5月6日のニュース<br>代表FWアキヤ・ラシドが強盗傷害事件の被害者に<br>さらに代表FWファイサル・ハリムは酸攻撃を受ける<br>スランゴールはヨルダンU23代表キャプテンを移籍期限最終日獲得<br>ジョホールは開幕直前に期限付き移籍中のGKイズハムをスリ・パハンから呼び戻す

ゴールデンウィークの日本から来客があり、ここ数日は運転手兼観光ガイドに忙しく久しく更新できていませんでしたが、その間にマレーシアサッカー界を揺るがす事件が起こりました。今季2024/25シーズン開幕まであと5日を切ったこの時期に起こった事件はいずれも代表選手が襲われるという衝撃的なもので、シーズン前の盛り上がりに水を差すだけでなく、来月の代表戦での両選手の招集にも影響が出る可能性がありますが、なによりもまずは理不尽な攻撃を受けた両選手の早い回復を祈ります。

代表FWアキヤ・ラシドが強盗傷害事件の被害者に

複数のメディアがトレンガヌFCに所属する代表FWアキヤ・ラシドが強盗被害に遭い、病院で治療を受けたと報じています。

ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)から期限付きでトレンガヌFCに移籍しているアキヤ・ラシドは5月2日の午後8時30分ごろ、練習を終えた後、トレンガヌ州クアラ・トレンガヌの自宅コンドミニアム戻り、車から降りたところを強盗に襲われたということです。またその際には、現金5,000リンギ(およそ160,000円)が入った財布と携帯電話を奪われた上、暴行を受け、その際には頭を4針、左足を2針縫うケガも負ったということです。なお、アキヤ選手は前日に25歳の誕生日を祝ったばかりでした。

昨日5月5日に会見したクアラ・トレンガヌ地区警察署のアズリ・モハマド・ノール所長は、被害にあったアキヤ選手の証言から、今回の犯行はマスクとフード付きパーカーで顔を隠した複数人が金属の棒状のものを使って犯行に及んだとしており、付近のCCTVの映像を調べる他、特別捜査チームを作って容疑者を捜索していると説明しています。

さらに代表FWファイサル・ハリムは酸攻撃を受ける

アキヤ選手の強盗事件からわずか3日後の5月5日に、今度は代表FWファイサル・ハリムが酸をかけられるアシッドアタック(酸攻撃)を受け、首から肩、さらに腕にかけての数カ所に火傷を追ったことを複数メディアで報じられています。

スランゴールFCでプレーするファイサル選手は5月5日の午後、家族とスランゴール州コタ・ダマンサラ近郊のショッピングモールを訪れてゴーカートを楽しんだ後で、このアシッドアタックにあったということです。事件後に近隣の病院で診断と治療を受けた結果、「皮膚の水膨れと真皮の表面的な破壊を引き起こす」火傷2度(Second degree burn)と診断されたということですが、命に別状はないそうです。

スランゴール州警察本部のフセイン・オマル本部長も会見を開き、事件の経緯を説明した上で、犯人の捜索が続いているとしていますが、別の報道では犯人は2人組でファイサル選手にバイクで近づき、酸をかけた後そのまま逃走したということですが、CCTVに残った記録映像から割り出されたバイクのナンバーは偽造で、バイク自体も盗まれたものだと考えられているようです。

スランゴールはヨルダンU23代表キャプテンを移籍期限最終日獲得

今季2024/25シーズン1回目のトランスファーウィンドウは5月4日に閉じましたが、昨季2位のスランゴールFCはその直前にヨルダンU23代表FWレジク・バニ・ハニがヨルダン1部のアル・ファイサリーSCから加入したことを公式サイトで発表しています。

先月のAFC U23アジアカップではヨルダンU23代表キャプテンも務めたレジク選手は22歳で、ヨルダンU16、U17、U19の年代別代表でもプレー経験がある他、昨季のACLでも6試合に出場し、2ゴール2アシストの記録を残しています。ACL経験のあるレジク選手の加入は、リーグ戦へ向けてのチーム強化になるだけでなく、今季ACL2に出場するスランゴールにとって重要な補強となりそうです。

ジョホールは開幕直前に期限付き移籍中のGKイズハムをスリ・パハンから呼び戻す

契約とはいえ、道義的に問題ないのだろうか。

昨季5位のスリ・パハンFCは、リーグ10連覇中のジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)から期限付き移籍中だったGKイズハム・タルミジがJDTの要望により移籍期限を終了して退団することを公式SNSで発表しています。

昨季は26試合中19試合に出場し、今季もプレシーズンマッチにも出場していた33歳と経験豊富なイズハム選手の突然の離脱はスリ・パハンFCには大きな痛手となりそうです。JDTにも控えGKで元代表正GKのファリザル・マーリアスの負傷という事情があるにせよ、開幕まで10日を切ってから正GKの離脱はスリ・パハンFCにとっては、チーム編成に関わる問題です。代わりのGKとして、かつてスリ・パハンFCでプレーしてた24歳のGKシャズミン・ロザイミを期限付き移籍で獲得していますが、昨季はトップチームでの出場がなく、イズハム選手の穴を埋めるには不十分な成績です。

スリ・パハンFCはファンディ・アフマド監督の母国シンガポールからイズワン・マフブト(ライオン・シティー・セイラーズFC)の獲得を目指したようでしたが、実現せず、さらにウズベキスタン出身のGK獲得に動いたと報じられていますが、こちらも実現しませんでした。