11月24日のニュース:U22代表メンバー発表-ワン・クザインは含まれず、ブレンダン・ガンはスランゴールFAへ移籍か、スランゴールFA監督-アムリ・ヤハヤの退団は本人の意思、サフィク・ラヒムは来季もマラッカUでプレー

U22代表メンバー発表-ワン・クザインは含まれず
 今月11月25日からフィリピンのマニラで開幕する東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場するU22代表の最終メンバーがマレーシアサッカー協会のホームページで発表になっています。全員の選手名簿はこちらです。
 今回発表されたU22代表には、マレーシアで開催された前回2017年大会のチームからは7名が残っている一方で、今月初旬にカンボジアで行われたAFC U19選手権予選を全勝で勝ち抜けて本戦出場を獲得したU19代表からも3名が選ばれるなど、経験者と若手の融合したメンバー構成になっています。
 前回大会経験者は、GKハジック・ナズリ、MFシャマー・クティ・アッバ、FWアキヤ・ラシド、DFアダム・ノー・アズリン(以上JDT)、MFダニアル・アミル・ノーヒシャム(フェルダ・ユナイテッド)、DFイルファン・ザカリア(クアラルンプールFA)で、この内23歳のアダム・ノー・アズリンと24歳のイルファン・ザカリアはオーバーエイジ枠として出場します。
 またU19代表からはFWルクマン・ハキム・シャムスディンは、DFハリス・ハイカル・アダム・アフカル、FWムハマド・ウマル・ハキーム・スハルが初代表入りしています。
 この他、アメリカ生まれながらマレーシア人両親を持ち、メジャーリーグサッカーMLSでもプレー経験のあるワン・クザイン・ワン・カマルは、選手登録期限までに必要書類が揃わなかったということで、最終メンバーには残りませんでした。
 シーゲームズのサッカーは他の競技に先駆けて11月25日に開幕し、予選グループAに入ったマレーシアはミャンマー(11月25日)、フィリピン(11月29日)、東ティモール(12月2日)、カンボジア(12月4日)の順でグループステージを戦い、前回優勝のタイなどが入ったグループBの上位2チームとともに12月7日の準決勝、さらに12月10日の決勝と3位決定戦に進みます。

ブレンダン・ガンはスランゴールFAへ移籍か
 ワールドカップ予選タイ戦ではマンオブザマッチに選ばれるなど、フル代表でも主力選手の一人であるブレンダン・ガン(ペラTBG)にスランゴールFA移籍の噂が出ていると、スポーツ専門サイトフォックススポーツが伝えています。
 フォックスポーツの取材に対して、ガン選手はスランゴールFA移籍についての話し合いが進行中であることを認める一方で、ペラTBGには思い入れもあるとして、来季2020年のMFLでプレーするクラブを決めるにはもう少し時間が必要であると答えています。また、ガン選手はスランゴールFA以外にも複数のクラブが接触していること、自身の中にもプレーを希望するクラブがあることも認めた上で、結論が出たら速やかに報告したいと語っています。
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 オーストラリア生まれながら、マレーシア人の父親を持つガン選手は、サバFA、ケランタンFAでもプレー経験があり、昨季2018年からペラTBGでプレーし、昨季はマレーシアカップ優勝に貢献しています。パハンFAやクダFAもガン選手獲得に興味を持っているという噂もあり、スランゴールFAを含めた争奪戦に勝ったクラブは来季2020年は打倒JDTに一番手になる可能性が高くなります。

スランゴールFA監督-アムリ・ヤハヤの退団は本人の意思
 このブログでも取り上げたアムリ・ヤハヤのスランゴールFA退団について、契約を1年残しての退団となったことから、スランゴールFAの一部サポーターからは、アムリ選手退団の原因と槍玉に挙げられたバースカラン・サティアナタン監督が、退団はあくまでも本人の意思であると主張していると、スポーツ専門サイトスタジアムアストロが報じています。
 サティアナタン監督は、アムリ選手がチームに残るか否かの決定権は自分にはないと前置きした上で、「来季2020年はスランゴール州サッカー協会FASは(スランゴールFAとスランゴールFAのBチームとなることが決定したPKNS FCの)2つのクラブを持つが、FASはアムリ選手にはPKNS FCで若い選手を導く役割を期待していた」と述べています。
 MFLの規定では、各クラブのBチームは、Aチームと同じリーグでプレーすることができないため、もしアムリ選手がPKNS FCの登録となれば、MFL1部ではなくMFL2部でのプレーを余儀なくされることになり、それを嫌っての退団の可能性も考えられます。
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 スランゴールFAで400試合以上に出場し、100以上のゴールを挙げているアムリ選手は、いわばスランゴールFAのレジェンドの一人であり、スランゴールFAサポーターには「アムリ信者」も多いこと、また「モノ言う」指導者のサティアナタン監督に批判的なスランゴールFAサポーターも少なくないことが、このような批判につながった可能性があります。

