12月15日のニュース:前エリートアカデミーTDは育成チームのMリーグ2部出場に反対、スランゴールFCとトレンガヌFCの来季本拠地は未定、ケランタンUの東山新監督は来季トップ4入りを目指す

前エリートアカデミーTDは育成チームのMリーグ2部出場に反対
 国家サッカー選手養成プログラムNFDPの卒業生を中心に編成されるU20「育成チーム」が、来季のMリーグ2部に参戦することが決まりましたが、サッカー専門サイトのヴォケットFCは、このNFDPや、その中核となるエリートアカデミーのモクタル・ダハリアカデミーでかつてテクニカルディレクターを務めたリム・ティオンキム氏がこの計画について猛反対していると報じています。
 NFDPを監督するマレーシア政府青年スポーツ省参加の国家スポーツ評議会MSNとマレーシアサッカー協会が共同で運営する「育成チーム」のMリーグ2部参加について、リム氏は「才能がある若い選手の育成という観点から、FAMが下した最も愚かな決断の一つである。」と一刀両断にし、「18歳の選手がプロと対戦することでどれほど有意義な経験を積めるのか。」と疑問視しています。
 ドイツリーグでのプレー経験もあり、また元バイエルンミュンヘンのユースチームのコーチ経験もあるリム氏は「この『育成チーム』に参加する選手全員が現時点で必ずしも高いレベルにあるわけでなく、そのレベルに達していない選手には育成に適した環境が必要である。そういった選手には時間が必要で、現在の自分のレベルにあったリーグでプレーするべきであり、Mリーグ2部はそのレベルではない。」と述べています。
 「この『育成チーム』の核となるのはNFDPの卒業生のトップレベルの選手をスランゴールFCやJDTが獲得した後の残りの選手たちであることを考えると、そういった選手を2部リーグでプレーさせて不必要なプレッシャーを与えるよりは、U21チームのリーグであるプレジデントカップやU19のリーグであるユースカップでプレーさせる方が遥かに良い。確かにU21やU19のリーグ参加は「育成チーム」がプレーする環境としては理想的ではないかもしれないが、FAMはそれ以外のリーグを用意することができない現状ではやむを得ない。」
 「NFPD卒業生全員が(NFPD出身でベルギーリーグに移籍した)ルクマン・ハキムや、(同じくNFPD出身でJDTに加入した)ウマル・ハキームではないので、成長するための時間を与えてあげる必要がある。「育成チーム」内でも選手のレベルは異なるが、そのレベルの違いを理解し、選手はそれぞれにあった時間を与えて育成されるべきだが、FAMはそれがわかっていない。」
 「マレーシアの選手の問題点はプレッシャーをかけられると冷静に組織だったプレーができないと言われるが、Mリーグ2部でプレーしてもそれを学ぶことはできない。マレーシアの多くのサッカーファンは代表チームがワールドカップに出場することを夢見ているが、育成の仕組みが正しくなければ、実現は難しいだろう。」などと話しています。

スランゴールFCとトレンガヌFCの来季本拠地は未定
 英字紙ニュースストレイトタイムズは、Mリーグ1部のスランゴールFCとトレンガヌFCの来季の本拠地が未定であると報じています。
 従来の本拠地であるシャーアラムスタジアムが今後2年ほどは改修工事中で使用できないスランゴールFCは、今季は1試合をブキジャリル国立競技場で行ったものの、その他のホームゲームはスランゴール州シャーアラムにあるUITM FCの本拠地UITM FCを使用しました。
 来季はやはりスランゴール州にあるPJシティFCの本拠地MBPJスタジアムを間借りすることが発表されていますが、クアラルンプール市内のムルデカスタジアムの使用も検討しているとされています。
 スランゴールFC(当時はスランゴールFA)が最後にムルデカスタジアムを本拠地として使用したのは1994年で、翌年の1995年に新たに完成したシャーアラムスタジアムへと本拠地を移しました。
 またトレンガヌFCも本拠地のスルタン・ザイナル・アビディンスタジアムの改修工事を今季開幕前に行いましたが、現在も照明を含めた施設に問題があり、新たな本拠地を探しているということです。
 来季はAFCカップにも出場するトレンガヌFCは、早急に新たな本拠地を見つける必要がありますが、Mリーグを運営するMFLは来季開幕前に各クラブの本拠地となるスタジアムの状況を調べるために視察を行うとしてますが、現時点では、トレンガヌFCからの本拠地変更の届出は提出されていないということです。

ケランタンUの東山新監督は来季トップ4入りを目指す
 Mリーグ2部のクチンシティFC(来季から、今季まではクチンFA)の監督を辞職し、来季は同じ2部のケランタン・ユナイテッドFCの指揮を取る東山晃新監督は、来季の目標にトップ4入りを挙げています。
 マレーシアの通信社ブルナマによれば、この目標は今季2部で8位となったケランタン・ユナイテッドFCのパフォーマンスをもとに立てた目標だということです。
 31歳の東山監督は新たな選手の獲得も含め、経営陣と協議中ということですが、トップ4入という目標達成には現場とフロントの協力が欠かせないとも述べています。
 「他のクラブに対抗する実力があると信じているので、目標のトップ4入りにも自信がある。練習開始後は練習試合なども組み、来季開幕前までにチームを強化したい。」と話す東山監督率いる新チームは来季に向けて、今月28日に指導するということです。
 今季初めて2部に昇格したケランタン・ユナイテッドFCですが、クラブ創設3年目にもかかわらずマレーシアカップへの出場権を獲得しています。

12月14日のニュース:スランゴールFCはドイツ出身DFと契約、ペナンFCはタジキスタン出身FW獲得、サラワクUにはマットヨーと前スランゴールFC主将が加入か、クアラルンプールUのCEOにMリーグ中継のコメンテーターが就任

スランゴールFCはドイツ出身DFと契約
 Mリーグ1部のスランゴールFCは公式Facebook上で、ドイツ出身のティム・ホイバッハの加入を正式発表しています。
 32歳のホイバッハ選手は身長192cmのDFで、イスラエル1部リーグのマッカビ・ネタニヤFCからの加入となっています。2017年にマッカビ・ネタニヤFCへ移籍する前にはドイツリーグのボルシア・メンヒェングラートバッハや1.FCカイザースラウテルンのリザーブチームなどでのプレー経験もあるということです。
 2017年からプレーするマッカビ・ネタニヤFCでは過去4シーズンで82試合に出場しています。
 「アジアではこれまでプレーしたことがないが、新たな挑戦の場としたい。」と話すホイバッハ選手はに、ドイツ出身で来季からスランゴールFCの指揮を取るカルステン・ナイチェル新監督とすでにドイツ国内で面会を済ませていることも明かしています。
 「ナイチェル監督の元でプレーしたことはないが、かつては敵味方に分かれて試合をしたことはある。面会した際にはナイチェル監督の考えや自分に期待していることなどを聞くことができた。」と話すホイバッハ選手は、スランゴールFCの試合はYoutubeなどで観戦済みということで、ナイチェル新監督とともにスランゴールFCでの新たな挑戦を楽しみにしていると話しています。
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 この記事とは別に、昨年の東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場するU23代表に招集されながら、書類不備で参加できなかったアメリカ在住でアメリカ1部MLSのスポーティングカンザスシティに所属するワン・クザイン・ワン・カマルが最近、クラブから放出されており、スランゴールFCが彼を獲得するのではという噂が実しやかに流れています。

