Mリーグ再開!第5節前の未消化試合 1部スーパーリーグ第4節1試合結果および2部プレミアリーグ第2節1試合結果

 3月16日より中断していたMリーグが再開しました。本日8月22日(土)の試合は、3月15日(日)に予定されていながら順延されていた1部スーパーリーグ第4節のPJシティFC対トレンガヌFC戦と、3月7日(土)に試合直後に雷雨のため順延となった2部スーパーリーグ第2節のUKM FC対ケランタンFAの2試合が行われました。以下結果です。
(ホームチームが左側です。)

8月22日(土)
MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティFC 0-2 トレンガヌFC
得点者:トレンガヌ-ドミニク・ダ・シルヴァ2(30分、72分)
 リーグ中断前までの3試合で4ゴールを挙げ、得点王争いのトップに立っていたドミニク・ダ・シルヴァがこの試合でも2ゴールを挙げ、トレンガヌFCが快勝しています。
 この結果、トレンガヌFCは2勝1分1敗の勝点7で8位から3位に浮上、一方のPJシティFCは1勝1分2敗の勝点4となり10位のままです。

MPSスタジアム(スランゴール州スラヤン)
UKM FC 1-5 ケランタンFA
得点者:UKM-アカニ・サンデイ(45分+2分PK)、ケランタン-ハキム・アブドラ3(27分、53分、89分)、フェリックス・チディ2(66分、80分)
 報道によると厳しい財政状況により、本拠地のケランタン州コタバルから8時間かけてバスで移動してきたというケランタンFAが、ハキム・アブドラのハットトリックを含む5ゴールでUKM FCに圧勝し、2勝1分1敗の勝点4(ケランタンFAは、未払い給料問題により勝点3を剥奪されています。)10位から7位と一気に順位を上げています。4月から選手への給料が未払いとなっていることが報じられているケランタンFAは、ケガで主将のナズリ・ナフィを欠き、遠征メンバーも19人ながら、闘争心は失っていないことを結果で示しました。
 また、この試合でハットトリックを達成したハキム・アブドラは本来はプレジデントカップ(U21)チームの選手ということですが、今季のプレジデントカップは新型コロナの影響で中止になっており、災い転じて福となす、と言ったところでしょうか。
 一方のUKM FCは7位から順位を一つ下げて8位となっています。
 なおケランタンFAのDF渡邉将基選手は、スタメンでフル出場していますが、74分にイエローカードを出されています。
(写真はケランタンFAの公式Facebookより。写真一番左側がハットトリックを決めたハキム・アブドラ選手)

8月22日のニュース:いよいよMリーグが再開!(とは言っても中断前の未消化試合2試合ですが)

 本日8月22日には、Mリーグ1部スーパーリーグと2部プレミアリーグでそれぞれ1試合が開催されます。
 スーパーリーグは3月15日の第4節に予定されながら順延となっていたPJシティFC対トレンガヌFCの試合がPJシティFCの本拠地MBPJスタジアムで午後9時から行われます。この試合は試合当日の3月15日にMPPJスタジアムが改修工事中で使用できず、またその代替試合会場をPJシティFCが用意できなかったことにより順延されています。なお、PJシティFCはこの不手際により、Mリーグを主催するマレーシアフットボールMFLより3万リンギ(およそ76万円)の制裁金を課されています。
 ホームのPJシティFCは3月18日のリーグ中断まで1勝1分1敗の10位につけています。以下はMFLがリーグ再開を前に作成したチーム紹介用インフォグラフィックです。表記は全てマレーシア語ですが、クラブ名PJ CITY FCの下には本拠地のMBPJスタジアム(表記はSTADIUM MAJILIS BANDARAYA PETALING JAYA)、右側にチームロゴとホームユニフォームが、中央左には監督(Ketua Jurulatih)のデヴァン・クップサミー監督の顔写真と2020年スーパーリーグ1部での順位(KEDUDUKAN CIMB LIGA SUPER 2020、CIMBはリーグの冠スポンサーになっている金融グループの名前です)と試合結果(KEPUTASAN CIMB LIGA SUPER 2020)、さらに主将(Ketua Pasukan)のグルサミー・カンダサミーの紹介、そしてここまでのチーム得点者(Penjaring Pasukan)はデンバ・カマラ選手や他の上位得点者が紹介されています。

 対戦相手のトレンガヌFCはPJシティFC同様に1勝1分1敗で得失差もー1と同じですが、総得点が8とPJシティFCの4より多いことから、ここまでの順位は8位となっています。なおチーム得点王のドミニク・ダ・シルヴァ選手は、ここまでリーグの得点王でもあります。

 一方、Mリーグ2部プレミアリーグは、3月7日の第2節に雷雨のため試合開始直後に中止となったUKM FC対ケランタンFAの試合がUKM FCの本拠地MPSスタジアムで午後4時45分から行われます。ちなみにこの中途半端な試合開始時間の理由は、MPSスタジアムがMFLが規定する明るさの照明設備を備えていないことに加え、イスラム教の日没時のお祈りの時間がマレー半島では午後7時30分少し前であることから、試合がその時間にかからないよう設定されていることによります。

 ホームのUKM FCはマレーシア国立大学UKMの学生とプロ選手からなるクラブチームで。リーグ中断までの3試合を1勝1分1敗の勝点4ながら、昨季2019年シーズン優勝のJDT IIと引き分けるなど検討しています。

 対戦相手のケランタンFAはこのブログでも何度も取り上げたように、過去数ヶ月間の給料が未払いとなっているだけでなく、過去に在籍した選手への未払い給料問題が解決していないことからFIFAの制裁を受け、今季の勝点3が剥奪されています。このためリーグ中断までの3試合は1勝1分1敗で本来なら勝点4となるはずですが、剥奪の結果、勝点1となっています。
 また、開幕前に契約していたユニフォームの胸スポンサーも撤退して、リーグ再開後は新たなデザインのユニフォームで臨むなどバタバタが続いています。下のユニフォームは今季開幕時のもので、本日8月22日の試合はこれとは別のユニフォームを着用します。
 なおケランタンFAには日本人の渡邉将基選手も在籍しています。

