10月16日のニュース:スマレがポリス・テロFCに合流、代表は12月に国外合宿を検討、MFLは条件付き活動制限令期間中の練習許可申請を行う予定

スマレがポリス・テロFCに合流
 マレーシア代表のムマハドゥ・スマレが移籍したタイ1部リーグのポリス・テロFCの練習に合流したことが、ポリス・テロFCの公式Facebookに投稿されています。なお、この前日には自身のインスタグラム上でタイへの渡航者に義務付けられている14日間の隔離措置の最終日であることを投稿していました。
 また明日10月17日に予定されているタイ1部リーグ第9節、アウェイゲームのPTプラチュワップFC戦にランサン・ヴィワチャイチョク監督が帯同を希望しているという報道もあり、さすがにベンチ入りの可能性はないにしても、スマレ選手への期待の大きさがわかります。
(写真左上は同じマレーシア代表のドミニク・タンとポーズを取るムハマド・スマレ。写真はいずれもポリス・テロFCの公式Facebookより。)

代表は12月に国外合宿を検討
 マレーシア語紙ハリアン・メトロ電子版によると、マレーシア代表は12月に国外での合宿を検討しているようです。
 代表チームマネージャーを務めるユソフ・マハディ氏は、来年2021年3月に再開が予定されているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選、そして4月に予定されている東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップに備えて、昨年2019年11月のワールドカップ予選以降は全く活動が行われていない代表を再始動させる必要があると話しています。
 「タン監督やコーチとの話し合いをもとに、12月に代表候補合宿を行い、さらに外国のチームと練習試合を行う予定を立てているが、今後のマレーシア国内の新型コロナウィルスの感染状況次第では、感染が収束している他国での合宿開催の可能性もある。」と話すユソフ・マハディ代表チームマネージャーは、その候補地の一つとしてカタールを挙げています。
 「カタールは現在、多くの国際親善試合が開催されており、AFCチャンピオンズリーグが集中開催が予定されるなど比較的安全な場所と言えるので、マレーシア国内の感染状況や政府からの渡航許可が出るかなどについて今後も検討を続けていく。」とユソフ・マハディ代表チームマネージャーは話し、国外のチームとの対戦を検討している理由については、国内クラブはマレーシアカップ終了後の休養期間に入っていることに加え、その時期には多くの選手の契約期間が終了しておりチーム編成が難しい可能性を挙げています。

MFLは条件付き活動制限令期間中の練習許可申請を行う予定
 Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは、10月14日からクランバリー(首都圏のスランゴール州、クアラルンプールおよびプトラジャヤ)に施行中の条件付き活動宣言令CMCO期間中のMリーグクラブの練習許可を当局に求めていく考えがあることをマレーシア語紙シナルハリアン電子版が報じています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、クランバリーに本拠地を持つMリーグクラブがCMCO期間中は練習ができず、未消化となっているMリーグの試合や11月に開催されるマレーシアカップに備えた練習ができないという声を受けて、この練習許可の申請を行うとしていますが、申請が認められるかどうかはMFLの支配が及ばない部分であり、その点は理解して欲しいとしっかり言い訳もしています。
 アブドル・ガニCEOは、これまでMリーグは標準作業手順SOPを遵守し、開催された試合で新型コロナウィルスの感染者が一人も出ていないことを今回の申請先となる保健省と国家安全保障委員会が考慮してくれることを期待していると話す一方で、練習許可が下りた場合でも、スタジアムのような外部と遮断された会場で従来の標準作業手順SOPに沿った形で練習が行なわれるべきであるとしています。
 クランバレーに本拠地を持つクラブの内、UITM FCはサバFAと、クアラルンプールFAはクチンFAとそれぞれMリーグ最終節第11節の試合が新型コロナウィルス感染者急増により10月31日に延期されている他、上記の4クラブに加えてマレーシアカップに出場するスランゴールFC、PJシティFCもCMCOにより練習が禁止されており、これらのクラブからMFLに対して当局への働きかけを行う声が上がっていましたが、MFLはその重い腰をやっと上げることにしたようです。

10月14日のニュース:マレーシアカップの日程が再々変更、ケランタンFCは今季末までの給料を既に支給済み、クダFA監督に少なくとも5クラブが来季監督オファーを用意か

マレーシアカップの日程が再々変更
 マレーシアカップを主催するマレーシアフットボールリーグMFLは公式Facebook上で日程変更の告知を行なっています。
 新型コロナウィルス感染者数急増により、当地では「クランバレー」と呼ばれる首都圏のスランゴール州、クアラルンプールおよびプトラジャヤに本日10月14日から10月27日までの期間、条件付き活動制限令が施行されたことを受けての日程変更です。なお条件付き活動制限令下ではサッカーなどのスポーツ活動を行うことが禁じられています。
 新たな日程は11月1日(土)に組み合わせ抽選、全16チームが出場する1回戦は11月6日(金)から8日(日)、準々決勝は11月12日(木)と13日(金)、準決勝は11月17日(火)、そして決勝は11月22日(日)と2週間強で終了する予定が発表されています。
 この日程についてMFLは、今季Mリーグ1部7連覇を果たした昨季のマレーシアカップチャンピオンJDTが出場するアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグが11月19日から12月4日にカタール開催されることを考慮に入れた結果であると説明しています。
 このマレーシアカップは1部11チームと2部5チーム(ただし2部に在籍する1部チームのセカンドチームは除く)が出場しますが、この内、CMCOが施行される首都圏に本拠地を持つクラブはスランゴールFC、PJシティFC、UITM FC、クアラルンプールFAがあります。
 またMFLはこちらも新型コロナウィルスの影響で順延となっていたMリーグ1部のサバFA対UITM FCの試合と2部のクアラルンプールFA対クチンFAの試合をいずれも10月31日に行うことも併せて発表していますが、試合会場については明言されていません。
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 当初は10月16日開幕予定だった今季のマレーシアカップは、一旦は10月25日開幕に変更されたものの、本日から施行される条件付き活動制限令CMCOにより再度日程が変更されました。また本来は1回戦は4つの予選グループに別れてホームアンドアウェイ形式で行われるグループステージ、準々決勝と準決勝はやはりホームアンドアウェイ形式そして決勝のみが1試合という形式ですが、今季に限っては1回戦から決勝までは一発勝負のいわゆるノックアウト形式で開催されます。

