12月19日のニュース:撤退表明のエアアジアが一転して来季Mリーグスポンサーに、代表合宿の1月開催が決定、JDTとユニセフが子供たちの人道支援で協力、サファウィの来季JDT復帰は既定路線

撤退表明のエアアジアが一転して来季Mリーグスポンサーに
 マレーシアの通信社ブルナマは、今季限りでスポンサーから撤退することを発表していた格安航空会社のエアアジアが、一転して来季のMリーグのスポンサーとなることを発表したと報じています。
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのハミディン・アミン会長の話として伝えられており、最近、行われたエアアジアグループのトニー・フェルナンデスCEOとの会談の席上でトニーCEOから伝えられたということです。
 ハミディン会長は、MFLは来季2021年シーズンに向けてより多くのスポンサー獲得に奔走しているということで、エアアジア同様に撤退を表明したマレーシアの金融グループのCIMBグループもスポンサー復帰の可能性があると明かしています。
 エアアジアは昨季2019年と今季2020年シーズンのMリーグの公式エアラインとして、またCIMBグループは今季のMリーグ1部スーパーリーグの冠スポンサーとなっていましたが、今期終了後、いずれも契約を更新しないことを発表していました。
******
 エアアジア・ジャパンは事業を廃止し、またエアアジアグループの中・長距離路線を運行しているエアアジアXは発行済み資本を99.9%減らし、減資で発生した資金を負債返済に充当することを発表するなど、新型コロナウィルスの影響を大きく受けたエアアジアのスポンサー撤退はやむを得ないのかと思いましたが、この発表は意外でした。 

代表合宿の1月開催が決定
 ブルナマは代表合宿が1月15日から26日までの日程で開催されると報じています。
 現在中断されているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選件AFC選手権アジアカップ2023年大会予選が3月開催予定の中、当初は3月の大会直前とされていた日程が早まった格好です。
 マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長はによれば、タン・チェンホー監督はこの合宿には30名程度を招集する予定で、これまで予選に出場した選手に加え、初招集となる選手も数名いるということです。
 また今後の代表の予定については、3月初旬にバーレーンとアウェイで練習試合を行った後、そのまま3月25日のアブダビでのアラブ首長国(UAE)戦に臨むとスチュアート事務局長は話しています。FIFAの公式サイトによればUAE戦の後は、3月30日のホームでのベトナム戦、そして最終戦は6月15日のアウェイでのタイ戦が組まれています。
 W杯アジア二次予選でG組のマレーシアはここまでの5試合を3勝2敗の勝点9で現在はベトナムに次ぐ2位につけています。

JDTとユニセフが子供たちの人道支援で協力
 こちらもブルナマからですが、Mリーグ1部7連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTは東南アジア初のユニセフ(国連児童基金)公式パートナーとなり、子供たちの人道支援を行うことことが報じられています。
 ジョホール州皇太子でJDTのオーナーでもあるトゥンク・イスマイル殿下は今回の協力関係について、JDTブランドの国際化をさらに進めるための一環であると話しています。「子供たちのための人道支援はJDTが当初から行なっていることであり、ユニセフとの協力関係はJDTの目的とも一致している。ユニセフは200カ国以上にネットワークを持っているので、今回の協力関係を通じて、世界がJDTのことを知るようになるだろう。」
 トゥンク・イスマイル殿下はJDTが単なるサッカークラブではなく、社会に貢献する組織であると話し、1年間と発表されたパートナーシップについて、その後も延長する可能性を否定していないということです。
 またトゥンク・イスマイル殿下は来季のユニフォームの胸にユニセフのロゴが載る可能性があるとも話したということです。

サファウィの来季JDT復帰は既定路線
 ポルトガル1部のポルティモネンセSCに期限付きで移籍中のサファウィ・ラシドについて、所属先JDTのオーナーでジョホール皇太子のトゥンク・イスマイル殿下は、来季2021年シーズンには100%の確率でJDTに復帰すると語っています。
 マレーシア語紙ハリアン・メトロによれば、出演したテレビ番組「ボラ@ママック」の中でトゥンク・イスマイル殿下が明らかにしたもので、2月末に開幕となる2021年シーズンに間に合う様に帰国させると語ったということです。
 2018年、2019年とマレーシアサッカー協会FAMの年間最優秀選手賞を受賞している23歳のサファウイ選手は、これまでベンチ入りして入るもののリーグ戦出場はなく、U23リーグの1試合に出場したのみとなっています。
******
 異国でのサッカーにも生活にも慣れてきたであろう時期の帰国をサファウィ選手自身が望んでいるかどうかはわかりませんが、今後のサッカー選手としての成長と23歳という年齢を考えるとあと数年は我慢して残してもと良いと思いますが、JDTオーナーは別の考えなのでしょう。まさか1年で目に見える結果が出ると思ってはいなかったでしょうが、マレーシアのNo.1選手の海外挑戦としては、あっけなかった印象です。

12月1日のニュース:タイ1部第13節-ドミニク・タンは途中出場もスマレとノーシャルルはベンチ入りせず、ポルトガル1部第8節-サファウィはベンチ入りも出場なし、国立エリートアカデミー第2期卒業生の主力はJDTとスランゴールFCへ、PJシティFCとサバFCはいずれもマレーシア人新監督就任

タイ1部第13節ドミニク・タンは途中出場もスマレとノーシャルルはベンチ入りせず
 11月27日から30日にかけてタイ1部リーグ第13節が行われました。11月27日に行われたナコーンラーチャシーマーマツダFC対BGパトゥム・ユナイテッドFCは首位のBGパトゥム・ユナイテッドが2-0で勝利しましたが、マレーシア代表で12月いっぱいでの退団が決まっているノーシャルル・イドラン・タラハはベンチ入りしませんでした。
 また11月30日に行われたトゥルー・バンコク・ユナイテッドFC対ポリステロFCの試合は1-1の引き分けでした。マレーシア代表のドミニク・タンは74分から出場しましたが、同じ代表のモハマドゥ・スマレはやはりベンチ入りしませんでした。(その後、スマレ選手は練習中に負ったケガのため、チームの遠征に帯同しなかったことをポリス・テロFCのラングサン監督が明らかにしています。なお、ケガの具合については深刻なものではないとのことです。)

