6月1日のニュース:Mリーグは8月に再開の可能性も、「マレーシア人選手はタイリーグを目指すべき」-マットヨー、そこでタイリーグでプレーすべきマレージア人選手7人

Mリーグは8月に再開の可能性も
 6月9日に予定されている条件付き活動制限令CMCOの解除が近づいてきました。これまで何度か延長が繰り返されてきた活動制限令も、今回は解除されることが予想されていますが、そうなれば予定を前倒しにして8月のリーグ再開の可能性があると、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 マレーシア政府の国家安全保障委員会と保険省は今月6月中に、Mリーグ再開時期を決定するとしています。
 マレーシアサッカー協会FAMとMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは4月には、標準業務手順SOPを設けた上で9月のリーグ再開許可をマレーシア政府へ申請しましたが、今月6月9日に予定通りCMCOが解除された場合、7月には通常のチーム練習の再開、そして8月にはリーグが再開される可能性があるとして、各方面と協議に入っているということです。
 また、8月にMリーグが再開となれば日程に余裕ができ、選手のケガや疲労などの不安が解消されるだけでなく、10月に再開予定のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選にも選手が万全の状態で臨めるなどの利点もあるとしています。

「マレーシア人選手はタイリーグを目指すべき」-マットヨー
 今季からタイ1部リーグのBGパトゥム・ユナイテッドでプレーするマットヨーことノーシャルル・イドラン・タラハは、マレーシア人選手にタイリーグでのプレーを目指すべきと話していると、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 スタジアムアストロに関連するスポーツニュース番組のナディアリーナに出演したノーシャルル選手は、タイを目指すべき理由として給料の支払いが遅延なく行われることを一番の理由に挙げています。「経営陣も練習施設も充実しているが、給料の支払いはMリーグのクラブよりもはるかに確実に行われている。」と話しています。
 実際にMリーグ1部スーパーリーグの選手数名がノーシャルル選手に現地の状況を問合せ、タイでプレーする可能性を考えて情報収集を行っていることも明らかにしています。
 「タイのクラブと同様の環境が得られるのは、マレーシアではジョホール・ダルル・タジムJDTくらいであり、マレーシア人選手はタイでプレーすることを考えるべきだ。」と話しています。
 タイでのプレーに関心があり、ノーシャルル選手に問い合わせてきた選手の中には代表選手も数名いるということです。
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 マレーシア国内ではケランタンFA、JDT、パハンFAなどでプレーし、代表のキャップ数も80を数えるノーシャルル選手。往年のキレは無くなったものの、タイリーグでプレーしてくれていることで、後進への道筋は付けられたということでしょうか。
 なおタイ1部リーグでは、ノーシャルル選手のほか、ドミニク・タンがポリス・テロFCでプレーしています。

そこでタイリーグでプレーすべきマレージア人選手7人
 上のような記事が出るとすぐに関連記事を掲載するサッカー専門サイトのヴォケットFCが今回も早速、やってくれました。
 現時点では東南アジアでトップといえるタイリーグでプレーすべきマレーシア人選手としてヴォケットFCが選んだのは以下の7人です。僭越ながら、その後に個人的なコメントも書いてみました。
1 シャフィク・アーマド(ジョホール・ダルル・タジム)
現時点では国内のトップストライカーとされるシャフィク選手は、国外で揉まれることより良い選手となれるだろうと、ヴォケットFCは評しています。
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FIFAワールドカップアジア二次予選での2ゴールを含め、昨年は代表では5ゴールを挙げる安定したパフォーマンスを発揮しながら、JDTでは絶対的なエースとはなり切れていないシャフィク選手。25歳という年齢を考えると、JDTでのプレーに拘らず、他のクラブで飛躍をして欲しいという思いは私も同感です。

2 ノー・アザム・アジー(パハンFA)
アザム選手はパハンFAと代表の中盤のキープレーヤー。タイリーグでプレーすることで、その実力が磨かれるだろうとしています。
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代表でもレギュラーとして活躍するアザム選手で気になるのはその線の細さ。選手層があまり厚くない代表では、25歳ながら換えの効かない選手なので、タイリーグでプレーして当たりに強い選手になって欲しいです。

3 シャルル・サアド(ペラTBG)
国内でトップのDF(センターバック)は2018年のマレーシアカップ優勝に貢献するなど実績もあります。さらなるレベルアップを目指して国外でプレーするべきとしています。
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個人的にはポカの多い選手という印象が強いシャルル選手ですが、センターバックに人材不足の代表ではやはり欠かせない選手です。27歳という年齢も国外でのレベルアップには最後のチャンスかも。

4 アダム・ノー・アズリン(JDT)
代表ではアイディル・ザフアンとシャルル・サアドの影に隠れることが多いですがアダム選手ですが、国外でプレーすることでワンランク上の選手になってくれるでしょう。
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シャフィク・アーマド同様、24歳ながら代表で準レギュラーとしてプレーしながら、JDTでは絶対的なレギュラーに慣れていないアダム選手に求めたいのは、確実なプレーです。出場機会が増えるなら、是非、移籍を考えて欲しいです。

5 サファウイ・ラシド(JDT)
誰もが認める現時点でのトッププレーヤーは、国外でプレーするべきときが来ています。
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個人的にはタイよりは日本や韓国、あるいはヨーロッパなどもう一つ上のリーグを目指して欲しい、まさにマレーシアのエースです。23歳ながら2年連続リーグMVPを獲得するなど、もうマレーシアで手に入れられるものは全て手に入れたサファウィ選手には、タイを踏み台にしてさらに上を目指して欲しいです。

6 シャミ・サファリ(スランゴールFC)
代表ではマシュー・デイヴィーズ(JDT)と右サイドバックのポジションを争うシャミ選手。国外でプレーすることで不動のレギュラー獲得に近づくでしょう。
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22歳とは言え過去2年間で既に18キャップを獲得しているシャミ選手。2018年のAFF選手権スズキカップ準決勝のタイ戦でゴールエリアの外から決めた美しいゴールはタイ代表の選手の印象にも残っているはずですので、是非、その印象が残っているうちに挑戦して欲しいです。

