10月19日のニュース:タイ1部リーグ第9節-マレーシア代表トリオは出場せず、ポルトガル移籍のサファウィ・ラシドはU23の試合に出場、ケダ州FAはアイディル監督の留任交渉開始

タイ1部リーグ-マレーシア人選手は出場せず
 タイ1部リーグ第9節が10月17日に行われましたが、現在、タイ1部リーグのクラブに所属するマレーシア人選手は出場しませんでした。
 リーグ1位を快走するBGパトゥム・ユナイテッドは、日本人の石井正忠監督率いるサムットプラーカーン・シティFCとホームで対戦し、2−2と引き分け、開幕から7勝2分0敗と無敗記録を9と伸ばしています。
 BGパトゥム・ユナイテッドに所属するマレーシア代表のノーシャルル・イドラ・タラハは、前節第8節に続き出場が期待されましたが、この日はベンチ入りしたものの、出場機会がありませんでした。
 またドミニク・タンとモハマドゥ・スマレが所属するポリス・テロFCは、アウェイでPTプラチュワップFCと対戦し、こちらも2-2と引き分け、通算成績を4勝3分2はいとしています。
 ドミニク・タンはこの試合でもベンチ入りしたものの、9月12日のタイ1部リーグ再開後は初めて出場機会がありませんでした。また隔離検疫期間が明けて練習に参加したばかりのムハマドゥ・スマレはベンチ入りしませんでした。
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 スマレ選手は、別の報道ではMリーグ中断からパハンFA離脱後の7ヶ月間は十分な練習を行ってていないと話しており、チームに合流以降はチーム練習とは別にコンディショニングトレーナーと一緒にトレーニングを行なっていることを明らかにしています。

ポルトガル移籍のサファウィ・ラシドはU23の試合に出場
 タイでプレーする代表トリオも気になりますが、Mリーグ1部のジョホール・ダルル・タジムJDTからポルトガル1部リーグのポルティモネンセSCに移籍した代表のエース、サファウィ・ラシドも先週末に移籍後初の公式戦が控えており、マレーシアの衛星放送が急遽、この試合を生中継することを発表するなど期待が高まっていました。
 このブログでもブルネイ出身の「世界一リッチなサッカー選手」ことファイク・ボルキアとの対戦もあり得るか、という記事を取りあげましたが、残念ながらトップチーム合流、即デビューとはなりませんでした。
 それでもサファウィ選手は前日の10月16日(現地時間)に行われたU23リーグのポルティモネンセSCU23対スポルティングCP U23の試合に先発出場しています。試合はスポルティングCP U23が3-1で勝利しています。
 「ポルトガルのサッカーはマレーシアのサッカーとはかなり違うので、まだ学ばなければならないことがたくさんある。試合のペースやリズムが違っているので、試合中に考えている時間はなく、素早い判断が求められる。自身のパフォーマンスには満足しておらず、ベストなプレーが出来なかった。」とサファウぃ選手は試合後に話しています。
 トップチームのパウロ・セルジオ監督はサファウィ選手の練習を見て高評価をつけた一方で、トップチームデビュー前にポルトガルのサッカーに適応する必要があると話しています。

ポルティモネンセU23対スポルティングCP U23のハイライト映像(スポルティングCPの公式Youtubeチャンネルから)背番号10をつけたサファウィ選手がチラチラと映っています。

ケダ州FAはアイディル監督の留任交渉開始
 マレーシア語紙コスモ電子版は、Mリーグ1部ダルル・アマンFC(来季から。現在はクダFA)を運営するクダ州サッカー協会はアイディル・シャリン・サハク監督との留任交渉にあたり条件を聞く用意があると報じています。
 このブログでも取りあげましたが、アイディル監督にはMリーグの他のクラブ(その後の報道でスランゴールFC、クアラルンプールFA、パハンFA、マラッカ・ユナイテッドFC、ペナンFAの名前が具体的に上がっています。)や母国シンガポール、さらにはインドネシアのクラブも関心を持っていると報じられています。
 クダ州サッカー協会のアブドル・ラーマン・アブドラ副会長は、来季もアイディル監督が続けてダルル・アマンFCの指揮を取ることを望んでいると話しています。
 しかしその一方で、留任が実現するかどうかはアイディル監督が求める給料の額や来季に向けての選手獲得などでクダ州サッカー協会が対応できる範囲内であることが条件であるとしています。
 「アイディル監督のクラブへの貢献は計り知れず、今季2位という良い結果も残している。また選手やサポーターからも広く支持されているので、アイディル監督を手放す理由は全くない。来季の出場が決まっているAFCカップでもクラブの指揮を取ってもらえるよう、残留交渉を既に始めている。」とアブドル・ラーマン副会長は話しています。
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 記事の書き方もあるのでしょうが、クダ州サッカー協会はアイディル監督を全力で慰留しようという姿勢が伝わってこない報道が多い印象です。いまだ給料未払い問題を抱え、無い袖は振れない、というところなのでしょうが、昨季のFAカップ優勝、マレーシアカップ準優勝、そして今季はリーグ再開後からチームを立て直してリーグ2位としたアイディル監督を獲得したいクラブは多いはず。そんな中、有利な立場にいるはずのクダ州サッカー協会の本気度が伝わってこないのは残念です。

