClubGWDLGFGAGDP
1SEL11003123
2JDT11002023
3TFC11002113
4PEN11001013
5MEL10101101
6SBH10101101
7PRK10100001
8PJ10100001
9UITM100112-10
10KL100101-10
11PHG100113-20
12KDH100102-20
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MEL-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-クアラルンプールシティ

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第1節終了時)

選手(所属クラブ)ゴール数
1オリヴァー・バフ(SEL)2
2サファウィ・ラシド(JDT)他9名1
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MEL-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-クアラルンプールシティ

2021年Mリーグ1部スーパーリーグのクラブ紹介とボラセパマレーシアJP的順位予想 その2

内容は2-0のスコア以上の圧勝でJDTがクダ・ダルル・アマンを一蹴して開幕した今季のMリーグ。勝手に今季の順位予想をしてみました。今回は5位から8位までの予想です。なお1位から4位まではこちらです。

ボラセパマレーシアJP的順位予想 5位トレンガヌFC

2020年シーズン成績:リーグ3位 – 6勝1分4敗 得点24 失点14

監督3年目を迎えるナフジ・ザイン監督は、シーズン途中で就任した2019年の7位から昨季は3位とチームの順位を上げています。となると今季はさらに上位も、となるかと言えばそこはいくつか不安要素があります。その一つは外国籍選手5名全員の顔ぶれが変わったこと。昨季は同じ1部のサバでプレーしたMFペトラス・シテムビ以外は、Mリーグ1年目となる4名が行動制限令MCOで短縮されたプレシーズンの間にマレーシア人選手とうまく融合できているかどうかがスタートダッシュの鍵となります。

マレーシア人選手の補強はファイザル・ハリム(1部スリ・パハンより移籍)、ニック・アキフ・シャヒラン(2部ケランタンより移籍)、アスナン・アフマド(2部UKMより移籍)など、経将来性のある選手に加え経験のある選手などバランス良く獲得しており、外国籍選手の出来が、今季の成績に直結しそうです。

リーグで経験を積めば、来季あるいは2年後辺りにプレークしそうなニック・アキフらマレーシア人選手がいますが、チームの方針として選手の顔ぶれを若手に切り替えつつある今季は昨季ほどの成績は望めないのではという予想です。

<ボラセパマレーシアJP的注目選手>
デヴィッド・ダ・シルヴァ
Kリーグ浦項スティーラーズでもプレーしたブラジル出身のダ・シルヴァは、昨季11試合で9ゴールを挙げたドミニク・ダ・シルヴァ(KLユナイテッドへ移籍)を解雇してまで獲得したストライカーです。浦項から移籍したインドネシア1部プルシブバンドンでは16試合で15ゴールを挙げています。今季加入した攻撃的MFマカン・コナテも同じプルシブバンドンでプレーしており、このホットラインが機能すれば上位進出があるかもしれません。

ボラセパマレーシアJP的順位予想 6位ペラFC

2020年シーズン成績:リーグ4位 – 5勝3分3敗 得点21失点19

2017年にメフメト・ドゥラコヴィッチ監督が就任以来、5位、2位、5位、4位と安定した成績を残してきたペラFCは、エースのシャーレル・フィクリがスランゴールへ移籍したものの、昨季からプレーするブラジルトリオが残留し、その内の1人のギリェルメ・デ・パウラが帰化選手となりマレーシア人選手として登録されることから、外国籍選手枠も増えるなど、戦力ダウンを補強とチーム力で補えるだろうと考え、当初は今季の順位予想では3位にしていました。しかしこのブログでも取り上げた通り開幕直前にドゥラコヴィッチ監督が突如契約解除を申し出たことで、監督を中心としたチーム力に疑問符がついたことから予想順位を3つ下げてみました。

<ボラセパマレーシア的注目選手>
ギリェルメ・デ・パウラ
帰化選手となり、6月に再開されるW杯アジア二次予選では代表への招集も可能となったデ・パウラ選手。マレーシア人選手にはない高さを持つFWとして魅力はあるものの、タン・チェンホー監督が求めるストライカーの役割をリーグで発揮することが求められます。

ハフィズル・ハキム
膝の手術からの回復が遅れ、昨季は前半を棒に振ったハフィズル・ハキムは、背番号1を失ったもののプレシーズンマッチでは先発もしており、正GK復帰が近そうです。年齢的にも経験的にも代表GKを狙える位置にいる選手で、こちらも健在ぶりをタン監督に見せる必要があります。

ボラセパマレーシアJP的順位予想 7位スリ・パハンFC

2020年シーズン成績:リーグ8位 – 4勝2分5敗 得点18失点18

新型コロナウィルスによる中断期間中に主力選手のモハマドゥ・スマレが給料未払いを理由に突然チームを離れるなどのトラブルもあり、年間を通して良いところがなかった昨季のスリ・パハンはリーグ9位となった2016年以来の低い成績に終わりました。

監督のドラー・サレーがチームマネージャーに就任し、新監督には主将としてW杯22度出場しているアメリカ出身のトーマス・ドゥーリー氏を招聘しました。ドイツでのプレー経験が長く、スリ・パハンの施設はドイツ6部チーム並だと発言するなど「来てみたら話が違った」感のある発言もありましたが、フィリピン代表監督として東南アジアでの監督経験もあることから、人選としてはとても興味深いです。またドラー・サレーがチームマネージャーとして残ったことで、マレーシア人選手と新監督の意思の疎通の助けになれば、今季のスリ・パハンは意外に化けるかもしれません。

昨季までトレンガヌFCの主将を務め今季は攻撃的MFとして期待されるリー・タック(英国)の前にはFWイェウヘン・ボハシュヴィリ(ウクライナ)とかつてPJシティでもプレーしたFWペドロ・エンリケ・オリヴェリア(東ティモール/ブラジル)を、その後ろには今季3年目となるDFエラルド・グロン(フランス)と、グロンとチームメートでもあったことがあるDFママドゥ・ワグ(フランス)の大型DF2枚を配置し、そこにマレーシア人選手が絡んでくる布陣となりそうです。しかしそのマレーシア人選手もファイザル・ハリム(トレンガヌFCへ移籍)、ニック・シャリフ(スランゴールFCへ移籍)と期待の選手が移籍し、少々寂しいメンバーになっています。

<ボラセパマレーシアJP的注目選手>
ノー・アザム・アジー
リー・タックの加入でより守備的なMFとして起用される可能性もありますが、タック選手が前掛かり気味になっても、代わりに司令塔としてその後ろを任せられるMFなので、タック選手の持ち味を生かし、代表でも司令とを務める自身の新境地を開けるかも知れません。

