10月1日のニュース:スマレがいよいよタイへ出発、州FA内には信用できない人々がいた-サティアナタン前スランゴールFC監督、今年開催予定だったスズキカップは来年4月11日開幕

スマレがいよいよタイへ出発
 Mリーグ1部のパハンFAを離脱し、タイ1部リーグのポリス・テロFCと契約したムハマドゥ・スマレがいよいよタイ入りしました。
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によると、スマレ選手は9月29日にクアラルンプール国際空港からバンコク行きの便に搭乗したということです。
 スマレ選手は出国前にメディアと会見し「タイリーグは自分にとっては未知の経験だが、失うものは何もない。タイでプレーをすることでより良い選手になることが自分の目的であり、自分がどこまでやれるかに挑戦したい。」と話し、今回の移籍が期限付き移籍ではなく、フリーエージェントとして移籍することを強調する一方で、前所属のパハンFAに関する質問には答えなかったようです。
 ポリス・テロFCとは6ヶ月契約を結んだことを明かしたスマレ選手は、今季の大リーグが閉幕する来年5月まで対でプレーする可能性もあると話し、移籍先にタイのクラブを選んだ理由として、パハンFAを離脱した時期がMリーグの移籍期間でなかったことを挙げています。
 なおスマレ選手が加入するポリス・テロFCには同じ代表選手のドミニク・タンが在籍していますが、タン選手とは仲が良いということで、タイでは世話になるだろうと話しているということですが、タイ入国後はタイ政府指定の検疫隔離施設で14日間を過ごした後、クラブに合流する予定ということです。

州FA内には信用できない人々がいた-サティアナタン前スランゴールFC監督
 Mリーグ1部スランゴールFCの監督職を9月21日に解任されたサティアナタン・バスカラン前監督は、スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会(スランゴール州FA)には信用できない人々がいたと話しています。
 9月19日のMリーグ第8節の対ジョホール・ダルル・タジムJDT戦で6-1と大敗し、その2日後に解任されたサティアナタン前監督が当地の人気サッカー番組「ボラ@ママッ」に出演し、州FA内でも一部の人間しか知り得ない情報が外部に漏れていたと話しています。
 「(スランゴール州FA会長の)スランゴール州皇太子テンク・アミール・シャー 殿下からは契約が切れる4ヶ月前に、契約は更新しないことを伝えられていた。本来ならば1ヶ月前に伝えられるべきだったが、早めに伝えられたので、自分はそれを受け入れる一方で、殿下には他に誰が自分の契約について知っているかをお尋ねした。殿下はスランゴール州FAの数名が知るだけだと仰ったが、実際にはその2日後には選手全員が自分は来季はスランゴールFCno監督ではないことを知っていた。」
 「私の契約が更新されないことを選手に漏らした州FA内の人間は、私をできるだけ早く取り除きたかったのだろう。私が来季の監督でないことを知った選手が私に対してやる気を見せる必要がないのは当然である。いくら私にアピールしても何も得るものはない選手を責めることはできない。」
 またサティアナタン前監督は、スランゴール州FAの経営陣が現場にも介入してきたことを非難しています。
 「(インド系の)DFプラバカラン・カナンダサンが出場するたびに、スランゴールFCサポーターから人種差別的なヤジを受けて萎縮してしまっていたことから、経営陣には彼に代わる左サイドのディフェンダー獲得を依頼したが、監督の私よりもサッカーをよく理解していると自負する経営陣の背広組に拒否された。私は諦めたが、突如その背広組から許可が出たが、獲得したかった選手は既に他のクラブに加入していた。」
 「2019年3月以来、深刻な怪我で苦しんでいたルフィノ・セゴヴィアに代わる選手の獲得を依頼した際も拒絶された際には、サポーターからなぜ代わりのストライカーを獲得しないのかと聞かれ、スランゴール州FAにはその資金がないと答えたが、その発言を経営陣に咎められた。選手としては期待できないので、(Bチームの)スランゴール2でセゴヴィア選手をプレーさせるように頼んだが、セゴヴィア選手をBチームに落とせば、トップチームは代わりのストライカーが必要になるが、その資金がないので、トップチームに置いておくように言われ、結局、ストライカーは(イフェダヨ・オルセグン)一人で戦わねばならなかった。」とこれまで溜まっていたであろう不満をぶちまけています。
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 スランゴール州FAの経営陣に対しては、JDTオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下も、自身の売名行為のためにサッカーを利用している輩がいるといった批判を繰り返しています。これまでマレーシアサッカーの盟主として君臨してきたスランゴールFCとスランゴール州FAが今後どこへ向かっているのか、サポーターの1人として注目していきたいと思います。

今年開催予定だったスズキカップは来年4月11日開幕
 東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップは隔年で開催されており、今年2020年が第13回大会開催予定の年でしたが、AFFはこの第13回大会が来年2021年4月11日から5月8日の日程で行われることを公式サイトで発表しています。
 今年2020年11月23日から12月31日までの予定で開催が予定されていたスズキカップですが、新型コロナウィルス感染拡大が続く中、新たな日程が発表になっています。
 大会形式は従来通り、一回戦からホームアンドアウェイで行われりということですが、実際には大会開催時の新型コロナウィルスの状況次第となっています。
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 一時は感染者がほとんど出なかったベトナムでの一国開催案も、その後の感染者数急増で立ち消えとなり、大会規模を縮小して年内開催となっていましたが、結局、年内開催は不可能でした。ただしW杯予選やAFC選手権の予選も来年に延期になっており、来年の代表チームの年間予定はかなり過密になりそうですが、そもそも予定されている時期までに新型コロナウィルスの感染状況がどうなっているかで、さらなる日程変更も十分あり得ます。

