2月4日のニュース:クラスニキがマレーシア国籍取得、FAMはプルリス州のクラブに州FAとは関わらないよう警告、AFCが本日緊急総会-コロナウィルスによりACL日程に変更も

クラスニキがマレーシア国籍取得
 今季ジョホール・ダルル・タジムJDTに加入したコソボ出身MFリリドン・クラスニキがマレーシア国籍を取得したことが、マレーシアサッカー協会FAMのホームページにて告知されています。
 クラスニキ選手は、昨季2019年はマラッカ・ユナイテッド(ただしケガのため試合出場はリーグ戦5試合のみ)、その前の4シーズンはクダFAでプレーし、国際サッカー連盟FIFAが規定する帰化選手申請の条件を満たしていました。
 FAMもクラスニキ選手の帰化の意思を確認した上で、同様の条件を満たしているブラジル出身のギリェルメ・デ・パウラ(ペラTBG)とともに、2人の帰化申請を後押しする意向を示していましたが、そのクラスニキ選手は1月1日付でマレーシア帰化申請が認められ、晴れてマレーシア人となりました。
 ただし、残念ながら即、フル代表入りとはいかないようで、FAMはFIFAに対してクラスニキ選手の国籍取得に関する書類等を送付後、審査を経る必要があるようですので、3月に迫ったFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選に間に合うかどうは微妙です。
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 クラスニキ選手は、MFLでは今後はマレーシア人選手登録となるため、JDTは既にいる5人の外国籍選手に加えてクラスニキ選手も同時にフィールド上に入ることが可能です。クラスニキ選手国籍取得のニュースは、マレーシア代表にとっては朗報ですが、JDTのライバルとなるマレーシアフットボールリーグMFLの他クラブにとっては悲報かもしれません。
(右はマレーシア の身分証明書MyKadを得たクラスニキ選手とFAMのりマリンガム事務局長-写真はFAMのホームページより)

FAMはプルリス州のクラブに州FAとは関わらないよう警告
 国際サッカー連盟FIFAは、給料未払い問題を解決しないプルリス州サッカー協会PFAに対し、昨年2019年よりサッカーに関するあらゆる活動の禁止処分を科しています。これに伴いマレーシアサッカー協会FAMは、今季2020年シーズンのMFL3部M3リーグに参加するPFA傘下の3クラブに対し、PFA自体とは無関係でいること、またフロントには元あるいは現PFA関係者を含めないよう警告していると、マレー語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、「プルリス」あるいは「(PFAが運営していたクラブチームの愛称)ノーザンライオンズ」をクラブ名に採用しているクラブにPFAの影響が見受けられる場合には、FIFAの査察が入る可能性や新たな処分が下される可能性があることから、FAMとしても監視を行う意向があることを明らかにしています。
 今季のM3リーグにはプルリス・ユナイテッドFC、クアラプルリスFC、MAHSAノーザンライオンズFCの3クラブが参加しますが、今回の警告は、これらのクラブが対象です。なお、プルリス・ユナイテッドFCについては、PFA関係者がフロントにいることが発覚したことから、先日日程が発表になった今季のFAカップへの出場が認められませんでした
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 PFAに対するFIFAの処分の解除は未払い給料完済が条件となっていますが、プルリスノーザンライオンズFC(当時MFL2部所属)、ノーザンライオンズII(同MFL3部)、プレジデントカップチーム(U21)、ユースカップチーム(U19)、フットサルチーム(男女)に対して300万リンギ(およそ7900万円)を超える未払い給料があるとされており、現時点ではMFLへの参加も認められていないため、スポンサー獲得もできない状態が続いており、未払い給料問題解決の目処は立っていません。

AFCが本日緊急総会-コロナウィルスによりACL日程に変更も
 マレーシアの通信社ベルナマによると、アジアサッカー連盟AFCは明日、本日2月4日にクアラルンプールにあるAFC本部で緊急会合を開催し、中国湖北省武漢市でのコロナウィルス感染拡大による影響を受け、今季のAFCチャンピオンズリーグACL東地区の日程変更を話し合う予定のようです。
 東地区のグループEには北京国安、グループFには上海申花、グループGには広州恒大、グループHには上海上港と、4つのグループ全てに中国のクラブが含まれており、各グループの初戦は2月11日と12日に予定されていますが、オーストラリア政府が外国人の中国からの入国を一時的に禁じているため、オーストラリアサッカー協会は、2月11日に予定されているパース・グローリー対上海申花、2月12日のシドニーFC対上海上港の2試合の延期を求めています。
 多くの国が中国からの入国を一時的に制限している他、中国への渡航を制限或は禁止している国もあり、いずれにしても当初の予定どおりの日程では開催されそうにありません。