7 ハリス・ハイカル・アダム・アフカル(スランゴール2)
次世代の代表DF陣の中心となることが期待されている18歳のハリス・ハイカルは、国外でプレーすることで彼の持つポテンシャルを引き出せるのではないでしょうか。
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今回の7人の中で唯一の10代の選手。このブログでも取り上げているルクマン・ハキム・シャムスディンとともにU22代表でもプレーしています。個人的にはタイリーグから、アセアン枠のある韓国や日本でのプレーを目指して欲しい選手です。

5月25日のニュース:クダFAの選手には結局ハリラヤ前に未払い給料が支払われなかったことが明らかに、代表はW杯予選前の準備にMリーグクラブと対戦も、U19代表はアメリカ2部リーグでプレーする選手を招集か

クダFAの選手には結局ハリラヤ前に未払い給料が支払われなかったことが明らかに
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、クダFAの選手およびスタッフには、結局、ハリラヤ(イスラム教の断食月明け大祭)前に未払い給料が支払われることはなかったと報じています。
 このブログでも、辞任したムクリズ・マハティール前クダ州首相が辞任前に州政府からクダ州サッカー協会KFAへ200万リンギ(およそ4930万円)の配分を承認したとする記事を取り上げました。またその一部の50万リンギはハリラヤ前に選手およびスタッフに支払われると発表したKFAのアスミルル・アヌアル・アリス名誉事務局長も辞任しており、真相は闇の中です。
 しかしクダFAの数名の選手がソーシャルメディア上でKFAの対応を非難しており、シンガポール出身のシャキル・ハムザは自身のインスタグラム上で、(アスミルル名誉事務局長の発言に対して)「本当だったらよかったのに…。」とコメントし、アズリ・ガニはこれを自身のアカウントでシェアしている他、イファット・アクマル・チェック・カシムは自身の2月以降は全く給料を受け取っていなことをほのめかしています。
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 前州政権が配分を承認した200万リンギが、現政権によって反故にされる可能性もあり、そうなれば、既にモチベーションが下がっているであろうクダFAの選手たちにとって、さらにやる気を失わせる原因になるどころか、クダFAにとっても来季のクラブライセンス獲得の生姜になる可能性もあります。

代表はW杯予選前の準備でMリーグクラブと対戦も
 10月から再開予定とされるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選前に、代表のタン・チェンホー監督は練習試合の必要性を訴えていますが、新型コロナウィルスの影響により移動制限などが課されている現状では試合を組めていないことから、マレー語紙ハリアンメトロは、Mリーグのクラブが代表の練習試合の相手になる可能性を取り上げています。
 マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、各国の新型コロナウィルスへの対応は異なり、感染拡大を防ぐために外国人の入国を禁じている国もあることから、国外遠征については現時点での日程の確定は難しいと話しています。
 そこで代案として上がっているのは、Mリーグのクラブとの対戦ということです。
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 素人目線では、Mリーグ外国籍選手選抜とマレーシア代表が試合をすれば、国外に出かけていく必要もなく、そこそこ質の高い相手との良いウォーミングアップになりそうだとも思いますし、サポーターの関心も集められそうですが、そう言うわけにはいかないのでしょうか。

U19代表はアメリカ2部リーグでプレーする選手を招集か
 昨年2019年末の東南アジア競技大会シーゲームズに出場するU22大表の合宿に招集されながら、結局は書類不備を理由にマレーシアU22代表に選ばれなかった、MSLのスポーティング・カンザスシティに所属するワン・クザイン・ワン・カマルの弟で、アメリカ2部リーグUSLのセントルイスFCでプレーするワン・クズリ・ワン・カマルが、10月にウズベキスタンで開催されるアジアサッカー連盟AFC U19選手権に出場するU19代表の候補合宿に招集される可能性があると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 U19代表のチームマネージャーを務めるカマルル・アリフィン・モハマド・シャハル氏は、現在18際のワン・クズリ選手はマレーシア代表としてプレーするの必要な書類は全部揃っているとブルナマの取材に答えています。
 来年2021年にインドネシアで開催されるFIFA U20W杯のアジア予選も兼ねる今回のAFC U19選手権で、マレーシアは予選を突破しての初出場を目指しています。
 AFC U19選手権予選を全勝で突破したU19代表の選手たちの他、U19を強化するために数名の選手の様子を追跡していると話すカマルル・アリフィン氏は、ワン・クズリ選手がその1人であるとした上で、「両親がいずれもマレーシア人であり、年齢が18歳のワン・クズリ選手はU19代表に参加できる条件を揃えており、さらにワン・クズリ選手本人も代表でプレーすることを望んでいる。」と話しています。
 カマルル・アリフィン氏は、ワン・クズリ選手の他に、U19代表の戦力強化につながるサバ州とマラッカ州出身の2選手を追跡調査していることも明かしています。

5月24日のニュース:ケランタン州サッカー協会は州政府に経済支援を依頼、U18代表はAFC U19選手権に向けてモチベーションを維持、Mリーグ1部のスポンサーはさらなる支援を表明