9月28日のニュース:ケランタンFCの新オーナーが練習施設建設予定を公表、ケランタンFCはTDとコーチを公募、タイ1部リーグ第7節-ドミニク・タンはフル出場も痛恨のハンド

ケランタンFCの新オーナーが練習施設建設予定を公表
 マレーシアの通信社ブルナマによれば、ケランタンFCの新オーナーとなったノリザム・トゥキマン氏はケランタンFCの新たな総合練習施設の建設予定があることを明らかにしています。
 この練習施設には500万から1000万リンギ(およそ1億2600万から2億5300万円)の予算を割り当てるとし、ケランタン州の州都であるコタバル市内も含めた3か所が建設候補地として既に選ばれており、更衣室や休憩室、食堂といった設備を備える他、FIFAが設けた基準に沿った芝を植える予定もあるということです。
 胸スポンサーが更新された新ユニフォーム発表の席で貴社の質問に答えたノリザムオーナーは、ケランタン州のサッカーにかつての栄光を取り戻し、選手の競争力を高めるために、日本のクラブを含めた様々なクラブと練習試合を行いたいとも話しています。
 また今季についてはMリーグ終了後に開催されるマレーシアカップでトップ5に入ることを目指していると話したノリザムオーナーは、2025年までにはMリーグクラブ初のマレーシア証券取引所への上場も目指しているとも話しています。

新ユニフォーム発表に臨んだノリザムオーナー(中央)と新しいユニフォームを着用したケランタンFCの選手たち。胸スポンサーはノリザム氏が経営するZamburgerとなっています。-ケランタンFCの公式Facebookより

ケランタンFCはTDとコーチを公募
 またケランタンFCはこうしきFacebook上でテクニカルディレクターとコーチの公募も行っています。
 9月27日にアップされたポストでは、経験のあるテクニカルディレクターとコーチを求めているとし、その条件が書かれた書類も同時に掲載されています。興味深いのはこれが全て英語で書かれている点です。ケランタンFC公式Facebookの他の投稿はマレーシア語表記のみですが、この告知では英語が使われていることから、その本気度も伝わってきます。
 連絡先なども書かれていますので、海外での指導者を目指す日本人コーチの皆さん、いかがでしょうか。

テクニカルディレクターとコーチ募集を伝える告知-ケランタンFC公式Facebook

タイ1部リーグ第7節-ドミニク・タンはフル出場も痛恨のハンド
 タイ1部リーグの第7節が行われ、ポリス・テロFCに所属するマレーシア代表のドミニク・タンは2試合連続で先発し、フル出場しています。
 9月26日(土)に行われた試合はホームのブンヤジンダースタジアムにチョンブリーFCを迎えて行われました。
 2試合連続の先発となったタン選手は、28分に自陣のペナルティーエリア内で相手FWヘリオン・カイオンと競りますが、カイオン選手が蹴ったボールがタン選手の手に当たり痛恨のPKを与えてしまいます。これをカイオン選手自ら決めてチョンブリーFCが先制します。その後、ポリス・テロFCは63分に同点に追いついたものの、チョンブリーFCがその直後の65分に再びゴールを決め、そのまま2-1で逃げ切りました。(詳しくは下のハイライト映像でどうぞ。)
 なおタン選手はPKを与えた後も出場し続け、2試合連続でフル出場しています。
 またBGパトゥム・ユナイテッドに所属する同じ代表選手のノーシャルル・イドラ・タラハは2試合連続でベンチ入りしたものの、前節に続き出場はありませんでした。
 タイ1部リーグは、第7節を終えてBGパトゥム・ユナイテッドが5勝1分の勝点16で首位、ポリス・テロFCは4勝1分2敗の7位となっています。なお、BGパトゥム・ユナイテッドは9月13日に予定されていた第5節のブリーラム・ユナイテッド戦がブリーラム・ユナイテッドの選手にシンガ方コロナウィルス感染者が出たことから延期されています。

ポリス・テロFC対チョンブリーFC戦ハイライト-ポリス・テロの公式Youtubeチャンネルより

9月11日のニュース:AFCU19選手権は来年へ延期決定、クダ州FA会長はアイディル監督に固執せず、ケランタンUの民営化手続きが完了

AFCU19選手権は来年へ延期決定
 アジアサッカー連盟AFCは、新型コロナウィルスの影響を理由に10月にウズベキスタンで開催が予定されていたAFC U19選手権の延期を公式サイトで発表しています。またバーレーンで開催予定だったAFC U16選手権の延期も併せて発表されており、いずれの大会も2021年初旬の開催を目指していると言うことです。
 マレーシアも出場予定だったAFC U19選手権は来年2021年5月にインドネシアで開催予定の国際サッカー連盟FIFA U20W杯のアジア予選も兼ねています。
 AFCは公式サイト上でアジアの多くの国で新型コロナウィルス感染拡大が収束していない中、大会に参加する若い選手の健康を最優先することに加え、移動に伴う健康上のリスクなども延期の理由に挙げています。
 AFCのシーク・サルマン・エブラハム・アル・カリファ会長はAFCとAFC加盟国のサッカー協会MAの財政の健全性を確保することは重要だとした上で、全員が協力してこの苦境を乗り越えることを提案しています。
 U19選手権とU16選手権に加え、今年2020年のAFCカップとAFCソリダリティカップの中止を決定した他、フットサルクラブ選手権は2021年にアラブ首長国連邦を開催国として来年2021年に開催することも発表しています。また11月にトルクメニスタンで開催が予定されていたAFCフットサル選手権は、12月2日から13日の予定でクウェートに開催地を変更して行うことも発表しています。

