6月1日のニュース:Mリーグは8月に再開の可能性も、「マレーシア人選手はタイリーグを目指すべき」-マットヨー、そこでタイリーグでプレーすべきマレージア人選手7人

Mリーグは8月に再開の可能性も
 6月9日に予定されている条件付き活動制限令CMCOの解除が近づいてきました。これまで何度か延長が繰り返されてきた活動制限令も、今回は解除されることが予想されていますが、そうなれば予定を前倒しにして8月のリーグ再開の可能性があると、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 マレーシア政府の国家安全保障委員会と保険省は今月6月中に、Mリーグ再開時期を決定するとしています。
 マレーシアサッカー協会FAMとMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは4月には、標準業務手順SOPを設けた上で9月のリーグ再開許可をマレーシア政府へ申請しましたが、今月6月9日に予定通りCMCOが解除された場合、7月には通常のチーム練習の再開、そして8月にはリーグが再開される可能性があるとして、各方面と協議に入っているということです。
 また、8月にMリーグが再開となれば日程に余裕ができ、選手のケガや疲労などの不安が解消されるだけでなく、10月に再開予定のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選にも選手が万全の状態で臨めるなどの利点もあるとしています。

「マレーシア人選手はタイリーグを目指すべき」-マットヨー
 今季からタイ1部リーグのBGパトゥム・ユナイテッドでプレーするマットヨーことノーシャルル・イドラン・タラハは、マレーシア人選手にタイリーグでのプレーを目指すべきと話していると、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 スタジアムアストロに関連するスポーツニュース番組のナディアリーナに出演したノーシャルル選手は、タイを目指すべき理由として給料の支払いが遅延なく行われることを一番の理由に挙げています。「経営陣も練習施設も充実しているが、給料の支払いはMリーグのクラブよりもはるかに確実に行われている。」と話しています。
 実際にMリーグ1部スーパーリーグの選手数名がノーシャルル選手に現地の状況を問合せ、タイでプレーする可能性を考えて情報収集を行っていることも明らかにしています。
 「タイのクラブと同様の環境が得られるのは、マレーシアではジョホール・ダルル・タジムJDTくらいであり、マレーシア人選手はタイでプレーすることを考えるべきだ。」と話しています。
 タイでのプレーに関心があり、ノーシャルル選手に問い合わせてきた選手の中には代表選手も数名いるということです。
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 マレーシア国内ではケランタンFA、JDT、パハンFAなどでプレーし、代表のキャップ数も80を数えるノーシャルル選手。往年のキレは無くなったものの、タイリーグでプレーしてくれていることで、後進への道筋は付けられたということでしょうか。
 なおタイ1部リーグでは、ノーシャルル選手のほか、ドミニク・タンがポリス・テロFCでプレーしています。

そこでタイリーグでプレーすべきマレージア人選手7人
 上のような記事が出るとすぐに関連記事を掲載するサッカー専門サイトのヴォケットFCが今回も早速、やってくれました。
 現時点では東南アジアでトップといえるタイリーグでプレーすべきマレーシア人選手としてヴォケットFCが選んだのは以下の7人です。僭越ながら、その後に個人的なコメントも書いてみました。
1 シャフィク・アーマド(ジョホール・ダルル・タジム)
現時点では国内のトップストライカーとされるシャフィク選手は、国外で揉まれることより良い選手となれるだろうと、ヴォケットFCは評しています。
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FIFAワールドカップアジア二次予選での2ゴールを含め、昨年は代表では5ゴールを挙げる安定したパフォーマンスを発揮しながら、JDTでは絶対的なエースとはなり切れていないシャフィク選手。25歳という年齢を考えると、JDTでのプレーに拘らず、他のクラブで飛躍をして欲しいという思いは私も同感です。

2 ノー・アザム・アジー(パハンFA)
アザム選手はパハンFAと代表の中盤のキープレーヤー。タイリーグでプレーすることで、その実力が磨かれるだろうとしています。
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代表でもレギュラーとして活躍するアザム選手で気になるのはその線の細さ。選手層があまり厚くない代表では、25歳ながら換えの効かない選手なので、タイリーグでプレーして当たりに強い選手になって欲しいです。

3 シャルル・サアド(ペラTBG)
国内でトップのDF(センターバック)は2018年のマレーシアカップ優勝に貢献するなど実績もあります。さらなるレベルアップを目指して国外でプレーするべきとしています。
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個人的にはポカの多い選手という印象が強いシャルル選手ですが、センターバックに人材不足の代表ではやはり欠かせない選手です。27歳という年齢も国外でのレベルアップには最後のチャンスかも。

4 アダム・ノー・アズリン(JDT)
代表ではアイディル・ザフアンとシャルル・サアドの影に隠れることが多いですがアダム選手ですが、国外でプレーすることでワンランク上の選手になってくれるでしょう。
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シャフィク・アーマド同様、24歳ながら代表で準レギュラーとしてプレーしながら、JDTでは絶対的なレギュラーに慣れていないアダム選手に求めたいのは、確実なプレーです。出場機会が増えるなら、是非、移籍を考えて欲しいです。

5 サファウイ・ラシド(JDT)
誰もが認める現時点でのトッププレーヤーは、国外でプレーするべきときが来ています。
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個人的にはタイよりは日本や韓国、あるいはヨーロッパなどもう一つ上のリーグを目指して欲しい、まさにマレーシアのエースです。23歳ながら2年連続リーグMVPを獲得するなど、もうマレーシアで手に入れられるものは全て手に入れたサファウィ選手には、タイを踏み台にしてさらに上を目指して欲しいです。