ケランタンFCは今季末までの給料を既に支給済み
 ケランタンFC(民営化によりケランタンFAより変更)のノリザム・トゥキマン新オーナーは選手、監督およびコーチの今季末までの給料を既に支払済みのようです。
 マレーシアの通信社ブルナマは、ケランタンFCの運営会社であるTRW社のジャミルライル・ジャミルディン業務部長の話として、給料の他、従業員積立基金EFPや労災補償制度SOCSOの積立金についても、現在、チームに在籍している全員分が支払われたと報じています。
 ジャミルライル業務部長によると、TRW社の経営者でもあるノリザム新オーナーは、ケランタンFCの選手の福利厚生に責任を持つことがTRW社の役目であり、ケランタンFCを負債のないクラブにするという目的を真剣に果たそうとしていると話しています。
 さらにジャミルライル業務部長はマレーシアカップに臨むチーム全体の士気を上げるために大会前に選手や監督、コーチの給料の不安を解消したかったと述べ、選手たちが試合に集中し、できるだけ上位に進出してほしいと話しています。

クダFA監督に少なくとも5クラブが来季監督オファーを用意か
 新型コロナウィルスによるMリーグ中断前の4試合を1勝1分2敗としながら、リーグ再開以降の7試合を6勝1敗としてMリーグ1部の2位となったクダFAですが、アイディル・シャリン・サハク監督の去就が相変わらず注目を集めています。
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版は、このアイディル監督に少なくとも5クラブからの監督オファーがあると報じる記事を掲載しています。この記事によれば、昨季は監督就任1年目でクダFAをFAカップ優勝に導いたアイディル監督に対し、スランゴール州やクアラルンプールなどを含む「クランバレー」の2クラブ、北部の1クラブ、南部の1クラブ、そして東海岸の1クラブの計5クラブが監督就任オファーを用意しているということで、中でも南部のクラブが最も熱心で、既にアイディル監督にオファーを出したとされています。
 クダFAを運営するクダ州サッカー協会(クダ州FA)による選手や監督、コーチへの給料未払い問題を抱えながら、チームを立て直したアイディル監督の手腕への評価は高く、今季末で切れるクダFAとの契約が更新されていないことから、こういった憶測を呼んでいます。シャリン監督はクダ州FAと交渉の席につく用意があるとも話す一方で、他のクラブからのオファーも聞く用意があるとしています。

10月13日のニュース:首都圏に2週間の条件付き活動宣言令施行-今後の日程変更は必至、JDT主将は来季も残留-英国2部リーグ移籍は噂でした

首都圏に2週間の条件付き活動宣言令施行-今後の日程変更は必至
 マレーシア政府のイスマイル・サブリ上級大臣兼国防大臣は、10月14日午前0時から10月27日までスランゴール州、クアラルンプール及びプトラジャヤの全域における条件付き活動宣言令CMCOの施行を決定したことを発表しています。
 CMCOの再施行はスランゴール州のクラン地区やプタリン地区を中心に首都圏で新型コロナウィルスの感染者数が急増している状況を受けたものですが、CMCO期間中は経済活動は通常通り行うことができるものの、多くの人が集まる学校や宗教施設は閉鎖、全てのスポーツ及びレクリエーション活動は禁止となる他、施行地域内の地区(スランゴール州は9つ、クアラルンプールは11の地区に分かれています)をまたいだ移動が原則禁止されます。
 この状況下では10月25日に開幕予定のマレーシアカップは延期となる可能性は高いですが、マレーシアカップの開催者であるマレーシアフットボールリーグMFLからはこの記事の執筆時点では何の発表もありません。なお、マレーシアカップは10月16日開幕の予定が既に一度変更になっている経緯もあります。またこのマレーシアカップ前に予定されていた、Mリーグ第11節の1部リーグのサバFA対UITM FC戦、2部リーグのクアラルンプールFA対クチンFAについても当然、日程変更が必要となりますが、こちらについてもまだMFLからの発表はありません。
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 マレーシアは今月10月に予定されていたAFCチャンピオンズリーグのグループGとHの集中開催地として立候補しながら、結局は新型コロナウィルス観戦者数が急増したことで開催を断念しています。今回のCMCOも2週間で状況が好転するかどうかも不明で、アジア最古のリーグ戦とされるマレーシアカップは、最悪の場合には太平洋戦争以来となるカップ中止の可能性も出てきました。
 またこのマレーシアカップ優勝クラブにはAFCカップ本戦出場資格が与えられることになっていましたが、中止となった場合にはMリーグ1部で3位のトレンガヌFCにその資格が与られる可能性が高いです。

JDT主将は来季も残留-英国2部リーグ移籍は噂でした
 マレーシアの通信社ブルナマはMリーグ1部で7連覇を達成したジョホール・ダルル・タジムJDTのハリス・ハルン主将が来季もJDTに残留すると報じています。
 昨日のこのブログでも取り上げましたが、ハリス選手は英国2部リーグ移籍の噂がメディアで報じられていました。
 自身のFacebookに契約書にサインしているような写真を投稿し、「サイン完了!いざコヴェントリーへ」というキャプションを添えたことから、メディア上ではハリス選手が英国2部リーグのコヴェントリーシティ移籍が報じられていました。
 しかし実際は海外の大学との連携カリキュラムを持つシンガポールの高等教育期間PSBアカデミーから奨学金を受けてコヴェントリー大学のビジネスおよびマーケティングの学位取得のためのコースを履修するのが事実のようです。ハリス選手はこのPBSアカデミーのブランド大使も務めるということです。
 まだ数年はプレーしたいと話すハリス選手は、同時に引退後の準備を始める必要があることから教育面での重要な決断を下すに至ったと話し、自分の決断が他の運動選手たちにも現役生活を送っている間に将来のことが考えるべきとブランド大使らしく話しています。

