4月22日のニュース:審判を突いたカブレラの処分遅れに批判が集まる、ペラは来月のトランスファーウィンドウ期間に新外国選手獲得か、FAMテクニカルディレクター-今季未勝利のFAM-MSNプロジェクトは今後もMリーグ2部でプレー

審判を突いたカブレラの処分遅れに批判が集まる
 Mリーグ1部スーパーリーグ第9節のスリ・パハン戦で判定への不満から主審を小突いたものの何らお咎めなしとなっているゴンザロ・カブレラ(JDT)に対して沈黙を守っているFAMの対応に不満の声が高まっています。
 前節第8節にはクダ・ダルル・アマンのMFファズルル・ダネルがトレンガヌ戦で同じく判定への不服から主審を押したことによりレッドカードを出されて一発で退場となっていることから、判定基準が一定ではないことに批判が集まっています。
 この件についてマレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長はマレーシア語紙シナルハリアン電子版の取材に対し、自分は審判の専門家ではないと前置きをした上で「審判を『押す』という行為が起こった場合、その行為には様々な種類があり、意図的に「押す」場合もあれば、呼び止めるために「押す」場合もある。このため、(カブレラ選手による)「押した」行為がどのような目的で行われたかと確認する必要がある。」と語り、数日のうちに最終的な判断がFAM審判委員会によって下されるだろうと話しています。

ペラは来月のトランスファーウィンドウ期間に新外国選手獲得か
 Mリーグの今年2度目のトランスファーウィンドウ期間は5月3日から始まりますが、下位に沈むMリーグクラブが外国籍選手の入れ替えや新たな戦力補強を行うのではないかという記事がちらほらと出始めました。Mリーグ1部スーパーリーグで現在2勝3分4敗の9位と低迷するペラのそのうちの一つで、マレーシア語紙のウトゥサン・マレーシア電子版はストライカーとディフェンダーをそれぞれ1人づつ補強するだろうという記事を掲載しています。
 ペラFCのリザル・アリ・ナイザリCEOによると、その名前は明かさなかったものの、既に2名の選手がリストアップされているということです。なおペラには現在、DFシャキール・ハムザ(シンガポール、東南アジア枠)、守備的MFレアンドロ・ドス・サントス、攻撃的MFカレッカ、FWギリェルメ・デ・パウラ(以上ブラジル)の4名の外国籍選手がいますが、この内、デ・パウラ選手はマレーシア国内でのプレー期間が5年を超えたことで帰化申請を行い、今季からは帰化選手(=マレーシア人選手)として登録されています。Mリーグ1部スーパーリーグは、東南アジア枠1名、アジア枠1名を含めて5人の外国籍選手の出場が可能であることから、リザルCEOは言及していないものの、ウトゥサン・マレーシアは不足しているストライカーとディフェンダーを獲得するのではないかと予測しています。
 またリザルCEOは一部ソーシャルメディアで噂されているチョン・イーファット監督更迭と新監督採用については、先日行われた経営会議でも議題に上がらなかったとして、これを真っ向から否定しています。
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 このままいけば、ペラは今季は降格争いに加わる可能性もあり、戦力補強が急務なことは理解できますが、その一方でこのブログでも既報の通り、ペラでは選手や監督、コーチへの給料未払いが起こっているとされています。そんな経営状況のクラブが新たに選手を獲得し、そういった選手の登録を認めてしまうのであれば、リーグ運営者としてマレーシアンフットボールリーグMFLの監督責任が問われることにもなりそうです。

FAMテクニカルディレクター今季未勝利のFAM-MSNプロジェクトは今後もMリーグ2部でプレー
 Mリーグ2部プレミアリーグ第9節を終えて最下位となっているFAM-MSNプロジェクトは、マレーシアサッカー協会FAMとマレーシア政府青年スポーツ省傘下の国家スポーツ評議会MSNが運営する国立エリートサッカーアカデミー卒業生を中心とする平均年齢17.23歳のチームです。
 このチームについては、元バイエルン・ミュンエヘンU19チームのアシスタントコーチで前国立エリートサッカーアカデミー責任者でもあったリム・ティオンキム氏が、他のチームとはあまりにも力が違いすぎるリーグへの参加を疑問視するなど開幕前から話題になっていましたが、その予想通り第9節を終えて得点7失点32の1分8敗という成績となったことから、リム氏の意見に賛同する声が大きくなってきています。
 さらにリム氏は選手の自信を喪失させないためにもプレミアリーグでではなくユースカップ(U19リーグ)やプレジデントカップ(U21リーグ)など選手の年齢層が近いチームと対戦させるべきと主張していますが、FAMのオン・キムスイ テクニカルディレクターはこのFAM-MSNプロジェクトの解散を否定し、育成を目的として結成されたチームは今後もリーグに残ると、マレーシアの通信社ブルナマに話しています。
 その一方でオン テクニカルディレクターは、このFAM-MSNプロジェクトには適切な計画性と方向性を持たせ、運営にかかる費用を無駄にしないようにする必要があると述べています。「このプロジェクトチームを今季のみリーグに参加させ、その後は解散させるのでは育成プログラムとして意味がない。FAMとしてはこのチームは2024年オリンピック予選まで存続させ、このチームの中から2、3人がオリンピック予選に出場する代表チームに選抜されれば十分と考えている。」と述べた上で、国内のサッカーファンに対し、このチームの目標は長期的なものであることから、その成長を我慢強く見守って欲しいと話しています。
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 このFAM-MSNプロジェクトの中心選手と同年代のトップ層はエリートアカデミー卒業後にMリーグクラブと契約しており、このチームの主力は卒業時にMリーグとの契約に至らなかった二番手、三番手の選手たちです。トップ層の選手と比べて不足している部分を補うことが育成に当たると思いますが、前述のキム氏が危惧しているのは、プレミアリーグの各チームとはスピード、体力などの差がありすぎて、FAM-MSNプロジェクトの選手は試合中にボールに触れる時間があまりにも少なすぎるという点です。結果としてボールにさわれず、試合中はボールを追いかけて走り回ることに終始しているのであれば、技術的な向上は期待できず、結果として2024年パリオリンピック予選に出場するU22/23代表にはこのFAM-MSNプロジェクト出身者が1人もいないという可能性があります。

Mリーグ1部スーパーリーグ第9節結果

 イスラム教の断食月が始まり、およそ1ヶ月間はMリーグの試合開始時間は午後10時(イスラム教徒の数が少ないサバ州では午後9時15分)からとなります。
 各試合のハイライト映像はMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのの公式Youtubeチャンネルからお借りしています。

