12月30日のニュース:JDTオーナーがスランゴールFCサポーターに強烈なメッセージ、運営予算が決まらないパハンFAは来季への準備に遅れ、選手会は未払い給料問題を抱えるクラブのMFL参加停止を要望

JDTオーナーがスランゴールFCサポーターに強烈なメッセージ
 ブレンダン・ガン(元ペラTBG)を筆頭に、このシーズンオフに積極的な補強を行っているスランゴールFCは、サポーターから新たな「マラヤの王(King of Malaya)」と呼ばれ始めていることに対し、ジョホール・ダルル・タジムJDTのオーナーでジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下が皮肉を交えたメッセージ映像をJDTのFacebookに挙げています。。
 まずJDTは「マラヤの王」ではないと述べる一方で、世界中でJDTの名前は知られていると軽くジャブ。さらに「JDTはアジアクラブランキングで33位だが、他のMFLクラブは112位が最高位である」と述べ、さらに「王というのは借家に住まず、自身の家に住むものであり、もし王と呼ばれる者が借家住まいなら、その王とは一体どんな王なのか」と、総工費2億リンギ(およそ53億円)とされる自前のスルタン・イブラヒムスタジアムを来季から使用するJDTと、スランゴール州の公共施設であるシャーアラムスタジアムを使用するスランゴールFCを比べています。
 トゥンク・イスマイル殿下はさらに、クナンラン・スブラマニアム、アーマド・ハズワン・バクリ、アダム・ノー・アズリン、ファリザル・マリアスら、かつてスランゴールFAでプレーした選手たちの名前を挙げて、JDTが彼らをスランゴールFAから獲得する際には相当の金額を費やしたことも述べています。

運営予算が決まらないパハンFAは来季への準備に遅れ
 来季に向けてMFL各クラブが新戦力の加入のニュースが連日流れる中、景気の良い話が全くといって良いほど聞こえてこないのが、今季MFL2位に終わったパハンFAです。多くの主力選手が移籍、退団した一方で、新戦力加入もなく、来期の運営資金が不足しているという噂もあります。
 他のMFLクラブ同様、パハンFAでもプレシーズン前の練習が始まっていますが、参加しているのはわずか15名、そのうち外国籍選手はフランス出身のDFエラルド・グロンただ一人と英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 ディクソン・ヌワカエメ(ナイジェリア)、ラザラス・カイムビ(ナミビア)、サディル・ラムダニ(インドネシア、ベルギーのクラブへの移籍の噂あり)サフワン・バハルディン(シンガポール、スランゴールFC加入)ら外国籍選手が退団しただけでなく、代表でもプレーするノーシャルル・イドラン・タラハやズビル・モハマド・アズミ(サバFAに加入)、コギレスワラン・ラジ、ソロモン・ラジ(いずれもPJシティFCに加入)、アフィフ・アミルディン、レメゼイ・チェ・ロス、ワフユディン・シャムスディンらとも契約を更新していません。
 またUTIM FC監督就任の噂が出ていたドラー・サレー監督も一時は退団の意向を持っていたようですが、来季の指揮を取ることに合意し残留を決めたとも記事には書かれています。
 記事では、来季の運営資金が確定しておらず新戦力の補強が遅れていること、運営資金が十分でなければ、外部からの補強ではなく、プレジデントカップチーム(U21チーム)からの昇格などで三種を確保することになるという関係者からのコメントも掲載されています。
 今季はMFL1部では首位のJDTからは勝点10離された2位、マレーシアFAカップではペラTBGに、マレーシアカップではクダFAにそれぞれ準決勝で敗れています。

選手会は未払い給料問題を抱えるクラブのMFL参加停止を要望
 年末になって次々と未払い給料問題が報じられる中、マレーシアプロサッカー選手会(PFAM)はMFLに対して、給料未払い問題を抱える6つのクラブの来季MFL参加停止を要望していると、スポーツ専門サイトスタジアムアストロが伝えています。
 6クラブとは来季MFL1部でプレーするマラッカ・ユナイテッドFCフェルダ・ユナイテッドFCトレンガヌFCPDRM FC、MFL2部でプレーするペナンFA、そしてケランタンFAです。
 PFAMのイズハム・イスマイルCEOは、スタジアムアストロとのインタビューで、MFL所属クラブは、全ての未払い給料問題を解決した上でリーグに参加するべきと述べています。同じインタビューの中で、今季はMFL2部でプレーしたPDRM FCは過去4ヶ月分の給料が選手やコーチ人に未払いとなっていることや、トレンガヌFCが今季プレーしたアーマド・シャミン・ヤハヤ(マラッカ・ユナイテッドFCに加入)に対して未払い給料を抱えていることなどを発表しています。また、マラッカ・ユナイテッドFCのカイルル・ファミ・チェ・マットもケランタンFAが抱える未払い給料を直ちに支払うことを求める発言をメディアに繰り返しています。
 PFAMのイズハムCEOは、この状況を放置しているMFLとFAMに対して直ちに対応を求めるとともに、同じような問題が来季開幕後も発生することを防ぐために、未払い給料問題を抱えるクラブのMFL参加停止を要望するとしています。
 これに対してMFLのダト・ガニ・ハサンCEOは、来季からMFL各クラブに導入される経済コントロールプログラムECPが、給料未払い問題解決につながるだろうと述べるにとどまり、明確な回答が得られなかったと、スタジアムアストロは報じています。

