7月27日のニュース:スランゴールFCのエースは未だチームに合流できず、ペナン州協会は5000万円を超える未払い給料を完済、代表監督は11月にもう1試合練習試合を希望

スランゴールFCのエースは未だチームに合流できず、
 Mリーグ1部スランゴールFCはチームの得点王が未だチームに合流できていないと、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 Mリーグ再開予定の8月26日までちょうど1ヶ月となり、各クラブが試合に向けて練習のペースを上げる中、今季4試合で3得点を挙げているスランゴールFCのイフェダヨ・オルセグンは帰国中のナイジェリアから出国できていないということです。
 活動制限令MCOが発令された後に母国に戻ったオルセグン選手は、ナイジェリア政府が自国民の出国を制限していることから、国内で足止めを食らっており、マレーシアへ戻る予定は決まっていません。.
 昨季2019年シーズンの途中でスランゴールFCに加入しながら12ゴールを挙げ、チームの得点王に輝いたオルセグン選手の合流が遅れれば、リーグ中断時点で6位のスランゴールFCは、今季の目標である上位3位以内に入ってアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグ、あるいはAFCカップの出場が危ぶまれることになります。

ペナン州協会は5000万円を超える未払い給料を完済
 Mリーグ2部のペナンFAを運営するペナン州サッカー協会FAPは、総額1200万リンギ(およそ5110万円)の未払い給料を完済したと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 PFAのアマル・プリトパル・アブドラ会長は、今年4月から6月までの選手及びスタッフに対する未払い給料の支払いは今月から始まっており、この未払い給料問題が解決したことで、チームは8月26日に再開予定のMリーグに集中できるだろうとと話しています。
 今季のMリーグ2部では昇格圏の2位以内を目指しているペナンFAですが、リーグ中断までの4試合では2勝2分と首位のトレンガヌFC IIとは勝点差が4の3位につけています。この日、練習を視察したペナン州のチョウ・コンヨー州首相と会談したアマル会長はリーグ再開後もシーズン当初のパフォーマンスを維持できれば、2017年シーズン以来となる来季のMリーグ1部昇格も可能だと話しています。

代表監督は11月にもう1試合練習試合を希望
 10月に再開されるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会予選を前に、マレーシア代表はクウェート代表との練習試合を予定していますが、代表のタン・チェンホー監督は少なくとももう1試合の練習試合を希望していると、マレー語紙コスモ電子版が伝えています。
 10月8日に行われるアウェイのアラブ首長国連邦UAEとのW杯予選を前に、マレーシアは10月2日にバーレーンのマナマで、また11月にはホームのブキジャリル国立競技場でクウェートと練習試合を行う予定ですが、タン監督は11月にもう1試合の練習試合を希望しているということです。
 なおマレーシアのW杯アジア二次予選の日程は、10月8日のUAE戦の後は10月12日にホームでのベトナム戦、そして11月17日には二次予選最終戦となるアウェイのタイ戦と続きます。
 タン監督によれば、9月24日からの開始が予定されている代表候補合宿から10月いっぱいまでは日程的に余裕がないものの、FIFAの国際マッチデーとなっている11月2日から11日は予定が入っていないとして、ここにもう1試合の練習試合を組むことが可能だとしています。
 「この(11月2日から11日の)期間にはクウェート戦が予定されているが、)W杯アジア二次予選となる)タイ戦はアジア三次予選に進めるか否かがかかる試合になる可能性があるため、できる限りの準備を行った上で臨みたい。そのためにもこの期間にもう1試合の練習試合をマレーシアサッカー協会FAMに依頼している。」とタン監督は話しています。

7月25日のニュース:クチン FAの選手から新型コロナウィルスの陽性反応、ベックラー兄弟はU19代表の秘密兵器となるか、今季終了後の1部と2部の入れ替えは従来通り実施

クチン FAの選手から新型コロナウィルスの陽性反応
 Mリーグ2部クチンFAは公式Facebook上で、選手の一人から新型コロナウィルスの陽性反応が出たことを発表しています。
 この選手はクチン市内のセントサ病院に勤務しており、この病院で発生したクラスターで感染した可能性があるということです。
 クラブ内で新型コロナウィルスの感染者が出たことにより、クチンFAは練習を中止し、選手やその他の関係者の安全のため、当局の指示に従った対応を取るとしています。
 最初の感染者が7月19日に確認されたこの「セントサ病院クラスター」は、これまでに61人が検査を受け、16人に陽性反応が出ているということですが、その感染経路は現在も不明ということです。

ベックラー兄弟はU19代表の秘密兵器となるか
 マレーシアの通信社ブルナマは、ドイツ出身のベックラー兄弟がマレーシアU19代表の次回の合宿に参加する可能性があると報じています。
 17歳で左サイドバックのジョシュア・ヨハン・ベックラーは、ドイツ6部リーグのロートヴァイス・フランクフルトに所属していますが、ドイツ国内では期待の若手という評価を集めているということで、ドイツ国内のクラブ以外からも練習参加の誘いなどを受けているということです。
 ジュリアン選手は「自分はスピードのある左サイドバック、あるいは左ウイングとされているので、U19代表に招集されることがあれば、そのスピードでゴールを量産したい。」と話しています。
 一方18歳でゴールキーパーのジュリアン・ヨハン・ベックラーは、昨年2019年7月ににジョホール・ダルル・タジムJDTと既に契約を交わしており、JDTのU21チームであるJDT IIIに加入が予定されています。
 このジュリアン選手は、ボジャン・ホダック前監督が指揮を取っていたU19代表候補合宿に参加経験がありますが、その時にはまだマレーシア国籍を取得しておらず、代表チームに加わることができませんでした。
 ジュリアン選手は、晴れてマレーシア国籍を取得したことから、8月3日から予定されているU19代表候補第二次合宿に兄弟揃って招集されることを希望しており、もしそうなれば、ブラッド・マロニー監督やチームメートに自分の実力を披露して、高い評価を得たいとしています。