ボラセパマレーシアJP的順位予想 8位ペナンFC

2020年シーズン成績:*2部プレミアリーグ1位 – 8勝2分1敗 得点24失点8

昨季2部プレミアリーグでは圧倒的な力で優勝したペナンFCは、FWカサグランデ、攻撃的MFエンドリック、長身のセンターバックDラファエル・ヴィトールとチームの格となるセンターラインが残留し、1部昇格に合わせてタジキスタン出身のFWシェリディン・ボボエフとインドネシア出身で母親が日本人の守備的MFリュウジ・ウトモを新たに獲得しています。

またこのチームは昨季ゴールを守ったGKサミュエル・サマーヴィルに対してPDRMでスーパーセーブを連発したブライアン・シーが挑む正GK争いにも注目です。

今季昇格組ながら、後述するPJシティFCやサバFCなどよりも力は上だと思いますので、1年で2部へ降格ということはなさそうです。

<ボラセパマレーシア的注目選手>
カサグランデ、エンドリック
昨季は2部で得点はリーグ1位、失点はリーグ最少と強さを見せたペナンの中心は、11試合で9ゴールを決めたカサグランデと同じく8ゴールを決めたエンドリックです。リーグ得点数1位と2位の2人はペナンに移籍する前は、いずれも1部のマラッカ・ユナイテッドやスランゴールでプレーしたものの目立った実績を残しておらず、いわば1部への再チャレンジとなる2人の活躍に注目したいです。 

2月23日のニュース:ペラのドゥラコビッチ監督は自ら契約解除を希望、スリ・パハンはアグエロに帰化選手化計画、タイ1部リーグ20節・21節-エルドストールは2戦フル出場もタンは1戦のみ出場、連邦直轄地大臣杯でクランダービーが実現、ヤクルトは今年もマレーシア若手選手のC大阪派遣を支援

ペラのドゥラコビッチ監督は自ら契約解除を希望
 家族との時間を大事にしたい。突然明らかになったMリーグ1部ペラのメフメト・ドゥラコビッチ監督の契約解除問題は、昨日2月22日夕刻にドゥラコビッチ監督自身が記者会見を開き、自身の意思で契約解除を申し出たことが明らかになりました。
 クラブの本拠地があるペラ州イポーで開かれた会見でドゥラコビッチ監督は、新型コロナウィルスを理由にオーストラリアに残した家族の元に戻ることを自ら希望したと話し、難しい決断であったと述べ、契約解除については2月19日に合意されていたことを明かしています。「自分自身がこの決断を悲しく思う。昨年から続く新型コロナウィルスにより、家族と離れ1人孤独だった。そして今年も同じ状況であることから家族の元に戻ることにした。」と話すドゥラコビッチ監督の後任には元クアラルンプールFA(現クアラルンプール・ユナイテッド)監督のチョン・イーファット氏が就任するということです。
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 選手からの人望も集めていたとされるドゥラコビッチ監督の契約解除は、開幕まで2週間を切ったこの時期だけに、果たして額面通りの理由なのかどうか疑わしいですが、真相は明らかになることはなさそうです。

スリ・パハンはアグエロに帰化選手化計画
 Mリーグ1部スリ・パハンは今年2年契約を結んだばかりのFWセルジオ・アグエロ(注:マンチェスターシティのアグエロとは別の選手です)を今季はMリーグ2部のクラブに期限付き移籍させる計画があると英字紙スターが報じています。
 アルゼンチン出身で26歳のアグエロ選手は、2017年にはMリーグ1部マラッカ・ユナイテッド、2018年には同2部スランゴール・ユナイテッド(現在はクラブは解散)、2019年は同2部ペナンFA(現ペナンFC)、そして昨年2020年は同3部のKLローヴァーズでプレしており、今年2021年でマレーシア国内でプレーし始めてから5年目となることから、スリ・パハンは来季にはアグエロ選手を帰化させる計画があるということです。
 スリ・パハンのトーマス・ドゥーリー監督はアグエロ選手の練習熱心さを評価した上で、「アグエロ選手が帰化選手となれば是非、起用したいが、現状ではベンチを温める可能性が高いので、他のチームで試合経験を積んだ後、逞しくなって2022年シーズンに再びスリ・パハンに戻ってきることが、彼にとってもチームにとっても最善である。」と話しています。
 なおスリ・パハンはウクライナ出身で同国年代代表経験もあるFWイェウヘン・ボハシュヴィリをインドネシア1部PSSスレマンから獲得しています。ドゥーリー監督はこのボハシュヴィリ選手をFWペドロ・エンリケ・オリヴェリア(バングラデシュ1部シェイク・ラッセルKCから移籍、2019年にはMリーグ1部PJシティでプレー経験あり)とともに前線に配置し、トレンガヌから移籍の攻撃的MFリー・タックは中盤で司令塔して起用、新加入のDFママドゥ・ワグ(キプロス2部アルキ・オロクリニから移籍)はかつてチームメートでもあったチーム3年目のDFエラルド・グロンと組んで最終ラインを任せるという外国籍選手の起用法も明らかにしています。
 その一方でJDTやクダ・ダルル・アマン、スランゴールほどの資金はないとし、一部主力選手が残留しなかったことや自身が希望した選手は獲得できなかったこと、そして主力と控えの差が大きいことなどを挙げ、昨季のリーグ8位から少しでも上位を目指したいと弱気な発言もしています。

タイ1部リーグ20節・21節-エルドストールは2戦フル出場もタンは1戦出場のみ
 タイ1部リーグ第20節が2月17日と18日に、第21節が2月20日と21日に開催されました。第20節ではDFジュニオール・エルドストール (タイでの登録名はプテラ・ナデール・アマルハン・マダナー)が所属するチョンブリーはPTプラチュワップと対戦し0−1で敗戦しています。なおエルドストール選手はスタメンでフル出場しています。一方、DFドミニク・タンが所属するポリス・テロはラーチャブリー・ミトポンと対戦し0-4と大敗し、タン選手は先発出場したものの、45分に交代しています。
 続く第21節はチョンブリーとポリス・テロが対戦し、マレーシア代表経験者コンビが直接対決を果たし、試合はチョンブリーが1-0と勝利しています。この試合はエルドストール選手は4試合連続となる先発でフル出場を果たしましたが、タン選手はベンチ入りしたものの出場機会はありませんでした。
 第21節を終了して、チョンブリーは8勝2分11敗で10位、ポリス・テロは7勝4分10敗で11位となっています。
 なおタイ2部リーグのノーンブワ・ピッチャヤに移籍したニコラス・スウィラッドはベンチ入りしませんでした。