10月16日のニュース:スマレがポリス・テロFCに合流、代表は12月に国外合宿を検討、MFLは条件付き活動制限令期間中の練習許可申請を行う予定

スマレがポリス・テロFCに合流
 マレーシア代表のムマハドゥ・スマレが移籍したタイ1部リーグのポリス・テロFCの練習に合流したことが、ポリス・テロFCの公式Facebookに投稿されています。なお、この前日には自身のインスタグラム上でタイへの渡航者に義務付けられている14日間の隔離措置の最終日であることを投稿していました。
 また明日10月17日に予定されているタイ1部リーグ第9節、アウェイゲームのPTプラチュワップFC戦にランサン・ヴィワチャイチョク監督が帯同を希望しているという報道もあり、さすがにベンチ入りの可能性はないにしても、スマレ選手への期待の大きさがわかります。
(写真左上は同じマレーシア代表のドミニク・タンとポーズを取るムハマド・スマレ。写真はいずれもポリス・テロFCの公式Facebookより。)

代表は12月に国外合宿を検討
 マレーシア語紙ハリアン・メトロ電子版によると、マレーシア代表は12月に国外での合宿を検討しているようです。
 代表チームマネージャーを務めるユソフ・マハディ氏は、来年2021年3月に再開が予定されているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選、そして4月に予定されている東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップに備えて、昨年2019年11月のワールドカップ予選以降は全く活動が行われていない代表を再始動させる必要があると話しています。
 「タン監督やコーチとの話し合いをもとに、12月に代表候補合宿を行い、さらに外国のチームと練習試合を行う予定を立てているが、今後のマレーシア国内の新型コロナウィルスの感染状況次第では、感染が収束している他国での合宿開催の可能性もある。」と話すユソフ・マハディ代表チームマネージャーは、その候補地の一つとしてカタールを挙げています。
 「カタールは現在、多くの国際親善試合が開催されており、AFCチャンピオンズリーグが集中開催が予定されるなど比較的安全な場所と言えるので、マレーシア国内の感染状況や政府からの渡航許可が出るかなどについて今後も検討を続けていく。」とユソフ・マハディ代表チームマネージャーは話し、国外のチームとの対戦を検討している理由については、国内クラブはマレーシアカップ終了後の休養期間に入っていることに加え、その時期には多くの選手の契約期間が終了しておりチーム編成が難しい可能性を挙げています。

MFLは条件付き活動制限令期間中の練習許可申請を行う予定
 Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは、10月14日からクランバリー(首都圏のスランゴール州、クアラルンプールおよびプトラジャヤ)に施行中の条件付き活動宣言令CMCO期間中のMリーグクラブの練習許可を当局に求めていく考えがあることをマレーシア語紙シナルハリアン電子版が報じています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、クランバリーに本拠地を持つMリーグクラブがCMCO期間中は練習ができず、未消化となっているMリーグの試合や11月に開催されるマレーシアカップに備えた練習ができないという声を受けて、この練習許可の申請を行うとしていますが、申請が認められるかどうかはMFLの支配が及ばない部分であり、その点は理解して欲しいとしっかり言い訳もしています。
 アブドル・ガニCEOは、これまでMリーグは標準作業手順SOPを遵守し、開催された試合で新型コロナウィルスの感染者が一人も出ていないことを今回の申請先となる保健省と国家安全保障委員会が考慮してくれることを期待していると話す一方で、練習許可が下りた場合でも、スタジアムのような外部と遮断された会場で従来の標準作業手順SOPに沿った形で練習が行なわれるべきであるとしています。
 クランバレーに本拠地を持つクラブの内、UITM FCはサバFAと、クアラルンプールFAはクチンFAとそれぞれMリーグ最終節第11節の試合が新型コロナウィルス感染者急増により10月31日に延期されている他、上記の4クラブに加えてマレーシアカップに出場するスランゴールFC、PJシティFCもCMCOにより練習が禁止されており、これらのクラブからMFLに対して当局への働きかけを行う声が上がっていましたが、MFLはその重い腰をやっと上げることにしたようです。

10月12日のニュース:クダ州FAが会長の辞職願受領を拒否、タイ1部リーグ-マットヨーは出場なし、JDT主将は英国2部のクラブへ移籍か

 Mリーグ1部のクダFAを運営するクダ州サッカー協会(クダ州FA)はムハマド・サヌシ・ムハマド・ノー会長から提出されていた辞職願の受領を拒否したことが、マレーシアの通信社ブルナマにより報じられています。
 クダ州FAのアブドル・ラーマン・アブドラ副会長は10月10日に開かれた執行部特別委員会で受領拒否が全会一致で決議されたことを明かし、クダ州首相でもあるムハマド・サヌシ会長は就任以来、様々な問題を解決するなどその運営手腕を発揮しているだけでなく、クダ州FAが運営するクダFAは現在、Mリーグ1部で2位となるなど、現時点で辞任する明確な理由がない、というのがクダ州FAによる受領拒否の理由であるということです。
 辞職の意思が固い場合にはせめて今年いっぱいまでの在職を求めるよう説得を続けると話すアブドル・ラーマン副会長ですが、クダ州FAとしては2022年の任期満了まで会長を勤めることを期待していると話しています。
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 今年2月の政変による与野党逆転の結果、5月にクダ州首相に就任したムハマド・サヌシは従来の州首相と同様にクダ州FA会長に就任したのが7月でした。その後、3月から起こっていたとされるクダFAの選手や監督、コーチへの未払い給料を一部解消するなどそれなりの結果は残しています。それでも5月から8月までの給料は未払いとなっており、副会長が言う「手腕を発揮」と言えるレベルではない気もします。現在運営しているクダFAが来季から民営化され、今後の収入源が不安になるクダ州FAは、現職州首相の「金を引っ張ってくる力」に対する期待を込めて慰留を希望していると考えられますが、「政治」と「サッカー」を切り離す機会を自ら手放そうとしていることまでは頭が回らないのか、それとも背に腹は変えられなのか。いずれにしてもサッカーにとってはプラスにならないような気がします。

