4月26日のニュース:次代のエースは当面は国内で練習へ、TFC主将は給料削減の追加を申し出る、国内リーグ主催者は未払いの審判手当の支給を約束か

次代のエースは当面は国内で練習へ
 マレーシアU19代表で活躍したルクマン・ハキム・シャムスディンは、昨年2019年の東南アジア競技大会シーゲームズでは飛び級でU23代表でプレーし、今年2月には英国2部のカーディフシティーでの練習に参加した後、ベルギー1部リーグのKVコルトレイクに加入が予定されていました。しかし就労ビザ発給が遅れ、その後は新型コロナウィルス感染がヨーロッパ各地で拡大したことから、現在はマレーシア国内に留まり、当面はMFL2部のスランゴール2でのプレーを検討中であると英字紙スター電子版が報じています。
 ルクマン選手が今年最初の移籍期間にスランゴール2に登録されたことは既にこのブログでも取り上げていますが、ルクマン選手が移籍予定のベルギーリーグはリーグ打ち切りを決めながらも欧州サッカー連盟UEFAの「圧力」で決定を取り消すなど混乱が続いており、ルクマン選手の渡欧はすぐには実現しそうもありません。
 4月23日にさらに2週間の延期が発表された活動制限令下は自宅で練習中というルクマン選手は、今季のリーグ戦ではスランゴール2ではまだプレーしていませんが、リーグ再開に備えて準備を続けたいとしています。
 カーディフシティー、KVコルトレイクともマレーシア人ビジネスマンのヴィンセント・タン氏が所有するクラブで、ルクマン選手はKVコルトレイクと5年契約を結んでいます。
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 2018年のアジアサッカー連盟AFC U16選手権では、マレーシア代表はグループステージで敗退したものの、5ゴールを挙げたルクマン選手は、優勝した日本代表の西川潤選手(セレッソ大阪)らと大会得点王を分け合っています。
 ところで、このルクマン選手は練習以外の時間に、バイクで食べ物などのデリバーを行なっているという報道もあります。今はサッカーのことだけを考えて生活しても良いのではとも思いますが、とにかく、他のデリバリーの方々同様、新型コロナウィルス感染や運転するバイクの事故などには気をつけて欲しいです。

TFC主将は給料削減の追加を申し出る
 トレンガヌFCのリー・タックはイギリス出身の外国籍選手ながらチームの主将を務めていますが、このタック主将がクラブによる給料削減に加え、さらなる削減を自ら申し出たことをタック選手の代理人が明かしています。
 2018年からトレンガヌFCでプレーしているタック選手の代理人を務めるエフェンディ・ジャガン・アブドラ氏は、タック選手に代わってクラブと給料削減についての交渉を行い、その席で決まった削減額を伝え、タック選手もその額に同意したそうです。しかし、その翌日に、タック選手から連絡があり、自分の給料をさらに削減するようクラブに伝えるよう依頼があったそうで、タック選手は最終的には「かなりの額」を削減することになったということです。タック選手の他、シンガポール出身のファリス・ラムリら複数の外国籍選手の代理人も務めるエフェンディ氏は、他の外国籍選手も給料削減の必要性を理解していると話しています。
 これを報じたマレー語紙ハリアンメトロ電子版は、具体的な金額は明らかにしていないものの、この給料削減は4月分の給料から行われ、チーム練習が再開するまで続くというエフェンディ氏のコメントも紹介しています。

国内リーグ主催者は未払いの審判手当の支給を約束か
 マレーの通信社ブルナマは、国内リーグの運営するマレーシアフットボールリーグMFLが、未払いとなっている審判手当について今月中に支払う予定であるようだと報じています。
 昨季2019年シーズンのマレーシアカップ、国内リーグ3部のM3リーグ、そして今季2020年のFAカップでの試合の審判手当が未払いとなっている件について、審判を手配している複数の州サッカー協会審判部にSNSでメッセージが送られ、MFLは5月前にまでには支給するという連絡が届いたとしてます。
 この情報を得て、ブルナマはMFLとマレーシアサッカー協会FAMに審判の手当未払い問題が存在するかどうかを確認しようとしたそうですが、その問い合わせについてはMFL、FAMとも返事をしなかったとも報じています。
 なお審判手当の未払いについては、MFL、FAMともこれまで公式な発表は行っていません。
 この審判手当未払い問題は、4月21日に地元テレビ局が第一報を報じたことに端を発しますが、その際の報道内容は」審判手当の支給をMFLに拒否されたという話がSNS上で国内サッカーファンの関心を集めている」というものでした。
 ブルナマによれば、審判手当の未払いはMFLクラブとは無関係であること、またこの審判手当未払いは、つい最近の問題ではなく、過去にも起こっていたということです。
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 もしこの報道が事実だとすれば、未払い給料問題を抱えるクラブをMFLが罰するという図式に説得録がなくなるどころか、むしろそれが滑稽に見えてしまいます。しかし果たして実際はどうなのかは、MFLおよびFAMからの公式声明もないということですので、続報を待ちたいと思います。

3月21日のニュース:選手会は給料削減を検討しているクラブを非難、リーグ中断が続けばマレーシアカップは中止の可能性も、ルクマンはリーグ再開後はスランゴール2でプレー