12月28日のニュース:スランゴール州サッカー協会がAMDから28名の選手を獲得 、スランゴール州サッカー協会は自前のアカデミーを国内最高にする抱負を述べる

スランゴール州サッカー協会がAMDから28名の選手を獲得
 スランゴール州サッカー協会FASは、モクター・ダハリアカデミーAMDの1期生28名と契約したことが明らかになりました。
 サッカー専門サイトのスムアニャ・ボラは、国家サッカー選手養成プログラムNFDPのサフィルル・アズリ・アブ・バカル元CEOが、NFDPの中核をなすエリート選手養成アカデミーであるAMDの第1期卒業生34名全員がFASからオファーを受け、その内、28名がFASと契約し、残りの6名はジョホール・ダルル・タジムJDTと契約したことを明らかにしたと報じています。
 FASと契約したAMD卒業生は、FASのプレジデントカップチーム(21歳以下)やユースカップチーム(19歳以下)に所属する他、FASが統括するマレーシアフットボールリーグMFL1部に所属するスランゴールFCのBチームで、MFL2部に所属するスランゴールFC IIでプレーする可能性もあります。
 その一方でスムアニャ・ボラでは、このAMD出身者の獲得がFASのプレジデントカップチームやユースカップチームでプレーした選手たち、さらにはスランゴールFCに「吸収合併」されてしまったPKNS FCのプレジデントカップチームやユースカップチームの選手たちの今後にどのような影響を与えるのか、と問題提起もしています。
 特に選手育成に定評のあったPKNS FCは今季も、プレジデントカップで優勝ユースカップでは準優勝と結果を出しているだけに、その選手たちがどのようになるのかは気になります。またスランゴールFCと名称を変更したスランゴールFAもプレジデントカップとユースカップでは準決勝に進出しており。AMD出身者の加入の影響はこちらにも出るでしょう。同じようにBチームを持つジョホール・ダルル・タジムJDTやトレンガヌFC(TFC)は、JDT IIIやTFC IVといった形でプレジデントカップやユースカップに出場しているので、スランゴールFC IIIやスランゴールFC IVが編成されることになると思いますが、元スランゴールFAのプレジデントカップチームの登録選手30名、ユースカップチームの登録選手30名、元PKNS FCの選手それぞれ30名ずる、そして今回獲得したAMD卒業生28名が、スランゴールFC IIIとスランゴールFC IVの30名ずつの登録枠を競い合うことになります。
 しかしそうなった場合、U17代表やU19代表などで国外大会の経験も豊富なAMD卒業生は明らかに有利な立場にあり、今季スランゴールFAやPKNS FCでプレーし、結果を出した若手の多くが他チームへの移籍、あるいは退団を迫られることになります。
 スムアニャ・ボラの記事は、今後もAMD出身者を獲得することで、FASは自らが育てた有望選手の才能の芽を摘むことにならないかを危惧していると結んでいます。

スランゴール州サッカー協会は自前のアカデミーを国内最高にする抱負を述べる
 上記のような記事が出る一方で、マレー語紙シナールハリアン電子版では、FASが自前のアカデミーを数年のうちに国内で最高のアカデミーとする抱負を述べていると報じています。
 FASのミハエル・フェイヒテンベイナーTD(テクニカルダイレクター)はシナールハリアンとのインタビューで、アカデミーでの選手の指導は短期間で結果が出るものではないとする一方で、新たに導入される選手の指導体系によって、数年後には変化の兆しが見えるようになるだろうと述べています。
 またスランゴールFCのBチーム、スランゴールFC IIの監督も務めるフェイヒテンベイナーTDは、スランゴールFC IIは選手育成に特化し、若い選手により多くの出場機会を与えたいとしています。
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 当初はスランゴールFC IIは外国籍選手を獲得せず、若手選手に出場機会を与えるとされていましたが、MFL2部から降格することになれば、高いレベルでの試合に出場する機会が減るとして、外国籍選手獲得可能性も示唆されています。クラブの目的が選手の育成なのか、MFL2部残留なのか、スランゴールFC IIが迷走しないか気になります。

12月27日のニュース:元パハンFAのラムダニはベルギーのクラブへ移籍、未払い給料に対するケランタンFAの対応を元選手が批判

元パハンFAのラムダニはベルギーのクラブへ移籍か
 今季2019年はマレーシアフットボールリーグMFL1部のパハンFAでプレーし、シーズン終了後に契約満了で退団したインドネシア代表のサディル・ラムダニにベルギー1部リーグの複数のクラブが関心を持っていると、インドネシアのスポーツ専門サイトインドスポーツドットコムが報じています。
 20歳のラムダニ選手は、今月初旬にフィリピンで開催された東南アジア競技大会通称シーゲームズの男子サッカーに出場したU22代表でも、インドネシアの3大会ぶりの銀メダル獲得に貢献するするなど活躍していました。
 来季2020年にMFL1部に昇格するサバFAが、インドネシアU22代表でアシスタントコーチを務めていたクルニアワン・ドゥイ・ユリアントを新監督に任命したことから、このラムダニ選手のサバFA加入の噂も上がっていましたが、どうやら来季のMFLでラムダニ選手を見ることはできなそうです。
 なおインドスポートドットコムによると、ラムダニ選手に興味を示しているクラブとして、日本のIT企業DMM.comが出資しシュミット・マイケル選手や鈴木優磨選手、伊藤達哉選手、さらにはベトナム代表のグエン・コン・フオンも所属するKシント=トロイデンVV、インドネシア系の母親を持つサンディ・ウォルシュが所属するSVズルテ・ワレヘム、JDT入りが噂れたディオン・コールズが所属するクラブ・ブルッヘなどが興味を示しているとしてます。