1月17日のニュース:フル代表の中東遠征は予定通り実施、マット・ヨーがタイ1部リーグのクラブに正式加入、ケランタンFAとケランタンUが今季のクラブライセンス取得

フル代表の中東遠征は予定通り実施
 フル代表は3月にFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選のアラブ首長国連邦UAE戦を控えていますが、アメリカとイランの対立により中東情勢が緊迫したことによりその実施があやぶまれていました。これについてFAMのダト・ハミディン・・モハマド・アミン会長は、マレーシア内務省やアジアサッカー連盟AFC、またUAEサッカー協会によって安全が保障されたことにより、フル代表の遠征は予定通り実施すると英字紙スター電子版に語っています。
 フル代表はUAE遠征前にバーレーン代表とブキジャリル国立競技場で国際親善試合を行ったのち、3月26日に予定されているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選でアラブ首長国連邦UAEと対戦する予定になっています。
 なおUAE戦後のフル代表は、3月31日にホームでのベトナム戦、6月9日のアウェイでのタイ戦という日程が残っています。なお、6月のタイ戦の前にはクウェート代表との国際親善試合も予定されています。

マット・ヨーがタイ1部リーグのクラブに正式加入
 フル代表でもプレーする33歳のベテランFWノーシャルル・イドラ・タラハの正式加入が新たな所属先となるBGパトゥム・ユナイテッドFCのFacebookで発表されています。既にタイ入りし、健康診断を残すだけという話はこのブログでも一昨日、取り上げましたが、ついに入団が正式に決まったようです。
 昨季タイ2部リーグで優勝し、今季は1部に昇格するBGパトゥム・ユナイテッドFCには、大分から期限付き移籍を終えてタイリーグに復帰するMFティティパン・プアンチャンもおり、ティティパン選手からのパスを受けてノーシャルル選手がゴール!といった場面も見られるかも知れません。
(写真はBGパトゥム・ユナイテッドFCのFacebookより)

ケランタンFAとケランタンUが今季のクラブライセンス取得
 MFL2部のケランタンFAとケランタン・ユナイテッドFCがマレーシアフットボールリーグMFL参加に必要なクラブライセンスを取得したことをマレーシアの通信社ベルナマが報じています。
 ケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会のフシン・デラマン事務局長によると、マレーシアサッカー協会FAMとアジアサッカー協会AFCが規定したライセンス取得のための6条件の内の5つを満たしていることから、ケランタンFAに条件付きではあるもののライセンスが発行されたとのことです。
 また昨季はMFL3部にあたるM3リーグで優勝し、今季からMFL2部でプレーするケランタン・ユナイテッドFCのワン・モハマド・ズル・イクマン事務局長は、ライセンス取得により新たな選手との契約が可能となったことから、戦力を強化してリーグ戦に臨みたいとベルナマに語っています。
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 クラブライセンスを獲得したとはいえ、ケランタンFAはFAMから最後通帳を受けた3クラブの1つです。クラブライセンス取得条件の残る1つの条件は財政面ということで、給料未払い問題と関連している可能性もあります。2018年シーズン終了後、自動昇格となる条件を満たさないまま3部からMFL2部に参加したものの、リーグ開幕後に出場停止処分を受けたプルリスFAのようなことにならないよう、FAMとMFLには厳格な審査をお願いしたいです。

1月9日のニュース:フェルダUにはオバメヤンのチームメートが加入、JDT IIに昨季MFL1部の得点王と日本人選手が加入、FIFAはFAMに対して罰金処分

フェルダUにはオバメヤンのチームメートが加入
 英字紙スター電子版は、マレーシアフットボールリーグMFL1部のフェルダ・ユナイテッドにMFフレデリック・ビュロがJ2リーグの岐阜FCから加入したと報じています。
 岐阜FC時代はフレデリックの登録名だったビュロ選手は、フランス、イギリスなどでプレー経験がある現役のガボン代表選手で、英国プレミアリーグ、アーセナル主将で快速FWピエール=エメリク・オバメヤンとはガボン代表でチームメートです。
 わずか1日のトライアウトでその技術に魅了されたというフェルダ・ユナイテッドのニザム・ジャミル監督は、今季のフェルダ・ユナイテッドの攻撃の中心になる選手と評価した上で、様々な国でのプレー経験は若手主体となる今季のチームにとって貴重だとし、またその控えめな姿勢がチームに良い作用を与えてくれるだろうと話しています。
 ビュロ選手の加入により、フェルダ・ユナイテッドは今季の陣容が決まりましたが、昨季在籍した渡邉将基選手、池田圭選手ら外国籍選手だけでなく、ハディン・アズマンらマレーシア人の主力選手の多くが去ったことにより、残留争いの一番手と目されていたチームは、カイルル・アムリ(シンガポール)以外は総入れ替えとなった外国籍選手枠も5人全てが埋まりました。
 シンガポールリーグのタンピネス・ローバーズ時代にはカイルル選手と攻撃陣をリードしたMF恵龍太郎選手、DFニコラ・ラスポポヴィッチ(セルビア、チェコリーグ2部のFKデュクラ・プラハより加入)、FWニコラス・ヴェレズ(アルゼンチン、ポルトガルリーグ1部のベレネンセスより加入)にビュロ選手が加わった布陣は十分な補強ができているように見えます。
 ニザム監督は外国籍選手の若返り(昨年は全員が30歳以上)により、バランスの取れたチーム構成になっていること、そして単なる数合わせといったシーズン前の評判を覆したいと話しています。