スラマッ・ハリラヤ・アイディルフィトリ!イスラム教の断食月が明けました。新型コロナウィルの影響で、今年は例年になく静かなハリラヤ(断食月明け大祭)です。

ケランタン州サッカー協会は州政府に経済支援を依頼
 運営資金不足に苦しむケランタン州サッカー協会KAFAは、ケランタン州政府への経済支援を求めていることを、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 Mリーグ2部のケランタンFAを運営するため立ち上げられたTRW社は、アフターイメージ社が株式の80%、KAFAが残る20%を所有していましたが、アフターイメージ社がTRW社の、つまりケランタンFAの運営から撤退を表明したことにより、最大のスポンサーを失ったKAFAがケランタン州政府に泣きついた、と言う図式のようです。
 KAFAの活動委員会のアーマド・ムザッキル・ハミド委員長は、「KAFAの経済的困窮に対して、ケランタン州政府の支援を求めたい。KAFAを支援することで、ケランタン州政府に対する人々の印象は良くなるだろう。」と勝手なことを述べています。
 先日、TRW社のワン・ラケミ・ワン・ザハリ社長が辞任し、TRW社の最大スポンサーであるアフターイメージ社が撤退を決めたことは、このブログでも取り上げましたが、新型コロナウィルスによりMリーグが中断し、入場料収入やグッズの売り上げ収入を失ったことで既に資金不足に陥っていたKAFAにとって、アフターイメージ社の撤退がさらに追い討ちとなったということです。
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 FIFAがKAFAに命じていた、かつてケランタンFAに在籍したブラジル出身のカッシオ・フランシスコ・デ・ジーザスへの未払い給料の62万9620リンギ(およそ1550万円)の支払い期限は昨日5月23日でしたが、これについては支払いが行われたという報道もなく、また2019年以前に在籍したマレーシア人選手からも、約束された未払い給料の分割払いも入金されていないことが明らかになっており、KAFAは八方塞がりの状況です。 

U18代表はAFC U19選手権に向けてモチベーションを維持
 今年10月にウズベキスタンで開催されるアジアサッカー連盟AFC U19選手権に出場するマレーシアU19代表は、マレーシア政府が来月6月に発表する予定のサッカーの試合に関する対応を盛り込んだ標準作業手続きSOPに従って練習再開を目指していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 マレーシア国内では新型コロナウィルス感染拡大を防ぐため、あらゆるサッカー活動が中断しており、Mリーグ同様、各年代の代表チームの練習も行われていません。そんな中、U19代表のチームマネージャーを務めるカマルル・アリフィン・モハマド・シャハル氏は、ブルナマの取材に対し、選手たちはコーチが用意した練習メニューを各自、自宅で行っており、選手の家庭訪問を行い、その様子を見る限りでは、選手たちはモチベーションを現在も高く維持できていると話しています。
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 このブログでも何度か取り上げた時代のエースと目されるルクマン・ハキムやムカイリ・アジマル(いずれもスランゴール2)を要するこの年代は、マレーシアサッカー協会FAMとマレーシア政府のスポーツ青年省が運営する国家サッカー選手育成プログラムNFDPを卒業したばかりの第1期生が中心で、U18時代にはASEANサッカー連盟AFF U 18選手権ではオーストラリアを破るなど、期待の高い年代です。またAFC U19選手権予選で優勝候補のタイや開催国のカンボジアを破り全勝で予選を突破しており、AFC U19選手権では上位4チームに与えられる来年2021年のFIFA U20ワールドカップ出場資格獲得を目指しています。
 なおマレーシアは、1997年に当時はFIFAワールドユース選手権の名称で開催されていた現在のU20ワールドカップの開催国となり、開催国枠で出場しているため、記録上は2回目の出場を目指しています。中村俊介選手、宮本恒靖選手、柳澤敦選手らを要した日本代表も参加したこの1997年の大会で、マレーシア代表はグループステージを0勝4敗として敗退しています。

Mリーグ1部のスポンサーはさらなる支援を表明
 マレーシアの国内リーグ、Mリーグ1部スーパーリーグの冠スポンサーであるCIMBは当初の予定通りのスポンサー料支払いに加えて、さらなるサッカー再興への支援を行う用意があることも表明しています。
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によれば、Mリーグを運営するマレーシアフットボールMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、Mリーグのスポンサー各社のスポンサー料支払いについては特に変更はなく、MFLは各社と連絡を取り合っていると話しています。
 「Mリーグは(450億円とも言われる損失を出す可能性がある)世界規模でビジネスを行っている英プレミアリーグEPLとは異なり、マレーシア国内だけのビジネスでありその規模は大きくはない」と話すアブドル・ガニCEOは、スポンサー契約1年目のCIMBは当初の契約どおりのスポンサー料を支払うことになっている他、いわゆる「ニューノーマル」下でのサッカー再興のための追加支援が行われる可能性にも言及しています。
 しかしマレーシア第2の金融グループであるCIMBがスポンサー継続を表明する一方で、他のスポンサー企業、特に中小企業については状況は異なるようで、活動制限令発令によりビジネスが影響を受け、業績が落ち込んでいる企業の中にはスポンサーとしての義務を果たせない企業もあるようだと、ニューストレイトタイムズは伝えています。
 そういった企業の担当者は、業績悪化によりスポンサーとしての契約を果たすことが難しい一方で、Mリーグのスポンサー撤退は考えていないとして、今年のスポンサー料の減額、あるいは金額を変更せずに、来年以降もスポンサー契約を結びながらより少ない金額で複数年契約といった形で義務を果たしたいと話しています。

5月22日のニュース:代表はぶっつけ本番でW杯予選へ、ケランタンFAの運営会社社長が辞任、ケランタンUは昨季のM3リーグ優勝賞金をチーム内で分配

代表はぶっつけ本番でW杯予選へ
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選が中断中のマレーシア代表は、
予定されている10月の予選再開前に練習試合を行わなわず、ぶっつけ本番で予選に臨む可能性があると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、タン・チェンホー代表監督は練習試合を予定していることを承知した上で、マレーシア政府を始め各国政府による新型コロナウィルス対策に移動制限なども含まれていることから、練習試合を行うことは難しいと述べています。
 「予選再開前の練習試合については何試合かを予定しているものの、新型コロナウィルス感染が鎮静化していないため、確定している試合はまだ一つもない。多くの国が出入国を制限しており、練習試合を組むことが難しいのが現状である。」と話すラマリンガム事務局長は、状況が改善することがあれば、練習試合を組むことも再検討したいと話しています。
 アジアサッカー連盟AFCが発表している暫定のW杯予選日程では、マレーシア代表は10月8日にアラブ首長国連邦とドバイで対戦したのち、10月13日にはベトナムをホームのブキットジャリルに迎え、二次予選の最終戦は10月17日のバンコクでのタイと対戦することになっています。