ペナンFCはタジキスタン出身FW獲得
 今季はMリーグ2部で優勝し、来季1部へ昇格するペナンFCは、公式インスタグラムでタジキスタン出身のシェリディン・ボボエフの加入を発表しています。
 21歳のボボエフ選手は182cmのセンターフォワードで、タジキスタン1部リーグで7連覇中のイスティクロル・ドゥシャンベから加入します。トランスファマルクトの記録では今季2020年シーズンは16試合に出場し、10ゴールを挙げているようです。
 ペナンFCは今季もプレーしたカサグランデ、エンドリック・サントス、ラファエル・ヴィトールのブラジルトリオは残留することが決まっている他、インドネシア1部のプルシジャ・ジャカルタよりリュウジ・ウトモが期限付き移籍で加入しており、外国籍選手のアジア枠を埋めるボボエフ選手の加入で、外国籍選手枠は全て埋まりました。
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 ペナンFCのアジア枠には日本人選手も候補に上がっているという報道もありましたが、実現しなかったようです。

サラワクUにはマットヨーと前スランゴールFC主将が加入か
 サッカー専門サイトのヴォケットFCは、今月いっぱいでタイ1部BGパトゥム・ユナイテッドを退団する代表FWのマットヨーことノーシャルル・イドラン・タラハと今季はスランゴールFCで主将を務めたオーストラリア出身のDFテイラー・リガンが、Mリーグ2部のサラワク・ユナイテッドFCに加入すると報じています。
 ノーシャルル選手のMリーグ復帰を明かした代理人のワン・モハマド・アンワリ氏は、サラワク州サッカー協会が運営するサラワク・ユナイテッドFCがかつての栄光を取り戻したいという目標に対し、BGパトゥム・ユナイテッドで出場機会がなかった代表FWノーシャルル選手がタイからの移籍に合意した結果であると話しています。
 またスポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、今季スランゴールFCで主将を務めたテイラー・リガンも同じサラワク・ユナイテッドFCへ加入すると報じています。
 2016年にヌグリスンビランFAでプレーした後、一旦は母国オーストラリアの1部リーグのアデレード・ユナイテッドに復帰しましたが、2019年にスランゴールFCに加入し、今季まで2年間プレーしています。
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 同じサラワク州内に拠点を持つクチンシティFCは今季2部で4位に躍進し、大きく差をつけられた格好のサラワク・ユナイテッドFCですが、この大型補強で巻き返しとなるのでしょうか。

KLユナイテッドFCのCEOにMリーグ中継のコメンテーターが就任
 今季Mリーグ2部で3位となり来季は1部に昇格するクアラルンプール・ユナイテッド(来季から、今季まではクアラルンプールFA)を運営するKLユナイテッドFC社は、新CEOとしてスタンリー・ベルナルド・ステファン・サミュエル氏の就任を発表しています。
 スタンリー氏は、現在はMリーグ中継やサッカー関連番組のコメンテーターとして知られていますが、現役晩年はクアラルンプールFAでプレーした他、インドI(アイ)リーグのスポルティング・クルーベ・デ・ゴアでプレーし、インドリーグでプレーした初めてのマレーシア人でもあります。また代表でのプレー経験もあります。

12月8日のニュース:ケランタンUに東山監督就任-谷川選手も加入、クチンシティFCは来季の外国籍枠4名が決定、スランゴールFCがシャーレル・フィクリの加入を発表、スズキカップが2021年12月に順延

ケランタンUに東山監督就任-谷川選手も加入
 マレーシアの通信社ブルナマは「ケランタン・ユナイテッドFCは日本から来た若い監督に期待」という見出しで東山晃監督の就任を伝えています。
 今季Mリーグ2部プレミアリーグに昇格し、後半失速して4勝0分け7敗の8位となったケランタン・ユナイテッドFCに、同じ今季昇格組ながらMリーグ2部で4位となったライバルのクチンシティFC(来季から、今季までの名称はクチンFA)で監督を務めた東山晃氏と、同じく今季はクチンシティFCでプレーしたDF谷川由来選手が加入しています。
 ケランタン・ユナイテッドFCのチェ・アブドラ・マット・ナウィ会長は新監督就任記者会見の席上で、31歳の東山監督と1年契約を結んだ理由として今季のクチンFAの躍進を挙げています。
 「東山監督は確かに若いが、クチンFAに劇的な変化をもたらし、チームは素晴らしいパフォーマンスを見せた。特に全権を与えられた今季の最終戦ではクチンFAを勝利に導いただけでなく、クラブ史上初となるマレーシアカップの出場権まで獲得した。」とその手腕に期待を示しています。
 日本人は仕事熱心で真面目で信頼できるという点も東山監督獲得の理由と述べるチェ・アブドラ会長は、アセアン東南アジア枠を含め残る3つの外国籍選手枠についても東山監督と相談しながら獲得するとし、新チームは12月21日から練習開始の予定であると話しています。
 また同じ席上では、今季クチンFAでMリーグデビューというかプロデビューを果たしたDF谷川由来選手の入団も併せて発表されており、来季はDFではなくMFとして起用されることを報じるメディアもあります。
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 2019年シーズンは共にMリーグ3部のM3リーグに所属し、26試合で21勝3分2敗、しかも2位のクチンFAに勝点差7をつけて2部に昇格したケランタン・ユナイテッドFCと、2部最下位のサラワクFA(現在のサラワク・ユナイテッドFC)とのプレーオフに僅差で勝利し、昇格を勝ち取ったクチンFAという力関係がいつの間にか逆転した格好です。ケランタン・ユナイテッドFCは新型コロナウィルスによって中断されたリーグが再開した8月以降は1勝6敗となり監督交代劇などもありましたが、一方のクチンFAは同じ時期に5勝2敗、特にリーグ最終戦まで5連勝で今季を終えています。

東山監督退任のクチンシティFCは来季の外国籍枠4名が決定
 マレーシア語紙スアラサラワク電子版は上で取り上げた東山氏が退任したMリーグ2部のクチンシティFCは外国籍枠4名が決定したと報じています。
 来季は3シーズン目となる日本人MF鈴木雄太選手に加え、今季2020年シーズンも在籍したFWハドソン・ディアス(ブラジル)とFWブライアン・ジョーンズ(ブラジル)に加え、谷川由来選手の退団によって空いた外国籍枠には今季開幕直後に深刻な右膝のケガで契約解除となったFWレオナルド・アルヴェス(ブラジル)がクラブに復帰するということです。
 クチンシティFCのファズルディン・アブドラ・ラーマン会長はアルヴェス選手の復帰により攻撃陣の強化ができたと話し、さらにマレー半島部からマレーシア人FWの獲得を行うかどうかは、新たに就任した前トレンガヌFC監督のイルファン・バクティ監督次第であると話しています。

