3月24日のニュース:エリートアカデミーに何が起こっているのか、U21とU19チームの給料未払いをケランタン州協会会長が認める、ミャンマー代表監督がマレーシアとの試合を拒否した理由とは

エリートアカデミーに何が起こっているのか
 マレーシアフットボールリーグMFL所属クラブのU19チームが対戦するユースリーグには、マレーシア国内から選手が選抜されている国家サッカー選手養成プログラムNFDPの中核をなすエリートアカデミーのモクター・ダハリアカデミーAMDのU16チームも参加していますが、このAMD U16が出場した試合で撮られた写真が様々な憶測を生んでいます。
 マレー語紙ハリアンメトロ電子版によれば、ロゴが外された古いユニフォームを着た選手たちが写った写真についてコメントしたのはKJことカイリー・ジャマルディン科学・テクノロジー・イノベーション相です。2013年から2018年の総選挙で下野するまでNFDPを統括する青年スポーツ相を務め、在任中はマレーシア人として初めてヨーロッパでプレーし、当時バイエルン・ミュンヘンU19チームのアシスタントコーチを務めていたたリム・テオンキム氏をNFDPへ招聘しました。今年2月末に起こった政権交代により再入閣を果たしたカイリー大臣は、停滞していたユース育成プログラム改善に尽力したこともあり、この「異変」に敏感に反応し、NFDPの公式インスタグラムに「2019年の予算として配分された4500万リンギ(およそ11億2000万円)はどこへいったのか」とこの状況に疑問を呈するコメントを残しました。
(胸部分にあったロゴが外されたユニフォーム-NFPD公式インスタグラムより)

 しかしカイリー大臣のコメントはその後なぜか削除され、その後NFPDがインスタグラムに削除を求めたこと、またその理由としてコメントがAMDの評判を貶めるものであることがその理由であることが公表されました。
 ユニフォームの問題以外にも、各地のNFDP参加のトレーニングセンターの閉鎖、トレーニング用具の供給の遅れ、コーチの給与削減なども起こっているようで、ここ数年間の政治の不安定によってサッカー界の将来を担う貴重なプロジェクトが個人の利益を目論む輩につけ込まれていると記事は結んでいます。

ケランタンFAU21の

U21とU19チームの給料未払いをケランタン州協会会長が認める
 ケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会KAFAがリーグ中断による入場料収入減から所属選手の給料削減を検討している事はこのブログでも取り上げましたが、プレジデントカップに出場するU21チームにも給料未払い問題があることをKAFAのフシン・デラマン事務局長が認めたことをマレー語紙ブリタハリアンが報じています。
 U21チームの29名とU19の22名の合計51名の選手に対し、昨季2019年シーズンの給料4ヶ月分に加えて今季は全く給料が支払われていない他、トレーニングにかかる費用等も選手負担で、過去7ヶ月間に渡ってこの状態が放置されているということです。
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 このような状況が過去数ヶ月にわたって起こっていることを把握できないまま、ケランタンFAの今季リーグ参加を承認したマレーシアサッカー協会FAMやリーグ主催者のマレーシアフットボールリーグMFLの調査能力の低さ(あるいは問題意識の希薄さ)によって、あらゆるサッカー活動が止まり、収入減に苦しむクラブが出てくることが予想される今後も同様の問題が露呈する可能性が高まってきました。

ミャンマー代表監督がマレーシアとの試合を拒否した理由とは
 新型コロナウィルス感染者が増加する状況下では世界各地でサッカー活動が止まっていますが、今月3月に予定されていたマレーシア代表とミャンマー代表の国際親善試合を中止されています。
 マレーシアサッカー協会FAMがミャンマー代表を招待する形で行われる予定だった試合は、新型コロナウィルスの影響により中止になっていますが、ミャンマーの英字紙ミャンマータイムズ電子版によれば、ミャンマー代表の監督を務めるドイツ人のアントワーヌ・ヘイ氏が直近のFIFAランキングで136位のミャンマーが同154位のマレーシアに敗れた場合、FIFAランキングが下がってしまうことを恐れたことも中止の理由の一つであるというミャンマーサッカー協会MFFのウ・コ・コ・テイン事務局長のコメントを伝えています。
 2018年にミャンマー代表とU23代表の両チームの監督に就任しながら、同年の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップでの敗退で一旦解任されながら、昨季から再びミャンマー代表監督に復帰したヘイ監督は、ミャンマーよりがFIFAランキングが高い国との試合を希望しているというウ・コ・コ・テインMFF事務局長のコメントも記事には併せて掲載されています。