ケランタンFAの運営会社社長が辞任
 Mリーグ2部に所属するケランタンFAの運営会社社長が辞任したことを、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 ケランタン州サッカー協会KAFAと合弁で作られたチームレッドウォリアー社(TRW社)のワン・ラケミ・ワン・ザハリ社長は、ケランタンFAの運営会社であるTRW社を昨日5月21日に辞職しています。
 記者会見の席上でワン・ラケミ前社長は「新型コロナウィルス感染拡大の影響を精査した結果をもとに決断されたもので、突発的に決定されたものではない」と話し、今回の辞任に伴い、TRW社の最大株主でもある(自身が経営する)アフターイメージ社がケランタンFAの公式パートナーから撤退することも明かしています。
 「KAFAとTRW社は入場料収入、グッズ販売、スポンサー料及び広告料を収入源としているが、Mリーグが中断していることで、クラブの経費が底をついている。さらに昨季までの選手やスタッフに対する未払い給料問題が解決されておらず、アフターイメージ社はこれ以上、現在の厳しい経営状況に対処できない」と話すワン・ラケミ前社長は、同時にKAFA役員およびケランタンFAのチームマネージャーの職も辞するとしています。
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 ケランタン州サッカー協会KAFAは、苦しい財政の支援を州内の著名人や資産家に求めたにも関わらず、その反応が無かったことも公表しています。FIFAによって命じられたカッシオ・フランシスコ・デ・ジーザス選手への未払い給料およそ63万リンギ(およそ1560万円)の支払い期限は明日5月23日に迫る一方、サポーターに求めた寄付はおよそ1万3000リンギ(およそ32万円)ほどしか集まっておらず、来季のクラブライセンス剥奪が現実味を帯びてきました。

ケランタンUは昨季のM3リーグ優勝賞金をチーム内で分配
 ケランタンFAと同じくケランタン州に本拠を構えるケランタン・ユナイテッドFC(KUFC)は昨季はMリーグ3部のM3リーグで優勝し、今季の2部プレミアリーグへの昇格を果たしていますが、このケランタン・ユナイテッドKUFCが昨季のM3リーグの優勝賞金を受け取ったことを、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが伝えています。
 KUFCのワン・モハマド・ズル・イクマン事務局長は、M3リーグを運営するアマチュアフットボールリーグAFLに感謝するとともに、優勝賞金の3万リンギ(およそ74万円)を、既に移籍、退団した選手も含めた昨季の在籍全選手とスタッフとに等しく分配することを明かし、この賞金が今季のMリーグ2部プレミアリーグでの好調を維持する動機付けになることを期待しているとしています。
 今季、2部昇格を果たしたKUFCは、Mリーグ中断前の第4節を終了して勝点9とし、リーグ1位のトレンガヌFC IIとは勝点3差のリーグ2位につけています。

5月20日のニュース:プレジデントカップとユースカップは今季中止の可能性、ハリラヤ前にクダFA選手の遅配給料支給が始まる、タイ代表アディサク選手におすすめのMリーグの4クラブ

プレジデントカップとユースカップは今季中止の可能性
 英字紙スター電子版は、マレーシアサッカー協会FAMが主催するプレジデントカップとユースカップが中止になる可能性を報じています。
 新型コロナウィルスの影響で全てのサッカー活動が停止中のマレーシアでは、Mリーグ各クラブのU 21チームがリーグ戦形式で対戦するプレジデントカップは3月12日の第4節終了から、そしてU19チームが対戦するユースカップは3月15日の第5節終了からそれぞれ中断しています。
 U21チームとU19チームを運営するMリーグ各クラブはリーグ中断による観客収入減やスポンサー、広告主の撤退により財政を圧迫されていること、さらに両大会はスタンドなどがない会場で行われ、マレーシア政府が求める無観客試合として行うことが難しいこと、そして再開となれば無観客試合など多くの制約が課せられることからFAMは両大会の中止を検討しているとスターは伝えています。
 またFAMはU21とU19チームに所属する有望選手はMリーグでプレーできるよう、所属クラブに働きかける一方、新型コロナウィルスの感染拡大が収まれば、プレジデントカップをU22チームの大会として刷新した上で、今年11月より2021年シーズンとして行うことも計画しており、Mリーグ各クラブからの意見を募っている最中ということです。
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 マレーシアU19代表は、今年10月14日から31日にかけてウズベキスタンで開催されるアジアサッカー連盟AFC U19選手権に出場しますが、U19のユースカップが中止となったことで新戦力の補強が難しくなったU19代表のブラッド・マロニー監督は、本大会でも予選を突破したチームの選手が主力となるだろうと話しています。

ハリラヤ前にクダFA選手の遅配給料支給が始まる
 マレー語紙ブリタハリアン電子版によると、2月の給料の一部を含め3月、4月分の給料が支払われていないクダFAの選手たちに対して、クダ州サッカー協会KFAが支払いを始めたと言うことです。
 KFAのアスミルル・アヌアル・アリス名誉事務長によると、先日、辞任したムクリズ・マハティール前クダ州首相が辞任の二日前に、州政府からKFAに対して200万リンギ(およそ4960万円)の配分を承認していたと言うことです。また、そのうち50万リンギは既に5月14日に選手およびスタッフに支払済みであることも明かし、残る150万リンギについては、新州首相率いる州政府がKFAに直ちに支払うことを期待しているとも話しています。
 アスミルル名誉事務長は、クダ州の新州政府がKFAの支援を続けてくれることも期待していると話しています。
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 断食明け大祭のハリラヤ前にクダFAの選手が一部とはいえ給料を受け取れたのはよかったです。今年のハリラヤはマレーシア政府が州境を跨いだ移動を禁じていることから例年のような大規模な帰省ラッシュは起こらないことが予想されますが、クダFAの選手たち、特にイスラム教徒の選手にとっては大事な祭りを少しは気分良く迎えられるのではないでしょうか。
 現在は自宅のあるシンガポールに戻っているアイディル・シャリン監督も、別の記事ではこのハリラヤ明けにはクダ州に戻ると話しており、開幕ダッシュに失敗したチームをリーグ再開までに立て直せるかどうかに注目です。