10月9日のニュース:フェルダUに来季Mリーグ残留の可能性が浮上か、ポルティモネンセSCがサファウィ・ラシドを披露、Mリーグ2部のクチンFA対KLFAの試合日程が変更

フェルダUに来季Mリーグ残留の可能性が浮上か
 先日報じられたMリーグ1部のフェルダ・ユナイテッドFCのリーグ撤退ですが、新たな展開が報じられています。
 マレーシアのスポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、フェルダ・ユナイテッドFCの運営会社FUFC the Fighters社(Fighters社)から経営を引き継ぎながら、Mリーグ撤退の決断を下したフェルダ連邦土地開発庁ですが、フェルダの経営トップが来季のMリーグ参加を了承していると報じています。
 またFighters社のニック・ハスルル・ザイヌディン会長とアフィザル・アブ・オスマン事務局長がマレーシアサッカー協会FAMを訪れて、状況説明を行なったとも報じられていますが、その際にスタジアムアストロがインタビューを求めた際には、後日、声明を発表すると答えるに止まっています。
 来季2021年シーズンに参加する条件として、FAMはMリーグ1部と2部の全クラブに民営化が求められていましたが、フェルダ自体はフェルダ・ユナイテッドFCがその手続きを行うことを認め、クラブはFAMより条件付きながら民営化承認を受けていました。そんな中で突如発表されたリーグ撤退には不明な点が多くありましたが、その内容が少しずつ明らかになっています。
 民営化に際して、フェルダはFAMに対してフェルダ・ユナイテッドFCがこれまで使用していたクラブのロゴとフェルダ・ユナイテッドFCの名称使用を禁じることを通達しているということですが、その一方で、フェルダ・ユナイテッドFCのFIghters社はフェルダの支援を受けずにクラブ運営が可能であるとしています。
 Fighters社のアフィザル事務局長は、今後はFAMとフェルダ間の話し合いになるとして、フェルダ経営陣がリーグ撤退について再検討してくれることを望んでいると話しています。

ポルティモネンセSCがサファウィ・ラシドを披露
 Mリーグ1部ジョホール・ダルル・タジムJDTからポルトガル1部のポルティモネンセSCに今季末までの期限付きで移籍したサファウィ・ラシドがクラブの公式サイトで紹介されています。
 ポルティモネンセSCのロジニー・サンパイオ会長は「サファウィ選手を知っている人は多くないが、中島翔哉選手(現FCポルト)を獲得したときも同様だった。サファウィ選手には中島選手と同じように成功してもらいたい。」と記者会見で話しています。
 背番号29のユニフォームを着て会見に参加したサファウィ選手は、自分の実力が示せるような機会が与えられることを望んでいるとし、クラブの勝利のために全力で貢献したいと話しています。「中島選手やブルーノ・タバタ(現スポルティングCP)ら多くの選手がこのクラブからより大きなクラブへと移籍していることを知っている。しかし自分はこのクラブのためにできることをやっていきたいと話しています。

サファウィ選手の記者会見の様子-ポルティモネンセSCの公式Youtubeより

Mリーグ2部のKLFA対クチンFAの試合日程が変更
 Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは本日10月9日にクアラルンプールフットボールスタジアムで開催予定だったクアラルンプールFA対クチンFAの試合日程の変更を発表しています。
 Mリーグ今季最終節となる試合でしたが、クチンFAはアウェイとなるクアラルンプールFA戦後に本拠地のあるサラワク州に戻るとサラワク州政府が渡航者に求める2週間の自宅隔離を行わなければなりません。その場合、Mリーグ終了後の10月25日開幕予定のマレーシアカップ1回戦までほとんど練習を行えなくなることから、クチンFAから日程変更の公式な要望が出ていたということです。
 新たな日程はまだ発表になってはいませんが、クアラルンプールFA戦後にサラワク州に戻らずにマレー半島に残ってマレーシアカップ1回戦に臨むような日程となるようです。
 マレーシアカップはMリーグ1部の上位11クラブと2部の上位5クラブに出場資格が与えられますが、クチンFAは前節第10節でJDTのBチームJDT IIを破り5位以上を確定させており、クラブ史上初となるマレーシアカップ出場権を獲得しています。

8月20日のニュース:Mリーグ再開が8月26日から28日へ変更、スランゴール州FA運営のアカデミーもゴールド評価獲得、U19代表はスランゴール2に敗れて2連敗

Mリーグ再開が8月26日から28日へ変更
 国内リーグのMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグは公式Facebook上で現在、中断中のMリーグ1部と2部の再開日が当初発表されていた8月26日ではなく8月28日へ変更になったことを告知しています。
 昨日8月19日に開催されたマレーシアフットボールリーグMFLの常務理事会で決定されたということですが、その理由としてFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選の延長や、昨季のMリーグチャンピオンであるジョホール・ダルル・タジムJDTが出場するAFCチャンピオンズリーグの日程への考慮などが挙げられています。
 当初は8月26日再開で9月23日終了と4週間で7試合を終える強行日程でしたが、新たに発表された日程は8月28日再開でMリーグ1部スーパーリーグは10月10日、2部プレミアリーグは10月9日に終了となっており、各クラブとも週に1試合で週末に行われ、7週間かけて試合を消化します。詳しい日程はこちらからどうぞ。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、日程が緩和されたことにより各クラブはより多くの休息日が取れること、また移動日程が柔軟になることなど利点があると述べ、JDTのACL日程(10月17日、26日、29日、11月1日)にも影響が出ないこと、また新型コロナウィルスの影響などで日程が変更になった場合の予備日として11月10日から29日を確保していることなどを明らかにしています。
 この他、新型コロナウィルスの感染状況が改善していないサラワク州に本拠地を持つ2部のクチンFAとサラワク・ユナイテッドFCのホームゲーム会場については、近いうちに発表されるということです。
 またMリーグ3部のM3リーグは既に今季の中止が決定していることから、M3リーグから2部プレミアリーグへの昇格とプレミアリーグからM3リーグへの降格については今季は行わないことも明かされています。なお1部スーパーリーグと2部プレミアリーグ間は通常通り1部の11位と12位が降格し、2部の1位と2位が昇格するということです。
 さらにMリーグの終了予定日が延長になったことで、1部の上位11チームと2部の上位5チームの計16チームが出場するマレーシアカップの日程も変更となり、10月16日空18日に1回戦、24日と25日に準々決勝、30日と31日に準決勝、そして11月7日に決勝が予定されています。