サフィク・ラヒムは来季もマラッカUでプレー
 新たな外国籍選手やマレーシア人選手の移籍が次々と発表が報じられるマラッカ・ユナイテッドですが、フル代表では長年、主将も務めたサフィク・ラヒムが1年契約を新たに結んだことがチームのFacebookで告知されています。
 MFLで今季6位のマラッカ・ユナイテッドは、シーズン終盤のマレーシアカップ準々決勝第1戦を前に、主将のシュコール・アダンがマラッカ・ユナイテッドを統括するマラッカ州サッカー協会MUSAが過去2ヶ月間の給料を払っていないことをソーシャルメディア上で告発し、ベンチ入りどころか、スタンドにも姿を見せないという事態が起こり、準々決勝も2試合で1-6とパハンFAに大敗しています。
 サフィク選手は来季はチームのメンバーも大きく変わることが考えられるが、自分は全力を尽くしたいと抱負を述べる一方、MUSAのデミアン・ヨー・シェンリー新会長はシュコール・アダンの退団を受けて、サフィク選手がマラッカ・ユナイテッドの新キャプテンとなることも発表しています。

11月23日のニュース:MFLとラ・リーガが提携、放映権料分配は半額で終了か、ベルギーリーグから代表選手誕生か

MFLとラ・リーガが提携
 マレーシアフットボールリーグMFLはスペインのラ・リーガと提携したことをホームページで発表しています。
 ラ・リーガのビジネススクールの教育部門が、プロサッカー選手、マレーシアサッカー協会、MFL各クラブ及びフットボール関係者を対象として2020年よりスポーツ関連教育を担当しますが、具体的には3ヶ月ごとに様々なコースを開催し、手始めとして来年2020年3月27日から30日までの予定でスポーツマーケティングコースが開催することになっています。
 MFLのケヴィン・ラマリンガムCEOによると、MFL各クラブの特にフロントを中心に理論と実践両面から「プロとして意識と技術」つまりプロフェッショナリズムを植え付けることを目的にしており、この提携関係によって、MFLはフィールド上だけでなくフロントもサポートして、国内サッカーを一大産業として発展させたいとしています。
 ラ・リーガのビジネススクールは、スポーツ産業の人材育成とスポーツマネージメントの専門知識習得を目的に設立されたプログラムで、メキシコ、エジプト、コロンビア各国が既にこのプログラムを実践しているということです。
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 このブログで繰り返し取り上げている給料未払い問題は、雇用主としての各クラブのフロントにも問題があるのは明らかです。そのフロントを「教育」することで、プロリーグとして恥ずべき給料未払い問題を撲滅して欲しいですね。

放映権料分配は半額で終了か
 スポーツ専門サイトフォックススポーツは、MFL各クラブに分配される予定だった放映権料が当初の半額となりそうであると報じています。
 MFLは当初、各クラブに支給予定だった報奨金について、報償金ではなく放映権料であるとした上で、昨年2018年と同額のMFL1部スーパーリーグの各クラブに300万リンギ(およそ7800万円)、MFL2部プレミアリーグの各クラブには100万リンギ(およそ2600万円)の放映権料を分配するしていました。
 しかし、この放映権料の支払いはMFL開幕後も実施されず、結局7月に入ってスーパーリーグクラグには150万リンギ(およそ3900万円)、プレミアリーグクラブには50万リンギ(およそ1300万円)の「半額」が分配され、残り半分は8月に分配するとしていました。
 しかし8月に入ると、MFLは十分なスポンサーが確保できていないとして、その分配時期を11月に延期すると発表していました。そして11月も月末に近づく一方で各クラブに対してMFLからは何も説明のなく状況が続いていました。
 フォックススポーツの取材に対して、MFL取締役会のダト・ウィラ・ユソフ・マハディ取締役は「今季開幕前にMFL各クラブは放映権収入の75%を受け取ることで同意していたが、今季は放映権収入が全くなかったため、各クラブに分配する資金ない。しかしながら各クラブとの同意を尊重し、MFLは予定していた放映権料の半額については何とか調達したが、残りの半額について支払うための資金がないことから、残り半分の支給は実現しない可能性が高い。各クラブが残り半分の支給を求めていることは理解しているが、少なくとも現時点で至急の目処は立っていない。」と答えています。マレーシアサッカー協会FAM副会長でもあるユソフ氏にとっても、ない袖は触れぬといったところでしょうが、各クラブに給料未払い問題の是正を求めているMFLにとっても頭の痛い問題でしょう。
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 この問題は、MFLがマレーシアのテレコミュニケーション企業テレコム・マレーシア(TM)と結んだスポンサー契約が「突如」3月に打ち切られたことに端を発します。
 2018年1月に発表された8年間総額4億8000万マレーシアリンギ(およそ125億円)の大型スポンサー契約はマレーシアのスポーツ史上最大のものでしたが、1年ほどで頓挫。この契約ではTMがMFLとマレーシアカップの冠スポンサーとなり、全ての試合を放映することになっていました。この契約が打ち切られたことで、今季のMFLは財政的に非常に厳しい状況に置かれることになりました。