スランゴールFCがシャーレル・フィクリの加入を発表
 スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会(スランゴール州FA)は、今季のMリーグ1部でマレーシア人選手として最多ゴールを挙げたシャーレル・フィクリの加入を発表しています。
 今季はペラTBGでプレーしたシャーレル選手は出場した10試合で合計10ゴールを挙げており、シャーレル選手の加入により、スランゴールFCは今季12ゴールを挙げリーグ得点王となったイフェダヨ・オルセグン、Mリーグ2部でマレーシア人選手として最多の7ゴールを挙げたダニアル・アサリ(スランゴール2)と、来季は3名の「得点王」が揃うことになります。
 「エキィ」の愛称で知られる27歳のシャーレル選手は昨季、ペラTBGからスランゴールFCに移籍したブレンダン・ガンやノー・ハキム・ハサンに加わることになります。
 シャーレル選手はペラTBGのサポーターや関係者に感謝の気持ちを表した後、スランゴールFCに加入できることにワクワクしており、スランゴールFCのサポーターに対しては自分を暖かく迎えて欲しい、というメッセージを挙げています。

スズキカップが来年2021年12月に順延
 アセアン東南アジアサッカー連盟AFFは、公式サイト上でAFF選手権スズキカップが来年2021年12月に順延となったことを発表しています。
 AFFは今回の順延について、関係者の健康と安全を考慮した上で、各国サッカー協会や選手、スポンサー、サッカーファンになどに対して確実に大会を開催できる時期を選んだ結果であるとしています。
 当初の予定はちょうど今頃、大会が行われている最中でしたが、新型コロナウィルスにより来年4月から5月にかけての開催へと順延となっており、今回で2度目の開催時期変更となりました。
 AFFのKhiev Sameth会長は、延期となった試合で混雑する日程となる2021年のサッカー界のカレンダーを考えると、12月開催が望ましいとして、新たな日程は12月5日に開幕し、2022年1月1日に決勝が予定されている他、当初は短縮した日程で行われる予定だった大会を、従来通りにグループステージからホームアンドアウェイ形式で開催することなどを発表しています。

12月1日のニュース:タイ1部第13節-ドミニク・タンは途中出場もスマレとノーシャルルはベンチ入りせず、ポルトガル1部第8節-サファウィはベンチ入りも出場なし、国立エリートアカデミー第2期卒業生の主力はJDTとスランゴールFCへ、PJシティFCとサバFCはいずれもマレーシア人新監督就任

タイ1部第13節ドミニク・タンは途中出場もスマレとノーシャルルはベンチ入りせず
 11月27日から30日にかけてタイ1部リーグ第13節が行われました。11月27日に行われたナコーンラーチャシーマーマツダFC対BGパトゥム・ユナイテッドFCは首位のBGパトゥム・ユナイテッドが2-0で勝利しましたが、マレーシア代表で12月いっぱいでの退団が決まっているノーシャルル・イドラン・タラハはベンチ入りしませんでした。
 また11月30日に行われたトゥルー・バンコク・ユナイテッドFC対ポリステロFCの試合は1-1の引き分けでした。マレーシア代表のドミニク・タンは74分から出場しましたが、同じ代表のモハマドゥ・スマレはやはりベンチ入りしませんでした。(その後、スマレ選手は練習中に負ったケガのため、チームの遠征に帯同しなかったことをポリス・テロFCのラングサン監督が明らかにしています。なお、ケガの具合については深刻なものではないとのことです。)

ポルトガル1部第8節-サファウィはベンチ入りも出場なし
 11月29日(現地時間)にポルトガル1部第8節の数試合が行われ、マレーシア代表のサファウィ・ラシドが所属するポルティモネンセSCがCDナシオナルを1-0で破っています。なお、サファウィ選手は3試合連続でベンチ入りしましたが、この試合も出場機会はなく、ポルトガルリーグデビューは果たせませんでした。
 この試合まで1勝1分5敗のポルティモネンセSCと、同じく2勝4分1敗のCDナシオナルの対戦となったこの試合は、ブラジル出身FWファブリシオのゴールでポルティモネンセSCが10月17日の第4節以来となる今季2勝目を挙げています。

国立エリートアカデミー第2期卒業生の主力はJDTとスランゴールFCへ
 マレーシア政府青年スポーツ省とFAMが共同で運営する国家サッカー選手養成プログラムNFDPの中核となるモクタル・ダハリ・アカデミーAMDは国立のエリートアカデミーですが、その第2期生となる17歳の選手40名がこの度卒業となりました。
 その40名中、Mリーグ1部7連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTとやはり1部のスランゴールFCが合わせて12名の選手と契約したと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 なおこの記事によると、この両クラブはAMDの主力選手12名に卒業生全員に2年から3年の複数年契約をオファーしたということです。
 主力選手の一人MFジアド・アル・バシールや、現在はベルギー1部リーグのKVコルトレイクに所属するルクマン・ハキム・シャムスディンと2016年のAFC U16選手権ではコンビを組んだFWムハマド・ナジムディン・アクマル・カマル・アクマルはJDTと、またDFムハマド・ファイズ・アメル・ルニザルはスランゴルFCとそれぞれ契約しています。なおこの12名の大半は今年2月に鹿児島で開催されたJENESYS2019青少年サッカー交流大会にマレーシアU17代表として出場したということです。
 なお、昨年AMDを卒業した第1期生34名はJDTが6名、スランゴールFCが28名と契約しています。
 以下はJDTとスランゴールFCが契約したAMD第2期生の氏名です。

氏名ポジション契約先
Muhammad Haziq Ridhwan Mohd RosliDFJDT
Muhammad Naqiu Aiman Abdul Hadi DFJDT
Muhammad Najmudin Akmal Kamal AkmalFWJDT
Ziad El Basheer NorhishamMFJDT
Mohammad Marwan Abdul RahmanDFJDT
Muhammad Syukur Fariz JanuriMFJDT
Muhammad Faiz Amer RunnizarDFスランゴール
Syahmi Adib Haikal Mohd ShukriGKスランゴール
Abdul Afiq Hilman Abdul HalimFWスランゴール
Muhammad Haiqal Haqeemi HairiDFスランゴール
Muhammad Khairi Suffian KhaineyusriFWスランゴール
Syed Zaris Irfan Syed Putra Hasdiana Faizal DFスランゴール

PJシティFCとサバFCはいずれもマレーシア人新監督就任
 今季Mリーグ1部で7位に終わったPJシティFCと同10位のサバFC(来季より、今季はサバFA)はそれぞれ新監督の就任を発表しています。
 PJシティFCは、今季アシスタントコーチを務めたマニアム・パチャイアパン氏が監督に昇格します。マレーシアU16、U19、U21代表の監督経験の他、2017年シーズンはスランゴールFA(現スランゴールFC)でも監督を務めたマニアム監督率いるPJシティFCは、来季は外国籍選手なし、全員マレーシア選手という布陣でMリーグ1部に臨むということです。
 これについてマニアム監督は、若い選手により多くの機会を与えて、特に外国籍選手に頼ることの多いストライカーとセンターバックで実力を発揮して欲しいと話し、今季のメンバーの6割が残るチームにはトレンガヌFCから獲得した元代表のダレン・ロックとU21のプレジデントカップチームのメンバーもトップチームに呼ぶことになるだろうとも述べています。
 またサバFC(来季から、今季はサバFA)は、サバ州に隣接するサラワク州出身のルーカス・カラン氏の新監督就任を発表しています。
 今季1部に昇格したサバFAは、昨季監督を務めたジュリアス・アティン氏がMリーグ1部での監督に必要なAFCプロライセンスを保持していなかったことから、インドネシア出身のクルニアワン・ドゥイ・ユリアン監督が就任しましたが、今季終了後に契約が更新され図、事実上の解任となっていました。
 サバFCのヴァードン・バハンダCEOは、AFCプロライセンスを持ち、スポーツ科学の専門家でもあることから、ルーカス氏が複数の候補者から選ばれたと話しています。
 