2021年4月16日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
スリ・パハン 0-2 JDT
得点者:JDT-レアンドロ・ヴァレスケス(23分)、ベルクソン・ダ・シルバヴァ(90+4分)
 首位のJDTはリーグ得点王のダ・シルヴァのゴールなどで11位のスリ・パハンに快勝して首位を堅持しています。この試合ではサファウィ・ラシドが膝のケガによる欠場から3月13日のUITM戦以来5試合ぶりとなるリーグ出場を果たし、20分ほどプレーし復調した様子を見せています。好調のアリフ・アイマンと交代させたJDTのベンヤミン・モラ監督は、サファウイ選手とアリフ選手を交代で起用する可能性を試合後の記者会見で明かしています。
 一方のパハンは69分にモハマド・エザニ・マット・サラーがこの試合2枚目のイエローで退場するなど良いところがなく敗れ順位は11位のままです。

2021年4月16日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
トレンガヌ 1-0 KLシティ
得点者:トレンガヌ-マカン・コナテ(88分)
 ホームのトレンガヌがマカン・コナテの今季初ゴールでKLシティを破り、勝点18として首位のJDTとは勝点差5の2位に浮上しています。

2021年4月17日@リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
サバ 4-0 UITM
得点者:サバ-サム・ジョンソン(28分)、サディル・ラムダニ(41分)、パク・タエス(50分)、ボビー・ゴンザレス(87分)
 給料遅配が明らかになったサバが最下位のUITMを相手に4ゴールの大勝で今季2勝目を挙げています。なお今季ここまでのの2勝はいずれも本拠地リカススタジアムで記録しています。
 一方のUITMは第9節を終えて未だ未勝利です。 

2021年4月17日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラ 1-1 クダ・ダルル・アマン
得点者:ペラ-ギリェルメ・デ・パウラ(58分)、クダ-クパー・シャーマン(79分)
 ペラは代表のDFシャルル・サアドケガをケガで、クダはDFロドニー・セルヴィンを前節のレッドカードによる出場停止処分と守備陣の主力選手を欠いた両チームの対戦は前半を0-0で折り返しました。後半に入ると58分にはカレッカからのクロスを帰化選手のデ・パウラが頭で合わせて自身今季4点目となるゴールを決め、ペラが先制しました。一方のクダは得点機を得るものの、ペラGKハフィズル・ハキムが好守を連発し、相手ゴールを破ることができない中、チェチェ・キプレからのクロスをエースのクパー・シャーマンが押し込み79分に同点とします。
 勝点23で首位を快走するJDTについていくためにも下位チーム相手に確実に勝ち点を積み上げたかったクダですが、この引き分けで勝点17となり、前日にKLシティを破り勝点18としたトレンガヌと入れ替わりで3位となっています。
 

2021年4月18日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ・ユナイテッド 2-3 スランゴール
得点者:マラッカ-ステファン・ニコリッチ(45+3分)、アフマド・シャミン・ヤハヤ(59分)、スランゴール-イフェダヨ・オルセグン2(51分、79分)、シャミ・サファリ(88分)
 代表のレギュラーながら監督交代により、今季はスーバーサブ的な役割に甘んじているシャミ・サファリが途中出場ながら、決勝ゴールを挙げて、スランゴールがマラッカに辛勝しています。

2021年4月18日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティ 1-1 ペナン
得点者:PJ-V・ルヴェンティラン(39分)、ペナン-カサグランデ(48分)

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第9節終了時)

 ClubGWDLGFGAGDP
1JDT97202341923
2TFC9531137618
3KDA9522149517
4PEN9441107316
5SEL94231513214
6KL9333108212
7PJ9252811-311
8SBH92341012-29
9PRK92341015-59
10MU92431312-1*7
11PHG9126615-95
12UITM9018320-171
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MEL-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-クアラルンプールシティ

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第9節終了時)

選手(所属クラブ)ゴール数
1ベルクソン・ダ・シルバ(JDT)8
2イフェダヨ・オルセグン(SEL)7
3クパー・シャーマン(KDH)6
4カサグランデ(PEN)5
5ジョーダン・ミンター(TFC)他3名4
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJC-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-クアラルンプールシティ

Mリーグ1部スーパーリーグ第8節結果

 来週からイスラム教の断食月が始まり、その前の最後の節となった第8節。今季はまだ3分の1しか経過していませんが、早くもJDTの独走体制が見えてきました。
 なおMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLが昨季同様にハイライト映像をYoutubeで配信し始めたので、今節から試合のハイライト映像は全てMFLの公式チャンネルからお借りしています。

2021年4月9日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロースター)
クダ・ダルル・アマン1-2 トレンガヌ
得点者:クダ-ムハマド・ファウジ(40分OG)、トレンガヌ-デヴィッド・ダ・シルヴァ(45+2分PK)。 ムハマド・アザム・アズミ・ムラド(60分)
 開幕戦でJDTに敗れたものの、その後は引き分けを挟んで5連勝と好調のクダはこの試合に勝てば暫定1位となりましたが、ここ4試合で3分1敗のトレンガヌに本拠地でまさかの敗戦を喫しました。
 一方、開幕から3連勝しながらここ4試合で3得点と得点力不足に苦しむトレンガヌは開幕戦でゴールを決めたもののケガにより欠場が続いてたエースのデヴィッド・ダ・シルヴァが復帰するなど攻撃陣は本来のメンバーが揃い、5試合ぶりに2得点を挙げました。
 両チーム合わせてイエロー6枚、レッド2枚が出されるなど荒れた試合でしたが、特に試合終了間際に審判への猛抗議と意味のないラフプレーといった闘志の空回りによってクダの2選手に出されたレッドカードは、チームにとっては次戦に影響を及ぼす可能性があります。

2021年4月10日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
KLシティ 2-1 スリ・パハン
得点者:KL-パウロ・ジョズエ(18分)、ダニエル・ティング(70分)、パハン-エラルド・グロン(90+2分)
 KLシティは今季3勝全てが本拠地での勝利です。
 パハンはドラー・サレー監督代行が正式に監督に就任しましたが、状況は変わらず引き分けを挟み3連敗です。

2021年4月10日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
JDT 3-0 PJシティ
得点者:JDT-ゴンザロ・カブレラ(1分)、ベルクソン・ダ・シルヴァ2(20分、30分) 
 JDTはこの試合もエースのベルグソン・ダ・シルヴァらのゴールで前半で試合を決めて快勝。チームへの合流が遅れ第3節から出場しているベルグソン選手は3試合連続で2ゴールを決め、通算でも6試合で8ゴールと得点王争いでトップに立ちました。
 外国籍選手がいないPJシティは今季ここまで各チームと善戦してきましたが、JDTの牙城は崩せませんでした。

2021年4月10日@UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
UTIM 0-3 マラッカ・ユナイテッド
得点者:マラッカ-ソニー・ノルデ(30分)、ステファン・ニコリッチ(60分)、クマーハン・サタシバン(65分)
 今季ここまで1勝のマラッカと0勝のUITMの対決は今季最多の3ゴールを決めたマラッカに軍配。
 一方のUITMは、1部プレミアリーグではスリ・パハンのトーマス・ドゥーリー監督に続く今季2人目となるフランク・バーンハルト監督の「休養」を発表し、テクニカル・ディレクターのレドゥアン・アブドラ氏が監督代行として臨んだこの試合も今季6試合目となった無得点試合で通算成績も1分7敗となり、1部スーパーリーグで唯一勝ち星がありません。