今季終了後の1部と2部の入れ替えは従来通り実施
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロによると、Mリーグの1部と2部の入れ替えは従来どおり行われるということです。
 新型コロナウィルス感染拡大により第4節終了後に中断に入ったMリーグは、従来のホームアンドアウェイ形式から1回戦総当たりとなり、試合数が半減して再開しますが、リーグ終了後の入れ替えについては、1部スーパーリーグの11位と12位のクラブが降格し、2部プレミアリーグの1位と2位((1部のBチームは除く)が昇格するという従来通りの方式で行われることを、Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOが明言しています。
 また、今季は既に中止が決定している3部M3リーグと2部プレミアリーグの間の昇格と降格についてガニCEOは、来季から3部を運営するマレーシアサッカー協会FAMがM3リーグから2部へ昇格する2クラブを選び、2部の11位と12位が降格する方式になると話しています。

7月24日のニュース:スランゴールFCは今季のシャーアラムスタジアムでの試合開催を断念、W杯で対戦するUAEが新監督就任を発表

スランゴールFCは今季のシャーアラムスタジアムでの試合開催を断念
 サッカー専門サイトのGoal. comは、Mリーグ1部のスランゴールFCが8月26日のリーグ再開後は老朽化の進むシャーアラムスタジアムでの試合を開催しない予定であると報じています。
 スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長は、現在中断中の今季2020年シーズンが8月26日に再開されても、これまで本拠地として使用してきたシャーアラムスタジアムではホームゲームを開催しない予定であるとGoal. comに語っています。
 スランゴールFCは同じMリーグ1部のUITM FCが使用するUITMスタジアムを、またスランゴールFCのBチームであるMリーグ2部のスランゴール2は同1部のPJシティFCが使用するMBPJスタジアムで今季のホームゲームを開催するということです。
 シャーアラムスタジアムはMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLより、その一部が崩落する可能性がある屋根の修理などが完了するまで使用許可が下りないとされており、リーグ中断前のホームゲームではブキジャリル国立競技場でホームゲームを開催しています。
 FASのハミドン事務局長は「シャーアラムスタジアムの所有者であるスランゴール州政府は修理費用や修理にかかる期間などが明らかにしておらず、リーグ再開後にホームゲームの開催地を変更となれば、チームが試合に集中できなくなる恐れがあることから、今季はシャーアラムスタジアムの使用を断念した。」と話しています。
 また来季2021年シーズンにはシャーアラムスタジアムを再び本拠地とするかどうかについて問われたハミドン事務局長は、スタンゴール州政府による修理工事の予定次第だとし、長期間かけて修理が行われる場合には、来季もシャーアラムスタジアムでのホームゲームは行わない可能性も示唆しています。
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 1994年開場のシャーアラムスタジアムは最大収容人数が8万人の巨大スタジアムです。柿落としとして開かれた大会にバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)、リーズ・ユナイテッド(英国)、フラメンゴ(ブラジル)などを招くなど華々しく開場し、その後もその規模に沿った観衆を集めましたが、近年は通常のリーグ戦なら観衆が1万人を切ることも少なくありません。
 またスタジアムの屋根とともに問題とされるのがピッチの状態の悪さです。雨が多いマレーシアではやむを得ないことなのでしょうが、試合前にスコールに見舞われるとその後はピッチに水が浮くことがしばしばあり、水が引いても田んぼの様な状態です。
 使用するスランゴールFCは改善を求め、管理するスランゴール州政府は現状をよしとして修理を放置するなど、両者の間に明らかに温度差があることから、サッカーのレベルアップという観点から言えば、スランゴールFCはシャーアラムスタジアムを出て、別の本拠地を考えるという選択肢も個人的にはアリだと思います。

W杯で対戦するUAEが新監督就任を発表
 10月に再会が予定されているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選でマレーシアと同組のアラブ首長国連邦UAEに新監督就任が発表されています。
 UAEの英字紙ザナショナル電子版は、UAEサッカー協会がコロンビア出身のホルヘ・ルイス・ピント新監督の就任を発表したことを報じています。ピント監督は母国の小rんビア代表監督の経験がある他、2014年のブラジルW杯ではコスタリカ代表監督としてチームをベスト8に導き、その後に就任したホンジュラス代表監督では兼任したU23代表監督としてチームを2016年のリオオリンピックでベスト4に導くなどの実績があります。
 予選グループでは、消化試合数は1試合少ないもののベトナム、マレーシア、タイの東南アジア勢に続く4位と低迷するUAEをアジア三次予選に導くことが求められているピント監督は今週、UAE入りし、早速行われた記者会見では自らを最も情熱的なサッカーコーチであるとし、事前に映像を取り寄せて代表選手たちについての研究ができていること、そしてまずは守備の強化に着手したいことなどを話し、来週からボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボで行われる3週間の合宿で選手の力量を正確に把握したいとしています。
 W杯予選再開初戦で、マレーシアはこのピント新監督率いるUAEと10月8日にUAEのホームで対戦します。
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 UAEはW杯予選開始の際に指揮を取っていたオランダ人のベルト・ファン・マルワイク前監督を成績不振を理由に昨年2019年12月に解任、さらにその後に就任したセルビア人のイヴァン・ヨヴァノヴィッチ前監督を1試合も試合をしないまま解任しており、このピント監督はこの3年間で6人目のUAE代表監督です。
 マレーシア代表はW杯予選再開後の初戦となる10月8日にこのピント新監督率いるUAEとで対戦しますが、まだ代表候補合宿どころか、国内リーグの各クラブですら練習試合を行えない状況です。一方、UAEは新型コロナウィルス感染の影響で国内リーグの今季中止が既に決定しており、むしろ国内リーグに気兼ねすることなく上記の通り代表強化合宿が行われます。

7月23日のニュース:MFLは地域リーグにもSOPの遵守を要望、第一子の出産に立ち会えなかったUITM FCのフランス人DFは一時帰国を希望、ケランタンFAの監督はチームの現状をポジティブに受け止める、ワン・クズリは次回のU19代表合宿に不参加の可能性も

