12月16日のニュース:ベトナム戦で負傷の両CBがグループステージ突破が懸かるインドネシア戦欠場、スズキカップ出場選手中でディオン・クールズは市場価値2位

 昨日12月15日にはグループステージB組の第4節が開催され、ここまでいずれも2戦2勝のベトナムとインドネシアが激突しましたが、試合は0-0に終わっています。この結果、インドネシアとベトナムがいずれも勝点7となりましたが、得失差でインドネシアが1位、ベトナム2位、そしてこの日は試合がなかったマレーシアが勝点6で3位と続いています。12月19日のグループステージ最終戦では3位のマレーシアと2位のインドネシア、1位のベトナムはこの日ラオスを破って初勝利を挙げたカンボジアと対戦します。
 引き分け以上で準決勝進出となるインドネシアに対し、マレーシアが準決勝に進出するためにはインドネシア戦の勝利あるのみですが、英国2部イプスウィッチタウンでプレーするDFエルカン・バゴットを欠きながら全員が身体を張ってベトナムを今大会初めて無得点に抑えたインドネシアの守備をこじ開けるのは容易ではなさそうです。い

ベトナム戦で負傷の両CBがグループステージ突破が懸かるインドネシア戦欠場

 ここまで2勝1敗として12月19日のインドネシア戦を残すマレーシア代表ですが、先日のベトナム戦でいずれもハムストリングを痛めて途中交代したセンターバックの2選手のインドネシア戦出場が絶望となったことをマレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 タン・チェンホー代表監督は、アイディル・ザフアンとシャールル・サアド(いずれもJDT)のセンターバックコンビは少なくとも1週間の治療と休養が必要だとしてインドネシア戦出場が不可能であるし、ドミニク・タン(サバFC)と明日12月16日にチームに合流予定のディオン・クールズ(デンマーク1部FCミッティラン)が最終戦ではセンターバックを務める予定であると話しています。センターバックが本職ながらスズキカップ2020開幕直前まで在籍したタイ1部のポリス・テロFCではほとんど出場機会がなかったタン選手と、本来は右サイドバックのクールズ選手のコンビが好調のインドネシア相手にどれだけ機能するかに注目が集まります。
 またシンガポール入国時の新型コロナ検査で陽性反応を示した結果、10日間の隔離となっていたGKカイルルアズハン・カリド(スランゴールFC)、FWファイサル・ハリム(トレンガヌFC)、そして12月9日のラオス戦前の検査で陽性反応を示したDFクェンティン・チェン(スランゴールFC)の3選手がチームに再合流可能となったことは発表されていますが、タン監督はこの内、ファイサル選手をインドネシア戦で起用する可能性についても言及しています。Mリーグ、マレーシアカップと所属するトレンガヌFCでは今季最も活躍した選手の1人ですが、隔離により出場機会のなかったファイサル選手ですが、負ければグループリーグ敗退となるインドネシア戦では得意のスピードを生かした攻撃に期待したいところです。。

スズキカップ出場選手中でディオン・クールズは市場価値2位

 マレーシア語紙ブリタハリアンは、スズキカップ2020に出場する各国代表選手の市場価値を比較する特集記事を掲載し、その中でマレーシア代表のDFディオン・クールズが全体で第2位となっているようです。
 サッカー選手関連のデータベース「トランスファーマルクト」に掲載されている各選手の市場価値を使って比較したブリタハリアンの記事では、スズキカップ2020出場選手中、最も市場価値が高いのがタイ代表のMFチャナティップ・ソングラシン(J リーグ札幌)でその市場価値は763万リンギ(およそ2億500万円)、それに続く第2位がマレーシア代表のDFディオン・クールズ(デンマーク1部FCミッティラン)で715万リンギ(およそ1億9200万円)、3位がDFティーラトン・ブンマタン(Jリーグ横浜FM)で429万リンギ(およそ1億1500万円)ということです。
 この記事では上位8位までの選手18名を取り上げていますが、その内の上位5位(7名)中5名がタイ代表の選手で、全18名で見ても10名がタイ代表の選手です。なお、東南アジアでFIFAランクNo. 1のベトナムの選手は1人も含まれていません。
 また他国の代表選手ではフランス2部リーグでプレーするラオス代表のFWビリー・ケトケオポムポン(USLダンケルク)が230万リンギ(およそ6190万円)で5位、インドネシア代表DFアスナウィ・マンクアラム (韓国2部安山グリナースFC)、フィリピン代表FWビエンベ・マラニョン(フィリピン1部ユナイテッドシティFC)がいずれも160万リンギ(およそ4300万円)となっています。
 この他、マレーシア代表からはFWサファウイ・ラシド(JDT)とMFバドロル・バクティアル(サバFC)がいずれも150万リンギ(およそ4040万円)で8位となっています。