 ケランタンFAにとって朗報なのは、今季はMリーグ2部と3部の入れ替え戦が廃止となったことです。新型コロナウィルスの影響で今季のMリーグ3部、M3リーグは中止が決定していることから、2部からの降格がないことがMFLより発表されています。
 勝点3を剥奪され、降格権に限りなく近づいていたケランタンFAですが、その降格がなくなったことから、失うものが何もなくなった結果の開き直りの底力に期待がかかります。これで上位5チームまでに与えられるマレーシアカップへの出場権を獲得できれば、言うことなし、といったところでしょう。

8月18日のニュース:FAM-サバ州FAは民営化手続きを始めている、ケランタン州FAはニック・アキフの放出も検討

FAM-サバ州FAは民営化手続きを始めている
 昨日8月17日のこのブログでは、マレーシアサッカー協会FAMが民営化手続きを始めていないクラブがMリーグ1部で2チーム、2部で1チームあると発表した記事を取り上げ、噂では1部のクラブはサバFAとPDRM FC、2部はUKM FCがこの3クラブだと書きました。
 しかしサッカー専門サイトのサッカートライブによると、サバ州サッカー協会(サバ州FA)は運営するMリーグ1部のサバFAの民営化手続きに着手しているとFAMのスチュアート・ラマリンガン事務局長が述べています。
「サバ州FAは、運営クラブの民営化に着手していない州FAの一つではない。ただし、サバ州政府内の政変により州議会が解散しており、このため民営化手続きに必要な承認が州政府から得られず、その進行に遅れが出ているというの事実である。なお、民営化の期限は9月30日ではあるが、FAMはサバFAの民営化手続きの完了を支援することを確約する。」
 その一方でスチュアート事務局長は、今回の手続きの遅れはクラブが州FAから独立していないこと、そして州FAが州政府に依存していることが原因だとして、改めてMリーグクラブの州FAからの独立と民営化の必要性を訴えています。

ケランタン州FAはニック・アキフの放出も検討
 Mリーグ2部ケランタンFAのMFニック・アキフ・シャヒラン・ニック・マットは、U19やU23代表でもプレー経験があるチームでもトップの若手有望株ですが、この21歳の攻撃的ミッドフィルダーがクラブを運営するケランタン州サッカー協会(ケランタン州FA)の苦しい財政状況から放出される可能性があると、マレーシア語紙コスモ電子版が報じています。
 ケランタン州FAの苦しい財政状況は、在籍選手やスタッフだけでなく、かつて在籍した選手やスタッフに対しても未払い給料があることなどを、このブログでも何度も取り上げています。この状況に対して、クラブの買収を希望する声が複数の企業や個人から挙がる一方で、現在抱えている未払い給料の問題を解決しなければ、来季は現在のMリーグ2部からセミプロリーグの3部、M3リーグへの降格処分を受ける可能性があります。そんな中でケランタン州FAのフシン・デラマン事務局長は、他のMリーグクラブからのケランタンFA在籍選手獲得の打診について話を聞く用意があるとしています。
 「ケランタンFAの有望な若手選手の多くが2021年まで契約が残っているが、ケランタン州FAはそう言った選手の獲得を希望するクラブがあれば話を聞く用意がある。特にニック・アキフに関心があるクラブが複数あることは理解しており、そう言ったクラブは、他の若手選手よりも高額の100万リンギ(およそ2520万円)の契約解除違約金がニック・アキフに設定されていることを理解してもらいたい。」
 ケランタン州FAは600万リンギ(およそ1億5100万円)を超える負債があるとされており、この負債には今年3月半ばから選手やスタッフに支払われていないとされる未払い給料は含まれていないということです。
 なお、ケランタンFAには、ニック・アキフ選手以外にもMFダニアル・アシュラフ、FWニック・アズリ、FWアフィク・サルディン、FWカイルル・リザムなど年代別代表でのプレー経験がある20代前半の選手が複数おり、クラブの存続のためにはニック・アキフ選手以外にも多くの若手を放出せざるを得ない可能性があると、コスモの記事は結んでいます。

8月17日のニュース:リーグ再開を前にケランタンFAが新ユニフォーム発表、来季のMリーグは参加クラブ数減少の可能性も、FAM-サポーターが株式を持つクラブ民営化方法を否定しない

リーグ再開を前にケランタンFAが新ユニフォーム発表
 Mリーグ2部ケランタンFAの公式Facebookでは、リーグ再開後に着用される新しいユニフォームが発表されています。
 中断中とは言え、シーズン途中での新たなユニフォームの発表は異例ですが、これは中断期間中のユニフォームの胸スポンサー撤退したことが原因です。
 新ユニフォーム披露のイベントでは、ケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会のシャアリ・マット・ハサン会長が見守る中、新たな胸スポンサーとなったステックマッド社のルス・ファイザン・モハマド代表取締役から、ケランタンFAのチームマネージャーであるアズマン・イスマイル氏に新しい胸スポンサーのロゴがついたユニフォームが授与されました。
 5月下旬にケランタンFAの実質的な運営を行なってるザレッドウォリアー社(TRW社)の社長で、TRW社の株式の80%を所有するアフターイメージ社のワン・ラケミ・ワン・ザハリ社長が辞任し、同時に胸スポンサーであったアフターイメージ社はケランタン州サッカー協会とのパートナー契約を打ち切っており、ケランタン州サッカー協会にとってリーグ再開を前に新たなスポンサー探しが急務となっていました。
 ケランタン州サッカー協会のスポンサー委員会のアーマド・ムザッキル・ハミド委員長は、ステックマット社との契約は2021年まで合意されており、ケランタン州サッカー協会が運営するケランタンFAの他、U21チーム、U19チーム、フットサルチームなど全てのチームがこのスポンサーの対象となるということですが、最終的なスポンサー料については現在も交渉中であるとしています。