連邦直轄地大臣杯でクランダービーが実現
 マレーシアの通信社ブルナマはMリーグ1部のクアラルンプール・ユナイテッド(KLユナイテッド)が同1部のスランゴールと対戦する連邦直轄地大臣杯の詳細を報じています。クアラルンプールはプトラジャヤやラブアンとともに、どの州にも属さない連邦直轄地です。
 プレシーズンマッチとして2月27日にKLユナイテッドの本拠地KLフットボールスタジアムで開催されるこの試合は、プリハティン杯(プリハティンはマレーシア語で「気遣い」の意味)の別名もつけられており、アストロ・アリーナで中継されるこの試合の放映権料の一部はチャリティに寄付されることにもなっています。
 KLユナイテッドの運営理事会メンバーで前連邦直轄地大臣のカリド・アブドル・サマド氏は、この試合はクラブが目指す長期計画の一環として開催され、ファンディ・アフマッドがいた頃の栄光を取り戻すための第一歩とするだけでなく、地元クアラルンプールでのサポーター獲得にもつなげたいと話しています。
 またこの大会詳細発表の記者会見にはアヌアル・ムサ現連邦直轄地大臣も出席し、(連邦直轄地)のクアラルンプールを代表するクラブを成功させる責任があるとして、民営化されたクラブに対して練習施設の提供などを行なっていきたいと話しています。
 2年ぶりに1部へ復帰となるKLユナイテッドは同じ昇格組のペナンFCと3月6日の開幕戦で対戦します。
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 クアラルンプールとそれを囲むように存在するスランゴール州はその地域を流れるクラン川の流域にあることから、クランバリー(クラン渓谷)と呼ばれること多く、その中でも1980年代半ばから後半にかけてファンディ・アフマッド、マレク・アワブ、K・カナンのシンガポールトリオの活躍で1987年からMリーグでは2位、優勝、2位、またマレーシアカップでは1987年から3連覇を果たすなど当時は国内最強のチームでした。

ヤクルトは今年もマレーシア若手選手のC大阪派遣を支援
 今年も若い選手の育成を支援。英字紙ニューストレイトタイムズは、ヤクルト・マレーシア社がマレーシアの若手選手を日本に派遣するマレーシアドリームプロジェクトについて発表を行ったことを報じています。
 2018年にマレーシア、タイ、ベトナムの3カ国が参加して開催されたアセアンドリームプロジェクトとして始まったこのプロジェクトは、翌2019年にはベトナムに代わりミャンマーが参加して行われまし、このプロジェクトでは各国5名、計15名の参加者はセレッソ大阪での練習参加やJリーグの試合観戦などを経験しました。
 セレッソ大阪とアセアン(東南アジア)は戦略パートナー契約を結んでいるヤクルトの濱田浩志社長はセレッソ大阪の森島寛晃社長はオンラインで新たに契約を更新し、2021年の今回はマレーシアからより多くの選手が参加できるよう、単独で15名が参加するマレーシアドリームプロジェクト2021と名称となることを明かし、より多くのマレーシア人選手にセレッソ大阪での指導や練習試合参加などを経て経験を積んでもらいたいと考えており、新型コロナウィルスの感染がおさまればすぐにプロジェクトを実行したいと話しています。

2月19日のニュース:W杯予選G組の残り試合は6月に集中開催方式による実施が決定、今季のMリーグ2部は10チーム編成か-ペラIIに脱退の可能性が浮上、今季Mリーグ開幕戦はJDTの本拠地で開催決定、2022年AFCクラブライセンス申請受付開始-スリ・パハンとサバは申請せず、UITMは主催トーナメント開催を前にワクチン接種を希望

W杯予選G組の残り試合は6月に集中開催方式による実施が決定
 マレーシアの通信社ブルナマは現在中断中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選について、マレーシアが所属する予選G組の残り試合全て6月に延期され、さらに集中開催方式で行われることが決定したと報じています。
 アジアサッカー連盟AFCのウインザー・ポール事務局長は、マレーシアの他にベトナム、タイ、アラブ首長国連邦、インドネシアが所属する予選G組についてはAFCの判断で6月開催とすることを各国サッカー協会とのオンラインミーティングで伝えたと、ブル生の取材に答えています。
 またウインザー事務局長は、今後は集中開催となる開催地の選別に取り掛かると話しています。なお開催地となるためにはAFCが設ける複数の条件を満たすことが求められており、その中には国境が開かれていて人の往来が自由に行われていることや、試合のため入国するチームや関係者に対し検疫隔離などの措置が義務付けられていないことなどが挙げられています。

今季のMリーグ2部は10チーム編成か-ペラIIに脱退の可能性が浮上
 今季のMリーグは3月5日に開幕しますが、開幕まで1ヶ月を切ったこの時期に2部のペラIIの出場事態の可能性が報じられています。ペラIIはMリーグ1部ペラのセカンドチームとして昨季からMリーグ2部でプレーしています。
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版は、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサン事務局長は、ブリタハリアン紙の取材に対し、ペラIIのトップチームであるMリーグ1部ペラとペラIIの処遇についての話し合いが行われていることを認める一方で、現時点で何も確定しておらず、話し合いをしていること以上は明かすことができないとも述べています。
 ペラIIはセミプロクラブとしてMリーグ3部M3リーグに降格して再出発するという噂もあり、2019年シーズンにはMリーグ1部で最下位となり2部に降格したとはいえ、わずか数年前までトップリーグにいたクラブがセミプロクラブになってしまうのは残念ですが、それ以上に残念なのは今後プロサッカー選手を目指す若い選手たちの受け皿も減ってしまうことです。
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 ペラIIがMリーグ2部を脱退すれば、今季から参戦するFAM-MSNプロジェクトチーム(マレーシアサッカー協会FAMと国家スポーツ評議会MSNが運営する国営サッカーアカデミーの出身者で構成される間にあわせのチーム)を加えても10チーム編成となるMリーグ2部。しかもこのFAM-MSNプロジェクトやMリーグ1部クラブのセカンドチームであるJDT II、トレンガヌII、スランゴール2の3チームには1部への昇格権はありません。つまり今季は残る6チームで2つの昇格権を争う確率1/3の「お得な」シーズンとなっており、各チームが例年以上に積極的に補強しているのはこの機会を逃さないためでもあります。