タイ代表アディサク選手におすすめのMリーグの4クラブ
 タイ代表のFWアディサク・クライソーンと言えば、2018年の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ準決勝のマレーシア戦でPKを失敗(しかもその失敗によりマレーシアはアウェイゴールルールでタイを破って決勝進出)したことで知られていますが、このアディサク選手が引退する前に国外でのプレーを希望し、そこにMリーグも含まれていたことで一躍話題になっています。
 サッカー専門サイトのヴォケットFCは、早速、アディサク選手にうってつけのMリーグ1部スーパーリーグのクラブを独断と偏見に基づき4つ挙げていますので、与太話(失礼!)に付き合ってみましょう。
・パハンFA
 ディクソン・ヌワカエメが攻撃陣を率いるパハンFAですが、ヌワカエメ選手の衰えが見え始めている現在、その代わりとなれる選手としてアディサク選手をヴォケットFCは勧めています。
・フェルダ・ユナイテッド
 今季のフェルダ・ユナイテッドはカイルル・アムリが攻撃陣を牽引しています。ヴォケットFCは、攻撃陣の顔ぶれ変更を考えるのであれば、アムリ選手同様、東南アジアのサッカーを熟知する経験豊富なアディサク選手はクラブにとって理想的であるとしています。
・PJシティFC
 攻撃陣が弱点のため、今季のリーグでは10位に低迷するPJシティFCにとってFWの補強は最優先事項であり、アディサク選手はその目的に最適の選手であるとヴォケットFCはアディサク選手を勧めています。
・サバFA
 今季のサバFAの外国籍選手はロドリュブ・パウノヴィッチとギー・ナブユの両FWが4試合でそれぞれ1ゴールずつと活躍できていませんが、そのどちらかの代わりにアディサク選手を獲得することを考えてもいいのでは、とヴォケットFCは提案しています。

5月19日のニュース:クダ州協会の次期会長候補にクダ州皇太子の名が上がる、代表監督はW杯予選再開後もこれまでと同様のメンバーを維持、ケランタン州協会はFIFAによる支払命令の仲裁をスポーツ仲裁裁判所へ申請

クダ州協会の次期会長候補にクダ州皇太子の名が上がる
 給料未払い問題が連日報道されているクダ州サッカー協会の次期会長の候補にクダ州皇太子が浮上していると、マレー語紙ハリアンメトロ電子版が伝えています。
 州政府内で起こっている政権交代により、マハティール・モハマド前首相の息子のムクリズ・マハティール氏が州首相を辞任し、同時に兼任していたクダ州サッカー協会KFAの会長も辞任しました。
 空席となったKFA会長には、慣例通り新州首相のムハマド・サヌシ・モハマド・ノー氏の就任が有力ですが、一部にはクダ州王室のトゥンク・サラフディン・バドリシャー・スルタン・サレフディン皇太子殿下が就任するのではという噂もあります。
 KFAのアブドル・ラーマン・アブドラ副会長は、新会長選出はKFAの規則に則って行われることを強調しています。「KFAの会則では、KFAの会長職は自動的に州首相が指名されるものではない。資格がある個人は誰でも次期KFA会長の候補者となることができ、KFAの36加盟団体による選挙を経て、会長としての指名を受ける手順になっている。しかしその一方で、KFAの加盟団体はクダ州首相を候補として推薦する予定である。」と話しています。
 KFAに変革がもたらされることを期待するサポーターは、クダ州皇太子が会長となってリーダーシップを発揮することを歓迎していると、ハリアンメトロの記事は結んでいます。
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 皇太子と言えば、JDTのオーナーであるトゥンク・イスマイル殿下が有名ですが、スランゴール州サッカー協会FASの会長もスランゴール州皇太子のトゥンク・アミル・シャー殿下が勤めています。FAS内での権力闘争(報道によれば)で、FASが運営するスランゴールFAは国内で最大のクラブだったかつての栄光が霞むような状況でしたが、トゥンク・アミル・シャー殿下が2018年7月に就任した以降は、状況が改善しているとされています。

代表監督はW杯予選再開後もこれまでと同様のメンバーを維持
 10月に再開が予定されているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選に臨むマレーシア代表は、これまでとほぼ同じチーム編成で戦うだろうと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 代表のタン・チェンホー監督は「代表選手は(W杯予選として最後に試合をした)昨年2019年11月から一度も集まってはいないが、現在でも選手間の理解が維持されていることを期待している。Mリーグが再開すれば、新戦力の発掘を行うつもりだが、現時点ではお互いを理解できているチーム編成を大幅に変更するつもりはない。」と話しています。
 なお、アジアサッカー連盟AFCは、マレーシア代表のW杯予選日程として10月8日にアラブ首長国戦(ドバイ)、10月13日にベトナム戦(ブキジャリル国立競技場)を予定しています。
 さらにタン監督は「Mリーグが9月に再開すれば、少なくとも選手は目標を持って練習を行うことができるが、万が一、Mリーグが中止となれば練習不足による選手の体調だけでなく精神状態も影響を受ける可能性がある。」と話しています。

ケランタン州協会はFIFAによる支払命令の仲裁をスポーツ仲裁裁判所へ申請
 ケランタン州サッカー協会KAFAは、FIFAによって命じられている未払い給料の支払い命令について、スポーツ仲裁裁判所CASに仲裁を求めたと、ブルナマが報じています。
 かつて在籍したカッシオ・フランシスコ・デ・ジーザス選手への未払い給料62万9620リンギ(およそ1550万円)の支払いを5月23日を期限としてFIFAに命じられているケランタンFAは、支払い期限の延期を求めてスポーツ仲裁裁判所に仲裁の申請を行ったことを、KAFAのアーマド・ムザッキル・ハミド行動委員会会長が明らかにしています。
 KAFAは、FIFAによる未払い給料支払いの裁定に対して控訴中であり、FIFAの裁定が確定するまでの間は、支払を猶予するようCASに仲裁を求めているということですが、CASからの返事はまだ届いていないということです。
 また、KAFAがサポーターに募っている寄付は5月17日の時点で1万2400リンギが集まっているということで、今後もっと多くのサポーターが寄付してくれることを望んでいるとムザッキル委員長は話しています。