MFLは地域リーグにもSOPの遵守を要望
 新型コロナウィルスの新たな感染者数が連日一桁だった先週とは打って変わって二桁代となっているマレーシアでは、感染の第二波が心配されています。公共の場でのマスクの着用を義務化とそれを破った場合には罰金あるいは禁固刑が検討されるなど、マレーシア政府は必死の対応で感染拡大を防ごうとしています。
 3月半ばから続く活動制限令も当初のいわゆるロックダウン状態から、現在ではそれが大幅に緩和され、徐々に日常が取り戻されつつありますが、その一方で、商業施設などでは現在も義務化されている入店の際の検温や追跡アプリの入力のチェックが行われず、店側も客側も対応がおざなりになっているのを目にすることも多くなっています。
 そういった雰囲気の中、7月15日よりサッカーなど身体接触を含むスポーツを行うことが可能になっていますが、ここで感染者が多発する様なことがあれば、Mリーグの再開に支障があるのではという懸念が広がっています。
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロによると、このサッカー解禁に伴い、地域のアマチュアリーグなどが再開され、 マレーシアサッカー協会FAMや青年スポーツ省による標準作業手順SOPが守られずにそこでクラスターが形成されることがあれば、Mリーグの再開許可が取り消される可能性もあると報じています。
 これについてMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、「各地域のアマチュアリーグの運営者に対してSOPの遵守を徹底することを強く求めたい。試合を実施する際に感染予防対策が撮れているとは正直思えない。MFLが身体接触を含めた練習の解禁直後に練習試合を許可していないのは、予防対策に万全を期すことが理由だが、各地域のアマチュアリーグもそういった対策を講じた上で運営されることを強く望んでいる。」と話しています。

第一子の出産に立ち会えなかったUITM FCのフランス人DFは一時帰国を希望
 Mリーグ1部UITM FCのフランス出身のMFウスマン・ファネは、活動制限令発令後も帰国せずマレーシア国内に残っていましたが、そのために第一子のしゅっさに立ち会うことができなかったと英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 「数ヶ月もサッカーをせず、しかも家族が一緒にいなければ多くの人は影響を受けるだろうが、自分は強い意志を持っており、サッカーが自分の仕事であるので、そういったことでサッカーへの集中が妨げられることはない。」と話すファネ選手のリーグ再開前に一時帰国して家族と再会したいという希望に対して、UITM FCもそれを許可する方向で話が進んでいるということです。
 残り7試合は全て出場したいと話すファネ選手は、クラブの目標であるリーグ8位以内を実現できるよう、リーグ再開後はできるだけ多くの勝ち点を詰みあげたいと話しています。

ケランタンFAの監督はチームの現状をポジティブに受け止める
 Mリーグの多くのクラブは身体接触を含まない練習が解禁された6月15日を皮切りにに練習を再開していましたが、練習再開に必要な書類がMリーグを運営するMFLに提出されていなかったとされるMリーグ2部ケランタンFAは、一昨日7月21日から練習を再開しています。
 このブログでもケランタンFAについて取り上げるときは未払い給料問題に関連する話題ばかりですが、ニューストレイトタイムズ電子版によると、ユスリ・チェ・ラー監督はポジティブな気持ちで練習再開を迎えているということです。
 「シーズン再開に向けての準備の時間が多くないことは理解しているが、試合までに選手全員が試合をするだけの体力を取り戻しているだろう。」と話していいます。
 ケランタンFAは今季第2節のUKM FCとの試合が激しい雷雨で中止になっており、その再戦のため他のクラブに先駆けて7月22日に再開後の初戦を迎えます。これについてユスリ監督は「UKM FCも(練習再開に必要な書類がMリーグを運営するMFLに提出されていなかった)問題から練習を再開したの数日前であり、この初戦はどちらにも勝つチャンスがあると思っている。活動制限令MCO中に(韓国出身の)カン・サンジョが退団しており、残っている選手でやりくりするしかないが、リーグ再開までにこれ以上退団する選手がでないことを祈っている。」と話しています。
 渡邉将基選手も在籍するケランタンFAは新型コロナウィルスによるリーグ中断までの3試合で1勝1分1敗の7位となっています。

ワン・クズリは次回のU19代表合宿に不参加の可能性も
 アメリカ出身で現在開催中のU19代表候補合宿に参加中のワン・クズリ・ワン・カマルは8月3日から始まる二次合宿には参加しないと、マレー語紙ハリアンメトロが報じています。
 U19代表のブラッド・マロニー監督は、ワン・クズリ選手が所属するアメリカ2部リーグUSLチャンピオンシップに所属するセントルイスFCのアカデミーとの最初の取り決め通り、この第一次合宿が終了後直ちに、アメリカへ帰国することを明かしています。
 新型コロナウィルスの新たな感染者が増える傾向にあることから、マレーシア政府は自国民、外国人を問わず入国の際には政府指定のホテルで2週間の検疫期間を過ごすことを再び義務化しており、再び合宿に参加する場合でも入国から2週間は合流することができません。
 マロニー監督は「ワン・クズリ選手はこの合宿では良いプレーを見せており、周りともうまくやっているようである。二次合宿に参加してくれれば、さらに良くなるだろうと期待している。」と話し、ワン・クズリ選手の二次合宿参加については問題なく参加できる方法を模索していると話しています。
 今週末に一時合宿を終了するU19代表は10月14日から31日までウズベキスタンのタシケントで開催されるAFC U19選手権に出場することになっています。

7月22日のニュース:PDRM FCの外国籍FWが退団、マラッカUはアセアン枠DFと契約解除、クダFAはリーグ再開前に4試合の練習試合を予定、U19代表候補合宿は最終週