来季のMリーグは参加クラブ数減少の可能性も
 このブログで何度も取り上げているMリーグクラブの民営化について、9月30日に設定されている期限までにMリーグ1部と2部の全てのクラブの民営化手続きが完了しない場合、来季2021年シーズンはMリーグに参加するクラブ数が減少する恐れがありそうだと、マレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 現在はMリーグ1部、2部とも12チームで構成されていますが、9月30日までに民営化手続きが完了していない1部と2部のチームに対しては、FAMは来季のクラブライセンスを発給しないとしており、クラブライセンスが発給されないクラブは、Mリーグ3部にあたるセミプロリーグのM3リーグに降格となります。
 スチュアート事務局長は「クラブライセンスを発給されないクラブが出た場合の最終的な決定はMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLに委ねられており、12チームより少ないチーム数でリーグを開催するか、下部リーグからチームを昇格させて12チームに調整するかのいずれにしてもMFL次第である。」と話しています。
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 別の記事では、スチュアートFAM事務局長は、現時点でMリーグ1部の2チームと2部の1チームが民営化手続きに全く着手していないことを明らかにしています。スチュアート事務局長は具体的なチーム名は明かさなかったものの、これまでの経緯から1部の2チームはサバFAとPDRM FC、2部の1チームはUKM FCではないかと疑われています。

FAM-サポーターが株式を持つクラブ民営化方法を否定しない
 マレーシアサッカー協会FAMは、各州サッカー協会(州FA)が民営化を行う方法として、サポーターに株式の一部を与えて共同オーナーとすることには反対しないことを表明しています。
 ブリタハリアンによると、スチュアート・ラマリンガム事務局長はサポーターが共同オーナーとなる案についてこれを支持する立場を表明する一方で、共同オーナーとなるサポーターはその際に発生する義務も同時に理解する必要があるとしています。
 「あるクラブがサポータークラブなどを通じ、そのメンバーから共同オーナーとして出資者を募ることには何ら問題はなく、共同オーナーとなったサポーターの代表者がクラブの経営者会議に出席することも可能である。しかし、共同オーナーは出資者、つまり株主でもあるので株主責任を負うことも理解しておくことが必要である。」と話しています。
 またスチュアート事務局長は、州FAが独立して民営化されたクラブを所有すること希望する場合には、州FAがクラブを運営する株式会社を設立し、その会社を所轄官庁であるマレーシア会社登録委員会SSMに登録することにより可能になると話しています。ただしその際には、州FAの関係者がクラブ運営会社に直接関わることはできず、外部の人間を代表取締役に指名し、州FAとクラブがそれぞれ別の経営陣によって運営される形にする必要があるとしています。

8月11日のニュース:来季は複数のMリーグクラブに新たなオーナーが誕生か、ケランタンFA買収に投資家が名乗りを上げる、スランゴールFCとパハンFAは民営化後は共に皇族がクラブのトップに

来季は複数のMリーグクラブに新たなオーナーが誕生か
 マレーシアサッカー協会FAMは、国内リーグMリーグ1部と2部の全てのクラブに対して9月30日までに州サッカー協会(州FA)から独立した民営化クラブとなることを求めていますが、未払い給料問題を抱えるクラブが複数あり、その前途は多難かと思いきや、マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版によると、Mリーグクラブ買収に関心がある企業や個人が一定数おり、そういった中から新たなオーナーが誕生する可能性もあるようです。
 Mリーグ1部ではペラTBGの他、クダFAやマラッカ・ユナイテッドといった数百万リンギを超える未払い給料を含めた負債を抱えるクラブや、やはり未払い給料が問題となっているMリーグ2部のケランタンFA、ペナンFAの他、クアラルンプールFAなども買収の対象となっているようです。
 この報道を裏付けるように、ケランタンFAを運営するケランタン州FAのフシン・デラマン事務局長は外国企業による買収の問い合わせを受けたことを明かし、未払い給料問題を抱えるクラブであっても、買収対象として関心を持たれていることに驚いたと話しています。
 またペラTBGを運営するペラ州FAのモハマド・アズリン・モハマド・ナズリ名誉事務局長も同様の問い合わせを受けていると話す一方、クアラルンプールFAのノクマン・ムスタファ事務局長は個人の資産家から調査を受けたことを明かしています。
 なお、イツのサッカー情報サイトトランスファマルクトによると上記の各クラブの資産価値は、Mリーグ1部のクダFAが2000万リンギ(およそ5億500万円)、マラッカ・ユナイテッドが1930万リンギ(およそ4億8700万円)、ペラTBGが1650万リンギ(およそ4億1600万円)、Mリーグ2部のクアラルンプールFAが1090万リンギ(およそ2億7500万円)、ペナンFAが840万リンギ(およそ2億1200万円)そしてケランタンFAが360万リンギ(およそ9080万円)となっています。

ケランタンFA買収に投資家が名乗りを上げる
 上の記事と関連して同じハリアンメトロは、Mリーグ2部ケランタンFAの買収に投資家のノリザム・トゥキマン氏が名乗りを挙げていると報じています。
 U19代表候補のワン・クザインの父親であるアメリカ在住の大学教諭ワン・カマル・ワン・ナピが買収から手を引く一方で、ケランタン州FAはこのノリザム氏と交渉を行い、既に同意書にサインする寸前まで話が進んでいるということです。
 ケランタン州FAのフシン・デラマン事務局長によれば、ノリザム氏はケランタンFAの再生計画なども明かし、ここまでの話し合いは順調に進んでいるということで、今後は詳細を詰めた後に、公式な契約にサインされる予定であると話しています。