未払い給料に対するケランタンFAの対応を元選手が批判
 MFL2部のケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会KAFAは、来季のクラブライセンス資格審査取得の条件として、現在クラブが抱える未払い給料の支払い方法とその期限を明らかにすることが求められていますが、元ケランタンFAの選手で、現在は同じMFL2部のヌグリ・スンビランFAのキャプテンを務めるノーハフィズ・ザマニ・ミスバーは、KAFAの対応を非難していると
 2015年から2017年までケランタンFAでプレーしたノーハフィズ選手は、未払い給料が8万2000リンギ(およそ220万円)があるにもかかわらず、先月に突然、KAFAから1万5000リンギ(およそ40万円)が自身の銀行口座に振り込まれたとマレー語紙ハリアンメトロ電子版で述べています。
 本来ならば、マレーシアサッカー協会FAMの選手地位委員会が5月23日に下した裁定により、KAFAはノーハフィズ選手に30日以内に未払い給料を支払うことになっていましたが、ノーハフィズ選手が連絡を取ろうとするも何の音沙汰もなく、また減額交渉どころか分割払いの交渉すらされておらず、また今回の1万5000リンギについても事前に何の説明もなかったと話しています。
 ノーハフィズ選手は、何の説明もなしに振り込まれたこの1万5000リンギが、未払い給料を支払った証拠とKAFAに利用され、来季のクラブライセンス資格審査で使われては困るとして、翌日に返却したと話しています。
 FAMとMFLには、自分以外にも未払い給料問題を抱える選手がいる状況を理解した上で、KAFAに対して厳格な対応を求めています。
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 今季もシーズン途中で外国籍選手の大半と契約を解除するなど、ケランタンFAの運営方法に問題があったKAFAは、FIFAの裁定によりリーグ戦の勝点を剥奪(はくだつ)されるなど、満船的な問題を抱えているように見えます。また、数日前にはサッカー専門サイトのスムアニャボラではKAFAのU19チームの選手が過去5ヶ月間にわたって給料が払われていないことを伝えています。ケランタンFAは熱狂的なファンも多いチームですが、各クラブに健全経営を促す目的で経済コントロールプログラムECPを導入するMFLには、ノーハフィズ選手が指摘する通り、厳格な姿勢で未払い給料問題に対処するべきでしょう。


 

12月26日のニュース:AMD所属選手に「補償金」制度導入、スランゴールFC監督は「補償金」制度導入に反論、JDTオーナーが意味深なメッセージを公開

AMD所属選手に「補償金」制度導入
 モクター・ダハリアカデミーAMDは、マレーシア政府の青年スポーツ省傘下の国家スポーツ評議会MSNが運営し、国家サッカー選手養成プログラムNFDPの中核をなすエリート選手養成アカデミーです。
 今年11月のアジアサッカー連盟AFC U19選手権2020年大会予選を1位で突破し、本大会出場を決めたマレーシアU19代表は、このAMDの1期生が中心で構成されていました。その中には今月12月にフィリピンで開催された東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場したU22代表のメンバーに飛び級で招集されたルクマン・ハキムやウマル・ハキームもいます。
 そのAMDを運営するMSNのトップであるダト・アーマド・シャパウィ・イスマイル委員長が、今後AMDから選手を獲得を希望するクラブに対して「補償金」を請求する制度を発表したと、マレーシアの通信社ベルナマが報じました。
 これを支持する形で、マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、マレーシア14州のサッカー協会(州FA)やマレーシアフットボールリーグMFLの各クラブが自前のアカデミーを持てば、AMDは必要でなくなるとし、それが実現できていない現状で、AMDの存在はむしろ各クラブの負担を軽くする役割を果たしていることから、「補償金」請求は理にかなっていると述べています。
 さらに国際サッカー連盟FIFAが規定する最低2千米ドル(およそ22万円)という補償金の額についても、ラマリンガム事務局長は、AMDはエリート選手養成アカデミーであるため、利潤追求をしないまでも、育成にかかる費用に見合った金額を補償金額に設定し、それをAMDに還元するとしており、補償金額はFIFAの補償金額よりもはるかに高額になると話しています。

スランゴールFC監督は「補償金」制度に反論
 スランゴールFCのバスカラン・サティアナタン監督は、MSNが導入する「補償金」制度について反論していると、マレー語紙シナールハリアン電子版が伝えています。
 一部では20万マレーシアリンギ(およそ530万円)とされるAMD出身選手獲得の際の「補償金」制度導入について、サティアナタン監督は、設定する金額が高すぎることに選手の出場機会を奪いかねないと反論しています。
 マレーシアプロサッカーコーチ協会の会長でもあるサティアナタン監督は、AMDは国民の税金で運営されていること、またAMD出身の選手はマレーシア代表となってその育成費用や労力を国家に還元する可能性を持っているとし、もしMSNが利益を追求するのであれば、MSNを民営化し、FIFAの規格に合わせたものにするべきだとしています。
 その一方で州FAや各クラブがAMDの選手獲得に何万、何10万と費やす必要があるのであれば、自前のアカデミーを設立するべきだと述べる一方で、自分も税金を払っている国民の一人としてAMDの利益を享受する資格があるとも述べています。
 さらにMSNの言い分がまかり通れば、例えば、企業は自社に優秀な学生を送り込む高等教育機関に「補償金」を払う必要があることになるとし、高等教育機関の役割は国民に教育を提供するの役割であり、MSNはスポーツで同様の役割を果たすべきとしています。

JDTオーナーが意味深なメッセージを公開
 ジョホール・ダルル・タジムJDTのオーナー、ジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が自身のインスタグラムに意味深なメッセージを掲載したことで様々な憶測を呼んでいます。

 メリークリスマスのメッセージとともに、現在、JDTでプレーしていない5選手の名前を挙げていますが、その中には今季2019年はインドネシア1部リーグのペルセラ・ラモンガンに在籍したMF廣瀬慧(ひろせけい)選手や、今季はクダFAでプレーしたものの契約が更新されなかったスペイン人FWフェルナンド・ロドリゲスの名前が挙がっています。また数日前には来季2020年にはJDT IIに日本人とスペイン人が新加入するとトゥンク・イスマイル殿下自身が告知しており、この2選手がJDT IIの新戦力かも知れません。
 またこの他にはスランゴールFCのエンドリック・サントスやマシュー・デイヴィーズ、モハマドゥ・スマレ(いずれもパハンFA)の名も挙げており、来季ではなく2021年にJDTに加入する選手ではないかという予測も出ています。
 サッカー専門サイトのヴォケットFCでは廣瀬選手はペルセラ・ラモンガンとの契約を既に完了し、来季のJDT II加入の際の障害はないとしています。