ベルギーリーグから代表選手誕生か
 ディオン・ヨハン・コールズは、現在はベルギー1部リーグの強豪クラブ・ブルッへでプレーするDFですが、現在23歳のディオン選手がマレーシア代表入りに関心を持っているのでは、と話題になっています。
 外国生まれながらマレーシア人の親を持ち、世界各地のマレーシア代表入り資格を持つ選手を取りあげているツイッターHarimau Abroadでは、このコールズ選手が自身のインスタグラムにマレーシア代表のユニフォームを着ている写真を意味深なメッセージとともに掲載していることを取り上げています。
 マレーシアのサラワク州クチン生まれで、母親がマレーシア人であることからマレーシア代表としてプレーする資格のあるコールズ選手については、現在のフル代表タン・チェンホー監督の前任者であるネロ・ヴィンガダ前監督が招集しようとしましたが、その際は実現しませんでした。
 各年代でも代表経験があり、UEFAチャンピオンズリーグでのプレー経験もあるものの、一度もフル代表招集がないコールズ選手がベルギー代表ではなく、マレーシア代表でプレーするのであれば、攻撃陣に比べ弱いとされる守備陣を持つマレーシア代表にとっては朗報です。しかも現在のフル代表のラヴェル・コービン=オング、マシュー・デイヴィーズ、ブレンダン・ガンといった外国生まれの選手に加われば、チーム力は明らかにアップします。
 単なる冷やかしなのか、それともマジか。今後の動向に注目です。
(写真はコールズ選手のインスタグラムに挙げられた写真)

11月22日のニュース:シーゲームズ関連-サファウィ・ラシドは招集せず、オーバーエイジ枠の2名が決定、17歳のルクマンもU22代表入りか

サファウィ・ラシドは招集せず
 先日のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選のインドネシア戦で2ゴールを挙げ勝利の立役者となったサファウィ・ラシド(JDT)を今月末からフィリピンで開催されるシーゲームズに参加するU22代表に招集しないとオン・キムスイ監督が発言したことが波紋を呼んでいます。
 11月19日のインドネシア戦に出場したフル代表メンバーのうち、U22代表でのプレー資格がある6名とオーバーエイジ枠での出場が予定されているアダム・ノー・アズリン(JDT)が代表候補合宿に参加し、現在は32名の大所帯となった代表候補合宿ですが、その中には当初、予定されていたサファウィ・ラシドの姿がなかったと英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。なお、この32名の詳細はこちらです。
 先日のナショナルフットボールアウォーズでは、2年連続の年間最優秀選手賞を受賞したサファウィ選手を招集しないことについて、オン監督は、サファウィ選手が今季、既に代表や所属クラブのJDTで多く過ぎるほどの試合に出場していることから、現時点では休息が必要だとして今回は召集を見送ったと述べ、これが難しい決断であると同時に、理解を求めています。
 またサファウィ選手の欠場は、代わりの選手が試合に出場する良い機会だとして、他の選手に期待しているとも述べています。
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 個人的にはオン監督の決断に大賛成です。シーゲームズは東南アジアのU22王者を決める大会ですが、そこからアジア、さらに世界へつながる大会ではありません。リーグ戦、AFCチャンピオンズリーグ、FAカップ、マレーシアカップ、代表戦と50試合近くに出場したサファウィ選手が出場すれば、優勝が一気に近づく可能性はありますが、マレーシアサッカーは、先日のインドネシア戦勝利で首の皮一枚で希望がつながったAFC選手権アジアカップ2023年大会出場を最優先にするべき。だとすれ東南アジアのU22チャンピオンを目指すことは、他の選手に任せて、サファウィ選手には十分な休養を与えてあげてほしいです。

オーバーエイジ枠の2名が決定
 シーゲームズの男子サッカーはオリンピック同様、U23代表の大会で、オーバーエイジ選手が出場可能ですが、人数はオリンピックが3名なのに対して、シーゲームズは2名となっています。
 U22代表のオン監督は、このオーバーエイジ枠の選手にアダム・ノー・アズリン(23歳、JDT)とのイルファン・ザカリア(24歳、クアラルンプールFA)の2名を指名しました。なお、両選手はマレーシアで開催された前回のシーゲームズ2017年大会に出場していますが、このときマレーシアは決勝にタイに0-1で敗れています。しかもこの試合は、今回のワールドカップ予選でも招集されていたGKハジック・ナズリルがパンチングしたボールがオウンゴールになるという負け方でした。
 この試合にも出場していたイルファン選手は、3大会ぶりの優勝を果たすことができず、年齢的にも自分にとって最後のシーゲームズとなったと思っていたところ、今回の招集に驚いたと英字紙スター電子版で語っています。
 所属するクアラルンプールFAは今季、MFL1部で最下位となり、来季は2部降格となったことから全く予想していない招集だったようですが、イルファン選手は今季、フル代表候補合宿に何度か招集されており、(前大会も監督を務めた)オン監督が、もう一度チャンスを与えたくれたことに感謝し、その期待に応えて優勝を目指したいと話しています。