選手会は給料削減を検討しているクラブを非難
 昨日のこのブログでは、マレーシアフットボールリーグMFL2部のケランタンFAがリーグ中断による収入源を理由に選手やスタッフと給料削減についての交渉を行うことを計画していることを取り上げました。
 このような動きに対して、マレーシアプロサッカー選手会PFAMのサフィー・サリー会長は各クラブが直面している窮状は理解できるものの、選手の生活に直結する給料削減には同意できないと表明していることを、英字紙スター電子版が報じています。
 PFAMも加盟している国際プロサッカー選手会FIFProが、選手はリーグ中断に伴う給料削減に従う必要はないとしていることを指摘した上で、サフィー会長は、政府の新型コロナウィルス封じ込め政策に便乗するような形で、選手との契約書に記載されていない不公平で唐突な給料削減をMFLのクラブが選手に求めないことを望んでいると話しています。
 またサフィー会長は、各クラブとも今季開幕前に運営資金を確保しておくべきであり、開幕からわずか2ヶ月しか経っていない現時点で経営難を訴えるべきでないとし、さらに選手の給料を入場料収入に依存する経営方針を非難した上で、選手が被害を被るような経営方法を改めることも各クラブのフロントに求めています。
 この他、自身もMFL1部のPJシティFCでプレーするサフィー会長は、フロントやクラブと問題が生じた場合はPFAMに連絡するよう、選手に呼びかけています。

リーグ中断が続けばマレーシアカップは中止の可能性も
 マレーシア国内の新型コロナウィルス感染者数は東南アジアで最大の1000人超えとなった一方で、未だに活動制限令MCOに従わない外出者がいることがメディアで取り上げられています。マレーシア政府もMCOを徹底するため、明日3月22日からはマレーシア国軍も投入されることが発表されています。
 3月18日より執行されているMCOは3月31日に解除になる予定ですが、状況が改善せず、万が一このMCOが継続して執行される場合、100年近い歴史を誇る国内カップ戦のマレーシアカップの開催時期あるいは開催形式が変更、さらに最悪の場合には中止になる可能性があると、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 なお記事の中でマレーシアフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、組み合わせが決まっているものの順延となっているFAカップ2回戦の予定日として4月1日、5月1日、6月1日が候補に上げています。
 FAカップは、優勝したクラブにAFCカップの出場権が与えられることから、マレーシアカップより優先されることが予想されます。また並行してMFLも再開されること、FIFAワールドカップ予選アジア二次予選なども今年後半にずれ込む可能性が高いことからも、FAカップやリーグ戦の再開が遅れれば、MFLの上位16クラブで争われるマレーシアカップは今季は中止になる可能性が高いと考えられます。
 アジア最古のカップ戦とも言われるマレーシアカップ中止はあくまでも最後の手段と話すアブドル・ガニCEOですが、ペラTBGのメフメト・ドゥラコビッチ監督やスランゴールFCのサティアナタン・バスカラン監督はFAカップとリーグ戦を優先するべきであると記事の中で語っています。

ルクマンはリーグ再開後はスランゴール2でプレー
 マレーシア国内リーグの今年1回目の移籍期間(トランスファーウィンドウ期間)は3月15日に閉じましたが、その3月15日にスランゴール州サッカー協会FASがルクマン・ハキム・シャムスディンをスランゴールFCのBチーム、MFL2部のスランゴール2に登録したことを、スポーツ専門サイトのフォックススポーツが報じています。
 次世代のエースと目される18歳のルクマン選手はマレーシアのエリート選手養成アカデミーであるAMDの出身で、英国の新聞ガーディアンが選ぶ2002年生まれの注目選手60人に選ばれた他、昨年2019年末の東南アジア競技大会、通称シーゲームズではU22代表の主力選手としてプレーしました。
 3月5日生まれのルクマン選手は、18歳となった時点でマレーシアの大富豪ヴィンセント・タン氏が所有するベルギー1部リーグのKVコルトレイクに加入する予定でした。しかし、新型コロナウィルスの影響でヨーロッパへの移動ができなくなったことから、ヨーロッパへの移動前まで練習環境を提供していたスランゴール2と6ヶ月契約を結んだと、マレー語紙ハリアンメトロが報じています。
 KVコルトレイクと5年契約を結んだルクマン選手は、KVコルトレイク合流前に英国に渡り、やはりタン氏が所有する英国2部リーグのカーディフシティFCでの練習に参加する予定になっていましたが、ビザの問題などがあり実現せず、スランゴール2の練習に参加していました。

MFL2部プレミアリーグ 2020年シーズン第4節結果

 マレーシアフットボールリーグMFLは、3月13日(金)と3月14日(土)の両日に、2部プレミアリーグMPLの第4節の6試合が行われました。以下結果です。
(ホームチームが左側です。)
 なお、MFLは第5節以降の試合の延期を決定しており、新たな日程は後日発表となります。