2021年4月10日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴール 3-1 ペラ
得点者:スランゴール-イフェダヨ・オルセグン3(8分、31分PK、71分)、ペラ-モハマド・ファリド・カザリ(90+3分)
 調整の遅れからセカンドチームのスランゴール2でプレーしていたマニュエル・コンラッドがトップチームに合流したスランゴールは、ジョーダン・アイムビラ、シャルル・ナジーム、ハリス・ハイカル、ダニアル・アスリら若い選手とイフェダヨ・オルセグン、ブレンダン・ガンら主力選手と徐々に融合し始め、育てながら勝つチームができつつあります。

2021年4月11日@シティスタジアム(ペナン州ジョージタウン)
ペナン 0-1 サバ
得点者:ペナン-カサグランデ(86分)、サバ-サディル・ラムダニ(52分)
 3連勝中のペナンはこの試合に勝てば、単独2位に浮上するチャンスがありましたが、サバに先制を許し、試合終了直前に引き分けに持ち込んでいます。

021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第8節終了時)

 ClubGWDLGFGAGDP
1JDT86202141720
2KDA8512138516
3TFC8431127515
4PEN843196315
5KL8332107312
6SEL83231210211
7PJ8242710-310
8PRK8224814-68
9MU824210100*7
10SBH7124511-65
11PHG8125613-75
12UITM8017313-101
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MEL-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-クアラルンプールシティ

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第8節終了時)

選手(所属クラブ)ゴール数
1ベルクソン・ダ・シルバ(JDT)8
2クパー・シャーマン(KDH)5
イフェダヨ・オルセグン(SEL)5
3ジョーダン・ミンター(TFC)4
オリヴァー・バフ(SEL)4
カサグランデ(PEN)4
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJC-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-クアラルンプールシティ

4月9日のニュース:ペラFC関連3題-MFLは給料未払いの報告は受けていない、ペラ州首相は州政府への批判を筋違いと指摘、ペラFCは未払い給料支援対価にクラブ株式を譲渡、サバFCでも給料未払い発生で選手が練習をボイコットか、タイリーグ-エルドストールのゴールでチョンブリーFCはFAカップ決勝進出

MFL-ペラFCの給料未払いの報告は受けていない
 英字紙スターのT・アヴィネシュワラン記者がペラFCの給料未払いが数ヶ月に及んでおり、選手たちに声を上げるべきとTwitterで明らかにしたことは、このブログでも取り上げましたが、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、ペラFCの給料未払いについての報告は受けていない述べていると英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 過去3年間はMリーグ1部スーパーリーグで2位、5位、4位、カップ戦でも2018年はマレーシアカップ優勝、2019年にはFAカップ準優勝と安定した成績を残してきたペラFCは今季も上位を狙うチームと予想されましたが、開幕前にはメフメト・ドゥラコヴィッチ監督が突然辞任、そしてチームは第7節を終えて8位となっています。
 監督の辞任と給料未払いとで、主力選手の中には移籍を望んでいる選手も複数いるとされているペラFCの現状について、MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは現在は来年2022年のクラブライセンス交付について各クラブと話し合いを行っている最中であるものの、ペラFCの未払い給料については報告を何も受けていないと話しています。

ペラ州首相は州政府への批判を筋違いと指摘
 上のような記事が出る一方で、ペラ州首相はペラFCの給料未払いについて州政府を非難するのは筋違いであると述べています。
 ペラ州のサアラニ・モハマド州首相はマレーシアの通信社ブルナマに対して、州政府はペラFCの選手への未払い給料分としてこれまでに既に400万リンギ(およそ1億550万円)を支払っていることを明らかにし、ペラ州政府が給料未払い問題に無関心であるというサポーターからの批判の声を否定した上で、州政府を批判するのは間違っていると述べています。
 「ペラFCの運営に州政府が100%の責任を持つことは、州内の他の競技にとっても公平ではない。しかもペラFCは州政府ではなく、ペラ州サッカー協会傘下の団体であり、州政府が給料の保証をする立場にもない。自分はその責任はないが、現在は複数の政府関連企業に対して支援を求めてい最中であり、サポーターは冷静にことの進展を見守って欲しい。」と述べています。
 その上でペラ州政府の資金は州民から集めた税金であり、ペラ州サッカー協会のものではなく、それは最終的には州民に返されるべきものであることも強調しています。

ペラFCは未払い給料支援対価にクラブ株式を譲渡
 ペラFCは騒ぎに紛れて未払い給料問題を抱えていることを公表すると同時に、株式譲渡を条件にしてスポンサーを募り、未払い給料解消を目論んでいるようです。
 ペラFC運営会社のカイルル・シャーリル・モハメド理事は、民間企業も含めて広くスポンサーを募り、チームの株式譲渡と引き換えに未払い給料問題解決の支援を求めたいと、ブルナマに述べています。
 「ペラFCを実際に運営する意思のあるスポンサーを現在も探している。これまでに複数の申し出は受けているが、支援の対価に州内の公有地を求めるなど、我々にとっては不利益が多い申し出であり、その内容も不透明な点があった。未払い給料問題解決を支援してくれるのであればどんな個人、企業で合っても歓迎し、株式を譲渡する事も含めて検討している。」とカイルル・シャーリル理事は話しています。
******
 これまでメディアやSNSなどで噂となりながら、MFLは全く知らないと話しているペラFCの未払い給料問題がこうもあっさりと公になると、むしろMFLのMリーグクラブの管理能力が心配になります。本当に報告を受けていなかったのか、それとも知っていながらしらを切ったのかはさだではないですが、いずれにしてもその対応にはリーグ運営責任者としては不適格なような気がします。

サバFCでも給料未払い発生で選手が練習をボイコットか
 上のペラFCに加え、現在リーグ2位のクダ・ダルル・アマンでも給料未払いが噂されていますが、今度は新たにサバFCでも給料未払いが起こっているようで、昨日4月8日の練習を選手がボイコットしたと複数のメディアが報じています。
 サバFCは昨日午後4時から地元コタキナバルでチーム練習が予定されていましたが、選手や首脳陣の間で激しい議論が戦わされた後、練習が中止となったと報じているのはマレーシア語紙ハリアンメトロ電子版です。
 ハリアンメトロの取材に対し、給料に関する問題で練習が中止になったことを明かした関係者は、明日(4月9日)には未払い分の給料が支払われることが選手には伝えられていたと話す一方で、すでに何度も同様の約束が破られていることから、我慢ができなくなった一部の選手が行動に出たのではないかと話しています。なお、昨日の練習は今週日曜日4月11日にペナンで行われるMリーグ第8節ペナンFC戦前の本拠地での最後の練習だったということです。
 なおサバFCのアフマド・マルズキ チームマネージャーはクラブは本日4月10日に公式声明を発表すると自身のFacebookで告知していますが、サバFCの公式Facebookには1500を超えるコメントが寄せられています。