タイ1部リーグ-マットヨーは出場なし
 タイ1部リーグは選手に新型コロナ感染者が出たことから順延となっていた第5節の2試合を10月10日(土)に開催しています。
 マレーシア代表FWのノーシャルル・イドラ・タラハが在籍するBGパトゥム・ユナイテッドはブリーラム・ユナイテッドを1−0で破り、今シーズン負けなしの7勝1分と、2位との勝点差を7として首位を快走しています。
 なおこの試合はマットヨーことノーシャルル選手はベンチ入りはしたものの、出場しませんでした。
 またポリス・テロFCに加入したマレーシア代表のFWモハマドゥ・スマレは、クラブの公式Facebookで隔離検疫期間が終了したことを明かし、ジムでのトレーニングを行う映像を投稿しています。1部16チーム中8位のポリス・テロFCのゴール数は、上位8チームの中で最小となっており、スマレ選手への期待は高まっているのではないでしょうか。

JDT主将は英国2部のクラブ移籍か
 Mリーグ1部7連覇を達成したジョホール・ダルル・タジムJDTの主将でシンガポール出身のハリス・ハルンがJDTを退団し、英国のクラブへの移籍を匂わす投稿を自身のFacebookで行っています。
 シンガポール代表でも主将を務めるハリス選手は10月11日に”I have just signed. Coventry here I come.”「(契約書への)サイン完了。いざコヴェントリーへ」というキャプションとともに契約書にサインしている姿の写真を投稿しています。
 ハリス選手は具体的にクラブ名をあげていませんが、この写真をもとにシンガポールのザモニター電子版は、英国2部リーグのコヴェントリーシティへの移籍を予想しています。なおコヴェントリーシティは2部24チーム中、現在1勝1分2敗の18位です。
 なお、シンガポールのメディアによれば、ハリス選手はコヴェントリー大学にも入学したということですが、詳細は伝えられていません。
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 今季は膝のケガのために大半のシーズンを棒に振ったハリス選手ですが、2013年にJDTと契約し、期限付き移籍で他のクラブでのプレーを経て、2018年からその強烈なキャプテンシーでJDTの連覇を牽引してきました。
 29歳という年齢は国外でプレーする最後のチャンスかもしれませんが、その活躍には期待したいです。

10月11日のニュース:ケランタンFCのユスリ監督はコーチとして来季残留か、ACL東地区は来月カタールで集中開催、W杯とAFC選手権予選が一か所集中開催となる可能性が浮上

ケランタンFCのユスリ監督はコーチとして来季残留か
 ケランタンFC(来季から、現ケランタンFA)のノリザム・トゥキマン新オーナーは来季2021年シーズンに向けて新たな監督を採用する予定があることを明らかにしています。
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版によると、現在のユスリ・チェ・ラー監督はクラブに残り、新監督とともに選手を指導することになるということです。
 「(来季のケランタンFCを指導する)新監督は、ユスリ現監督とコンビを組んでもらう予定である。これはコーチ陣を強化することが何よりも重要だからである。新監督は外国籍かマレーシア人かは決まっていないが、確定した場合には明らかにする予定である。」と話すノリザム新オーナーは、Mリーグ2部第11節のケランタンFA対JDT IIの試合を観戦し、各選手が見せたチームへの貢献姿勢を評価し、Mリーグ後に出場するマレーシアカップでも1部スーパーリーグのクラブに気後することなくプレーして欲しいと話しています。

ACL東地区は来月カタールで集中開催
 アジアサッカー連盟AFCは公式サイト上で、AFCチャンピオンズリーグACL東地区の試合をカタールで集中開催することを発表しています。
 AFCとカタールサッカー協会が合意したもので、各組の試合は11月18日から12月13日までの日程で行われ、12月19日に決勝が行われるということです。
 E組、F組、G組、H組からなるACL東地区のうち、Mリーグ7連覇を果たしたジョホール・ダルル・タジムJDTが入っているG組とH組はマレーシアを会場にして集中開催が予定されていましたが、マレーシアは新型コロナウィルスの新たな感染者数が連日、新記録を更新するなど国外からチームを受けいるれることが難しい状況になっています。

W杯とAFC選手権予選が集中開催となる可能性が浮上
 現在中断中のFIFAワールドカップ2022年大会予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選が一か所で集中開催される可能性があることをマレーシアの通信社ブルナマが伝えています。
 マレーシア サッカー協会FAMのハミディン・モハマド・アミン会長が明らかにしたところによると、今後も新型コロナウィルスの感染が収束しない場合、両大会の予選は来年2021年3月と5月にカタールあるいはアラブ首長国連邦に全出場国を集めて一か所で開催される可能性があるということです。
 マレーシア代表は、本来ならW杯アジア二次予選のアラブ首長国戦を10月8日にドバイで、その後は10月13日にはホームでベトナム戦、そして10月17日にバンコクでタイ戦と試合が続く予定でしたが、新形コロナウィルスによりこれらの試合はすべて順延されています。