5月17日のニュース:ケランタン州協会の実際の未払い給料は4900万円超、代表監督は無観客試合でも試合観戦が可能に、マラッカ・ユナイテッドは3月と4月の給料が遅配

ケランタン州協会の実際の未払い給料は4900万円超
 Mリーグ2部のケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会KAFAは、退団した選手の未払い給料を今月末までに支払うことを国際サッカー連盟FIFAに命じられていますが、KAFAにはこの他にも200万リンギ(およそ4920万円)を超える選手やスタッフへの給料が未払いになっていると、マレー語紙ブリタハリアンが報じています。
 かつてケランタンFAに在籍したカッシオ・フランシス・デ・ジーサスへの未払い給料62万9620リンギ(およそ 1550万円)の支払い期限が迫る中、KAFAのフシン・デラマン事務局長はこの200万リンギを超える未払い給料は2017年シーズンから2019年シーズンの外国籍選手を含めた選手とスタッフのものであることを明らかにしています。
 「外国籍選手の未払い給料については、該当選手がFIFAへ訴え出て審査中のものが5、6件あるが、カシオ選手のような巨額のものはなく、総額は他の選手やスタッフの分を加えても200万リンギ程度である。」とフシン事務局長は話しています。
 これまでKAFAはFIFAが未払い給料として調査中のものが総額400万リンギを超えると冴えており、その中には今回のカッシオ選手の分も含まれていました。
 フシン事務局長は新型コロナウィルスの影響により、入場料収入が途絶え、スポンサーや広告主がスポンサー料や広告費の支払いも滞っており、未払い給料問題を解消するための予定が狂ってしまったとしており、未払い給料問題の解消は来年以降にずれ込む立とうと話しています。

代表監督は無観客試合でも試合観戦が可能に
 現在中断中の国内リーグMリーグは9月に再開となった場合でも無観客試合で実施されることが予想されていますが、その際にマレーシア代表のタン・チェンホー監督はスタジアムでの観戦が許可されるだろうと英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 本日5月16日から再開されるドイツリーグは無観客試合が行われていますが、ヨアヒム・レーヴ独代表監督すらスタジアム内への入場が許可されていないようですが、マレーシアサッカー協会FAMはタン監督のスタジアム入場を認める他、一部コーチ陣も入場可能ということです。リーグ再開の翌月には中断中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選も再開されることから、選手の隊長確認や新戦力のスカウティングなどの目的で許可されているようです。
 この他にスタジアムへの入場が許可されるのは試合をする両チーム、審判、そして試合に直接関わる関係者のみということです。
 Mリーグが予定通りに再開されれば、代表候補選手はリーグ最終戦終了後の9月28日に合宿に招集され、そこから10月に予定されているW杯予選に臨むことになりそうです。

マラッカ・ユナイテッドは3月と4月の給料が遅配
 今季開幕以来、給料未払い問題により既に勝点3の剥奪(剥奪)処分を受けているマラッカ・ユナイテッドの選手およびスタッフは3月と4月の給料も未だ支払われていないと、英字紙スター電子版が報じています。
 マレーシア国民の7割近くを占めるイスラム教徒にとって1年間で最も大切な祝日の一つである断食月明けの祝日ハリラヤまであと1週間となり、選手の不満も高まっているようで、ラズマン・ロスマン主将は「未払い給料問題は新型コロナウィルス感染拡大前から存在しており、クラブの経営陣には直ちに支払うことを求める。」
 マラッカ・ユナイテッドを運営するマラッカ州サッカー協会MUSAは、マレーシアサッカー協会FAMのクラブライセンス発給審査を担当する第一審機関により、現在発令中の活動制限令MCO解除までに未払い給料を支払うという猶予期間を与えられていますが、MUSAはマレーシア国内の政変による州政府内の混乱なども理由に上げています。しかし、理由の如何に関わらず、この状況が続けば、マラッカ・ユナイテッドはさらに勝点を剥奪される可能性もあります。
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 マラッカ州も昨日取り上げたクダ州同様、国政での与党再編により州政府で政権交代が起きた州で、政権交代により新たに州首相となったスライマン・モハマド・アリ氏が慣例通り、3月19日にマラッカ州サッカー協会会長に就任しています。マラッカ州サッカー協会は、マラッカ州政府を最大スポンサーとしており、マラッカ州政府内の権力の構図が変われば、直接、影響を受ける立場にあります。州政府に依存する州協会という政治とサッカーがつながる図式による負の面の影響を受けているのがマラッカ・ユナイテッドの選手たちということです。。

5月16日のニュース:クダFA選手への給料未払いは混乱する州政府が原因、タイリーグの代表コンビも給料削減に同意、トレンガヌFCがこのタイミングで?限定版ユニフォーム発表、一方スランゴールFCはチャリティーTシャツを発表