JDT IIに昨季MFL1部の得点王と日本人選手が加入
 マレーシアフットボールリーグMFL1部のジョホール・ダルル・タジムJDTはFacebook上で、JDTのBチームでMFL2部所属のJDT IIに昨季のMFL1部の得点王FWフェルナンド・ロドリゲス(前クダFA)とMF廣瀬慧(前インドネシアリーグ1部プルセラ・ラモンガン)両選手の加入を発表しています。
 昨季はクダFAで21ゴールを挙げたスペイン出身のロドリゲス選手は、今季はクダFAとの契約が更新されず、母国のリーグへ戻るのではとされていましたが、何とMFL2部のチームとの契約を選んだようです。とは言え、マレーシアでの実績は申し分ないので、AチームのJDTの外国籍選手の誰かが不調になれば直ちに入れ替えとなる可能性があります。
 また昨季はインドネシアでプレーした24歳の廣瀬選手は、プルセラ・ラモンガン加入1年目ながら34試合に出場し2ゴール、8アシストを記録しています。
 なお英字紙スター電子版によると、両選手とも2年契約を結んだとのことです。
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 今季は国内の試合の他、AFCチャンピオンズリーグなどが控えるJDTは、過密な日程に対処するため、今回獲得し両選手も含めていわゆるローテーション制を導入する可能性もあり、開幕時はMFL2部の両選手を1部で見ることができるかも知れません。
 なお廣瀬選手のJDT II加入により、今季2020年シーズンにMFLでプレーする日本人選手は恵龍太郎選手(フェルダ・ユナイテッド)、廣瀬慧選手(JDT II)、鈴木ブルーノ選手(トレンガヌFC II)、中武駿介選手(ヌグリ・スンビランFA)、鈴木裕太選手(クチンFA)の5名となりました。
(写真左からJDTIIのラファ・ギル監督、フェルナンデス選手、廣瀬選手、アリスター・エドワーズJDTテクニカルダイレクター。JDTのFacebookより)

FIFAはFAMに対して罰金処分
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、国際サッカー連盟FIFAがマレーシアサッカー協会に対し、サポーターによるフーリガン行為が発生したことを理由に5万スイスフラン(およそ562万円)の罰金を課したと報じています。
 昨年11月19日にブキジャリル国立競技場で行われたFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選のマレーシア対インドネシア戦では、41人のサポーターが逮捕された他、暴動鎮圧部隊が出動する事態となっていました。
 また10月10日にハノイで行われたワールドカップ予選ベトナム戦では、試合後に義務付けられている記者会見を頭痛を理由にキャンセルしたマレーシア代表のタン・チェンホー監督がFIFAより警告を受けています。
 なお今回のワールドカップ予選ではマレーシアも属するグループGのインドネシアが、ホームで行われたマレーシア戦とタイ戦でのサポーターによるフーリガン行為のため、24万5000スイスフラン(およそ2750万円)の罰金と1試合の無観客試合という処分を受けています。

11月28日のニュース:クダFAが来季の布陣を発表、マラッカUも新たな外国籍選手2名の加入を発表、最新FIFAランキングでマレーシアは154位に上昇

クダFAが来季の布陣を発表
 今季2019年はマレーシアフットボールリーグMFL4位、FAカップ優勝、マレーシアカップ準優勝と好成績を収めたクダFAはFacebookで来季の布陣を発表しています。
 今季のメンバーからは主将のMFバドロル・バクティアル、GKイフワット・アクマル・チェ・カシム、MFファルハン・ロスラン、DFリザル・ガザリや、DFレナン・アウヴェス(ブラジル)、シャキール・ハムザ(シンガポール)など主力選手が残る一方で、昨日の記事で取り上げたMFイルファン・ザカリア(今季の所属はKLFA)や、今季はフル代表にも招集されたハディン・アズマン(同フェルダ・ユナイテッド)、U19やU22代表でのプレー経験もあるFWジャフリ・フィルダウス・チュー(PKNS FC)、また以前このブログでも取り上げたの他、今季のリーグ得点王FWクパー・シャーマン(同PKNS FC)、昨季のリーグ得点2位FWチェチェ・キプレ(同トレンガヌFC)とMFLでの経験豊富な二人の協力FWを獲得しています。また東京生まれのマレーシア人MFタム・シイアンツンの獲得も発表されています。
 この他、外国籍枠(アジア人枠)が空席のため、現在日本滞在中のアイディル・シャリン監督が日本人を連れてくる可能性もあり、クダFAの補強はまだまだ続きます。
 さらに来季のスポンサーにかつてはFCバルセロナ、現在はASローマなどの「胸スポンサー」となっているカタール航空とスポンサー契約の話し合いが進んでいるようで、現在、クダ州サッカー協会の会長でもあるムクリズ・マハティール クダ州知事(マハティール・モハマド首相の息子)がカタールのドーハで会談中とのこと。強力なスポンサーを獲得できれば、さらに補強も進みそうです。
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 今季2019年のFAカップ優勝チームとして、クダFAは来季2020年アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLの予選への出場権を得ています。初戦となる二次予選は香港リーグのチャンピオン大埔足球会(タイ・ポFC)との対戦ですが、これに勝っても最終予選では中国、韓国、日本といったアジアの強豪のクラブと本戦入りをかけて戦うことになります。新布陣発表の記者会見の席上で、クダFAを統括するクダ州サッカー協会のアナス・ハフィズ・ムスタファ副会長はサポーターに対してこのACL予選を真剣に考えており、予選出場に満足するつもりはないと述べていますが、来季のクダFAはその言葉を信じて良いと思わせるくらい期待できるメンバーを揃えており、ACLだけでなく、国内リーグでも打倒JDTの一番手となりそうです。