ポルトガル1部第8節-サファウィはベンチ入りも出場なし
 11月29日(現地時間)にポルトガル1部第8節の数試合が行われ、マレーシア代表のサファウィ・ラシドが所属するポルティモネンセSCがCDナシオナルを1-0で破っています。なお、サファウィ選手は3試合連続でベンチ入りしましたが、この試合も出場機会はなく、ポルトガルリーグデビューは果たせませんでした。
 この試合まで1勝1分5敗のポルティモネンセSCと、同じく2勝4分1敗のCDナシオナルの対戦となったこの試合は、ブラジル出身FWファブリシオのゴールでポルティモネンセSCが10月17日の第4節以来となる今季2勝目を挙げています。

国立エリートアカデミー第2期卒業生の主力はJDTとスランゴールFCへ
 マレーシア政府青年スポーツ省とFAMが共同で運営する国家サッカー選手養成プログラムNFDPの中核となるモクタル・ダハリ・アカデミーAMDは国立のエリートアカデミーですが、その第2期生となる17歳の選手40名がこの度卒業となりました。
 その40名中、Mリーグ1部7連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTとやはり1部のスランゴールFCが合わせて12名の選手と契約したと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 なおこの記事によると、この両クラブはAMDの主力選手12名に卒業生全員に2年から3年の複数年契約をオファーしたということです。
 主力選手の一人MFジアド・アル・バシールや、現在はベルギー1部リーグのKVコルトレイクに所属するルクマン・ハキム・シャムスディンと2016年のAFC U16選手権ではコンビを組んだFWムハマド・ナジムディン・アクマル・カマル・アクマルはJDTと、またDFムハマド・ファイズ・アメル・ルニザルはスランゴルFCとそれぞれ契約しています。なおこの12名の大半は今年2月に鹿児島で開催されたJENESYS2019青少年サッカー交流大会にマレーシアU17代表として出場したということです。
 なお、昨年AMDを卒業した第1期生34名はJDTが6名、スランゴールFCが28名と契約しています。
 以下はJDTとスランゴールFCが契約したAMD第2期生の氏名です。

氏名ポジション契約先
Muhammad Haziq Ridhwan Mohd RosliDFJDT
Muhammad Naqiu Aiman Abdul Hadi DFJDT
Muhammad Najmudin Akmal Kamal AkmalFWJDT
Ziad El Basheer NorhishamMFJDT
Mohammad Marwan Abdul RahmanDFJDT
Muhammad Syukur Fariz JanuriMFJDT
Muhammad Faiz Amer RunnizarDFスランゴール
Syahmi Adib Haikal Mohd ShukriGKスランゴール
Abdul Afiq Hilman Abdul HalimFWスランゴール
Muhammad Haiqal Haqeemi HairiDFスランゴール
Muhammad Khairi Suffian KhaineyusriFWスランゴール
Syed Zaris Irfan Syed Putra Hasdiana Faizal DFスランゴール

PJシティFCとサバFCはいずれもマレーシア人新監督就任
 今季Mリーグ1部で7位に終わったPJシティFCと同10位のサバFC(来季より、今季はサバFA)はそれぞれ新監督の就任を発表しています。
 PJシティFCは、今季アシスタントコーチを務めたマニアム・パチャイアパン氏が監督に昇格します。マレーシアU16、U19、U21代表の監督経験の他、2017年シーズンはスランゴールFA(現スランゴールFC)でも監督を務めたマニアム監督率いるPJシティFCは、来季は外国籍選手なし、全員マレーシア選手という布陣でMリーグ1部に臨むということです。
 これについてマニアム監督は、若い選手により多くの機会を与えて、特に外国籍選手に頼ることの多いストライカーとセンターバックで実力を発揮して欲しいと話し、今季のメンバーの6割が残るチームにはトレンガヌFCから獲得した元代表のダレン・ロックとU21のプレジデントカップチームのメンバーもトップチームに呼ぶことになるだろうとも述べています。
 またサバFC(来季から、今季はサバFA)は、サバ州に隣接するサラワク州出身のルーカス・カラン氏の新監督就任を発表しています。
 今季1部に昇格したサバFAは、昨季監督を務めたジュリアス・アティン氏がMリーグ1部での監督に必要なAFCプロライセンスを保持していなかったことから、インドネシア出身のクルニアワン・ドゥイ・ユリアン監督が就任しましたが、今季終了後に契約が更新され図、事実上の解任となっていました。
 サバFCのヴァードン・バハンダCEOは、AFCプロライセンスを持ち、スポーツ科学の専門家でもあることから、ルーカス氏が複数の候補者から選ばれたと話しています。
 

11月30日のニュース:来年2月にスタジアムでの観戦は可能か、代表のFIFAランキングが1ランクアップ、マレーシア国王も故マラドーナ氏へ追悼メッセージ、クチンシティFCの新監督候補に前フェルダU監督も浮上

来年2月にスタジアムでの観戦は可能か
 マレーシアの通信社ブルナマは「来年2月にスタジアムでの観戦は可能か」という見出しで、新型コロナウィルスによるシーズン中断後は全試合が無観客試合として行われたMリーグの来季の展望記事を電子版サイトに掲載しています。
 記事の中では英国プレミアリーグが来月より感染リスクの低い地域に4000人を上限としてスタジアムに観客を入れることを取り上げ、今回発表されたボリス・ジョンソン首相による観戦許可が、総額5億英ポンド(およそ693億円)とも言われる新型コロナウィルスによる損失を被った国内各クラブの財務状況に好影響を与えることは明らかだとしています。
 またこの記事では英国の他、フランス、オランダ、さらにアメリカ合衆国や日本、韓国、中国そしてベトナムでもスタジアム観戦に関する規則が緩和されていることも報じた上で、この世界的な傾向から、Mリーグの来季2021年シーズンが来年2月に予定通り開幕すれば、マレーシア政府が人数は制限するもののスタジアムでの観戦を許可するのではないかとしています。(ただし観戦許可が発表された11月23日からわずか3日後の11月26日、英国では新たな感染者が1万1299人と発表されています。)
 ブルナマによると、今季のMリーグ1部チャンピオンJDTが2位のクダFAと対戦する来季開幕戦のスルタン・ハジ・アフマド・シャートロフィーでは、主催者のマレーシアンフットボールリーグMFLが国家安全委員会に対して、厳しい標準作業手順SOPの実行を条件にして300人の観客を入れて試合を開催できるよう要望しているということです。
 今季、リーグ全体では入場券収入やグッズ売上収入なども含めリーグ全体で700万リンギ(およそ1億7900万円)の損失を被っていると報じている記事は、スタジアムでの観戦許可はMリーグを再び活気づけるだけでなく、リーグの商業価値を高めることになると結んでいます。