6 シャミ・サファリ(スランゴールFC)
代表ではマシュー・デイヴィーズ(JDT)と右サイドバックのポジションを争うシャミ選手。国外でプレーすることで不動のレギュラー獲得に近づくでしょう。
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22歳とは言え過去2年間で既に18キャップを獲得しているシャミ選手。2018年のAFF選手権スズキカップ準決勝のタイ戦でゴールエリアの外から決めた美しいゴールはタイ代表の選手の印象にも残っているはずですので、是非、その印象が残っているうちに挑戦して欲しいです。

7 ハリス・ハイカル・アダム・アフカル(スランゴール2)
次世代の代表DF陣の中心となることが期待されている18歳のハリス・ハイカルは、国外でプレーすることで彼の持つポテンシャルを引き出せるのではないでしょうか。
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今回の7人の中で唯一の10代の選手。このブログでも取り上げているルクマン・ハキム・シャムスディンとともにU22代表でもプレーしています。個人的にはタイリーグから、アセアン枠のある韓国や日本でのプレーを目指して欲しい選手です。

5月13日のニュース:代表監督はW杯予選再開時の選手の体調を憂慮、FAMはW杯予選代表選手候補合宿の早期招集を検討、ケランタンFAは来季のMリーグでプレーできない可能性も

代表監督はW杯予選再開時の選手の体調を憂慮
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、マレーシア代表のタン・チェンホー監督は現在中断中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選が再開した際に、試合に臨む選手の体調が不十分ではないかと憂慮していると報じています。
 W杯予選は10月再開の予定で、マレーシアサッカー協会FAMと国内リーグMリーグを運営するマレーシアフットボールMFLは、8月からのチーム練習開始および9月1日からのリーグ再開許可をマレーシア政府に求めていますが、タン監督はチーム練習再開からW杯予選までの期間が短すぎるとして、選手の体調が心配だと話しています。
 「実戦から数ヶ月間遠ざかっている選手が1ヶ月の練習だけで試合に臨めば、ケガを追うリスクが大いにある。選手層がさほど厚いわけではない代表チームにとっては、どの選手をケガで欠いても戦力ダウンは否めず、予選グループ2位という好機を生かせない可能性がある。」「各自で練習しているとはいえ、屋内の狭いスペースでの練習では明らかに不十分な上、精神的にも試合に臨める状況になっているかどうかが不安である。」そして「(W杯予選で同組の)タイのクラブはすでに練習を開始しており、(やはり同組の)ベトナムは6月からリーグが再開する。これらの国の選手は、予選が再開すれば優位な立場に立つことになる。」とタン監督は話しています。

FAMはW杯予選代表選手候補合宿の早期招集を検討
 スポーツ専門サイトのアストロアリーナは、マレーシアサッカー協会FAMが9月初旬に代表候補合宿の招集を行う計画があると報じています。
 また3月21日に予定されながら、新型コロナウィルスの影響で中止となったバーレーンとのアウェイでの練習試合も、W杯予選の次戦となるアラブ首長国連邦UAE戦前の10月8日に実施される可能性もあることも合わせて報じています。
 FAMのハミディン・アミン会長は、W杯予選に出場する代表選手の体調を整えるために9月の招集も一つの選択肢と考えていると話しています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長も、チーム内の連携強化のために予選前に複数回の代表候補合宿を行う可能性に加え、FAMが国内リーグMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLとの間でリーグの試合日程が代表の招集日程と重ならないよう調整することで同意していることも明らかにしています。

ケランタンFAは来季のMリーグでプレーできない可能性も
 FIFAから、かつてケランタンFA在籍した外国籍選手への未払い給料を今月末までに支払うよう求められているケランタン州サッカー協会KAFAの話題は、このブログでも連日取り上げていますが、今度はマレーシアサッカー協会FAMが来季2021年シーズンのクラブライセンスを発給しない可能性に言及しています。
 KAFAが2018年シーズンから2019年シーズン途中まで在籍したブラジル出身のカッシオ・フランシスコ・デ・ジーサスへの未払い給料62万9620リンギ(およそ1560万円)を今月末までに支払うことができなければ、FAMのクラブライセンス交付に関する審査を行う第一審機関FIBによる審査により、来季のMリーグに出場するために必要なクラブライセンス審が発給されない可能性があると、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長が述べていると、マレー語子ハリアンメトロ電子版が報じています。
 FIBは来季開幕前に、Mリーグの全てのクラブの今季2020年シーズンの給与支払い状況を精査し、その結果をもとに来季のMリーグ出場のためのクラブライセンスを発給するとしています。
 カシオ選手は2019年末までの契約をKAFAと結んでいましたが、契約満了前に契約解除となりましたが、この契約解除に同意していなかったカシオ選手がFIFAに不服申し立てを行った結果、FIFAは未払い給料の支払いをKAFAに命じています。