マラッカUも新たな外国籍選手2名の加入を発表
 MFL1部のマラッカ・ユナイテッドを統括するマラッカ州サッカー協会MUSAは、今季2019年はMFL2部のPDRM FCでプレーしたナイジェリア出身のFWウチェ・アグバとジャマイカ代表でブレー経験のあるFWデショーン・ブラウンの加入をFacebookで告知しています。
 33歳のアグバ選手は今季の2度目のトランスファーウィンドウ期間にPDRM FCに加入し、PDRM FCのMFL2部3位という成績達成に貢献し、この結果、PDRM FCはMFL1部昇格を果たしています。
 一方、28歳のブラウン選手は、アメリカのメジャーリーグサッカーMLSのラピッド・コロラドやDCユナイテッドでもプレーし、今季はMLSの実質的な2部リーグにあたるユナイテッドサッカーリーグUSLのオクラホマシティエナジーに在籍しました。
 マラッカ・ユナイテッドは、韓国出身のDFチャン・ソクウォンが残留する他、スランゴールFAのBチーム化が決まったPKNS FCからMFロメル・モラレスが加入しており、アグバ選手とブラウン選手の加入で外国籍枠5つのうち4つが埋まりましたが、MUSAのダミアン・ヨー・シェンリー会長は、今季は外国籍選手のアセアン枠については選手の獲得を考えておらず、若手に出場機会を与えたいと話しており、外国籍選手の補強については、これで終了のようです。

最新FIFAランキングでマレーシアは154位に上昇
 最新となる11月のFIFAランキングが発表され、マレーシアは前回より4つランクを上げて154位となっています。
 2019年の試合が終了したFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選でマレーシアと同じグループGの各国は、予選1位のベトナムが3つランクを上げて94位、マレーシアに続く予選3位のタイが4つランクを下げて113位、予選4位のアラブ首長国連邦UAEがやはり4つランクを下げて71位、予選5位のインドネシアは2つランクを下げて173位となっています。
 他の東南アジアの国々では、フィリピンが2ランク上げて124位、ミャンマーが11ランク上がって136位、シンガポールが2ランクを上げて157位、カンボジアは1ランク下げてインドネシアと並び173位、、ラオスは変わらず188位、ブルネイも変わらず191位、東ティモールは2ランク上げて196位となっています。その他の国のランキングはこちらです。


11月27日のニュース:FAMはMFL各クラブに今季の未払い給料問題に関する申告を義務づけ、ブキ・ジャリル管理会社はインドネシア戦の施設破壊の賠償をFAMに請求、イルファン・ザカリアはシーゲームズに集中

FAMはMFL各クラブに今季の未払い給料問題に関する申告を義務づけ
 マレーシアサッカー協会FAMは、2020年にマレーシアフットボールリーグMFLに参加する全てのクラブに対して、現在抱えている未払い給料とそれをどのように解消するかの計画の申告を12月15日に行うことを義務付けたと発表しています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、今季発生した未払い給料や、日本の年金に当たる授業員積立基金EPF、所得税なども含めた負債を来季まで持ち越させないための措置であると述べ、未払い給料や負債を抱えるクラブを罰することが目的ではなく、各クラブがそういった金銭面の問題を抱え込まず、解決するためが目的であるとしています。
 「未払い給料の完済と負債の解消は各クラブがその責任を負うものであり、今季中に全てを解決し、来季に持ち越さないことを宣誓すること、また全ての未払い給料や負債を隠さず、明らかにすることを求め、それが守られない場合には、すでに各クラブが取得している来季のクラブライセンスをFAMが無効にする措置を取ることもありうる。」とマレーシアの通信社ベルナマにラマリンガム事務局長は述べています。
 また選手に対しては、今季の未払い給料が完済されない場合には、FAMに申し立てを行うことを求めており。そういった申し立てを受けた場合、FAMがクラブに対して指導を行うとしています。
 給料未払い問題では、MFL2部のケランタンFAが2017年にテクニカルダイレクターTDとして契約したウルグアイ出身のアルフレド・カルロス・ゴンザレスに対する未払い給料23万5686リンギ(およそ620万円)を指示された期間内に完済しなかったことから、FIFAの裁定により今季のMFLで勝点3を剥奪されています。