3月13日(金)
スルタン・イスマイル・ナシルディン・シャースタジアム(トレンガヌ州クアラトレンガヌ)
トレンガヌFC II 2-1 ケランタンFA
得点者:トレンガヌ-ジョーダン・ミンター(33分)、ズアシャラフ・ズルキフリ(63分)、ケランタン-フェリックス・チディ(32分)
 トレンガヌFC IIは開幕から4連勝、ケランタンFAには今季初の黒星がつきました。
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手、ケランタンFAの渡邉将基は両選手ともスタメンでフル出場しています。

3月14日(土)
MPSスタジアム(スランゴール州スラヤン)
UKM FC o-0 ジョホール・ダルル・タジムJDT II
得点者:なし
 JDT II移籍後、初先発となった廣瀬慧はフル出場しています。

サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
サラワク・ユナイテッド 1-2 クアラルンプール
得点者:サラワク-アムリ・ヤハヤ(52分)、クアラルンプール-アジム・ラヒム2(33分、73分)

スルタン・ムハマド4世スタジアム(ケランタン州コタバル)
ケランタン・ユナイテッド 3-0 ヌグリスンビランFA
得点者:ケランタン-カイルル・イズアン(21分)、ガッサマ・アルフサイネイ(53分)、シャズワン・ユソフ(63分)
 ヌグリスンビランの中武駿介選手は先発してフル出場しています。

クアラルンプールフットボールスタジアム(クアラルンプール)
スランゴール2 2-1 ペラII
得点者:スランゴール-バジラム・ネビヒ(30分)、ダニアル・アスリ(56分)、ペラ-アディブ・ラオプ(68分)

シティスタジアム(ペナン州ジョージタウン)
ペナンFA 0-0 クチンFA
得点者:なし
 25分に退場者を出し早々と10人になったクチンFAでしたが、ここまでの3試合で9得点のペナンFA相手に、GKイクバル・スハイミの活躍もありゴールを許さず、東山晃監督に初の勝点1をプレゼントしました。一方のペナンFAは8本のCKを得るなど、終始押し気味に試合を進めながら、開幕から3試合で6ゴールのカサグランデら攻撃陣がシュートの正確さを欠き、今季初の無得点でした。
 クチンFAは鈴木雄太選手は先発してフル出場し、谷川由来選手はベンチ入りしましたが出場はありませんでした。

マレーシアプレミアリーグ順位表(第4節終了時)
*第2節のケランタンFA対UKM FCは雷雨のため順延となっています。

順位クラブ試合得点失点得失差勝点
1TFC440072512
2KELU43016339
3PEN42209458
4KUL42207438
5SEL420246-26
6JDT412156-15
7KEL31114314
8UKM311123-14
9SUA410378-13
10N9410349-53
11KCN401336-31
12PRK401326-41

順位表のクラブ名称:TFC-トレンガヌFC II、KELU-ケランタン・ユナイテッド、PEN-ペナンFA、KUL-クアラルンプールFA、SEL-スランゴール2、JDT-ジョホール・ダルル・タジムJDT II、KEL-ケランタンFA、UKM-UKM FC、SUA-サラワク・ユナイテッド、N9-ヌグリスンビランFA、KCN-クチンFA、PRK-ペラII

マレーシアプレミアリーグ ゴールランキング(第4節終了時)

ゴール数選手名所属
6カサグランデペナンFA
3イゴール・ルイスヌグリスンビランFA
3フランシス・コネクアラルンプールFA
3パトリック・ロナウジーニョサラワクU
2エンドリック含め12名

MFL2部プレミアリーグ 2020年シーズン第3節結果

マレーシアフットボールリーグMFLは、3月10日(火)と3月11日(水)の両日に、2部プレミアリーグMPLの第2節の6試合が行われました。以下結果です。
(ホームチームが左側です。)

3月10日(火)
サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
クチンFA 1-2トレンガヌFC II
得点者:クチン-ハドソン・ディアス(28分)、トレンガヌ-エンク・シャキル(5分)、アルグジム・レゾヴィッチ(90+1分)
 クチンFAは開幕3連敗、一方のトレンガヌFC IIは開幕から3連勝です。
 クチンFAの鈴木雄太選手、谷川由来選手、トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はいずれもスタメンでフル出場しています。

スルタン・ムハマド4世スタジアム(ケランタン州コタ・バル)
ケランタンFA 2-0 ケランタン・ユナイテッド
得点者:ケランタン-ラザラス・カイムビ(34分)、フェリックス・チディ(85分)
 ともにスルタン・ムハマド4世スタジアムをホームとする両クラブのケランタンダービーはケランタンFAが今季初勝利で快勝しています。
 ケランタンFAの渡邉将基選手はスタメンでフル出場しています。

MPMスタジアム(ペラ州マンジュン)
ペラII 1-1 ペナンFA
得点者:ペラ-ブルーノ・ベゼーハ(72分)、カサグランデ(20分)
 開幕から2試合連続完封負けのペラIIが今季初得点と今季初勝点を獲得しています。ペナンのカサグランデは3試合連続のゴールで通算6ゴールとなっています。

トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
ヌグリスンビランFA 2-0 UKM FC
得点者:ヌグリスンビラン-イゴール・ルイス(23分)、シャミ・イスズワン(61分)
 開幕から2連敗中ということからか、ホームゲームにもかかわらず観衆は673人だったこの試合ですが、ヌグリスンビランがイゴール・ルイスの3戦連続ゴールなどでUKM FCを破り今季初勝利を挙げています。
 ヌグリスンビランFAの中武駿介選手は先発でフル出場しています。