12月23日のニュース:ドミニク・タンがJDT退団を発表→ポリス・テロFC完全移籍を発表、クダFAは開幕前の遠征でカンボジアへ

ドミニク・タンがJDT退団を発表
 ジョホール・ダルル・タジムJDTと言えば、マレーシアのサッカー選手ならば誰もがプレーしたいクラブだと思いますが、FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選や先日終了した東南アジア競技大会通称シーゲームズのU22代表でもプレーするドミニク・タンが自身のインスタグラムでJDT退団を発表しています。
 インスタグラム上では在籍した4年間をチームメートやファン、そしてオーナーとのTMJ子とジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下への感謝のメッセージを述べていますが、今後の所属先については述べていません。
 主にJDT IIでプレーしていた22歳のタン選手は、今季途中でタイ2部のポリス・テロFCへ期限つき移籍していましたが、出場機会は少なく、ポリス・テロFC自身はタイ2部リーグで準優勝し、来季2020年は1部リーグへ昇格することから、完全移籍も難しいだろうとされていました。マレーシアフットボールリーグMFL1部のクラブでプレーする噂も出ていますが、具体的なクラブ名は現時点では上がっていません。
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 シンガポール生まれながらマレーシア人両親を持つタン選手は、公称183cmとマレーシア人DFとしては高さがある選手で、フル代表のベテラン、アイディル・ザフアンの後継者と目され、これからが期待されるセンターバックです。MLF1部野田クラブでプレーすることはMFL最強の攻撃陣であるJDTを相手に回すことになるので、自身のキャリアアップとしては決して間違っていない選択だと思いたいです。

と、今朝方。ここまで下書きをしたのですが、続報です。
元JDTのドミニク・タンがポリス・テロFC完全移籍
 JDTを退団したマレーシア代表DFドミニク・タンが来季タイ1部リーグへ昇格するポリス・テロFCに完全移籍することが、ポリス・テロFCのFacebookで告知されています。契約期間は2年で、アジア選手枠での契約とされています。
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 U22/23代表ではキャプテンを務めるタン選手ですが、完全移籍、しかも2年契約という高い評価には正直驚きましたが、東南アジアトップクラスのリーグ、しかも1部リーグで主力選手となれば、さらなるステップアップも期待できます。なかなか国外でプレーするマレーシア人選手が出ない中で、後に続く選手が出るような活躍を期待したいと思います。
(写真はポリス・テロFCのFacebookより)

クダFAは開幕前の遠征でカンボジアへ
 マレー語紙シナルハリアン電子版は、クダFAが開幕前の遠征先にカンボジアを選んだと報じています。カンボジアでは開幕前のキャンプの他、地元クラブとの練習試合も予定されています。
 MFアミン・ナザリ(フィリピン、ラチャブリー・ミッポン FCより加入)、GKムハンマド・アズリ・ビン・アブドゥル・ガニ(フェルダ・ユナイテッドFCより加入)など総勢8名の新戦力が加入し、来季の布陣が揃ったクダFAですが、2月28日と発表された来季2020年のマレーシアフットボールリーグMFL開幕前にはアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLの予選プレーオフ、1月21日の香港リーグチャンピオンのタイ・ポーFC戦が控えていることから、今月初旬には既に来季へ向けて始動し、クダFAのプレジデントカップチーム(U21)などとも練習試合をこなしています。

12月21日のニュース:クラスニキはJDTに(やっぱり)加入、タム・シィアンツンはクダFAでの活躍を目指す、ミャンマーU22のスターにマレーシアやタイのクラブが触手

クラスニキ(やっぱり)JDTに加入
 マレーシアフットボールリーグMFL1部のジョホール・ダルル・タジムはFacebook上で、コソボ出身のリリドン・クラスニキのマレーシア人選手としての加入を発表しています。クダFAで4年間、マラッカ・ユナイテッドで1年間プレーしたクラスニキ選手は、FIFAの規定にある5年以上該当国で継続して居住することで帰化選手となることができる規定によりマレーシア人選手としての登録が可能とされており、マレーシアの国籍取得後はMFLではマレーシア人選手としてのプレーが可能です。
 過去数週間、JDTの練習施設で目撃されていたことから入団は秒読み段階と言われていましたが、やっぱりJDTに加入したようです。
 今季はMFL1部マラッカ・ユナイテッドでプレーしたクラスニキ選手は、開幕から6試合目に負傷し、それ以降は治療等でチームを離れ、今季終了後には契約満了で退団していました。昨季のクダFA退団の際、そして今季のマラッカ・ユナイテッドとの契約中に音信不通になるなど、悪い評判が立っていたクラスニキ選手について、JDTオーナーのジョホール皇太子トゥンク・イスマイル殿下は、練習中の態度を見る限りでは何の問題もないと述べており、クダFAで高い評価を受けていた頃のクラスニキ選手に戻ったのかも知れません。
 その一方で、やはり噂になっていた、マレーシア人の母親を持ちベルギーU21代表などの経験を持つディオン・コールズ(23歳、クラブ・ブルッヘ)について、トゥンク・イスマイル殿下は、世界でもトップクラスのベルギーでサッカーを続けてもらいたいとする一方、JDTの門戸はいつでも開いていると話しています。
 またトゥンク・イスマイル殿下は、JDTのBチーム、MFL2部に所属するJDT IIに日本人選手が加入予定であること、またJDTは来年2020年1月15日からドバイでキャンプを行うことなども併せて発表しています。
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 クラスニキ選手については、アジアサッカー連盟AFCの承認を得ることでマレーシア代表でのプレーも可能で、マレーシアサッカー協会FAMも来季ペラTBGでプレーするギリェルメ・デ・パウラとこのクラスニキ選手を帰化選手として登録したい意向を表明しています。