17歳のルクマンもU22代表入りか
 今月11月初旬にカンボジアで開催されたアジアサッカー連盟AFC U19選手権2020年大会予選に出場し、タイなどを破り全勝で予選を突破したマレーシアU19代表。17歳ながら主力選手の一人として活躍したFWルクマン・ハキム・シャムスディンは、DFハリス・ハイカル・アダム・アフカル、FWムハマド・ウマル・ハキーム・スハルとともにシーゲームズ出場のU22代表候補合宿に招集されています。
 上でも取り上げたようにサファウィ・ラシドが招集されなくなったことで、FWのポジションが一つ空き、ルクマン選手がそれを埋めるためにメンバー入りするのではと噂されています。
 スター電子版では、シーゲームズに出場することは昔からの夢であったというルクマン選手の声を紹介し、マレーシアでの前回大会決勝はスタンドから観戦したが、今大会は選手として出場したいと話していると報じています。
 「サファウィ選手の穴を自分が埋めることは難しいが、U22代表に選ばれれば、全力を尽くし、オン監督の期待に応えたい」とも話しています。
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 U22代表どころかフル代表へ招集すべきという声も上がるほど、マレーシアサッカー界とファンの期待を集めるルクマン選手が、体格差で勝るU22代表各チーム相手にどのようなプレーを披露してくれるのかは個人的に興味があります。U22代表のオン監督、フル代表のタン・チェンホー監督ともルクマン選手については慎重なコメントが目立ちますが、本日11月22日に発表が予定されている最終メンバー20名に残れるかどうか注目です。

11月19日のニュース(2):マレーシアはインドネシアにホームで勝利!

 11月19日にクアラルンプールのブキ・ジャリル国立競技場で行われたFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ予選グループGの試合は、マレーシアがサファウィ・ラシド(JDT)の2ゴールでインドネシアに勝利し、勝点3を獲得しました。
 ここまでワールドカップ予選全ての試合に先発したシャフィク・アーマド(JDT)を累積警告で欠く中、タン・チェンホー監督はノーシャルル・イドラ・タラハ(パハンFA)をシャフィク選手の代わりに起用するだろうと言う大方の予想に反して、本来はウィングのモハマドゥ・スマレ(パハンFA)をいわゆる」フォールス9」のような形で中央に配置し、スマレ選手本来のポジションにはアキヤ・ラシド(JDT)を起用するこれまでにない布陣で臨みました。

 勝たなければいけない重圧からか、動きの重いマレーシアは、徐々にペースを掴み始めたところで、先発したGKカイルルアザン・カリドが20分にインドネシアFWフェブリ・ハリヤディのシュートを好セーブするも、その際に負傷し退場となってしまいます。重苦しい空気が漂う中、30分にペナルティエリアの外でラシド選手が、DFヤント・バスナに倒されフリーキックを得ます。ゴールやや右寄りの得意の位置からラシド選手が左足で蹴ったフリーキックはそのままゴールへ飛び込み、マレーシアが先制しました。試合はその後一進一退を繰り返して前半が終了しました。
 後半に入ると、タン監督はアキヤ選手に変えて、ノーシャルル・イドラン・タラハ(パハンFA)を投入、スマレ選手は本来の左サイドに戻り、ノーシャルル選手が中央に陣取りました。そして73分にはゴールライン上のボールをヤント・バスナに競り勝ったサファウィ選手が豪快に蹴り込み、マレーシアは2−0とリードを拡げました。
 途中まではブレンダン・ガン(ペラTBG)とともに前線からペナルティーエリア付近までを豊富な運動量でカバーしたシャマー・クティ・アバ(JDT)が終了間際にボールを奪われ、飛び出したファリザル・マーリアス(JDT)がインドネシアの選手を倒してPKを与えますが、これをしっかりとセーブしたファリザルの堅守が光りました。
 インドネシアの拙攻もあり、なんとか逃げ切ったマレーシアは、今回の予選で初完封勝ちし、サファウイ選手はMOM「マンオブザマッチ」喪受賞しています。

 マレーシア代表は、今季の公式戦が終了。ワールドカップ予選では、タイとベトナムが0−0で引き分けたため、タイを抜いて2位につけています。

11月19日のニュース:ワン・クザインがU22代表に合流、PKNPFC主将はペラTBGへ移籍

ワン・クザインがU22代表に合流
 何度かこのブログでも取り上げたMFワン・クザイン・ワン・カマルが東南アジア競技大会に参加するU22代表の練習に合流したことを英字紙スター電子版が報じています。
 アメリカのプロサッカーリーグ、メジャーリーグサッカーMLSのスポーティング・カンザスシティに所属し、今季2019年はBチームにあたるスウォープパーク・レンジャーズでプレーした21歳のワン・クザイン選手は、アメリカのイリノイ州生まれながら両親がマレーシア人であることから、マレーシア代表でプレーする資格を持っています。
 昨季2018年にMLSデビューを果たしただけでなく、ゴールも決めているワン・クザイン選手の招集をU22代表のオン・キムスイ監督も明言していましたが、スウォープパーク・レンジャーズのシーズンが10月まであったことなどから、合流時期が未確定でしたが、無事、マレーシアに到着し、早速チームの練習に合流したようです。
 合流初日の練習後はメディアの取材に応え、攻撃的あるいは守備的MFだけでなく、センターバックなど守備的なポジションも含めて監督の求めるポジションでプレーするとしながらも、自分が得意なのは試合を組み立てることと話すワン・クザイン選手は代表チームでプレーすることは名誉であり、国を背負ってプレーすることの意味は理解しているとも話しています。
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 現在U22代表候補合宿に招集されているのは25名ですが、今日11月19日のFIFAワールドカップ2022年大会予選のインドネシア戦に出場するフル代表からも、7名がU22代表に合流することが決まっており、その中にはフル代表の主力選手サファウィ・ラシド、シャマー・クティ・アッバ(いずれもJDT)やシャミ・サファリ(スランゴールFA)などがおり、東南アジア競技大会出場20名のメンバー入りへの競走は激しさを増しそうです。