クダ州FA会長はアイディル監督に固執せず
 マレーシアの通信社ブルナマはMリーグ1部クダFAを運営するクダ州サッカー協会(クダ州FA)会長の「アイディル・シャリン監督が他のクラブへ移籍したければ、それを慰留しない」と言う発言を報じています。
 来季は同じMリーグ1部のペラTBGの監督就任が噂されているアイディル監督について報道陣に問われたクダ州FAのムハマド・サヌシ会長は「自分のところには何の情報も届いていないが、マレーシアは民主主義の国であり、誰でも自由に自分の行きたいところへ行く自由がある。」と話しています。
 同じ記事では、ムハマド・サヌシ会長はクダFAの選手と給料体系の見直しのために話し合いを行ったことも明らかにしています。
 「クダ州FAは経営が困難になっており、その大きな理由の一つが現在の給与体系である。給料削減に応じられない選手や自身の技量にそぐわない給料を希望する選手に対しては、クダFAは希望があれば放出する準備がある。」とも話す一方でムハマド・サヌシ会長は、クダ州出身の選手にはクダFAに残って欲しいというとも話しています。
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 アイディル監督は、来季の構想や自身の契約についてクダ州FAと話し合いを希望していることを表明していますが、それに対してクダ州FAが何の対応もしていないことに不満があるとされており、今月9月半ばまでにクダ州FAから何の返事もなければ、他のクラブと交渉に入ることも明らかにしています。

ケランタンUは民営化手続きが完了
 Mリーグ2部のケランタン・ユナイテッドFCは、マレーシアサッカー協会FAMがMリーグ1部と2部の全クラブに求めているクラブ民営化手続きを完了したようです。
 マレーシアの通信社ブルナマによると、ケランタン・ユナイテッドFCは今月に入ってFAMに民営化手続きに必要な書類を提出したと言うことですが、ブルナマの記事ではケランタン・ユナイテッドFCのワン・モハマド・ズル・イクマン事務局長の話として、FAMから正式に民営化承認の手紙がケランタン・ユナイテッドFCに届いたと言うことです。
 FAMは来季2021年以降のMリーグ出場のクラブライセンス発給条件の一つして、各州のサッカー協会(州FA)などが運営するクラブの民営化を義務付けており、今回の民営化手続き完了により、ケランタン・ユナイテッドFCは来季のMリーグに出場するためのクラブライセンス申請資格を得たことになります。
 ケランタン・ユナイテッドFCは昨季、Mリーグ3部にあたるM3リーグの優勝チームとして今季から2部に昇格しています。

“Thank you to FAM, the Malaysian Football League (MFL) for helping the club complete this privatization. However, KUFC’s participation in the national level competition or the Asian Football Confederation (AFC) is subject to the acceptance of the KUFC club license this year,” he said. .

Wan Mohd Zul said at this time, his party was completing the documents required by FAM for the purpose of application and license approval.

“Currently, 95 percent of the documents have been sent to FAM for club license matters,” he said.

  • BERNAMA


9月8日のニュース:タイ1部リーグクラブがスマレの入団を発表、前所属のパハンFAはスマレに対し法的措置を検討、クダFA監督は来季はペラTBGを指揮か

タイ1部リーグクラブがスマレの入団を発表
 タイ1部リーグのポリステロFCが昨日9月7日にマレーシア代表ウィングのモハマドゥ・スマレの入団を公式Facebookで発表しました。背番号が13となることも発表されています。なおポリステロFCには同じ代表のセンターバックのドミニク・タンも在籍しており、BGパトゥム・ユナイテッドFC在籍のノーシャルル・イドラン・タラハと合わせ、今週末から再開されるタイ1部リーグでは3人の代表選手がプレーすることになります。
 ガンビア出身の帰化選手であるスマレ選手のポリステロFCの入団発表とともにアップロードされた映像では、スマレ選手がサポーターに向けて「バンコクで会いましょう」と挨拶しています。(以下はポリステロFCの公式Facebookより)

 なおタイ1部リーグはMリーグ同様に第4節を終えた時点でリーグが中断していましたが、今週末の9月12日より再開し、来年5月に終了する秋春制シーズンへと移行することを発表しています。

前所属のパハンFAはスマレに対し法的措置を検討
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、スマレ選手が所属していたMリーグのパハンFAが、契約違反として法的措置を検討していると報じています。
 パハンFAのスフィアン・アワン チームマネージャーは、スマレ選手のチームからの無断離脱について、スマレ選手は現在もパハンFAと契約中だとして、クラブが弁護士を雇って法的措置を取る予定であると話しています。
 「詳しいことは言えないが、タイのクラブとの契約は向こうであり、スマレ選手は現在もパハンFAと契約期間中である。」と話しています。
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 経営不振が伝えられているパハンFAが今年に入り、新型コロナウィルスによるリーグ中断期間中に数回の給料が未払いとなっていたことから、契約書に含まれている条項を盾に退団、ポリステロFC入団に漕ぎ着けたと言われています。
 もしパハンFAが本当に裁判沙汰にするのであれば、それなりの根拠があるのだと思いますが、最初は派手な花火を打ち上げるものの、結局はしりすぼみになってしまうというマレーシアではありがちな対応で終わるような気がしなくもありません。
 もしそうだとしたら、振り上げた拳を下ろすところがないだけでなく、パハンFAの窮状を自ら明らかにすることになりそうです。またそうなれば、スマレ選手以外にもチームを今期中に離れる選手が続出しそうです。