ブキ・ジャリル管理会社はインドネシア戦の施設破壊の賠償をFAMに請求
 ブキ・ジャリル国立競技場を管理するマレーシアスタジアム社は、11月19日に行われたFIFAワールドカップ2022大会アジア二次予選のインドネシア戦で、インドネシアサポーターによって破壊されたスタンドの座席の補修費用として1万1000リンギ(およそ29万円)をこの試合の主催者であるFAMに請求すると、ベルナマが伝えています。
 マレーシアスタジアム社のニック・ラジーン・アダム・ダウドCEOは、この賠償額は破壊された44席の補修費用であると発表しています。

イルファン・ザカリアはシーゲームズに集中
 先日新たにクアラルンプールサッカー協会会長に就任したカリド・アブドゥル・サマド会長は、統括するMFL2部のクアラルンプール(KL)FAを2021年シーズンには再びMFL1部に昇格させるとして、大幅な選手入れ替えを示唆、今季2019年在籍選手中18名が来季はKLFAでプレーしないことが発表になっています。
 現在、フィリピンで開催中の東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場中のマレーシアU22代表にオーバーエイジ枠で参加しているイルファン・ザカリアも、KLFAが来季契約を結ばない選手の一人ですが、イルファン選手はマレーシアの通信社ベルナマの取材に対して、自分の所属先を考える前に今はシーゲームズに集中し、優勝を目指したいと語っています。
 2016年からKLFAでプレーするイルファン選手については、ベルナマの記事ではKLFAからは来季へ向けて契約更新の打診があったようですが、イルファン選手は退団を選び、来季の所属先については急いで決めるつもりはないとしています。
 退団決定後から複数のクラブが獲得に動いているとされますが、U22代表のオン・キムスイ監督は、シーゲームズに集中させるため、MFL各クラブには大会終了までは接触を控えて欲しいとベルナマの取材に答えています。

11月20日のニュース:チケット読み取り機の不具合で多数のファンがキックオフを見逃す、警察は41名のサポーターを拘束

今日のマレーシアメディアは電子版、活字版とも昨日のインドネシア戦勝利一色ですが、この試合に関連する記事を拾ってみました。

チケット読み取り機の障害で多数のファンがキックオフを見逃す
 マレーシアサッカー協会FAMは今季より、代表戦のチケット販売をそれまでの試合会場の窓口だけでなく、オンラインでも行うようになりました。これに伴い、入場口ではチケット上のバーコードを読み取り機に表示することで入場が可能になりました。しかし 英字紙ニューストレイトタイムズNST電子版では、この日の試合会場となったブキ・ジャリル国立競技場の入場口に設置されたチケット読み取り機の不具合で多くのファンが試合開始後も入場できずにいたことを報じています。
 こういったファンの中には、係員に怒りをぶつける者、また柵を乗り越えて入場しようとした者もいたようで、現場にいたNST記者が係員に状況を問うと、「システム上の問題」との答えが返ってきただけで、それ以上の回答は得られなかったようです。
 またスタジアム内では、座席に不満を抱えるファンをなだめる姿も見られたとも報じています。チケットのオンライン販売と同時に、チケットには座席番号も記載されるようになりました。日本では当たり前のシステムですが、こちらでは浸透しておらず、スタジアムでは皆、早い者勝ちで座席を確保します。このため、自分のチケットに記載された番号の座席に他人が座っていることもあり、それが争いに発展してしまうこともあるようです。(筆者も経験済みです。)このため、FAMではFacebookで、座席番号に従うことを促す下記のような注意も行っています。(「他のサポーターの座席に座らず、自分のチケットの座席番号に従いましょう。」と書かれています。)

警察は41名のサポーターを拘束
 マラッカ海峡を挟んて向かい合うマレーシアとインドネシアは、政治、経済、文化で橋梁苦な結びつきがある反面、強烈なライバル関係にもありますが、それはサッカーにも色濃く反映されています。ワールドカップアジア二次予選の初戦となった9月5日のジャカルタでのインドネシア戦では、1万人を超える保安要員を配置しながら、スタジアムの訪れたマレーシアサポーターに対してインドネシアサポーターが投石を行い、試合開始後もファンの乱入で試合が一時中断するなどし、最終的にはインドネシアサッカー協会PSSIはFIFAから罰金処分を受けました。
 同様の状況に備えて、マレーシア警察は1,400名を超える警察官を配置して対応しましたが、英字紙マレーメイル電子版では、試合中には発煙筒が投げこまれ、試合後にはサポーター同士の衝突は起こってしまったことを報じています。
 インドネシアサポーター6,000人を含む85,000人を超える観衆が詰めかけた試合では、サファウィ・ラシドが先制ゴールを決めた直後に発煙筒がピッチに投げ込まれ、試合終了後には、こんどはマレーシアサポーターが陣取るエリアに向かって発煙筒が投げ込まれたようです。また試合後にはマレーシアサポーターとインドネシアサポーターがスタジアムの外で衝突し、マレーシア警察の暴動鎮圧部隊が動員された他、一部のインドネシアサポーターは試合終了後もスタジアム内にとどまるように命じられたと報じています。またマレーシア人サポーター24名、インドネシアサポーター17名が警察に拘束されたものの、その後は全員が釈放されています。
(発煙筒がピッチに投げ込まれる-マレーシアの通信社ベルナマの記事より)

11月19日のニュース(2):マレーシアはインドネシアにホームで勝利!