スズキカップ2020に出場する各国代表選手の市場価値ランキング(ブリタハリアン調べ)

  1. チャナティップ・ソングラシン(タイ)763万リンギ(およそ2億500万円)
  2. ディオン・クールズ(マレーシア)715万リンギ(およそ1億9200万円)
  3. ティーラトン・ブンマタン(タイ)429万リンギ(およそ1億1500万円)
  4. ティティパン・プアンチャン(タイ)286万リンギ(およそ7700万円)
    ティーラシン・デーンダー(タイ)
  5. スパチョク・サラチャット(タイ)230万リンギ(およそ6190万円)
    ビリー・ケトケオポムポン(ラオス)
  6. サーラット・ユーイェン (タイ)190万リンギ(およそ5110万円)
  7. アディサク・クライソーン(タイ)160万リンギ(およそ4300万円) 
    ピティワ・スクジッタムマクー(タイ) 
    フィリップ・ローラー(タイ)  
    シワコーン・ティアトラクーン(タイ) 
    アスナウィ・マンクアラム(インドネシア) 
    ビエンベ・マラニョン(フィリピン)
  8. サファウィ・ラシド(マレーシア)150万リンギ(およそ4040万円)
    バドロル・バクティアル(マレーシア)
    エズラ・ワリアン(インドネシア)
    エヴァン・ディマス(インドネシア)

12月11日のニュース:スズキカップ2020-マレーシア代表は陽性反応者がこれ以上増えれば大会辞退も、FAM-MSNプロジェクトは来季もMリーグ2部参加、FAM-MSNプロジェクトの監督が辞任-ペラFCの監督就任か

 シンガポールで開催中のスズキカップに関する報道で、ベトナム代表のパク・ハンソ監督がインドネシア対カンボジア戦を視察しながら、その試合の前に行われたマレーシア対ラオス戦はアシスタントコーチを派遣し自身は視察を行わなかったことがマレーシアではニュースになっています。パク監督はマレーシアは眼中にないのかな。

スズキカップ2020-マレーシア代表は陽性反応者がこれ以上増えれば大会辞退も

 12月3日のシンガポール入国時の新型コロナ検査で陽性反応を示したカイルルアズハン・カリドとファイサル・ハリムに加え、12月9日のラオス戦当日朝の検査で陽性反応を示したアキヤ・ラシドとクェンティン・チェンの4選手が隔離となっているマレーシア代表ですが、デンマーク1部FCミッティランでプレーするDFディオン・クールズは12月13日の国内カップ戦後に代表チーム合流が予定されていることから、明日12月12日に予定されているベトナム戦では、出場可能な選手は19名となっています。しかも腹部のケガで休養を強いられているジュニオール・エルドストルも回復状況によってベトナム戦には出場できない可能性があり、そうなるとなんと18名の選手で東南アジアNo. 1にチームに挑むことになります。
 なお初戦のカンボジア戦で活躍しMOMを受賞したアキヤ・ラシドは、ここまでの2試合で4ゴールを挙げているサファウィ・ラシドと同室で、しかも試合後には他の選手と勝利を喜び合う写真などもソーシャルメディアに上がっていることから、今後マレーシア代表に陽性反応者が増える可能性も懸念されています。そうなれば最悪の場合、選手がいない…と言うことも起こりかねません。
 スズキカップに参加しているのは全部で10チームですが、スポーツバブルの仕組みを使って開催されているこの大会でマレーシア代表は4名の陽性反応者が出ているのに対し、他の9チーム全てを合わせても明らかになっている陽性反応者はミャンマー代表に1名だけとなっています。