クダFA監督は来季はペラTBGを指揮か
 先週のMリーグ1部第6節ではジョホール・ダルル・タジムJDTの対戦で0-7と惨敗したペラTBGの来季の監督候補に、同じMリーグ1部クダFAのアイディル・シャリン監督の名前が上がっているようです。
 マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版は、大敗の責任はペラTBGのメフメト・ドゥラコビッチ監督一人の責任ではないとしながらも、4季を迎えるドゥラコビッチ監督はペラTBGを2018年にはマレーシアカップ優勝に導くなど実績は決して悪くない一方で、新しい戦術などの導入がないことからクラブ内では停滞感が感じられていることから、新監督獲得へ動く可能性が取り沙汰されています。
 今週にはシャリン監督の代理人がペラTBGを運営するペラ州サッカー協会(ペラ州FA)と面会し、契約内容の交渉を行うという話もあり、これが事実ならぺら州FAの本気度が感じられます。

9月4日のニュース:新オーナーはケランタンFAを1.7億円で買収、MFLは全クラブにSOP遵守を改めて求める

新オーナーはケランタンFAを1.7億円で買収
 マレーシア語紙ハリアンメトロは、Mリーグ1部のケランタンFAの売却が完了したと報じています。
 このブログでも既報通り、新オーナーは企業家でもあり投資家でもあるノリザム・トゥキマン紙で、自身が運営する食品製造販売とホテル経営会社のザムバーガー社を通じて、680万リンギをケランタン州FAに支払い、クランタンFAの運営会社であるTRW社の全株式を取得したということです。
 昨日行われた記者会見の席上でノリザム氏は、当面はケランタン州のサッカーファンの信用を取り戻すために選手のパフォーマンス向上と設備投資に注力したいと述べ、来季2021年シーズンのクラブライセンス取得のために、ケランタン州FAにTRW社の全株式取得のために300万リンギ(およそ7680万円)を、そしてケランタン州FAが抱える未払い給料完済のためにさらに380万リンギ(およそ9730万円)を支払ったということです。(筆者注:マレーシアサッカー協会FAMは未払い給料問題を年内に解決できないクラブに対して、来季のMリーグに参加するためのクラブライセンスを発給しないとしています。)
 「選手には今後は未払い給料の問題について心配する必要はないので、よりプレーをして欲しい。」と記者会見で話したノリザム氏は、チームの強化期間として3年から5年を目安にし、その後はTRW社の株式を上場した上で、50万リンギから100万リンギ(およそ1280万円から2560万円)の配当を得たいとしています。
 ケランタンFAを買収するために自らが経営する企業の資産を一部売却した他、リーグ再開後も無観客試合となっていることで入場料収入が期待できないなどのリスクについてノリザム氏は「自分は投資家として20年以上の経験を持ち、今日の投資が明日の利益につながらないとことを理解している。その上でファンを第一にして、常勝チームを作ることに楽観的である。」と述べています。
 さらにノリザム氏は「選手に対しては、八百長に加担しないように忠告したい。そしてファンにはケランタン州のサッカーがかつての栄光を取り戻せるよう期待して欲しい。また将来的には(クラブ運営会社の)TRW社の株式を選手に対しても分け与えて、給料に依存しなくとも済むようにしたい。」と話しています。
 またこの日は選手やコーチ、スタッフに未払い給料の一部となる37万リンギ(およそ948万円)も手渡されました。
 この記者会見にはケランタン州FAのシャアリ・マット・ハサン会長とアファンディ・ハムザ会長補佐も出席しましたが、アファンディ会長補佐は今後、ケランタン州FAはこれまで20%の株式を保有していたMリーグクラブの運営から完全に離れ、草の根レベルからU19とU21チームの育成までに専念すると話しています。
(売却契約の調印式の様子-中央右の赤いキャップがノリザム氏-ケランタン州FAの公式Facebookより)

MFLは全クラブにSOP遵守を改めて求める
 8月28日から再開したMリーグの第5節を終え、Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは公式Facebook上で標準作業手順SOPの遵守を改めて各クラブに依頼しています。
 MFLは先週8月28日と29日に開催された第5節の試合を監視していたということですが、MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは複数のクラブが新型コロナウィルス感染防止のためのSOPに従っていなかったことを指摘しています。
 「マッチコミッショナーの報告によると、多くの試合でSOPに従わない規則違反が見られた。顕著だったのがクラブ関係者のマスク着用義務違反と、クラブ役員やVIPのソーシャルディスタンス違反で、この違反は頻繁に見られたようである。この状況が改善されなければ、罰金処分の導入などを検討する。このSOP遵守は今季リーグが最終節まで行われるための重要な条件であることを認識して欲しい。」とアブドル・ガニCEOは述べています。
 この他、MFLはこの日、来季2021年シーズンのリーグ日程に関する予備会合を開いたことも報告し、その席にはタン・チェンホー代表監督も出席したことを明らかにしています。
(写真は来季日程会合の様子。右手前がタン代表監督-MFLの公式Facebookより)