4月30日のニュース:Mリーグ再開が遅れればAFC選手権予選突破に暗雲も、クラブによる一方的な給料削減内容やその交渉を選手が明かす

Mリーグ再開が遅れればAFC選手権予選突破に暗雲も
 新型コロナウィルス感染拡大により中断中のFIFAワールドカップ(W杯)2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選では、マレーシアは5試合を終えてベトナムに次ぐグループ2位につけています。正直なところ、ワールドカップへの道のりは険しそうですが、より現実的な目標となるアジアカップ出場についてはまだ可能性を残しています。
 しかし、マレーシアの通信社ブルナマは、国内リーグMリーグの再開が10月あるいは11月となった場合、その可能性が低下するだろうという記事を配信しています。
 現在中断中のW杯アジア二次予選兼AFC選手権予選について、FIFAは11月の再開を予定しており、ブルナマの記事では、Mリーグ再開の遅れによって代表選手たちがW杯予選に臨むのに十分なコンディションになっているかどうかが心配であるとしています。
 元代表監督でもあるスランゴールFCのサティアナタン・バスカラン監督は「本番の試合の前には数試合は練習試合を行う必要があるが、マレーシア国内でのサッカーの試合解禁が10月以降になれば、練習試合を組むことが難しくなるだろう。」と述べ、さらに「(活動制限令が発令された3月18日から)6ヶ月以上自宅のみで練習してきた選手が、10月からチーム練習を始め、11月にはW杯予選に出場するという日程を想像してみれば、それがどのくらい難しいことなのかがわかるだろう。しかもW杯予選はMリーグよりもはるかに激しい試合になる。そういった試合にコンディションが整った選手を招集するのは至難の技だろう」と話しています。
 現在中断中のW杯予選でマレーシアが所属するグループGでは、ベトナムが3勝2分0敗で首位、マレーシアは3勝0分2敗で2位、以下タイ(2勝2分1敗)、アラブ首長国連邦UAE(2勝0分2敗)、インドネシア(0勝0分4敗)と続いています。なおマレーシア代表は先月3月には予選の残り試合となるアウェイのUAE戦、ホームのタイ戦とベトナム戦が予定されていましたが、いずれも新型コロナウィルス感染拡大のため延期となっています。
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 冒頭にも書きましたが、W杯出場は無理でも2007年以来となるアジアカップへの出場権は手が届くところまで来ているので、何とか出場権を獲得して欲しいです。なお2007年大会は、アセアン4カ国との共催で出場資格を得ましたが、予選を突破しての出場となると、マレーシアが最後に出場したのは1980年のクウェート大会まで遡らなければなりません。

一方的な給料削減交渉の現状を選手が明かす
 新型コロナウィルス感染拡大により中断中のMリーグの各クラブに対し、マレーシアサッカー協会FAMは、選手やスタッフとの給料削減交渉を今月4月22日までに終えるように求めていました。その後、FAMは期限を1週間延長し4月29日までとましたが、複数のクラブが交渉をおこったものの合意に至っていないことは、このブログでも取り上げましたが、マレー語紙ブリタハリアン電子版では、給料削減を迫られた選手が置かれた状況を取り上げて記事にしています。
 この記事で取り上げられている選手が所属するのはクランバリー(クアラルンプールとスランゴール州の総称)に本拠地があるクラブということですが、そのクラブは所属する選手に給料削減に関する同意書を渡し、渡されたその日のうちにサインすることを求めたそうです。
 給料削減内容を詳しく確認する時間すら与えられなかったと話すこの選手は「クラブの経営陣は今後の見通しについて選手との話し合いを行わない一方で、選手の受け取っている給料の額に関係なく給料削減を行なっている。給料が5000リンギ(およそ12万4000円)の選手の給料が40%削減されることを想像してみて欲しい。給料削減は段階的に行うと聞かされており、最終的にはどうなるかが不明で、給料未払いという事態も起こるのではないかという心配もある。」と話しています。
 ブリタハリアンの記事では、このような事態はこの記事の選手が所属するクラブを含めて、少なくとも4つのクラブで起こっていると報じ、Mリーグ1部のスーパーリーグに所属する別のクラブでは、クラブが意図的に選手との交渉を期限の前日に行い、選手が同意せざるを得ない状況になったと話しています。
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 FAMは選手とクラブが合意に至らない場合には、仲介する用意があるとしていましたが、そのような話は出ていないので、FAMそのものに選手からの信用がないのかも知れません。

4月16日のニュース:選手会がJDTオーナーの支持表明に感謝、クダFAサポーターはクラブに未払い問題があることに驚く 、タイ協会は9月に国内リーグ再開を予定、AFCは6月末までの公式戦を全て延期

選手会がJDTオーナーの支持を感謝
 マレーシアプロサッカー選手会PFAMは公式Facebook上で、「未払い給料問題を抱えるクラブは給料削減の交渉を始める前に未払い給料を支払うべき」というPFAMの主張への支持を表明したジョホール・ダルル・タジムJDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下に感謝の意を表明しています。
 イスマイル殿下がJDT公式Facebook上で支持を表明すると、直ちにPRAMはサフィ・サリーPFAM会長(PJシティFC)以下、シャーロム・アブドル・カラム(ヌグリスンビランFA)、ラズマン・ロスラン、カイルル・ファミ・チェ・マット(いずれもマラッカ・ユナイテッド)、ファリザル・マーリアス(JDT)、ザクアン・アドハ・アブドゥル・ラザク(クダFA)、スブラマニアム・スーリャパラド(クアラルンプールFA)、シャルル・サアド(ペラTBG)の連名で、「イスマイル殿下がPFAMの主張への指示表明は、殿下がプロサッカー選手に対して心遣い持つことの証であり、また給料削減交渉を行う前にプロサッカー選手の権利と福利が尊重されるべきであることをはっきりと示したものである」、さらに「未払い給料問題を抱えるクラブは速やかに未払い給料を支払い、その上で公平で透明性が高い方法で各選手と個別に給料削減方法の交渉を行うべきである」という内容をFacebook上に投稿しています。
(下はイスマイル殿下に感謝の意を表すPFAMの投稿-TMJはTunku Mahkota Johor「ジョホール皇太子」の意味)