10月2日のニュース:JDTは優勝がかかるホーム最終戦でパブリックビューイング開催、クダFA対マラッカUの試合はマラッカUの自宅隔離措置を受け日程変更、スズキカップにベストメンバー招集は困難-タン代表監督、民営化後のクダFAの名称はダルルアマンFCに決定

JDTは優勝がかかるホーム最終戦でパブリックビューイング開催
 Mリーグ1部のジョホール・ダルル・タジムJDTは今節第10節で勝点1を獲得すれば今季2020年シーズンの優勝とリーグ7連覇が決定しますが、本日10月2日にJDTのホーム、スルタン・イブラヒムスタジアムで行われる第10節の対サバFA戦で、ドライブインシアターならぬドライブインパブリックビューイングが開催されることがJDTの公式Facebookで告知されています。
 新型コロナウィルス感染拡大を防ぐため、今季のMリーグ1部と2部の試合は無観客で開催されており、サポーターはスタジアム内で観戦することができません。
 告知ではJDTのシーズンパス保有者650名に加え、一般のサポーター先着1500名に無料のドライブインパブリックビューイング参加用パスが配布されるということです。
 そしてこのパスを持参してスルタン・イブラヒムスタジアムに車で乗りつければ、スタジアム外に設置される大型スクリーンでライブ中継を観戦できるということで、試合後には花火などのアトラクションも用意されているということです。
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 今季ホーム最終戦でもあり、現在、リーグ11位のサバFAとの対戦ということで勝点1どころか圧倒的な勝利を収めてサポーターの前で優勝を決め、一緒にそれを祝いたいというところでしょうか。なおJDTの公式Facebookでは、本日のパブリックビューイングの予想映像も投稿されています。

クダFA対マラッカUの試合はマラッカUの自宅隔離措置を受け日程変更
 Mリーグ1部今節第10節のクダFA対マラッカ・ユナイテッドFCの試合が本日10月2日から10月4日に変更されることが、Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLの公式Facebookで告知されています。
 前節第9節の対サバFA戦を9月27日にサバ州コタキナバルで戦ったマラッカ・ユナイテッドFCは、新型コロナウィルスのクラスターが複数発生したサバ州からの渡航者全員に感染検査と検査結果が出るまでの自宅隔離をマレーシア政府が義務付ける方針を打ち出したことから、遠征から戻った後も練習ができない状況が続いており、MFLに対して日程変更を希望していました。
 MFLはこれを受け、対戦相手のクダFAの同意を得た上で日程変更を決定した経過を報告しています。

スズキカップにベストメンバー招集は困難-タン代表監督
 今年開催予定だった東南アジアサッカー連盟選手権AFFスズキカップは、来年2021年4月11開幕となったことは昨日のこのブログで紹介しましたが、FIFAが定める国際マッチデー期間ではない時期に開催されることから、大会に参加するマレーシア代表にはベストメンバーが招集できない可能性が指摘されています。
 国際マッチーで期間でなければ、Mリーグの各クラブは選手の招集に応じる義務が生じないことから、代表のタン・チェンホー監督は代表チームに有力選手が招集できない可能性を認めた上で、マレーシアサッカー協会FAMやMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLと対策を協議したいと、スポーツ専門サイトのアストロアリーナに話しています。
 「Mリーグが開催中であれば、各クラブの監督が主力選手を代表に合流させず、次チームの試合に出場させたいことは理解できるが、その一方で代表はスズキカップに出場して試合をする必要がある。そこで具体的ない方法はまだ決まっていないが、クラブと代表の双方にとって利点があるような方法をFAMと検討していきたい。」とタン監督は話しています。
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 前回2019年大会では決勝に進むもベトナムに敗れて準優勝に終わったマレーシアにとって、次回2021年大会では雪辱を期する大会となりますが、ここ数年ではベストメンバーと言われる布陣で大会に臨みながら、準決勝のタイには辛勝、決勝のベトナムにはスコア以上の差を見せつけられて敗れているだけに、どのようなメンバーで代表が構成されるのかで前回大会を大きく下回る結果にするなる可能性があります。

民営化後のクダFAの名称はダルルアマンFCに決定
 一昨日の9月30日が期限となっていたMリーグ1部と2部のクラブの民営化ですが、民営化ととなれば、州FAが運営しているクラブのうち、州FAの名称をそのまま流用しているクラブは新たな名称を使う必要があります。そんな中、クダFAは新たなクラブ名としてダルルアマンFCを選んだことが、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロで報じられています。
 クダ州の正式名称がクダ・ダルル・アマン(ダルル・アマンは「平和な場所」とでも訳せるでしょうか」)であることから、新たなクラブ名がダルルアマンFCとなったようです。
 クダ州首相でもあるクダ州サッカー協会(クダ州FA)のムハマド・サヌシ・ムハマド・ノー会長はこの名前が選ばれた理由として、別に候補として上がっていたクダFCが省略されるとKFCとなり、ケンタッキーフライドチキンKFCと同じ名称となることを避けたかったという冗談とも本気とも取れる理由を披露したということです。