PDRM FCの外国籍FWが退団
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によると、Mリーグ1部のPDRM FCのFWアントニオ・ジャーマンが活動制限令MCO期間中に退団したようです。
 今季2020年シーズン開幕前にPDRM FCに加入した英国出身でグレナダ代表のジャーマン選手は英国2部リーグのクイーンズパークレンジャーズでもプレー経験があるFWで、昨季2019年シーズンには同じMリーグ1部のスランゴールFCに加入したものの、人種差別発言を受けわずか数試合に出場したのみで退団しています。
 ニューストレイトタイムズによると、新型コロナウィルス感染に伴う活動制限令MCOが発令されていた4月中に、ジャーマン選手は親族の不幸を理由に英国に帰国したということですが、これがクラブの承諾を得なかったことから契約違反となり、その結果契約解除となったようですが、ジャーマン選手はシーズン中の契約解除に対して数か月分の給料を賠償金として請求しており、現在は選手、代理人そしてクラブとの間で話し合いが行われているということです。
 PDRM FCのイシャク・クンジュ監督は、MCO期間中もジャーマン選手はクラブから各選手に与えられていた練習メニューをこなしていなかったということで、当初からリーグ再開後も起用の予定はなかったと話し、残る二人の外国籍選手(いずれもトルクメニスタン出身のMFセルダール・ゲルディエフとDFショフラト・ソユノフ)を中心に戦っていくと話しています。

マラッカUはアセアン枠DFと契約解除
 マレー語紙ブリタハリアン電子版は、Mリーグ1部マラッカ・ユナイテッドとアセアン(東南アジア)東南アジア枠のナッザことDFナルポン・ワイルド・プッソーンとの契約解除を発表しています。
 こちらは両者合意の上の契約解除ということです。
 マラッカ・ユナイテッドのムハマド・アクラム・アブドラ チームマネージャーは、チームの戦力にとっては痛手ではあるものの、ナルポン選手の意思を尊重して、契約解除を決めたと話しています。
 また口頭での合意はできているものの、書面での合意には至っていないということで、アクラム チームマネージャーは、もし翻意をすることがあれば、いつでも再交渉の余地はあると話しています。
 その一方で、メディアからナルポン選手の退団の理由を問われたアクラム チームマネージャーは、その説明を拒否したということです。
 この他、アクラム チームマネージャーは8月26日のMリーグ再開に先立ち、練習試合が解禁される8月2日以降にMリーグ2部のヌグリスンビランFAとの練習試合を予定していることも発表しています。試合会場はヌグリスンビランFAのアブドルラーマンスタジアムということですが、日程については現在交渉中ということです。

クダFAはリーグ再開前に4試合の練習試合を予定
 8月26日のMリーグ再開に向け、クダFAのアイディル・シャリン・サハク監督は4試合の練習試合を予定していると、マレー語紙ハリアンメトロ電子版が伝えています。
 アイディル監督は、クアラルンプールとスランゴール州周辺のクラブと3試合、マレー半島北部のクラブと1試合を予定していると話しています。
 既に練習試合を希望する相手はクダFAを運営するクダ州サッカー協会KFAに報告済みだと話すアイディル監督は、現在はKFAの経営陣から試合の実施許可を待っていると話し、できるだけ早く確定させたいと話しています。
 「選手のコンディションは良く、4試合の練習試合はリーグ再開前にチーム全体のレベルアップにとって非常に重要だ。リーグが再開すれば、4週間で7試合をこなす必要があり、しかもその間の移動も含めると、選手には体力と精神力の両方が求められる。」とアイディル監督は話しています。

U19代表候補合宿は最終週
 7月6日から始まったU19代表候補合宿は7月26日が最終日ですが、ハリアンメトロ電子版によると、ここまでの2週間は体力強化を中心に行ってきたU19代表は、3週目の最終週は戦術練習中心を行うようです。
 U19代表のブラッド・マロニー監督は、ここまでの2週間でどの選手も積極的に練習に取り組み、成長が見られると話しています。
 また最終週を前にいずれもGKモハマド・アズリアン・モハマド・アズランとMFモハマド・ナゼミザン・ナスロン(いずれもサバFA)、DFモハマド・ザリフ・シャミル・モハマド・ザマン、MFアブドル・ラジク・アブドル・ラヒム(いずれもマラッカFA)の4名がメンバー外となる一方、マレーシアサッカー協会FAMと青年スポーツ省が運営するエリートアカデミーのモクタル・ダハリアカデミーAMDから元U16代表のGKシャミ・アディブ・ハイカル・モハマド・シュクリを召集しています。

7月21日のニュース:Mリーグは感染者急増のサラワク州の状況を憂慮、ACL出場のJDTには試合日程の配慮も-MFL、ワン・クザリも他の選手もU19代表メンバー入りは実力次第

Mリーグは感染者急増のサラワク州の状況を憂慮
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、サラワク州での新型コロナウィルス感染者が急増した事態を受け、国内リーグのMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは今後の状況を監視していく予定であると伝えています。
 3月半ばから中断中のMリーグは8月26日の再開が発表されていますが、Mリーグには2部プレミアリーグにサラワク州に本拠地を持つクチン FAとサラワク・ユナイテッドがあることから、サラワク州政府が今後、感染拡大を防ぐ処置を発動するかどうかを注視していくと、MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは話しています。
 「クチンFAとサラワク・ユナイテッドはいずれも綿棒テストの結果をMFLに提出しており、再開後のリーグ参加は許可されているが、万が一、サラワク州の観戦状況が悪化することがあれば、MFLは両クラブのホームゲームを共有しているサラワクスタジアムではなく中立地で行うことも検討している。」と話しています。
 またガニ・ハサンCEOは、MFLがリーグ再開後の標準作業手順SOPのマニュアルを作成中で、1週間程度で完成し、Mリーグの各クラブに配布される予定であることも明かしています。これにはボールボーイからメディア関係者まで無観客試合で再開されるスタジアムに入場を許可されている全員を対象とした物となっていると言うことです。
 この他、観客の入場については、少なくとも最初の2試合は無観客で開催することは決定しているものの、その後は青年スポーツ省や保健省、国家安全保障委員会から許可が出れば、可能になると話しています。しかしその場合でもスタジアムの収容人数の1割程度の入場者受け入れとなるだろうとガニ・ハサンCEOは話しています。