3月11日(水)
タン・スリ・ダト・ハジ・ハサン・ユノススタジアム(ジョホール州ラーキン)
ジョホール・ダルル・タジムJDT II 1-1 クアラルンプールFA
得点者:JDT-ラマダン・サイフラー(34分)、クアラルンプール-ファクルル・アイマン(76分)
 JDT IIの廣瀬慧選手は今季初のベンチ入りで、72分に交代出場しています。

クアラルンプール・フットボールスタジアム(クアラルンプール)
スランゴール2 1-0 サラワク・ユナイテッド
得点者:ダニアル・アスリ(81分)
 スランゴール2は今季初勝利です。

マレーシアプレミアリーグ順位表(第3節終了時)
*PDRM FCは給料未払い問題による処分を受け、勝点3が剥奪されています。
*第2節のケランタンFA対UKM FCは雷雨のため順延となっています。

順位クラブ試合得点失点得失差勝点
1トレンガヌFCII33005149
2ペナン32109457
3ケランタンU32013306
4クアラルンプール31205325
5ケランタン21103124
6JDT II311156-14
7サラワクU31026603
8UKM FC210123-13
9ヌグリスンビラン310246-23
10スランゴール2310225-33
11ペラII301214-31
12クチンFA300236-30

マレーシアプレミアリーグ ゴールランキング(第3節終了時)

ゴール数選手名所属試合数
6カサグランデペナン3
3イゴール・ルイスヌグリスンビラン3
3フランシス・コネクアラルンプール3
3パトリック・ロナウジーニョサラワクU3
2エンドリック(ペナン)ら4名

MFL2部プレミアリーグ 2020年シーズン第2節結果

マレーシアフットボールリーグMFLは、3月6日(金)と3月7日(土)の両日に、2部プレミアリーグMPLの第2節の6試合が行われました。以下結果です。
(ホームチームが左側です。)

3月6日(金)
スルタン・ ムハマド4世スタジアム(ケランタン州)
ケランタン・ユナイテッド 2-1 クチンFA
得点者:ケランタン-ガッサマ・アルフサイネイ(22分)、ラジマン・ラザリ(55分OG)、クチン-ラジマン・ラザリ(20分)
 MFL2部昇格クラブ同士の対戦となったこの試合は、昨季MFL3部優勝のケランタン・ユナイテッドが準優勝のクチンFAを破っています。
 クチンFAの鈴木雄太選手、谷川由来選手はいずれもスタメンでフル出場しています。

スルタン・ イスマイル・ナシルディン・シャースタジアム(トレンガヌ州)
トレンガヌFC II 2-0 ペラ II
得点者:トレンガヌ-鈴木ブルーノ(25分)、ズアシャラフ・ズルキフレ(86分)
 トレンガヌFC IIは2戦連続の完封勝利、一方のペラIIは2戦連続完封負けです。
 鈴木ブルーノ選手はスタメンでフル出場しています。

なお、MPSスタジアム(スランゴール州)で行われたUKM FC対ケランタンFAの試合は開始6分で雷雨のため試合中止となり、後日発表される日程まで延期となっています。

3月7日(土)
KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
クアラルンプールFA 3-1 ヌグリスンビランFA
得点者:クアラルンプール-フランシス・コネ2(47分、90+2分)、インドラ・プトラ(54分)、ヌグリスンビラン-イゴール・ルイス(67分)
 後半になって動いた試合は、クアラルンプールFAが今季ホーム初勝利を飾りました。一方のヌグリスンビランFAは開幕から2連敗です。
 ヌグリスンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。
 なおこの試合の観戦記はこちらです。

サラワク州立スタジアム(サラワク州)
サラワク・ユナイテッド 4-1 JDT II
得点者:アリフ・ハサン(26分)、パトリック・ロナウジーニョ2(36分、78分)、デメルソン(45+4分)、JDT-チェ・ラシド(73分)
 サラワク・ユナイテッドは今季初勝利、JDTは今季初黒星です。
 JDT IIの廣瀬慧選手はベンチ入りしませんでした.

シティスタジアム(ペナン州)
ペナンFA 4-1 スランゴール2
得点者:ペナン-カサグランデ3(54分、63分、67分)、エンドリック(35分)、スランゴール-バジラム・ネビヒ(89分)
 ペナンFAがカサグランデのハットトリックを含む4ゴールの大勝で首位に躍り出ました.スランゴール2は2連敗です。

MPL順位表(第2節終了時)

順位クラブ試合得点失点得失差勝点
1ペナン22008356
2トレンガヌFCII22003036
3ケランタンU22003126
4クアラルンプール21104224
5サラワクU21016513
6UKM FC11002113
7JDT II210145-13
8ケランタン10101101
9クチン FA200224-20
10ペラII200203-3
11ヌグリスンビラン200226-40
12スランゴール2200215-40

ゴールランキング(第2節終了時)

ゴール数選手名所属試合数
5カサグランデペナン2
3フランシス・コネクアラルンプール2
3パトリック・ロナウジーニョサラワクU2
2フェルナンド・ロドリゲスJDT II2
2エンドリックペナン2