今季Mリーグ開幕戦はJDTの本拠地で開催決定
 今季のMリーグ開幕戦では昨季の1部リーグチャンピオンJDTと2位のクダ・ダルル・アマンが対戦しますが、*スンバンシーカップとも呼ばれるこの開幕戦について、今季も含めて7年連続でJDTの本拠地で開催されていることから、一部ではMリーグを運営するMFLがJDTを優遇しているという声が出ているようです。こういった声についてMFLのアブドル・ガニCEOは「スンバンシーカップはMリーグ1部スーパーリーグチャンピオンのものであり、試合会場を変更する必要はない。」と述べています。
 JDTがMリーグ1部7連覇を達成していることから起こっているこの事態について、それ以前からもスンバンシーカップはその年のMリーグ開幕戦として、その前年のMリーグ1部優勝チームの本拠地で行われており、JDTを優遇しているわけではないと話すアブドル・ガニCEOは、もし他のMリーグクラブがスンバンシーカップを開催したければ、1部スーパーリーグで優勝すれば良いだけのことであると、外野の声を一蹴しています。
*スンバンシーカップ(スンバンシー:sumbangsihはマレーシア語で」寄付」の意。この試合は英国プレミアリーグのFAコミュニティーシールドを模しています。本国ではリーグチャンピオンとFAカップチャンピオンが対戦する英国サッカー協会FA主催の大会ですが、マレーシアではリーグチャンピオンとマレーシアカップチャンピオンが対戦し、Mリーグ公式戦の一環として行われます。マレーシアカップは2部のクラブが優勝する可能性もあるので、そうなった時にはリーグ戦扱いはできないのですが、その際にどうなるのかは不明です。

2022年AFCクラブライセンス申請受付開始-スリ・パハンとサバは申請せず
 MFLは公式サイトで来季2022年シーズンのクラブライセンス申請の状況を公表していますが、それによると今季2021年シーズンにMリーグ1部および2部でプレーする全18クラブがMFLに国内リーグ用クラブライセンス申請を行っています。
 また今回はアジアサッカー連盟AFC主催のAFCチャンピオンズリーグやAFCカップに出場する際に必要となるAFCライセンスの申請も受け付けが始まっていますが、こちらはMリーグ全クラブではなく1部と2部合わせて11クラブが申請しているようです。その内訳は1部はスリ・パハンとサバを除く1部10クラブと2部はサラワク・ユナイテッドの1クラブだけです。
 なお国内リーグ用クラブライセンスの申請は2月9日に締め切られているということですが、AFCライセンスの申請は今後も様々な書類の提出期限が続くということです。

UITMは主催トーナメント開催を前にワクチン接種を希望
 Mリーグ1部のUITMが1部のペラ、2部のトレンガヌIIとトーナメントを開催するニュースは先日取り上げましたが、Mリーグで初のスポーツバブル方式のテストとなるこのトーナメントを前に、UTIMのムスタザ・アフマドCEOは、スポーツ関連事業者としてMリーグクラブが初期のワクチン接種対象となることを望んでいると話しています。
 マレーシア語紙ハリアンメトロによると、今回のトーナメント期間中、UITMは各試合の前後に選手29名を含む関係者42名にPCR検査や抗体検査を行うということですが、今回のトーナメントでは1人1試合あたり検査費用として480リンギ(およそ12600円)かかるとムスタザCEOは話しており、ワクチン接種が行われればそうした費用も軽減できるとしています。

2月13日のニュース:MFLは選手登録期限の1週間延長を発表、スリ・パハンはフランス出身DFを獲得、ペラFCは国立大学敷地内での合宿隔離方式で練習再開、JDTがアイスホッケーチーム設立 

ペラFCは国立大学敷地内での合宿隔離方式で練習再開
 国家安全保障委員会NSCにより、2月15日よりMリーグ各クラブはチーム練習再開が許可されていますが、その際には合宿隔離方式あるいは自宅隔離方式での実施が条件となっています。Mリーグ1部のペラFCは州内にある国立大学の敷地内での合宿隔離方式で練習を再開するようです。
 ペラ州タンジュンマリムにあるスルタン・イドリス教育大学はその前身が1922年に創立された教員養成大学ですが、ペラFCは選手、監督、コーチ及びスタッフ全員がこの大学敷地内で宿泊と練習を行うということです。
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 マレーシア国内の大学は現在、新型コロナウィルス感染拡大防止のため原則として登校禁止、そして授業はオンラインで行われています。このためキャンパス内には学生がいないので、このような形の合宿隔離が可能となるのでしょう。

ペラFCは国立大学敷地内での合宿隔離方式で練習再開
 国家安全保障委員会NSCにより、2月15日よりMリーグ各クラブはチーム練習再開が許可されていますが、その際には合宿隔離方式あるいは自宅隔離方式での実施が条件となっています。Mリーグ1部のペラFCは州内にある国立大学の敷地内での合宿隔離方式で練習を再開するようです。
 ペラ州タンジュンマリムにあるスルタン・イドリス教育大学はその前身が1922年に創立された教員養成大学ですが、ペラFCは選手、監督、コーチ及びスタッフ全員がこの大学敷地内で宿泊と練習を行うということです。
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 マレーシア国内の大学は現在、新型コロナウィルス感染拡大防止のため原則として登校禁止、そして授業はオンラインで行われています。このためキャンパス内には学生がいないので、このような形の合宿隔離が可能となるのでしょう。

MFLは選手登録期限の1週間延長を発表
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、今季2021年シーズン第1回目の選手登録期限を2月12日から2月19日と変更することを公式Facebook上で発表してます。
 今季のMリーグは当初は2月26日開幕が予定されていましたが、新型コロナウィルス対策となる活動制限令が施行されたことから、開幕日が3月5日となっていました。これに合わせて選手登録期限も延長されることが予想されていましたが、今回、FIFAの承認を得られたことから正式に発表されています。
 FIFAからの電子メールが届いたのが当初の登録期限の2月12日前日の2月11日の午後9時だったということです。

スリ・パハンはフランス出身DFを獲得 
 Mリーグ1部スリ・パハンはフランス出身のDFママドゥ・ワグと契約したことをマレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。レバノン国籍も持つ31歳のワグ選手はアジア枠での登録となるということです。
 スリ・パハンのモハメド・スフィアン・アワンCEOによれば、今季3年目となるDFエラルド・グロンとこのワグ選手は当時フランス2部リーグのル・マンFCでもチームメートであった他、イラクのアル・ショルタSC在籍時の2018/2019シーズンにはイラク1部リーグ優勝なども経験しているということです。
 ワグ選手との契約で、グロン選手、FWリー・タック(英国、1部トレンガヌFCより加入)、FWセルヒオ・アグエロ(アルゼンチン、3部KLローヴァーズより加入)と5名中4名の外国籍選手が決定したスリ・パハンは、残る1枠となる東南アジア枠についてインドネシア1部アレマFCのFWクシェドヤ・ハリ・ユドの獲得に動いていると噂されています。
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 昨季は11試合で18失点(リーグ7位)と守備に苦しんだスリ・パハンですが、191cmのワグ選手が195cmのグロン選手と組むバックラインはリーグ屈指の高さとなります。