タイリーグ-エルドストールのゴールでチョンブリーFCはFAカップ決勝進出
 2020/2021年シーズンが終了したタイリーグは、現在、FAカップの試合が行われていますが、4月7日に行われた準決勝で、マレーシア元代表で現在はタイ1部リーグのチョンブリーFCでプレーするジュニオール・エルドストールが決勝ゴールを決めて、チームを決勝戦に導いています。
 リーグでは12位に終わったチョンブリーFCは、同2位のブリーラム・ユナイテッドと対戦し、1-1の同点から58分にペナルティエリアの外でフリーキックを得ました。このフリーキックはブリーラム・ユナイテッドのGKに止められたものの、詰めていたエルドストール選手がそのこぼれ球を冷静に押し込み逆転し、チームはそのまま逃げ切りました。

2021年4月7日 タイFAカップ準決勝@タマサートスタジアム
チョンブリーFC 2-1 ブリーラム・ユナイテッド 
ジュニオール・エルドストールは先発してフル出場し、59分には決勝ゴールを決めています。

(下はこの試合のダイジェスト映像-チョンブリーFCの公式Youtubeチャンネルより)

https://www.youtube.com/watch?v=SiV7R0UDR_I

 チョンブリーFCはもう1試合の準決勝で細貝萌選手のいるバンコク・ユナイテッドを破ったチェンライ・ユナイテッドと今週日曜日4月11日に行われる決勝で対戦します。なお、タイリーグのFAカップ王者には2022年アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグのグループステージ出場権が.与えられるため、エルドストール選手とチョンブリーFCにとってはACL出場権もかかった大一番となります。
 3月の代表合宿はマレーシア政府が渡航者全員に義務付けている検疫隔離の都合から招集されなかったエルドストール選手ですが、チョンブリーFCではレギュラーとして活躍していることから5月に予定されているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選前の代表合宿への招集は間違い無いでしょう。

Mリーグ1部スーパーリーグ第7節結果

 今節第7節から人数制限はあるものの、各スタジアムでの観戦が可能になったMリーグ。入場券もオンラインのみの販売など新型コロナ対策を行いながら、入場者数を徐々に増やしていきたいとしています。
(試合の映像は各クラブの公式Youtubeチャンネルからお借りしています。)

2021年4月6日@リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
サバ 1-4 JDT
得点者:サバ-レヴィ・マディンダ(58分PK)、JDT-アリフ・アイマン(7分)、ベルクソン・ダ・シルヴァ 2(8分、68分)、レアンドロ・ヴェラスケス(87分PK)
 JDTの1点目と2点目はいずれもアフィック・ファザイルが起点となり、1点目は19歳のアリフ・アイマンが、2点目はベルクソン・ダ・シルヴァがゴールを決め、3点目はボールを持って右サイドを上がったアリフ選手からベルクソン選手と渡ってゴール。最後はサバ主将のラウィルソン・バトゥイルがペナルティエリア内でハンドを犯し、これで得たPKをレアンドロ・ヴァレスケスが決めて4点目と、モハマドゥ・スマレやサファウィ・ラシドを欠いていることを全く感じさせないJDTが圧勝しています。
 サバは1点差に迫った直後の59分にマクシアス・ムサがこの試合2枚目のイエローで退場となったところで万事休すでした。

2021年4月6日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴール 1-2 クダ・ダルル・アマン
得点者:スランゴール-オリヴァー・バフ(33分)、クダ-クパー・シャーマン(77分PK)、チェチェ・キプレ(85分)
 先制していても追い付かれるとそれ以上の反撃ができないのが今季のスランゴール。ここまでの勝利はいずれも先行し逃げ切った試合です。この試合でも20分ほどを残しこのまま逃げ切るか、と思われたところでスランゴールのティム・ホイバッハがペナルティーエリアでクパー・シャーマンを倒してPK。これをシャーマン選手自身が決めてまず同点、その後はゴール前の混戦からチェチェ・キプレが決勝ゴールを決めています。

2021年4月6日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ・ユナイテッド 1-2 ペナン
得点者:マラッカ-ステファン・ニコリッチ(62分)、ペナン-カサグランデ2(39分、49分)
 司令塔エンドリックをケガで欠くペナンが逃げ切って3連勝。JDT、クダ・ダルル・アマンに続く3位に浮上しています。一方のマラッカは2連敗です。

2021年4月6日@ダルル・マクムルスタジアム(パハン州クアンタン)
スリ・パハン 1-1 トレンガヌ
得点者:パハン-ノー・アザム・アジー(17分)、トレンガヌ-ジョーダン・ミンター(87分)
 開幕から3連勝を飾りながら、失速気味のトレンガヌ。開幕3試合で7ゴールを挙げた攻撃陣は、ケガでFWデビッド・ダ・シルヴァを欠き、直近の4試合では3ゴールと深刻な得点力不足に苦しんでいます。この試合でも本来はセカンドチームのトレンガヌIIのストライカー、ジョーダン・ミンターのゴールで辛くも引き分けに持ち込んでいます。今季まだ1勝のパハンに勝って上位との差を詰めたかったところでしたが、ペナンに抜かれて4位に転落しています。

2021年4月7日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラ 3-2 UITM
得点者:ペラ-カレッカ2(45+1分、78分)、ギリェルメ・デ・パウラ(69分)、UITM-ナナ・ポク2(20分PK、40分)
 ペラがUITMのミスに乗じて逆転勝ちし順位を一つ上げて8位としています。2−0と今季初勝利に近づいたUITMでしたが、カレッカやギリェルメ・デ・パウラらペラ攻撃陣からのプレッシャを受けてPKを与えて同点とされた後は、GKアズファ・アリフが捕球ミスで逆転ゴールを献上してこの試合も敗れています。

2021年4月7日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティ 2-2 KLシティ
得点者:PJ-イルファン・ザカリア(50分OG)、M・コギレスワラン・ラジ(90+4分)、KL-パウロ・ジョスエ(53分)、ハディン・アズマン(57分)
 前半を終わって0-0だった試合が大きく動いたのは50分、ペナルティエリアに持ち込んだPJのマハリ・ジャスリの強烈なクロスをクリアし損ねたイルファン・ザカリアがオウンゴールとなり、PJが先制しましたが、そこからわずか10分でKLが逆転。外国籍選手が1人もいないPJはこうなると苦しい展開ですが、59分にKLのDFニック・モード・シャールル・アジム・アブドゥル・ハリムがこの試合2枚目のイエローで退場となり、これがじわじわとKL守備陣に影響を与えます。そして試合終了間際のの一瞬の隙をついてPJシティが途中出場のM・コギレスワラン・ラジのゴールで同点とし、今季4度目の引き分けに持ち込んでいます。

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第7節終了時)

 ClubGWDLGFGAGDP
1JDT75201841417
2KDA7411126516
3PEN742185314
4TFC7331106412
5PJ624177010
6KL62328629
7SEL6223910-18
8PRK6223811-38
9SBH6124511-65
10PHG6124511-65
11MU6142710-3*4
12UITM6016313-101
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。