PKNP FC主将はペラTBGへ移籍
 PKNP FCは今季はMFL1部で11位となり、来季は2部降格となる予定でしたが、急転直下で来季よりペラTBGのBチーム化が決定し、各選手の去就が注目されていましたが、今季チームの主将を務めたハフィズ・ラマダンはペラTBGへ移籍が決まったとスター電子版が伝えています。
 2011年から2014年はプレジデントカップチーム(U21)、2015年から2017年まではペラTBGでのプレー経験があるハフィズ選手にとっては、かつて在籍したチームへの復帰となります。
 以前ペラTBGでプレーしていた際にはレギュラーポジションカクトには至らなかったハフィズ選手は、PKNP FCでは主に左ウィングで起用され、主力選手の一人として活躍し、3月の国際大会エアマリンカップの際には代表候補合宿にも招集されるほどになりました。
 まずはメフメト・ドゥラコビッチ監督のスタイルや考え方を理解し、チームに慣れることが最優先となると話すハフィズ選手は、ペラTBGでのスターティングXI入り、そして代表入りを今後の目標としたいと語っています。

11月17日のニュース:マレーシアサポーター向けチケットをインドネシアサポーターに売却しないよう警告、主力を欠いた布陣で正念場のインドネシア戦に臨む代表、インドネシア戦のチケットは既に7万枚以上が販売済み

マレーシアサポーター向けチケットをインドネシアサポーターに売却しないよう警告
 先日のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選のタイ戦に勝利し、11月19日の同インドネシア戦が控えるマレーシア代表ですが、マレーシアサッカー協会FAMとマレーシア警察は共同で、マレーシアサポーターに対してこの11月19日の試合のチケットをインドネシアサポーターに売却しないように警告しています。
 マレーシアの通信社ベルナマの記事によると、先日のタイ戦では、タイサッカー協会を通じてタイサポーター向けに2500枚のチケットが用意されていましたが、実際にはその倍以上の5000人のサポーターがブキ・ジャリル国立競技場で観戦したとされています。
 これを受けてFAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、保安上の問題からマレーシアサポーターとインドネシアサポーターが接触しないような座席配置を行なっているFAMとサポーター同士のトラブルを回避したい警察の仕事を難しくする者だとして、マレーシアサポーターにインドネシアサポーターにチケットを売却したり、チケット購入を手伝うことのないよう警告しています。また、FAMはインドネシアサッカー協会PSSIの要請により4500枚のチケットを用意しており、PSSIの責任で手配することになっているとしています。
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 マレーシア代表にとってワールドカップ予選の初戦となったアウェイのインドネイシア戦では、インドネシアサポーターがマレーシアサポーターへ投石するなどの騒動が起こり、FIFAはPSSIに罰金処分を科しています。チケットが入手できないインドネシアサポーター相手に法外な値段でチケットを売りつけるダフ屋行為が行われればマレーシアサポーターの中にインドネシアサポーターが混在する危険な状況も起こりえます。また、特にマレーシアには隣国ということで国内のインドネシア人労働者の数は100万人前後とされており、彼らが母国の応援に大挙してスタジアムへ押しかけることも十分考えられることから、最悪の事態を避けたいFAMと警察が警告を発しているというわけです。

主力を欠いた布陣で正念場のインドネシア戦に臨む代表
 11月12日のワールドカップ予選

タイ戦に勝利し、2勝2敗と星を五分に戻したマレーシア代表。予選グループGの上位3チームに離されないためには、11月19日のインドネシア戦でも勝利が必須ですが、この試合は主力を欠いた苦しい布陣になりそうです。
 タイ戦からワントップとなったシャフィク・アーマド(JDT)とここまでの4試合中3試合に先発した右サイドバックのマシュー・デイヴィーズ(パハンFA)がいずれも累積警告のため、インドネシア戦は出場停止となっています。またタイ戦ではデイヴィーズ選手に代わって先発した同じ右サイドバックのシャミ・サファリ(スランゴールFA)はタイ戦で太腿を痛め、途中退場しています。
 この状況に関して、代表のタン・チェンホー監督は追加招集は考えていないとマレーシアの通信社ブルナマの取材に答えています。その一方でここまでワールドカップ予選4戦全敗のインドネシアはいわば「手負いの獅子」であり、解任されたサイモン・マクメネミー前監督の後任のイェイェン・トゥネマ監督代行を優れた戦術かと評価するタン監督は、タイ戦の勝利を忘れて目の前の試合に集中したいと話しています。