代表のFIFAランキングが1ランクアップ
 11月26日にFIFAの男子ランキングが更新され、マレーシアは前回9月16日発表のランキングより1ランク上がって153位(AFCでは31位)となったことが発表されています。
 なお、FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選でマレーシアと同じG組で現在首位のベトナムは前回と変わらず東南アジアトップの94位(同14位)、3位のタイは1ランク下げて114位(同20位)、4位のアラブ首長国連邦UAEと最下位のインドネシアはいずれも変わらずそれぞれ71位(同8位)と173位(同36位)となっています。
 現在中断中で、来年3月に再開予定のW杯予選ではUAE戦(アウェイ)、ベトナム戦(ホーム)、そしてタイ戦(アウェイ)が残っています。

マレーシア国王も故マラドーナ氏へ追悼メッセージ
 11月25日に亡くなったディエゴ・マラドーナ氏には、世界各地で追悼の声が上がっていますが、マレーシア王宮の公式Facebookは、アブドゥラ・リアヤトゥディン・アルムスタファ・ビラ・シャー国王による故マラドーナ氏への哀悼の言葉とともにアブドゥラ国王と故マラドーナ氏のツーショット写真を投稿しています。
 この投稿によると、アブドゥラ国王と故マラドーナ氏が最後に会ったのは2017年にスイスのチューリヒで開催されたFIFA年間表彰式の席で、アブドゥラ国王は故マラドーナ氏の持つカリスマ性やユーモアのセンスに魅了され、互いに共通するサッカーの話題で長話をしたということです。またアブドゥラ国王が最も好きなサッカー選手であると公言する故マラドーナ氏との思い出は現在でもアブドゥラ国王の中に残っているということです。
******
 1984年から2014年までマレーシアサッカー協会FAM会長を務められた父君のスルタン・アフマド・シャー殿下の後継として2014年から2017年までFAMの会長を務めたアブドゥラ国王はスポーツ好きとしても知られており、アジアホッケー連盟の会長を務めています。(写真はマレーシア王宮の公式Facebookより)

クチンシティFCの新監督候補に前フェルダU監督も浮上
 先日のこのブログでは、前トレンガヌFCのイルファン・バクティ・アブ・サリム氏がクチンシティFC(来季より、今季の名称はクチンFA)と話し合いを持ったという記事を紹介しましたが、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロでは、新たに前フェルダ・ユナイテッドFC監督のニザム・ジャミル氏の名前が新監督候補者として上がっていることが報じられています。
 今季のクチンFAは日本人の東山晃監督の元、2部昇格後初めてのシーズンながらリーグ4位の成績を収め、クラブ史上初のマレーシアカップ出場を果たすなど躍進しました。
 クチンシティFCのファズルディン・アブドル・ラーマン会長は、東山監督の残留を第一と考えていたものの、東山監督自身が退団を希望していることからイルファン・バクティ、ニザム・ジャミルの両氏が、来季の監督の有力候補であることを認めており、現在は両氏からの返事を待っている状況であるということです。
 ニザム・ジャミル氏は指導者としてのキャリアを続けていくためにはチームを選ぶつもりはなく、自分に関心を持ってくれるクラブなら1部でなくとも話を聞く用意があると話しているということです。

11月24日のニュース:代表監督はW杯予選再開に向けて過密日程による選手のコンディションを憂慮、マット・ヨーは今季限りでBGパトゥムUを退団、トレンガヌFC退団の主将がパハンと交渉

代表監督はW杯予選再開に向けて選手のコンディションを憂慮
 タン・チェンホー代表監督は、来年3月に再開予定のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選を前に、最大の懸念材料として選手のコンディショニングを挙げていると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 タン監督は代表選が全くなかった2020年は、Mリーグの試合数も半減された上、マレーシアカップも中止となり、代表候補選手たちが真剣勝負の場を失ったことから、選手たちのコンディション不良が問題になる可能性を指摘しています。
 「代表監督として選手たちのコンディションに対する不安はある。今年は一度も代表合宿を開催することができず、国際親善試合も組むことができなかった。選手の健康と安全が心配なことは理解できるが、これほど長期間にわたり代表合宿も代表戦も行われない状況下では、選手のパフォーマンスに影響が出ることは必至である。」と話すタン監督は、年が明けて2021年になっても、2月に開幕するMリーグに備えて選手は所属クラブでの練習が中心となることから、代表合宿への招集はFIFAの国際マッチデー直前の3月半ばまでできないことも悩みの種であるとしています。
 残る3試合のアジア二次予選の内、3月25日にはアラブ首長国連邦戦(アウェイ)、3月30日にはベトナム戦(ホーム)が予定されていますが、両国はいずれも既に国際親善試合や代表合宿を行なっていることから、タン監督はマレーシア代表が難しい状況にいることは認めて上で、2月のMリーグ開幕後の過密日程に備えて選手一人一人が肉体と精神の両面でしっかり準備をしてくれることに期待するしかないと話しています。

マット・ヨーは今季限りでBGパトゥムUを退団
 マット・ヨーの愛称で知られる代表FWノーシャルル・イドラン・タラハは今季限りで在籍するタイ1部リーグのBGパトゥム・ユナイテッドを契約満了により今年いっぱいで退団すると、サッカー専門サイトのGoal. comタイ版が報じています。
 ノーシャルル選手は今季2020年シーズン前に、Mリーグ1部のパハンFAからBGパトゥム・ユナイテッドで移籍しました。2月15日の開幕戦ではスタメン出場で前半し流量とともに交代、第2節でもスタメン出場して75分間プレーしたものの、第3節は出場機会がなく、第4節はベンチ入りせず、タイリーグは新型コロナのため中断しました。
 9月に再開された後も11月21日に開催された第12節までで、第8節は先発出場し61分間プレーし、また第10節は途中出場で12分間プレーしたものの、それ以外は出場機会がなく、ベンチ入りすらしなかった試合も数試合あります。
 しかもBGパトゥム・ユナイテッドはMリーグ1部のジョホール・ダルル・タジムからFWジオゴを獲得した他、Jリーグ清水でプレーするタイ代表FWのティーラシン・デーンダーの獲得もタイメディアが報じており、その辺りもノーシャルル選手の契約が更新されたなかった理由の一つとされています。
******
 自由な渡航が制限されているマレーシアでは、国外からの選手の獲得が難しいことから、ノーシャルル選手はMリーグへの復帰が濃厚ですが、個人的にはタイで新たなクラブを探してプレーを続け、ポリス・テロFCのドミニク・タンやムハマドゥ・スマレとともにタイリーグにマレーシア人選手としての足跡を残す様な活躍をして欲しいです。