スランゴール州FA運営のアカデミーもゴールド評価獲得
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイトで国内にあるアカデミーの評価を発表し、スランゴール州サッカー協会(スランゴール州FA)が運営するFASサッカースクールがゴールド評価を得たことを発表しています。
 スーパリマウ(スーパーとマレーシア語で「虎」を意味するハリマウを組み合わせた造語)と名付けられた、国内の草の根レベルの育成を行うアカデミーの評価プログラムは国内のアカデミーのレベルアップを目標に設けられたもので、リーダーシップ、計画性、設備、教育、草の根レベルでの試合運営の5つの点で審査され、その審査結果に応じて、ゴールド、シルバー、ブロンズの3つの評価が与えられます。8月6日のこのブログでは、JDTが運営するアカデミーがゴールド評価を獲得したことを紹介しましたが、FASサッカースクールはFAMが設定した基準の80%を達成した結果のゴールド評価で、同様の基準の98%を達成しているJDTのアカデミーに続き、国内で2番目にスーパリマウのゴールド評価を受けたアカデミーとなります。FASサッカースクールとJDTアカデミーに対するFAMの審査による具体的な結果はこちらから見ることができます。
 FAMは今後も定期的に国内のアカデミーの審査を行う予定としており、現在も審査を希望するアカデミーを募集しています。審査を受けた各アカデミーはその結果をもとにゴールド、シルバー、ブロンズの評価が与えられますが、この評価は2021年の12月まで有効で、それ以降はFAMによる審査を改めて受ける必要があります。
 なおこのスーパリマウ評価プログラムをの審査を受けたクラブは、FAMが主催するアカデミー対象のリーグ戦への参加や、アカデミー出身者がプロ契約を結んだ場合の褒賞なども提供されるということです。
(下はアカデミーにスパリマウ評価プログラムの審査を受けることを勧めるFAMの告知-FAM公式サイトより)

U19代表はスランゴール2に敗れて練習試合2連敗
 10月にウズベキスタンで開催されるアジアサッカー連盟AFC U19選手権に出場するU19代表は、昨日8月19日にMリーグ2部のスランゴール2と練習試合を行い、0−4で敗れています。
 スランゴール州プタリンジャヤのPKNSグラウンドで行われた試合は、前半を0ー1で折り返したU19代表が後半さらに3失点という展開でした。試合の映像はこちらからご覧になれます。
 U19代表は8月12日にはMリーグ1部のPJシティFCとも練習試合を行なっており、こちらも1-6で敗れています
 現在、第二次代表候補合宿を行なっているU19代表ですが、実は昨日対戦したスランゴール2には、MFムカイリ・アジマルを始め、GKにはフィルダウス・イルマンやシーク・イズハン・ナズレル、DFのハリス・ハイカル、ジクリ・カリリ、アイディル・アズハンなど昨年2019年のアセアンサッカー連盟AFF U19選手権優勝に貢献した主力メンバーを含むU19代表候補選手が在籍していますが、来週8月28日にMリーグの開幕を控えるスランゴール2が所属選手のU19代表合宿合流を認めていないため、U19代表はベストメンバーをそろえることができていません。またベルギー1部KVコルトレイクと契約し、現在はベルギーにいるFWルクマン・ハキム・シャムスディンもこの第二次合宿には不参加となっています。

8月16日のニュース:マレーシアサッカー協会はタン代表監督との契約延長の予定、W杯予選延期によるMリーグの日程再編はなし、マレーシアサッカー協会は買収希望者に対してクラブの経営状況などを提供

マレーシアサッカー協会はタン代表監督との契約延長の予定
 マレーシア国内では3月18日から中断中のMリーグが今月8月26日に再開しますが、国外に目を向けると、まずは今年の11月に予定されていた東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ、そして10月から11月にかけて予定されていたFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会予選がいずれも来年2021年まで延期となるなど、代表チームの国際試合が消失してしまいました。
 これに伴い2017年12月からの契約が今年12月末で切れる代表のタン・チェンホー監督の去就も注目されていましたが、マレーシアサッカー協会FAMはタン監督との契約を延長し、来年再開予定のW杯予選の指揮を任せる方向で話が進んでいると、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、これまでタン監督が残してきた結果を好ましく評価した上で、近いうちに契約の延長を提示する予定であると話しています。
 またスチュアート事務局長は、当面の試合予定がなくなってしまった代表チームの今後の予定についても近いうちに発表すると話しています。
 「現在、FAMは(Mリーグを運営する)マレーシアフットボールリーグMFLと、代表チームの試合がなくなった10月と11月の日程について協議中である。この期間中は、アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグに出場するジョホール・ダルル・タジムJDT以外のMリーグのクラブにとっては試合のない空白期間になっている。」と話すスチュアート事務局長は、代表チームの今後の予定に関心を持つメディアやサポーターに対し、今後の日程の詳細についてはもうしばらく待つように求めています。