9月3日のニュース:ケランタンFAの新オーナーが決定、U19代表合宿参加組のレベルアップが急務

 ケランタン州サッカー協会(ケランタン州FA)が運営するMリーグ2部のケランタンFAの新オーナーが決定したと、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 企業家でもあり投資家でもあるノリザム・トゥキマン氏はケランタン州FAとの間で行っていた交渉が成立し、ケランタン州FAが設立したクラブ運営会社のTRW社の主要株主となるということです。
 本日9月3日に正式な記者会見が本拠地のケランタン州コタバルで行われるということですが、これによりケランタンFAは民営化されて、来季からはケランタンFCとなることも発表される予定です。
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 ケランタン州を中心に食品関連企業とホテルなどを経営するザムバーガー社をノリザム氏はザムサハムの愛称で知られています。本日の記者会見ではケランタンFAの選手とスタッフに未払い給料の支払いも行われるという情報もあります。
 いずれにせよ、これでクラブの民営化が実現され、ケランタンFAは来季はケランタンFCとしてMリーグに参戦できそうです。
(以下はノリザム氏の運営企業のFacebookに挙げられたケランタンFA民営化発表イベントの告知)

U19代表合宿参加組のレベルアップが急務
 U19代表は代表候補合宿参加組に現在開催中のMリーグに出場している選手が加わり最終メンバーが決定しますが、U19代表のチームマネージャーは合宿参加組のレベルアップが急務であると話していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 これまで7週間にわたって合宿を行なってきたU19代表候補について、チームマネージャーのカマルル・アリフィン・モハマド・シャハル氏は、いまだに満足のいくレベルのパフォーマンスが見られないと話し、この理由として合宿参加組とMリーグ出場組との間の実力差を挙げています。
 「合宿参加組とMリーグでプレーしているU19代表候補の実力差は明らかである。しかしその際はここの選手の才能の差ではなく、Mリーグ組がプロとして臨んでいる練習や試合時間数の差である。」と話すカマルル・アリフィン チームマネージャーは、今月から始まるU19代表候補第三次合宿からMリーグでプレーする選手が合宿に加わることを明らかにしています。
 さらにカマルル・アリフィン チームマネージャーは、「現在Mリーグの1部と2部でプレーしている13名の選手が第三次合宿からチームに加わり、これまでの合宿に招集された総勢30名ほどの選手から選ばれる7名か8名の選手とともに最終候補のメンバーとなる。」と話しています。
 第三次合宿から参加する予定のMリーグ組には、ムカイリ・アジマル・マハディ、フィルダウス・イルマン・モハマド・ファドヒル、アズリン・アフィク・ルスミニ、シーク・イズハン・ナズレイ・シーク・アズマン、ハリス・ハイカル・アダム・アフカル(以上スランゴール2)やベルギー1部リーグのKVコルトレイクと契約したルクマン・ハキム・シャムスディンらがいます。
 U19代表は、10月14日にウズベキスタン で開幕するアジアサッカー連盟AFC U19選手権に出場しますが、この大会も延期の可能性が取り沙汰されています。

9月2日のニュース:スマレはタイのクラブへ移籍か、FAMはクラブ民営化期限の遵守を改めて警告

スマレはタイのクラブへ移籍か
 Mリーグ1部パハンFAに所属するモハマドゥ・スマレは、Mリーグ再開となった8月28日の対JDT戦にベンチ入りしなかったどころか、過去1ヶ月ほどチームの練習にも参加していないことはこのブログでも昨日取り上げました。
 そのスマレ選手がタイ1部リーグのクラブの練習参加していると、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 代表でもプレーする26歳のスマレ選手が練習に参加しているのは、マレーシアU23代表やフル代表でのプレー経験もあるドミニク・タンが今年から所属しているタイ1部リーグのポリス・テロFCです。
 26歳のスマレ選手がどのような経緯でパハンFAを離れてポリス・テロFCの練習に参加しているかは不明ですが、タイのメディアによれば、今月9月末に開幕するタイリーグの2020/21シーズンからはタイのクラブでプレーすると報じられています。
 スマレ選手自身も詳細は明らかにしていないものの、今後はバンコクを拠点とすることを明言しているということです。
 ガンビア出身のスマレ選手は2018年にマレーシア国籍を取得し、マレーシア人のちをひかない初めての帰化選手として代表入りを果たした以降は、主力選手として活躍しています。
 なお今回の騒動ではパハンFAを運営するパハン州FAやサポーターからスマレ選手に対する非難が出ていますが、これについてスマレ選手は、現時点では何も話せないが、明らかにで切る時期がきたら全てを話すと述べるに留めています。
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 JDTへの移籍が取り沙汰せれているスマレ選手ですが、このタイクラブへの移籍が腰掛け的なもので、その後にJDTへ移籍という流れがあるかも知れません。なお、同僚となったタン選手はポリス・テロFCへ移籍する前にはJDTに所属していました。
 また別の報道では、スマレ選手とパハンFA間で交わされた契約書に含まれる「クラブが2回にわたり給料を支払わない場合には、選手は無条件で契約を破棄できる」という条項をもとに契約を破棄し、高額オファーを受けてタイへ渡ったともされています。パハンFAはリーグ再開後には不参加が噂されるほど経営が逼迫(逼迫)していると噂されており、スマレ選手だけが批判されるべきでない可能性もあります。