インドネシア戦のチケットは既に7万枚以上が販売済み
 スポーツ系オンラインメディアのフォックススポーツによると、11月19日のワールドカップ予選インドネシア戦のチケットは本日11月17日の時点で既に74,038枚が販売済みとのことで、久しぶりにブキ・ジャリル国立競技場が満員となりそうです。 しかもこの数字はネット販売のみと数字ということで、試合日までに全ての座席が売れて仕舞えば、試合当日のチケット販売はない可能性もあると伝えています。なお、メインスタンドとプレミアム席はすでに売り切れで、バックスタンドのチケットだけが残っているということです。
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 新国立競技場(収容可能観客数7万人弱)や横浜国際総合競技場(日産スタジアム、同7万人強)を上回る8万7000人の収容可能なブキ・ジャリル国立競技場は世界でも有数の巨大スタジアムです。代表戦では久しく満員になっていませんが、先日のタイ戦の勝利によって多くのマレーシアサポーターに再び希望を与えてくれた代表を後押しするような満員の観客が押しかける可能性はありそうです。
(チケットの売り切れが近いことを告知するFAMのFacebookポスト) 

11月14日のニュース(2):マレーシアはタイに逆転勝ち!

 FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ予選グループGで、マレーシア代表はタイ代表に2-1と逆転勝利し、次戦以降に希望が繋がる貴重な勝利を挙げています。
 0-1と敗れた前節のベトナム戦のメンバーから2名を入れ替えたタン・チェンホー監督でしたが、その2名が起用に応えて活躍しました。GKカイルルアズハン・カリドは好セーブでタイの攻撃を1点に抑え、DFシャミ・サファリとMFシャマー・クティ・アッバは豊富な運動量でタイ守備陣を撹乱しました。
(以下はこの試合のマレーシア代表のスターティングXI)

 試合は動きが重いマレーシアに対してタイが積極的に攻める展開となり、開始から7分でチャナティップ・ソングラシンのゴールでタイが先制します。
 この試合に負ければワールドカップどころかアジアカップ出場も遠のくマレーシアは、この1点を取られたことで徐々にエンジンがかかり始め、26分には左サイドを上がったラヴェル・コービン=オングからのボールをシャマー・クティ・アッバがゴール前へのブレンダン・ガンへクロス。これをブレンダン・ガンが決め、マレーシアが同点に追いつきます。
 そして56分にはサファウィ・ラシドからのパスを受けたブレンダン・ガンがタイDFラインの裏へ浮き球でパスし、これをムハマドゥ・スマレがボレーシュート。タイのGKシワラック・テースーンヌーンが触れるもボールはゴール内へ飛び込み、マレーシアが逆転します。
 ホームのブキ・ジャリル国立競技場ではタイに負けたことのないマレーシアは、この後、全員が最後まで走り続け、身体を投げ出して守り切り、貴重な勝利を挙げています。
 なおこの日、ホームでアラブ首長国連邦UAEを1−0で破ったベトナムが勝点10で首位、勝点7のままのタイが2位、UAEとマレーシアはともに2勝2敗の勝点6ですが得失差でUAEが3位、マレーシアが4位、この日試合のなかったインドネシアは勝点0の5位となっています。
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 1ゴール1アシストと活躍したブレンダン・ガン(ペラTBG)は、いわゆるボックストゥボックスプレイヤーの評価通り、攻撃に守備に活躍し、マンオブザマッチなのは誰の目にも明らかでしょう。またタジキスタン戦では、今一つポジショニングがはっきりしなかったシャマー・クティ・アッバが攻撃的MFとして豊富な運動量で守備を引きつけ、その結果、シャフィク・アーマドが動くスペースを作ることができるようになった今回の布陣は、次戦11月19日のインドネシア戦でも見てみたい布陣です。(写真はマンオブザマッチとなったブレンダン・ガン)

11月14日のニュース:スランゴールFAは外国籍選手4名の残留決定、JDT IIからGKがペナンFAへ移籍、U19代表GKがU22代表へ昇格、インドネシアのクラブがクダFA監督に触手

スランゴールFAは外国籍選手4名の残留決定
 今季2019年はマレーシアフットボールリーグMFL1部で3位となったスランゴールFAは、来季に向けて4名の外国籍選手の残留をホームページで発表しています。
 残留するのは、今季途中から加入してリーグ戦とカップ戦合計20試合で16ゴールを挙げたFWイフェダヨ・オルセグン(ナイジェリア)の他、MFサンドロ・ダ・シルヴァ・メンドンサ(ブラジル)とDFテイラー・リガン(オーストラリア)で、ケガのため今季は6試合のみ出場にとなったFWルフィノ・セゴヴィア(スペイン)の残留も決まっています。
 なおこの他の外国籍選手DFミハル・グエン(ベトナム)とMFエンドリック・ドス・サントス(ブラジル)は退団となっています。
 またスランゴールFAの「カンテ(チェルシー)」ことMFサクナン・クリシュナサミー、FWシャズワン・ザイノン、DFタミル・マラン、そして今回代表に召集されているDFシャミ・サファリ、GKカイルルアズハン・カリドらの残留も合わせて発表されています。#STILLRED
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 今季は開幕でつまづき監督の解任騒ぎまで出ながら、最終的にはリーグ3位となったスランゴールFA。他のクラブが外国籍選手の入れ替えや新戦力獲得に忙しい一方で、次々とチームの中心選手の残留を発表していますが、これはバスカラン・サティアナタン監督が現在のチームに自信を持っているからでしょう。昨季31ゴールを挙げたセゴヴィア選手が復帰することで、今季大活躍のオルセグン選手と組む強力FW陣はJDTの牙城を崩すのに十分な戦力が整い、個人的には来季が最も楽しみなチームになりました。