観戦記:3月1日MFL2部プレミアリーグ第1節 スランゴール2対トレンガヌFC II@UITMスタジアム、シャーアラム

今更ですが、3月1日の観戦記です。前日2月29日のMFL1部スーパーリーグ、UITM FC対マラッカ・ユナイテッド戦に続き、2日連続のUITMスタジアム観戦でした。
 私はスランゴールFCのファンクラブに入っていてそのメンバーシップカードがあるとMFLのチケットが割引となるのですが、この日、聞いてみたところでは、割引があるのはMFL1部のスランゴールFCの試合だけで、Bチームのスランゴール2の試合には適用されないということでした。ちなみにこのメンバーシップカードがあると、ドミノピザが半額になったり、コールドストーンクリーマリーのアイスクリームが1スクープ無料になったりする一方で、肝心の試合で割引はないかぁ。
 ということで、普通にチケットを購入しました。オープンスタンドのチケット価格は前日のUITM FC対マラッカ・ユナイテッドの試合と同じ15リンギ(およそ380円)でした。

グッズを売る屋台も1店出ていましたが、2部の試合ということからかちょっと寂しい品揃えでした。

スタンドに入っても、オープンスタンドは観客がまばらでした…。

ちなみにこちらは前日のUITM FC対マラッカ・ユナイテッドの試合での同じスタンドです。

両チームが入場し、トレンガヌ州歌、スランゴール州歌、マレーシア国歌の斉唱が行われました。

いよいよ試合開始です。

トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手のフリーキックはGKの正面でした。

前半は両チーム無得点で終了。

後半も一進一退が続き、このまま引き分けで終了かという79分にトレンガヌFC IIが先制しました。

結局この1点をトレンガヌFC IIが守り切って、開幕戦初勝利を挙げています。

この試合の見所は両チームのキャプテン、スランゴール2のDFシャルル・ナジームとトレンガヌFC IIのFW鈴木ブルーノ選手の攻防でした。
(写真はスランゴールFCのツイッターより)

素人目では、このアフロヘアーのシャルル選手と最終ラインでコンビを組むハリス・ハイカルの2人はAチームでプレーするの見てみたいという印象を持ちました。エリート選手養成アカデミーのモクタル・ダハリアカデミーの第1期卒業生を大量に獲得したスランゴール2ですが、その中でもハリス選手は別格な感じでした。

MFL2部プレミアリーグ 2020年シーズン第1節結果

今季のマレーシアフットボールリーグMFLが開幕し、2月29日(日)と3月1日(日)の両日に、2部プレミアリーグMPLの6試合が行われました。以下結果です。
(ホームチームが左側です。)

2月29日(土)
サラワクスタジアム(サラワク州)
クチンFA 1ー2 UKM FC
得点者:クチン-ラフィザン・ラザリ(57分)、UKM-イ・ソンウ(42分PK)。ファイズ・ハニフ(79分)
*クチンFAの鈴木雄太選手、谷川由来選手は共に先発してフル出場しています。

トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州)
ヌグリスンビランFA 1-3 JDT II
得点者:ヌグリスンビラン-イゴール・ルイス(58分)、JDT-マテウス・ヴィラ(3分OG)、フェルナンド・ロドリゲス2(23分、50分)
*ヌグリスンビランの中武駿介選手は先発してフル出場、一方JDTの廣瀬慧選手はベンチ外でした。

スルタン・ムハマド4世スタジアム(ケランタン州)
ケランタンFA 1-1 クアラルンプールFA
得点者:ケランタン-ラザラス・カイムビ(47分PK)、クアラルンプール-フランシス・コネ(89分)
*ケランタンFAの渡邉将基選手は先発してフル出場しています。

3月1日(日)
UITMスタジアム(スランゴール州)
スランゴールFC II 0-1 トレンガヌFC II
得点者:トレンガヌ-ジョーダン・ミンター(80分)
*トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はスタメンでフル出場しています。

MPMスタジアム(ペラ州)
ペラTBG II 0-1 ケランタン・ユナイテッドFC
得点者:ケランタン-ファクルル・ザマン(85分)

シティースタジアム(ペナン州)
ペナンFA 4-2 サラワク・ユナイテッドFC
得点者:ペナン-カサグランデ2(7分、40分)、アメル・アザハ(35分)、エンドリック(53分)サラワク-ミラド・ザニドプル(43分)、パトリック・ロナウジーニョ(63分)

MPL順位表(第1節終了時)

順位クラブ試合勝点得点失点得失差
ペナン
JDT II
UKM FC
ケランタンU FC
トレンガヌFC II
ケランタン
クアラルンプール
クチンFA−1
ペラ II−1
スランゴール2−1
11サラワクU FC−2
12ヌグリスンビラン−2

ゴールランキング(第1節終了時)

ゴール数選手名所属試合数
フェルナンド・ロドリゲスJDT II
カサグランデペナン
ラフィザン・ラザリクチンFA
イ・ソンウUKM FC
ファイズ・ハニフUKM FC
他9名