項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MEL-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-クアラルンプールシティ

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第節終了時)

選手(所属クラブ)ゴール数
1ベルクソン・ダ・シルバ(JDT)6
2クパー・シャーマン(KDH)5
3オリヴァー・バフ(SEL)
ジョーダン・ミンター(TFC)4
5ドミニク・ダ・シルヴァ(KL)他6名3
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJC-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-クアラルンプールシティ

4月7日のニュース:根絶されないMリーグの給料未払い問題-ペラとクダで給料未払いが発覚、FAMはVAR導入を再検討か、W杯予選を前にケガ人続出が代表監督の頭痛の種

根絶されないMリーグ給料未払い問題-ペラとクダで給料未払いが発覚
 今季も既にMリーグ1部スーパーリーグのマラッカ・ユナイテッドが給料未払いで勝点3剥奪処分を受けていますが、給料未払い問題が起こっているのは他にもあるようです。
 長年に渡りマレーシア国内リーグで問題になっている給料の未払いですが、最近の報道では1部スーパーリーグのペラFCとそのセカンドチームで2部プレミアリーグのペラII、そして現在はスーパーリーグ2位のクダ・ダルル・アマンでも数ヶ月分の給料が支払われていないようです。
 ペラの給料未払いについては、前節第6節のペナン戦敗戦の後に英字紙スター電子版のT・アヴィネンシュワラン記者が自身のTwitterに「ペラよ、ペラ、経営陣が勝点3とプロとしての振舞いを求める一方で、その経営陣は数ヶ月にわたり給料を支払っていない。選手はこれを公にするべきだ。隠す必要など何もない、それは自分の権利なのだから。」と#speakup「声を上げろ」#EnoughisEnough「もうたくさんだ」というハッシュタグをつけて投稿しています。
 またマレーシア語紙ウトゥサンマレーシア電子版に対して、シンガポール出身で今季クダから移籍してきたばかりのDFシャキル・ハムザと控えGKアズリ・ガニの代理人が今年2度目のトランスファーウィンドウ期間となる来月5月3日から30日にこの両選手が給料未払いを理由に移籍することを示唆したと報じた他、いずれもケガ人による戦力ダウンに悩むスランゴールやトレンガヌが移籍を望むペラの選手獲得に関心を持っているも言われています。

FAMはVAR導入を再検討か
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、マレーシアサッカー協会FAMがビデオアシスタントレフェリーVARについて審判部に調査を指示したと報じています。
 審判委員会のS・シヴァサンダラム委員長は、現在、近隣のタイやベトナム国内リーグでのVAR利用についての報告を待っていることも明らかにした上で「VAR利用は良いことではあるが、多額の費用がかかることもあり、まずはその調査が必要であり、その結果をもとに次のFAM理事会で話し合いも持つ予定である。現時点ではいつからVARを導入するかを明言することはできない。」と話しています。
 FAM審判委員会の元委員長でAFC選手権アジアカップやFIFAワールドカップでも審判を務めたスブヒディン・モハマド・サレー氏は、自身がFAMでの在職期間中にVARの導入を検討したもの、辞任する前の2018年に導入計画が取りやめになったことを数週間前にメディアに明らかにしています。
 ニューストレイトタイムズの記事によると、VAR導入の費用は1試合会場あたり15万米ドル(およそ1650万円)、1部スーパーリーグの本拠地の全12スタジアムでは180万米ドル(およそ1億9800万円)となるということです。

W杯予選を前にケガ人続出が代表監督の頭痛の種
 Mリーグの日程変更が確定し、予定より早めに代表合宿を開始できることになったマレーシア代表ですが、合宿に招集したい選手にケガが続き、頭を抱えていると英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 先月3月の代表合宿で初招集したトレンガヌのGKラハディアズリ・ラハリムは合宿終了後に戻ったクラブでの練習で膝前十字靭帯を損傷して今季絶望となり、今季開幕前にはスランゴールのMFハリム・サアリも同様に膝前十字靭帯損傷で同じく今季絶望となっています。
 代表のタン・チェンホー監督はラハディアズリ選手は正GKではないとしながらも、ハリム選手はレギュラーの1人であり、招集したい選手が減ったことからW杯予選の準備にも支障が出ていると話しています。
 なお3月の代表合宿にはやはり代表の主力ながらケガを追ってMリーグの試合を欠場していたモハマドゥ・スマレとサファウィ・ラシド(いずれもJDT)や、検疫隔離で短期の合宿には参加が難しかったタイリーグでプレーするジュニオール・エルドストール(チョンブリFC)やドミニク・タン(ポリステロFC)、オーストラリアリーグでプレーするリリドン・クラスニキ(ニューカッスルジェッツ)を招集しませんでした。
 W杯予選前の最終代表合宿は5月16日から行う予定であることを明らかにしたタン監督は、この合宿中に現在候補に上がっているバーレーン、ヨルダン、オーストラリアといったチームと練習試合も組みたいと話しています。

Mリーグ1部スーパーリーグ第6節結果

 代表合宿でおよそ2週間中断していたMリーグが再開しました。昨季途中から無観客で行われているMリーグは、この第6節の4月2日のJDT対マラッカ・ユナイテッド戦と4月3日のKLシティ対サバ戦で試験的に2000名の観客を入れて試験的に試合を開催します。サポーターが標準作業手順SOPを遵守できれば、他の試合でもスタジアム観戦が解禁になるということです。
(試合の映像は各クラブの公式Youtubeチャンネルからお借りしています。)

2021年4月2日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロースター)
クダ・ダルル・アマン 3-1 スリ・パハン
得点者:バドロル・バクティアル2(37分、71分)、クパー・シャーマン(48分PK)、パハン-ムハマド・ヌル・イザット・チェ・アワン(42分)
 前節まで2位だったトレンガヌが引き分けたため、クダがこの日の勝利で今季初の2位に浮上しています。17分にパハンのDFエラルド・グロンが一発退場し、数的有利となりながら均衡が崩せなかったクダですが、後半一気にパハンを突き離して勝利しています。一方のパハンは開幕からの2試合を2敗したことでトーマス・ドゥリー監督を「休養」させましたが、その後を継いだドラー・サレー監督もこの日の試合で1勝1分2敗となりました。わずか2試合でドゥーリー監督を「休養」させたことの理由も不明ですが、昨季終了後に成績不振からチームマネージャーに「降格」させられたサレー監督代行ですが、同じように不明な理由で今後も指揮を取り続けそうです。