10月1日のニュース:スマレがいよいよタイへ出発、州FA内には信用できない人々がいた-サティアナタン前スランゴールFC監督、今年開催予定だったスズキカップは来年4月11日開幕

スマレがいよいよタイへ出発
 Mリーグ1部のパハンFAを離脱し、タイ1部リーグのポリス・テロFCと契約したムハマドゥ・スマレがいよいよタイ入りしました。
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によると、スマレ選手は9月29日にクアラルンプール国際空港からバンコク行きの便に搭乗したということです。
 スマレ選手は出国前にメディアと会見し「タイリーグは自分にとっては未知の経験だが、失うものは何もない。タイでプレーをすることでより良い選手になることが自分の目的であり、自分がどこまでやれるかに挑戦したい。」と話し、今回の移籍が期限付き移籍ではなく、フリーエージェントとして移籍することを強調する一方で、前所属のパハンFAに関する質問には答えなかったようです。
 ポリス・テロFCとは6ヶ月契約を結んだことを明かしたスマレ選手は、今季の大リーグが閉幕する来年5月まで対でプレーする可能性もあると話し、移籍先にタイのクラブを選んだ理由として、パハンFAを離脱した時期がMリーグの移籍期間でなかったことを挙げています。
 なおスマレ選手が加入するポリス・テロFCには同じ代表選手のドミニク・タンが在籍していますが、タン選手とは仲が良いということで、タイでは世話になるだろうと話しているということですが、タイ入国後はタイ政府指定の検疫隔離施設で14日間を過ごした後、クラブに合流する予定ということです。

州FA内には信用できない人々がいた-サティアナタン前スランゴールFC監督
 Mリーグ1部スランゴールFCの監督職を9月21日に解任されたサティアナタン・バスカラン前監督は、スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会(スランゴール州FA)には信用できない人々がいたと話しています。
 9月19日のMリーグ第8節の対ジョホール・ダルル・タジムJDT戦で6-1と大敗し、その2日後に解任されたサティアナタン前監督が当地の人気サッカー番組「ボラ@ママッ」に出演し、州FA内でも一部の人間しか知り得ない情報が外部に漏れていたと話しています。
 「(スランゴール州FA会長の)スランゴール州皇太子テンク・アミール・シャー 殿下からは契約が切れる4ヶ月前に、契約は更新しないことを伝えられていた。本来ならば1ヶ月前に伝えられるべきだったが、早めに伝えられたので、自分はそれを受け入れる一方で、殿下には他に誰が自分の契約について知っているかをお尋ねした。殿下はスランゴール州FAの数名が知るだけだと仰ったが、実際にはその2日後には選手全員が自分は来季はスランゴールFCno監督ではないことを知っていた。」
 「私の契約が更新されないことを選手に漏らした州FA内の人間は、私をできるだけ早く取り除きたかったのだろう。私が来季の監督でないことを知った選手が私に対してやる気を見せる必要がないのは当然である。いくら私にアピールしても何も得るものはない選手を責めることはできない。」
 またサティアナタン前監督は、スランゴール州FAの経営陣が現場にも介入してきたことを非難しています。
 「(インド系の)DFプラバカラン・カナンダサンが出場するたびに、スランゴールFCサポーターから人種差別的なヤジを受けて萎縮してしまっていたことから、経営陣には彼に代わる左サイドのディフェンダー獲得を依頼したが、監督の私よりもサッカーをよく理解していると自負する経営陣の背広組に拒否された。私は諦めたが、突如その背広組から許可が出たが、獲得したかった選手は既に他のクラブに加入していた。」
 「2019年3月以来、深刻な怪我で苦しんでいたルフィノ・セゴヴィアに代わる選手の獲得を依頼した際も拒絶された際には、サポーターからなぜ代わりのストライカーを獲得しないのかと聞かれ、スランゴール州FAにはその資金がないと答えたが、その発言を経営陣に咎められた。選手としては期待できないので、(Bチームの)スランゴール2でセゴヴィア選手をプレーさせるように頼んだが、セゴヴィア選手をBチームに落とせば、トップチームは代わりのストライカーが必要になるが、その資金がないので、トップチームに置いておくように言われ、結局、ストライカーは(イフェダヨ・オルセグン)一人で戦わねばならなかった。」とこれまで溜まっていたであろう不満をぶちまけています。
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 スランゴール州FAの経営陣に対しては、JDTオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下も、自身の売名行為のためにサッカーを利用している輩がいるといった批判を繰り返しています。これまでマレーシアサッカーの盟主として君臨してきたスランゴールFCとスランゴール州FAが今後どこへ向かっているのか、サポーターの1人として注目していきたいと思います。

今年開催予定だったスズキカップは来年4月11日開幕
 東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップは隔年で開催されており、今年2020年が第13回大会開催予定の年でしたが、AFFはこの第13回大会が来年2021年4月11日から5月8日の日程で行われることを公式サイトで発表しています。
 今年2020年11月23日から12月31日までの予定で開催が予定されていたスズキカップですが、新型コロナウィルス感染拡大が続く中、新たな日程が発表になっています。
 大会形式は従来通り、一回戦からホームアンドアウェイで行われりということですが、実際には大会開催時の新型コロナウィルスの状況次第となっています。
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 一時は感染者がほとんど出なかったベトナムでの一国開催案も、その後の感染者数急増で立ち消えとなり、大会規模を縮小して年内開催となっていましたが、結局、年内開催は不可能でした。ただしW杯予選やAFC選手権の予選も来年に延期になっており、来年の代表チームの年間予定はかなり過密になりそうですが、そもそも予定されている時期までに新型コロナウィルスの感染状況がどうなっているかで、さらなる日程変更も十分あり得ます。