トレンガヌFC退団の主将がパハンと交渉
 マレーシアカップ中止により、Mリーグ3位ながら棚ぼたでAFCカップ出場枠を獲得したトレンガヌFCは、多くの若手選手との契約を更新する一方で、今季のチーム得点王FWドミニク・ダ・シルバや主将のMFリー・タックなど高額がネックとされる外国籍選手との契約を更新しない方針を明らかにしています。
 2017年のヌグリスンビランFAへ入団して以来、Mリーグでプレーし続けているリー・タックが同じMリーグ1部のパハンFAと交渉をしていることを、パハンFAのチームマネージャーTMが認めていると、マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 パハンFAのモハマド・スフィアン・アワンTMはタック選手の他に、一昨年はペナンFAでプレーしたアルゼンチン出身のFWセルヒオ・アグエロ(マンCのアグエロとは当然別人です)との交渉中であることを認めています。なおアグエロ選手は、今季はMリーグ3部に当たるM3リーグのクアラルンプールローヴァーズに所属していました。
 この二人との交渉が明らかになったことで、契約期間1年が残っているDFエラルド・グロンが残留する一方で、今季、パハンFAに在籍していたFWイヴァン・カルロス(ブラジル)やDFカリル・カミス(レバノン)、MFアダム・リード(フィリピン)らは対談が濃厚であると記事は結ばれています。

11月21日のニュース:タン代表監督は2022年まで契約延長、代表は来年3月から始動、UITM FCのベルンハルト監督は契約を1年延長

タン代表監督は2022年まで契約延長
 マレーシアサッカー協会FAMはタン・チェンホー代表監督との契約を2022年まで延長したと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 現在の契約が今年の12月31日までとなっているタン監督との契約は2022年12月31日まで延長されたということです。
 ポルトガル出身のネロ・ヴィンガダ前代表監督が成績不振のため辞任し、アシスタントコーチから2017年12月に代表監督に昇格したタン監督は、2018年には東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップで準優勝にチームを導いた他、現在中断中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選では5試合を終えて勝点9を獲得し、ライバルのタイやインドネシアを抑えて、ベトナムに次ぐグループ2位につけています。

代表は来年3月から始動
 タン監督の留任が決まったものの、新型コロナウィルスの影響で今年1年間は何の活動もなかったフル代表の再始動は来年3月になりそうだと、マレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。
 W杯アジア二次予選で同組のタイは先日の国際マッチデーに国内リーグのオールスターとの練習試合を組んだ他、やはり同組のアラブ首長国連邦UAEはすでに複数の国際親善試合を行い、ベトナムも代表合宿を行って練習を再開している一方、マレーシア代表は予定されていた年内の合宿の話も新型コロナウィルス感染拡大が続いていることから中止となりました。この状況にはタン監督は「現時点ではできることは何もなく、年が開ければMリーグの各クラブはリーグ開幕に備えて練習を開始するだろう。そうなれば、代表合宿が開催できるのは早くとも3月になり、それまで代表としての活動ができないことを憂慮している。」と述べています。
******
 アジアサッカー連盟AFCは、W杯アジア二次予選を来年3月には再開する予定であることを発表しており、マレーシア代表合宿はその直前に行われる可能性が高そうです。Mリーグの開幕は2月26日なので、開幕後すぐに代表合宿、そしてW杯予選(しかもAFCは3月中に2試合を予定)という日程になりそうです。

UITM FCのベルンハルト監督は契約を1年延長
 Mリーグ1部のUITM FCはフランク・ベルンハルト監督の契約を1年延長したとマレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。
 今季2部から昇格したUITM FCは、昨季でPKNS FCがスランゴールFCに統合されたことから、昨季は2部で5位ながら1部へ昇格しました。国立大学が運営する初のMリーグ1部クラブと話題は先行していたものの、その実力は疑問視されていましたが、短縮された今季とは言え、12チーム中6位と同じ昇格組のサバFA(昨季2部1位、今季1部10位)、PDRM FC(昨季2部3位、今季1部12位)を遥かに上回る好成績を収めています。
 UITM FCのアジザン・アブドラ会長は「他の経験豊富なクラブと同等の結果を残すしたベルンハルト監督にチームをもう1年任すことにした。リーグ6位、そしてマレーシアカップ準々決勝出場の結果を見る限り、クラブはベルンハルト監督の能力を信頼して、更なる飛躍を期待したい。」と話し、AFC主催大会への出場を目指すとしています。
 ベルンハルト監督の他、今季のチームからアズファル・アリフやアーマド・クザイミ・ピーら9名との契約更新も発表したUITM FCは、来月12月にはマレーシア人選手を対象とした公開セレクションを開催することも発表しています。
 この公開セレクションについてベルンハルト監督は、今季在籍した複数の選手が他のMリーグクラブからより良いオファーを受けて退団したことを理由としてします。また自身の契約更新についても、今季の成績がフロックではなく、クラブの運営理念が正しかったことを来季も好成績を示すことで証明するために残留を決意したと話しています。
 また今季チーム躍進の核となった外国籍選手の多くが退団することについては、クラブの限られた予算の中から同様の選手を獲得したいと話しています。
******
 今季在籍した外国籍選手のうち、レバノン代表でもあるラビー・アタヤはクダFAと契約間近とされています。素人目で見ても今季のMリーグではトップクラスの活躍とクラブへの貢献を果たしたアタヤ選手の退団はUITM FCにとって大きな痛手ですが、その状況下でどのようにチーム作りをしていくのかはベルンハルト監督のお手並みを拝見したいと思います。

11月17日のニュース:マレーシアカップ中止を理由とした給料削減を行わないようPFAMが各クラブに警告、FAMは年内の代表合宿中止を決定、Mリーグ試合配信のYoutubeチャンネルはのべ2900万人が視聴