3月14日のニュース:本日予定のPJシティFC対トレンガヌFC戦は試合会場が確保できず延期、予定されていた代表候補合宿も中止

本日予定のPJシティFC対トレンガヌFC戦は試合会場が確保できず延期
 無観客試合として開催されることが決定したマレーシアフットボールリーグMFL第4節ですが、その第4節の1試合、PJシティFC対トレンガヌFC戦が延期されることがMFLから発表されています。その理由は何と試合会場が確保できなかったからのようです。
 このブログでも取り上げましたが、PJシティFCは本拠地として使用するスランゴール州プタリンジャヤにあるMBPJスタジアムが改修工事中のため、ホームゲームとして予定されていた第2節のパハンFA戦を同じスランゴール州のUITMスタジアムで開催しました。
 それでもホーム2戦目となる3月14日の試合までには工事が終了すると、PJシティFC側は主張していましたが、結局、このような羽目になってしまいました。
 しかもこのこと最初に発表されたのがリーグ主催者のMFLでも、試合会場を用意できなかったPJシティFCでもなく、トレンガヌFCの公式Facebookだったこと、さらにはトレンガヌFCが公表したから5時間も経ってからMFLの公式サイトで発表されたことから、トレンガヌFCのサポーターを中心にMFLが責任回避をしているという非難がソーシャルメディア上で起こり、トレンガヌFCの公式ツイッターも「町内のサッカー大会ならまだしも、国内のトップリーグがこのような対応で良いのか」とMFLを酷評し、本来ならPJシティFCのみが罰せられる事態にもかかわらず、試合に向けて準備をしてきたトレンガヌFCも被害を受けるような処置は理解しがたいとコメントする事態になっています。
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 PJシティFCの試合棄権としてトレンガヌFCに勝点3を与えても良いくらいの失態だと思います。PJシティFCが非難されるのは当然ですあ、それ以上に責任が重いのが、PJシティFCの失態を試合日程延期で済まそうとしているMFLです。そもそも本拠地を用意するというリーグ参加要件を満たしていないPJシティFCのリーグ参加を認めたこと、さらに試合会場の手配をクラブに任せてこのような事態を招いたことで、MFLの国内リーグ運営能力にまた疑問符がついた格好で、仕組みは一流、使う人間は三流と揶揄されることが多いマレーシアを表す形になってしまいました。
(以下はトレンガヌFCが公表したMFLからトレンガヌFC宛に出された試合延期通達の手紙-トレンガヌFCのツイッターより)

予定されていた代表候補合宿も中止
 サッカー専門サイトのヴォケットFCは、マレーシアサッカー協会FAMが予定されていた代表候補合宿の中止を決めたと報じています。
 新型コロナウィルスの影響により、今月3月にFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選が延期となったこと、また国際親善試合を組むことも現実的ではないこと、さらにはFIFAとアジアサッカー連盟AFCからの指針が出ていることなどから、選手招集を行わないことをFAMのハミディン・モハマド・アミン会長が明らかにしています。

3月1日のニュース:日本遠征中のU17代表は最終戦もPK戦で涙、MFLがシャーアラムスタジアムの使用を禁止、MFL開幕で各クラブの外国籍選手が出揃う

日本遠征中のU17代表は最終戦もPK戦で涙
 鹿児島県指宿市で開催されていたJENESYS青少年サッカー交流大会に出場したマレーシアU17代表は、最終日の2月29日にミャンマーU18代表と対戦し、フルタイム0-0(PK戦5-3)と破れて総合順位を6位として今大会を終了しています。
 マレーシアU17代表は、グループステージでは初戦のラオスU18代表は1-1(PK戦2-3)、続く2戦目の鹿児島県選抜U18は2-2(PK戦4-2)、昨日の日本代表U17戦は0-1と0勝3敗となり、最終日の順位決定戦は5位6位決定戦に回っていました。

MFLがシャーアラムスタジアムの使用を禁止
 マレーシアフットボールリーグMFLは、スランゴールFCのホームであるシャーアラムスタジアムの施設検査を行い、公式戦開催に問題ありとして、3月2日に予定されているホーム開幕戦のパハンFA戦を別の会場で行うよう命じたことを公式ホームページで告知しています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、MFLが1月10日、2月21日そして2月28日の3度の検査を行った結果の結論としており、スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FASにはこの結論は既に公式に伝えられているということです。
 シャーアラムスタジアムの客席を覆う屋根の一部が老朽化により崩落する可能性があることは、このブログでも何度か取り上げましたが、FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長は、危険とされる屋根の下やその周辺は立ち入り禁止とした上で、安全な座席だけを開放して公式戦を実施すると話していただけに、FASにとっては代替試合会場の確保を直ちに行う必要があります。