9月28日のニュース:ケランタンFCの新オーナーが練習施設建設予定を公表、ケランタンFCはTDとコーチを公募、タイ1部リーグ第7節-ドミニク・タンはフル出場も痛恨のハンド

ケランタンFCの新オーナーが練習施設建設予定を公表
 マレーシアの通信社ブルナマによれば、ケランタンFCの新オーナーとなったノリザム・トゥキマン氏はケランタンFCの新たな総合練習施設の建設予定があることを明らかにしています。
 この練習施設には500万から1000万リンギ(およそ1億2600万から2億5300万円)の予算を割り当てるとし、ケランタン州の州都であるコタバル市内も含めた3か所が建設候補地として既に選ばれており、更衣室や休憩室、食堂といった設備を備える他、FIFAが設けた基準に沿った芝を植える予定もあるということです。
 胸スポンサーが更新された新ユニフォーム発表の席で貴社の質問に答えたノリザムオーナーは、ケランタン州のサッカーにかつての栄光を取り戻し、選手の競争力を高めるために、日本のクラブを含めた様々なクラブと練習試合を行いたいとも話しています。
 また今季についてはMリーグ終了後に開催されるマレーシアカップでトップ5に入ることを目指していると話したノリザムオーナーは、2025年までにはMリーグクラブ初のマレーシア証券取引所への上場も目指しているとも話しています。

新ユニフォーム発表に臨んだノリザムオーナー(中央)と新しいユニフォームを着用したケランタンFCの選手たち。胸スポンサーはノリザム氏が経営するZamburgerとなっています。-ケランタンFCの公式Facebookより

ケランタンFCはTDとコーチを公募
 またケランタンFCはこうしきFacebook上でテクニカルディレクターとコーチの公募も行っています。
 9月27日にアップされたポストでは、経験のあるテクニカルディレクターとコーチを求めているとし、その条件が書かれた書類も同時に掲載されています。興味深いのはこれが全て英語で書かれている点です。ケランタンFC公式Facebookの他の投稿はマレーシア語表記のみですが、この告知では英語が使われていることから、その本気度も伝わってきます。
 連絡先なども書かれていますので、海外での指導者を目指す日本人コーチの皆さん、いかがでしょうか。

テクニカルディレクターとコーチ募集を伝える告知-ケランタンFC公式Facebook

タイ1部リーグ第7節-ドミニク・タンはフル出場も痛恨のハンド
 タイ1部リーグの第7節が行われ、ポリス・テロFCに所属するマレーシア代表のドミニク・タンは2試合連続で先発し、フル出場しています。
 9月26日(土)に行われた試合はホームのブンヤジンダースタジアムにチョンブリーFCを迎えて行われました。
 2試合連続の先発となったタン選手は、28分に自陣のペナルティーエリア内で相手FWヘリオン・カイオンと競りますが、カイオン選手が蹴ったボールがタン選手の手に当たり痛恨のPKを与えてしまいます。これをカイオン選手自ら決めてチョンブリーFCが先制します。その後、ポリス・テロFCは63分に同点に追いついたものの、チョンブリーFCがその直後の65分に再びゴールを決め、そのまま2-1で逃げ切りました。(詳しくは下のハイライト映像でどうぞ。)
 なおタン選手はPKを与えた後も出場し続け、2試合連続でフル出場しています。
 またBGパトゥム・ユナイテッドに所属する同じ代表選手のノーシャルル・イドラ・タラハは2試合連続でベンチ入りしたものの、前節に続き出場はありませんでした。
 タイ1部リーグは、第7節を終えてBGパトゥム・ユナイテッドが5勝1分の勝点16で首位、ポリス・テロFCは4勝1分2敗の7位となっています。なお、BGパトゥム・ユナイテッドは9月13日に予定されていた第5節のブリーラム・ユナイテッド戦がブリーラム・ユナイテッドの選手にシンガ方コロナウィルス感染者が出たことから延期されています。

ポリス・テロFC対チョンブリーFC戦ハイライト-ポリス・テロの公式Youtubeチャンネルより

9月8日のニュース:タイ1部リーグクラブがスマレの入団を発表、前所属のパハンFAはスマレに対し法的措置を検討、クダFA監督は来季はペラTBGを指揮か

タイ1部リーグクラブがスマレの入団を発表
 タイ1部リーグのポリステロFCが昨日9月7日にマレーシア代表ウィングのモハマドゥ・スマレの入団を公式Facebookで発表しました。背番号が13となることも発表されています。なおポリステロFCには同じ代表のセンターバックのドミニク・タンも在籍しており、BGパトゥム・ユナイテッドFC在籍のノーシャルル・イドラン・タラハと合わせ、今週末から再開されるタイ1部リーグでは3人の代表選手がプレーすることになります。
 ガンビア出身の帰化選手であるスマレ選手のポリステロFCの入団発表とともにアップロードされた映像では、スマレ選手がサポーターに向けて「バンコクで会いましょう」と挨拶しています。(以下はポリステロFCの公式Facebookより)