マレーシアカップ中止を理由とした給料削減を行わないようPFAMが各クラブに警告
 マレーシアプロサッカー選手会PFAMは、マレーシアカップが中止となったことを理由にして、クラブが選手に対して契約内容通りの給料を支払うことを拒否することがないようにと警告しています。
 マレーシア語紙ブリタハリアンはPFAMによる声明を取り上げていますが、それによると、PFAMは現在も未払い給料問題を抱えているクラブがあるとして、これらのクラブに対して、来季2021年シーズン開幕前までには完済するように警告を行っています。
 マレーシアカップ中止は残念だとしながらも、Mリーグの選手の契約は11月末までとなっており、マレーシアカップが12月まで延期されれば、選手の契約問題が発生することは明らかだったことから、PFAMは大会主催者であるマレーシアフットボールリーグMFLによる中止決定は妥当なものであると生命の中で述べています。
 また、来季以降もマレーシアサッカー界を持続させていくためには、今季、マレーシアサッカー界が経験したことを関係者全員が教訓とする必要があり、来季のMリーグやマレーシアカップはいわゆる「ニューノーマル」に基づいた形で開催されることをPFAMは望んでいるとしています。

FAMは年内の代表合宿中止を決定
 マレーシアサッカー協会FAMは、マレーシアカップ終了直後に予定されていた代表合宿について、年内には行う予定がないと発表しています。
 英字紙ニューストレイトタイムズは、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長の話として、現在2つの案が検討されていると報じています。
 アジアサッカー連盟AFCは、現在中断中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選およびAFC選手権アジアカップ2023年大会予選の新たな日程を発表しており、これによると来年3月に予選が再開されることになっています。
 「現在の新型コロナウィルスの感染状況では、国内での代表合宿は難しい。このためタン・チェンホー監督と相談した上で、1月の代表合宿開催、あるいは3月から再開するアジア二次予選の直前の数日間の合宿開催を検討中である。」とスチュアート事務局長は話しています。しかしその一方で、1月はMリーグ開幕直前であるだけでなく、FIFAの国際マッチデー期間でないことから各クラブは選手が招集されることに難色を示す可能性があるとし、Mリーグを主催するマレーシアフットボールリーグMFLが来季の日程を確定した時点で、代表合宿の日程を決定したいとスチュアート事務局長は述べています。
******
 ジョホール・ダルル・タジムJDTが国民の海外渡航を禁じているマレーシア政府の指示に従って、カタールで開催されるAFCチャンピオンズリーグへの出場を辞退しましたが、新型コロナウィルスの状況が改善されず、マレーシア政府が方針を変えない場合、来年3月から再開するW杯アジア二次予選の際には代表が国外の代表選に出場できない可能性、さらには国外からの渡航者に2週間の隔離検疫期間を義務付けていることから国内での代表選開催にも支障が出る可能性があります。

Mリーグ試合配信のYoutubeチャンネルはのべ2900万人が視聴
 新型コロナウィルス感染拡大により、今季のMリーグはそれぞれ12クラブが所属する1部、2部とも1回戦総当たりの第11節までとシーズンが短縮される結果になり、しかも3月中旬の第4節以降は全試合が無観客で行われました。これにより国内サッカー人気の停滞が心配される中、Youtubeにより配信されたMリーグの試合はのべ2900万人が視聴したと、マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 さらに1回戦終了後中止となったマレーシアカップの視聴者数は7試合でのべ660万人となっているということです。
 Mリーグ1部で最も視聴されたのは9月19日のジョホール・ダルル・タジムJDT対スランゴールFC戦で138万人が視聴、2部(2部はYoutube配信が行われていないので、Mycujooによる配信のデータと思われます-筆者注)は8月22日のUKM FC対ケランタンFA戦で3万5000人が視聴したということです。
 またマレーシアカップ1回戦ではクダFA対パハンFAをのべ220万人が視聴、最大視聴者数を記録しています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、これだけ多くの視聴者がいることは新型コロナウィルス禍の中、国内サッカーが下火になるどころかより活気付いていることを証明していると話しています。
******
 ここで取り上げられている数字の根拠は不明ですが、MFLの公式Youtubeチャンネルではマレーシアカップ1回戦のクダFA対パハンFAの視聴回数は75万回となっています。それを考えるとこの記事の数字はスポンサーを意識した上での「盛った」数字かも知れませんが、それでもインターネットに接続できれば無料(本来はYoutubeでの無料配信はなく、テレビあるいストリーム配信視聴は年間で100から120リンギ(およそ2540から3050円)のパッケージ契約が必要)で1部リーグ全試合が観戦できたことは、視聴者数の押上には役立ったことは確かでしょう。

11月9日のニュース:マレーシアカップ1回戦終了-ベスト8が決定、「鉄人」はパハンFA退団へ、パハンFAのドラー監督の去就も未定、タイリーグオールスターに代表トリオは選出されず

マレーシアカップ1回戦終了-ベスト8が決定
 11月7日(土)と8日(日)にマレーシアカップ1回戦の残り4試合が行われ、7日はMリーグ1部で今季3位のトレンガヌFCが同9位のPJシティFCを1-0、1部4位のペラTBGが2部8位のケランタン・ユナイテッドFCを4−0で破り、順当にベスト8進出を決めています。
 また8日には1部リーグ5位のスランゴールFCが同9位のマラッカ・ユナイテッドFCを2−1、同6位のUITM FCが2部6位のケランタンFAを3-1で破り、こちらもリーグ上位が下位のクラブに勝利しペスト8へ名乗りをあげました。
 なお、ベスト8のカードは以下の通りです。
ペナンFA(2部1位)-UTIM FC(1部6位)
JDT(1部1位)-クアラルンプールFA(2部3位)
トレンガヌFC(1部3位)-ペラTBG(1部4位)
スランゴールFC(1部5位)-クダFA(1部2位)

マレーシアカップ1回戦
11月7日(土)
スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
トレンガヌFC 1-0 PJシティFC
得点者:トレンガヌ-サンジャル・シャアフメドフ(37分)
 サイドラインが不明瞭なため、試合開始前に改めてサイドラインを引き直すという、プロの試合としては前代未聞の理由により試合開始が30分近く遅れたものの、ホームのトレンガヌFCが順当に勝利を収めています。

ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラTBG 4-0 ケランタン・ユナイテッドFC
得点者:レアンドロ・ドス・サントス3(7分、21分、49分)、カレッカ(90+1分)