MFL開幕で各クラブの外国籍選手が出揃う
 一昨日2月28日のJDT対クダFA戦で開幕した今季のMFLですは、開幕戦の各クラブのロースターが確定し、外国籍選手枠も確定したようです。
 このブログでも今季のMFL1部クラブ紹介記事を掲載しましたが、その時点では確定していなかった外国籍選手枠が埋まったクラブがあるので、その補足をしておきます。
MFL1部スーパーリーグ
<PJシティFC>
FWマーク・ハートマン(フィリピン、タイ1部リーグのナコーンラーチャシーマーFCより加入)
2017年にはサラワクFAとペナンFAでのプレー経験もあるイギリス生まれのフィリピン人ストライカーです。



2月29日のニュース:MFL開幕-JDTが連覇に向け白星スタート、PDRM FCはさらなる勝点剥奪を回避、日本遠征中のU17代表は日本代表に惜敗

MFL開幕-JDTが連覇に向け白星スタート
 昨日2月28日に今季のマレーシアフットボールリーグMFLが開幕し、ジョホール・ダルル・タジムが新たな本拠地となったスルタン・イブラヒムスタジアムでクダFAを1−0で破り、7連覇へ向けて白星でスタートを切りました。
 先発11名の内、外国籍選手5名を除く6名全員が昨季はフル代表でプレー経験があるJDTに対し、昨季は4人それぞれが異なるクラブでプレーしていた2トップのクパ・シャーマンとチェチェ・キプレに攻撃的MFのハディン・アズマンとバドロル・バクティアルがからむ布陣のクダFAの対戦となったこのカードは、クダFAが試合開始から積極的に攻める展開でしたが、なかなか得点に至りませんでした。
 その後はJDTが徐々に攻勢に転じ始め、前半終了間際の45分にはコーナーキックからのクロスをDFマウリシオが頭で合わせてゴール!MFLの今季第1号であるとともににスルタン・イブラヒムスタジアム第1号となるゴールを決め、JDTが先制しました。
 後半に入ると両チームとも一進一退を繰り返すも得点がなく、JDTが1-0で逃げ切り、今季初の勝点3を獲得しています。 

PDRM FCはさらなる勝点剥奪を回避
 マレーシアサッカー協会FAMのホームページでは、給料未払い問題を抱えていたPDRM FCが解決の期限とされていた2度目の期限となる2月28日までに、給料を受け取っていない選手やスタッフと支払いについての同意したことを発表し、同時に勝点の剥奪はないことも発表しています。
 1月31日の1度目の期限までに同意が取れなかったことから、PDRM FCはすでに今季の勝点3の剥奪が決まっていました。
 これまで20名の選手と3名のチームスタッフに対して未払い給料があったPDRM FCは、これまでに62万3525リンギ(およそ1600万円)をすでに支払い、残る61万1030リンギについては、分割で支払うことについての選手およびスタッフとクラブの間で同意に達したことがFAMのホームページでは報告されています。

日本遠征中のU17代表は日本代表に惜敗
 鹿児島県指宿市で開催中のJENESYS青少年サッカー交流大会に出場中のマレーシアU17代表は、グループステージ最終戦で日本U17代表と対戦し1−0で敗れ、通算成績を0勝0分3敗としています。
 なおこの試合の結果、U17代表は本日の5位6位決定戦に回り、カンボジアU18代表と対戦します。
 この試合の詳細は以下のゲキサカのリンクからどうぞ。
 ・アジアの激しさ、荒さ体感したU-17日本代表、FW真家の決勝ヘッドでGS3連勝
 ・代表での“立ち位置変えた”青森山田MF松木玖生、中心選手として存在感
 ・「『結局、アイツが決める』みたいな」ストライカーへ。U-17日本代表FW真家が投入3分後に決勝ヘッド

2月28日のニュース(3):タイ1部リーグ第3節の「マレーシアダービー」は意外な結末に、日本遠征中のU17代表は予定を切り上げて帰国

タイ1部リーグ第3節の「マレーシアダービー」は意外な結果に
 2月26日に行われたタイ1部リーグのBGパトゥナム・ユナイテッド対ポリス・テロFCの試合は、共に今季1部に昇格したクラブ同士の戦いですが、マレーシア視点では、フル代表の選手が所属するクラブ同士のいわば「マレーシアダービー」でした。
 BGパトゥム・ユナイテッドにはノーシャルル・イドラン・タラハが、ポリス・テロFCにはドミニク・タンが所属しており、FWノーシャルル選手は過去2試合は先発出場し、DFタン選手は途中交代で出場しています。この両クラブが対戦すれば、ポジション的にも2人が直接対決することがあるかも、と期待していたのですが、意外な結末が待っていました。
 結果自体はホームのBGパトゥム・ユナイテッドがポリス・テロFCを3ー0で破って3連勝を飾り、ポリス・テロは連勝が2でストップしたのですが、期待したノーシャルル選手もタン選手も何とこの日は終始ベンチを温めただけで、試合出場がありませんでした…。残念!
 次節第4節にはノーシャルル選手のBGパトゥム・ユナイテッドはトラートFCと、タン選手のポリス・テロFCはサムットプラーカーン・シティFCとそれぞれ3月1日に試合を行います。