W杯予選延期によるMリーグの日程再編はなし
 10月と11月に予定されていたW杯予選が来年に延期されたことを受け、5週間で7試合を消化する予定のMリーグの日程が変更になるのではという声も上がっていましたが、MリーグのCEOは、再開後のMリーグの日程に変更はないようです。
 ニューストレイトタイムズによるとMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、8月26日に再開し、9月23日に閉幕予定のMリーグ1部と2部、そしてリーグ1部の上位11クラブと2部の上位5クラブが参加して10月17日開幕予定のマレーシアカップのいずれについても、W杯予選延期による日程変更はないと話しています。
 アブドル・ガニCEOは、当初の国内日程が11月に終了する予定であり、これに基づき多くの選手及び監督、コーチの契約が11月末で切れることから、契約期間延長などの混乱を避けることを理由に日程を変更しないと話しています。

マレーシアサッカー協会は買収希望者に対してクラブの経営状況などを提供
 マレーシアサッカー協会FAMは、Mリーグクラブの買収を検討している企業や個人からのクラブの経営状況についての問い合わせを受ければ、その情報を提供する用意があると、マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 さらにFAMは、クラブの買収希望者とクラブを運営する州サッカー協会(州FA)の間の交渉が効率的に行えるよう仲介を行い、Mリーグ全クラブの民営化という目的が滞りなく実現させたいとしています。
 FAMのクラブライセンス発給を担当する第一審期間FIBのモハマド・フィルダウス・モハメド委員長は、多くの企業や個人がMリーグクラブ買収という形でサッカーに関心を示していることは喜ばしいが、実際にクラブを運営する州FAとの交渉に入った際に、州FAが買収希望者に全ての情報を提供していない場合には、交渉が決裂するだけでなく、Mリーグ全体のイメージが低下する可能性があると話しています。
 「例えば5年前や10年前の未払い給料や滞納金について州FAが『忘れている』ことを買収希望者が後で知った場合、その州FAだけでなくMリーグ全体が信用を失ってしまうことが考えられる。そう言ったことを避けるためにも、クラブの買収を検討している企業や個人はFAMに問い合わせて欲しい。FAMは必要な情報を提供するだけでなく、州FAとの交渉を円滑に進められるよう仲介することもできる。」と話すフィルダウス委員長は、9月30日を期限とするMリーグクラブの州FAからの独立と民営化は、アジアサッカー連盟AFCが設けている国内リーグの参加条件によるものであることも強調しています。

7月21日のニュース:Mリーグは感染者急増のサラワク州の状況を憂慮、ACL出場のJDTには試合日程の配慮も-MFL、ワン・クザリも他の選手もU19代表メンバー入りは実力次第

Mリーグは感染者急増のサラワク州の状況を憂慮
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、サラワク州での新型コロナウィルス感染者が急増した事態を受け、国内リーグのMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは今後の状況を監視していく予定であると伝えています。
 3月半ばから中断中のMリーグは8月26日の再開が発表されていますが、Mリーグには2部プレミアリーグにサラワク州に本拠地を持つクチン FAとサラワク・ユナイテッドがあることから、サラワク州政府が今後、感染拡大を防ぐ処置を発動するかどうかを注視していくと、MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは話しています。
 「クチンFAとサラワク・ユナイテッドはいずれも綿棒テストの結果をMFLに提出しており、再開後のリーグ参加は許可されているが、万が一、サラワク州の観戦状況が悪化することがあれば、MFLは両クラブのホームゲームを共有しているサラワクスタジアムではなく中立地で行うことも検討している。」と話しています。
 またガニ・ハサンCEOは、MFLがリーグ再開後の標準作業手順SOPのマニュアルを作成中で、1週間程度で完成し、Mリーグの各クラブに配布される予定であることも明かしています。これにはボールボーイからメディア関係者まで無観客試合で再開されるスタジアムに入場を許可されている全員を対象とした物となっていると言うことです。
 この他、観客の入場については、少なくとも最初の2試合は無観客で開催することは決定しているものの、その後は青年スポーツ省や保健省、国家安全保障委員会から許可が出れば、可能になると話しています。しかしその場合でもスタジアムの収容人数の1割程度の入場者受け入れとなるだろうとガニ・ハサンCEOは話しています。

ACL出場のJDTには試合日程の配慮も-MFL
 Mリーグの再開が、マレーシア政府がサッカーの試合実施許可日とする8月15日ではなく8月26日と決まったことで、Mリーグで暫定の首位となっているジョホール・ダルル・タジムJDTは、ACLを控えていることから過密日程の心配が出ていると、ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 現在国内リーグ7連覇中で、今季2020年シーズンも4試合を終えた時点で勝点10と2位のペラTBGに勝点差2をつけて首位のJDTですが、8月26日に再開するリーグは9月中に終了する予定ですが、その後はこちらも連覇がかかるマレーシアカップが10月17日から開幕する一方で、再開されるアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグも10月17日に広州恒大淘宝FCとの試合が組まれています。
 この過密日程について、マレーシアカップを運営するMFLのガニ・ハサンCEOは「マレーシアを代表してACLに出場するJDTが不利にならないよう、マレーシアカップの試合日程については考慮したい。」と述べ、MFLとしてサポートする姿勢を明らかにしています。
 今季のACLは新型コロナウィルスによる大幅な日程変更を迫られた上、試合も各予選グループごとの1ヶ所開催で行うことが発表されています。JDTは初戦の広州恒大淘宝FC戦後は、10月23日の水原三星戦、10月29日のヴィッセル神戸戦、そして11月1日には再び広州恒大淘宝FCの予定が組まれており、11月4日に決勝が予定されているマレーシアカップとほぼ同時期の試合となっています。