クダFAサポーターはクラブに未払い問題があることに驚く
 マレー語紙ブリタハリアン電子版では、JDTのオーナーでジョホール皇太子のトゥンク・イスマイル殿下がクダFAに給料未払い問題が存在することを公表したことで、クダFAのサポーターの間で驚きが広がっていると報じています。イスマイル殿下はJDTの公式Facebook上でクダFAの他、マラッカ・ユナイテッド、ケランタンFA、ペナンFAも未払い給料問題を抱えていることを公表し、この4クラブは未払い給料問題を解消してから新型コロナウィルス感染拡大防止のためのリーグ中断い伴う給料削減交渉を行うべきであると述べています。
 ブリタハリアンの記事では、23団体あるクダFAサポーターグループの代表者であるモハマド・サファリザル・モハマド・ソブリ氏の「クダFAが未払い給料問題を抱えていることは驚きであり、(クダFAを運営する)クダ州サッカー協会KFAがこれを深刻な問題とし、クラブのイメージや評判を維持するためにも迅速に対応してほしい」というコメントを紹介しています。さらにサフィリザル氏は「クダFAのサポーターも知り得なかった内部の情報がどのようにして外部(のトゥンク・イスマイル殿下)に伝わったのか、またその内部情報が正確なのかどうかについて、KFAに公式発表を求めてたいとしています。

タイ協会は9月に国内リーグ再開を予定
 隣国タイの英字紙バンコクポスト電子版では、現在中断中の今季のタイリーグ1部と2部は今年9月にリーグを再開する予定であると報じています。
 タイサッカー協会FATのソムヨット会長は、新型コロナウィルスによる被害が収束すること条件ながら、今季2020年シーズンを9月から再開し、来年2021年5月終了とすることがFAT役員および1部と2部のクラブの代表者の満場一致で決まったと話しています。なおカップ戦は予定通り行われることも合わせて発表しています。
 また、今季のリーグ戦が9月再開となった場合、ヨーロッパ各国のリーグと同様の9月開幕5月閉幕という日程は、来年以降もタイリーグで採用される可能性があるとしています。
 さらにソムヨット会長は、1部と2部のクラブに対して最大で50%の選手給料削減を許可すると話す一方で、影響を受ける選手から訴訟を起こされることを避けるため、国際サッカー連盟FIFAおよびアジアサッカー連盟AFCと協議を行なっていくとしています。
 この他、タイリーグの放映権を持つTrueVisionsは、7月にFATへ今季2度目の放映権料を支払う予定であるとしながらも、リーグは開幕から第4節終了後に中断していることからどのくらいの放映権料が支払われるかは不明であり、これによりFATから各クラブへ助成金が支給されるかどうかは決まっていないこと、またタイ代表の西野朗監督の給料も50%削減されることも明らかにしています。
 ソムヨット会長は、さらにタイリーグ3部と4部クラブとの会談は今後行われるよていであること、そして以前このブログでも取り上げた今年年末に予定されている東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップについては、国内リーグ開催時期と重なることから、若い選手にあるいは「2軍」の代表チームが参加する可能性も示唆しています。

AFCは6月末までの公式戦を全て延期
 アジアサッカー連盟AFCは公式サイトにて、新型コロナウィルス感染拡大防止とアジア各国で実施されている移動制限を考慮して、5月と6月に予定されていたAFC主催試合を期限を設けずに延期すると発表しています。AFCは既に3月と4月に予定されていたAFCチャンピオンズリーグACLグループステージなどのAFC主催試合を全て延期しています。
 本来ならば8月から始まるACLノックアウトステージも、グループステージを7月中に終了しない限り、予定通りには始まらないことになりました。マレーシアからはジョホール・ダルル・タジムJDTが出場しているACLグループステージのグループGは全12試合中、3試合しか終了しておらず、ACLが再開となっても、おそらく同時に再開となる各国の国内リーグとの日程調整が難しい上、やはり順延となっているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選件2023年AFC選手権アジアカップ予選もあり、今年後半のサッカーカレンダーは、アジアのサッカー選手に負担を強いるものになりそうです。
 また今回のAFCの発表により、東京オリンピックの女子サッカー出場権をかけた中国対韓国戦も当初予定されていた6月1日と9日の試合が延期となっています。

4月8日のニュース:MFL3部の選手は政府チャーター機で自国民退避をアシスト、マレーシアは27年AFC選手権開催地に立候補の予定なし、UAEが1試合も行わずに監督を解任

MFL3部の選手は政府チャーター機で自国民退避をアシスト
 マレーシアフットボールリーグMFL3部にあたるM3リーグのムラワティFCには宮崎崚平選手が所属していますが、このムラワティFCのアフィフ・ナジミ・ムハマド・イズワンがマレーシア政府が用意したチャーター機を操縦して、マレーシア国民の退避に関わった際の話を英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が取り上げています。
 29歳のアフィフ選手は元フットサルのマレーシア代表という経歴を持つサッカー選手であると同時に、マレーシアの航空会社エアアジア社のパイロットでもあり、3月21日にイランのテヘランからマレーシア人46人、シンガポール人8人、インドネシア人1人の合計55人を退避させるための政府チャーター機のパイロットを務めました。
 これまでで最も思い出深いフライトだったと話すアフィフ選手によれば、3人の機長と2人の副機長全員は感染予防のため頭から足の先まで防護服で完全に覆われ、55人の乗客は機内に入る前に一人一人検査された上、機内でも乗務員、医療チーム、乗客はそれぞれ別の区域に搭乗したそうです。
 この55人の中から新型コロナウィルスの陽性患者は出なかったということですが、アフィフ選手は14日間の自宅待機を経て、前ヌグリスンビランFA監督のマット・ザン・マット・アリス監督の元、現在は自宅でトレーニングを再開しているということです。
(写真の左手前がアフィフ選手-写真はスムアナニャボラのFacebookより拝借)