日本遠征中のU17代表は予定を早めに切り上げて帰国
 現在、鹿児島県指宿市で開催中のJENESYS青少年サッカー交流大会に出場中のマレーシアU17代表チームは、大会後に予定されていた予定を全て中止し、明日2月29日の最終戦終了後にマレーシアへ帰国することになったと、マレーシアサッカー協会FAMのFacebookで告知されています。
 日本の外務省などが推進するプログラムの一環として開催されているこの大会には、ASEAN(アセアン)東南アジア諸国連合のU17マレーシア代表、U18ミャンマー代表、U19ラオス代表、U19カンボジアおよびU19東ティモール代表(注:東ティモールはASEANのメンバー国ではありません)と、U17日本代表、鹿児島県選抜U18、鹿児島ユナイテッドFCU18が出場してます。
 当初の予定では、ASEANと東ティモールの選手たちは大会終了後、東京へ移動して3月4日までプログラムを続ける予定でしたが、新型コロナウィルス拡大を心配する日本政府の意向を受けた外務省と日本サッカー協会JFAの判断により、2月29日の順位決定戦でプログラムを終了することになりました。なお、帰国に際しては東京などを経由しない直行便も用意されるようです。
 なお2月26日から始まっている大会では、マレーシアU17代表は初戦のラオスU19戦をフルタイム1-1(PK戦2−3)、翌日27日の鹿児島県選抜U18戦もフルタイム2-2(PK戦2-4)と2敗を喫し、本日2月28日にはグループステージ最終戦となるU17日本代表が控えています。

2月27日のニュース:PDRM FCに未払い給料問題解決の期限が迫る、バーレーンに代わる対戦相手はブータン…って、PJシティFCも本拠地での試合開催が困難に、MFLはトレンガヌFCの新本拠地の使用を認可

PDRM FCに未払い給料問題解決の期限が迫る
 マレーシアフットボールリーグMFLは所属する各クラブに対して、昨季までの未払い給料問題を今季の開幕日までに解決するように求め、PDRM FCを除く23クラブは1月31日の時点で解決済みとなっています。
 1月31日の時点で問題が解決できていなかったPDRM FCは既に今季リーグ戦の勝点3が剥奪されることが決まっていますが、2月28日までの猶予を与えられていますが、それでも解決されない場合にはさらに勝点6が剥奪されることになっています。
  スポーツ専門サイトのフォックススポーツは、PDRM FCを運営するマレーシア王立警察サッカー協会PDRM FAのフロントがこの問題解決に真剣に取り組み始め、一部の選手に対して未払い給料の支払いを始めていると報じています。ただし、全額の支払いはできておらず、支払い方法の同意が取れていない選手、スタッフもいるようだとも報じています。フォックススポーツによると、PDRM FAは選手とスタッフに対し2019年分の未払い給料が3ヶ月から4ヶ月分あるようです。
 マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、(1月31日の勝点3剥奪に続く)勝点6の剥奪となれば、リーグ戦に臨むチームのモチベーションに大きく影響するだろうと心配し、PDRM FAに勝点剥奪処分隣らないための努力を続けることを求めています。
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 なお、ここでいう未払い給料問題の「解決」とは、未払い給料を完済することだけでなく、分割などで支払う場合の支払い方法や期日について該当選手と合意に達することも含んでいます。
 ただし、先日は、未払い給料の問題がないとされていたトレンガヌFCの選手が給料を支払われていないことが発覚しており、今後も他のクラブで同様の問題が発覚する可能性があります。

バーレーンに代わる対戦相手はブータン…って
 来月3月から再開するFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会予選を前にして、予定していたバーレーンとの練習試合が新型コロナウィルスの影響で中止になったことを受け、マレーシアサッカー協会FAMは、代わりの練習試合の相手としてブータンを相手に交渉中であることをマレーシア語紙のブリタハリアン電子版が報じています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、3月26日に予定されているワールドカップ予選のアラブ首長国連邦戦前に練習試合は必要としながらも、現在は新型コロナウィルスの影響により練習試合自体を組むことが難しくなっており、その中でも特に中東の代表チームとの試合が組みにくくなっていると話し、現時点では練習試合の依頼を引き受けてくれる国のサッカー協会FAと交渉するしか方法がなく、その一つがブータンサッカー協会であるとしています。
 なおマレーシアが最後にブータンと試合をしたのは2018年4月で、その際にはマレーシアがブータンを7ー0で破って勝利しています。