クダFA選手への給料未払いは混乱する州政府が原因
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、Mリーグ1部のクダFAで起こっている給料未払い問題は、クダ州政府内の権力闘争によってさらに複雑化していると報じています。
 以前の報道では、クダFAの選手は30%しか支払われていない2月の給料の残りを先週末に、全く支払われていない3月と4月の給料をイスラム教の断食明けの祝日ハリラヤ前に支払うと約束されていましたが、クダ州議会で起こっている権力闘争によって、その約束が守られておらず、本来ならば1年で最も賑やかに祝われるハリラヤが、今年はそうならないだろうとスタジアムアストロが報じています。
 ことの発端は今年2月にマレーシアで起こった政変による与党連合の再編でした。これにより旧与党連合が政権を握っていた多くの州政府では州首相の交代が起こっています。日本でも有名なマハティール・モハマド前首相の三男、ムクリズ・マハティール氏が州首相を務めるクダ州でも与党連合から複数の議員が離党したことで、与党勢が過半数を割り込み、これまで議会工作などによって政権にしがみついていたムクリズ氏の失脚、そして政権交代が今週中にも起こるだろうと言われています。
 そして州政府が最大のスポンサーであり、州首相が会長を兼任するクダ州サッカー協会KFAは。ここ数ヶ月続いているこの政治的混乱の影響を受けているとされています。
 現在は自宅のあるシンガポールに帰国しているアイディル・シャリン監督は「この給料未払いにより選手のモラルが低下しているのではないかと心配している。政権を担当するのが誰であれ、クラブの福利を考えてくれる人物を支持したい。」と話し、PKNS FCから今期、クダFAに加入したクパ・シャーマンは「この3ヶ月間は非常に苦しかった。クラブの全員が状況を理解してはいるものの、我々にも家族があり給料が必要だ。この状況を改善するために誰かが何かをしてくれるのを祈りながら待つしかできない。」と話しています。
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 同じような状況はマラッカ州でも起きており、マラッカ・ユナイテッドで起こっている給料未払い問題も、州首相の就任による政権交代が原因にあるのは明らかです。旧与党連合が政権を握っていたのはこの他にスランゴール州、ヌグリスンビラン州などがあり、こういった州のサッカー協会が運営するクラブでも、今後同様の問題が発生する可能性はあります。

タイリーグの代表コンビも給料削減に同意
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、タイ1部リーグでプレーするマレーシア代表のドミニク・タンとノーシャルル・イドラン・タラハがいずれも所属するクラブからの給料削減に応じたと報じています。
 ポリス・テロFCでプレーするタン選手は「新型コロナウィルスによって世界中で引き起こされていることを理解し、タイサッカー協会FATによって発表された50%の給料削減を受け入れた」と話しています。
 またBGパトゥム・ユナイテッドでプレーするノーシャルル選手は先月から、給料が30%削減されていることを明かしています。さらに「クラブと自分との間で、3ヶ月間は給料を30%削減することで同意している。また、クラブがトップ3でリーグを終了すれば、削減された分の給料も支払われることになっている。」とも話しています。
 タン選手とノーシャルル選手は、リーグが再開した時点で契約通りの給料を受け取ることになっていることもスタジアムアストロは報じています。

トレンガヌFCがこのタイミングで?限定版ユニフォーム発表
 Mリーグ1部のトレンガヌFCは公式Facebook上で、新しいユニフォームの販売を告知しています。今季のトレンガヌFCのユニフォームサプライヤーのAl-Ikhsan Sports社製で1000着限定で発売されるこのユニフォームはblackout版と名づけられ、クラブのロゴも含めて全てが鉱物のオニキスに因んだ黒色のユニフォームで、速乾性のスマートドライという生地が使われています。
 本日5月16日より販売となり、価格は149リンギ(およそ3670円)でトレンガヌ州のスポーツショップのほか、クアラルンプール市内でも販売されることになっています。
 写真はトレンガヌFCの公式サイトより。鈴木ブルーノ選手とリータック選手がモデルになっています。
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 Blackoutとは停電ですが、漆黒の闇くらい黒いということでしょうか…。 

一方スランゴールFCはチャリティーTシャツを発表
 一方スランゴールFCは公式Facebook上で、Never give upの文字と、スランゴールFCの選手の顔がデザインされたTシャツの販売を発表しています。
 値段は35リンギで(およそ860円)で、このTシャツの売り上げの一部は、新型コロナウィルスの影響を受けている方々への支援に使われるということです。

5月13日のニュース:代表監督はW杯予選再開時の選手の体調を憂慮、FAMはW杯予選代表選手候補合宿の早期招集を検討、ケランタンFAは来季のMリーグでプレーできない可能性も

代表監督はW杯予選再開時の選手の体調を憂慮
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、マレーシア代表のタン・チェンホー監督は現在中断中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選が再開した際に、試合に臨む選手の体調が不十分ではないかと憂慮していると報じています。
 W杯予選は10月再開の予定で、マレーシアサッカー協会FAMと国内リーグMリーグを運営するマレーシアフットボールMFLは、8月からのチーム練習開始および9月1日からのリーグ再開許可をマレーシア政府に求めていますが、タン監督はチーム練習再開からW杯予選までの期間が短すぎるとして、選手の体調が心配だと話しています。
 「実戦から数ヶ月間遠ざかっている選手が1ヶ月の練習だけで試合に臨めば、ケガを追うリスクが大いにある。選手層がさほど厚いわけではない代表チームにとっては、どの選手をケガで欠いても戦力ダウンは否めず、予選グループ2位という好機を生かせない可能性がある。」「各自で練習しているとはいえ、屋内の狭いスペースでの練習では明らかに不十分な上、精神的にも試合に臨める状況になっているかどうかが不安である。」そして「(W杯予選で同組の)タイのクラブはすでに練習を開始しており、(やはり同組の)ベトナムは6月からリーグが再開する。これらの国の選手は、予選が再開すれば優位な立場に立つことになる。」とタン監督は話しています。

FAMはW杯予選代表選手候補合宿の早期招集を検討
 スポーツ専門サイトのアストロアリーナは、マレーシアサッカー協会FAMが9月初旬に代表候補合宿の招集を行う計画があると報じています。
 また3月21日に予定されながら、新型コロナウィルスの影響で中止となったバーレーンとのアウェイでの練習試合も、W杯予選の次戦となるアラブ首長国連邦UAE戦前の10月8日に実施される可能性もあることも合わせて報じています。
 FAMのハミディン・アミン会長は、W杯予選に出場する代表選手の体調を整えるために9月の招集も一つの選択肢と考えていると話しています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長も、チーム内の連携強化のために予選前に複数回の代表候補合宿を行う可能性に加え、FAMが国内リーグMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLとの間でリーグの試合日程が代表の招集日程と重ならないよう調整することで同意していることも明らかにしています。