ペラFCは国立大学敷地内での合宿隔離方式で練習再開
 国家安全保障委員会NSCにより、2月15日よりMリーグ各クラブはチーム練習再開が許可されていますが、その際には合宿隔離方式あるいは自宅隔離方式での実施が条件となっています。Mリーグ1部のペラFCは州内にある国立大学の敷地内での合宿隔離方式で練習を再開するようです。
 ペラ州タンジュンマリムにあるスルタン・イドリス教育大学はその前身が1922年に創立された教員養成大学ですが、ペラFCは選手、監督、コーチ及びスタッフ全員がこの大学敷地内で宿泊と練習を行うということです。
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 マレーシア国内の大学は現在、新型コロナウィルス感染拡大防止のため原則として登校禁止、そして授業はオンラインで行われています。このためキャンパス内には学生がいないので、このような形の合宿隔離が可能となるのでしょう。

JDTがアイスホッケーチーム設立
 欧州型の総合スポーツクラブを目指すのか?昨季2020年までMリーグ1部で7連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTは来月3月よりアイスホッケーチームを創設すること公式Facebookで告知しています。
 Facebookへの投稿によると、アイススケートリンクはジョホール州イスカンダル・プテリにあるトゥンク・マコタ・イスマイル青少年センター内に建設されるということです。さらにこの投稿ではJDTの名を冠したボクシングチームがあり、プロボクサーのファルハン・ハロンらを輩出しているということです。
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 マレーシアでアイスホッケー?と思われるかも知れませんが、2017年にクアラルンプールを中心に開催された東南アジア競技大会通称シーゲームズではアイスホッケーが競技種目としてデビューし5カ国が出場しています。結果はフィリピンが金、タイが銀、マレーシアが銅のメダルを獲得しています。また続く2019年のフィリピン大会にも5カ国が出場しはタイが金、シンガポールが銀、フィリピンが銅メダルという結果でした。

2月8日のニュース:Mリーグクラブは練習再開可能か、本山雅志選手がマレーシア入国、ケランタンUに深井脩平選手加入で日本人トリオ結成、パハン州FAはFIFAの裁定に徹底抗戦の構え

Mリーグクラブは練習再開可能か
 今季のMリーグは3月5日に開幕が予定されていますが、サラワク州を除くマレーシア全土に施行中の活動制限令によりMリーグ各クラブはチーム練習が禁止されています。活動制限令は2月16日までの施行とされていますが、英字紙スター電子版は、来週からクラブ練習が許可される可能性があると報じています。
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは国内スポーツを監督する青年スポーツ省、国家スポーツ評議会、そして新型コロナウィルス対策を担う国家安全保障委員会との会談後に記者会見し、Mリーグ1部と2部のクラブについて、厳格が標準作業手順SOPを遵守することを条件に、早ければ来週中にも練習の許可が出されるだろうと話しています。
 現在は国家安全保障委員会の承認を待っている状態だと話すガニCEOは、これまでに渡り交渉を重ねてきた結果、練習許可が出される可能性は高いとし、3月5日今季の開幕を迎えられるよう、今後も努力していくとも話しています。
 「(2月26日から3月5日に延期された)今季のリーグ開幕がこれ以上遅れることになれば、プロサッカー産業に大きな影響が出る。MFLの試算では開幕が延期されれば、各クラブの損失の合計額は1ヶ月あたり少なくとも1900万リンギ(およそ4億9200万円)となる。」と話すガニCEOは、Mリーグのトランスファーウィンドウをリーグ開幕2週間前まで延長することもFIFAに申請中で、現在は承認待ちであることも明らかにしています。
 なお、2月5日に青年スポーツ省のリーザル・メリカン大臣が、MFL、マレーシアホッケーリーグ、セパタクローリーグなどについて、厳格なSOPを伴う完全隔離形式での練習許可申請を国家安全保障委員会に提案しています。

本山雅志選手がマレーシア入国
 Mリーグ2部ケランタン・ユナイテッドは公式Facebook上で今季加入する元日本代表の本山雅志選手がマレーシアへ到着したことを発表しています。
 今後はマレーシア渡航者全員に義務付けられている7日間の検疫隔離期間を経たのち、クラブの本拠地であるケランタン州コタバル入りするということです。
(クアラルンプール国際空港に到着した本山選手と深井脩平選手-ケランタン・ユナイテッドの公式Facebookより)

ケランタン・ユナイテッドに深井脩平選手加入で日本人トリオ結成
 マレーシアの通信社ブルナマは、ケランタン・ユナイテッドの4人目の外国籍選手としてDF深井脩平選手を獲得したと報じています。Mリーグ2部の外国籍選手枠は4名で、これでケランタン・ユナイテッドの外国籍枠は全て埋まったことになります。
 ケランタン・ユナイテッドを運営するKUFC社のアナス・カリミ・アフマド・タニ専務取締役は、28歳の深井選手を守備的MFであると紹介し、同じ2部のクチンシティに移籍したアイルトン・アレマオに代わって獲得したと話し、埼玉出身の深井選手は大宮アルディージャユースから北陸大学、その後はいずれもJ3のブラウブリッツ秋田、いわてグルージャ盛岡でのプレー経験があると発表しています。
 ケランタン・ユナイテッドは上の記事でも取り上げた本山雅志選手、昨季はクチンシティでプレーしたMF谷川由来選手がおり、Mリーグ初となる同一チームで日本人選手が3名プレーすることになります。ケランタン・ユナイテッドにはこの他にガンビア出身のFWガッサマ・アルフセイニイが在籍し、昨季はクチンシティを指揮した日本人の東山晃監督が今季から指揮をとります。
(深井選手を紹介するケランタン・ユナイテッドの公式Facebook投稿)

パハン州FAはFIFAの裁定に徹底抗戦の構え
 昨季所属したモハマドゥ・スマレ選手への未払い給料120万米ドル(およそ1億2600万円)の支払いをパハン州サッカー協会(パハン州FA)に命じる裁定をFIFAが下したことは先日のこのブログでも取り上げましたが、パハン州FAはこの裁定について争う姿勢を見せています。
 スター電子版は前パハンFA(現スリ・パハンFC)のチームマネージャーで、現在はスリ・パハンFCのCEOを務めるスフィアン・アワン氏はFIFAからの裁定を受け取ったことを認めた上で、「この件は弁護士に任せるが、まず弁護士からFIFAに採決決定の根拠を問い合わせ、その後の行動を決定したい。スポーツ仲裁裁判所CASへ控訴するべきか、それ以外の方法もあるのかどうかも検討する。」と話しています。
 なおこの件について、マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長はスマレ選手とパハン州FAの問題であるとして、静観する姿勢を見せています。

2月7日のニュース:今月予定の代表合宿が中止に、ベトナムサッカー協会もW杯予選の6月集中開催に同意、FIFAがパハン州FAに未払い給料1億2600万円の支払いを命じる、前スランゴールのスウィラッドがタイ2部クラブと契約