PJシティFCも本拠地での試合開催が困難に
 スランゴールFCのホームであるスランゴール州シャーアラムにあるシャーアラムスタジアムは、観客席を覆う天井部分の一部が崩落する可能性があることから、マレーシアフットボールリーグMFLから公式戦での使用許可が下りていませんが、同じスランゴール州プタリンジャヤのMBPJスタジアムをホームとするPJシティFCにも、今季の公式戦をホームで開催できない可能性が浮上しているとマレーシア語紙のハリアンメトロ電子版が伝えています。
 プタリンジャヤ(Petaling Jaya、通称PJ)市が所有するMBPJスタジアムは、現在、大掛かりな改修工事が行われていますが、その状況を視察したMFLのアブドラ・ガニ・ハサンCEOは、ハリアンメトロの取材に対し、開幕まで1週間を切った状況でピッチの改修作業が終わっていないことから、現時点でMBPJスタジアムでのMFL公式戦の開催許可を出すことはできないと語っています。
 PJシティFCのホーム開幕戦は3月6日のパハンFA戦ですが、ピッチの改修工事完了から芝が定着するまで10日ほどかかることから、開幕戦はMBPJスタジアム以外の試合会場を探すことになりそうです。

MFLはトレンガヌFCの新本拠地の使用を認可
 スタジアム関連の内容が続きますが、トレンガヌFCの公式Facebookでは、今季、トレンガヌFCがホームとして使用する予定のスルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアムSSMZAでのMFL公式戦開催をMFLが許可したと告知しています。
 2008年開場のSSMZAは、かつてトレンガヌFCのホームでしたが、2009年と2013年に観客席の屋根の部分が大きく崩落するなどして、改修工事が繰り返されてきました。またピッチの排水設備が不十分で、雨の後の試合ではピッチの状態が悪く、そこでプレーが行われることでさらに状態が悪化する悪循環が続いていたということで、トレンガヌFCは2017年以降はスルタン・イスマイル・ナシルディン・シャースタジアムを本拠地として使用してきました。しかしスタジアムとフィールド両方の状態が改善したことから、トレンガヌFCは今季から最大収容観客数5万人のSSMZAに戻ることになりました。

2月26日のニュース:WC予選前のバーレーン戦が新型コロナウィルスの影響で中止に、クロノス社がMFLのGK4名をブランド大使に、スランゴールFCは収容人数減を条件にシャーアラムスタジアムで試合開催か

WC予選前のバーレーン戦が新型コロナウィルスの影響で中止に
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼2023年アジアカップ予選が来月3月からの再開を前に、マレーシア代表は、その前にバーレーンのマナマにあるハリーファ・スポーツ・シティー・スタジアムで3月21日にバーレーン代表と練習試合を組んでいましたが、新型コロナウィルスの影響により中止になってしまいました。
 マレーシアの通信社ベルナマの報道によると、新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐためにバーレーン政府は既に感染者が出ている19カ国からの入国を厳しく制限しており、その19か国の中にもはマレーシアも含まれていることから、バーレーンサッカー協会がマレーシアサッカー協会FAMに試合中止を申し入れたようです。
 バーレーンサッカー協会のエブラハム・サアド・アル・ブアイナイム事務局長から試合中止を謝罪する手紙を受け取ったことを明らかにしたFAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、3月26日に予定されているWC予選のアウェイでのアラブ首長国連邦UAE戦の前に代わりの試合を手配したいと述べています。
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 ワールドカップ出場に比べれば、2023年のアジアカップ出場は現在のフル代表にとってより現実的な目標なので、フル代表にはむしろこちらを目指して欲しいです。マレーシアが最後にアジアカップに出場したのは2007年の第14回大会ですが、その時はマレーシア、インドネシア、タイ、ベトナムの4カ国による共催だったことから開催国枠で出場できたもので、予選を勝ち上がって出場した大会となると1980年の第7回大会まで遡らなければなりません。