JDT IIからGKがペナンFAへ移籍
 MFL2部ペナンFAのFacebookでは、JDT IIからGKサミュエル・サマーヴィルの獲得を発表しています。イギリス生まれでマレーシア人の母親を持つサマーヴィル選手は2015年から4年間、JDT IIでプレーしていました。
 またサマーヴィル選手は自身のインスタグラムでJDTとオーナーのTMJ子とジョホール皇太子トゥンク・イスマイル殿下への感謝の気持ちを述べるともに、JDTから離れて自分の価値を示したいと述べています。
(写真はサマーヴィル選手獲得を告知するペナンFAのFacebookより)

U19代表GKがU22代表へ昇格
 先日カンボジアで開催されたアジアサッカー連盟AFCU23選手権予選でグループ1位となり本選出場を決めたマレーシアU19代表のGKが、今月末にフィリピンで開催される東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場するU22代表に昇格したと、英字紙スター電子版が報じています。
 U19代表でも主将を務めたモハマド・フィルダウス・イルマン・ファディルの昇格でU22代表に招集されるU19代表の選手は合計6名となりました。
 U22代表のオン・キムスイ監督によると、GKハジック・ナジル(JDT II)がフル代表に召集されたことで、GKを補充する必要があるための招集としながらも、他の選手ではなくフィルダウス選手を招集した理由として、U19選手権予選終了後で試合感、体調などが整っていることを挙げています。
 U22代表に招集されているのこの他のU19代表選手は、このブログでは既に何度か取り上げたFWルクマン・ハキム・シャムスディン、DFハリス・ハイカル・アダム・アフカル、MFモハマド・ウマル・ハキーム・スハル・レズワン、MFムカイリ・アジマル・マハディ、MFモハマド・アザム・アズミ・ムラドです。

インドネシアのクラブがクダFA監督に触手
 MFL1部のクダFAは、今季から就任したシンガポール人のアイディル・シャリン監督のもと、リーグ4位、FAカップ優勝、マレーシアカップ準優勝と好成績を収めましたが、インドネシア1部リガ1のクラブ、ペルセバヤ・スラバヤがこのアイディル監督との契約を検討していたと、インドネシアのスポーツ専門サイトインドスポートが報じています。
 プルセバヤ・スラバヤは、数試合を残して辞任したオーストリア人のウォルフガング・ピカル監督の後任に、元監督のアジ・サントソ氏の就任を発表していますが、プルセバヤ・スラバヤは当初はクダFAのアイディル監督と交渉を行い、アイディル監督もこれを認めています。アイディル監督もインドネシアのクラブでの監督業に興味を示していたということですが、その後プルセバヤ・スラバヤ側からの連絡が途絶えたため、契約延長を求めていたクダFAと来季の契約したようです。
 この他、同じリガ1のクラブ、ペルシジャ・ジャカルタもアイディル監督と交渉を行っていたとも伝えられており、アイディル監督自信も2021年にまた機会があればインドネシアのクラブでの指導を考えたいと、インドスポートに語ったということです。

観戦記:11月9日国際親善試合マレーシア代表対タジキスタン代表@ブキ・ジャリル国立競技場

FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選ではここまで1勝2敗と苦しい展開が続くマレーシア代表。11月14日にはタイ代表、同19日にはインドネシア代表と正念場となる試合がホームで続きますが、その前に行われたタジキスタンとの試合を観戦してきました。

今回はLRT(軽便鉄道)を利用。国立競技場すぐ前にあるブキ・ジャリル駅を降りると、ユニフォームやマフラーを売る屋台が既に並んでいました。

ここは現在の代表ユニフォームだけでなく、レトロなユニフォームも売っています。

Harimau(ハリマウ)はマレーシア語で「虎」。ハリマウ・マラヤとは「マレーの虎」、代表チームの愛称です。

屋台群を過ぎるとすぐにスタジアムです。

11月はこの試合も含めて代表戦が3試合あり、この日の試合はメインスタンドが15リンギ(およそ400円)と破格だったので、久しぶりにメインスタンドで観戦。A入口からの入場でした。

座席はオンラインで購入。ただしエリアは指定できても、座席の位置までは指定ができないのが、現在のマレーシアのオンラインチケット購入です。PDF形式のチケットが送られてくるまでどの席かはわからないのですが、今回はなんと1列目でした。

ピッチが近い。いや近すぎます。

しかもコーナーポストのすぐ前でした。

前半は、マレーシアにほとんどチャンスがないまま終了しました。試合前に食事をとっていなかったので、何か買いにスタンド裏手へ出ると全く店はありません。係員に聞くと、バックスタンドにしか店はないということでした。慣れないメインスタンドで右往左往した挙句、バックスタンドまでコンコースを半周歩くことにしました。

後半開始早々、タジキスタンのGKがペナルティーエリアの外でボールに触れて一発退場し、マレーシアが数的有利になりました。そして途中出場の「ロケット」サファウィ・ラシドのゴールでマレーシアがリードしました。