FAM-MSNプロジェクトは来季もMリーグ2部参加

 今季Mリーグ2部プレミアリーグに参加したFAM-MSNプロジェクトが来季2022年シーズンもプレミアリーグに参加すると、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 FAMとマレーシア政府青年スポーツ省傘下の国家スポーツ評議会(マレーシア語での短縮名MSN)が共同運営するこのチームは、やはりFAMとMSNが共同で運営するマレーシア国家サッカー選手育成プログラムNFDP所属の選手の内、プログラム卒業となる18歳の時点でにプロ契約に至らなかった選手を中心に編成されたチームで、今季開幕前に設立され、そのままプレミアリーグに参戦しましたが、20試合で1勝3分16敗の成績で11チーム中ダントツの最下位で、得点12、失点56はいずれもリーグ最低でした。 
 FAM-MSNプロジェクトの来季参戦を発表したFAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長は、今季のチームの内、17名の選手が来季もこのチームでプレーすることも明らかにした一方で、NFDPの中核をなすエリートアカデミーのモクタル・ダハリアカデミーAMDから10名ほどの選手が加わる予定であるとも話しています。
 またサイフディン事務局長はAMDのU19選手の移籍についても言及し、正規のトランスファーウィンドウ期間にU19選手をMリーグのクラブに期限付き移籍をすることについてFAMはこれを禁止する予定はないとする一方で、国家スポーツ評議会MSNが運営するAMD在籍中はいずれの選手も気完全移籍ではなく毅然つき移籍のみが可能であると話しています。

FAM-MSNプロジェクトの監督が辞任-ペラFCの監督就任か

 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、今季Mリーグ2部プレミアリーグに参加したFAM-MSNプロジェクトのユスリ・チェ・ラー監督が辞任したことを発表しています。
 FAMとマレーシア政府青年スポーツ省傘下の国家スポーツ評議会(マレーシア語での短縮名MSN)が共同運営するこのチームは、やはりFAMとMSNが共同で運営するマレーシア国家サッカー選手育成プログラムNFDP所属の選手の内、プログラム卒業の18歳の時点でにプロ契約に至らなかった選手を中心に編成されたチームで、今季初めてMリーグに参戦し、20試合で1勝3分16敗、得点12、失点56の成績を残し、11チーム中最下位でした。。
 今季開幕前に発足したこのFAM-MSNプロジェクトの監督に就任したユスリ監督は、FAMと2年契約を結んでいましたが、FAMとユスリ監督の双方が合意の上、契約解除となったということです。
 なおFAM-MSNプロジェクトの監督を辞任したユスリ監督は、来季は2部プレミアリーグに降格するペラFCの監督就任が濃厚とされています。

12月8日のニュース:スズキカップ2020-アキヤ・ラシド「『ローカル』選手の実力を見せたかった」、新型コロナにより隔離のGKの代替招集が可能に、トレンガヌFCのナフジ監督は続投へ

 スズキカップでは初戦のカンボジア戦に快勝したものの、この勝利で帰化選手不要論がこれまで以上に声高に語られ、交代時に水の入ったボトルを投げたギリェルメ・デ・パウラの行動や、下の記事でも取り上げたアキヤ・ラシドの発言から「帰化選手対ローカル選手」の対立構造まで持ち出す報道が出るなど、代表チームを報じるニュースも賑やかになってきました。感情論ではなく、チーム内での純粋なポジション争いが激化すればそれは代表チームにとってプラスなるはず。是非、皆さんでガツガツ争っていただき、代表チームには準決勝とは言わず決勝進出して外野を黙らせて欲しいです。