クロノス社がMFLのGK4名をブランド大使に
 イタリアのスポーツブランド、クロノス社Kronosは、マレーシアフットボールリーグMFLでプレーする4名のゴールキーパーとブランド大使契約を結んだと、サッカー専門サイトのヴォケットFCが報じています。
 1973年にイタリアのトレヴィーゾ県モンテベルナで生まれたクロノス社のブランド大使となったのは、ファリザル・ハルン(スランゴールFC)、レメゼイイ・チェ・ロス(UKM FC)、シャフィク・アフィフィ(ペラTBG II)、ザリフ・イルファン・ハシムディン(フェルダ・ユナイテッド)の4名で、クアラルンプール国際空港KLIAに近い三井アウトレットパークKLIAで行われたイベントで発表されています。(写真はクロノス社のFacebookより)

スランゴールFCは収容人数減を条件にシャーアラムスタジアムで試合開催か
 サッカー専門サイトのGoal.comによると、スランゴールFCは、MFLが改修を求めている天井の一部が崩落している客席部分を入場禁止にした上で、シャーアラムスタジアムでの試合開催許可をMFLに求める予定のようです。
 MFLから安全上の問題があることを指摘されている天井の崩落箇所はについては、スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長は施設の改修はFASの管轄外であることを、またシャーアラムスタジアムを管理するダルル・エーサン施設管理社(DEFM社)すぐには改修工事を始められないことを公言しており、シャーアラムスタジアムでの試合開催許可が降りない場合は、同じスランゴール州プタリンジャヤのMBPJスタジアムでスランゴールFCの試合を代替開催する可能性も示唆されていました。
 Goal. comの取材に対して、ジョハン事務局長は危険が指摘されている区画の客席を入場禁止にする一方で、防護ネットなどを設置して観客の安全を確保する作業は管理会社によって始まっており、ホーム開幕戦となる3月7日のペラTBG戦はもちろん、MFLが視察を行う3月4日までには完了する予定であると話しています。
 なおこの作業が影響を及ぼすのは、スタジアムの観客席の半数以下にあたる3万5000席程度ということですが、およそ8万人の収容が可能なシャーアラムスタジアムでは、それでもまだ4万5000席残っています。なお昨季3万人以上の観客を集めたのはマレーシアカップ準決勝とMFLの2試合だけだったことから、ジョハン会長は、スタジアムの半分を閉じたとしても、観客収容には何の問題もないと話しています。

2月19日のニュース:ブキジャリル国立競技場の芝を張り替えへ、M3リーグのクラブが抱える問題

ブキジャリル国立競技場の芝を張り替えへ
 マレーシア代表のホーム、クアラルンプールのブキジャリル国立競技場SNBJは施設は東南アジアでもトップクラスながら、国内外を問わずどのチームがプレーしてもピッチの状況の悪さが批判されてきました。
 そんなSNBJのピッチの芝が張り替えられるようだと、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 記事によると、SNBJを管理するマレーシアスタジアム社とマレーシア政府の青年スポーツ省が共同して、いわゆる「カウグラス」と呼ばれる現在の芝を、ジョホール・ダルル・タジムの新しいホーム、スルタン・イブラヒムスタジアムやシンガポール国立競技場などでも使用されているゼオン・ゾイシア(zeon zoysia)という芝への張り替えを今年後半に予定しているようです。なお、張り替えからピッチが使用できるようになるまでは3ヶ月、費用は1000万リンギ(およそ2億6400万円)かかるとしています。

M3リーグのクラブが抱える問題
 マレーシアフットボールリーグMFLは1部スーパーリーグと2部プレミアリーグはプロリーグという位置づけである一方、3部のM3リーグや4部のM4リーグはアマチュアリーグという扱いです。これをMFLの主導で、M3リーグを段階的にセミプロリーグへ、そしてM4リーグ以下をアマチュアリーグとする改革が現在進行中ですが、そんな中、サッカー専門サイトのスムアナニャボラが、M3クラブの抱える問題を取り上げた記事を掲載しています。
 その問題とはスポンサー獲得の難しさです。M3クラブの平均的な年間運営費用とされる75万リンギ(およそ1980万円)を支援するスポンサーの獲得がM3リーグのクラブ、特にクアラルンプールやスランゴール州など都市部のクラブでは難しくなっているということです。
 記事の中で例として挙げられているのは、昨季はM3に所属していたトゥン・ラザクFCです。このトゥン・ラザクFCは当初予定していたスポンサーが支援を中止した結果、主力選手が次々と退団していき、最終的にはシーズン26試合中23敗で勝点7、しかも失点140という成績で今季はM4リーグへ降格しています。
 また同じ記事の中では、スランゴール州プチョンを拠点としていたプチョン・フェルザFCが、獲得した有力スポンサーの地元ペラ州マンジョンへクラブを移し、マンジュンシティFCとクラブ名称を変えることでM3に残留していることも取り上げられています。
 地方では数千人の集客が可能なM3リーグの試合も、娯楽が多い都市部では観客が数百人という試合が珍しくないことから、企業がスポンサーとして支援するメリットを提供できず、その結果、都市部のクラブにはスポンサーのなり手が見つからないと記事はまとめられています。
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 先日観戦したMFL2部クチンFA対M3クラブのタイ・スランゴールFCの試合も、プレーシーズンマッチとはいえ、日曜日の午後5時過ぎに開始だったにもかかわらず100名にも満たない観衆でしたので、この記事が言わんとすることが実感できました。特にMFL2部昇格を目指して、有力選手や外国籍選手を獲得しようとすれば運営費用はさらに膨らむわけで、有力スポンサーを獲得できるかどうかはM3クラブにとっては死活問題です。