 11月19日にクアラルンプールのブキ・ジャリル国立競技場で行われたFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ予選グループGの試合は、マレーシアがサファウィ・ラシド(JDT)の2ゴールでインドネシアに勝利し、勝点3を獲得しました。
 ここまでワールドカップ予選全ての試合に先発したシャフィク・アーマド(JDT)を累積警告で欠く中、タン・チェンホー監督はノーシャルル・イドラ・タラハ(パハンFA)をシャフィク選手の代わりに起用するだろうと言う大方の予想に反して、本来はウィングのモハマドゥ・スマレ(パハンFA)をいわゆる」フォールス9」のような形で中央に配置し、スマレ選手本来のポジションにはアキヤ・ラシド(JDT)を起用するこれまでにない布陣で臨みました。

 勝たなければいけない重圧からか、動きの重いマレーシアは、徐々にペースを掴み始めたところで、先発したGKカイルルアザン・カリドが20分にインドネシアFWフェブリ・ハリヤディのシュートを好セーブするも、その際に負傷し退場となってしまいます。重苦しい空気が漂う中、30分にペナルティエリアの外でラシド選手が、DFヤント・バスナに倒されフリーキックを得ます。ゴールやや右寄りの得意の位置からラシド選手が左足で蹴ったフリーキックはそのままゴールへ飛び込み、マレーシアが先制しました。試合はその後一進一退を繰り返して前半が終了しました。
 後半に入ると、タン監督はアキヤ選手に変えて、ノーシャルル・イドラン・タラハ(パハンFA)を投入、スマレ選手は本来の左サイドに戻り、ノーシャルル選手が中央に陣取りました。そして73分にはゴールライン上のボールをヤント・バスナに競り勝ったサファウィ選手が豪快に蹴り込み、マレーシアは2−0とリードを拡げました。
 途中まではブレンダン・ガン(ペラTBG)とともに前線からペナルティーエリア付近までを豊富な運動量でカバーしたシャマー・クティ・アバ(JDT)が終了間際にボールを奪われ、飛び出したファリザル・マーリアス(JDT)がインドネシアの選手を倒してPKを与えますが、これをしっかりとセーブしたファリザルの堅守が光りました。
 インドネシアの拙攻もあり、なんとか逃げ切ったマレーシアは、今回の予選で初完封勝ちし、サファウイ選手はMOM「マンオブザマッチ」喪受賞しています。

 マレーシア代表は、今季の公式戦が終了。ワールドカップ予選では、タイとベトナムが0−0で引き分けたため、タイを抜いて2位につけています。

11月17日のニュース:マレーシアサポーター向けチケットをインドネシアサポーターに売却しないよう警告、主力を欠いた布陣で正念場のインドネシア戦に臨む代表、インドネシア戦のチケットは既に7万枚以上が販売済み

マレーシアサポーター向けチケットをインドネシアサポーターに売却しないよう警告
 先日のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選のタイ戦に勝利し、11月19日の同インドネシア戦が控えるマレーシア代表ですが、マレーシアサッカー協会FAMとマレーシア警察は共同で、マレーシアサポーターに対してこの11月19日の試合のチケットをインドネシアサポーターに売却しないように警告しています。
 マレーシアの通信社ベルナマの記事によると、先日のタイ戦では、タイサッカー協会を通じてタイサポーター向けに2500枚のチケットが用意されていましたが、実際にはその倍以上の5000人のサポーターがブキ・ジャリル国立競技場で観戦したとされています。
 これを受けてFAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、保安上の問題からマレーシアサポーターとインドネシアサポーターが接触しないような座席配置を行なっているFAMとサポーター同士のトラブルを回避したい警察の仕事を難しくする者だとして、マレーシアサポーターにインドネシアサポーターにチケットを売却したり、チケット購入を手伝うことのないよう警告しています。また、FAMはインドネシアサッカー協会PSSIの要請により4500枚のチケットを用意しており、PSSIの責任で手配することになっているとしています。
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 マレーシア代表にとってワールドカップ予選の初戦となったアウェイのインドネイシア戦では、インドネシアサポーターがマレーシアサポーターへ投石するなどの騒動が起こり、FIFAはPSSIに罰金処分を科しています。チケットが入手できないインドネシアサポーター相手に法外な値段でチケットを売りつけるダフ屋行為が行われればマレーシアサポーターの中にインドネシアサポーターが混在する危険な状況も起こりえます。また、特にマレーシアには隣国ということで国内のインドネシア人労働者の数は100万人前後とされており、彼らが母国の応援に大挙してスタジアムへ押しかけることも十分考えられることから、最悪の事態を避けたいFAMと警察が警告を発しているというわけです。