11月8日(日)
ハンジェバスタジアム(マラッカ州クルボン)
スランゴールFC 2-1 マラッカ・ユナイテッドFC
得点者:スランゴール-イフェダヨ・オモスイ(21分)、サンドロ・ダ・シルヴァ(52分)、マラッカ-ウチェ・アクバ(57分)

MPMスタジアム(ペラ州マンジュン)
UITM FC 3-2 ケランタンFA
得点者:UITM-アリフ・アヌアル2(12分、67分)、ラフィ・ヤアコブ(15分)、ケランタン-ダニアル・アシュラフ2(61分、63分)
 ケランタンFAの渡邉将基選手はベンチ入りしませんでした。

ディクソン・ヌワカエメはパハンFA退団へ
 11月6日に行われた対クダFA戦に敗れたパハンFAのFWディクソン・ヌワカエメが自身のTwitterで「この試合がパハンFAのユニフォームを着てプレーした最後の試合で、このように終わって欲しくなかった。」と退団をほのめかす投稿を行っています。
 Orang Besi(マレーシア語でorangは「人」、besiは「鉄」なので「鉄人」)の愛称でパハンFAサポーターから親しまれた34歳のヌワカエメ選手はナイジェリア出身で、2014年にケランタンFAからパハンFAへ移籍すると、この年のFAカップ決勝のフェルダ・ユナイテッドFC戦では1ゴール、マレーシアカップ決勝のJDT戦では2ゴールを決めていずれもチームを優勝に導き、パハンFAの2冠達成に貢献しています。(ちなみに前年にはケランタンFAでもFAカップ準決勝で2ゴールを決め、ケランタンFAのFAカップ優勝にも貢献しています。)
 ヌワカエメ選手はリーグ戦でも2014年は6ゴール、翌年2015年には9ゴールを決め、パハンFAはこの2シーズンともリーグ3位となっています。
 2016年にはフランス1部リーグのアンジェSCOに移籍したものの、昨季2019年シーズンにパハンFAに復帰すると、リーグ戦で7ゴールを決めるなどクラブを前季のリーグ4位から2位へと押し上げたものの、今季はケガなどもあり先発した試合もわずか4試合でリーグ通算2ゴールと以前のような活躍はできていませんでした。
 しかしその一方で、この試合でもフル出場しており、Mリーグで自分を必要とするクラブがあれば話を聞く用意があるとして、34歳のヌワカエメ選手は現役続行に意欲を示しています。

パハンFAのドラー監督の去就も未定
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版は、マレーシアカップ1回戦で敗退したパハンFAのドラー・サレー監督の去就についてはまだ何も決まっていないようだと報じています。
 2010年から2013年までパハンFAで監督を務めたのち、2017年に4年ぶりに復帰したドラー監督は2017年にはリーグ2位、2018年は4位、昨季2019年シーズンには再び2位となり、カップ戦でも2017年にはFAカップ準優勝、2018年にはFAカップ優勝という成績を収め、今季も好成績が期待されていました。
 しかし今季は開幕前に代表選手でもあるマシュー・デイヴィーズがJDTに移籍した他、新型コロナウィルスによる中断期間中にはやはり代表選手のモハマドゥ・スマレがチームを離れてタイのクラブへ移籍、また上でも取り上げたディクソン・ヌワカエメの不調などからリーグ8位に終わり、マレーシアカップも1回戦敗退という成績に終わっています。
 マレーシアカップ1回戦終了後、ドラー監督は来季の去就はパハンFAを運営するパハン州サッカー協会が決めることであると話し、どのような結果になっても受け入れる用意はあると話しています。

タイリーグオールスターに代表トリオは選出されず
 サッカー専門サイトのヴォケットFCは、11月14日に予定されているタイ代表対タイリーグオールスターのメンバーに、現在、タイ1部リーグでプレーするマレーシア代表トリオが一人も選出されなかったことを報じています。
 この試合では、新型コロナウィルスの影響により他国代表と試合ができない西野朗監督率いるタイ代表がタイリーグオールスターと対戦しますが、タイリーグオールスターはタイ1部リーグでプレーする外国籍選手17名と代表に選出されていないタイ人選手5名の計22名で構成され、監督は先月10月にバンコク・ユナイテッドの監督を辞任したばかりのアレシャンドロ・「マノ」・ポルキン氏が指揮を取りますが、このタイリーグオールスターにはマレーシア代表のノーシャルル・イドラン・タラハ(BGパトゥム・ユナイテッド)、ドミニク・タン、モハマドゥ・スマレ(いずれもポリス・テロFC)の3名は選出されませんでした。
******
 この11月14日は、本来ならばFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選のタイ代表対マレーシア代表が予定されていたFIFAの国際マッチデーでしたが、新型コロナウィルスの影響でワールドカップ予選が来年に延期となったことで日程的には空いており、今回の試合が実現しています。
 今回のタイリーグオールスターのメンバーは、タイサッカー協会FATの公式サイトで発表されており、代表トリオのチームメートからポリス・テロFCのFWグレッグ・フーラ (フランス)やDFクォン・デヒ(韓国)、BGパトゥム・ユナイテッドのMF丸岡満やMFチャウワット・ヴィラチャード(タイ)らが選出されている他、東南アジア出身選手としてフィリピン代表のGKミカエル・ファルケスゴーア(バンコク・ユナイテッド)、DFマルティン・シュトイブレ (ポートFC)らが選ばれています。

11月2日のニュース:Mリーグは今季全日程終了、マレーシアカップの組み合わせ決定、タイ1部リーグ第11節-ノーシャルルは出場せず

Mリーグは今季全日程終了
 Mリーグは順延されていた2部プレミアリーグ第11節のクアラルンプールFA対クチンFAの試合が10月31日に開催され、これで今季の全日程を終了しました。
 同じく順延されていた1部スーパーリーグ第11節のサバFA対UITM FC戦が中止となったことで、午後5時キックオフが予定されていた試合は、午後9時に変更となりました。

10月31日(土)
マラッカ州ハンジェバスタジアム
クアラルンプールFA 0-2 クチンFA
得点者:クチンFA-ブライアン・アニゼシオ(21分)、鈴木雄太(38分)
 前節第10節に続く鈴木選手のゴール(今季通算3ゴール目)などでクチンFAが快勝しています。この結果、今季2部に昇格したばかりのクチンFAは、リーグ4位の好成績で今シーズンを終了しています。
 クチンFAの鈴木雄太選手と谷川由来選手もいずれも先発してフル出場しています。
******
 新型コロナウィルスの影響でリーグが中断となるまでの4試合は0勝1分3敗で3得点6失点と2部の壁に苦しんだクチンFAですが、8月28日にリーグが再開されると、そこからの7試合は5勝0分2敗で14得点13失点、特に直近の5試合に関して12得点4失点で5連勝を飾り、内2試合は完封勝ちするなど調子を上げてきており、11月6日に開幕するマレーシアカップへ臨みます。
 また今季2020年シーズンの2部プレミアリーグ最終順位は以下の通りです。