FAMはクラブ民営化期限の遵守を改めて警告
 マレーシアサッカー協会FAMは9月30日を期限として、各州のサッカー協会(州FA)が運営するクラブを民営化することを義務付けています。その期限まで1ヶ月を切ったことでFAMは改めて警告を発し、民営化が達成されないクラブが3部リーグに降格となることを強調しています。
 来季2021年シーズン以降に国内リーグMリーグ1部と2部のプロリーグに参加するためのクラブライセンスを取得するためには、アジアサッカー連盟AFCが設けた規定によりクラブの民営化が義務付けられています。
 今年2020年には、マレーシアはMリーグ1部優勝チームに与えられているAFCチャンピオンズリーグの本戦出場枠に加えて、AFCカップの出場枠を2枠与えられています。AFCの規定に沿わないクラブが国内トップリーグでプレーすることをFAMが許可すれば、このAFC主催大会への参加枠が減少する可能性もあることから、今回の民営化についてFAMは妥協しないことをスチュアート・ラマリンガムFAM事務局長も強調しています。
 スチュアート事務局長は現在、既に5クラブが民営化を完了し、12クラブがその手続きを行なっているとする一方で、3クラブは手続きに着手すらしていないことを明らかにしています。
 「民営化手続きが遅れていたり、着手できていないクラブには、現在の運営組織の規約により民営化後にクラブを運営する運営会社の設立ができなかったり、経営会議の総意が必要であったりなど様々な理由があることは理解しているが、期限までに民営化ができないクラブは3部へ降格となる。これにより1部と2部に参加するクラブ数が減少することを受け入れることについてはMFLとFAMは意見が一致している。」とスチュアート事務局長は話しています。

8月28日のニュース:サファウィ・ラシドはMリーグ終了後に移籍、クダ州FA会長はリーグ再開前に未払い給料支払いを明言、ルクマンがベルギー移籍後初ゴール、J2岡山のハディ・ファイヤッドは日本語も調子も上向き

サファウィ・ラシドはMリーグ終了後に移籍
 ポルトガル1部リーグのポルティモネンセSCへの移籍が決まっているサファウィ・ラシドは、所属するMリーグ1部のジョホール・ダルル・タジムJDTがリーグ最終戦を終えてから移籍すると、マレーシア語紙コスモ電子版が伝えています。
 JDTのオーナーであるジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下は、今季最終節となる第11節10月10日のマラッカ・ユナイテッド戦終了後にポルトガルへ立つことを明らかにしています。
 なお、ポルトガル1部リーグは9月20日開幕予定です。
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 サファウィ選手のポルティモネンセSCへの移籍が決まってから1日も経たないうちに、ポルティモネンセSCマレーシアファンクラブができるなど、多くの注目を集める代表エースの移籍ですが、23歳のサファウィ選手が成功すれば、若い選手たちの中からも海外移籍を志す選手が出てくる可能性があります。代表を強くするためにも是非、成功を期待したいですが、せっかくならポルトガルリーグの開幕前にチームに合流する方が、出場機会により恵まれる可能性もあったのではないかとも思いますが、JDTとしてもリーグ7連覇を花道に送り出してあげたかったということでしょうか。

クダ州FA会長はリーグ再開前に未払い給料支払いを明言
 Mリーグ1部クダFAを運営するクダ州サッカー協会(クダ州FA)は、126万リンギ(およそ3200万円)の未払い給料を今週末までに選手に支払うというクダ州FA会長の発言をマレーシア語紙シナル・ハリアン電子版が報じています。
 クダ州州首相でもあるムハマド・サヌシ・モハマド・ノー クダ州FA会長は、従業員積立金EPFを含めた総額を、Mリーグが再開する今週末までに支払うと話しています。
 「当初の約束を守りたい。そのためには(Mリーグ再開後の初戦となる)PDRM FC戦の前までに未払い給料を支払うことが重要であり、その財源を提供するスポンサーがある。」と話しています。
 8月12日にクダ州FAは今年3月から支払われていない未払い給料を支払うことを約束し、今年7月分の給料については全額が支払われたことが明らかになっていますが、3月6月までの給料の支払いについては、具体的な日程を明言していませんでした。

ルクマンがベルギー移籍後初ゴール
 ベルギー1部リーグのKVコルトレイクと契約したU19代表のエース、ルクマン・ハキム・シャムスディンが移籍後初ゴールを記録したようです。
 KVコルトレイクの公式ツイッターでは、U21チームで出場したルクマン選手が、4部のアマチュアチームKRCヘントとの練習試合に出場し、1-4と敗れたチームの中で唯一のゴールを決めたことが伝えられています。
 ツイッターでは映像も添付されており、ゴール前で敵DFからボールを奪うとそのままシュートを放ち、ゴールを決めたシーンも公開されています。

J2岡山のハディ・ファイヤッドは日本語も調子も上向き
 海外移籍と言えば、J2のファジアーノ岡山に所属する元U19代表のエースで20歳のハディ・ファイヤッドは日本で2年目のシーズンを迎えています。そんなハディ選手がチームのYoutubeチャンネルで日本語のインタビューに答えています。
(映像はファジアーノ岡山のYoutubeチャンネルより)

 開始後2分あたりから、中央の阿部海大選手に続いて日本語でインタビューを受けているのですが、日本での生活がまだ2年も経っていないことを考えると、聞き取りもそれなりにできていて、日本の環境に馴染んでいることが窺える映像です。
 ハディ選手は、Aチームのメンバーとして8月23日にはファジアーノ岡山U19との3本変則の練習試合に出場し、PKを含め3ゴールと1アシストを決める活躍を見せ、徐々に調子も上げてきているようです。
(以下はファジアーノ岡山のYoutubeチャンネルより)



 