主力を欠いた布陣で正念場のインドネシア戦に臨む代表
 11月12日のワールドカップ予選

タイ戦に勝利し、2勝2敗と星を五分に戻したマレーシア代表。予選グループGの上位3チームに離されないためには、11月19日のインドネシア戦でも勝利が必須ですが、この試合は主力を欠いた苦しい布陣になりそうです。
 タイ戦からワントップとなったシャフィク・アーマド(JDT)とここまでの4試合中3試合に先発した右サイドバックのマシュー・デイヴィーズ(パハンFA)がいずれも累積警告のため、インドネシア戦は出場停止となっています。またタイ戦ではデイヴィーズ選手に代わって先発した同じ右サイドバックのシャミ・サファリ(スランゴールFA)はタイ戦で太腿を痛め、途中退場しています。
 この状況に関して、代表のタン・チェンホー監督は追加招集は考えていないとマレーシアの通信社ブルナマの取材に答えています。その一方でここまでワールドカップ予選4戦全敗のインドネシアはいわば「手負いの獅子」であり、解任されたサイモン・マクメネミー前監督の後任のイェイェン・トゥネマ監督代行を優れた戦術かと評価するタン監督は、タイ戦の勝利を忘れて目の前の試合に集中したいと話しています。

インドネシア戦のチケットは既に7万枚以上が販売済み
 スポーツ系オンラインメディアのフォックススポーツによると、11月19日のワールドカップ予選インドネシア戦のチケットは本日11月17日の時点で既に74,038枚が販売済みとのことで、久しぶりにブキ・ジャリル国立競技場が満員となりそうです。 しかもこの数字はネット販売のみと数字ということで、試合日までに全ての座席が売れて仕舞えば、試合当日のチケット販売はない可能性もあると伝えています。なお、メインスタンドとプレミアム席はすでに売り切れで、バックスタンドのチケットだけが残っているということです。
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 新国立競技場(収容可能観客数7万人弱)や横浜国際総合競技場(日産スタジアム、同7万人強)を上回る8万7000人の収容可能なブキ・ジャリル国立競技場は世界でも有数の巨大スタジアムです。代表戦では久しく満員になっていませんが、先日のタイ戦の勝利によって多くのマレーシアサポーターに再び希望を与えてくれた代表を後押しするような満員の観客が押しかける可能性はありそうです。
(チケットの売り切れが近いことを告知するFAMのFacebookポスト) 

11月14日のニュース(2):マレーシアはタイに逆転勝ち!

 FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ予選グループGで、マレーシア代表はタイ代表に2-1と逆転勝利し、次戦以降に希望が繋がる貴重な勝利を挙げています。
 0-1と敗れた前節のベトナム戦のメンバーから2名を入れ替えたタン・チェンホー監督でしたが、その2名が起用に応えて活躍しました。GKカイルルアズハン・カリドは好セーブでタイの攻撃を1点に抑え、DFシャミ・サファリとMFシャマー・クティ・アッバは豊富な運動量でタイ守備陣を撹乱しました。
(以下はこの試合のマレーシア代表のスターティングXI)

 試合は動きが重いマレーシアに対してタイが積極的に攻める展開となり、開始から7分でチャナティップ・ソングラシンのゴールでタイが先制します。
 この試合に負ければワールドカップどころかアジアカップ出場も遠のくマレーシアは、この1点を取られたことで徐々にエンジンがかかり始め、26分には左サイドを上がったラヴェル・コービン=オングからのボールをシャマー・クティ・アッバがゴール前へのブレンダン・ガンへクロス。これをブレンダン・ガンが決め、マレーシアが同点に追いつきます。
 そして56分にはサファウィ・ラシドからのパスを受けたブレンダン・ガンがタイDFラインの裏へ浮き球でパスし、これをムハマドゥ・スマレがボレーシュート。タイのGKシワラック・テースーンヌーンが触れるもボールはゴール内へ飛び込み、マレーシアが逆転します。
 ホームのブキ・ジャリル国立競技場ではタイに負けたことのないマレーシアは、この後、全員が最後まで走り続け、身体を投げ出して守り切り、貴重な勝利を挙げています。
 なおこの日、ホームでアラブ首長国連邦UAEを1−0で破ったベトナムが勝点10で首位、勝点7のままのタイが2位、UAEとマレーシアはともに2勝2敗の勝点6ですが得失差でUAEが3位、マレーシアが4位、この日試合のなかったインドネシアは勝点0の5位となっています。
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 1ゴール1アシストと活躍したブレンダン・ガン(ペラTBG)は、いわゆるボックストゥボックスプレイヤーの評価通り、攻撃に守備に活躍し、マンオブザマッチなのは誰の目にも明らかでしょう。またタジキスタン戦では、今一つポジショニングがはっきりしなかったシャマー・クティ・アッバが攻撃的MFとして豊富な運動量で守備を引きつけ、その結果、シャフィク・アーマドが動くスペースを作ることができるようになった今回の布陣は、次戦11月19日のインドネシア戦でも見てみたい布陣です。(写真はマンオブザマッチとなったブレンダン・ガン)