マレーシアは27年AFC選手権開催地に立候補の予定なし
 アジアサッカー連盟AFCは、2027年開催予定のAFC選手権アジアカップの開催地立候補の受付期間を6月30日まで延長したことはこのブログでも紹介しましたが、マレーシアサッカー協会FAMはこの延長を利用して開催地立候補を検討することはなさそうなことを英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、「アジアカップのような大規模な大会には政府の協力が必要だが、現在をそういったことを検討するのに適した時期ではない。」と話し、現在の新型コロナウィルス感染拡大が広がっている状況下では、マレーシアがアジアカップ開催に立候補することはないだろうとしています。
 なお現時点では、サウジアラビアが開催国として立候補としている唯一の国ですが、この記事の中では、AFCが開催地立候補の受付を延長したことを受けて、インドが立候補を検討しているとも伝えています。。
 また2034年のFIFAワールドカップ開催地としてタイ、インドネシア、シンガポール、ベトナムと合同で立候補する計画についても、先月予定されていた会合が延期になったことから、こちらについても一時保留とすることも併せて発表されています。
(筆者注:AFCの公式サイトの表記はAsian Cupですが、日本のサッカー関連メディアの多くが「アジアカップ」という表記を使っているので、日本語のこのブログでもこちらを採用します。)
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 マレーシアは2007年にタイ、ベトナム、インドネシアとともにアジアカップを共催した経験があります。このときはイラン、ウズベキスタン、中国と同組となったグループステージでは0勝3敗の最下位となり、共催した他の3カ国の中でグループステージを突破したのはベトナムだけでした。なお、マレーシア代表がアジアカップ本戦に出場したのはこの2007年が最後で、その前の出場は1980年、1976年の2回となっています。

UAEが1試合も行わずに監督を解任
 イギリスの通信社ロイターは、アラブ首長国連邦サッカー協会がイヴァン・ヨヴァノヴィッチ監督を一度も試合をすることなく解任したことを伝えています。
 アラブ首長国連邦UAEはFIFAワールドカップ2022年アジア二次予選ではマレーシアと同じグループGに属しており、これまで4試合を終了して2勝2敗のグループ4位につけています。アジア二次予選開始時に監督を務めていたオランダ人のベルト・ファン・マルワイク氏は、予選でマレーシアとインドネシアに連勝しましたが、タイとベトナム相手に連敗を喫し、さらにその後に開催されたガルフカップでもイラク戦、カタール戦と連敗したことから昨年2019年12月4日に解任されています。昨年12月22日にファン・マルワイク前監督に代わって就任したのがセルビア人のヨヴァノヴィッチ監督でした。
 キプロスの国内リーグでAPOELニコシアを4度優勝させ、2011/12年シーズンにはUEFAチャンピオンズリーグ準々決勝進出を果たした実績を持つヨヴァノヴィッチ監督は、UAEサッカー協会と6ヶ月契約を結んでいましたが、先日のこのブログでも伝えたように6月中のFIFA主催の試合はすべて延期となったため、契約満了を待たず、UAEを率いて1度も試合に臨むことなく解任されています。

4月7日のニュース:クチンFAは削減した給料を新型コロナウィルス基金に寄付、FIFAは6月に予定されていた全試合の中止決定 、活動制限令違反でサッカー選手を逮捕、MFLは活動制限令延長の場合の対応を準備

クチンFAは削減した給料を新型コロナウィルス基金に寄付
 東マレーシアのマレー語紙ウトゥサンボルネオ電子版によると、マレーシアフットボールリーグMFL2部プレミアリーグのクチンFAは、選手が4月分の給料を5パーセント削減することに同意したことに加えて、その削減分を新型コロナウィルスのための基金に寄付すると発表しています。
 クチン地区サッカー協会KDFAのファズルディン・アブドル・ラーマン会長は、選手とスタッフの給料削減分は活動制限令によって影響を受けている家庭を支援するための基金へ寄付されることになっており、クラブとして全ての選手とスタッフの協力に感謝していると話しています。 
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 クラブの経費節約のために給料削減に応じるのではなく、新型コロナウィルス感染拡大による影響で苦しむ人を助ける目的で給料削減を行うのは、単なる給料削減とは全く意味が違います。FAMやMFLも単にクラブと選手の間での給料削減交渉を促すのではなく、クラブを助けるのではなく、より苦しんでいる人を助けることを目的とすべき、といったその使い道にまで言及することで、社会の中でのプロサッカーの存在意義が高められると思うのですが、そういうことは考えないのでしょうか。 

FIFAは6月に予定されていた全試合の中止決定
 フランスの通信社AFPは、国際サッカー連盟FIFAが6月に予定されていた全ての試合の中止を決定したと伝えています。
 新型コロナウィルスの影響に関する専門調査委員会の初会合の席上で決定したということです。ビデオ会議で行われたこの委員会は、現在延期となっているFIFAワールドカップ2022年大会予選の新たな日程を決めることも求めています。
 この他、東京オリンピックの1年延期を受けて、サッカー競技の選手出場資格を「1997年1月1日以前に生まれた者とする」とした現行の資格を維持することもこの委員会で提案されています。

活動制限令違反でサッカー選手を逮捕
 現在、マレーシア全土に発令中の活動制限令MCO下では、不要不急の外出を避けるように求められていますが、屋外で練習していたプロサッカー選手が逮捕され、有罪判決を受けたとマレー語紙シナルハリアンが報じています。
 自宅のあるクアラルンプール市内のコンドミニアム敷地内で練習をしていたアーマド・ルトゥフィ・アジズル・ラーマンは、自宅に戻ることを命じた警察官の2度に渡るに従わず、さらに反抗的な行動をしたとしてMCO違反および公務執行妨害で逮捕され、アンパン下級裁判所で罰金800リンギ(およそ2万円)あるいは禁固1ヶ月の判決を受けたとしています。22歳のルトゥフィ選手は罪を認めています。
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 なお記事の中では、このルトゥフィ選手が所属するクラブ名が書かれていませんが、マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグと2部プレミアリーグの登録選手リストには名前がありませんので、MFL3部のM3リーグ以下のリーグでプレーする選手ということなのかもしれません。