スランゴールFCとパハンFAは民営化後は共に皇族がクラブのトップに
 Mリーグクラブ民営化関連では、共にMリーグ1部のスランゴールFCとパハンFAが共に皇族がクラブのトップとなりそうだと、ハリアンメトロが報じています。
 スランゴールFCが民営化される際には、スランゴール州皇太子のトゥンク・アミル・シャア・スルタン・サラフディン・イドリス・シャア殿下を筆頭株主とし、これにスランゴール州FAも一部株式を保有する他、スランゴール州の機関であるスランゴール開発公社PKNSや州首相企業MBIなども株式を持つということです。なお一部の株式はサポーターに対しても売り出される可能性があることを、スランゴール州FAのシャーリル・モクタル副会長は明らかにしています。
 一方パハンFAを運営するパハン州FAはパハン州皇太子のトゥンク・アブドル・ラーマン・スルタン・アーマド・シャア殿下がオーナーを務める企業を中心としたグループが買収する形で民営化が行われる予定だということです。
 Mリーグにはジョホール州皇太子でTMJの愛称で知られるトゥンク・イスマイル殿下がオーナーのジョホール・ダルル・タジムJDTがありますが、JDTはトゥンク・イスマイル殿下が単独オーナーですが、スランゴールFCとパハンFAは皇太子を中心としたグループによる運営となりそうです。
 なおドイツのサッカー情報サイトトランスファマルクトによると、スランゴールFCは1950万リンギ(およそ4億9200万円)、パハンFAは1420万リンギ(およそ3億5800万円)の資産価値があるとなっています。

8月8日のニュース:ケランタンFAの監督や選手は買収提案を歓迎、クダFAは未払い給料を今月から分割で支払い予定、クダFAは未払い給料を今月から分割で支払い予定、スランゴールFCが無観客試合に国内初の人型パネル導入

ケランタンFAの選手は買収提案を歓迎
 先日、このブログではMリーグ2部ケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会KAFAが、アメリカ在住のワン・カマル・ワン・ナピ氏がケランタンFAの買収提案を歓迎しているという記事を取り上げましたが、ケランタンFAの監督や選手もこの買収提案のニュースに喜んでいるとマレーシア語紙ブリタハリアン電子版が伝えています。
 ケランタン州サッカー協会KAFAは、かつてケランタンFAに在籍した選手や現在所属する選手への未払い給料などで総額が460万リンギ(およそ1億1600万円)とされる負債を抱えていますが、ワン・カマル氏はKAFAが負債を解決することを条件に買収を行いたい考えを示しています。
 そしてこの提案のニュースは、8月26日に再開するMリーグ2部に出場するケランタンFAの監督や選手たちに好意を持って迎え入れられているということです。
 ユスリ・チェ・ラー監督はワン・カマル氏の提案を歓迎するとともにチームへの資金投入を期待するとし、「選手はケランタン州と自分たちが愛するクラブのために全力を尽くしている一方で、(給料が未払いとなっている)我々の苦境を支援しようという人物がでてくることを期待している。」とコメントしています。
 また先日は勝点3を剥奪されたケランタンFAですが、ユスリ監督はこの勝点剥奪は残念だが、今季はなんとしてもMリーグ2部残留を果たしたいとしています。
 一方、選手ではナズリン・ナウィがワン・カマル氏の買収提案に対して「ケランタンFAを買収しようとする話は良いことである。チームはさらに強くなることができ、熱狂的なサポーターも支持するだろう。ただし希望としては買収はできるだけ早く進め、チームが頑張っているうちに買収して欲しい。」と話しています。
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 今季終了とともに退任することを明言しているユスリ監督は、KAFAからの十分な支援もなく、給料未払いにより選手のモチベーションも低下している中、リーグ再開後のチームをどう運営し、目標としている2部残留を果たすことができるかどうかが注目されます。なおケランタンFAは現在、Mリーグ2部で勝点1の10位となっています。

クダFAは未払い給料を今月から分割で支払い予定
 3月半ばから給料の未払いが続いているMリーグ1部クダFAを運営するクダ州サッカー協会KFAは、未払い給料の分割払いと第1回目の支払いを今月15日をめどに行うと発表しています。
 先月7月にKFAの会長に就任したクダ州のムハマド・サヌシ・モハマド・ノー州首相は、4月から7月の未払い給料に関しては選手およびスタッフと支払い交渉が完了後に支払う予定となっていると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 4月から7月までの未払い給料についての財政特別委員会を設置して、KFAと選手、スタッフの間で双方が了承できる解決策を模索すると話したムハマド・サヌシKFA会長は、現在の選手およびスタッフ全員を今季終了までは解雇しないことも明言しています。また、今季のクダFAは選手、監督、コーチ他スタッフを合わせて総勢48名ですが、この大規模な構成が運営の負担になっているとして、費用削減のために来季は縮小されるとしています。
 またムハマド・サヌシKFA会長は、今季終了までのクラブ運営にさらに2500万リンギ(およそ6億3000万円)が必要なことや、昨年2019年9月から従業員積立基金と国内歳入庁に合わせて380万リンギ(およそ9570万円)の滞納があることも明らかにし、抜本的な改革の必要性を訴えています。
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 KFAの会長就任早々にクダ州政府が資金投入を行って、KFAの未払い給料を解決する予定はないと話したムハマド・サヌシ会長ですが、スポンサーを見つけることができなければ、そうも言っていられないでしょう。選手からの未払いの不服申し立ては既にマレーシアプロサッカー選手会に報告されており、解決が長引けば来季のクラブライセンス発給にも影響が出かねず、サポーターからの非難も必至となりそうです。

スランゴールFCが無観客試合に国内初の人型パネル導入
 新型コロナウィルスの影響により3月18日から中断しているMリーグ1部と2部は8月26日より再開しますが、いずれも無観客試合として行われることが決まっています。そんな中、スランゴールFCは8月26日のリーグ再開後の初戦となるPJシティFCとの試合で人型パネルを設置し、そこに自分の写真を掲載したいサポーターを募っています。
 本来の本拠地であるシャーアラムスタジアムが改修工事のため使用できないスランゴールFCは、8月26日のPJシティFCとの試合をホームゲームとしてPJシティFCの本拠地であるMBPJスタジアムで開催しますが、そこに人型パネルを設置する予定です。
 人型パネルには2種類あり、片方は99リンギ(およそ2500円)、もう一方は169リンギ(およそ4270円)です。いずれも購入者が顔写真を送り、それが高さ120cm、幅60cmの人型パネルに貼られて試合当日はスタンドに設置されるということです。
 169リンギの方は人型パネルの他、購入者にはスランゴールFCの選手のサイン入り2019年のホームユニフォームが送られるということです。また試合後、すべての人型パネルにはスランゴールFCの選手がサインをし、購入者に送られるということです。
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 個人的には169リンギの方のおまけが今季ではなく2019年シーズンのユニフォームなのが在庫処分感が見え見えで、少々ケチ臭く感じましたが、それでも無観客試合でも少しでも収入を生み出したいというアイディア自体は評価できると思います。
 ちなみにこの詳細はスランゴール州サッカー協会FASのホームページ(表記はマレーシア語です)からご覧になれます。締め切りは明日8月9日の午後11時59分(マレーシア時あかん)ということです。