11月18日のニュース:来季のMリーグは2月26日開幕、Mリーグの移籍期間は11月21日から、スランゴールFCが元浦和ACのナイチェル新監督就任を正式発表、スランゴールFCは来季のチーム作りへ向けての精力的に活動、シャキル・ハムザとファリス・ラムリのシンガポールコンビはいずれも退団

来季のMリーグは2月26日開幕
 Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは公式Facebook上で、来季2021年シーズンの開幕日を発表しています。
 これによると、来季は2月26日のMリーグ1部優勝のJDTと2位クダFAが激突するスルタン・ハジ・アーマド・シャーカップで開幕します。このカップ戦は本来ならMリーグ1部優勝クラブとFAカップの優勝クラブが対戦する、日本で言えばゼロックススーパーカップ的なものです。ちなみに今季も同じカードとなりましたが、その試合は独立したカップ戦としてではなく、Mリーグ1部の公式戦として開催されました。
 Mリーグ1部と2部は2月27日と28日第1節が開催され、最終節となる第22節は8月20日と21日開催と発表になっています。
 また今季は中止となったFAカップは3月2日開幕で9月21日決勝、またやはり中止となったマレーシアカップは9月17日開幕で11月27日決勝となることも発表されています。この他、マレーシアカップに出場できないMリーグ1部と2部のクラブが出場するチャレンジカップは9月3日に開幕し、ホームアンドアウェイで行われる決勝は第1戦が11月6日または7日、第2線が11月13日または14日となっています。

Mリーグの移籍期間は11月21日から
 またMFLの公式Facebookでは、Mリーグの移籍期間として今月11月21日から来年2月14日までの12週間を1度目のトランスファーウィンドウ期間、来年7月12日から8月4日までの4週間を2度目のトランスファーウィンドウ期間とすることも発表されています。

スランゴールFCが元浦和ACのナイチェル新監督就任を正式発表
 スランゴール州サッカー協会(スランゴール州FA)は、公式サイト上でカルステン・ナイチェル新監督就任を成績に発表しています。
 この発表によるとナイチェル新監督は10月半ばには既にマレーシアに入国しており、マレーシア政府が渡航者全員に義務付けている14日間の隔離検疫期間も終了しているということです。
 52歳のナイチェル新監督はドイツ1部のSCフライブルグで選手としてプレーし、現役引退後は同クラブでアシスタントコーチを務めた経験があります。その後はドイツ4部のロートヴァイス・エッセン、ETBシュヴァルツ=ヴァイス・エッセン、同2部のVfLボーフムやホルシュタイン・キールで監督を務め、2009年から2010年まではJリーグ浦和レッズのアシスタントコーチも務めています。
 スランゴール州FAのマイケル・ファイヒテンバイナーTD(テクニカルダイレクター)は、かつて自分が指揮をしたチームの選手でもあったナイチェル新監督は「(ナイチェル新監督は)性格も良く仕事熱心な上、アジアで自分の力量を示したいと常に思っており、スランゴールFCで指揮を取ることに大変な意欲を見せている。」と話し、さらなる高みを目指すスランゴールFCにとって適任の人物だと述べています。
 「ナイチェル新監督は、失敗を恐れがちな若い選手でも、才能があると見れば少々の失敗には目を瞑り積極的に起用できる「勇気がある」指導者でもあり、クラブの新戦力を育てる能力もあると考えている。」とも話すファイヒテンバイナーTCは、素晴らしい選手を外部から獲得することはできないかも知れないが、育成プログラムや戦術、戦略などを駆使するなど独自の方法で、スランゴールFCがマレーシアのトップのクラブとなることを目指していると話しています。
 またナイチェル新監督自身も就任後最初の仕事は「レッドジャイアンツ」の愛称で知られるスランゴールFCサポーターのクラブに対する信頼を回復することにあると話しています。「試合に勝つことがサポーターの信頼を回復する最善の方法であり、(自分が観戦した)シーズン終盤の数試合ではトップチームは質の高さを示し、良い結果も残し、好印象を残したと思う。」
 また「セカンドチーム(スランゴール2)の試合も観戦したが、潜在能力が高い若手選手が多いので、過度のプレッシャーを与えないようにしながら、他の主力選手たちと同様に支援していくつもりである。」とも述べたナイチェル新監督は最後にサポーターに向けて「サポーター同様、自分自身も勝利を渇望し、すべての試合に勝ちたいと思っているが、そのためには段階を踏んでいく必要がある。現在はプレーのスタイルを改善する必要があり、多くの細かな点を修正する必要がある。なぜならそう言った細かな点が大きな違いを生み出すからだ。サポーターにはその点を理解してもらい、クラブを応援して欲しい。」と言ったメッセージをサポーターに送っています。

スランゴールFCは来季のチーム作りへ向けての精力的に活動
 新型コロナウィルスの影響によりマレーシアカップは1回戦終了後に中止となり、今季のサッカー活動はすべて終了しましたが、これにより選手や監督、コーチの移籍市場が開幕したことを意味し、メディア上ではさまざまな噂が飛び交い始めました。
 Mリーグの選手は今月11月30日までが今季の契約となっていることから、来季の所属についてクラブが既に公式発表していたり、選手自身がソーシャルメディアで発信しているケースもあります。
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版は、そんな中で現在、最も活発な動きを見せているのが今季のMリーグ1部で5位に終わったスランゴールFCで、今季、主将を務めたオーストラリア出身のDFテイラー・リガンやスペイン出身で2018年の得点王FWルフィノ・セゴヴィアといった外国籍選手の他、FWシャズワン・ザイノン、MFノー・ハキム・ハサン、MFサルクナン・クリシュナサミーら主力選手が退団と報じられる一方で、今季のMリーグでマレーシア人最多ゴールを挙げたペラTBGのFWシャーレル・フィクリとの契約がほぼ決定と報道しています。また、リガン選手に変わる外国籍アジア枠にはウズベキスタン1部FCパフタコール・タシュケント所属で、ウズベキスタン代表でもプレーするFWドストンベク・ハムダモフの獲得が濃厚とされている他、クダFAのFWクパ・シャーマンにも接触してるとされています。