今月予定の代表合宿が中止に
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は今月2月に予定されていた代表合宿が中止になったことを報じています。代表が最後に合宿を行ったのは2019年11月で、来月3月に再開予定のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選を控え、1年3ヶ月ぶりの代表合宿が予定されていました。
 タン・チェンホー監督は1月13日にサラワク州を除くマレーシア全土に施行された活動制限令MCOが2月16日まで延期になったことを受け、このMCO中は各選手が所属するクラブの練習が禁止されており、招集する選手の体調が万全でないことを合宿中止の理由に挙げています。
 「(10日間が予定されていた)代表合宿に自宅のみで練習している選手を招集しても、簡単にケガをする可能性があり、そうなれば誰にとっても利益にならない。」と話すタン監督はマレーシアサッカー協会FAMと話し合いの末、来月のFIFAマッチデー期間に短期の合宿を行う予定であることも明らかにしています。
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 この次の記事でも取り上げますが、W杯アジア二次予選が6月の集中開催となることが濃厚となったことで、この時期に無理して合宿を行う必要がなくなったことが大きな理由でしょう。しかし、3月のFIFAマッチデー期間は3日しかなく、新戦力を試す時間もないため、6月に再開されるW杯予選に向けての選手選考は来月開幕するMリーグでの調子を見て、ということになりそうです。

ベトナムサッカー協会もW杯予選の6月集中開催に同意
 ニューストレイトタイムズはこれまで態度を表明してこなかったベトナムサッカー協会VFFが現在中断中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選の6月集中開催案を支持することを発表したと報じています。
 W杯アジア二次予選ではベトナム、マレーシア、タイ、アラブ首長国連邦UAE、インドネシアが予選G組に入っていますが、ベトナムを除く4カ国は既に6月の集中開催案に同意しており、ベトナムだけが態度を表明していませんでした。
 トラン・クオック・トゥアンVFF副会長は、アジアサッカー連盟AFCの決定を尊重し、また多くの国が新型コロナウィルス感染によって苦境にあるとし、W杯アジア二次予選の残り試合を集中開催で行うことに同意すると発表しています。なおG組の集中開催地はアラブ首長国連邦が濃厚ということです。

FIFAがパハン州FAに未払い給料1億2600万円の支払いを命じる
 FIFAはパハン州サッカー協会(パハン州FA)に対し、未払いとなっている120万米ドル(およそ1億2600万円)の給料をモハマド・スマレに支払うよう命じたと、ニューストレイトタイムズが報じています。
 パハン州FAが運営するパハンFA(現スリ・パハン)に昨季まで所属していたスマレ選手は、新型コロナウィルスによるリーグ中断期間中の昨年8月に未払い給料を理由にチームを離れ、タイ1部ポリス・テロFCに電撃移籍していました。
 今回のFIFAによる支払裁定は、スマレ選手からFIFAに持ち込まれた未払い給料に関する訴えについて裁定を下した結果です。
 ニューストレイトタイムズは、スマレ選手とパハンFAの間で1年ごとに5000米ドルの昇給が取り決められていた一方で、スマレ選手は2017年のパハンFA加入後は一度も昇給していないと主張していることも報じています。なおFIFAが算定した120万米ドルは昇給予定分の総額と2020年および2021年の契約違反の罰金の総額だとし、この金額はFIFAの裁定によりMリーグの選手が受け取った金額としては、ケランタンFA(現ケランタンFC)がやはりかつて所属したカッシオ・デ・ジェズスに支払った62万9620リンギ(およそ1630万円)を超える過去最高金額だということです。
 なおこの裁定を受け、パハン州FAは45日以内にスマレ選手に120万米ドルを支払うか、10日以内にスポーツ仲裁裁判所CASに控訴することが可能で、いずれかの対応を行わない場合、パハン州FAはFリーグでの勝点剥奪や新たな選手獲得の禁止などの処分がFIFAにより課されるということです。

前スランゴールのスウィラッドがタイ2部クラブと契約
 昨季2020年シーズンはスランゴールでプレーしたDFニコラス・スウィラッドがタイ2部リーグのノーンブワ・ピッチャヤFCと契約したことを英字紙スター電子版が報じています。
 29歳のスウィラッド選手は英国マンチェスター出身ですが、マレーシア人の母親を持つことからマレーシアの国籍取得後に帰化選手として2016年のJDT II加入以降、マラッカ・ユナイテッド、PKNSなどでもプレーしています。
 スウィラッド選手が加入するノーンブワ・ピッチャヤFCは現在、タイ2部リーグで14勝5分0敗、勝点47の成績で2位に勝点8差をつけて首位を快走しています。
 「(かつてJDT IIでチームメートだった同じく英国出身の帰化選手)ダニエル・ティングと今季はKLユナイテッドでプレーできると思っていたが、KLユナイテッドはレフトバックの選手を探していて実現しなかった。そんな時にノーンブアからの獲得オファーを受け、そこで早速、テイラー(リガン、サラワク・ユナイテッド)やブレンダン(ガン、スランゴール)、パトリック(ライヒェルト、タイ1部スパンブリーFC-かつてマラッカ・ユナイテッドでチームメート)らに相談し、タイ移籍を勧められた。」
 「ノーンブアは何もないところでバンコクからは8時間ほど離れているが、サッカーするには良い環境だと聞いているので、チャレンジすることを選んだ。」と話すスウィラッド選手は、この移籍が今後の代表チーム招集につながることも期待しているとも話しています。
 スウィラッド選手の移籍で、現在、タイでプレーするマレーシア人選手はドミニク・タン(ポリス・テロFC)、ジュニオール・エルドストール(チョンブリーFC)に続き3人目となりました。