2021年4月2日@スルタン・ミザル・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
トレンガヌ 0-0 PJシティ
得点者:なし
 ここまで全5試合にフル出場し、代表合宿にも招集された19歳の正GKラハディアズリ・ラハリムが膝前十字靭帯断裂で今季絶望となったトレンガヌは、開幕戦でゴールを決めたものの、それ以来ケガでベンチを外れているドミニク・ダ・シルヴァがこの中断明けから復帰するという噂もありましたが、結局、この試合でもベンチ入りしませんでした。この試合でもセカンドチームのトレンガヌIIのストライカーであるジョーダン・ミンターを昇格させて起用しましたが、試合は0-0の引き分けでした。
 外国籍選手が1人もいないPJシティはこの試合でも無失点。ここまでの6試合中4試合を無失点で凌いでいます。この日は第2節のマラッカ・ユナイテッド戦でのプレーがシミュレーションとされたMFカイリル・アンワル2試合出場停止処分で、また今季ここまでチーム総得点の4得点中3得点を挙げているFWダレン・ロックをケガでと、2人の主力選手を欠きながら、貴重な引き分けでアウェイでの勝点1を獲得しています。

2021年4月2日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダルプテリ)
JDT 3~0 マラッカ・ユナイテッド
得点者:JDT-アダム・ノー・アズリン(4分)、ベルクソン・ダ・シルバ 2(8分、82分)
 ここまで2試合引き分けだったJDTが、出場停止処分のナチョ・インサに変わって先発したアダム・ノー・アズリンのゴールなどで、マラッカを一蹴してリーグ首位を堅持しています。前節には今季初白星を挙げたマラッカでしたが、この試合ではミスを連発し、今季初黒星を記録しています。


2021年4月3日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
KLシティ 0-0 サバ
得点者:なし
 試験的に2000名の観衆を入れて開催された試合は一部照明が点灯せず、開始が30分遅れて始まりましたが、ホームのKLシティ、サバのいずれも相手ゴールを割ることができず無得点の引き分けとなりました。

2021年4月3日@シティスタジアム(ペナン州ジョージタウン)
ペナン 2-1 ペラ
得点者:ペナン- カサグランデ(43分)、ラファエル・ヴィトール(71分)、ペラ-カレッカ(12分)
 両チームが積極的にゴールを狙う展開の中、ペラが先制しましたが、ペナンはエースのカサグランデのシュートで同点、そしてコーナーキックから長身のラファエル・ヴィトールが頭で合わせて逆転勝ちしています。

2021年4月3月@UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
UITM 0-2 スランゴール
得点者:オリヴァー・バフ(13分)、イフェダヨ・オルセグン(40分)
 スランゴールが今季未だ未勝利のUITMを相手に今季初完封勝利を挙げています。防戦一方となったUITMは唯一のチャンスとなったフリーキックもクロスバーに当たる不運もあり、今季初勝利はまだ遠そうです。

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第5節終了時)

 ClubGWDLGFGAGDP
1JDT64201431114
2KDA6411105513
3TFC632195411
4PEN632164211
5PJ62315509
6KL62226428
7SEL62228808
8SBH612347-35
9PRK612359-45
10MEL614168-2*4
11PHG6114410-64
12UITM6015110-91
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。

項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MEL-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-クアラルンプールシティ

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第節終了時)

選手(所属クラブ)ゴール数
1ベルクソン・ダ・シルバ4
クパー・シャーマン(KDH)4
2ダレン・ロック(PJ)3
 バドロル・バクティアル(KDA)3
ドミニク・ダ・シルヴァ(KL)3
ジョーダン・ミンター(TFC)3
アレックス・ドス・サントス・ゴンサウヴェス(MU)3
オリヴァー・バフ(SEL)2
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJC-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-クアラルンプールシティ

3月25日のニュース:FAMがMリーグ第5節で起こった審判関連事例の処分を発表、Mリーグ第5節までに目立った活躍をした選手、ケランタンFCオーナーは未払い給料支払いを求めた選手に「逆ギレ」

FAMがMリーグ第5節で起こった審判関連事例の処分を発表
 マレーシアサッカー協会FAMは3月20日から21日にかけて開催されたMリーグ第5節で報告された審判関連の事例についての処分をシヴァスンダラム審判委員長が発表しています。

  1. 1部スーパーリーグ ペラFC対JDT戦(ペラスタジアム-ペラ州イポー)
    (a) 審判評価者によるマッチリポートによるとノー・アズリエル・バハルディン主審の裁定は試合全体を通して満足のいくものではあったが、その一方で改善の余地もあることから、ノー・アズリエル・バハルディン主審にはFAMの審判育成マネージャーの元に出頭することとする。
    (b) JDTのナチョ・インサは試合後に主審に詰め寄り、押したことが認められたことからFAMの懲罰委員会に出頭することとする。
  2. 1部スーパーリーグ サバFC対トレンガヌFC(リカススタジアム-サバ州コタキナバル)
    (a) 審判評価者によるマッチリポートによるとカイルルアズアン・キダム主審の裁定は試合全体を通して満足のいくものではなかったため、2週間の謹慎処分を課す。さらにFAMの審判育成マネージャーの元に出頭し、パフォーマンス改善プログラムの受講を求める。プログラム受講後は2部プレミアリーグで審判を再開し、改善が見られた後、1部スーパーリーグの審判に任命する。
    *****
     2.のカイルルアズアン主審は、トレンガヌFWジョーダン・ミンターとサバGKロブソン・レンディ・リニンが競った場面で、明らかにミンター選手の方が先に触れたシュートによる得点を無効とする明らかな誤審がネット上でも批判されていました。
明らかな誤審とわかるミンター選手の幻のゴールとなった問題の場面は11:25からです。

Mリーグ第5節までに目立った活躍をした選手
 英字紙スター電子版は3月5日に開幕し、3月21日に終了した第5節までで強烈な印象を残したMリーグ1部スーパーリーグの選手を特集しています。およそ2週間で5試合という強行日程の中で活躍した選手として同紙のT・アヴィネシワラン記者が選んだ選手は以下の通りです。