8月20日のニュース:Mリーグ再開が8月26日から28日へ変更、スランゴール州FA運営のアカデミーもゴールド評価獲得、U19代表はスランゴール2に敗れて2連敗

Mリーグ再開が8月26日から28日へ変更
 国内リーグのMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグは公式Facebook上で現在、中断中のMリーグ1部と2部の再開日が当初発表されていた8月26日ではなく8月28日へ変更になったことを告知しています。
 昨日8月19日に開催されたマレーシアフットボールリーグMFLの常務理事会で決定されたということですが、その理由としてFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選の延長や、昨季のMリーグチャンピオンであるジョホール・ダルル・タジムJDTが出場するAFCチャンピオンズリーグの日程への考慮などが挙げられています。
 当初は8月26日再開で9月23日終了と4週間で7試合を終える強行日程でしたが、新たに発表された日程は8月28日再開でMリーグ1部スーパーリーグは10月10日、2部プレミアリーグは10月9日に終了となっており、各クラブとも週に1試合で週末に行われ、7週間かけて試合を消化します。詳しい日程はこちらからどうぞ。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、日程が緩和されたことにより各クラブはより多くの休息日が取れること、また移動日程が柔軟になることなど利点があると述べ、JDTのACL日程(10月17日、26日、29日、11月1日)にも影響が出ないこと、また新型コロナウィルスの影響などで日程が変更になった場合の予備日として11月10日から29日を確保していることなどを明らかにしています。
 この他、新型コロナウィルスの感染状況が改善していないサラワク州に本拠地を持つ2部のクチンFAとサラワク・ユナイテッドFCのホームゲーム会場については、近いうちに発表されるということです。
 またMリーグ3部のM3リーグは既に今季の中止が決定していることから、M3リーグから2部プレミアリーグへの昇格とプレミアリーグからM3リーグへの降格については今季は行わないことも明かされています。なお1部スーパーリーグと2部プレミアリーグ間は通常通り1部の11位と12位が降格し、2部の1位と2位が昇格するということです。
 さらにMリーグの終了予定日が延長になったことで、1部の上位11チームと2部の上位5チームの計16チームが出場するマレーシアカップの日程も変更となり、10月16日空18日に1回戦、24日と25日に準々決勝、30日と31日に準決勝、そして11月7日に決勝が予定されています。

スランゴール州FA運営のアカデミーもゴールド評価獲得
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイトで国内にあるアカデミーの評価を発表し、スランゴール州サッカー協会(スランゴール州FA)が運営するFASサッカースクールがゴールド評価を得たことを発表しています。
 スーパリマウ(スーパーとマレーシア語で「虎」を意味するハリマウを組み合わせた造語)と名付けられた、国内の草の根レベルの育成を行うアカデミーの評価プログラムは国内のアカデミーのレベルアップを目標に設けられたもので、リーダーシップ、計画性、設備、教育、草の根レベルでの試合運営の5つの点で審査され、その審査結果に応じて、ゴールド、シルバー、ブロンズの3つの評価が与えられます。8月6日のこのブログでは、JDTが運営するアカデミーがゴールド評価を獲得したことを紹介しましたが、FASサッカースクールはFAMが設定した基準の80%を達成した結果のゴールド評価で、同様の基準の98%を達成しているJDTのアカデミーに続き、国内で2番目にスーパリマウのゴールド評価を受けたアカデミーとなります。FASサッカースクールとJDTアカデミーに対するFAMの審査による具体的な結果はこちらから見ることができます。
 FAMは今後も定期的に国内のアカデミーの審査を行う予定としており、現在も審査を希望するアカデミーを募集しています。審査を受けた各アカデミーはその結果をもとにゴールド、シルバー、ブロンズの評価が与えられますが、この評価は2021年の12月まで有効で、それ以降はFAMによる審査を改めて受ける必要があります。
 なおこのスーパリマウ評価プログラムをの審査を受けたクラブは、FAMが主催するアカデミー対象のリーグ戦への参加や、アカデミー出身者がプロ契約を結んだ場合の褒賞なども提供されるということです。
(下はアカデミーにスパリマウ評価プログラムの審査を受けることを勧めるFAMの告知-FAM公式サイトより)

U19代表はスランゴール2に敗れて練習試合2連敗
 10月にウズベキスタンで開催されるアジアサッカー連盟AFC U19選手権に出場するU19代表は、昨日8月19日にMリーグ2部のスランゴール2と練習試合を行い、0−4で敗れています。
 スランゴール州プタリンジャヤのPKNSグラウンドで行われた試合は、前半を0ー1で折り返したU19代表が後半さらに3失点という展開でした。試合の映像はこちらからご覧になれます。
 U19代表は8月12日にはMリーグ1部のPJシティFCとも練習試合を行なっており、こちらも1-6で敗れています
 現在、第二次代表候補合宿を行なっているU19代表ですが、実は昨日対戦したスランゴール2には、MFムカイリ・アジマルを始め、GKにはフィルダウス・イルマンやシーク・イズハン・ナズレル、DFのハリス・ハイカル、ジクリ・カリリ、アイディル・アズハンなど昨年2019年のアセアンサッカー連盟AFF U19選手権優勝に貢献した主力メンバーを含むU19代表候補選手が在籍していますが、来週8月28日にMリーグの開幕を控えるスランゴール2が所属選手のU19代表合宿合流を認めていないため、U19代表はベストメンバーをそろえることができていません。またベルギー1部KVコルトレイクと契約し、現在はベルギーにいるFWルクマン・ハキム・シャムスディンもこの第二次合宿には不参加となっています。