2月17日のニュース:タイリーグが開幕-代表コンビは揃って勝利に貢献、クラスニキのWC予選出場が可能に、スランゴールFCはMBPJスタジアムが今季のホームとなる可能性も

タイリーグが開幕-代表コンビは揃って勝利に貢献
 マレーシアフットボールリーグMFLは今季は2月28日に開幕しますが、隣国タイのリーグは一足早く先週末に開幕しました。ボラセパマレーシアJP的に注目したいのは、今季、タイ1部リーグへ移籍した代表コンビの動向です。
 昨季は2部で優勝し、今季は1部に昇格したBGパトゥム・ユナイテッドには、MFLパハンFAからノーシャルル・イドラン・タラハが、また昨季2部準優勝でやはり今季1部に昇格したポリス・テロFCにはJDTからドミニク・タンが加入しました。
 ノーシャルル選手は、昨季5位のムアントン・ユナイテッド戦に先発しました。ちなみにBGパトゥム・ユナイテッドのFacebookでは、先発メンバーを告知するページにタイ語、英語に加えてマレーシア語の表記も登場するなど、マレーシア人サポーターにも親切な作りになっていました。なお、タイ代表の西野朗監督も視察に訪れたこの試合では、背番号99番のノーシャルル選手は前半終了と同時に交代しています。(写真はBGパトゥム・ユナイテッドのFacebookより)

 一方、タン選手が所属するポリス・テロFCは昨季2位のブリーラム・ユナイテッドと対戦、タン選手はチームが1−0とリードした74分に交代出場し、そのまま試合終了まで出場しました。(写真はポリス・テロFCのFacdbookより)

この他、タイ3部上部(北側)リーグのアーントーンFCにもやはりマレーシア人のMFザフアン・アゼマンが在籍していますが、背番号9のザフアン選手もチャチューンサオFCとの試合に先発出場し、前半終了と同時に交代しています。なおこの試合ではアーントーンFCは0−4と敗れています。(写真はアーントーンFCのFacebookより)

クラスニキのWC予選出場が可能に
 今季、MFLのジョホール・ダルル・タジムに加入したコソボ出身のリリドン・クラスニキはマレーシアサッカー協会FAMによる帰化プログラムを経て、マレーシア国籍を取得しました。これによって、国内リーグMFLではマレーシア人選手としての登録が可能となりましたが、マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版によると、国際サッカー連盟FIFAからもマレーシア代表として試合に出場する許可が出たようです。
 FAMの帰化プログラム委員会の委員長を務めるダト・モハマド・ユソフ・マハディFAM副会長によれば、クラスニキ選手のマレーシア代表選手としての登録を許可する旨の連絡をFIFAより受け取ったとのことで、来月3月26日に予定されているFIFAワールドカップアジア二次予選のアラブ首長国連邦UAE戦に代表選手として出場するかどうかはタン・チェンホー監督に委ねると話しています。
 またもう一人の帰化選手候補であるペラTBGのギリェルメ・デ・パウラ(ブラジル)については、まずマレーシア国籍を取得した上で、FIFAの判断を仰ぐとしています。
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 クラスニキ選手がMFLで初めてプレーしたクダFAの当時の監督が、現在のタン・チェンホー代表監督ということもあり、一部では「問題児」とも言われているクラスニキ選手ですが、ケガや体調不良などの問題がなければ、フル代表に招集されるでしょう。
 3月26日対戦するUAEもFWセバスティアン・ルーカス・タグリアブエ(アルゼンチン)、FWカイオ・カネド・コレア、MFファビオ・ヴィルジニオ・ジ・リマ(いずれもブラジル)と3人の帰化選手を擁するチームですので、クラスニキ選手の加入は大きな補強になりそうです。