シャキル・ハムザとファリス・ラムリのシンガポールコンビはいずれも退団
 今季、Mリーグ1部で2位となったクダFAに所属するシンガポール出身のDFシャキル・ハムザが自身の2年契約が満了となる今季で退団することを明らかにする一方、複数のMリーグのクラブが来季に向けて獲得に動いているとマレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。
 この記事によれば、ペラTBG、パハンFA、そして来季1部に昇格するクアラルンプールFAがアセアン(東南アジア)枠での獲得を検討しているということです。
 また同じシンガポール出身でMリーグ1部で今季3位となったトレンガヌFCに所属するMFファリス・ラムリも自身のソーシャルメディアで退団することを明らかにしたと、ハリアンメトロは報じています。
 ファリス選手は2018年には現在は消滅してしまったMリーグ1部のPKNS FCでプレーし、翌2019年はやはりMリーグ2部のプルリスFAへ移籍しましたが、このプルリスFAが給料未払い問題で昨季開幕直後にリーグ出場停止となり、シンガポール1部リーグのホウガン・ユナイテッドFCへ移籍しました。そして昨季はシンガポール人選手最多ゴールと最優秀選手賞を獲得し、今季からトレンガヌFCに加入しましたが、1年での退団となっています。
 ファリス選手は新型コロナウィルスによるリーグ中断時にシンガポールへ帰国し、その後は両国間の渡航が許可されなかったことからリーグ再開後もチームへの合流が遅れ、リーグ再開後の7試合で先発出場は3試合のみ、今季通算では’は3ゴールでした。

11月14日のニュース:パハン州政府はマレーシアカップの州内開催を拒否していた、パハンFAの「ミッキー」は退団へ、フィンク前神戸監督は候補者リストになし-スランゴール州FA、スランゴールFC新監督はフィンク元神戸監督ではなく元浦和ナイチェルAC

パハン州政府はマレーシアカップの州内開催を拒否していた
 1回戦が終了してベスト8が出揃っていたマレーシアカップは、マレーシア政府の国家安全保障委員会から延期勧告を受けた結果、延期ではなく中止となったことは先日のこのブログでも取り上げました。
 主催者のマレーシアフットボールリーグMFLは、新型コロナウィルスの感染が比較的少なく、条件付き活動制限令CMCOが施行されていないパハン州やケランタン州で試合を開催する案を国家安全保障委員会に提出して延期勧告の取り消しを求めていましたが、国家安全保障委員会がマレーシアカップの続行を認めていたとしても、パハン州首相は同州内での試合開催を拒否していたと、マレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 パハン州のワン・ロスディ・ワン・イスマイル州首相は、MFLから出されていた同州内での試合許可申請について、パハン州安全保障委員会などの助言に基づき却下していたことを明かしています。パハン州政府は同州が比較的感染者が少ない「グリーンゾーン」であったものの、新型コロナウィルス感染を広げないための努力は必要であり、サッカーの試合開催はその努力を妨げるものであるとして、MFLに理解を求めたということです。

パハンFAの「ミッキー」は退団へ
 Mリーグ1部で今季は8位に終わったパハンFAのFWモハマド・ファイザル・アブドル・ハリムの退団が決定したようです。
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、パハンFAを運営するパハン州サッカー協会(パハン州FA)から来季の契約オファーがなかったとして、既にMリーグの他のクラブと契約したファイザル・ハリム選手が契約していると報じています。
 22歳のファイザル・ハリム選手は2016年シーズンからパハンFAでプレーし、通算で55試合に出場し、6ゴールを決めている他、今季は初めてフル代表にも招集されています。
 今季終了間近にペナンFAなど複数のクラブからオファーを受けたということですが、来季プレーするクラブ名については現時点では明かすことを拒んだということです。またパハン州FAには今年8月には来季の契約について話をしたものの、返事を受け取ったのは、既に他のクラブと来季の契約を済ませた後だったということで、もっと早くオファーを受けいればパハンFAに残留しただろうと話しています。
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 ペナン州出身のファイザル・ハリム選手は、複数のオファーがあった中から、来季1部に昇格するペナンFAと契約した可能性が高いとされています。

フィンク前神戸監督は候補者リストになし-スランゴール州FA
 昨日のこのブログでは、来季のスランゴールFCの新監督に前ヴィッセル神戸監督トルステン・フィンク氏が有力という話を取り上げましたが、スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会(スランゴール州FA)はこの報道を否定し、フィンク氏の名前は来季の監督候補者リストには含まれていないとしています。
 マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版はスランゴール州FAのカマル・ハミドン事務局長がネット上の噂を否定し、フィンク氏は候補者になったことすらないと述べているとしています。その一方でハミドン事務局長は「我々は既に来季の新監督候補者を数名に絞り込んでおり、近いうちに正式に発表できるだろう。」とも話しています。

スランゴールFC新監督はフィンク元神戸監督ではなく元浦和ナイチェルAC
 来季のスランゴールFCがフィンク元神戸監督でない、という報道が出た後、今度はサッカー専門サイトGoal. comマレーシア版が、来季のスランゴールFC監督に2009年から2010年までJリーグ浦和でアシスタントコーチを務めた、フィンク紙と同じドイツ出身でしかも同じ52歳のカルステン・ナイチェル氏に決定したと報じています。
 その根拠として、サッカー移籍専門サイトのTransfermarktのナイチェル氏のプロフィールぺージには所属先がFAスランゴール、ポジションが監督、契約開始が2020年12月1日からと記載されていることを挙げています。
 「伝統のあるアジアのクラブにかつての栄光を取り戻す機会を与えられたことを嬉しく思う。時として人はなんでも知っていると思いがちだが、スランゴールFCで新たな文化や新たなサッカーの見方を知る機会を得ることで、自分の視野を広げたい。」とTransfermarktで述べているナイチェル氏は、同じドイツ出身のカーステン・ヌレ氏とマルコ・グリム氏をコーチとして招聘するとしています。
 またハリアンメトロは、このナイチェル氏はマレーシアへの渡航者全員に義務付けられている14日間の隔離期間を既に終了し、マレーシアカップ1回戦のスランゴールFCとマラッカ・ユナイテッド戦も観戦し、契約期間は2年間であると報じています。

11月13日のニュース:マレーシアカップの中止が決定-AFCカップ出場権はTFCへ、スランゴールFCの新監督に前ヴィッセル神戸監督が就任か、JDTから移籍のジオゴはタイ1部リーグの最高給取りに

マレーシアカップの中止が決定-AFCカップ出場権はトレンガヌFCへ
 マレーシアカップを主催するマレーシアフットボールリーグMFLは、公式Facebookで今季のマレーシアカップ中止を発表しています。
 MFLは国内のスポーツを監督する青年スポーツ省を通じて、国家安全保障委員会NSCが発表した大会延期の再検討を求めていましたが、これが受け入れられなかったことから、中止を決定したとしています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、今回の中止決定はMFLは選手を含めた関係者全員の健康と安全を優先するNSCの決定を尊重した結果であると話す一方で、大会が延長された場合、選手の契約期間が11月末までであることから、契約延長によって様々な問題が生じる可能性があるとも中止決定の理由に挙げています。
 またマレーシアカップ優勝チームに与えられる予定であった来季2021年シーズンのAFCカップ出場権は、今回のマレーシアカップ中止の決定により今季Mリーグ3位のトレンガヌFCに与えられることも臨時役員会で決定されたしています。