ワン・クザリも他の選手もU19代表メンバー入りは実力次第
 現在行われているU19代表候補合宿に参加しているアメリカ出身のワン・クズリ・ワン・アーマド・カマルは、アメリカ2部リーグにあたるUSLチャンピオンシップUSLCのセントルイスFCのアカデミー所属ということや、実の兄がマレーシア国内のサッカーを統括するマレーシアサッカー協会を監督する青年スポーツ省の大臣代理であることなどから注目を浴びています。
 このワン・クズリ選手についてU19代表のブラッド・マロニー監督は、チームにとって有用な戦力だが、23名のメンバー入りが保証されているわけではないとマレーシアの通信社ブルナマとのインタビューに答えています。
 国外からの入国者に義務付けられている14日の隔離措置が終了し、先週から10月のAFC U19選手権に出場するU19代表候補合宿に合流したワン・クザリ選手は、合宿合流前から多くのファンの期待や注目を集めている一方で、一部のファンからはその前評判ほどの選手ではないのではないかという疑念が出ています。
 これらの意見についてマロニー監督は、ワン・クズリ選手の代表合宿合流後の進捗状況には満足していると話しています。
 「外国出身ということを踏まえずとも、一人の選手が周りと違っているのは全く普通のことである。またこれまで数日間見た限りでは、ワン・クズリ選手はとても良い選手であり、チームにとって戦力となりうる。」と話しています。しかしその一方で、代表候補合宿に参加しているどの選手もメンバー入りを確約されている選手はおらず、誰もが実力でメンバー入りを勝ち取らなければならないと話しています。
 さらに今週土曜日7月25日に合宿が終了する前に練習試合を組みたいと話すマロニー監督は、実戦の中でワン・クザリ選手だけでなく、現在のチームの実力を見てみたいと話しています。
 なお、招集された35名から既に31名まで絞り込まれているチームは、次回の合宿を8月3日から行うということです。

7月10日のニュース:ACLの日程発表-JDTの初戦は10月17日の広州恒大淘宝戦、ケランタン州協会は来季のクラブのMリーグ残留に楽観的、今度は元スランゴールFCのGKが優勝メダルをオークションに

ACLの日程発表-JDTの初戦は10月17日の広州恒大淘宝戦
 アジアサッカー連盟AFCの公式サイトでは、10月から再開予定のAFCチャンピオンズリーグACLAFCカップの新たな日程が発表になっています。
 ACLのグループGに入るMリーグ1部ジョホール・ダルル・タジムJDTの再開初戦は10月17日の広州恒大淘宝戦となっています。またその6日後の10月23日には水原三星戦、さらに10月29日にはヴィッセル神戸戦、そしてグループスタージ最終戦となる広州恒大淘宝戦は11月1日に予定されています。
 なお試合会場については、これまでのホームアンドアウェイ開催から一か所集中開催となることが発表になっていますが、具体的な場所はまだ発表されていません。
 またグループステージ終了後のノックアウトステージも、今季は12月5日に予定されている決勝戦までの全ての対戦がホームアンドアウェイ形式から一発勝負の形式となることも併せて発表されています。
 今季のACLでJDTは初戦のヴィッセル神戸戦(アウェイ)に1−5と大敗したものの、次戦の水原三星戦(ホーム)では2-1と快勝しましたが、その後、ACLは新型コロナウィルスの影響で中断されていました。
 この他、AFC主催の各大会の日程も以下の通り発表になっています。
AFC U19選手権:10月14日から31日までウズベキスタンで開催。
AFC U16選手権:11月25日から12月12日までバーレーンで開催。
AFC フットサル選手権:11月4日から15日までトルクメニスタンで開催。
AFC フットサルクラブ選手権:12月2日から13日までアラブ首長国連邦で開催。

ケランタン州協会は来季のクラブのMリーグ残留に楽観的
 Mリーグ2部ケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会KAFAは、複数の給料未払い問題を抱えるものの、来季もMリーグに残留できると楽観的な予測を持っていると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 マレーシアサッカー協会FAMは、KAFAは要求に応じる形で未払い給料問題解決の期限を6月30日から8月31日まで延長していますが、KAFAのフシン・デラマン事務局長はこの2ヶ月間の間に未払い給料の支払いを分割で行うとしています。
 その一方で、KAFAのスポンサー委員会のアーマド・ムザッキル・ハミド委員長は青年スポーツ省のリーザル・メリカン・ナイナ・メリカン大臣を表敬訪問し、未払い給料問題解決のため青年スポーツ省によるKAFAへの支援を依頼したとされています。
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 同じ記事の中では、ケランタンFAの練習再開が8月1日となることも明らかにされており、その理由として監督がリーグ開幕までの練習期間は1ヶ月で十分だとしたことが理由にされています。
 Mリーグの各クラブが次々と練習を再開する中、7月も自宅練習を選手に求める姿勢を見ると、ケランタンFAは練習再開に必要とされる標準作業手順SOPに必要とされる余分な費用など負担を避けることが目的ではないかと勘ぐってしまいます。

今度は元スランゴールFCのGKが優勝メダルをオークションに
 MリーグのペラFAや代表で活躍したカリド・ジャムルスが、経済的な困窮を理由に自身が獲得したMリーグ得点王のトロフィーであるゴールデンブーツやユニフォームなどをオークションに出した話は先日取り上げましたが、今度はかつてのスランゴールFA、現在のスランゴールFCでプレーしたGKが優勝メダルをやはりオークションにかけています。
 2005年にスランゴールFAでプレーしたジャムサリ・サビアンは、この年獲得したMリーグ2部プレミアリーグの優勝メダル、FAカップの優勝メダル、そしてマレーシアカップの優勝メダルの写真を自身のFacebookに挙げ、購入希望者を募っています。
 2003年に当時の1部リーグだったプレミアリーグ1(現在のスーパーリーグ)で13チーム中12位となり、2部リーグプレミアリーグへ降格となったスランゴールFAは、2005年には2部で優勝しただけなく、2部のクラブとしては初となる国内の二つのカップ戦を制覇していますが、ジャムサリ・サビアン選手はその3つの優勝記念メダルを手放すとしています。
 Facebook上では特に理由は述べられていませんが、これだけのものを手放すというのにはそれなりの理由があるのでしょう。
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 この2005年のスランゴールFAは現在はパハンFAの監督を務めるドラー・サレー監督と、やはり現在はクアラルンプールFAでプレーするシュコル・アダン主将が率い、マレーシアカップ決勝では9万3569人の観衆を記録したブキジャリル国立競技場でプルリスFAを3-0で破り、FAカップ決勝はペラFA(現ペラTBG)をやはりブキジャリル国立競技場で4-2で破っています。いずれの決勝戦もインドネシア代表で活躍し、インドネシアサッカー界のレジェンドであるバンバン・パムンカスが2得点を決めて勝利に貢献しています。
(写真はいずれもジャムサリ・サビアン選手のFacebookより。写真左は2部プレミアリーグ(Liga Premier)、FAカップ(Piala FA)、マレーシアカップ(Piala Malaysia)のメダル。写真右はGKユニのジャムサリ・サビアン選手とスランゴールFAのメンバー)