なお、MPL第2節は今週末の3月7日(土)と8日(日)に予定されています。

2月8日のニュース:TMが正式にMFLのスポンサーに-試合のストリーミング配信も実施、マレーシアよりインドネシアで有名なマレーシア人コーチ、Jクラブへお勧めのCB3名

TMが正式にMFLのスポンサーに-試合のストリーミング配信も実施
 マレーシア最大のマルチメディア企業テレコムマレーシア(TM社)は子会社のTMマルチメディア社TMMを通じて、マレーシアフットボールリーグMFLのメインスポンサーとなったことを、MFLの公式サイトが公表しています。
 今回のスポンサー契約期間は3年間で、TM社はマレーシアカップの冠スポンサーとなり、今季2020年シーズンからその名称がTMマレーシアカップとなることも併せて発表されています
 さらにTM社のインターネット接続事業部門Unifi(ユニファイ)のストリーミングチャンネルUnifi TVが、MFL1部スーパーリーグとマレーシアカップは全試合を、またFAカップは一部の試合をストリーム配信することも併せて発表されています。(MFL2部プレミアリーグのストリーム配信はないようです。)
 なお配信を観戦するには、Unifiと契約すればテレビはもちろん、携帯のアプリなどでも感染が可能なようです。またUnifiと契約しなくとも、試合観戦パックを購入することも可能で、価格は以下の通りとなっています。
・1試合観戦パス – 3リンギ(およそ80円)
・1ヶ月観戦パス – 15リンギ
・スーパーリーグ年間パス – 100リンギ
・FAカップ年間パス – 100リンギ
・マレーシアカップ年間パス – 50リンギ
・チームVVIPチームマレーシアパス – 120リンギ
******
 最後の「チームVVIPチームマレーシアパス」の内容がどのようになっているのかは記事からはわかりませんが、スタジアムに足を運べば入場料が最低でも15リンギはするので、多くの試合を見たいサポーターにはお得な価格設定だと言えるでしょう。
 ちなみに昨季はNetflixの廉価版ともいえるiFlixがスーパーリーグやマレーシアカップの試合を無料で配信していたのですが、MFLの発表では「独占」放映権という表現も見られたので、今季の配信は行われない可能性が高そうです。
 なお別のメディアの報道では、TM社とのスポンサー契約発表会見に集まった報道陣からスポンサー金額についての質問が出た際、MFLのダト・ハミディン・モハマド・アミン会長はその金額についてMFL1部と2部の各クラブには伝えると話す一方で、メディアに伝える必要はないと公表を拒否したとのことです。以前このブログでも取り上げたTM社とMFLの大型スポンサー契約が頓挫(とんざ)したことから、MFLは少々神経質になっているのかも知れません。(ネット上では3年間で3000万リンギ(およそ8億円)といった噂もみられます。)
 またTM社に加えて、マレーシア第2の銀行グループCIMB社がカップ戦スポンサーに参入する噂も出ていますので、こちらも確定次第、取り上げたいと思います。

マレーシアよりインドネシアで有名なマレーシア人コーチ
 フル代表監督としてアセアンサッカー連盟AFF選手権スズキカップで優勝経験もある元PKNS FC監督のラヤゴパル・クリシュナサミ氏が海外での指導を希望している、という話を取り上げた際、既に海外で指導しているマレーシア人コーチとして紹介したラジャ・イサ・ラジャ・アクラム氏を、サッカー専門サイトヴォケットFCがちょうど取り上げています。
 ラジャ・イサ氏がインドネシアへ来たきっかけは、前回も書いた通り元トレンガヌFCのイルファン・バクティ・アブ・サリム氏がインドネシアのパプア州にあるプルシプラ・ジャヤプラ監督として招聘(しょうへい)された際のアシスタントコーチを務めたことでした。
 ヴォケットFCのインタビューでは、2007年、プルシプラ・ジャヤプラは当時の監督だったブルガリア人のイヴァン・コレフがインドネシア代表監督に就任したことによって監督不在となり、招聘されたラジャ・イサ氏が自分の代わりにイルファン・バクティ氏を推薦し、自分がアシスタントコーチになったと話しています。
 「当時、自分はペルシス・ソロ(中央ジャワにあるクラブ)の監督に就任するつもりだったが、イルファン・バクティ氏に招かれて、共にプルシプラ・ジャヤプラを指導することになった」と話すラジャ・イサ氏ですが、イルファン・バクティ氏がマレーシアのプルリスFAの監督に就任することとなり、その半年後には、プルシプラ・ジャヤプラの監督に就任し、2007年のコパインドネシア(当時、現インドネシアンカップ)では、当時絶頂期だったスリウィジャヤFCにPK戦で敗れるも準優勝を果たします。
 その後は下のインフォグラフィックにもある通り、その後もラジャ・イサ氏は2015年から2016年までUITM FCの監督を務めた以外は、インドネシア1部から3部リーグまでの様々なクラブで指導を続けてきました。(インフォグラジックはヴォケットFCのサイトより)