  1. マカン・コナテ(トレンガヌ)
    今季インドネシア1部のペルセバヤ・スラバヤから加入し、第5節までにすでに4アシストを記録しているコナテ選手はトレンガヌの快進撃の立役者です。マリ出身の29歳MFはFWデヴィッド・ダ・シルヴァ、FWジョーダン・ミンターの動きをよく理解しピンポイントでパスを供給するまさに司令塔で、これはミンター選手が既に3ゴールを挙げていることからも明らかです。トレンガヌがJDTの対抗馬となるためにも、ナフジ・ザイン監督が現在最も心配しているのはコナテ選手のケガではないかと、T・アヴィネシワラン記者は述べています。
  2. リュウジ・ウトモ(ペナン)
    インドネシア1部のペルシジャ・ジャカルタから期限付き移籍で加入したリュウジ選手に対するT・アヴィネシワラン記者は、背が高く、身体が強く、試合を読むのが上手い理想のセンターバックだと評しています。今季1部に昇格したばかりながらペナンのトーマス・トルチャ監督はトップ5入りを目指すとしており、そのキーマンの1人がこのリュウジ選手です。なおリュウジ選手はその名前からもわかるように母親が日本人ですが、25歳のインドネシア出身DFがこのまま素晴らしいパフォーマンスを維持できれば、今後はマレーシア国外から獲得を望むクラブも出るだろうと、T・アヴィネシワラン記者は述べています。
  3. ラビ・アタヤ(クダ・ダルル・アマン)
    昨季はUITMでプレーし、今季はクダ・ダルル・アマンに加入したレバノン出身31歳のMFアタヤ選手はFWクパー・シャーマンの3ゴールを引き出す活躍を見せています。一旦ボールを持てば、守備陣を翻弄するパスや自ら持ち込んでのシュートなど多彩なプレーを見せ、第5節までの最高殊勲選手の1人です。ここまで2アシストですが、これが増えてくればクダの成績も上昇していくでしょう。ボラセパマレーシアJPが一押しの選手でもあり、第5節の古巣UITM戦では自身が積極的にシュートを打つ場面も見られ、徐々に新チームに慣れてきた様子も見えました。
  4. レアンドロ・ヴァレスケス(JDT)
    第5節まで3勝2分で既に首位のJDTは、将来の代表のエースとも目される19歳のFWアリフ・アイマン、新戦力FWベルクソン・ダ・シルバ、そして今季は元気なMFナチョ・インサらの活躍が目立つ中、2アシスト、2ゴールとその上をいく活躍をしているのがヴァレスケス選手です。31歳のアルゼンチン出身攻撃的MFはセットプレー、ドリブル、パスとどれをとっても一級品のヴァレスケス選手は見ていて楽しい選手です。
  5. ダレン・ロック(PJシティ)
    昨季は活躍の場が2部プレミアリーグのトレンガヌII中心だったロック選手の1部スーパーリーグ第5節までの活躍は今季ここまでの最大の驚きの一つです。今季は既に3ゴールを決め、外国籍選手なしで1部スーパーリーグに臨んだPJシティ躍進の立役者です。31歳のFWは英国生まれながら父親がマレーシア人であることから帰化選手としてプレーするロック選手の活躍について、PJシティのP・マニアム監督は、ロック選手が現在の調子を維持できれば2017年以来となる代表復帰も夢ではないと話しています。

ケランタンFCオーナーは未払い給料支払いを求めた選手に「逆ギレ」
 マレーシア語紙ウトゥサンマレーシア電子版は、支払われていない未払い給料についてマレーシアプロサッカー選手会PFAMを通じて支払いを求めた前ケランタンFC所属選手たちの行為に対し、ケランタンFCオーナーがこれを不当なものであると「逆ギレ」していると報じています。
 ケランタンFCのノリザム・トゥキマン オーナーは他の選手が50%の給料削減に応じている中、全額支払いも求めている5選手の要求を不当であるとしているようです。
 「バルセロナのような世界でもトップのクラブですら新型コロナウィルスの影響を受けて70%の給料削減を行なっている。そのような豊かなクラブではないケランタンFCを運営するために自分は(自社製品の)ハンバーガーや精米を売っている。」と自身のSNSで述べたノリザム オーナーは「チームの90%の選手が2020年11月分の給料削減に応じている一方で、主力選手だった5名は同様の給料削減案を拒否している。ケランタンFCはこの5選手に給料削減に応じるよう求めたが、全員が全額支払いを求めている。」と述べ、この5選手が現在は無所属のナズリン・ナウィ、モハマド・ファリシャム・イスマイルといずれもトレンガヌFCとトレンガヌFC IIに移籍したニック・アキフ・シャヒラン・ニック・マット、シャールル・ニザム・ロス・ハスニ、そして渡邉将基選手であること、そして未払いとなっている総額が15万8857リンギ(およそ419万円)であることも明かしています。
*****
 ノリザム オーナーはこの5選手について「(11月は)9日間しかプレーしておらず、しかも全員が全試合に出場したわけではない。」と恨み節に近いことも言っているようですが、支払われるべき給料を受け取る権利を非難される筋合いはこの5選手には全くありません。むしろ給料削減に応じた(或いは応じざるを得なかった)選手にこそもっと感謝すべきではないでしょうか。

Many did not fancy former Terengganu II striker Darren Lok’s chances in the Super League. But he has made heads turn with his three goals. The work rate shown by the 30-year-old has been outstanding in every match. Despite the extra burden as the lone striker, he has carried the responsibility and is one of the leading scorers thus far. And coach P. Maniam has said that if Darren maintains his consistency he will certainly make his way back into the national team for the May training camp before the World Cup 2022 and Asia Cup 2023 qualifiers.

3月24日のニュース:FAM審判委員長は各所から不満の審判のパフォーマンス審査を約束、青年スポーツ相はMリーグの入場料値上げを支持せず、タイ1部29節と2部31節-エルドストールがマンオブザマッチに

FAM審判委員長は各所から不満の審判のパフォーマンス審査を約束
 マレーシアサッカー協会FAMは、第5節に行われたMリーグ1部スーパーリーグと2部プレミアリーグの複数の試合で審判のパフォーマンスが多くのファンから批判を受けたことを受け、審判委員長がこれらの試合での審判のパフォーマンスを調査することを約束しています。
 FAMの理事選挙を経て3月21日に正式に就任したばかりのS・シヴァスンダラム審判委員長は、各試合での審判のパフォーマンスを審査する審判部からのマッチレポートを待っている状況であることを説明た上で、できるだけ速やかに審判委員会を招集して話し合いたいとマレーシアの通信社ブルナマに語っています。
 なおサッカーファンから多くの批判が集まっているのは第5節の1部スーパーリーグのサバFC対トレンガヌFCの試合を担当したカイルアズアン・キダム主審と、ペラFC対JDTの試合を担当したノー・アズリエル・バハルディンの各審判で、カイルルアズアン主審は2−1でサバFCに敗れたトレンガヌFCのナフジ・ザイン監督にイエローカードを出し、ペラFC対JDTは90分を過ぎてからのPKでペラFCが追いつかれて2-2の引き分けとなりましたが、試合後にはノー・アズリエル審判にJDTのナチョ・インサが詰め寄るなど一悶着が起こりました。
 この他、2部プレミアリーグでもペラFCのセカンドチームペラFC IIのシャムスル・モハマド・サアド監督が2-3で敗れたJDT II戦での審判の判定に不満をあらわにしています。
 FAMは今季すでにモハマド・ファイルジ・マット・デサとモハマド・アミルル・アイザット・モハマド・ロディの2名の審判が試合中のパフォーマンスを理由に出場停止処分を受けています。