ACL出場のJDTには試合日程の配慮も-MFL
 Mリーグの再開が、マレーシア政府がサッカーの試合実施許可日とする8月15日ではなく8月26日と決まったことで、Mリーグで暫定の首位となっているジョホール・ダルル・タジムJDTは、ACLを控えていることから過密日程の心配が出ていると、ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 現在国内リーグ7連覇中で、今季2020年シーズンも4試合を終えた時点で勝点10と2位のペラTBGに勝点差2をつけて首位のJDTですが、8月26日に再開するリーグは9月中に終了する予定ですが、その後はこちらも連覇がかかるマレーシアカップが10月17日から開幕する一方で、再開されるアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグも10月17日に広州恒大淘宝FCとの試合が組まれています。
 この過密日程について、マレーシアカップを運営するMFLのガニ・ハサンCEOは「マレーシアを代表してACLに出場するJDTが不利にならないよう、マレーシアカップの試合日程については考慮したい。」と述べ、MFLとしてサポートする姿勢を明らかにしています。
 今季のACLは新型コロナウィルスによる大幅な日程変更を迫られた上、試合も各予選グループごとの1ヶ所開催で行うことが発表されています。JDTは初戦の広州恒大淘宝FC戦後は、10月23日の水原三星戦、10月29日のヴィッセル神戸戦、そして11月1日には再び広州恒大淘宝FCの予定が組まれており、11月4日に決勝が予定されているマレーシアカップとほぼ同時期の試合となっています。

ワン・クザリも他の選手もU19代表メンバー入りは実力次第
 現在行われているU19代表候補合宿に参加しているアメリカ出身のワン・クズリ・ワン・アーマド・カマルは、アメリカ2部リーグにあたるUSLチャンピオンシップUSLCのセントルイスFCのアカデミー所属ということや、実の兄がマレーシア国内のサッカーを統括するマレーシアサッカー協会を監督する青年スポーツ省の大臣代理であることなどから注目を浴びています。
 このワン・クズリ選手についてU19代表のブラッド・マロニー監督は、チームにとって有用な戦力だが、23名のメンバー入りが保証されているわけではないとマレーシアの通信社ブルナマとのインタビューに答えています。
 国外からの入国者に義務付けられている14日の隔離措置が終了し、先週から10月のAFC U19選手権に出場するU19代表候補合宿に合流したワン・クザリ選手は、合宿合流前から多くのファンの期待や注目を集めている一方で、一部のファンからはその前評判ほどの選手ではないのではないかという疑念が出ています。
 これらの意見についてマロニー監督は、ワン・クズリ選手の代表合宿合流後の進捗状況には満足していると話しています。
 「外国出身ということを踏まえずとも、一人の選手が周りと違っているのは全く普通のことである。またこれまで数日間見た限りでは、ワン・クズリ選手はとても良い選手であり、チームにとって戦力となりうる。」と話しています。しかしその一方で、代表候補合宿に参加しているどの選手もメンバー入りを確約されている選手はおらず、誰もが実力でメンバー入りを勝ち取らなければならないと話しています。
 さらに今週土曜日7月25日に合宿が終了する前に練習試合を組みたいと話すマロニー監督は、実戦の中でワン・クザリ選手だけでなく、現在のチームの実力を見てみたいと話しています。
 なお、招集された35名から既に31名まで絞り込まれているチームは、次回の合宿を8月3日から行うということです。

7月18日のニュース:Mリーグの8月26日再開が決定、Mリーグ再開日程に対する各監督の反応、U19代表合宿にワン・クズリが合流

Mリーグの8月26日再開が決定
 マレーシア国内リーグのMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは3月半ばから中断しているリーグ戦を8月26日から再開することを公式Facebookなどを通じ発表しています。
 Mリーグ1部スーパーリーグと2部プレミアリーグは新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて3月16日以来中断しています。なお3部以下はすでに今季の中止が決定しています。
 リーグ再開についてMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、各クラブの選手が試合を行う体調を取り戻すのに十分な時間を確保することがこの8月26日を選んだ理由のうちの一つとし、MFLが任命するマッチコミッショナーが再開前にリーグ戦で使用される各スタジアムの消毒や殺菌状況の確認を行うと話しています。
 この他、リーグ再開に先駆け、MFL各クラブは無観客を条件として8月3日からは練習試合が解禁になることや、試合会場が確保できないと言う前代未聞の理由で延期となったMリーグ1部第4節3月14日のPJシティFC対トレンガヌFC戦と、雷雨のため試合途中で中止となったMリーグ2部第2節3月6日のUKM FC対ケランタンFA戦の振替試合はこれに先立ち8月22日に開催されることも併せて発表になっています。
(8月26日からのリーグ再開を知らせるMFL公式Facebookページ

Mリーグ再開日程に対する各監督の反応
 マレー語氏ブリタハリアンは、8月26日からの再開が決まったMリーグについて、各クラブの監督の声を紹介しています。
 他のクラブに先駆けて8月22日に再開後の初戦を迎えるMリーグ1部PJシティFCのデヴァン・クップサミー監督は、選手たちはトレンガヌFCとの対戦に向けて用意ができていると語った上で、「選手たちの体調は満足いく状態になっており、ここまでケガ人が出ていないことも良い傾向である。」と話しています。
 Mリーグ1部スランゴールFCのサティアナタン・バスカラン監督は、8月26日の再開に向けてどのクラブもチームを仕上げるのに十分な時間が与えられているとし、練習試合が解禁となる8月3日以降には練習試合を5試合ほど組みたい。残り試合が7試合しかない事から、全選手が再開後の初戦から全力でプレーができるように準備したい。」と話しています。
 またマラッカ・ユナイテッドのザイナル・アビディン・ハサン監督も試合感を取り戻すために練習試合は必要であると述べ、体調を仕上げるだけでは不十分であるとしています。
 一方、パハンFAのドラー・サレー監督は、再開が(当初予定されていた)9月1日でも8月26日でも違いはないとし、選手たちはボールのタッチなどの感覚を取り戻しつつあることから、再開まで1ヶ月間あるのでそこで集中的に練習を行うことができれば十分であると話しています。