スランゴールFCはMBPJスタジアムが今季のホームとなる可能性も
 スランゴールFCのホームは8万人収容のシャー・アラムスタジアムですが、MFLの今季開幕前の施設検査で改修が必要との判断が出されています。英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によると、予定されているMFLによる2度目の施設検査でシャー・アラムスタジアムのMFLでの使用許可が下りない場合には、同じスランゴール州のクラナジャヤにあるMBPJスタジアムが今季のホームとなる可能性が浮上しています。
 1994年開場のシャー・アラムスタジアムは、施設検査後にピッチや更衣室の状況がMFLの規定する条件に合わない上、観客席を覆う屋根の部分についても改修を求める要望が出ていました。
 これについてスランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長は、改修作業が行われている原序を踏まえ、2度目の施設検査で使用許可は下りるだろうと述べています。
 なおスランゴールFCの今季最初のホームゲームはMFL第2節の3月7日にペラTBGとの試合が予定されています。
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 この記事では観客席を覆う屋根の部分についての言及がありませんでしたが、この改修についてはハミドンFAS事務局長はすぐには対処できないことを明言しており、ここが使用許可の争点になれば、今季のシャー・アラムスタジアムの使用は難しいとされています。
 個人的には家から近いMBPJスタジアムでスランゴールFCの試合が観戦できるようになると嬉しいのですが、こちらは収容人数が2万5000人程度で、スランゴールFCにとっては入場料収入などで大きな損失を負う可能性もあります。

2月15日のニュース:JENESYS杯に参加するU17代表候補発表、クチンFAがプレシーズンマッチで半島部へ遠征

JENESYS杯に参加するU17代表候補発表
 マレーシアサッカー協会FAMは、2月24日から3月4日まで鹿児島県で開催されるJENESYS杯に参加するU17代表の候補合宿参加者18名を公式サイトで発表しています。
 FAMとマレーシア政府青年スポーツ省が運営し、プロサッカー選手を目指すエリート選手養成機関のモクタ・ダハリラ・アカデミーAMDに所属するこの18名は、ラジャ・アズラン・シャー・ラジャ・ショイブ監督のもと、スランゴール州クラナジャヤにあるFAMのトレーニング施設で2月19日からの合宿に参加します。参加者の名簿はこちらです。
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 FAMのサイトで「JENESYS杯」とされているのは、外務省による対日理解促進交流プログラム「21世紀東アジア青少年第交流計画」、別称JENESYSプログラムの一環として鹿児島県で行われる大会のことを指しているようです。
 この大会は、日本サッカー協会JFAのサイトによると「ASEAN地域の10カ国(ブルネイ、カンボジア、インドネ シア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム) 及び、東ティモールと日本 代表の年代別代表が交流を図る大会」として「アジア貢献・国際交流事業」として位置付けられています。

クチンFAがプレシーズンマッチで半島部へ遠征
 マレーシアはマレー半島部とボルネオ島(東マレーシア)で構成されていますが、ボルネオ島にあるサラワク州の州都クチンを拠点とするクチンFAがマレー半島部へ遠征し、プレシーズンマッチを行なっています。
 今季2020年シーズンはマレーシアフットボールリーグMFL2部プレミアリーグに昇格したクチンFAは、1月11日にMFL1部スーパーリーグ6連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTの新しいホームとなるスルタン・イブラヒムスタジアムのこけら落としとなる試合でJDTに0-4と敗れて以降、MFLクラブとの練習試合の情報がありませんでした。(写真はJDTのFacebookより)

 そして昨日2月14日、半島部遠征の初戦としてスランゴール州シャーアラムで今季はMFL1部に昇格したUITM FCと対戦し、前半を2−0とリードして折り返したものの後半の3失点で2-3と逆転で敗れています。
 今季開幕を前に、クチンFAは外国籍選手を含めた新戦力についてのニュースが乏しかったのですが、この試合には4人の外国籍選手が出場していました。昨季からクチンFAでプレーする鈴木雄太、昨季はサラワクFAでプレーしたブラジル人のFWハドソン・ジェズス、昨季はサウジアラビア2部リーグのアル・サファFCに在籍した「レオ」ことFWレオナルド・パッソス・アルベス、そしてDFタニガワユウキ選手がその4人ですが、おそらく彼らが開幕時点で外国籍選手として登録されるようです。DFのタニガワ選手については、情報が乏しいのですが(カタカナ表記になっているのはそういった理由です)、関係者の話では大学を卒業したばかりの選手ということです(この試合は私も観戦しましたが、大学卒業から即プロ入りと考えると試合中の落ち着いた様子が非常に印象的でした。)。
 なお、クチンFAは明日2月16日にMFL1部のPDRM FCとの練習試合が予定されています。