試合はこのまま終了し、格上のタジキスタンに勝利し、次戦となるタイ代表戦に弾みがついたマレーシア代表でした。

11月12日のニュース:タイ・インドネシア戦に向けて代表メンバー発表、JDTIIは元ラ・リーガアカデミー指導者を新監督に任命、ナショナルフットボールアウォーズではJDTが席巻か

タイ・インドネシア戦に向けて代表メンバー発表
 FAMのホームページでは、11月14日に開催されるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選となるタイ代表戦と同19日のインドネシア戦に出場する代表メンバーを発表しています。23名の顔ぶれはこちらです。
 この23名中、DFムハマド・シャズワン・ビン・アンディック、MFムハマド・アフィク・ビン・ファザイル(いずれもJDT)、MFバドロル・ビン・バクティアル(クダFA)はいずれも代表経験者ですが、今回のW杯予選では初招集となります。
 また候補合宿に招集された26名からは、FWシャレル・フィクリ・モハマド・ファウジ、GKナジルル・ナイム・チェ・ハシム(いずれもペラTBG)、MFムハマド・ファルハン・ビン・ロスラン(クダFA)の3名が外れています。
 いずれの試合もブキ・ジャリル国立競技場で開催されます。
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 タイ戦は昨年末のスズキカップ以来ですが、この時のタイ代表はMFチャナティップ・ソングラシン(札幌)やDFテーラトン・ブンマタン(横浜)らを招集せず、準決勝ではアウェイゴールルールでマレーシアに敗れています。しかし、この当時のチームとは監督も含め大きく変わっており、タン・チェンほー監督率いるマレーシアにとっては非常に厳しい試合となりそうです。
 先日のタジキスタン戦を見た印象では、個ここ数試合固定されている右サイドバックのマシュー・デイヴィーズ(パハンFA)に代えて、今回の東南アジアサッカー連盟AFFアウォーズでタイ戦でのゴールスズキカップのベストゴール賞を獲得したシャミ・サファリ(スランゴールFA)をタイ戦で再び起用するのかどうかが気になります。
 それともう一つ。今回の代表23名の中には、JDTのBチームであるJDT IIのGKムハマド・ハジック・ナズリと、JDTから期限付き移籍でタイのポリステロFCでプレーするDFドミニク・タンを含めると12名の選手がJDT所属です。リーグ6連覇中と国内ではダントツの強さを誇るJDTですが、興味深いのはこの人選に表立った批判が出ていないことです。昨年2018年3月には、アジアカップ2019年大会予選でモンゴル戦で2-2の引き分け後、タン監督がファンのプレッシャーに屈する形で選ばれていたJDTの選手14名全員を代表から外すという出来事もありました。この時のような批判が出ないのは、マレーシアの多くのサッカーファンがJDTの強さを認めたということなのかもしれません。

JDTIIは元ラ・リーガアカデミー指導者を新監督に任命
 マレー語紙ブリタハリアン電子版によると、マレーシアフットボールリーグMFL2部のJDT IIは、エルヴィン・ボバン氏の辞任後、空席となっていた監督のポストにマラガCFの元アカデミーおよびスカウト責任者のラファエル・ギル・サンチェス氏の就任を発表しています。
 この他、マラガCFのU23チームやサウジアラビアU17代表で監督経験を持つギル新監督には、アカデミーからの昇格選手を含めたJDTのBチームであるJDT IIの若い選手たちがJDTと同様のプレースタイルを身につけ、JDTへ昇格してもすぐ活躍できるよう成長させることが求められていると、JDTのアリスター・エドワーズTD(テクニカルダイレクター)がJDTのホームページで語っています。

ナショナルフットボールアワーズではJDTが席巻か
 11月15日に行われる今季2019年のナショナルフットボールアワーズABKでは、JDTが各賞を席巻するだろうとブリタハリアン電子版が伝えています。
 ABKでは、最優秀選手MVP、最優秀若手選手、最優秀監督、最優秀FW、最優秀MF、最優秀DF、最優秀GK、最優秀外国籍選手、最優秀ASEAN選手、得点王ゴールデンブーツ賞、最優秀クラブ、最優秀サポーターの他、ファン投票によって選ばれる最高人気選手、同じくファンが選ぶベストイレブンなどが選ばれます、
 ブリタハリアンの予想では、年間最優秀選手賞の最有力候補は、昨年2018年の受賞者でもあるサファウィ・ラシド(JDT)。JDTが優勝したマレーシアカップでは合計11ゴールを挙げ、9ゴールのディクソン・ヌワカエメ、7ゴールのラザラス・カイムビ(いずれもパハンFA)、8ゴールのフェルナンド・ロドリゲズら外国籍選手を抑えて得点王を獲得しています。
 なおブリタハリアンは、最優秀監督賞、最優秀GK賞などもJDTの監督、選手が獲得する可能性が高いとしています。
(以下はマレーシアフットボールリーグMFLのFacebookに掲載されているABK各賞のノミネート選手。上から順にベストFW、ベストMF、ベストDF、ベストGK、ベスト外国籍選手、ベストアセアン選手)