2月1日のニュース:AFL-M3リーグ今季開催を約束も開幕は6月か、スリ・パハンはアシスタントコーチにフランス人コーチを採用

AFL-M3リーグ今季開催を約束も開幕は6月か
 Mリーグ3部にあたるM3リーグが昨季に続き中止となるのでは、と心配する声を先日このブログで取り上げましたが、M3リーグ以下のアマチュアリーグを運営するアマチュアフットボールリーグAFLは、今季のM3リーグ開催を約束しています。
 マレーシア語紙ウトゥサンマレーシアはAFLのモハマド・ユソフ・マハディ チェアマンが今季のM3リーグ開催を約束した一方で、開幕については当初の3月から6月に延期される可能性あると述べていると伝えています。
 またモハマド・ユソフ チェアマンは、昨日1月31日となっていたM3リーグの各クラブのクラブ登録書類の提出期限については、新型コロナウィルスによる状況を考慮して来月2月15日を新たな期限として各クラブに通達したことも明かした上で、「各クラブが提出する登録書類については、リーグ開幕後に給料未払い問題が起こらないよう特に経営状況について精査する。また、リーグ開幕後の標準作業手順SOPについては、M3リーグにはスタジアムではなくスタンドがないフィールドを本拠地として使うクラブもあることから、Mリーグ1部と2部とは異なり人の移動の制限が難しいことから、各クラブには本拠地として使うスタジアムあるいはフィールド名を提出してもらい、それをAFLが審査する。」と話しています。
 ウトゥサンマレーシアによると、今季のM3リーグ参加を表明しているのは現時点で9クラブしかなく、残る19クラブについては参加を未だ検討中で、中には新型コロナウィルスの感染が収束していないことが予想される3月よりも6月開催を望むクラブもあるとしています。
 最後にモハマド・ユソフ チェアマンは昨季はM3リーグが中止となったことで、本来なら3部降格となる2部プレミアリーグの11位と12位が今季も2部でプレーすることから、2部リーグの競争を活発化させるためにも3部のM3リーグは開催する必要があると話しています。

スリ・パハンはアシスタントコーチにフランス人コーチを採用
 Mリーグ1部のスリ・パハンは、元フィジー代表監督のクリストフ・ギャメル氏をアシスタントコーチとして契約したことをマレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。
 フランス出身のギャメル氏は既にスリ・パハンの本拠地があるパハン州クアンタンにおり、現在は検疫隔離期間中であることをスリ・パハンのモハメド・スフィアン・アワンCEOが明かしています。今季就任したトーマス・ドゥーリー監督の求めに応じて採用された48歳のギャメル氏はマレーシア人のアフマド・ユソフ アシスタントコーチとともにドゥーリー監督を支えるということです。

1月28日のニュース:スランゴールFCにスイス出身MFが加入、スランゴールFCのナイジェリア出身FWがアジア枠に変更か、スリ・パハンFC前監督がチームマネージャーに就任、マレーシアでも故ベングロシュ氏を悼む声

スランゴールFCにスイス出身MFが加入
 Mリーグ1部のスランゴールFCは公式サイト上で、スイス出身のMFオリヴァー・バフと契約したことを発表しています。
 U15からU21スイス代表でのプレー経験があるバフ選手は、2012年のロンドンオリンピック出場経験がある他、2009年のU17W杯で優勝したスイスU17代表のメンバーとして、大会7試合中6試合に出場しています。
 28歳のバフ選手はFCチューリッヒのユース出身で、2010年から2017年までトップチームでプレーした後、スペイン2部リーグのレアル・サラゴザ、キプロス1部リーグのアノルトシス・ファマグスタ、スイス2部グラスホッパー・クラブ・チューリッヒを経て、スランゴールFCに加入しています。
 アジアでプレーするのは今回が初めてのバフ選手はスランゴールFCからオファーを受けた後、カルステン・ナイチェル監督、そしてマイケル・ファイヒテンバイナーTD(テクニカルダイレクター)と話をする機会があり、2人からクラブの今後の計画を聞いた上で入団を決めたことも明かしています。
 またナイチェル監督もかつて自身が監督を務めていたドイツのクラブでこのバフ選手を獲得しようとしたものの実現しなかったこと、そしてFCチューリッヒ時代からバフ選手に関心を持っていたことを明かした上で「状況判断力があり攻守ともに質が高いバフ選手はスランゴールFCの若い選手の良い手本となりうる。スランゴールFCでは持てる力を全て発揮してほしい。」と話しています。

スランゴールFCのナイジェリア出身FWがアジア枠に変更か
 同じスランゴールFCのナイジェリア出身FWイフェダヨ・オモスイが、今季2021年シーズンはアジア枠外国籍選手として登録される可能性をスポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会のシャーリル・モクタル会長代理によると、昨季のMリーグ1部の得点王でもあるイフェダヨ選手は現在、バーレーン国政機獲得の手続きを行なっているということです。これが実現すれば、アジアサッカー連盟のメンバーであるバーレーン国籍保持者はアジア枠外国籍選手としての登録が可能となります。
 スランゴールFCの今季の外国籍選手はこのイフェダヨ選手の他、上の記事で取り上げたバフ選手、ドイツ出身のDFティム・ホイバッハ、スリ・パハンから加入したアセアン東南アジア枠のMFサフアン・バハルディン(シンガポール)の4名が確定していますが、イフェダヨ選手がアジア枠となれば欧州やアフリカ、あるいは南米出身の選手の獲得も可能になります。

スリ・パハンFC前監督がチームマネージャーに就任
 Mリーグ1部のスリ・パハンFC(前パハンFA)は元アメリカ代表主将としてW杯出場経験もあるトーマス・ドゥーリー新監督が就任しましたが、昨季まで監督を務めたドラー・されー前監督は今季からスリ・パハンFCのチームマネージャーに就任すると、マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 スリ・パハンFCのモハマド・スフィアン・アワンCEOは2人の「レジェンド」が協力することで、チームに好影響がもたらされることを期待していると話しています。「2人はいずれも選手として国際舞台も含めた豊富な経験を持っており、外国籍選手を含めた選手の力を引き出してくれるだろう。」と期待を述べています。
 選手として2大会のW杯出場の他、アメリカ代表のアシスタントコーチやフィリピン代表監督の経験もあるドゥーリー新監督に対して、ドラー前監督は選手としてはマレーシア代表として74試合に出場、監督としてはMリーグの複数クラブの他、マレーシア代表監督として58試合を指揮した経験を持っています。

マレーシアでも故ベングロシュ氏を悼む声
 2002年にジェフユナイテッド市原(現ジェフユナイテッド市原・千葉)を指揮したジョゼフ・ベングロシュ氏の訃報が報じられています。1月26日にスロヴァキアサッカー協会が公式サイトで発表したベングロシュ氏死去のニュースを報じる日本のメディアではその記述が全く見つけられませんでしたが、故ベングロシュ氏はかつてクアラルンプールFA(現クアラルンプール・ユナイテッドFC)やマレーシア代表で監督を務めた経験もあり、当時を知る人々からベングロシュ氏を悼む声が上がっていることをマレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 1985年にクアラルンプールFAの監督に就任したベングロシュ氏は1986年にクラブ初タイトルとなるMリーグ1部優勝をもたらすと、そのまま代表監督に就任し、同じ1986年には日本も出場したムルデカ大会で優勝を果たしています。しかし期待されて臨んだ同1986年の韓国ソウルでのアジア大会では1分2敗の成績でグループステージを突破できませんでした。
 ベングロシュ氏が監督時代にクアラルンプールFAの主将を務めていたタン・シュウセン氏は「ベングロシュ氏の練習方法は単純明快で理解がしやすい上、性格の良さもあって選手たちはまずベングロシュ氏を敬意を持って受け入れ、彼のことがより詳しく理解できるようになると、今度は選手は父親のように慕う存在になった。その結果として、チームは彼の持ち込んだ練習方法や彼の知識を素直に受け入れ、それが1986年の初優勝に結びついた。」と話しています。
 また現在はMリーグ1部PJシティFCのU21チームの監督を務めるグナラン・カルピア氏はクアラルンプールFAと代表の両方でベングロシュ氏の指導を受けており、その思い出として時間に厳格だったことが印象に残っていると話し、ベングロシュ氏がクアラルンプールFA監督を務めた期間は2年弱ながら、チームに近代サッカーをもたらすという遺産を残したおかげで、彼がクラブを去り代表監督となった後も、クアラルンプールFAは1987年までマレーシアカップを3連覇することができたとも話しています。
(下はクアラルンプール・ユナイテッドFCの公式Facebookに投稿された追悼メッセージ)