U19代表合宿にワン・クズリが合流
 マレーシアの通信社ブルナマは、アメリカ育ちのワン・クズリ・ワン・アーマド・カマルが、現在開催中のU19代表候補合宿に合流したと報じています。
 アメリカ2部リーグにあたるUSLチャンピオンシップに所属するセントルイスFCのアカデミーでプレーするワン・クズリ選手は、現在マレーシアへの入国者全員に課されている2週間の自宅検疫期間を経て、さらに2度の綿棒検査で陰性が確認された後、35番目の選手としてチームに合流しています。
 国内メディアとの会見の席上で、ワン・クズリ選手はチームに貢献するために、自分ができることをやるつもりであると話しています。
 「自分は攻撃の起点になるのが得意な選手なので、多くのチャンスを作って多くのゴールに貢献したい。また機会があれば積極的に前でもプレーしたい。」と話しています。
 また同じブルナマの記事では、このワン・クズリ選手の兄でもあるワン・アーマド・ファイサル青年スポーツ相代理がU19代表合宿を訪れたことを伝え、その際に大臣代理の弟だと言うことで特別扱いをされることはなく、選手選考はブラッド・マロニーU19代表監督の専権事項であると話しています。
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 このファイサル青年スポーツ相代理のU19代表候補合宿は非公式なものでしたが、ネット上では本人が何と言おうと選手選考に悪い影響を与えることはあっても、良い絵鏡を与えることがないと言う批判が出ており、この二人の父親であるワン・アーマド・カマル氏も、ワン・クズリ選手がサッカーに集中しようとしている状況を妨げるようなことはすべきでないと、ファイサル青年スポーツ相代理を批判するコメントをソーシャルメディアに投稿しています。

7月17日のニュース:ペナン州協会は民営化手続きをほぼ完了、チーム最年少の18歳はリーグ再開後のスタメンを目指して奮闘中、一方U19代表主将は経験を武器にスタメンを狙う

ペナン州協会は民営化手続きをほぼ完了
 ペナン州サッカー協会FAPは民営化手続きがほぼ完了していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 FAPのアマル・プリトパル・アブドラ会長は、民営化手続きを前にFAPが運営するMリーグ2部のクラブであるペナンFAをFAPから切り離す民営化の結果、クラブが独自で運営を行えるのかどうかを検証する必要があったと話しています。しかし、民営化はマレーシアサッカー協会FAM、アジアサッカー連盟AFC、そして国際サッカー連盟FIFAによって求められている他、9月30日までに民営化手続きを完了しなければ来季2020年のMリーグ参加が危うくなることから、民営化を決定したと話しています。
 FAPの臨時総会開催後の記者会見に応じたアマル・プリトパル会長は、民営化は選手の給料などの資金提供を受けていた州政府の財政負担を減らすことにもなるだけでなく、クラブ運営を健全化する機会でもあると話す一方、過去3ヶ月間未払いとなってペナンFAの選手の給料については、今週中に解決する見通しであると述べています。
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 最後にサラッと書きましたが、このペナンFAも給料未払い問題を抱えるクラブだったようです。FAMが押し進める民営化の結果、州政府からの支援がなくなるクラブが増えると、東南アジア各国の中では、比較的高給が支払われているとされるMリーグは選手にとっては魅力のないリーグになってしまう可能性もありそうです。

チーム最年少の18歳はリーグ再開後のスタメンを目指して奮闘中
 Mリーグ1部スランゴールFCのハリス・ハイカル・アダム・アフタルはチーム最年少ながら、スタメン入りを目指して奮闘中であると、スポーツ専門サイトのスタジアム・アストロが報じています。
 今季2020年シーズンが開幕した2月の時点では、スランゴールFCのBチームであるMリーグ2部のスランゴール2に登録されていたハリス・ハイカル選手はそのプレーぶりが評価され、現在はスランゴールFCの練習に参加しています。
 リーグ再開後はスランゴールFCの主力選手として試合に出たいと話すハリス・ハイカル選手は「自分はチーム最年少だが、サティアナタン監督に自分はAチームの同じポジションの選手よりも優れていることを示すために常に全力で練習に取り組んでいる。それを見て監督が出場機会を与えてくれれば、自分が1部でもプレーできることを示す自信はある。」と話し、さらにスランゴールFCで優勝してかつての栄光を取り戻し、マレーシアやアジアでスランゴールFCの名を知らしめたいとも話しています。
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 10月に開催予定のAFC U19選手権に出場するU19代表でも主力選手として期待されるハリス・ハイカル選手ですが、3月1日のMリーグ2部の試合で私もプレーを見ています。サッカーの素人の私にもわかるくらい突出して見えたハリス・ハイカル選手のAチーム昇格は当然であり必然という印象です。ハリス・ハイカル選手のセンターバックと言うポジションは、スランゴールFCの主将でもある外国籍選手のテイラー・リーガンとポジションがかぶりますが、サティアナタン監督がハリス・ハイカル選手をどう使うのが見ものです。