マレーシアプレミアリーグ2020年シーズン最終順位表

順位クラブ試合得点失点得失差勝点
1+^ペナンFA118212481626
2トレンガヌFC II117131714322
3+^クアラルンプールFA116322114721
4+クチンFA115151719-216
5JDT II114342017315
6+ケランタンFA1153314113*15
7スランゴール2114161723-613
8ケランタンU114071319-612
9UKM FC113351117-612
10サラワクU113261416-211
11ヌグリスンビランFA113261220-811
12ペラ II111551113-28
^ペナンFAとクアラルンプールFAは2021年シーズンの1部昇格が決定しています。
+は上位5クラブに出場資格が与えられるマレーシアカップ出場権を獲得したクラブ(Mリーグ1部にトップチームを持つBチームにはマレーシアカップ出場資格はありません。)
*5位のケランタンFAは給料未払い問題により勝点3が剥奪されています。

マレーシアカップの組み合わせ決定
 マレーシアフットボールリーグMFLは公式Facebook上で、11月6日に開幕するマレーシアカップの1回戦組み合わせ抽選の結果を発表しています。1部スーパーリーグの上位11クラブと2部プレミアリーグ5クラブ(1部にトップチームを持つセカンドチームのクラブは除く)が出場するこの大会は、11月1日にスランゴール州にあるMFL本部で組み合わせ抽選が行われました。
 MFLによって出場不可となったサバFAを除く15クラブはまずホームゲームとなるAグループとアウェイゲームとなるBグループに分けられ、Aグループには1部の上位6クラブであるJDT、クダFA、トレンガヌFC、ペラTBG、スランゴールFC、UITM FCと2部上位2クラブのペナンFAとクアラルンプールFAが入り、残りはBグループに割り振られました。そこから抽選により、以下のような組み合わせが決定しています。
<マレーシアカップ1回戦の組み合わせ(左側がホームチーム)
ペナンFA対フェルダ・ユナイテッドFC
UITM FC対ケランタンFA
ジョホール・ダルル・タジムJDT対クチンFA
クアラルンプールFA対サバFA(*但しサバFAは不出場のためクアラルンプールFAは1回戦不戦勝が決定)
トレンガヌFC対PJシティFC
ペラTBG対ケランタン・ユナイテッドFC
クダFA対パハンFA
スランゴールFC対マラッカ・ユナイテッドFC

******
 上の図を見てもわかるように、昨季のチャンピオンJDTが入った左側のやぐらでは8クラブ中、JDT以外の1部クラブはUITM FCとフェルダ・ユナイテッドFCの2クラブしかおらず、もう一方のやぐらはケランタン・ユナイテッドFC以外の7クラブが全て1部クラブという、JDTにとっては何とも有利な組み合わせになっています。

タイ1部リーグ-ノーシャルルは出場せず
 タイリーグ 1部第11節の残り試合が11月1日に開催され、マレーシア代表のノーシャルル・イドラ・タラハが所属するBGパトゥム・ユナイテッドは、昨季の1部優勝チームで、日本人の滝雅美監督率いるシンハー・チェンライ・ユナイテッドと対戦し、1-0で勝利を収め開幕からの無敗記録を11と伸ばしています。
 なおノーシャルル選手はベンチ入りしたものの、出場はありませんでした。
 第11 節終了時のタイ1部リーグは、このBGパトゥム・ユナイテッドが9勝2分0敗で首位、また前日10月31日にスパンブリーFCに0-5と敗れた、マレーシア代表のドミニク・タンとモハマドゥ・スマレが所属するポリス・テロFCは10位に順位を下げています。

10月27日のニュース:タイ1部リーグ第10節-タンとノーシャルルは途中出場、ポルトガル1部リーグ-サファウィはトップチーム合流へ、制限付き活動制限令延長はマレーシアカップの日程に影響なし-MFL

タイ1部リーグ第10節-タンとノーシャルルは途中出場
 タイ1部リーグは10月24日と25日に第10節が開催されました。マレーシア代表のムハマドゥ・スマレとドミニク・タンが所属するポリス・テロFCは10月25日にSCGムアントン・ユナイテッドを迎えてのホームゲームを行いましたが、1-3と敗れています。
 前節第9節はベンチ入りしながら出場機会がなかったタン選手ですが、この日は同じDFのアイザック・ホニーに代わって59分から出場し試合終了までプレーしています。またスマレ選手はクラブが課している12日間のフィットネスプログラムを終了していないということで、ベンチ入りしませんでした。
 またノーシャルル・イドラ・タラハが所属するBGパトゥム・ユナイテッドはスコータイFCとのアウェイゲームに臨み、3−2で勝利しています。前節第9節はベンチ入りしながら出場機会がなかったノーシャルル選手は、この日は同じFWのシロー・チャットーンと交代で78分から出場し試合終了までプレーています。
  第10節を終了して、開幕から無敗のBGパトゥム・ユナイテッドは8勝2分で2位のチェンライ・ユナイテッドに勝点差6をつけて首位を快走、一方のポリス・テロFCはここ5試合で3分2敗の成績で、通算成績を4勝3分3敗として8位となっています。

ポルトガル1部リーグ-サファウィはトップチーム合流へ
 ポルトガル1部リーグのポルティモネンセSCと契約した代表FWのサファウィ・ラシドは、現地時間10月24日に開催されたU23リーグのマリティモSC U23戦への出場がありませんでした。前節第5節は同じU23リーグのスポルティングCP U23戦に出場し、メディアだけでなくパウロ・セルジオ監督からも高く評価する発言があった一方で、その次の試合ではベンチ入りすらしなかったことから謎が深まっていましたが、その疑問にサファウィ選手が答えています。
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版によると、ポルティモネンセSC U23チームに内に新型コロナウィルス感染者が見つかったことから、サファウィ選手はチームとは別行動を取っていたようです。
 また、サファウィ選手はトップチームのこの翌日からトップチームの練習に参加することも明らかにしており、今週末に予定されているポルトガル1部リーグ第6節のCDサンタ・クララ戦への出場の可能性も出てきています。