8月6日のニュース:シャーアラムスタジアムの改修工事は2022年に完了か、JDTにまた新たな勲章-アカデミーが国内トップの評価を受ける、ケランタン州FAはU19代表選手の父親からのクラブの買収提案を歓迎

シャーアラムスタジアムの改修工事は2022年に完了か
 シャーアラムスタジアムはMリーグ1部スランゴールFCの本拠地ですが、その老朽化により天井の一部が崩落する危険性があり、Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLはその改修が行われるまでMリーグの試合開催を禁じています。
 ホームを失ったスランゴールFCは、今月8月26日から再開予定のMリーグのホームゲームを同じスランゴール州シャーアラムにあるUITMスタジアムで開催することになっています。また、先日のこのブログでは来季2021年はやはりスランゴール州内にあるMBPJスタジアムをホームにする可能性があるという記事を取り上げましたが、それがいよいよ現実となりそうです。
 80000人以上の観衆が収容できるシャーアラムスタジアムは、国内で最大のクラブであるスランゴールFA(当時)のホームとして1994年に開場しました。
 しかし長年の使用による老朽化から、今季の開幕前にはMFLにより改修工事が終了し、観客の安全が確保できるまでは試合での使用が禁じられ、スランゴールFCは今季のホームゲーム初戦はブキジャリル国立競技場で開催しています。
 この現状についてシャーアラムスタジアムを所有するスランゴール州のアミルディン・シャリ州首相は、今年3月から予定していた改修工事が新型コロナウィルスの影響により発令された活動制限令MCOにより実行できなかったとして、改修工事はこれから始まること、そしてその工事期間として18ヶ月を予定し、その間はスタジアムを全面的に閉鎖することを明らかにしています。
 なおアミルディン州首相は、改修工事後に再開する際には収容可能な最大人数に開場できるよう、工事期間中は天井部分の修理だけでなく総合的な補修及び改修を行うと話しています。
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 新型コロナウィルスの影響で3月18日に中断したMリーグで、スランゴールFCが中断前の唯一のホームゲームを行ったブキジャリル国立競技場は、その後、MFLがMリーグのホームゲームの代替会場としての使用を禁じており、その結果、今季の残りホームゲームをUITMスタジアムで行うことになった、という経緯もあります。

JDTにまた新たな勲章-アカデミーが国内トップの評価を受ける
 Mリーグ1部を7連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTに新たな勲章です。JDTの公式Facebookページでは、JDTのアカデミーがマレーシアサッカー協会FAMよりトップの評価にあたるゴールド評価とその証書を受け取ったことを発表しています。
 このゴールド評価を受けたJDTのアリスター・エドワーズTD(テクニカルダイレクター)は、この評価はアカデミーにとって、ここまでの努力がFAMに認められたことへの喜びに加え、さらに高みを目指すためのモチベーションになると話しています。
 またJDTの本社で、このゴールド評価の証書と記念の盾をエドワーズTDに手渡したFAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は 国内の草の根レベルの育成を行うアカデミーを対象にリーダーシップ、計画性、設備、教育、草の根レベルでの試合運営の5つの点で審査した結果、JDTのアカデミーはどの面でも優れた評価を得た結果の表象であると話しています。
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 2000年代までマレーシアのサッカーを長年に渡って牽引してきたのが最初の記事で取り上げたスランゴールFA(現スランゴールFC)だとすれば、直近の10年間で国内に的なしとなったのがこのJDTと言えます。
 ジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下の豊富な財源に基づく投資と積極的な運営は、運営資金が州政府の公的補助頼りである大半のMリーグクラブを凌駕し、その結果が1部リーグ7連覇という結果になって現れています。
 JDTもかつてはジョホール州サッカー協会傘下のクラブでしたが、イスマイル殿下による民営化で成功しており、現在、FAMが各州サッカー協会に求めているクラブの民営化の成功例と言えるでしょう。
(中央左がFAMのスチュアート事務局長、中央右がJDTのエドワーズTD-写真はJDTの公式FBより)

ケランタン州FAはU19代表選手の父親からのクラブの買収提案を歓迎
 ケランタン州サッカー協会KAFAは、運営するMリーグ2部ケランタンFAに対するワン・カマル・ナピ氏の買収提案を歓迎する意思を示していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 現在行われているU19代表候補合宿にアメリカから参加しているワン・カマル・ワン・クズリの父親でもあり、アメリカ在住の大学教授でもあるワン・カマル氏は460万リンギ(およそ1億1600万円)とされるケランタンFAの現在の負債が完済されることを条件に、300万とも言われる所有権を購入したいと話しているということです。
 KAFAのフシン・デラマン事務局長はワン・カマル氏から直接の連絡は受けていないとする一方で、民営化を目指しているケランタンFAにとっては良い話であるとしています。
 「KAFAは現在、民営化後のケランタンFCを運営するTRW社の価値を評価している最中であり、それが決まりTRW社の売却が決まれば、ケランタンFCに関する460万リンギの負債はKAFAが全面的に負担する。」とデラマン事務局長は話しています。
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 別のメディアでは、ケランタンFCの売却後もKAFAが年間100万リンギ(およそ2520万円)のロイヤルティを要求しているという話があり、ワン・カマル氏は、ケランタンFCの所有権購入後もKAFAの影響が残ることを嫌っていることから、買収に躊躇しているという報道もあり、この話は一筋縄ではいかなそうです。