 そんなラジャ・イサ氏によると、サッカーに対する関心はマレーシアとは比較にならないほど高いようで、例え3部リーグの試合であっても数千人の熱狂的なサポーターが集まるということで、毎試合スタジアムが満員になるクラブが数えるほどしかないマレーシアリーグと比べると、観客動員という点では、インドネシアに軍配が上がるようです。しかしその一方で練習施設や競技場といったインフラの面ではマレーシアに遅れをとっているということです。
 54歳のラジャ・イサ氏は、将来は代表チームの監督を目指したいと話しており、実際に2010年には東ティモール代表の監督就任の話もあったようですが、そのときは残念ながら実現しなかったようです。

Jクラブへお勧めのCB3名
 昨日取り上げた、日本のクラブがマレーシア人センターバックを探している、という記事を掲載したサッカー専門サイトのヴォケットFCが続報として、Jクラブへお勧めのセンターバック3選手を紹介する記事を掲載しています。
 東南アジアの選手にとって日本でプレーすることは競技レベルの高い環境でプレーできることだけでなく、ヨーロッパでプレーする飛び石にもなる、という書き出しで書かれた記事で紹介されているのは以下の3選手です。
1. アダム・ノー・アズリン(JDT、24歳)
 昨年の東南アジア競技大会シーゲームズでは、オーバーエイジ選手としてU22代表にも加わったアダム選手は、代表でも完全なセンターバックというよりも守備的ミッドフィールダーです。フル代表では準レギュラーと言った位置付けですが、JDTでは主力選手として活躍し、AFCチャンピオンズリーグACLで対戦したアウェイの鹿島戦でもフル出場し、日本のサッカーを体験している選手です。
2. シャルル・サアド(ペラTBG、26歳)
 現代表のセンターバックを務めるシャルル選手は、準優勝した2018年のスズキカップでも活躍し、今回のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選全てに出場しています。
3. ハリス・ハイカル(スランゴールFC II、18歳)
 マレーシアサッカー協会FAMが運営するエリート選手アカデミーのAMDを卒業し、スランゴールFCのBチーム、スランゴールFC IIに加入したばかりのハリス選手は、昨年2019年のAFF U18選手権準優勝に貢献しただけでなく、飛び級でU22代表に招集され東南アジア競技大会にも参加するなど最も期待されているディフェンダーで、守備だけでなく積極的な攻撃参加も魅力的な選手です。
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 日本のクラブ(探しているのはJ2のクラブらしいです)が求めるのが即戦力なのか、育成枠扱いなのかにもよりますが、個人的にはハリス選手にチャンスが巡ってくると良いですね。この年代は東南アジアでは良い成績を残している年代なので、高みを目指してほしいです。そしてフル代表になったときに、国内ではなく日本のクラブから招集される、なんてことになるとフル代表も強くなりそうです。

1月14日のニュース:前PKNS FC監督は国外のクラブでの指導を視野に、カンボジアリーグ王者がマレーシアでのプレシーズンマッチツアーを終了

前PKNS FC監督は国外のクラブでの指導を視野に
 スランゴールFA(現スランゴールFC)に吸収合併され、スランゴールFCのBチームとなったPKNS FC前監督のラヤゴパル・クリシュナサミ氏は、マレーシア国外での監督に興味を持っているとマレー語氏シナルハリアン電子版が伝えています。
 現役時代にもプレーしたPKNS FCの他、ケランタンFA、スランゴールFA、サラワクFAでも監督経験のあるラヤゴパル氏は、昨年2019年10月に開幕したインドスーパーリーグISLで、12試合を経過した時点で8位に低迷するチェンナイインFCの監督就任が噂されていました。しかしジョン・グレゴリー監督が解任され空席となった監督のポストにはオーウェン・コイル氏が就任したことから、この話は立ち消えになってしまいました。
 ラヤゴパル氏自身はシナルハリアンの取材に対し、現在も東南アジアのクラブでの監督就任を希望している一方で、新たなシーズンに向けて多くのクラブで監督がすでに決まっていることを認めています。
 ラヤゴパル監督は、フル代表の監督として2010年の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップで優勝している他、その前年2009年にはU22代表監督として東南アジア競技大会通称シーゲームズでも金メダルを獲得するなど現役監督しての実績はトップクラスです。フル代表監督を退いた2014年にはベトナム代表監督候補という報道もでるなど、その評価は国外でも高いようなので、近いうちにどこかの国のクラブの監督に就任する可能性は大有りです。
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 国外で監督を務めたマレーシア人指導者としては、前トレンガヌFC監督のイルファン・バクティ(2007年にインドネシア1部リーグのプルシプラ・ジャヤプラで監督)やそのイルファン氏のコーチングスタッフとしてインドネシアに渡り、イルファン氏が帰国後もインドネシアに残り、現在はマレーシアよりもインドネシアで名前が知られているラジャ・イサ氏(現インドネシア2部リーグのPSPSリアウ監督)がいます。