制限付き活動制限令延長はマレーシアカップの日程に影響なし-MFL
 昨日10月26日のマレーシア保健省の発表では新規感染者が全国で1200名を超えるなど、連日、1日あたりの感染者数の記録を更新し続ける新型コロナウィルス。収束の気配すら見えないことから、スランゴール州、クアラルンプールそしてプトラジャヤの首都圏に施行されていた条件付き活動制限例CMCOは本日1027日を期限としていましたが、これが11月9日とさらに2週間の延長が発表されています。
 これを受けて国内リーグのMリーグ、さらに来月開催予定のマレーシアカップを主催するマレーシアフットボールリーグMFLが声明を発表し、未消化のMリーグの試合とマレーシアカップは予定通り実施予定であることを明らかにしています。
 Mリーグ1部最終節第11節の未消化試合は1部UITM FC対サバFA、同2部クアラルンプールFA対クチンFA戦がいずれも10月31日に開催予定となっている他、マレーシアカップは11月1日に組み合わせ抽選、1回戦は11月6日開幕という予定がMFLから発表されています。
 マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版は、MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、CMCOが施行されている地域に本拠地を持つスランゴールFC、クアラルンプールFA、PJシティFCそしてUITM FCについて、MFLが適切な試合会場を確保する予定であるとしています。
 「サッカーは産業であり、CMCO施行中に工場が稼働しているのと同様に、試合を続けていくべきである。」とアブドル・ガニCEOは話しています。
 新型コロナウィルス感染拡大に伴い、首都圏には10月14日より本日10月27日まで2週間の期限付き活動制限令が施行され、可能な限り出勤を控えてリモートワークを行うことが奨励されていました。しかし2週間近く経っても感染者数が減るどころか増加を続けており、昨日、この活動制限令のさらに2週間の延長が発表されました。
******
 新規感染者数が1200名を超えたとはいえ、7割以上が東マレーシア(ボルネオ島)のサバ州に集中しており、首都圏ではスランゴール州で200名弱以外はクアラルンプールが10数名、プトラジャやは昨日は新規感染者が0名と、政府が数字を操作しているのではという疑惑が出るほど少ない数でした。

10月21日のニュース:JDTは早くも来季へ向けて主力選手と契約更改開始、リーグ撤退のフェルダUの若きエースはJDTからのオファーを認める、ポリス・テロFCのスマレがタイリーグデビューに前進

JDTは早くも来季へ向けて主力選手と契約更改開始
 Mリーグ1部で7連覇を達成したジョホール・ダルル・タジムJDTが早くも主力選手と来季の契約を結んだことを公式Facebookで告知しています。
 契約期間などの詳細は明らかになっていませんが、「JDTが選手との契約更新」のタイトルで、クラブオーナーのジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下と各選手が契約書にサインをしている写真がFacebookに挙がっています。
 サインをしているのは、クナラン・スブラマニアム、ゲイリー・スティーヴン・ラバット、モハマド・ファリザル・マーリアス、モハマド・アイディル・ザフアン・アブドル・ラザク、アーマド・ハズワン・バクリ、アダム・ノー・アズリン、モハマド・ラマダン・サイフラー・ウスマン、ムハマド・ナズミ・ファイズ・マンソール、そしてムハマド・アキヤ・アブドル・ラシドら、いずれも代表経験があったり、現在も代表でプレーする主力選手です。
 この他、顔がわからなかった選手が数名写っていましたが、他のメディアの報道ではJDT IIのムハマド・アイマン・ダニシュ・アズリ・アブドル・アジムとムハマド・フェロズ・バハルディンということです。

リーグ撤退のフェルダ・ユナイテッドの若きエースはJDTからのオファーを認める
 Mリーグ徹底が発表になった1部リーグのフェルダ・ユナイテッドのダニエル・アミール・ノーヒシャムは、Mリーグ1部チャンピオンのJDTからオファーを受けていることを認める発言をしています。
 「ボーイ」の愛称を持つダニエル選手は、スポーツ専門チャンネルのアストロ・アリーナとのインタビューで、JDTからのオファーを受けていることを認めつつも、契約解除違約金が高額なことから、契約には至っていないと話しています。
 「自分はJDTでプレーをしたいと思っている。JDTが提供してくれる物、つまり(オーナーの)トゥンク・イスマイル殿下が与えてくれるものは、サッカー選手なら誰でも欲しいと思う物であり、自分がプロサッカー選手であることが実感できる物である。」とダニエル選手はインタービューで話しています。
 U23でもプレーしたダニエル選手はインタビューの最後に。来季はどのチームでプレーするかを決める前に、まずはマレーシアカップに集中したいと話しています。
******
 リーグを撤退するクラブが選手の保有権を首長することができるのかどうかはわかりませんが、契約解除違約金を支払う対象はフェルダ・ユナイテッドFCの運営会社なのでしょう。昨年もJDTがオファーを持ちかけたという話が出た際には、契約解除違約金として100万リンギ(およそ2540万円)を設定したことをこのブログでも取りあげましたが、その額が現在も設定されているのかも知れません。
 タイトルには「若きエース」と書きましたが、ダニエル選手が若い割にはケガが多い印象で、その辺りもJDTがダニエル選手に設定された違約金が高いと感じている点かも知れません

ポリス・テロFCのスマレがタイリーグデビューに前進
 タイ1部リーグのポリス・テロFCに加入したマレーシア代表のムハマドゥ・スマレが練習試合でゴールを決めたことが、マレーシア後紙ハリアン・メトロ電子版で報じられています。
 タイ2部リーグのウタニ・タイFCとの練習試合に出場したスマレ選手はポリス・テロFCが4-3で勝利したこの試合で4点目のゴールを決めたということです。14日におよぶ検疫隔離期間をチームと離れて過ごし、先週、チームに合流したばかりのスマレ選手ですが、この試合がタイ入国後、初の実戦経験となりました。
 ポリス・テロFCは今週末の10月25日(日)にホームでのムアントン・ユナイテッド戦が控えていますが、この試合がスマレ選手のタイデビュー戦となるかに注目が集まります。
******
 数日前のコンディションが不十分という報道から一転しての練習試合出場により、いよいよ大リーグデビューが近づいてきたということかも知れません。