8月4日のニュース:ケランタン州FAに勝点剥奪処分が下る、そのケランタン州FA内部から今季リーグ戦出場辞退すべきの声も上がる、U19代表の第二次合宿開始で将来のエース二人の共演に期待が集まる

ケランタン州FAに勝点剥奪処分が下る
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、Mリーグ2部のケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会KAFAに対して、未払い給料問題の解決の遅れを理由にケランタンFAの勝点3剥奪(はくだつ)処分を課したことを発表しています。
 FAMのクラブライセンス発給を担当する第一審交付機関FIBの会合で下された処分は、KAFAが期限までにかつて在籍した選手に対して約束された未払い給料の分割支払いを行わなかったことが理由であることも公表されています。本来は4月30日を期限としたいたこの支払いは、3月18日に新型コロナウィルス感染防止に伴う活動制限令MCOが発令され、Mリーグが中断されたことなどを考慮し、FIBはその期限を7月30日まで延期されました。しかし7月30日になっても未払い給料は選手やスタッフに支払われなかったことから、FAMは当初の期限を守らなかったKAFAに対して勝点3の剥奪処分を下したとしています。
 なおKAFAは7月30日付でFAMに対して手紙を送り、支払い期限を今季2020年シーズン終了まで延長することを求めていたということです。
 さらにFIBは新たな未払い給料の支払い期限として8月31日を設定し、この期限が守られない場合には、KAFAに対しては来季2021年シーズンのMリーグに出場するために必要なクラブライセンスは発給されないとしています。
 なおFIBの会合では、KAFAの他、Mリーグ1部マラッカ・ユナイテッドを運営するマラッカ州サッカー協会MUSA、PDRM FCを運営するマレーシア王立警察サッカー協会PDRM FA、サラワク・ユナイテッドを運営するサラワク州サッカー協会FASについても議題に取り上げられ、KAFAを含めた4団体全てが内国歳入庁(日本では国税庁に相当)への滞納金があり、FASを除く3団体は従業員積立基金と従業員社会保障制度にも滞納金があることが明らかになっており、こちらの滞納金も8月31日までに完済されない場合には、来季のクラブライセンス発給に影響が出る可能性があるとしています。
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 ケランタンFAはこの勝点剥奪処分により、Mリーグ2部プレミアリーグの7位(勝点4)から10位(勝点1)に転落し、11位のクチンFA、12位のペラIIとは勝点で並び、得失差のおかげで10位となっています。この現状に加え、昨日のこのブログでも取り上げましたが、未払い給料に愛想を尽かした選手の退団が噂されているケランタンFAは、来季の1部復帰どころから、3部降格の可能性も見えてきました。

そのケランタン州FA内部から今季リーグ戦出場辞退すべきの声も上がる
 マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版は、未払い給料問題で揺れるケランタン州サッカー協会内KAFAから、8月26日再開予定のMリーグへの出場辞退の声が上がっていると報じています。
 Mリーグの各クラブは4ヶ月以上の中断を経て練習を再開し、リーグ再開に備えて準備を進めていますが、KAFAは上の記事で取り上げた未払い給料問題に加え、マレーシアサッカー協会FAMが9月30日を期限としているクラブの民営化手続きへの着手も遅れているということです。
 この状況下でKAFAのフシン・デラマン事務局長は、KAFA内の役員会の一部メンバーからは・現在抱えている問題の解決に専念し、運営するケランタンFAの今季のMリーグへの出場は辞退した方が良いのではないかという提案が出ていることを明らかにしています。
 「Mリーグに出場すれば、毎試合で移動や宿泊、安全対策などに費用がかかる。さらに今季は無観客試合で行われることから、入場料という貴重な収入を失うことになる。それならば期限が2ヶ月しか残されていないクラブの民営化と未払い給料の支払いに専念するべきだという意見が出ている。」とデラマン事務局長は語っているということです。

U19代表の第二次合宿開始で将来のエース二人の共演に期待が集まる
 8月3日から始まったU19代表候補第二次合宿では、将来の代表を背負う二人の選手の共演にサポーターの期待が高まっています。
 ベルギーのKVコルトレイクと5年契約を結んだ18歳のFWルクマン・ハキム・シャムスディンと、アメリカ育ちでアメリカ2部リーグのセントルイスFC U19でプレーする18歳のワン・クズリ・ワン・アーマドは、今回の代表候補合宿で始めてコンビを組みますが、これは多くのマレーシア人サポーターが楽しみにした共演の実現であるとマレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 第一次合宿には参加しなかったルクマン選手は、今回招集されたことに喜ぶと同時に、できるだけ早くチームに溶け込みたいと話しています。また、ワン・クズリ選手については、そのプレーは映像で見たことしかないものの、良い選手であることはわかっているので、早く一緒にトレーニングを行いたいとしています。
 「ワン・クアラ選手はU19代表に貢献してくれることは確かだが、自分自身も最終メンバーに残るために練習でも試合でも常に全力で臨みたい。新しい選手が加わることで競争心も生まれるので、そういった選手たちの参加は自分にとっても励みになる。」取るクマン選手は話しています。

8月3日のニュース:クダFA選手が未払い給料問題を正式に申し立て、クアラルンプールFAは来季はKLユナイテッドとして民営化、スランゴールFCは来季もMBPJスタジアムをホームとする可能性が浮上、ケランタンFA監督は給料未払いの状況下での選手のモチベーション低下を憂慮