スズキカップ2020-アキヤ・ラシド「『ローカル』選手の実力を見せたかった」

 12月5日にシンガポールで開幕した東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップでは、初戦を白星で飾ったマレーシア代表。この試合でマンオブザマッチMOMに選ばれたのは22歳のアキヤ・ラシドでした。18歳で代表デビューすると、この天性のドリブラーはその試合でいきなりゴールを決め、その後の活躍が期待されました。しかしこの大会前まではキャップ数は26ながら、代表戦では途中出場のスーパーサブ的な起用にとどまり、デビュー戦のゴールも含めて通算4ゴールと期待に応えられていませんでした。
 そんなアキヤ選手が先日のカンボジア戦後のMOM表彰インタビューで発したのが冒頭の「『ローカル選手』の実力を見せたかった。」というコメントでした。
 ここ数年に渡り、マレーシアサッカー協会FAMは代表チーム強化のために帰化選手の活用を進めています。ここで言う帰化選手とは1)マレーシア国外で生まれ育ちながら父母や祖父母がマレーシア出身であることからマレーシア人の血を引く帰化選手(レガシー帰化選手)と、2)マレーシアジンの血は引かないものの国内で5年以上継続して生活しFIFAの規定によりマレーシア人として登録可能な帰化選手(ナチュラライズド帰化選手)に分かれます。1)で言えば、スズキカップ2020登録メンバーではドミニク・タン(シンガポール出身)、クエンティン・チェン(オーストラリア出身)ジュニオール・エルドストル(マレーシア生まれながらスウェーデンと英国育ち)、、ディオン・クールズ(マレーシア生まれながらベルギー育ちでU19代表経験あり)が、2)ではギリェルメ・デ・パウラ(ブラジル出身)が帰化選手です。また今回の代表には選ばれていないものの、今年6月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選で主力としてプレーしたラヴェル・コービン=オング、ブレンダン・ガン、マシュー・デイヴィーズはレガシー帰化選手、ガンビア出身のモハマドゥ・スマレやコソボ出身のリリドン・クラスニキはナチュラライズド帰化選手です。
 特にナチュライズド帰化選手については、マレーシアサッカー協会が帰化選手プロジェクト委員会を協会内に捕捉させ、協会が主導する形で帰化選手獲得を進めてきた結果、去年と今年の2年間でリリドン・クラスニキとギリェルメ・デ・パウラがマレーシア国籍を取得し、6月のW杯予選に出場しています。W杯予選初戦のアラブ首長国連邦戦では、この両選手とモハマドゥ・スマレのナチュラライズド帰化選手3名に加え、レガシー帰化選手も合わせると先発11名中6名が帰化選手でした。このように帰化選手が増えれば、国内で生まれ育った「ローカル選手」の出場機会が減るわけで、このW杯予選でも代表入りしていたアキヤ・ラシドもその影響を受けた1人だったと言えるでしょう。
 しかし登録規定の都合もありこのW杯予選直前になっての代表参加となったデ・パウラとクラスニキ、さらにスマレのナチュラライズド帰化選手3名はこの予選でほとんど活躍できなかったことから、代表チームがW杯2次予選敗退後は帰化選手不要の声がサポーターから上がり、この批判を受けて可動かは分かりませんが、その後マレーシアサッカー協会は帰化選手の代表チームへの影響を見直すことを理由に帰化選手プロジェクトの一時停止を発表しています。
 そんな中でのスズキカップ2020でしたが、このカンボジア戦は27分に「戦術上の理由で」ジュニオール・エルドストールがムカイリ・アジマルと交代し、65分にはデ・パウラがルクマン・ハキムと交代したことで、図らずも帰化選手が1人もピッチ上にいない「ローカル選手」だけの布陣となりましたが、これは2017年のタン・チェンホー監督就任以来、初めてのことかも知れません。