5月7日のニュース:リーグを短縮日程としてでもマレーシアカップを開催する理由、帰化選手のクラスニキが代表戦出場可能に、ケランタン州協会は2部リーグの放映拡大を要望

リーグを短縮日程としてでもマレーシアカップを開催する理由
 マレーシアの国内リーグMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは、現在中断中のMリーグ再開に向けて、マレーシア政府が9月再開を許可した際の日程を発表しています。それぞれ全12クラブで争うMリーグ1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグとも今季2020年シーズンは1回戦総当たりの11試合(中断前に4試合は実施済み)とし、日本で言えば天皇杯にあたるFAカップは中止を決めています。
 その一方で、試合形式は変更になったものの、中止とはならなかったのがマレーシアカップです。このマレーシアカップはMリーグ終了後に行われ、スーパーリーグの上位11クラブとプレミアリーグの上位5クラブ(ただしスーパーリーグ所属クラブのBチームは出場権なし)の合計16クラブで争われるカップ戦です。
 マレー語紙ブリタハリアン電子版は、なぜ、FAカップが中止となりながら、マレーシアカップは実施となったかを解説する記事を掲載しています。
 MFLがマレーシアカップの開催にこだわったは、このカップ戦が持つ歴史と名声が大きな要因である、と話すのはMFLのアブ・ガニ・ハサンCEOです。「前身のマラヤカップから数えると今年がちょうど100周年となるマレーシアカップは、国内サッカーの重要なブランドであり、多くのサポーターが郷愁を感じるカップ戦であることから、(リーグが9月再開となった場合の)限られた時間の中で、FAカップや(マレーシアカップに出られないクラブが出場する)チャレンジカップを犠牲にしてでも開催するという結論に至った。」
 また、アブドル・ガニCEOは、マレーシアカップの優勝クラブが、マレーシア代表としてアジアサッカー連盟AFCカップに出場するとしたMFLの発表は間違いではないとしています。MFLはFAカップとマレーシアカップの優勝クラブのどちらか一方をマレーシア代表して選ぶことができるとした上で、FAカップが中止となった今、マレーシアカップの優勝クラブがAFCカップに出場できると話しています。
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 英国の植民地であった当時の英領マラヤで、英国海軍の戦艦HMSマラヤより寄贈されたカップ「マラヤカップ」を争奪する大会として1921年に第1回大会が開かれたマラヤカップは、1967年カラはマレーシアカップと名称を変え、現在に至ります。日本の天皇杯(天皇杯JFA全日本サッカー選手権大会)も同じ1921年に第1回を開催しており、両大会はアジア最古の大会とされています。
 ところが両大会は性格が大きく異なり、マレーシアカップが16のプロクラブだけが出場する大会、日本で言えばJリーグカップのような大会なのに対して、天皇杯はアマチュアクラブも地方予選から参加する大会だということ。ちなみにマレーシアでアマチュアとプロが参加する全国大会はFAカップですが、こちらは第1回大会が1990年で、1994年から始まったJ歴史や伝統を持ち出されるとマレーシアカップには太刀打ちできません。
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 ところで、マレーシアカップ優勝クラブがAFCカップに出場するというアブ・ガニCEOの発言を読んで、少々気になる点があります。というのはAFCカップの出場権が「全国レベルの国内カップ戦優勝クラブ」に与えられるという点です。これまで、Mリーグ1部スーパーリーグの優勝クラブは国内1位のクラブとしてACLチャンピオンズリーグACLの本戦へ、FAカップ優勝クラブは国内2位のクラブとしてACL予選に出場してきました。16のプロクラブだけの大会であるマレーシアカップが果たして「全国レベルの国内カップ戦」とAFCに認められるのかどうかは定かではありません。

帰化選手のクラスニキが代表戦出場可能に
 今季からジョホール・ダルル・タジムJDTでプレーするリリドン・クラスニキは国際サッカー連盟FIFAが規定する「18歳に達した後から5年以上その国で継続居住歴を持つ」という帰化条件を満たしたことから、今年2月にマレーシアの国籍を取得し、JDTではマレーシア人選手として登録されています。
 マレーシア国内ではマレーシア人選手としてのプレーが可能となったものの、代表でのプレーについては、FIFAによる承認が必要でしたが、ブリタハリアン電子版では、マレーシアサッカー協会FAMのもとにFIFAより承認を伝える連絡が入ったということです。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長によれば、FIFAは帰化規定中の「5年」を厳密に計算したところ3月25日がちょうど5年目に当たる日だったとし、この日をもって5年経過となり、クラスニキ選手はFIFAから正式にマレーシア人選手として承認されたとしています。
 ラマリンガム事務局長は、もう1人の帰化選手であるギリェルメ・デ・パウラ(ペラTBG)については、FIFAからは何の連絡も受け取っていないと話しています。
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 このクラスニキ選手が代表でのプレーを承認された3月25日は、FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFCアジアカップ2023年大会予選のアラブ首長国UAE戦が予定されていた3月26日の前日で、クラスニキ選手が実際にUAE戦に出場できるのかどうかは定かではありませんでした。しかし、幸か不幸かこのUAE戦が新型コロナウィルスの影響で延期となったことで、クラスニキ選手は予選再開後は問題なく出場する資格を得ることができました。