8月19日のニュース:AFC-Mリーグクラブの民営化が実現しなければその責任はFAMにある、10月開催予定のAFC U19選手権は延期か、イフェダヨはスランゴールFCに合流間近

AFC-Mリーグクラブの民営化が実現しなければその責任はFAMにある
 9月30日を期限としてMリーグ1部と2部の全てのクラブは各州サッカー協会から独立し、民営化されることが求められていますが、これが期限までに完了しない場合、アジアサッカー連盟AFCはその責任をマレーシアサッカー協会FAMを追うべきだとしています。
 マレーシアのスポーツ専門サイトのスタジアムアストロによると、AFCのウインザー・ポール事務局長は、民営化手続きを完了していない大半のMリーグクラブに警告を発すると同時に、期限までに全てのクラブの民営化が完了しない場合、その責任はFAMにあると話しています。
 マレーシア国内で放送されたサッカー関連番組に出演したウインザーAFC事務局長は、AFCはクラブの民営化完了の必要期間として、2017年から3年間の猶予をFAMに対して与えていることを明らかにしています。その上で、民営化が完了しない場合には、2021年以降のAFCチャンピオンズリーグやAFCカップなどAFCが主催する大会でFAMが発給するクラブライセンスは正式ライセンスとして認識されなくなり、Mリーグのクラブには出場権が与えられなくなると話しています。
 「そうなった場合、例えばMリーグの優勝チームがAFCチャンピオンズリーグに出場する場合には、その出場に必要なライセンスを自国のサッカー協会FAMではなく、AFCに申請することが必要になる。そうなった場合、FAMは面目を失うことになるだろう。」とウインザー事務局長は話しています。
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 AFCからは2017年の段階でクラブの民営化についての指示が出ていたというのは驚きです。というのはこの民営化の話がメディアを賑わすようになったのは今年2020年に入ってからで、それまではそう言った話を見ることはほとんどありませんでした。
 期限ギリギリになって重い腰を上げ、しかも直前になってパニックになったり、泣きを入れるというのは、マレーシアでは珍しいことではありません。それでも貴重なAFC主催大会への出場権がかかるような手続きの不備を放置してきたFAMは非難されるべきでしょう。

10月開催予定のAFC U19選手権は延期か
 マレーシアも出場する2020年アジアサッカー連盟AFC U19選手権の延期についてAFCが検討を始めたことをマレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 10月14日から30日までウズベキスタンで開催予定の今年のAFCU19選手権は、来年2021年にインドネシアで開催予定のFIFA U20W杯のアジア予選も兼ねた大会ですが、開催国ウズベキスタンや他の出場国の新型コロナウィルスの感染状況次第では、大会延期もありうることをAFCのウインザー・ポール事務局長が明らかにしています。
 アジア各地での新型コロナウィルスの状況を監視していると話すウインザー事務局長は、感染拡大の収束が見られないことから、今月8月末をめどにU19選手権の延期を正式に発表する可能性について言及しています。
 「近々開催予定のAFCの定例会合では、今年10月のAFC U19選手権の開催についてだけでなく、来年2021年にインドネシアで開催されるU20W杯なども含め全てのAFCが関わる大会について、大会運営委員会の委員が最新の情報をもとにその日程について協議を行う予定である。」
 「大会運営には多くの準備が必要なので、大会延期の決定は最速で今月末、遅くとも9月の初旬までには行いたいが、その際には出場チームなど関係者全員の健康と安全が最優先される。」とウインザー事務局長は述べています。
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 この記事を書いている時点で、AFC U 19選手権開催国のウズベキスタンは、新型コロナウィルスの感染者が3万5702人で、その内、回復者が3万1384人、亡くなられて方236人となっています。また、来年2021年5月20日に開幕予定のFIFA U20W杯の開催国インドネシアは、感染者がおよそ14万3000人、その内、回復者が9万6306人、亡くなられた方は6277人となっています。

イフェダヨはスランゴールFCに合流間近
 Mリーグ1部スランゴールFCのナイジェリア出身のFWイフェダヨ・オルセグンは無事、8月11日にマレーシアに到着し、現在、全ての入国者に義務付けられている14日間の隔離期間があと1週間で終了するようです。
 スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会の公式サイトに掲載されたインタビューでイフェダヨ選手は「チームメートと合流できるので、マレーシアに戻れて嬉しい。」と話すイフェダヨ選手は、隔離期間中、クラブがエアロバイクやウェイトトレーニングの機材などを使って体力を維持する予定だと話しています。
 イフェダヨ選手不在の間のスランゴールFCは、8月26日のMリーグ再開に先立ち解禁となった練習試合をここまで4連勝しています。解禁となった8月5日に行われたMリーグ2部ペナンFA戦に4-1 で勝利すると、8月8日と13日にはいずれも2部のUKM FCとヌグリスンビランFAを相手にいずれの試合も3-0で快勝、そして8月15日にはトレンガヌFCを2-0で破っています。
 Mリーグ過去最高の33回の優勝を数える名門スランゴールFCですが、本拠地のシャーアラムスタジアムが改修工事で閉鎖となるため、今季の残り7試合は同じスランゴール州にあるUITM FCのホーム、UITMスタジアムを使用します。
 リーグ中断までの間は1勝2分1敗の勝点5で6位につけているスランゴールFCは、リーグ再開後の初戦はUITMスタジアムでPJシティFCと対戦します。