新型コロナにより隔離のGKの代替招集が可能に

 スズキカップ開催のシンガポール入国時に行われた新型コロナの検査では、GKのカイルルハズハン・カリドとFWファイサル・ハリムの両選手が陽性反応を示したことから10日間の隔離となっいますが、マレーシアサッカー協会はスズキカップを主催する東南アジアサッカー連盟AFFに対して、代替招集の許可を求めていました。スズキカップの大会規定では、ゴールキーパーに限り・負傷などの理由などからの大会期間中の代替招集を認めています。
 これについてマレーシア通信社ブルナマはFAMによる代替招集の申請が認められたと報じ、サイフディン・アブ・バカルFAM事務局長は、既にタン・チェンホー代表監督と代替招集候補選手について話し合いを始めていると述べています。
 ただし今大会では背番号1をつけるカイルルアズハン選手の代替選手を招集した場合には、代わりにカイルルアズハン選手の出場選手登録が取り消され、隔離期間中の検査が陰性となっても今大会には出場できなくなります。
 報道ではカイルルアズハン、ファイサル両選手とも特に症状が現れていないと言うことで、隔離期間中の追加検査で陰性となれば、今後の試合には出場が可能となることから、サイフディンFAM軸曲調は代替選手を招集するかどうかの最終判断はタン監督に委ねられていることも明らかにしています。

トレンガヌFCのナフジ監督は続投へ

 今季のMリーグ1部スーパーリーグで4位、マレーシアカップは準決勝で敗退したトレンガヌFCは、ナフジ・ザイン監督に対して契約の延長をオファーしたことを明らかにしています。
 トレンガヌ州のアフマド・サムスリ・モクタル州首相が議長となり行われたトレンガヌFCの運営会社であるTFC社の理事会がこれを決定したと、ブルナマが報じています。
 TFC社のアブドル・ラシド・ジュソーCEOは、TFC社が来季の布陣を決定したことを受け、様々な要因を考慮した上で、来季の契約をオファーしたとしています。
 昨季は3位となったトレンガヌFCは今季、リーグ終盤に連敗するなどして最終的に4位となり昨季から順位を下げたことから、TFC社が設けた今季の重要業績評価指標KPIを達成していないとして、マレーシアカップも含めた今季の日程全てが終了した後もTFC社はナフジ監督の来季の契約に関して態度を表明していませんでした。
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 トレンガヌFCが来季の契約について時間をかけている間に、Mリーグの複数クラブがナフジ監督に接触したと言う噂もありますが、トレンガヌFCのサポーターは多くが続投を求めているとされ、またナフジ監督自身も今季終了後には来季の続投を希望していると話していることから、このオファーを受けるのは確実と見られています


12月5日のニュース:19歳のアリフ・アイマンが今季のMリーグMVP、FAMはMリーグクラブによる帰化選手申請を妨げず

19歳のアリフ・アイマンが今季のMリーグMVP

 今季2021年のMリーグ年間表彰式ナショナルフットボールアウォーズが昨日12月5日にオンラインで開催され、19歳のアリフ・アイマン(JDT)が史上最年少で今季のMVPを獲得しています。これ 今季2021年のMリーグ年間表彰式ナショナルフットボールアゥオーズが昨日12月5日にオンラインで開催され、19歳のアリフ・アイマン(JDT)が史上最年少で今季のMVPを獲得しています。これまでの最年少記録は2018年にサファウィ・ラシド(JDT)が記録した21歳でした。
 アリフ選手はJDTではリーグ戦、カップ戦合わせて今季31試合に出場し、成績自体は3ゴール、3アシストと目立った記録は残していませんが、記憶に残る活躍を見せており、MVPの他にベストFW賞と最も将来が期待される選手に与えら得るベストヤングプレーヤー賞も合わせて受賞しています。
 2021年年間表彰の受賞者は以下の通りです。

2021年ナショナルフットボールアウォーズ受賞者

最優秀GK:ファリザル・マーリアス(JDT)6度目
最優秀DF:マシュー・デイヴィーズ(JDT)2度目
最優秀MF:バドロル・バクティアル(クダ・ダルル・アマンFC)
最優秀FW:アリフ・アイマン(JDT)初受賞
最優秀監督:ボジャン・ホダック(KLシティFC)
最優秀外国籍選手:ロメル・モラレス(KLシティFC)
最優秀チーム:JDT
フェアプレー賞:FAM-MSNプロジェクト
ゴールデンブーツ(Mリーグとマレーシアカップを合わせた最多得点者):ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)- 30ゴール
Mリーグ1部最多得点(外国籍選手):イフェダヨ・オルセグン(スランゴールFC)- 26
Mリーグ1部最多得点(マレーシア人選手):バドロル・バクティアル(クダ・ダルル・アマンFC)- 7
Mリーグ2部最多得点(外国籍選手):フェルナンド・ロドリゲス(JDT II)/ ジョーダン・ミンター(トレンガヌFC II)- 16
Mリーグ2部最多得点(マレーシア人選手):ヌルシャミル・アブドル・ガニ(ケランタンFC)- 9