スランゴールFCの新監督に前ヴィッセル神戸監督が就任か
 Mリーグ1部で5位となったスランゴールFCはリーグ戦中にサティアナタン・バスカラン監督を解任し、残りの試合はマイケル・ファイヒテンバイナーTD(テクニカルダイレクター)が代行監督を務めましたが、既に新監督が決まっているようです。
 その新監督とは今季、Jリーグのヴィッセル神戸で指揮をとりながら、家庭の事情を理由に9月に辞任していたトルステン・フィンク氏だとスポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 スタジアムアストロによれば、ドイツ出身のフィンク監督は既にマレーシア国内におり、渡航者全員に義務付けられている入国後2週間の隔離期間を過ごして最中であるとも報じています。
 昨年2019年にヴィッセル神戸の監督に就任したフィンク氏は同年の天皇杯、今年2月の富士ゼロックススーパーカップで優勝するなどの実績を残していました。
 なおフィンク氏が率いていたヴィッセル神戸は、今季のアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグでMリーグ覇者のジョホール・ダルル・タジムJDTと同じG組に入り、監督在任中だった今年2月12日のグループステージ開幕戦ではJDTを5-1と一蹴しています。
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 Mリーグ7連覇の覇者JDTとの今季の対戦では1-6と惨敗し、昨年までの過去5シーズンでもリーグ戦では10試合で1勝4分5敗とJDTには劣勢のスランゴールFCですが、フィンク監督が新監督に就任することになれば、スランゴールFC対JDTは俄然注目のカードとなります。
 Mリーグ1部では9勝2分0敗と今季無敗だったJDTが2020年に喫した唯一の黒星がACLのヴィッセル神戸戦だったことを考えると、JDTによる一強多弱状況を打破したいかつての王者スランゴールFCが探していたのは、まさに「JDTを破った経験のある監督」だったということかも知れません。

JDTから移籍のジオゴはタイ1部リーグの最高給取りに
 サッカー専門サイトのヴォケットFCは、Mリーグ1部チャンピオンのJDTからタイ1部リーグのBGパトゥム・ユナイテッドに移籍するジオゴがタイ1部リーグで最高の年棒が払われる選手となる可能性を報じています。
 ヴォケットFCはタイ国内メディアのサイアムスポーツの記事を引用し、JDTでプレーしていた際に支払われていた給料金額が高かったことから、BGパトゥム・ユナイテッドもそれに見合った金額を用意した結果、対1部リーグの最高級取りとなりそうだとしています。
 ジオゴ選手のBGパトゥム・ユナイテッドでの月給は330万バーツ(およそ1150万円)ということですが、このジオゴ選手の他のBGパトゥム・ユナイテッドの選手の給料は、チーム内2位のヴィクトル・カルドゾは月給100万バーツ(およそ348万円)、3位の清水エスパルスから移籍するとされているティーラシン・デーンダーは月給72万5000バーツ(およそ252万円)となっていますが、このチームでプレーするマレーシア代表のノーシャルル・イドラ・タラハは、チームの給料ランキングではトップ8に入っていないということです。

11月9日のニュース:マレーシアカップ1回戦終了-ベスト8が決定、「鉄人」はパハンFA退団へ、パハンFAのドラー監督の去就も未定、タイリーグオールスターに代表トリオは選出されず

マレーシアカップ1回戦終了-ベスト8が決定
 11月7日(土)と8日(日)にマレーシアカップ1回戦の残り4試合が行われ、7日はMリーグ1部で今季3位のトレンガヌFCが同9位のPJシティFCを1-0、1部4位のペラTBGが2部8位のケランタン・ユナイテッドFCを4−0で破り、順当にベスト8進出を決めています。
 また8日には1部リーグ5位のスランゴールFCが同9位のマラッカ・ユナイテッドFCを2−1、同6位のUITM FCが2部6位のケランタンFAを3-1で破り、こちらもリーグ上位が下位のクラブに勝利しペスト8へ名乗りをあげました。
 なお、ベスト8のカードは以下の通りです。
ペナンFA(2部1位)-UTIM FC(1部6位)
JDT(1部1位)-クアラルンプールFA(2部3位)
トレンガヌFC(1部3位)-ペラTBG(1部4位)
スランゴールFC(1部5位)-クダFA(1部2位)

マレーシアカップ1回戦
11月7日(土)
スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
トレンガヌFC 1-0 PJシティFC
得点者:トレンガヌ-サンジャル・シャアフメドフ(37分)
 サイドラインが不明瞭なため、試合開始前に改めてサイドラインを引き直すという、プロの試合としては前代未聞の理由により試合開始が30分近く遅れたものの、ホームのトレンガヌFCが順当に勝利を収めています。

ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラTBG 4-0 ケランタン・ユナイテッドFC
得点者:レアンドロ・ドス・サントス3(7分、21分、49分)、カレッカ(90+1分)

11月8日(日)
ハンジェバスタジアム(マラッカ州クルボン)
スランゴールFC 2-1 マラッカ・ユナイテッドFC
得点者:スランゴール-イフェダヨ・オモスイ(21分)、サンドロ・ダ・シルヴァ(52分)、マラッカ-ウチェ・アクバ(57分)

MPMスタジアム(ペラ州マンジュン)
UITM FC 3-2 ケランタンFA
得点者:UITM-アリフ・アヌアル2(12分、67分)、ラフィ・ヤアコブ(15分)、ケランタン-ダニアル・アシュラフ2(61分、63分)
 ケランタンFAの渡邉将基選手はベンチ入りしませんでした。

ディクソン・ヌワカエメはパハンFA退団へ
 11月6日に行われた対クダFA戦に敗れたパハンFAのFWディクソン・ヌワカエメが自身のTwitterで「この試合がパハンFAのユニフォームを着てプレーした最後の試合で、このように終わって欲しくなかった。」と退団をほのめかす投稿を行っています。
 Orang Besi(マレーシア語でorangは「人」、besiは「鉄」なので「鉄人」)の愛称でパハンFAサポーターから親しまれた34歳のヌワカエメ選手はナイジェリア出身で、2014年にケランタンFAからパハンFAへ移籍すると、この年のFAカップ決勝のフェルダ・ユナイテッドFC戦では1ゴール、マレーシアカップ決勝のJDT戦では2ゴールを決めていずれもチームを優勝に導き、パハンFAの2冠達成に貢献しています。(ちなみに前年にはケランタンFAでもFAカップ準決勝で2ゴールを決め、ケランタンFAのFAカップ優勝にも貢献しています。)
 ヌワカエメ選手はリーグ戦でも2014年は6ゴール、翌年2015年には9ゴールを決め、パハンFAはこの2シーズンともリーグ3位となっています。
 2016年にはフランス1部リーグのアンジェSCOに移籍したものの、昨季2019年シーズンにパハンFAに復帰すると、リーグ戦で7ゴールを決めるなどクラブを前季のリーグ4位から2位へと押し上げたものの、今季はケガなどもあり先発した試合もわずか4試合でリーグ通算2ゴールと以前のような活躍はできていませんでした。
 しかしその一方で、この試合でもフル出場しており、Mリーグで自分を必要とするクラブがあれば話を聞く用意があるとして、34歳のヌワカエメ選手は現役続行に意欲を示しています。