カンボジアリーグ王者がマレーシアでのプレシーズンマッチツアーを終了
 マレーシアに遠征していた昨季2019年カンボジアリーグ王者のプレア・カン・リーチ・スヴァイ・リエンFC(PKRSR FC)が3試合のプレシーズンマッチを終えたとスポーツ専門サイトのフォックススポーツが伝えています。
 PKRSR FCはスランゴールFC、フェルダ・ユナイテッド、そして昨日のトレンガヌFCとMFL1部の3クラブと対戦し、それぞれ4−0、2-1、4-3と3戦全勝でツアーを終えています。
 このPKRSR FCは、昨季のカンボジアリーグでは20勝5分1敗(しかも1敗はリーグ最終戦)と国内リーグではダントツの強さを誇り、アイルランド出身のコナー・ネストー監督がアイルランドサッカー協会の育成コーチや国内リーグのリムリックFCのU19監督などを歴任後、カンボジアでの監督就任2年目で優勝チームを作り上げています。
 なお、PKRSR FCは1月22日と29日に行われるアジアサッカー連盟AFCカップの予選ラウンドではラオスのマスター7FCと対戦し、この試合に勝つとAFCカップ本選に出場します。

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 昨日のトレンガヌFCとの試合は、私も後半だけ観戦しました。主将のリー・タックらが出場していなかったせいもあるかも知れませんが、私が観戦した時間帯はほぼトレンガヌFCのハーフ内で試合が行われている印象で、トレンガヌFCは前線にボールが渡ることがあっても結局シュートまで結びつかず、私が観戦する前までにどうやって3点も取ったのだろうという印象でした。

12月28日のニュース:スランゴール州サッカー協会がAMDから28名の選手を獲得 、スランゴール州サッカー協会は自前のアカデミーを国内最高にする抱負を述べる

スランゴール州サッカー協会がAMDから28名の選手を獲得
 スランゴール州サッカー協会FASは、モクター・ダハリアカデミーAMDの1期生28名と契約したことが明らかになりました。
 サッカー専門サイトのスムアニャ・ボラは、国家サッカー選手養成プログラムNFDPのサフィルル・アズリ・アブ・バカル元CEOが、NFDPの中核をなすエリート選手養成アカデミーであるAMDの第1期卒業生34名全員がFASからオファーを受け、その内、28名がFASと契約し、残りの6名はジョホール・ダルル・タジムJDTと契約したことを明らかにしたと報じています。
 FASと契約したAMD卒業生は、FASのプレジデントカップチーム(21歳以下)やユースカップチーム(19歳以下)に所属する他、FASが統括するマレーシアフットボールリーグMFL1部に所属するスランゴールFCのBチームで、MFL2部に所属するスランゴールFC IIでプレーする可能性もあります。
 その一方でスムアニャ・ボラでは、このAMD出身者の獲得がFASのプレジデントカップチームやユースカップチームでプレーした選手たち、さらにはスランゴールFCに「吸収合併」されてしまったPKNS FCのプレジデントカップチームやユースカップチームの選手たちの今後にどのような影響を与えるのか、と問題提起もしています。
 特に選手育成に定評のあったPKNS FCは今季も、プレジデントカップで優勝ユースカップでは準優勝と結果を出しているだけに、その選手たちがどのようになるのかは気になります。またスランゴールFCと名称を変更したスランゴールFAもプレジデントカップとユースカップでは準決勝に進出しており。AMD出身者の加入の影響はこちらにも出るでしょう。同じようにBチームを持つジョホール・ダルル・タジムJDTやトレンガヌFC(TFC)は、JDT IIIやTFC IVといった形でプレジデントカップやユースカップに出場しているので、スランゴールFC IIIやスランゴールFC IVが編成されることになると思いますが、元スランゴールFAのプレジデントカップチームの登録選手30名、ユースカップチームの登録選手30名、元PKNS FCの選手それぞれ30名ずる、そして今回獲得したAMD卒業生28名が、スランゴールFC IIIとスランゴールFC IVの30名ずつの登録枠を競い合うことになります。
 しかしそうなった場合、U17代表やU19代表などで国外大会の経験も豊富なAMD卒業生は明らかに有利な立場にあり、今季スランゴールFAやPKNS FCでプレーし、結果を出した若手の多くが他チームへの移籍、あるいは退団を迫られることになります。
 スムアニャ・ボラの記事は、今後もAMD出身者を獲得することで、FASは自らが育てた有望選手の才能の芽を摘むことにならないかを危惧していると結んでいます。

スランゴール州サッカー協会は自前のアカデミーを国内最高にする抱負を述べる
 上記のような記事が出る一方で、マレー語紙シナールハリアン電子版では、FASが自前のアカデミーを数年のうちに国内で最高のアカデミーとする抱負を述べていると報じています。
 FASのミハエル・フェイヒテンベイナーTD(テクニカルダイレクター)はシナールハリアンとのインタビューで、アカデミーでの選手の指導は短期間で結果が出るものではないとする一方で、新たに導入される選手の指導体系によって、数年後には変化の兆しが見えるようになるだろうと述べています。
 またスランゴールFCのBチーム、スランゴールFC IIの監督も務めるフェイヒテンベイナーTDは、スランゴールFC IIは選手育成に特化し、若い選手により多くの出場機会を与えたいとしています。
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 当初はスランゴールFC IIは外国籍選手を獲得せず、若手選手に出場機会を与えるとされていましたが、MFL2部から降格することになれば、高いレベルでの試合に出場する機会が減るとして、外国籍選手獲得可能性も示唆されています。クラブの目的が選手の育成なのか、MFL2部残留なのか、スランゴールFC IIが迷走しないか気になります。