 なおタイ1部リーグはMリーグ同様に第4節を終えた時点でリーグが中断していましたが、今週末の9月12日より再開し、来年5月に終了する秋春制シーズンへと移行することを発表しています。

前所属のパハンFAはスマレに対し法的措置を検討
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、スマレ選手が所属していたMリーグのパハンFAが、契約違反として法的措置を検討していると報じています。
 パハンFAのスフィアン・アワン チームマネージャーは、スマレ選手のチームからの無断離脱について、スマレ選手は現在もパハンFAと契約中だとして、クラブが弁護士を雇って法的措置を取る予定であると話しています。
 「詳しいことは言えないが、タイのクラブとの契約は向こうであり、スマレ選手は現在もパハンFAと契約期間中である。」と話しています。
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 経営不振が伝えられているパハンFAが今年に入り、新型コロナウィルスによるリーグ中断期間中に数回の給料が未払いとなっていたことから、契約書に含まれている条項を盾に退団、ポリステロFC入団に漕ぎ着けたと言われています。
 もしパハンFAが本当に裁判沙汰にするのであれば、それなりの根拠があるのだと思いますが、最初は派手な花火を打ち上げるものの、結局はしりすぼみになってしまうというマレーシアではありがちな対応で終わるような気がしなくもありません。
 もしそうだとしたら、振り上げた拳を下ろすところがないだけでなく、パハンFAの窮状を自ら明らかにすることになりそうです。またそうなれば、スマレ選手以外にもチームを今期中に離れる選手が続出しそうです。

クダFA監督は来季はペラTBGを指揮か
 先週のMリーグ1部第6節ではジョホール・ダルル・タジムJDTの対戦で0-7と惨敗したペラTBGの来季の監督候補に、同じMリーグ1部クダFAのアイディル・シャリン監督の名前が上がっているようです。
 マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版は、大敗の責任はペラTBGのメフメト・ドゥラコビッチ監督一人の責任ではないとしながらも、4季を迎えるドゥラコビッチ監督はペラTBGを2018年にはマレーシアカップ優勝に導くなど実績は決して悪くない一方で、新しい戦術などの導入がないことからクラブ内では停滞感が感じられていることから、新監督獲得へ動く可能性が取り沙汰されています。
 今週にはシャリン監督の代理人がペラTBGを運営するペラ州サッカー協会(ペラ州FA)と面会し、契約内容の交渉を行うという話もあり、これが事実ならぺら州FAの本気度が感じられます。

9月4日のニュース:新オーナーはケランタンFAを1.7億円で買収、MFLは全クラブにSOP遵守を改めて求める

新オーナーはケランタンFAを1.7億円で買収
 マレーシア語紙ハリアンメトロは、Mリーグ1部のケランタンFAの売却が完了したと報じています。
 このブログでも既報通り、新オーナーは企業家でもあり投資家でもあるノリザム・トゥキマン紙で、自身が運営する食品製造販売とホテル経営会社のザムバーガー社を通じて、680万リンギをケランタン州FAに支払い、クランタンFAの運営会社であるTRW社の全株式を取得したということです。
 昨日行われた記者会見の席上でノリザム氏は、当面はケランタン州のサッカーファンの信用を取り戻すために選手のパフォーマンス向上と設備投資に注力したいと述べ、来季2021年シーズンのクラブライセンス取得のために、ケランタン州FAにTRW社の全株式取得のために300万リンギ(およそ7680万円)を、そしてケランタン州FAが抱える未払い給料完済のためにさらに380万リンギ(およそ9730万円)を支払ったということです。(筆者注:マレーシアサッカー協会FAMは未払い給料問題を年内に解決できないクラブに対して、来季のMリーグに参加するためのクラブライセンスを発給しないとしています。)
 「選手には今後は未払い給料の問題について心配する必要はないので、よりプレーをして欲しい。」と記者会見で話したノリザム氏は、チームの強化期間として3年から5年を目安にし、その後はTRW社の株式を上場した上で、50万リンギから100万リンギ(およそ1280万円から2560万円)の配当を得たいとしています。
 ケランタンFAを買収するために自らが経営する企業の資産を一部売却した他、リーグ再開後も無観客試合となっていることで入場料収入が期待できないなどのリスクについてノリザム氏は「自分は投資家として20年以上の経験を持ち、今日の投資が明日の利益につながらないとことを理解している。その上でファンを第一にして、常勝チームを作ることに楽観的である。」と述べています。
 さらにノリザム氏は「選手に対しては、八百長に加担しないように忠告したい。そしてファンにはケランタン州のサッカーがかつての栄光を取り戻せるよう期待して欲しい。また将来的には(クラブ運営会社の)TRW社の株式を選手に対しても分け与えて、給料に依存しなくとも済むようにしたい。」と話しています。
 またこの日は選手やコーチ、スタッフに未払い給料の一部となる37万リンギ(およそ948万円)も手渡されました。
 この記者会見にはケランタン州FAのシャアリ・マット・ハサン会長とアファンディ・ハムザ会長補佐も出席しましたが、アファンディ会長補佐は今後、ケランタン州FAはこれまで20%の株式を保有していたMリーグクラブの運営から完全に離れ、草の根レベルからU19とU21チームの育成までに専念すると話しています。
(売却契約の調印式の様子-中央右の赤いキャップがノリザム氏-ケランタン州FAの公式Facebookより)