MFLは活動制限令延長の場合の対応を準備
 マレーシアフットボールリーグMFLは公式サイトで、4月14日に解除予定の活動制限令MCOが延長された場合、国内リーグを再開するにあたっての選択肢を複数用意していることを発表しています。
 MFLのアブ・ガニ・ハサンCEOは、国内リーグやカップ戦再開そのものが、MCOがいつ解除になるか、また解除後のマレーシア政府の保健省のアドバイスの内容次第としたています。(筆者注:なお、ここで言われている国内リーグやカップ戦とはMFL1部から3部、FAカップ、マレーシアカップ、チャレンジカップを指します。)
 またアブ・ガニ・ハサンCEOは、JDT、クチンFA、UKM FCに倣って、他のクラブも契約内容の見直しを行うように提言している他、マレーシア最大のマルチメディア企業テレコムマレーシア、、マレーシア第2の金融グループCIMB、オンライン通販大手のショッピーShopeeの各社は契約通りの支援を続けることも発表しています。
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 このブログで何度も取り上げたように、所属選手は給料削減を了承していないと公言しているUKM FCを例にして、活動制限令MCOが延長になった場合に限って職員の給料削減を行うとするMFLのCEOが、MCOの延長が決定されてない現段階でクラブと選手に契約内容の見直しを提言する姿勢はどれだけ選手たちの指示を得られるのかが、甚だ疑問です。JDTやクチンFAに倣うのは、クラブではなくむしろFAMやMFLでは無いのかと思ったりもしてしまいます。

3月14日のニュース:本日予定のPJシティFC対トレンガヌFC戦は試合会場が確保できず延期、予定されていた代表候補合宿も中止

本日予定のPJシティFC対トレンガヌFC戦は試合会場が確保できず延期
 無観客試合として開催されることが決定したマレーシアフットボールリーグMFL第4節ですが、その第4節の1試合、PJシティFC対トレンガヌFC戦が延期されることがMFLから発表されています。その理由は何と試合会場が確保できなかったからのようです。
 このブログでも取り上げましたが、PJシティFCは本拠地として使用するスランゴール州プタリンジャヤにあるMBPJスタジアムが改修工事中のため、ホームゲームとして予定されていた第2節のパハンFA戦を同じスランゴール州のUITMスタジアムで開催しました。
 それでもホーム2戦目となる3月14日の試合までには工事が終了すると、PJシティFC側は主張していましたが、結局、このような羽目になってしまいました。
 しかもこのこと最初に発表されたのがリーグ主催者のMFLでも、試合会場を用意できなかったPJシティFCでもなく、トレンガヌFCの公式Facebookだったこと、さらにはトレンガヌFCが公表したから5時間も経ってからMFLの公式サイトで発表されたことから、トレンガヌFCのサポーターを中心にMFLが責任回避をしているという非難がソーシャルメディア上で起こり、トレンガヌFCの公式ツイッターも「町内のサッカー大会ならまだしも、国内のトップリーグがこのような対応で良いのか」とMFLを酷評し、本来ならPJシティFCのみが罰せられる事態にもかかわらず、試合に向けて準備をしてきたトレンガヌFCも被害を受けるような処置は理解しがたいとコメントする事態になっています。
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 PJシティFCの試合棄権としてトレンガヌFCに勝点3を与えても良いくらいの失態だと思います。PJシティFCが非難されるのは当然ですあ、それ以上に責任が重いのが、PJシティFCの失態を試合日程延期で済まそうとしているMFLです。そもそも本拠地を用意するというリーグ参加要件を満たしていないPJシティFCのリーグ参加を認めたこと、さらに試合会場の手配をクラブに任せてこのような事態を招いたことで、MFLの国内リーグ運営能力にまた疑問符がついた格好で、仕組みは一流、使う人間は三流と揶揄されることが多いマレーシアを表す形になってしまいました。
(以下はトレンガヌFCが公表したMFLからトレンガヌFC宛に出された試合延期通達の手紙-トレンガヌFCのツイッターより)

予定されていた代表候補合宿も中止
 サッカー専門サイトのヴォケットFCは、マレーシアサッカー協会FAMが予定されていた代表候補合宿の中止を決めたと報じています。
 新型コロナウィルスの影響により、今月3月にFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選が延期となったこと、また国際親善試合を組むことも現実的ではないこと、さらにはFIFAとアジアサッカー連盟AFCからの指針が出ていることなどから、選手招集を行わないことをFAMのハミディン・モハマド・アミン会長が明らかにしています。

1月17日のニュース:フル代表の中東遠征は予定通り実施、マット・ヨーがタイ1部リーグのクラブに正式加入、ケランタンFAとケランタンUが今季のクラブライセンス取得

フル代表の中東遠征は予定通り実施
 フル代表は3月にFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選のアラブ首長国連邦UAE戦を控えていますが、アメリカとイランの対立により中東情勢が緊迫したことによりその実施があやぶまれていました。これについてFAMのダト・ハミディン・・モハマド・アミン会長は、マレーシア内務省やアジアサッカー連盟AFC、またUAEサッカー協会によって安全が保障されたことにより、フル代表の遠征は予定通り実施すると英字紙スター電子版に語っています。
 フル代表はUAE遠征前にバーレーン代表とブキジャリル国立競技場で国際親善試合を行ったのち、3月26日に予定されているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選でアラブ首長国連邦UAEと対戦する予定になっています。
 なおUAE戦後のフル代表は、3月31日にホームでのベトナム戦、6月9日のアウェイでのタイ戦という日程が残っています。なお、6月のタイ戦の前にはクウェート代表との国際親善試合も予定されています。