パハンFAのドラー監督の去就も未定
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版は、マレーシアカップ1回戦で敗退したパハンFAのドラー・サレー監督の去就についてはまだ何も決まっていないようだと報じています。
 2010年から2013年までパハンFAで監督を務めたのち、2017年に4年ぶりに復帰したドラー監督は2017年にはリーグ2位、2018年は4位、昨季2019年シーズンには再び2位となり、カップ戦でも2017年にはFAカップ準優勝、2018年にはFAカップ優勝という成績を収め、今季も好成績が期待されていました。
 しかし今季は開幕前に代表選手でもあるマシュー・デイヴィーズがJDTに移籍した他、新型コロナウィルスによる中断期間中にはやはり代表選手のモハマドゥ・スマレがチームを離れてタイのクラブへ移籍、また上でも取り上げたディクソン・ヌワカエメの不調などからリーグ8位に終わり、マレーシアカップも1回戦敗退という成績に終わっています。
 マレーシアカップ1回戦終了後、ドラー監督は来季の去就はパハンFAを運営するパハン州サッカー協会が決めることであると話し、どのような結果になっても受け入れる用意はあると話しています。

タイリーグオールスターに代表トリオは選出されず
 サッカー専門サイトのヴォケットFCは、11月14日に予定されているタイ代表対タイリーグオールスターのメンバーに、現在、タイ1部リーグでプレーするマレーシア代表トリオが一人も選出されなかったことを報じています。
 この試合では、新型コロナウィルスの影響により他国代表と試合ができない西野朗監督率いるタイ代表がタイリーグオールスターと対戦しますが、タイリーグオールスターはタイ1部リーグでプレーする外国籍選手17名と代表に選出されていないタイ人選手5名の計22名で構成され、監督は先月10月にバンコク・ユナイテッドの監督を辞任したばかりのアレシャンドロ・「マノ」・ポルキン氏が指揮を取りますが、このタイリーグオールスターにはマレーシア代表のノーシャルル・イドラン・タラハ(BGパトゥム・ユナイテッド)、ドミニク・タン、モハマドゥ・スマレ(いずれもポリス・テロFC)の3名は選出されませんでした。
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 この11月14日は、本来ならばFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選のタイ代表対マレーシア代表が予定されていたFIFAの国際マッチデーでしたが、新型コロナウィルスの影響でワールドカップ予選が来年に延期となったことで日程的には空いており、今回の試合が実現しています。
 今回のタイリーグオールスターのメンバーは、タイサッカー協会FATの公式サイトで発表されており、代表トリオのチームメートからポリス・テロFCのFWグレッグ・フーラ (フランス)やDFクォン・デヒ(韓国)、BGパトゥム・ユナイテッドのMF丸岡満やMFチャウワット・ヴィラチャード(タイ)らが選出されている他、東南アジア出身選手としてフィリピン代表のGKミカエル・ファルケスゴーア(バンコク・ユナイテッド)、DFマルティン・シュトイブレ (ポートFC)らが選ばれています。

11月4日のニュース:クダ州FAは未払い給料を完済、クダ州FAは選手や監督、コーチとの来季契約は未だ検討中、JDTオーナーが名前ばかりの「民営化」を批判、スランゴール州政府は総工費2000億円超のスポーツ施設建設を発表

クダ州FAは未払い給料をやっと完済
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版はMリーグ1部のクダFAの選手や監督、コーチに対する給料未払い問題を抱えていたクダ州サッカー協会(クダ州FA)が、総額380万リンギ(およそ9580万円)にのぼる未払い給料の支払いを完了したと報じています。この未払い給料は今年の4月、5月、6月の3ヶ月分だということです。
 記者会見で支払い完了を発表したクダ州FAのムハマド・サヌシ会長は「シーズン終盤を好調で終えたチームは、今回の未払い給料支払いによって、その好調さを維持できると信じており、マレーシアカップ1回戦のパハンFAを破ることができるだろう。」と話しています。

クダ州FAは選手や監督、コーチとの来季契約は未だ検討中
 その一方でJDTに次ぐリーグ2位の成績を収めたクダFAですが、現時点で選手や監督、コーチには来季の契約の話はまだ何もされておらず、11月末に今季の契約が切れるということです。
 英字紙ニューストレイトタイムズは、クダ州FAのフィルダウス・アーマド名誉事務局長の話として、未払い給料問題の解決を優先したために、来季の契約についてはまだ何も決まっていないという談話を掲載しています。
 「今後の予定としては、財力以上の支払いはできないため、給与削減という形での運営費用の縮小を行う。現有戦力の70%から80%には残留を求める予定であるが、現在の契約内容を精査する必要があるため、このことについては選手、監督及びコーチにはまだ伝えていない。」
 「また選手がピッチ上以外でどのような貢献ができるかについても考えていきたい。具体的には、プレー以外にCSR活動やセールス、営業などについて選手に何ができるかを検討したい。」
 さらにフィルダウス名誉事務局長は、クダFAの選手たちは未払い給料問題を抱えながら、リーグ2位の成績を取ったことについては評価するとしながらも、契約更改については感情論は持ち込まないとも話しています。
 この他、アイディル・シャリン監督は他のMリーグクラブからのオファーを受けており、クダFAとの新たな2年契約について未だサインをしていないことも明らかにした上で、良い監督やコーチを持つことは重要だとしながらも、チームの成功には選手による貢献が大きいと話しています。
 「クダFAは豊かなクラブではないため、高額の給料を支払うことはできない。クラブの運営資金は賢く使わねばならないが、もし可能であればアイディル監督にはクラブに残って欲しい。」フィルダウス名誉事務局長はこのようにもコメントしています。
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 Mリーグの全クラブは民営化されることにより州サッカー協会が運営に関与できなくなるはずですが、このフィルダウス州FA名誉局長の発言は、これまでと全く変わらない立ち位置で行われているようで違和感があります。その辺りは次の記事のJDTのオーナーが指摘している点と関連します。

JDTオーナーが名前ばかりの「民営化」を批判
 Mリーグ1部7連覇を果たしたジョホール・ダルル・タジムJDTのオーナーでジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下が「公的資金を使っての民営化は見せかけの民営化」というタイトルで、JDTの公式Facebookに投稿しています。
 2013年以来、JDTは本拠地のあるジョホール州の州政府からの公的資金に依存しないクラブとして存在していることを誇りに思うと述べるイスマイル殿下は、「州政府の公金は(サッカークラブの運営ではなく)民衆が利益を享受するために使われるべきものであり、特に新型コロナウィルスが蔓延している現在は特にそうである。」と述べ、クラブ運営資金を生み出し、長期的な計画に投資することができるビジネス戦略を持つJDTは、競技場などのインフラを州政府に依存するだけでなく、毎年のクラブ運営資金までも州政府に依存するクラブとは別物であるとしています。
 またFAMが主導して行われている民営化については、実際には民営化と呼べるものではなく、州政府依存の従来の方法が何も変わっておらず見掛けだけのものに過ぎないと批判しています。
 さらにイスマイル殿下は「2013年に自らがJDTを立ち上げて民営化した際には、それを揶揄する者もいたが、JDTはピッチの内外で様々な成功を成し遂げている。その一方で2020年現在、他のMリーグクラブは民営化について新たなロゴの意匠を考えるくらいしかできていない。」と綴っています。