MFLは全クラブにSOP遵守を改めて求める
 8月28日から再開したMリーグの第5節を終え、Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは公式Facebook上で標準作業手順SOPの遵守を改めて各クラブに依頼しています。
 MFLは先週8月28日と29日に開催された第5節の試合を監視していたということですが、MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは複数のクラブが新型コロナウィルス感染防止のためのSOPに従っていなかったことを指摘しています。
 「マッチコミッショナーの報告によると、多くの試合でSOPに従わない規則違反が見られた。顕著だったのがクラブ関係者のマスク着用義務違反と、クラブ役員やVIPのソーシャルディスタンス違反で、この違反は頻繁に見られたようである。この状況が改善されなければ、罰金処分の導入などを検討する。このSOP遵守は今季リーグが最終節まで行われるための重要な条件であることを認識して欲しい。」とアブドル・ガニCEOは述べています。
 この他、MFLはこの日、来季2021年シーズンのリーグ日程に関する予備会合を開いたことも報告し、その席にはタン・チェンホー代表監督も出席したことを明らかにしています。
(写真は来季日程会合の様子。右手前がタン代表監督-MFLの公式Facebookより)


9月2日のニュース:スマレはタイのクラブへ移籍か、FAMはクラブ民営化期限の遵守を改めて警告

スマレはタイのクラブへ移籍か
 Mリーグ1部パハンFAに所属するモハマドゥ・スマレは、Mリーグ再開となった8月28日の対JDT戦にベンチ入りしなかったどころか、過去1ヶ月ほどチームの練習にも参加していないことはこのブログでも昨日取り上げました。
 そのスマレ選手がタイ1部リーグのクラブの練習参加していると、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 代表でもプレーする26歳のスマレ選手が練習に参加しているのは、マレーシアU23代表やフル代表でのプレー経験もあるドミニク・タンが今年から所属しているタイ1部リーグのポリス・テロFCです。
 26歳のスマレ選手がどのような経緯でパハンFAを離れてポリス・テロFCの練習に参加しているかは不明ですが、タイのメディアによれば、今月9月末に開幕するタイリーグの2020/21シーズンからはタイのクラブでプレーすると報じられています。
 スマレ選手自身も詳細は明らかにしていないものの、今後はバンコクを拠点とすることを明言しているということです。
 ガンビア出身のスマレ選手は2018年にマレーシア国籍を取得し、マレーシア人のちをひかない初めての帰化選手として代表入りを果たした以降は、主力選手として活躍しています。
 なお今回の騒動ではパハンFAを運営するパハン州FAやサポーターからスマレ選手に対する非難が出ていますが、これについてスマレ選手は、現時点では何も話せないが、明らかにで切る時期がきたら全てを話すと述べるに留めています。
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 JDTへの移籍が取り沙汰せれているスマレ選手ですが、このタイクラブへの移籍が腰掛け的なもので、その後にJDTへ移籍という流れがあるかも知れません。なお、同僚となったタン選手はポリス・テロFCへ移籍する前にはJDTに所属していました。
 また別の報道では、スマレ選手とパハンFA間で交わされた契約書に含まれる「クラブが2回にわたり給料を支払わない場合には、選手は無条件で契約を破棄できる」という条項をもとに契約を破棄し、高額オファーを受けてタイへ渡ったともされています。パハンFAはリーグ再開後には不参加が噂されるほど経営が逼迫(逼迫)していると噂されており、スマレ選手だけが批判されるべきでない可能性もあります。

FAMはクラブ民営化期限の遵守を改めて警告
 マレーシアサッカー協会FAMは9月30日を期限として、各州のサッカー協会(州FA)が運営するクラブを民営化することを義務付けています。その期限まで1ヶ月を切ったことでFAMは改めて警告を発し、民営化が達成されないクラブが3部リーグに降格となることを強調しています。
 来季2021年シーズン以降に国内リーグMリーグ1部と2部のプロリーグに参加するためのクラブライセンスを取得するためには、アジアサッカー連盟AFCが設けた規定によりクラブの民営化が義務付けられています。
 今年2020年には、マレーシアはMリーグ1部優勝チームに与えられているAFCチャンピオンズリーグの本戦出場枠に加えて、AFCカップの出場枠を2枠与えられています。AFCの規定に沿わないクラブが国内トップリーグでプレーすることをFAMが許可すれば、このAFC主催大会への参加枠が減少する可能性もあることから、今回の民営化についてFAMは妥協しないことをスチュアート・ラマリンガムFAM事務局長も強調しています。
 スチュアート事務局長は現在、既に5クラブが民営化を完了し、12クラブがその手続きを行なっているとする一方で、3クラブは手続きに着手すらしていないことを明らかにしています。
 「民営化手続きが遅れていたり、着手できていないクラブには、現在の運営組織の規約により民営化後にクラブを運営する運営会社の設立ができなかったり、経営会議の総意が必要であったりなど様々な理由があることは理解しているが、期限までに民営化ができないクラブは3部へ降格となる。これにより1部と2部に参加するクラブ数が減少することを受け入れることについてはMFLとFAMは意見が一致している。」とスチュアート事務局長は話しています。