タム・シィアンツンはクダFAでの活躍を目指す
 東京でマレーシア料理店を営むマレーシア人の両親のもとに生まれたタム・シィアンツンは2009年、13歳のときにJリーグ2部(当時)の横浜FCのU15チームにスカウトされ入団しました。しかし初のマレーシア人Jリーガー誕生かと期待されたかつての天才少年も今年24歳になりました。英字紙ストレイトタイムズ電子版はこのタム選手が、クダFAと来季の契約を結んだことを報じています。
 横浜FCU15からサガン鳥栖、そして水戸ホーリーホックと移籍したタム選手は、移籍先でチャンスを掴むことができず、2013年には中国1部リーグの上海申花のリザーブチームに加入しました。また同年には東南アジア競技大会通称シーゲームズ出場のマレーシアU22代表候補合宿に招集されましたが、当時のオン・キムスイ監督はタム選手を最終メンバーには選びませんでした。
 上海申花退団後は日本へ戻り、アビスパ福岡、カターレ富山、ガイナーレ鳥取へと移籍するも、結局、日本でも中国でも思うような成績が残すことはできませんでした。
 2016年に両親の故郷マレーシアへ戻ったタム選手はマラッカ・ユナイテッドと契約しますが、満足する結果を残せないまま契約満了とともにD’ARワンダラーズ(MFL3部)へ移籍していました。
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 来季のクダFAはAFCチャンピオンズリーグACLの予選出場権を得たこともあり、クパ・シャーマン(PKNP FCより加入)、チェチェ・キプレ(トレンガヌFCより加入)攻撃陣を中心とした大型補強を行っており、タム選手が出場機会を得ることは容易ではなさそうです。
 東京育ちということで、家庭内では両親から中国語で話しかけられても日本語で返事をすることの方が多いというタム選手。このブログでは今後もその動向を追いかけてみたいと思います。

ミャンマーU22のスターにマレーシアやタイのクラブが触手
 今月12月初旬に開催された東南アジア競技大会シーゲームズで銅メダルを獲得したミャンマーU22の主力選手にマレーシアやタイのクラブが興味を示しているとミャンマーの英字紙ミャンマータイムズ電子版が伝えています。
 関心を集めているのはFWアウン・カウン・マン(21)で現在はエー・ユナイテッドFCに所属しており、マレーシアとタイのクラブからのオファーを検討中と報じられています。先日のシーゲームズでは、準優勝したインドネシア相手の準決勝や3位決定戦でのゴールを含む5ゴールを挙げ、ミャンマーの銅メダル獲得に貢献しています。
 但し、記事の中では自分のプレースタイルに合っているのはタイのサッカーだとして、マレーシアのクラブからのオファーを受けない可能性を示唆しており、MFLでカウン・マン選手を見る可能性は低そうです。
 なお同じミャンマーU22代表からは19歳のMFミャット・カウン・カン(ミャンマー1部リーグのヤダナボンFC所属)にもタイクラブからのオファーがあることも報じられています。

12月20日のニュース:N9とサバFAに新監督就任、ペラIIには元PKNP監督が就任、その一方でUITM FC監督が辞任

来季2020年のマレーシアフットボールリーグMFLの開幕は2月28日と発表になり、首脳陣が未定だったクラブが新監督の就任を発表しています。

ヌグリ・スンビランFAにはサザリ新監督就任
 マレーシアフットボールリーグMFL2部ヌグリ・スンビランFAは、サザリ・サイドン監督の就任をクラブの公式Facebookで発表しています。サザリ新監督は、今季2019年はプレジデントカップ(U22)チームの監督を務め、今季途中で解雇されたマット・ザン・マット・アリス監督を引き継いだザキ・シェイク・アーマド監督代行のアシスタントコーチも務めていました。
 また中武駿介選手、ともにブラジル出身のイゴール・ルイズとマテウス・ビーラの両選手の残留も発表になっています。

サバFAにはインドネシア出身のドゥイ・ユリアント監督が就任
 来季はMFL1部に昇格するサバFAは、現在インドネシアU23代表のアシスタントコーチを務めるクルニアワン・ドゥイ・ユリアント監督の就任を発表しています。
 MFLのインドネシア出身の監督は、2015年から2017年までTチーム(現トレンガヌFC II)を率いたラーマド・ダルマワン監督以来です。
 ドゥイ・ユリアント監督は、インドネシアサッカー界のレジェンドの一人で、先日引退を発表したバンバン・パムンカスに続くそれぞれ2位の代表キャップ数59とゴール数33という記録を持っています。
 また、現役時代にはサバ州の隣のサラワク州を拠点とするサラワクFA(現サラワク・ユナイテッド)で2005年から2006年までプレーし、31試合に出場し29ゴールを挙げています。
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 今季クラブをMFL2部優勝に導いたジェリアス・アティン前監督(来季はアシスタントコーチ)はMFL1部での指導に必要となるAFCプロライセンスを所持していないことから、新監督を探していたサバFA。この他にはU22/U23代表のオン・キムスイ監督などもサバFA新監督の候補に上がっていました。インドネシアではU23代表だけでなくフル代表でもアシスタントコーチを務めたドゥイ・ユリアント新監督は、コーチとしての経験はあっても監督しての経験は皆無ですので、思い切った人選であるのは事実です。