一方U19代表主将は経験を武器にスタメンを狙う
 スタジアムアストロは、上の記事で取り上げたハリス・ハイカルとともにスランゴール2からスランゴールFCへ昇格したムカイリ・アジマル・マハディについても取り上げていますが、こちらはMリーグ1部でのプレー経験を武器に、スランゴールFCのスタメン取りを狙う決意のようです。
 昨季はMリーグ1部のPKNP FC(現ペラII)に所属したムカイリ・アジマル選手は、Mリーグ1部初出場が17歳3ヶ月16日と衝撃的なデビューを果たしています。この時は67分からの途中出場でしたが、わずかな時間でも国内のトップレベルでの試合を経験したことで、試合の流れを読み、判断の速度を上げなければならないことを学んだと語っています。
 このムカイリ・アジマン選手に昨季終了前に獲得に興味を示したスランゴールFCがフェルダ・ユナイテッド、クダFA、ペナンFAとの争奪戦に勝ち、今年2020年からの3年契約を結んでいます。
 「スランゴールFCの練習に初めて参加した際は、サティアナタン監督が少し怖かったが、練習中には多くの励ましの言葉をかけられ、レギュラーを目指して努力するように言われて自信がついてきた。」と話すムカイリ・アジマル選手はU19代表でも主将を務めており、上記のハリス・ハイカル選手とともに代表でも次世代の主力として期待されています。

7月16日のニュース:JDTのソーシャルメディアのフォロワー数は360万人、代表監督は8月のリーグ再開を希望、U19監督は新戦力にも期待

JDTのソーシャルメディアのフォロワー数は360万人
 Mリーグ1部ジョホール・ダルル・タジムJDTは公式Facebook上で、主要ソーシャルメディア上でのフォロワー数がMリーグで最多であることと発表しています。
 この発表によれば、JDTの公式Facebookページはおよそ250万人のフォロワーが、公式インスタグラムはおよそ90万人のフォロワーが、そして公式ツイッターはおよそ21万7000人のフォロワーがおり、合計でおよそ360万人のフォロワーがいるとしています。
 一方他のMリーグクラブについては、クダFAがおよそ90万2000人、スランゴールFCが50万5000人、そしてペラTBGが18万人のフォロワーを抱え、JDTに続いているとしています。
 またJDTのフォロワー数はマレーシア国内だけでなく、東南アジアでもトップクラスだとしており、インドネシアのプルシブ・バンドンの1490万人、プルシジャ・ジャカルタの660万人には劣るものの、タイのムアントン・ユナイテッドの260万人、ブリーラム・ユナイテッドの210万人やフィリピンのセレス・ネグロスFCの6万5000人、シンガポールのライオン・シティ・セーラーズFC(旧ホーム・ユナイテッドFC)の2万6000人より多くのフォロワーを持っているとしています。
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 ソースがないのでJDT以外のクラブのフォロワー数については、非公式なデータの可能性もありますが、それでも人口がおよそ2億6800万人のインドネシア、およそ1億70万人のフィリピン、6980万人のタイなどに比べ、人口がおよそ3200万人しかいないマレーシアのクラブながらこのフォロワー数の獲得は立派です。
 斯く言う私自身もJDTのソーシャルメディアのフォロワーの一人なのですが、JDTのソーシャルメディアが気に入っている点は、ページがマレーシア語と英語の2つの言語で書かれていることです。英語でも情報が得られるということでマレーシア国外にも一定数のフォロワーがいる可能性もあります。
(下はJDTの公式Facebookぺーじより)

代表監督は8月のリーグ再開を希望
 マレーシア政府はサッカーなど身体接触を含む競技の試合実施を8月15日から解禁とすることを発表していますが、国内リーグMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは、慎重な姿勢から当初の予定通り9月1日からのリーグ再開の可能性をほのめかしています。
 これに対してマレーシア代表のタン・チェンホー監督は、リーグ再開を必要以上に遅らせることは、10月からのW杯予選を控えるフル代表にとっては好ましくないと述べていると、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 再開日程についてMFLからはまだ公式な発表はないものの、多くのクラブが予定通り9月1日のリーグ再開を望んでいる一方で、リーグ再開が早まることで、収入が得られる時期も早まることから8月15日の再開を望んでいるクラブもあると、ニューストレイトタイムズは報じています。
 MFLやMリーグ各クラブの思惑とは別に、代表のタン監督はFIFAカレンダーで規定されている10月5日から13日の間で代表強化合宿を予定していることから、リーグ再開が早まれば3月半ば以降、実戦から遠ざかっている選手たちが自信や試合勘などを取り戻すことに使える時間が増え、それが代表チームにとっても好影響となると話しています。その一方で9月1日からの再開となれば各クラブは4週間で7試合から8試合を消化する日程となり、選手が疲労などからケガをする可能性が高くなることを心配しているとも述べています。
 この他にタン監督は、特に9月1日にリーグ再開となった場合、W杯予選前の実践は10月2日に予定されているバーレーン戦のみとし、Mリーグのクラブとの練習試合などは検討していないとしています。

U19監督は

U 19監督は新戦力にも期待
 10月に開催予定のアジアサッカー連盟AFC U19選手権は、開催地となるウズベキスタンで新型コロナウィルス感染者数が増加したことから、全国的なロックダウンが8月1日まで行われることが発表になっています。これが長引くことがあれば、U19選手権の開催も危ぶまれますが、このU19選手権に出場するマレーシアU19代表はそんな状況を気にせず、現在、強化合宿を開催中です。
 U19代表監督でオーストラリア出身のブラッド・マロニー監督は、7月6日から始まっている今回の合宿に初参加となるアダム・ナズミ・ザムリとザクリー・ライフ・ガジー・ヨーの両選手に注目していると、ニューストレイトタイムズの取材に答えています。
 初参加ながらコーチ陣の目に止まったというアダム選手はタイのプーケットにあるインターナショナルスクールに併設し、ブラジルのクルゼイロECが運営するアカデミー出身、またザクリー選手はイギリス中部レスターシャー州にあるブルックカレッジに併設するアカデミーの出身で、マレーシア国内のクラブ出身者や国家サッカー選手養成プロジェクトNFDP出身者が大半を占めるU19代表候補の中では異色の存在です。
 マロニー監督は、国外から参加の二人は既にチームに溶け込んでおり、その高い技術やサッカー選手としての質の高さは他の選手との良い意味での競争心を生み出していると話し、これにアメリカから参加し、今日7月16日には2週間の隔離が終わって練習参加が可能となるワン・クズリ・ワン・アーマド・カマルが加わることで、U19代表候補は最終選考へ向けてより高いレベルで競争できると話しています。