クダFA選手が未払い給料問題を正式に申し立て
 マレーシアサッカー協会は、Mリーグ1部のクダFAの選手からマレーシアプロサッカー選手会PFAMに対して未払い給料に関する正式な申し立てが行われた報告を受けたことを明らかにしています。
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロによると、この報告を受けたFAMはクダFAを運営するクダ州サッカー協会KFAに対して、今月8月31日までに未払い給料の支払いを強く指示し、支払われない場合には来季2021年シーズンのMリーグに出場するライセンスがKFAに発給されない可能性があるとしてます。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、2月からの5ヶ月間、給料が支払われていないとするクダFAの選手23名の連記による申し立てがPFAMになされ、PFAMからFAMに正式に報告されたと話しています。
 スチュアート事務局長は、未払い給料問題が8月31日までに解決しない場合には、この問題はPFAMからFAMの案件となり、来季2021年シーズンのMリーグ出場のためのライセンス発給に影響が出ることは必至であると話しています。
 さらにスチュアート事務局長は今季のFAカップが新型コロナウィルスの影響で中止となったことから、昨季のFAカップ優勝チームのクダFAが来季2021年のアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグ予選に出場資格を得たことを発表した上で、給料未払い問題の解決が遅れれば、FAMはこのACL予選の出場権剥奪も検討するとしています。
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 これまでメディアでは公然の事実として語られながら、正式な申し立てが行われていないことから対処のしようがないとスチュアート事務局長が繰り返してきたクダFAの未払い給料問題がいよいよ解決に向けて動き出したようです。
 その一方で別のメディアでは、3名の外国籍選手が弁護士を立てて8月14日を期限とした未払い給料の支払いを求め、それが実現しない場合には退団も辞さないという報道もあり、8月31日とされる期限を前に今後の展開が注目されます。

クアラルンプールFAは来季はKLユナイテッドとして民営化
 Mリーグ2部のクアラルンプールFAを運営するクアラルンプールサッカー協会KLFAは、9月30日の期限までにクラブの民営化を完了し、2年後を目処にKLFAから完全に独立したクラブチームとすることを目指していると、マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 KLFAのノクマン・ムスタファ事務局長は、来季のMリーグ1部および2部への出場だけでなく、AFC主催大会に出場するためにはクラブの民営化が条件となっていること挙げ、民営化されたクラブをKLユナイテッドと名付けると発表しています。
 またマレーシアサッカー協会FAMのクラブライセンス担当部署への問い合わせの結果、KLFAから完全に独立したクラブとするための期間としてして2年の猶予が与えられているとして、この間に企業スポンサーなどを獲得し、クラブにおけるKLFAの持ち株を放出すると話しています。
 「クラブの民営化後もKLFAは運営会社を設立するまで、クラブの主要株主として関与するが、同時に新たなクラブへの投資を希望する企業を獲得できるよう努めていく。まずは民営化クラブとして歩き始め、5社から6社のスポンサーを獲得するというのがKLFAが現在考えているプランである。」とノクマン事務局長は述べています。
 またMリーグ1部のペラTBGを運営しているペラ州サッカー協会PAFAのアズリン・ナズリ名誉理事は、「民営化を行わなければ、ペラTBGは(Mリーグ3部の)セミプロリーグでプレーすることになるが、そうするわけにはいかないので、期限の9月30日までには民営化手続きを完了したい。」として、今週に予定されているPAFAの総会で民営化についての計画を発表するとしています。

スランゴールFCは来季もMBPJスタジアムをホームとする可能性が浮上
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版は、Mリーグ1部スランゴールFCが来季のホームゲームをスランゴール州プタリンジャヤにあり、同じ1部のPJシティFCのホームであるMBPJスタジアムで開催する可能性があると報じています。
 スランゴールFCのサティアナタン・バスカラン監督は、スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FASがMBPJスタジアムを来季のホームとすると決定した場合には異論はないと話しています。
 この発言は数日前にFASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長が、本来の本拠地であるシャーアラムスタジアムで行われる予定の改修工事の終了時期が定かではないことから、来季のスランゴールFCのホームゲームの開催地としてMBPJスタジアムを候補に挙げた発言を受けてのものです。
 なおスランゴールFCは、Mリーグを運営するマレーシアフットボーリーグMFLが崩落の危険のある天井の修理が終わっていないシャーアラムスタジアムの使用を禁じていることから、8月26日に再開する今季Mリーグの残りのホームゲームを全てMBPJスタジアムで開催することを発表しています。
 サティアナタン監督は(収容観客数が8万人の)シャーアラムスタジアムに比べ、公称2万5000人収容のMBPJスタジアムでは、サポーターが入りきれない可能性があると述べる一方で、来季2021年シーズン開幕時にシャーアラムスタジアムの改修が終わっていない場合の代案を用意しておく必要があると述べています。

ケランタンFA監督は給料未払いの状況下での選手のモチベーション低下を憂慮
 マレーシア語紙コスモ!電子版によれば、Mリーグ2部ケランタンFAのユスリ・チェ・ラー監督は、過去4ヶ月以上に渡って給料を支払われていない選手やスタッフのモチベーション低下を心配していると話しています。
 先週7月31日はイスラム教の重要な祭日であるハリラヤ・アイディルアドハ(ハリラヤ・ハジ)でしたが、ユスリ監督はこの祭日を祝えるよう、せめて半月分の給料を全員に支給してくれるようにとケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会KAFAに掛け合ったということですが、それも聞き入れられず、質素な祝事しかできなかったことを明らかにしています。なおKAFAはユスリ監督の依頼を受けた後で、わずかな金額を支給したということですが、祝辞の準備にすら足りない額だったとユスリ監督は述べています。
 この件については、ケランタンFAのファリシャム・イスマイル主将も自身のインスタグラムでKAFA経営陣への失望をあらわにしていたということで、ユスリ監督は受け取った金額は明らかにできないとしながらも、ファリシャム主将があらわにした失望から推し量れるだろうと話しています。
 ケランタンFAは8月26日のリーグ再開に向けて、7月22日より練習を再開し、ユスリ監督は経営陣に全額ではなくとも一部給料を支払うための話し合いを続けているということですが、選手の精神状態を考えると、リーグ再開後に全員が全力でプレーできるのかどうかが心配であると述べています。
 渡邉将基選手が所属するケランタンFAは、リーグ中断前には3試合で1勝1分1敗の7位につけており、他のチームに先駆けて8月22日に雷雨で中止となった第2節のUKM FCとの試合でリース再開後の初戦に臨みます。
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 ケランタンFAは新型コロナウィルス感染防止のためのリーグ中断中に韓国出身のカン・サンジョ(康承助)選手が退団していますが、カン選手に続いて退団したという複数のマレーシア人選手の名前もネット上で見られます。KAFAはこれを否定していますが、8月22日の対UKM FC戦のメンバーがリーグ中断前とは大きく変わっている可能性もあります。