ペラIIには元PKNP監督が就任
 MFL2部に降格したPKNP FCは、そのままペラTBGのBチームであるペラIIとなりましたが、その監督にはPKNP FCのアブ・バカル・ハジム監督が就任すると英字紙スター電子版で伝えられています。
 現役時代はペラFAでプレーし、引退後、過去4年間のPKNP FC監督を含め、アブ・バカル監督は15年以上、ペラFAのアシスタントコーチや監督、またU19チームのコーチ、監督を務めており、今後もペラ州サッカー協会に関わっていけることを喜んでいると話しています。
 PKNP FCからは数名が残り、来季はペラFAのプレジデントカップ(U21)チームだけでなく元PKNP FCのプレジデントカップチームからも選手を獲得していと述べていますが、その一方で若手だけでなく、経験のある選手も必要と話し、カイルル・アシュラフ・サヒザン、アーマド・シュクリ・アブドラ(元PKNP FC)やハミズル・イザイディ(ペラTBG)らMFL経験者にも期待しているとも述べています。

その一方でUITM FCが辞任
 MFL1部のPKNS FCが今季終了後、スランゴールFCのBチームであるスランゴールFC IIとなりました。MFLの規定によりBチームはAチームと同じリーグでプレーすることができないため、スランゴールFC IIはMFL2部に降格となり、MFL1部のチーム数が11となったため、今季MFL2部5位のUITM FCがMFL1部へ昇格することになりました。
 しかしUniversiti Teknologi Maraマラ工科大学が母体のUITM FCは、運営資金の不足から来季のMFL1部を自校の大学生のみで戦う方針を発表し、これを受けてイスマイル・ザカリア監督がUITM FC監督を辞任したとスター電子版が伝えています。
 イスマイル監督は、来季もUITM FCがMFL2部でプレーするのであれば費用削減は理解できるとする一方、国内のトップリーグであるMFL1部でプレーするのであれば、それ相応の資金が必要であると経営陣に訴えたものの、JDT、スランゴールFC、クダFAなどと対戦するにもかかわらず費用削減を第一とする方針に同意できなかったことから辞任を選んだと話しています。
 UITM FCは来季の布陣や新戦力獲得などの告知は行われていませんが、イスマイル監督の後任には、元マレーシアU23代表監督のドイツ人フランク・バーンハート氏を候補としているという噂があります。
 イスマイル監督は、MFL2部のクラブから複数のオファーを受けているとし、自身の来季については近々発表すると述べています。

12月18日のニュース:JDTオーナーが大物外国籍選手獲得を示唆、サファウィ・ラシドにJクラブが興味、アキヤ・ラシドの私生活を案じる声

JDTオーナーが大物外国籍選手獲得を示唆
 今季2019年マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグ6連覇を果たしたジョホール・ダルル・タジムJDTのオーナーであるジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下が12月20日に重大発表があると述べたことで、JDTが大物外国籍選手を獲得するのでは、という噂になっています。
(以下、JDTのFacebookより、なおhrhとはHis Royal Highness「殿下」です」。)

 そしてその候補となっているのは、以前このブログでも取り上げたベルギー出身で各年代でもベルギー代表候補経験のある、ベルギーリーグ1部クラブ・ブルッヘ所属のDFディオン・ヨハン・コールズ(23)です。
 今季に続き、来季2020年もAFCチャンピオンズリーグACLの本選から出場するJDTは、今季ACLでの勝点4以上の成績を目指すための補強と思われます。
 ただし今季のJDTはDFハリス・ハルン(シンガポール)、MFゴンザロ・カブレラ、MFレアンドロ・ベラスケス(いずれもアルゼンチン)、FWジオゴ・ルイ・サント、DFマウリシオ・ドス・サントス・ナシメント(いずれもブラジル)と5名の外国籍選手枠が埋まっているため、コールズ選手の加入となると、この中から誰かが退団することになる可能性があります。
 ただし、コールズ選手は母親がマレーシア人で、サラワク州クチン生まれということもあり、開幕前にマレーシア人選手としての登録が完了すれば、MFLではマレーシア人枠での出場が可能です。ただし、その場合、マレーシアは二重国籍を認めていませんので、ベルギーの国籍を放棄する必要があります。

サファウィ・ラシドにJクラブが興味
 またJDTオーナーのトゥンク・イスマイル殿下はメディアとの懇談で、今季MFL最優秀選手となったサファウィ・ラシドについて、複数のJリーグクラブやスイスリーグ1部のクラブから照会が来ていると述べています。
 現在、マレーシア国内では最高の選手とも言えるサファウィ・ラシドに興味を示しているクラブとして具体的にFCチューリヒの名前を挙げていますが、他のスイスのクラブや、やはり具体的に名前を挙げなかったもののJリーグのクラブからも、英語はborrowという表現になっているので期限付き移籍の照会が来ているようです。
また同じJDTのアキヤ・ラシドにも同様の問い合わせがきているとも、イスマイル殿下は述べています。
 またイスマイル殿下は、サファウィ選手とは具体的な話は何もしておらず、まずは選手が国外への移籍に前向きかどうかを話し合いたいとも述べいます。
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 日本関連で言えば、J2ファジアーノ岡山に所属する19歳のハディ・ファイアッドは、今季2019年は4月29日10月14日育成マッチデーの2試合に出場しただけでしたが、スポンサーとなっているヤクルト・マレーシアのおかげで、来季の残留が決まったようです。しかしサファウィ選手の実力ならスポンサーなしでもJリーグのクラブは獲得に手を挙げるでしょう。国外移籍が実現するかどうかは、マレーシアではすでにスーパースターのサファウィ選手が、給料が下がっても国外でやりたいと思うのかどうかにかかっていると思います。