青年スポーツ相はMリーグの入場料値上げを支持せず
 国内のスポーツを監督する青年スポーツ省のリーザル・メリカン大臣は、メディアなどで報道されているMリーグの入場料値上げについて、最終的にはMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLが決定するべきとしながらも、新型コロナウィルスにより国内経済が影響を受けている中、今季2021シーズンの入場料は現状を維持するべきだと話しています。
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版は「現在、最優先で行うべきことはサポーターがスタジアムで観戦できるような環境を整えることにある。その上で、MFLは入場料を値上げするのであればその妥当性と正当性を考慮することが望ましい。個人的な意見ではあるが、現在は入場料値上げを話し合うには適切な時期ではなく、また今季については入場料は現状維持とするべきだ。」というリーザル・メリカン大臣の話を紹介しています。
 今季すでに終了した第5節までは全試合を無観客試合で開催したMリーグ1部スーパーリーグと2部プレミアリーグですが、第6節には1部スーパーリーグの2試合で試験的に2000名程度の観客を入場させて試合を開催することを発表しており、そこで問題が起こらないようであれば全試合で観戦が可能になる可能性が高いとされています。
 昨季は全試合が無観客試合となったMリーグ各クラブは入場料収入を失った上、新型コロナウィルス対策にかかる経費の負担増などから、スタジアムでの観戦が可能となる際には5リンギから10リンギ(およそ130円から260円)の入場料値上げを検討しているニュースがここ数日報道されており、リーザル・メリカン青年スポーツ相の発言は、これを意識したものです。
*****
 Mリーグの試合は屋根がなかったり、コンクリートのスタンドに座るような席は10リンギから15リンギ(およそ260円から400円)、屋根付きのメインスタンドでは20リンギットから30リンギ(およそ530円から800円)というのが相場です。国内の他の娯楽では、例えば映画館は20リンギから30リンギほどなので、これと比較しても特に安くも高くもないですが、スタジアム内での観戦環境が改善されないまま、単に新型コロナウィルス対策が理由の値上げにはサポーターも納得はできなそうです。

タイ1部リーグ第29節と2部リーグ第31節-エルドストールはマンオブザマッチに
 タイ1部リーグ第29節と2部リーグ第31節がいずれも3月20日と21日に開催されました。
 1部チョンブリーFCに所属するジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・ナデール・アマルハン・マダナー)は、3試合ぶりに先発し試合最後まで出場し、この試合ではマンオブザマッチに選ばれています。またポリス・テロFCのドミニク・タンはケガが完治しておらず、こちらはベンチ入りしませんでした。
 また、2部ノーンブワ・ピッチャヤFCのニコラス・スウィラッドもベンチ入りしませんでしたが、チームはこの日の勝利で今季2位以内が確定し、7月中旬から始まる来季の1部昇格を決めています。。
タイ1部第29節
チョンブリーFC(12位-9勝4分16敗)0-0 スコータイFC(13位-8勝4分17敗)
 ジュニオール・エルドストールは先発してフル出場しています。
ポリス・テロ(11位-10勝6分13敗)0-0 ナコーンラーチャシーマーFC(9位-11勝8分10敗)
 ドミニク・タンはケガが完治しておらずベンチ入りしませんでした。
タイ2部第31節
コンケーン・ユナイテッドFC(5位-16勝6分9敗)1-3 ノーンブワ・ピッチャヤFC(1位-12勝12分0敗)
 ニコラス・スウィラッドはベンチ入りしませんでした。

2021年Mリーグ1部スーパーリーグ第5節結果

 3月5日に開幕したMリーグ1部スーパーリーグは3月20日から第5節が始まります。各チームはおよそ2週間で5試合を戦う過密日程で疲労が溜まってきているところでしょう。なお3月22日から3月30日まではマレーシア代表合宿が開催されるため、この期間中はMリーグは10日間ほど中断し、次節第6節は4月2日からとなっています。
(試合の映像は各クラブの公式Youtubeチャンネルからお借りしています。)

2021年3月20日@UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
UITM 0-1 クダ・ダルル・アマン
得点者:クダ-ムハマド・ファイザット・ガザリ(42分)
 開幕戦でJDTに敗れたもののそこから3勝1分と調子を上げたきたクダが今季未勝利のUITMを破って3位に浮上しています。
 正GKのドミニク・ピチャックをケガで欠くUITMは、アダム・リード(フィリピン)が退団するなど主力となる外国籍選手を描く苦しい試合が続いています。

2021年3月20日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴール 0-2 ペナン
得点者:ペナン- モハマド・アル・ハフィズ・ハルン(38分)、ムハマド・ダニアル・アシュラフ・アブドラ(73分)
 試合は前後半ともスランゴールが支配したもののゴールには至らず、一方のペナンは数少ないチャンスを確実に得点に繋げました。前節にJDTと引き分けて上位進出の目指したスランゴールにとってはここまでリーグ最多失点の守備陣を立て直すことがリーグ中断期間中の課題となりそうです。

2021年3月20日@ハンジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ・ユナイテッド 2-1 KLシティ
得点者:マラッカ-アレックス・ドス・サントス・ゴンサウヴェス2(51分PK、81分PK)
 給料未払いにより勝点3の剥奪処分を受けたばかりのマラッカ・ユナイテッドが今季5試合目で初勝利を挙げています。

2021年3月21日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラ 0-0 JDT
得点者:ペラ-GUILHERME DE PAULA LUCRECIOギリェルメ・デ・パウラ2(34分、59分)、JDT-アキヤ・ラシド(75分)、レアンドロ・ヴェラスケス(90+4分)
 ペラが今季初黒星をつけるかと思われた試合は試合終了直前にペラ守備陣がペナルティーエリア内で痛恨の反則を起こし、これで得たPKをレアンドロ・ヴェラスケスが決めてJDTが引き分けに持ち込んでいます。
 代表合宿に招集されながら、今季の不調からその理由が疑問視されていたペラのデ・パウラ選手やJDTのアキヤ選手がいずれもこの試合でゴールを決めたことでタン・チェンホー代表監督は安堵していることでしょう。

2021年3月21日@リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
サバ 2-1 トレンガヌ
得点者:サバ-レヴィ・マディンダ(38分PK)、サム・ジョンソン(42分)トレンガヌ-ジョーダン・ミンター(79分)
 今季未勝利だったサバが今季無敗だったトレンガヌを破っています。

2021年3月21日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティ 1-0 スリ・パハン
得点者:PJ-D・クガン(33分)
 第5節までの最大のサプライズは外国籍選手が1人もいないPJシティの健闘でしょう。この試合も1点を守り切り、外国籍選手を抱える多くのクラブを抑えて5位となっています。
 アメリカ出身のトーマス・ドゥリー監督をわずか2試合で「休養」させた後は1勝1分と持ち直したかに見えたパハンですが、今季3度目の完封負けを喫しています。

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第5節終了時)

 ClubGWDLGFGAGDP
1JDT532091811
2TFC531195410
3KDH531174310
4PEN52214318
5PJ52215508
6KL52126427
7SEL512268-25
8PRK512247-35
9MU51406514
10SBH511347-44
11PHG511336-34
12UITM501418-71
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MEL-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-クアラルンプールシティ

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第5節終了時)

選手(所属クラブ)ゴール数
1ダレン・ロック(PJ)3
クパー・シャーマン(KDH)3
ドミニク・ダ・シルヴァ(KL)3
ジョーダン・ミンター(TFC)3
アレックス・ドス・サントス・ゴンサウヴェス(MU)3
2オリヴァー・バフ(SEL)他7名2
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJC-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-クアラルンプールシティ