7月15日のニュース:Mリーグ4クラブのみが民営化手続き完了、MFLは身体接触を含む練習許可に練習試合許可は含まれていないことを警告、FAM会長-2030年までにアジアトップ5入りを目指す計画は順調に進行中

Mリーグ4クラブのみが民営化手続き完了
 マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、現時点で国内リーグMリーグのクラブの内、4クラブが民営化の手続きを完了していることを公表しています。マレーシアの通信社ブルナマによると、スチュアート事務局長は具体的なクラブ名は公表しなかったものの、Mリーグの4クラブが民営化手続きを終えており、このほかに12クラブが手続きを進めている最中と言うことですが、残る6クラブはFAMが定めた今年9月30日の期限を前に民営化手続きに着手すらしていないと言うことです。
 サッカークラブの「民営化」と言う表現に違和感があるかも知れませんが、Mリーグの多くのクラブは、マレーシア国内の各州サッカー協会(州FA)によって運営されているいわば公営クラブで、このブログでもクラブ名をクダFA、ケランタンFAといったように州名プラスFAという表記を使っているのもこれが理由です。
 Mリーグクラブの民営化については、アジアサッカー連盟も関心を示しているとされ、来季2021年シーズン開幕までに民営化が完了しないクラブには様々な障害が生じる可能性があるということで、FAMも民営化を奨励しています。
 「州FA所属のクラブが民営化する際にはいくつかの段階を踏む必要があり、2020年は新たにクラブ(FC)を新設する段階とFAMは位置付けている。FC新設後は、州FAからFCへの運営権の移行を含む次の段階に進むことになる。」と話すスチュアート事務局長は、今年は新型コロナウィルスの影響や、連邦政府内の政変に伴う州政府内の政権交代などによって、民営化の進行が遅れていることには理解を示し、FAMは各州FAを支援する用意があるとしています。
 この民営化は、州政府に選手の給料を含めた大半の運営資金を依存する多くのクラブの運営方法を改めるとともに、その経営健全化へと舵を切る切り札と目されています。
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 多くの州で、州首相が州FA会長を兼任する状況は、その会長職が単なる名誉職となっているだけでなく、今年のように政変で会長が交代を強いられるなど、本来なら長期的展望を持って運営されるべき各州FAが政治家に翻弄されているのが現状です。
 また現在の形態は、公金が投入されることをいいことに、経営手腕がない名ばかりの役員が高額で選手と契約し、その挙句に給料未払い問題を起こしていることとも無関係ではありません。この民営化が実現すれば、プロクラブを名乗りながら、選手への給料を支払えないFAが淘汰されていく可能性もあり、Mリーグが名実ともにプロリーグへとなる日も近づくのではないかと思います。

MFLは身体接触を含む練習許可に練習試合許可は含まれていないことを警告
 いよいよ本日7月15日よりMリーグ各クラブは身体接触を含む通常練習が可能になりますが、Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグは、身体接触を含めた練習の許可には練習試合実施の許可は含まれていないことを明言しています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、身体接触を含めた練習の解禁は練習試合の実施も可能になるわけではないとし、MFLは各クラブが標準作業手順SOPを遵守した上で練習を続けることを求めているとマレー語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 「MFLはどのクラブにも練習試合実施許可を出していないが、これは身体接触を含めた第二段階練習解禁後も選手やスタッフなどの安全と健康を考慮した上で、SOPが遵守されるかどうかを確認することを優先しているからである。これが確認された後には、時期を見計らった上で練習試合の実施を許可する予定である。」と話すガニCEOは、リーグ再開時期について問われると、各クラブが使用するスタジアムの消毒や除染、さらに施設の修理などを行って、再開後に問題が発生しないよう十分な準備の時間を確保できるようにした上で、再開時期を決定したいと話しています。

FAM会長-2030年までにアジアトップ5入りを目指す計画は順調に進行中
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上に、7月14日に就任から3年目となるハミディン・モハマド・アミン会長の2年間の実績報告などを掲載しています。
 Mリーグ1部ジョホール・ダルル・タジムJDTのオーナーでもあるジョホール皇太子トゥンク・イスマイル殿下辞任の後を受けて2018年7月に就任したハミディン会長は、スランゴール州サッカー協会FASの事務局長の経験もある元銀行家で、それまで政治家や王族が歴任してきたFAMの会長職についた初めての「民間人」です。
 会長就任後には2023年のAFC選手権アジアカップ出場、2016年までにFIFAランキング100位内、そして2030年までにアジアのトップ5入りとFIFAランキング70位以内などの目標を打ち出しましたが、当時はその目標は高すぎるという声が大半でした。
 しかし代表チームは2023年AFC選手権の予選を兼ねるFIFAW杯アジア二次予選ではベトナムに次ぐ2位につけており、FAMの公式サイトでは、ハミディン会長が提唱する2030年までのアジアトップ5入りを目指す指針F:30は順調に進行中であるとしています。
 またサッカー振興の礎となるコーチの養成のためのマレーシアコーチ憲章では、AFCプロコーチ養成コースの開催、プロ審判憲章ではプロ審判候補者の絞り込みが行われており、こちらも順調に進行中であるとFAM公式サイトでは伝えられています。
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 ハミディン会長は、かつてはマレーシアよりも弱かった日本が今ではアジアでもトップクラスの代表チームを擁することから、同じアジア人として日本から学びたいという発言を何度も繰り返しており、実際に日本サッカー協会JFAとの積極的な関係構築や、プロコーチ養成コースの一環としてJリーグのセレッゾ大阪や大宮アルディージャへの派遣、また昨年は国内カップ戦FAカップの決勝戦を日本から主審と副審を読んで開催するなど、日本に追いつき、追い越せという姿勢が見て取れます。