マット・ヨーがタイ1部リーグのクラブに正式加入
 フル代表でもプレーする33歳のベテランFWノーシャルル・イドラ・タラハの正式加入が新たな所属先となるBGパトゥム・ユナイテッドFCのFacebookで発表されています。既にタイ入りし、健康診断を残すだけという話はこのブログでも一昨日、取り上げましたが、ついに入団が正式に決まったようです。
 昨季タイ2部リーグで優勝し、今季は1部に昇格するBGパトゥム・ユナイテッドFCには、大分から期限付き移籍を終えてタイリーグに復帰するMFティティパン・プアンチャンもおり、ティティパン選手からのパスを受けてノーシャルル選手がゴール!といった場面も見られるかも知れません。
(写真はBGパトゥム・ユナイテッドFCのFacebookより)

ケランタンFAとケランタンUが今季のクラブライセンス取得
 MFL2部のケランタンFAとケランタン・ユナイテッドFCがマレーシアフットボールリーグMFL参加に必要なクラブライセンスを取得したことをマレーシアの通信社ベルナマが報じています。
 ケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会のフシン・デラマン事務局長によると、マレーシアサッカー協会FAMとアジアサッカー協会AFCが規定したライセンス取得のための6条件の内の5つを満たしていることから、ケランタンFAに条件付きではあるもののライセンスが発行されたとのことです。
 また昨季はMFL3部にあたるM3リーグで優勝し、今季からMFL2部でプレーするケランタン・ユナイテッドFCのワン・モハマド・ズル・イクマン事務局長は、ライセンス取得により新たな選手との契約が可能となったことから、戦力を強化してリーグ戦に臨みたいとベルナマに語っています。
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 クラブライセンスを獲得したとはいえ、ケランタンFAはFAMから最後通帳を受けた3クラブの1つです。クラブライセンス取得条件の残る1つの条件は財政面ということで、給料未払い問題と関連している可能性もあります。2018年シーズン終了後、自動昇格となる条件を満たさないまま3部からMFL2部に参加したものの、リーグ開幕後に出場停止処分を受けたプルリスFAのようなことにならないよう、FAMとMFLには厳格な審査をお願いしたいです。

11月28日のニュース:クダFAが来季の布陣を発表、マラッカUも新たな外国籍選手2名の加入を発表、最新FIFAランキングでマレーシアは154位に上昇

クダFAが来季の布陣を発表
 今季2019年はマレーシアフットボールリーグMFL4位、FAカップ優勝、マレーシアカップ準優勝と好成績を収めたクダFAはFacebookで来季の布陣を発表しています。
 今季のメンバーからは主将のMFバドロル・バクティアル、GKイフワット・アクマル・チェ・カシム、MFファルハン・ロスラン、DFリザル・ガザリや、DFレナン・アウヴェス(ブラジル)、シャキール・ハムザ(シンガポール)など主力選手が残る一方で、昨日の記事で取り上げたMFイルファン・ザカリア(今季の所属はKLFA)や、今季はフル代表にも招集されたハディン・アズマン(同フェルダ・ユナイテッド)、U19やU22代表でのプレー経験もあるFWジャフリ・フィルダウス・チュー(PKNS FC)、また以前このブログでも取り上げたの他、今季のリーグ得点王FWクパー・シャーマン(同PKNS FC)、昨季のリーグ得点2位FWチェチェ・キプレ(同トレンガヌFC)とMFLでの経験豊富な二人の協力FWを獲得しています。また東京生まれのマレーシア人MFタム・シイアンツンの獲得も発表されています。
 この他、外国籍枠(アジア人枠)が空席のため、現在日本滞在中のアイディル・シャリン監督が日本人を連れてくる可能性もあり、クダFAの補強はまだまだ続きます。
 さらに来季のスポンサーにかつてはFCバルセロナ、現在はASローマなどの「胸スポンサー」となっているカタール航空とスポンサー契約の話し合いが進んでいるようで、現在、クダ州サッカー協会の会長でもあるムクリズ・マハティール クダ州知事(マハティール・モハマド首相の息子)がカタールのドーハで会談中とのこと。強力なスポンサーを獲得できれば、さらに補強も進みそうです。
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 今季2019年のFAカップ優勝チームとして、クダFAは来季2020年アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLの予選への出場権を得ています。初戦となる二次予選は香港リーグのチャンピオン大埔足球会(タイ・ポFC)との対戦ですが、これに勝っても最終予選では中国、韓国、日本といったアジアの強豪のクラブと本戦入りをかけて戦うことになります。新布陣発表の記者会見の席上で、クダFAを統括するクダ州サッカー協会のアナス・ハフィズ・ムスタファ副会長はサポーターに対してこのACL予選を真剣に考えており、予選出場に満足するつもりはないと述べていますが、来季のクダFAはその言葉を信じて良いと思わせるくらい期待できるメンバーを揃えており、ACLだけでなく、国内リーグでも打倒JDTの一番手となりそうです。