スランゴール州政府は総工費2000億円超のスポーツ施設建設を発表
 スランゴール州政府は劣化したシャーアラムスタジアムとその周辺を青少年スポーツ施設として総工費80億リンギ(およそ2010億円)かけて改修することを発表しています。スランゴール州政府が投資するMBI社のメディア部門であるメディアスランゴールによれば、この改修計画は州政府と民間企業の合弁で行われるということです。
 スランゴール州のアミルディン・シャリ州首相は「スランゴール州内地域の再開発は州政府が担う仕事の一つであり、長年の使用で劣化の激しいシャーアラムスタジアムとその周辺はその対象となっている。」と述べ、スランゴール州議会の2021年度予算審議の席上でこの計画を明らかにしたということです。
 アミルディン州首相は、老朽化により安全性に問題ありとMFLが判断し、今季は本拠地とするスランゴールFCが使用できなくなったシャーアラムスタジアムについて、ポリカーボネート製の屋根とその関連の補修だけで3000万リンギ(およそ7億5400万円)、スタジアム全体では2億5000万リンギ(およそ62億9000万円)が補修に必要であると発表しています。
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 シャーアラムスタジアムは8万を超える観客収容数を誇り、マレーシアはもとより、東南アジアでも有数の巨大スタジアムです。それでも開場から26年が経っており、老朽化は否めません。浮きと寒気が繰り返す熱帯の気候、その上、新しいものを作るのは大好きだが、施設維持や補修が苦手なマレーシア人気質もあり、その劣化の速度はおそらく日本の同等の施設よりもはるかに速いでしょう。また、本当にサッカーの人気が高ければ、陸上トラックを併設した多目的スタジアムではなく、収容規模を数万人減らしても観客の見やすいサッカー 専用スタジアムという選択肢も出てきても良いのではとも思います。

10月28日のニュース:スランゴールFCはトップチームの5名と契約解除、パハン州FAはスマレに対する2年間の活動停止処分を発表、未消化のMリーグ最終戦2試合はいずれもマラッカで開催が決定

スランゴールFCはトップチームの5名と契約解除
 今季2020年シーズンの国内サッカーはマレーシアカップを残すのみとなりました。Mリーグ1部の11位までのチームと2部の上位5チーム(ただし、1部リーグにトップチームが出場しているセカンドチームは除く)の計16チームが出場する大会に出場するクラブはその準備に余念がないと思いますが、その中の一つであるスランゴールFCは、マレーシアカップ前に複数の選手と契約を解除し、2部リーグのセカンドチーム、スランゴール2から複数の若手を昇格させてマレーシアカップに臨むようです。
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によると、スランゴールFCのトップチームから契約を解除されたのは、ニック・スウィラッド(29)、ファリザル・ハルン(33)、キリル・ムヒミーン(33)、アンワル・イブラヒム(21)、そしてザーリル・アズリ・ザブリ(21)の5選手です。この5選手は契約期間満了となる来月11月分の給料も支払われており、クラブの練習施設の使用許可は与えられているものの、既にチーム練習への参加はしていないということです。
 この5選手の契約解除は、スランゴール2から昇格するコソボ共和国出身のバジラム・ネビヒ(32)、クエンティン・チェン(20)、ダニアル・アスリ(19)、アキル・ファドリ(21)、シャルル・ナジーム(21)がマレーシアカップに出場するための登録枠確保が理由とされています。
 しかし、ここでこの記事を書いたファラ・アズハリ記者は、マイケル・ファイヒテンバイナー監督代行に尋ねました。「いずれも元U19代表のアンワル・イブラヒムとザーリル・アズリ・ザブリはなぜ、契約解除なのか。」
 ファイヒテンバイナー監督代行は「その件に関してはコメントしない。私は現在チームに所属する選手とマレーシアカップに集中したいからだ。」と答えたようですが、ファラ・アズハリ記者がこの質問をしたのには理由があります。それはともにアンワル選手とザーリル選手は、サティアナタン・バースカラン監督が直々に契約したからという理由で解雇されたのではないかという噂があるからです。そしてファイヒテンバイナー監督代行は先月9月のシーズン途中に解雇されたサティアナタン監督に代わり、クラブのテクニカルディレクターから監督代行に就任しています。
 またスランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会は「選手の解雇は世界中どこでもデリケートな問題である。これもサッカービジネスの一部であり、個々のケースについてコメントはしない。」というコメントを発表しています。

パハン州FAはスマレに対する2年間の活動停止処分を発表
 パハン州サッカー協会(パハン州FA)は、元所属選手のモハマドゥ・スマレに対し、契約違反を犯したとして2年間のあらゆるサッカー活動の禁止処分を発表しています。
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版によると、パハン州FAの規律委員会は、現在はタイ1部リーグのポリス・テロFCと契約しているモハマドゥ・スマレに対して懲罰対象となる4件の規律違反があったとし、あらゆるサッカー活動に関わることを2年間禁止するとしています。
 スマレ選手不在のまま開催された規律委員会で、リザル・チェク・ハシム委員長は以下の4件の規律違反を発表しています。
1. パハン州FAに無断でメディアに対して発言を行ったこと。
2. 給料未払い問題についての紛争を、マレーシアサッカー 協会FAMの紛争解決部ヘノ事前通告なしにFIFAへ直接、訴え出たこと。
3. 契約期間中にも関わらず、今年8月3日から8月28日までの練習を無断で欠席したこと。
4. 契約期間中にも関わらず、今年8月28日のMリーグ公式戦のJDT戦に参加しなかったこと。
 なおこの4件についてそれぞれに2年間のあらゆるサッカー活動禁止処分が課されるということですが、4件の処分は同時に執行されるとして計2年間の処分が言い渡されています。
 決定した処分内容はFAMへ通知され、そこから関係各所へ伝達されるということです。
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 パハン州FAによる給料未払いが今年以前からあったことを理由として、パハン州FAが運営するチームを離脱したことをメディアに向けて述べたスマレ選手に対し、パハン州FAは2年間という厳しい処分を下しています。しかし、ここで注目されるのはこの処分の正当性で、パハン州FAからこの処分を通知されたFAMがどのような対応をするのかに関心が集まりそうです。
 これまでも経営が厳しい噂が出ていたパハン州FAが、振り上げた拳の行き場に困って下した処分でないことを祈りたいです。

未消化のMリーグ最終戦2試合はいずれもマラッカで開催が決定
 Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは公式Facebook上で、順延となっていたMリーグ1部と2部の最終節第11節の2試合をいずれもマラッカ・ユナイテッドFCの本拠地であるハンジェバスタジアムで開催することを発表しています。
 順延となっていたのは1部のサバFA対UITM FC戦と2部のクアラルンプールFA対クチンFA戦の2試合で、試合はいずれも10月31日でクアラルンプールFA対クチンFA戦が午後5時開始、サバFA対UITM FC戦は午後9時開始と発表されています。
 昨日10月27日までスランゴール州、クアラルンプールそしてプトラジャの首都圏には条件付き活動制限令CMCOが施行されていましたが、マレーシア政府はこれをさらに2週間延長することを発表したため、UITM FCの本拠地でスランゴール州シャーアラムにあるUITMスタジアムと、クアラルンプールFAの本拠地のクアラルンプールフットボールスタジアムでの試合開催について危ぶまれていました。
 CMCO施行下でのスポーツの試合は延期が求められていたことから、CMCO施行地域外にあるマラッカでの開催となったようです。
 いずれの試合も新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、当初の予定から既に一度、日程と試合会場は変更されており、これが2度目の変更となりました。