7月23日のニュース:MFLは地域リーグにもSOPの遵守を要望、第一子の出産に立ち会えなかったUITM FCのフランス人DFは一時帰国を希望、ケランタンFAの監督はチームの現状をポジティブに受け止める、ワン・クズリは次回のU19代表合宿に不参加の可能性も

MFLは地域リーグにもSOPの遵守を要望
 新型コロナウィルスの新たな感染者数が連日一桁だった先週とは打って変わって二桁代となっているマレーシアでは、感染の第二波が心配されています。公共の場でのマスクの着用を義務化とそれを破った場合には罰金あるいは禁固刑が検討されるなど、マレーシア政府は必死の対応で感染拡大を防ごうとしています。
 3月半ばから続く活動制限令も当初のいわゆるロックダウン状態から、現在ではそれが大幅に緩和され、徐々に日常が取り戻されつつありますが、その一方で、商業施設などでは現在も義務化されている入店の際の検温や追跡アプリの入力のチェックが行われず、店側も客側も対応がおざなりになっているのを目にすることも多くなっています。
 そういった雰囲気の中、7月15日よりサッカーなど身体接触を含むスポーツを行うことが可能になっていますが、ここで感染者が多発する様なことがあれば、Mリーグの再開に支障があるのではという懸念が広がっています。
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロによると、このサッカー解禁に伴い、地域のアマチュアリーグなどが再開され、 マレーシアサッカー協会FAMや青年スポーツ省による標準作業手順SOPが守られずにそこでクラスターが形成されることがあれば、Mリーグの再開許可が取り消される可能性もあると報じています。
 これについてMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、「各地域のアマチュアリーグの運営者に対してSOPの遵守を徹底することを強く求めたい。試合を実施する際に感染予防対策が撮れているとは正直思えない。MFLが身体接触を含めた練習の解禁直後に練習試合を許可していないのは、予防対策に万全を期すことが理由だが、各地域のアマチュアリーグもそういった対策を講じた上で運営されることを強く望んでいる。」と話しています。

第一子の出産に立ち会えなかったUITM FCのフランス人DFは一時帰国を希望
 Mリーグ1部UITM FCのフランス出身のMFウスマン・ファネは、活動制限令発令後も帰国せずマレーシア国内に残っていましたが、そのために第一子のしゅっさに立ち会うことができなかったと英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 「数ヶ月もサッカーをせず、しかも家族が一緒にいなければ多くの人は影響を受けるだろうが、自分は強い意志を持っており、サッカーが自分の仕事であるので、そういったことでサッカーへの集中が妨げられることはない。」と話すファネ選手のリーグ再開前に一時帰国して家族と再会したいという希望に対して、UITM FCもそれを許可する方向で話が進んでいるということです。
 残り7試合は全て出場したいと話すファネ選手は、クラブの目標であるリーグ8位以内を実現できるよう、リーグ再開後はできるだけ多くの勝ち点を詰みあげたいと話しています。

ケランタンFAの監督はチームの現状をポジティブに受け止める
 Mリーグの多くのクラブは身体接触を含まない練習が解禁された6月15日を皮切りにに練習を再開していましたが、練習再開に必要な書類がMリーグを運営するMFLに提出されていなかったとされるMリーグ2部ケランタンFAは、一昨日7月21日から練習を再開しています。
 このブログでもケランタンFAについて取り上げるときは未払い給料問題に関連する話題ばかりですが、ニューストレイトタイムズ電子版によると、ユスリ・チェ・ラー監督はポジティブな気持ちで練習再開を迎えているということです。
 「シーズン再開に向けての準備の時間が多くないことは理解しているが、試合までに選手全員が試合をするだけの体力を取り戻しているだろう。」と話していいます。
 ケランタンFAは今季第2節のUKM FCとの試合が激しい雷雨で中止になっており、その再戦のため他のクラブに先駆けて7月22日に再開後の初戦を迎えます。これについてユスリ監督は「UKM FCも(練習再開に必要な書類がMリーグを運営するMFLに提出されていなかった)問題から練習を再開したの数日前であり、この初戦はどちらにも勝つチャンスがあると思っている。活動制限令MCO中に(韓国出身の)カン・サンジョが退団しており、残っている選手でやりくりするしかないが、リーグ再開までにこれ以上退団する選手がでないことを祈っている。」と話しています。
 渡邉将基選手も在籍するケランタンFAは新型コロナウィルスによるリーグ中断までの3試合で1勝1分1敗の7位となっています。

ワン・クズリは次回のU19代表合宿に不参加の可能性も
 アメリカ出身で現在開催中のU19代表候補合宿に参加中のワン・クズリ・ワン・カマルは8月3日から始まる二次合宿には参加しないと、マレー語紙ハリアンメトロが報じています。
 U19代表のブラッド・マロニー監督は、ワン・クズリ選手が所属するアメリカ2部リーグUSLチャンピオンシップに所属するセントルイスFCのアカデミーとの最初の取り決め通り、この第一次合宿が終了後直ちに、アメリカへ帰国することを明かしています。
 新型コロナウィルスの新たな感染者が増える傾向にあることから、マレーシア政府は自国民、外国人を問わず入国の際には政府指定のホテルで2週間の検疫期間を過ごすことを再び義務化しており、再び合宿に参加する場合でも入国から2週間は合流することができません。
 マロニー監督は「ワン・クズリ選手はこの合宿では良いプレーを見せており、周りともうまくやっているようである。二次合宿に参加してくれれば、さらに良くなるだろうと期待している。」と話し、ワン・クズリ選手の二次合宿参加については問題なく参加できる方法を模索していると話しています。
 今週末に一時合宿を終了するU19代表は10月14日から31日までウズベキスタンのタシケントで開催されるAFC U19選手権に出場することになっています。