またサポーター投票による今季のベストXIは以下の通りです。(フォーメーション4-3-3で選出)
監督:ナフジ・ザイン(トレンガヌFC)
ゴールキーパー:ケヴィン・メンドーザ(KLシティFC)
右サイドバック:リザル・ガザリ(クダ・ダルル・アマンFC)
センターバック:レナン・アルヴェス(クダ・ダルル・アマンFC)、アリファジラー・アブ・バカル(トレンガヌFC)
左サイドバック:ラヴェル・コービン=オング(JDT)
ミッドフィルダー:ザフリ・ヤハヤ(KLシティFC)、バドロル・バクティアル(クダ・ダルル・アマンFC)、レアンドロ・ヴァレスケス(JDT)
右ウィング:アリフ・アイマン(JDT)
センターフォワード:ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)
左ウィング:ゴンザロ・カブレラ(JDT)

FAMはMリーグクラブによる帰化選手申請を妨げず

 マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長はMリーグクラブ主導による外国籍選手の帰化申請に関してクラブの意思に任せると述べています。
 代表チーム強化を目的としたFAM主導の帰化プログラムは、代表チームに帰化選手が加わることの効果について検討するため、現在は一時停止中ではあると述べたハミディン会長は、Mリーグクラブによる外国籍選手の帰化申請きに関してはクラブの権利であり、申請の条件を満たしているのであれば、FAMがそれを妨げることはしないと、マレーシアの通信社ブルナマの取材に答えています。
 FAMは代表チーム強化を目的として帰化選手申請プログラム委員会を発足させ、これまでにブラジル出身のギリェルメ・デ・パウラ(JDT)とコソボ出身のリリドン・クラスニキ(JDTからインドスーパーリーグのオディシャFCに期限付き移籍中)の帰化申請を支援し、両選手は現在、マレーシア国籍を取得しています。またガンビア出身のムハマドゥ・スマレ(JDT)は当時所属していたパハンFAを運営していたパハン州サッカー協会の支援で帰化選手となっています。
 今日から開幕するスズキカップに出場するマレーシア代表にはこの3名の帰化選手の内、デ・パウラ選手だけしか召集されていないことを指摘されたハミディン会長は、タン・チェンホー監督の人選については異論がないと前置きした上で、移籍したばかりのクラスニキ選手は実戦が不足していることから召集せず、またスマレ選手は一旦は召集したもののケガによりチームから外れることになったと説明を受けていると述べています。
 マレーシアカップで優勝したKLシティFCは、コロンビア出身のロメル・モラレスについてFIFAが規定する同一国に5年以上継続して居住するという帰化選手の条件を満たすことから、帰化選手申請を行う計画があることを明らかにしている一方で、スリ・パハンFCは英国出身のリー・タックの帰化申請を始めていると現地メディアで報じられています。