1月18日のニュース:FIBはクラブライセンス交付をけた3クラブを今後も監視、ケランタンFCオーナー対MリーグCEOの第2ラウンド勃発、マレーシアが出場予定のAFC U19選手権は結局中止に

 ケランタンFCのノリザム・トゥキマン オーナーがマレーシアサッカー協会FAM、マレーシアンフットボールリーグMFLと繰り広げている舌戦が第2ラウンドに入りました。野次馬根性丸出しで取り上げています。

FIBはクラブライセンス交付をけた3クラブを今後も監視
 マレーシアサッカー協会FAMが、条件付きで2021年のクラブライセンスが交付されていた7クラブの内、UKM FCを除いた6クラブにフルクラブライセンスを交付したことは、先日のこのブログでも取り上げましたが、ライセンス交付を担当するFAMのクラブライセンス交付第一審査機関(FIB)のシーク・モハマド・ナシル議長は、Mリーグ1部のマラッカ・ユナイテッド、スリ・パハン、そして2部のサラワク・ユナイテッドの3クラブについて、FIBに提出された宣言書の内容が守られなかった場合には交付されたクラブライセンスの無効も含めた措置を取る可能性があるとし、今後もこの3クラブを監視していくと話しています。
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版によれば、選手の税金と労働者積立金を滞納しているマラッカ・ユナイテッドと未払い給料を抱えるスリ・パハンとサラワク・ユナイテッドは、いずれもこれらを分割で支払うことを関係機関及び選手との間で合意しており、マラッカ・ユナイテッドは1回目の支払い分となる47万6160リンギを、ケランタンFA(ケランタンFCではありません)は4万4327リンギの支払いをそれぞれ終えており、残る未払い給料も予定されている日程に沿って支払われることになっているということです。またサラワク・ユナイテッドは来月2月よりやはり分割で未払い給料の支払いを行うということです。
 この状況についてシーク・モハマド・ナシルFIB議長はこの3クラブがフルライセンス交付に当たっての条件となっている分割払いが行われる状況を監視し続けるとし、この分割払いが予定通り行われない場合や、マレーシア人以外の選手への未払い給料問題が発覚した場合には、クラブライセンスの無効化も含めた処分を行うと話しています。

ケランタンFCオーナー対MリーグCEOの第2ラウンド勃発
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、ケランタンFCのノリザム・トゥキマン オーナーに対して、MFLの方針に反するコメントを公言することは、倫理規定に反する行為であると非難しましたが、ノリザム オーナーはこれに対してさらに反論を行なっているとブリタハリアンが報じています。
 未払い給料問題を抱えるケランタン州サッカー協会(ケランタン州FA)がこの問題を解決しなければ、FAMはケランタンFCの勝点剥奪処分を課すという発言の有無をめぐってFAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長とメディア上で非難の応酬を繰り広げたノリザム オーナーはその流れでMFLへも非難の矛先を向けました。これに対してMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは既に各クラブに対して説明済みの問題を敢えて蒸し返したとして倫理規定に違反するとしてノリザム オーナーを非難し、理由説明書を送付して説明を求めました。
 これで一件落着かと思いきや、ノリザム オーナーは理由説明書を受け取ったことを明らかにした上で、MFLのアブドル・ガニCEOに対して「MFLのCEOであるにも関わらず、ケランタン州FAとケランタンFCは民営化の結果、互いに別の組織となったことを理解していない。Mリーグ参加クラブを所有しているのが誰なのかをもっと正確に把握するべきだ。」と改めて非難しています。
 昨年9月にケランタン州FAからクラブの経営権を買い取ったノリザム オーナーは所有するケランタンFCがMリーグやMFLにマイナスイメージを植え付ける意図は全くはないとした上で、MFLに対して組織の透明性をより高め、Mリーグクラブのオーナーともミーティングを行うなど、プロらしく行動するべきであると提言しています。
 「MFLは経営状況を公開し、信用性、透明性、法令遵守をより高めるべきである。ケランタンFCは現在に至るまでMFLから会計監査の結果や年次総会の日程などの連絡を全く知らされていない。」とも述べているノリザム オーナーは、自身がMFLに求めているのはMリーグの地位や価値を高めるために、企業経営の監督管理を改善するための行為であるとも話しています。

AFC U19選手権は結局中止に
 東南アジアサッカー連盟AFFの公式サイトでは、昨年から延期されていたアジアサッカー連盟AFC U19選手権とU16選手権がいずれも中止となったと報じています。
 インドネシアサッカー協会(PSSI)のモハマド・イリアワン会長が今月1月15日にAFCから中止決定を知らせる内容を公式に書面で受け取ったことを報じている他、その書面にはAFCフットサル選手権とAFCビーチサッカー選手権の中止も書かれていたということです。
 マレーシアも出場予定だったAFC U19選手権は昨年10月にウズベキスタンで開催予定でしたが、新型コロナウィルス感染拡大の影響で今年3月に日程が変更になっていました。また同U16選手権は9月にバーレーンで開催予定でしたが、こちらも今年3月から4月にかけての開催に日程が変更になっていました。またこの両選手権の上位チームが出場する予定だったFIFA U20W杯と同U17W杯は既に中止が決まっていました。
 この中止決定を受け入れたと話すイリアワンPSSI会長は、AFCの決定を尊重するとし、中止によってPSSIはU16代表とU19代表の強化により多くの時間が取れると話しているということです。
 また中止となった選手権は2023年にAFC U20アジアンカップ、AFC U16アジアンカップとしてそれぞれウズベキスタンとバーレーンで開催される予定ということです。
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 U19選手権とU16選手権中止のニュースはAFCの公式サイトでは一切発表されていないのですが、AFFの公式サイトで記事となっていたので、取り上げました。