アキヤ・ラシドの私生活を案じる声
 マレー語サッカー専門サイトのラ・ボラ・マレーシアは、かつてクダFAやヌグリ・スンビランFAで監督を務めたアザアリ・コー・アブドラ氏がジョホール・ダルル・タジムJDTに所属する20歳のアキヤ・ラシドの将来を心配する声を挙げていることを報じています。
 今月初旬にU22代表のメンバーとして出場した東南アジア競技大会シーゲームズでも個人技に走りすぎて、チームに貢献していないという批判を浴びたアキヤ選手ですが、アザアリ氏はこのままではアキヤ選手が持っている才能をダメにしてしまうと心配しています。「アキヤ選手は才能があることから、最高の環境であるJDTでプレーする機会を得ているが、彼はその恵まれた機会を無駄にしている。さらには人間的に未熟で、プロサッカー選手としての自覚にも欠けている」と述べています。その上で、家族や友人がアキヤ選手を正しく導くことが必要だとしています。チーム内の競争も激しいJDTで今のような姿勢でプレーを続ければ、ポジションを失うどころか、退団の危機もあり、そうなればサッカー選手としての彼の人生にも影響が出るだろうと危惧しています。
 なおJDTのオーナーであるトゥンク・イスマイル殿下も今季中、クラブ規範を守らなかったこと、そしてクラブのイメージを損なう行為を行ったことで、アキヤ選手に対して何度か罰金を課したことを明らかにしています。
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 今回このような記事が出た背景には、ソーシャルメディア上に広まった一枚の写真があります。お騒がせ系女優で歌手のエイカ・ファルハナと親しげな様子で撮られた写真は、シーゲームズで期待を裏切る惨敗の直後だったこともあり、期待以下のパフォーマンスに落胆してイアサッカーファンの怒りを買い、あっという間に炎上しました。しかもその写真にはU19代表から飛び級で昇格し、来季はベルギー1部でプレーする予定の17歳ルクマン・ハキムも一緒に写っていたことから、将来有望なルクマン選手にアキヤ選手の「悪影響」が伝わるのではないかと心配するファンがさらに炎上させる状況になってしまいました。
 プロのサッカー選手が休暇を過ごすことも、女優と浮名を流すことも(イスラム教国なので婚前交渉厳禁ですが)何も問題はないですが、時期が悪かったことと、アキヤ選手がファンの期待通りのプレーをできていないことでこんな騒ぎになったと言えるでしょう。

12月17日のニュース:スランゴールFCのサードジャージが大人気、スランゴールFA IIは外国籍選手加入を否定せず、スランゴールFCがアジアチャレンジ2020を開催、KLFAはM3リーグでプレーするBチーム設立を検討

スランゴールFCのサードジャージが大人気
 スランゴールFC(スランゴールFAから名称変更)のサードジャージが大人気となっていると、マレー語紙ブリタハリアン電子版が伝えています。
 12月14日にホームのシャーアラムスタジアムで行われたスランゴールフットボールデー2019の席上でお披露目されたスペインのメーカー、ホマ社製サードジャージは上下、ソックスとも黒一色。しかも限定2000着となれば、マレーシア語で言うところの「揚げたてのゴレン・ピサンのように」よく売れているようです。(ゴレン・ピサンとは、マレーシアで好まれるバナナフリッター。写真下)

 胸スポンサーは、スランゴールFCのBチームとなってしまったPKNS FCの親会社PKNS(スランゴール州開発公社)が採用されているのは皮肉ですが、このスポンサー名は暗闇で光る仕様に、また背番号と選手名は白地になっています。
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 2019/2020年シーズンに創立100周年を記念して作られたボルシア・ドルトムントのパクリでは、などといった声もソーシャルメディア上で出ていますが、カッコ良いので細かなことは気にしません。ちなみに価格はサポーター使用、選手仕様ともに119リンギ(およそ3150円)となっています。

スランゴールFC IIは外国籍選手加入を否定せず
 MFL1部のPKNS FCを、同じMFL1部のスランゴールFA(現スランゴールFC)が吸収合併してBチーム化したスランゴールFC IIは、若い選手に出場機会を与えるというBチーム本来の目的を果たすため、来季2020年は外国籍選手とは契約しないとしていましたが、スランゴールFCとスランゴールFC IIを統括するスランゴール州サッカー協会のジョハン・カマル・ハミドン事務局長は、MFL3部のM3リーグ降格の可能性がある場合には外国籍選手の獲得には躊躇(ちゅうちょ)しないと発言していると、マレー語紙シナルハリアン電子版が伝えています。
 外国籍選手との契約は、スランゴールFC IIのテクニカルダイレクターも兼任するドイツ人のミハエル・フェイヒテンベイナー新監督が必要とする場合に限るとしながらも、ジョハン・カマル事務局長は、スランゴールFC IIがM3に降格すれば、若手選手を高いレベルのリーグに参加させるというBチーム本来の目的を果たせないとして、当初の発言を翻しています。
 なお、同じ記事の中では、スランゴールFC IIの新監督が決定したことにより、PKNS FCのクリシュナサミ・ラヤゴパル監督との契約は解除となったことや、PKNS FCと契約が残っている選手はスランゴールFCでプレーすることなども合わせて報じられています。

スランゴールFCがアジアチャレンジ2020を開催
 この他のスランゴールFC関連のニュースとしては、来年2020年1月18日と19日の日程で、東南アジアの4クラブによるアジアチャレンジ2020と称する大会をがホームのシャーアラムスタジアムで開催されることも発表されています。今季MFL3位のスランゴールFCが主催する大会に参加予定のクラブは、ハノイFC(ベトナム、今季ベトナム1部リーグ優勝)、バンコク・ユナイテッド(タイ、同準優勝)、ペルシブ・バンドンFC(インドネシア、同7位)の3クラブです。
 スランゴール州サッカー協会のジョハン・カマル事務局長は、プレーシーズンマッチとしてだけでなく、アジアを目指すスランゴールFCが近隣諸国の強豪と対戦することで存在感を示すことが目的とていること、またこの大会では各クラブとも2試合ずつを行い、優勝クラブには賞金としては1万米ドルが与えられるとGoal. comの取材に答えています。
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 ブレンダン・ガン(ペラTBGより移籍)、サフワン・バハルディン(パハンFAより移籍)、ニコラス・スウィラッド(PKNS FCより移籍)などを獲得し、来季の優勝候補の一つに躍り出た新生スランゴールFCのお披露目となる大会ですが、個人的には、ブリーラム・ユナイテッドから元日本代表の細貝萌選手が移籍したことで話題になっているバンコク・ユナイテッドとの対戦が注目カードです。