ケランタンFAは来季のMリーグでプレーできない可能性も
 FIFAから、かつてケランタンFA在籍した外国籍選手への未払い給料を今月末までに支払うよう求められているケランタン州サッカー協会KAFAの話題は、このブログでも連日取り上げていますが、今度はマレーシアサッカー協会FAMが来季2021年シーズンのクラブライセンスを発給しない可能性に言及しています。
 KAFAが2018年シーズンから2019年シーズン途中まで在籍したブラジル出身のカッシオ・フランシスコ・デ・ジーサスへの未払い給料62万9620リンギ(およそ1560万円)を今月末までに支払うことができなければ、FAMのクラブライセンス交付に関する審査を行う第一審機関FIBによる審査により、来季のMリーグに出場するために必要なクラブライセンス審が発給されない可能性があると、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長が述べていると、マレー語子ハリアンメトロ電子版が報じています。
 FIBは来季開幕前に、Mリーグの全てのクラブの今季2020年シーズンの給与支払い状況を精査し、その結果をもとに来季のMリーグ出場のためのクラブライセンスを発給するとしています。
 カシオ選手は2019年末までの契約をKAFAと結んでいましたが、契約満了前に契約解除となりましたが、この契約解除に同意していなかったカシオ選手がFIFAに不服申し立てを行った結果、FIFAは未払い給料の支払いをKAFAに命じています。

5月12日のニュース:ペラFAは今後の給料削減を検討、ケランタン州FAへの寄付は2日間でおよそ10万4000円、「今でも代表でプレーする準備はできている」-サフィー・サリ

ペラFAは今後の給料削減を検討
 新型コロナウィルスの影響で中断中のMリーグでは多くのクラブが給料削減を行っています。そんな中、ペラTBGを運営するペラ州サッカー協会PAFAは、これまで給料削減を行っていなかったものの、今後は給料削減について選手やスタッフと交渉を始める可能性があると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 PAFAのモハマド・アズリン・ナズリ名誉事務局長は、ペラTBGの選手は契約通りの給料を支払われていると話す一方で、選手やスタッフにはまだ伝えていないとしながら、今後は給料削減交渉を行う準備を進めていると話しています。
 「クラブと選手およびスタッフの双方にとって納得がいくような交渉を行い、わずかでもPAFAの経済的負担が軽減されるようにしたい」とモハマド・アズリン名誉事務局長は話しています。
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 リーグが中断して間もなく2ヶ月になり、これまでこのブログでも多くのクラブが給料削減を行ったことを取り上げてきましたが、未だに給料削減を行っていないクラブがあったとは正直驚きです。給料削減だけでなく、給料未払い問題を複数のクラブが抱える中、開幕から負けなしの2勝2分、ジョホール・ダルル・タジムJDTに次ぐ2位でリーグ中断期間に入ったペラTBGは運営するPAFAの財務状況が安定していることがその好成績につながっているのかも知れません。

ケランタン州FAへの寄付は2日間でおよそ10万4000円
 ケランタン州サッカー協会KAFAは、かつて在籍した外国籍選手の未払い給料62万9620リンギ(およそ1560万円)を今月末までに支払わうことを国際サッカー連盟FIFAに命じられています。もし支払えなければ、KAFAが運営するMリーグ2部のケランタンFAがリーグ戦の勝点剥奪(はくだつ)などの処分を受ける可能性がありますが、この他にも100万リンギ(およそ2480万円)近い従業員積立基金の雇用主負担分の未払いなどもあるとされ、KAFAの台所は火の車であることから、サポーターに寄付を募る告知を行ったことは先日のブログでも取り上げました。
 そしてこの告知から2日間で4197リンギ(およそ10万4000円)が集まったと、マレー語紙ブリタハリアンが報じています。
 KAFAのアーマド・ムザッキル・ハミド実行委員長によると、およそ2000名のサポーターが一人当たり1リンギ(およそ25円)から10リンギ(およそ248円)の寄付を行ったということです。
 「KAFAは全ての寄贈者に感謝したい。数千人のサポーターが寄付をしたという事実によって、ケランタンFAが多くのサポーターに支持されていることがわかる。寄付はクダFAなど他のクラブのサポーターからも受けており、このまま寄贈者の数が数十万人になるかも知れない。」と夢のようなことを語っています。
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 支払い期限とされる5月30日まであと20日足らずですが、かつてはKAFAの会長も務め、本来ならクアラルンプールFA会長になるべきアヌアル・ムサ現連邦直轄地大臣はKAFAの支援を公言しています。ケランタン州出身でKAFAのアドバイザーを務めるアヌアル大臣の他、ザレッドウォリアーズTRWとして知られるケランタンFAのケランタン州外のサポーターも支援を明言していますが、果たして期限までに支払いできるのかどうかに注目が集まります。

「今でも代表でプレーする準備はできている」-サフィー・サリ
 2010年の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップでは決勝での3ゴールを含めた5ゴールを挙げ大会得点王としてマレーシアの優勝に貢献したサフィー・サリは、現在も代表でプレーしたい気持ちは決して衰えていないようです。
 Mリーグ1部のPJシティFCでプレーするサフィー選手は、現在中断中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に出場する代表チームに招集されることがあれば、攻撃陣の強化に貢献できる自信があると、マレーシアの通信社ベルナマに話しています。
 .「これまで言い続けてきたように、現役選手としてプレーしている間は代表チームでプレーしたい、という気持ちは少しも衰えていない。招集される用意はいつでもできている。」、「これまでの経験と(自分のポジションが)代表では人材不足のストライカーであることから、きっと代表チームに貢献できる。」と語る36歳のサフィー選手が最後に代表に招集されたのは2017年のフィリピン代表との国際親善試合です。
 代表キャップ数79、代表通算ゴール23を誇るサフィ選手はスランゴールFA、インドネシア1部リーグのペリタ・ジャヤFC、JDT、PKNS FCを経て、昨季2019年シーズン途中からPJシティFCに加入しています。