マラッカUも新たな外国籍選手2名の加入を発表
 MFL1部のマラッカ・ユナイテッドを統括するマラッカ州サッカー協会MUSAは、今季2019年はMFL2部のPDRM FCでプレーしたナイジェリア出身のFWウチェ・アグバとジャマイカ代表でブレー経験のあるFWデショーン・ブラウンの加入をFacebookで告知しています。
 33歳のアグバ選手は今季の2度目のトランスファーウィンドウ期間にPDRM FCに加入し、PDRM FCのMFL2部3位という成績達成に貢献し、この結果、PDRM FCはMFL1部昇格を果たしています。
 一方、28歳のブラウン選手は、アメリカのメジャーリーグサッカーMLSのラピッド・コロラドやDCユナイテッドでもプレーし、今季はMLSの実質的な2部リーグにあたるユナイテッドサッカーリーグUSLのオクラホマシティエナジーに在籍しました。
 マラッカ・ユナイテッドは、韓国出身のDFチャン・ソクウォンが残留する他、スランゴールFAのBチーム化が決まったPKNS FCからMFロメル・モラレスが加入しており、アグバ選手とブラウン選手の加入で外国籍枠5つのうち4つが埋まりましたが、MUSAのダミアン・ヨー・シェンリー会長は、今季は外国籍選手のアセアン枠については選手の獲得を考えておらず、若手に出場機会を与えたいと話しており、外国籍選手の補強については、これで終了のようです。

最新FIFAランキングでマレーシアは154位に上昇
 最新となる11月のFIFAランキングが発表され、マレーシアは前回より4つランクを上げて154位となっています。
 2019年の試合が終了したFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選でマレーシアと同じグループGの各国は、予選1位のベトナムが3つランクを上げて94位、マレーシアに続く予選3位のタイが4つランクを下げて113位、予選4位のアラブ首長国連邦UAEがやはり4つランクを下げて71位、予選5位のインドネシアは2つランクを下げて173位となっています。
 他の東南アジアの国々では、フィリピンが2ランク上げて124位、ミャンマーが11ランク上がって136位、シンガポールが2ランクを上げて157位、カンボジアは1ランク下げてインドネシアと並び173位、、ラオスは変わらず188位、ブルネイも変わらず191位、東ティモールは2ランク上げて196位となっています。その他の国のランキングはこちらです。


11月27日のニュース:FAMはMFL各クラブに今季の未払い給料問題に関する申告を義務づけ、ブキ・ジャリル管理会社はインドネシア戦の施設破壊の賠償をFAMに請求、イルファン・ザカリアはシーゲームズに集中

FAMはMFL各クラブに今季の未払い給料問題に関する申告を義務づけ
 マレーシアサッカー協会FAMは、2020年にマレーシアフットボールリーグMFLに参加する全てのクラブに対して、現在抱えている未払い給料とそれをどのように解消するかの計画の申告を12月15日に行うことを義務付けたと発表しています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、今季発生した未払い給料や、日本の年金に当たる授業員積立基金EPF、所得税なども含めた負債を来季まで持ち越させないための措置であると述べ、未払い給料や負債を抱えるクラブを罰することが目的ではなく、各クラブがそういった金銭面の問題を抱え込まず、解決するためが目的であるとしています。
 「未払い給料の完済と負債の解消は各クラブがその責任を負うものであり、今季中に全てを解決し、来季に持ち越さないことを宣誓すること、また全ての未払い給料や負債を隠さず、明らかにすることを求め、それが守られない場合には、すでに各クラブが取得している来季のクラブライセンスをFAMが無効にする措置を取ることもありうる。」とマレーシアの通信社ベルナマにラマリンガム事務局長は述べています。
 また選手に対しては、今季の未払い給料が完済されない場合には、FAMに申し立てを行うことを求めており。そういった申し立てを受けた場合、FAMがクラブに対して指導を行うとしています。
 給料未払い問題では、MFL2部のケランタンFAが2017年にテクニカルダイレクターTDとして契約したウルグアイ出身のアルフレド・カルロス・ゴンザレスに対する未払い給料23万5686リンギ(およそ620万円)を指示された期間内に完済しなかったことから、FIFAの裁定により今季のMFLで勝点3を剥奪されています。

ブキ・ジャリル管理会社はインドネシア戦の施設破壊の賠償をFAMに請求
 ブキ・ジャリル国立競技場を管理するマレーシアスタジアム社は、11月19日に行われたFIFAワールドカップ2022大会アジア二次予選のインドネシア戦で、インドネシアサポーターによって破壊されたスタンドの座席の補修費用として1万1000リンギ(およそ29万円)をこの試合の主催者であるFAMに請求すると、ベルナマが伝えています。
 マレーシアスタジアム社のニック・ラジーン・アダム・ダウドCEOは、この賠償額は破壊された44席の補修費用であると発表しています。

イルファン・ザカリアはシーゲームズに集中
 先日新たにクアラルンプールサッカー協会会長に就任したカリド・アブドゥル・サマド会長は、統括するMFL2部のクアラルンプール(KL)FAを2021年シーズンには再びMFL1部に昇格させるとして、大幅な選手入れ替えを示唆、今季2019年在籍選手中18名が来季はKLFAでプレーしないことが発表になっています。
 現在、フィリピンで開催中の東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場中のマレーシアU22代表にオーバーエイジ枠で参加しているイルファン・ザカリアも、KLFAが来季契約を結ばない選手の一人ですが、イルファン選手はマレーシアの通信社ベルナマの取材に対して、自分の所属先を考える前に今はシーゲームズに集中し、優勝を目指したいと語っています。
 2016年からKLFAでプレーするイルファン選手については、ベルナマの記事ではKLFAからは来季へ向けて契約更新の打診があったようですが、イルファン選手は退団を選び、来季の所属先については急いで決めるつもりはないとしています。
 退団決定後から複数のクラブが獲得に動いているとされますが、U22代表のオン・キムスイ監督は、シーゲームズに集中させるため、MFL各クラブには大会終了までは接触を控えて欲しいとベルナマの取材に答えています。