KLFAはM3リーグでプレーするBチーム設立を検討
 来季はスランゴールFC IIとペラTBG IIが参加するMFL2部。既存のJDT IIとトレンガヌFC IIと合わせ、リーグ所属12チーム中4チームがBチームという少々不思議なリーグになっていますが、今季からこのMFL2部でプレーするクアラルンプールFA(KLFA)は、MFL3部にあたるM3リーグにBチーム設立を検討していると、マレー語紙ハリアンメトロ電子版が伝えています。
 今季MFL1部で最下位12位となり、MFL2部に自動降格となったKLFAは、2021年のMFL1部復帰を目指していますが、それとは別に若手選手の出場機会を増やすためのBチーム設立を検討していることを、クアラルンプールサッカー協会のノクマン・ムスタファ事務局長が明らかにしています。ムスタファ事務局長は、これまでの移籍選手に依存したチーム強化から、自らの下部組織出身の選手を育てることに注力したいと述べ、U19やU21チームの選手がAチーム入りするための準備として、出場機会のない若い選手たちにより多くの実戦経験を積ませたいとしています。
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 地元KL出身のKLFAの選手で代表チームに招集されたのは、今回のシーゲームズのU22代表にオーバーエイジ枠で招集されたイルファン・ザカリアが8年ぶりとなるほど(しかしイルファン選手も来季はクダFAでプレー)、KLFAには地元出身の有力選手が枯渇しています。今季フル代表に招集されたハディン・アズマン(クダFA)、ダニアル・アミール(フェルダ・ユナイテッド)やコギレスワラン・ラジ、ディネシュ・ラジャシンガム(いずれもパハンFA)などKL出身の有力選手は決して少なくはありませんが、KLFAを統括するクアラルンプールサッカー協会が人材流失を防ぐ努力をしてこなかった結果、地元に有力選手が残らず、KLFAもMFL2部で戦うことになったと言えるかも知れません。

12月16日のニュース:クダFAは5人目の外国籍選手加入が決定-杉本選手加入は噂止まり、トレンガヌFCも5人の外国籍選手枠が埋まる、鈴木ブルーノ選手はトレンガヌFCII残留が決まる

クダFAは5人目の外国籍選手加入が決定-杉本選手加入は噂止まり
 マレーシアフットボールリーグMFL1部クダFAはFacebookで、今季2019年はタイリーグのラーチャブリーFCでプレーしたフィリピン代表のMFアミン・ナザリの加入を発表しています。スウェーデン生まれながらイラン人とフィリピン人の両親を持つアミン選手は、スウェーデンU17代表などを経て、フィリピン代表としてのプレー経験もあります。
 アミン選手の加入により、今季2019年在籍したDFレナン・アウヴェス(ブラジル)とDFシャキール・ハムザ(シンガポール)、新規加入のFWチェチェ・キプレ(コートジボアール、トレンガヌFCより加入)とFWクパー・シャーマン(リベリア、PKNS FCより加入)と合わせてクダFAは来季2020年シーズンの外国籍選手枠5名が全て埋まり、このブログでも取り上げた浦和レッズの杉本健勇選手のクダFA加入は、結局、噂止まりとなりました。なおアミン選手はアジア選手枠での契約となっています。

トレンガヌFCも5人の外国籍選手枠が埋まる
 MFL1部のトレンガヌFCはFacebookで、セネガル出身のDFババカル・ディアロがフィンランド1部リーグのクオピオン・パロセウラから加入することを発表しています。
 ディアロ選手の他、同じく新加入となるFWファリス・ラムリ(シンガポール、ホウガン・ユナイテッドFCより加入)、FWドミニク・ダ・シルヴァ(モーリタニア、サイゴンFCより加入)、そして今季キャプテンを務めたFWリー・タック(イギリス)、2年目となるMFサンジャル・シャアフメドフ(ウズベキスタン)とともにトレンガヌFCも来季の5人の外国籍選手枠が全て埋まっています。

鈴木ブルーノ選手はトレンガヌFCII残留が決まる
 スポーツ専門サイトスアジアムアストロでは、MFL2部トレンガヌFC IIがFW鈴木ブルーノ選手との契約延長を発表したと報じています。
 今季終了後、鈴木選手はトレンガヌFCIIのAチームであるトレンガヌFCのバングラディシュ遠征に参加したにも関わらず、契約延長されないという話が出ていましたが、ここにきて急転直下、来季もトレンガヌFC IIでプレーすることになりました。また同じくバングラディシュ遠征に参加したMFマルセル・ングウェッセン(コートジボアール)も契約延長で合意したと発表された他、今季はMFL2部PDRM FCでプレーしたDFアルグジム・レゾヴィッチ(モンテネグロ)、FWジョーダン・ミンター(ガーナ、フィリピン1部カヤFCより加入)の2選手の加入も発表されており、トレンガヌFC IIの4人の外国籍選手枠は全て埋まりました。
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 今季終了後、自身のインスタグラムで退団を発表していた鈴木選手でしたが、来季からトレンガヌFCIIの指揮を取るロシャディ・ワハブ監督自身は、今季トレンガヌFC IIの得点王でもあった鈴木選手の安定した力を高く評価した上で、来季も残留を望む発言を繰り返していたので、結局、無事残留となりました。(写真は鈴木選手のトレンガヌFC II残留を伝えるトレンガヌFCのホームページより)