ケランタン州協会は2部リーグの放映拡大を要望
 渡邉将基選手が所属するケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会KAFAは、予定されているMリーグの9月再開が実現した際には、所属するMリーグ2部プレミアリーグの放映を拡大するように求めていると、ブリタハリアン電子版が報じています。
 KAFAのスポンサー委員会のアーマド・ムザッキル・ハミド委員長は、リーグ再開となっても無観客試合が予定されていることから、クラブを支援するスポンサーの功績を称える行動が必要であると述べています。
 「(MFLの規定により)KAFA自身がライブストリーム配信やソーシャルメディアで中継を配信をすることができないため、2部プレミアリーグの放映権を持つメディアに対して試合の放映を要請したい。観客を入れずにリーグが再開した場合、(KAFAが運営する)ケランタンFAの試合を放送することでスポンサーの功績を認める必要がある」とアーマド・ムザッキル委員長は話しています。

4月7日のニュース:クチンFAは削減した給料を新型コロナウィルス基金に寄付、FIFAは6月に予定されていた全試合の中止決定 、活動制限令違反でサッカー選手を逮捕、MFLは活動制限令延長の場合の対応を準備

クチンFAは削減した給料を新型コロナウィルス基金に寄付
 東マレーシアのマレー語紙ウトゥサンボルネオ電子版によると、マレーシアフットボールリーグMFL2部プレミアリーグのクチンFAは、選手が4月分の給料を5パーセント削減することに同意したことに加えて、その削減分を新型コロナウィルスのための基金に寄付すると発表しています。
 クチン地区サッカー協会KDFAのファズルディン・アブドル・ラーマン会長は、選手とスタッフの給料削減分は活動制限令によって影響を受けている家庭を支援するための基金へ寄付されることになっており、クラブとして全ての選手とスタッフの協力に感謝していると話しています。 
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 クラブの経費節約のために給料削減に応じるのではなく、新型コロナウィルス感染拡大による影響で苦しむ人を助ける目的で給料削減を行うのは、単なる給料削減とは全く意味が違います。FAMやMFLも単にクラブと選手の間での給料削減交渉を促すのではなく、クラブを助けるのではなく、より苦しんでいる人を助けることを目的とすべき、といったその使い道にまで言及することで、社会の中でのプロサッカーの存在意義が高められると思うのですが、そういうことは考えないのでしょうか。 

FIFAは6月に予定されていた全試合の中止決定
 フランスの通信社AFPは、国際サッカー連盟FIFAが6月に予定されていた全ての試合の中止を決定したと伝えています。
 新型コロナウィルスの影響に関する専門調査委員会の初会合の席上で決定したということです。ビデオ会議で行われたこの委員会は、現在延期となっているFIFAワールドカップ2022年大会予選の新たな日程を決めることも求めています。
 この他、東京オリンピックの1年延期を受けて、サッカー競技の選手出場資格を「1997年1月1日以前に生まれた者とする」とした現行の資格を維持することもこの委員会で提案されています。

活動制限令違反でサッカー選手を逮捕
 現在、マレーシア全土に発令中の活動制限令MCO下では、不要不急の外出を避けるように求められていますが、屋外で練習していたプロサッカー選手が逮捕され、有罪判決を受けたとマレー語紙シナルハリアンが報じています。
 自宅のあるクアラルンプール市内のコンドミニアム敷地内で練習をしていたアーマド・ルトゥフィ・アジズル・ラーマンは、自宅に戻ることを命じた警察官の2度に渡るに従わず、さらに反抗的な行動をしたとしてMCO違反および公務執行妨害で逮捕され、アンパン下級裁判所で罰金800リンギ(およそ2万円)あるいは禁固1ヶ月の判決を受けたとしています。22歳のルトゥフィ選手は罪を認めています。
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 なお記事の中では、このルトゥフィ選手が所属するクラブ名が書かれていませんが、マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグと2部プレミアリーグの登録選手リストには名前がありませんので、MFL3部のM3リーグ以下のリーグでプレーする選手ということなのかもしれません。

MFLは活動制限令延長の場合の対応を準備
 マレーシアフットボールリーグMFLは公式サイトで、4月14日に解除予定の活動制限令MCOが延長された場合、国内リーグを再開するにあたっての選択肢を複数用意していることを発表しています。
 MFLのアブ・ガニ・ハサンCEOは、国内リーグやカップ戦再開そのものが、MCOがいつ解除になるか、また解除後のマレーシア政府の保健省のアドバイスの内容次第としたています。(筆者注:なお、ここで言われている国内リーグやカップ戦とはMFL1部から3部、FAカップ、マレーシアカップ、チャレンジカップを指します。)
 またアブ・ガニ・ハサンCEOは、JDT、クチンFA、UKM FCに倣って、他のクラブも契約内容の見直しを行うように提言している他、マレーシア最大のマルチメディア企業テレコムマレーシア、、マレーシア第2の金融グループCIMB、オンライン通販大手のショッピーShopeeの各社は契約通りの支援を続けることも発表しています。
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 このブログで何度も取り上げたように、所属選手は給料削減を了承していないと公言しているUKM FCを例にして、活動制限令MCOが延長になった場合に限って職員の給料削減を行うとするMFLのCEOが、MCOの延長が決定されてない現段階でクラブと選手に契約内容の見直しを提言する姿勢はどれだけ選手たちの指示を得られるのかが、甚だ疑問です。JDTやクチンFAに倣うのは、クラブではなくむしろFAMやMFLでは無いのかと思ったりもしてしまいます。