11月12日のニュース:タイ・インドネシア戦に向けて代表メンバー発表、JDTIIは元ラ・リーガアカデミー指導者を新監督に任命、ナショナルフットボールアウォーズではJDTが席巻か

タイ・インドネシア戦に向けて代表メンバー発表
 FAMのホームページでは、11月14日に開催されるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選となるタイ代表戦と同19日のインドネシア戦に出場する代表メンバーを発表しています。23名の顔ぶれはこちらです。
 この23名中、DFムハマド・シャズワン・ビン・アンディック、MFムハマド・アフィク・ビン・ファザイル(いずれもJDT)、MFバドロル・ビン・バクティアル(クダFA)はいずれも代表経験者ですが、今回のW杯予選では初招集となります。
 また候補合宿に招集された26名からは、FWシャレル・フィクリ・モハマド・ファウジ、GKナジルル・ナイム・チェ・ハシム(いずれもペラTBG)、MFムハマド・ファルハン・ビン・ロスラン(クダFA)の3名が外れています。
 いずれの試合もブキ・ジャリル国立競技場で開催されます。
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 タイ戦は昨年末のスズキカップ以来ですが、この時のタイ代表はMFチャナティップ・ソングラシン(札幌)やDFテーラトン・ブンマタン(横浜)らを招集せず、準決勝ではアウェイゴールルールでマレーシアに敗れています。しかし、この当時のチームとは監督も含め大きく変わっており、タン・チェンほー監督率いるマレーシアにとっては非常に厳しい試合となりそうです。
 先日のタジキスタン戦を見た印象では、個ここ数試合固定されている右サイドバックのマシュー・デイヴィーズ(パハンFA)に代えて、今回の東南アジアサッカー連盟AFFアウォーズでタイ戦でのゴールスズキカップのベストゴール賞を獲得したシャミ・サファリ(スランゴールFA)をタイ戦で再び起用するのかどうかが気になります。
 それともう一つ。今回の代表23名の中には、JDTのBチームであるJDT IIのGKムハマド・ハジック・ナズリと、JDTから期限付き移籍でタイのポリステロFCでプレーするDFドミニク・タンを含めると12名の選手がJDT所属です。リーグ6連覇中と国内ではダントツの強さを誇るJDTですが、興味深いのはこの人選に表立った批判が出ていないことです。昨年2018年3月には、アジアカップ2019年大会予選でモンゴル戦で2-2の引き分け後、タン監督がファンのプレッシャーに屈する形で選ばれていたJDTの選手14名全員を代表から外すという出来事もありました。この時のような批判が出ないのは、マレーシアの多くのサッカーファンがJDTの強さを認めたということなのかもしれません。

JDTIIは元ラ・リーガアカデミー指導者を新監督に任命
 マレー語紙ブリタハリアン電子版によると、マレーシアフットボールリーグMFL2部のJDT IIは、エルヴィン・ボバン氏の辞任後、空席となっていた監督のポストにマラガCFの元アカデミーおよびスカウト責任者のラファエル・ギル・サンチェス氏の就任を発表しています。
 この他、マラガCFのU23チームやサウジアラビアU17代表で監督経験を持つギル新監督には、アカデミーからの昇格選手を含めたJDTのBチームであるJDT IIの若い選手たちがJDTと同様のプレースタイルを身につけ、JDTへ昇格してもすぐ活躍できるよう成長させることが求められていると、JDTのアリスター・エドワーズTD(テクニカルダイレクター)がJDTのホームページで語っています。

ナショナルフットボールアワーズではJDTが席巻か
 11月15日に行われる今季2019年のナショナルフットボールアワーズABKでは、JDTが各賞を席巻するだろうとブリタハリアン電子版が伝えています。
 ABKでは、最優秀選手MVP、最優秀若手選手、最優秀監督、最優秀FW、最優秀MF、最優秀DF、最優秀GK、最優秀外国籍選手、最優秀ASEAN選手、得点王ゴールデンブーツ賞、最優秀クラブ、最優秀サポーターの他、ファン投票によって選ばれる最高人気選手、同じくファンが選ぶベストイレブンなどが選ばれます、
 ブリタハリアンの予想では、年間最優秀選手賞の最有力候補は、昨年2018年の受賞者でもあるサファウィ・ラシド(JDT)。JDTが優勝したマレーシアカップでは合計11ゴールを挙げ、9ゴールのディクソン・ヌワカエメ、7ゴールのラザラス・カイムビ(いずれもパハンFA)、8ゴールのフェルナンド・ロドリゲズら外国籍選手を抑えて得点王を獲得しています。
 なおブリタハリアンは、最優秀監督賞、最優秀GK賞などもJDTの監督、選手が獲得する可能性が高いとしています。
(以下はマレーシアフットボールリーグMFLのFacebookに掲載されているABK各賞のノミネート選手。上から順にベストFW、ベストMF、ベストDF、ベストGK、ベスト外国籍選手、ベストアセアン選手)