11月25日のニュース:広告会社IMC社がペラFCを買収し新オーナーに、VAR導入には時間が必要-FAM審判委員長、サバFAが大型補強敢行か

広告会社IMC社がペラFCを買収し新オーナーに

 開幕後に未払い給料問題が発生したことから開幕戦の先発XIの内8名がシーズン途中に退団し、その結果、今季1部スーパーリーグでは11位となり来季は2部プレミアリーグ降格が決まっているペラFCはですが、このペラFCを運営するペラ州サッカー協会のムハマド・ヤザン会長代行は、広告会社のImpact Media and Communication社(IMC社)がクラブの株式100%を購入して新たなオーナーとなったことを発表しています。なお買収額は公表されていません。
 ペラ州サッカー協会の事務所で行われた記者会見では、IMC社が現在、ペラFCが直面している全ての問題を解決することは望んでおらず、ペラ州サッカー協会と協力して解決方法を模索していくと述べ、まず現在クラブに在籍する選手たちとの話し合いを持つとしています。
 なお今回の買収により、州サッカー協会が全ての株式を売却し、民営化されたMリーグクラブはJDT、PJシティFC、スリ・パハンFC、ケランタンFCに続く5クラブ目となります。
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 シーズン中も絶えず給料未払いが発生していたとされるペラFCの買収については今年4月に化粧品会社を経営するハスミザ・オスマン氏やスポーツ関連企業のコパ・アリーナ社が名乗りを上げ、特にコパ・アリーナ社とはかなり交渉が進んだものの、ペラ州サッカー協会が未払いとなっている給料などに加えて州内のサッカー活動支援など契約開始時からより多くの費用を要求したことから交渉が決裂していました。
 そんな中でやや唐突な印象もあるIMC社による買収劇ですが、ペラ州サッカー協会内でも一部にしか知らされていなかったという報道もあり、またで「全ての問題を解決することは望んでいない」といった点はコパ・アリーナ社との交渉内容とは少々異なるようで何かスッキリしない印象も残ります。

VAR導入には時間が必要-FAM審判委員長

 隣国タイやインドネシアでビデオアシスタントレフリーVARの導入が進む中、先日はJDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下がMリーグもVAR導入の時期に来ていると発言しましたが、その実現にはまだ時間がかかりそうだと、マレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。
 この記事の中でマレーシアサッカー協会FAM審判委員会のS・シヴァサンダラム委員長は、国内でのVARの導入については実証実験の前の段階であり、導入に向けて様々な点の検討が残っていると話しています。
 「VAR導入についての議論は行われているが、導入には最低でも1800万リンギから2000万リンギ(およそ4億9000万円から5億4000万円)に費用が必要と試算されており、新型コロナ禍の現状でその費用の調達が調達可能な可能かどうかを精査する必要があり、またMリーグの試合を開催するスタジアムでのインターネット環境の改善もVAR導入には必要で、これらについては現在も検討中である。」と話すシヴァサンダラム委員長は、現時点ではVAR導入時期などについて述べることはできないとしています。

サバFAが大型補強敢行か

 今季のMリーグ1部スーパーリーグでは4勝7分11敗の9位に終わったサバFCですが、昨季から2季監督を務めたクルニアワン・ドゥイ・ユリアントを解任し、マレーシアカップ直前の10月1日に前FAMテクニカルディレクターのオン・キムスイ新監督が就任して以降はマレーシアカップグループステージを突破して準々決勝に進出するなど、新監督就任効果が現れているます。このサバFCが来季2022年シーズンに向けてはさらなる補強を行うようだと、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 スーパーリーグの大物選手を複数獲得することが噂されているサバFCですが、その噂に上っているのが、今季スーパーリーグではマレーシア人選手として最多ゴールを挙げているMFバドロル・バクティアル(クダ・ダルル・アマンFC)とクラブ史上初となるマレーシアカップ準決勝進出に貢献しているGKカイルル・ファミ・チェ・マット(マラッカ・ユナイテッドFC)の代表コンビです。
 スタジアムアストロの取材に対してオン監督は、新戦力の獲得についてはフロントの許可が必要だが、名前はまだ明らかにできないもののの新戦力を獲得するための交渉が行われているのは事実であることを認め、最終的にはチームの20%から30%のメンバーが入れ替わるだろうと話しています。
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 2011年の東南アジア競技大会通称シーゲームズで金メダルを獲得した当時のU23代表は、オン監督、バドロル主将、正GKカイルルというメンバーだったことから、バドロル、カイルル両選手の移籍は濃厚ですが、バドロル選手が所属するクダ・ダルル・アマンFCは来季へ向けて残留交渉を行っていると報じられています。
 ユース時代からクダFA(当時、現クダ・ダルル・アマンFC)一筋でプレーし、リーグ戦とカップ戦合わせて通算123ゴールを挙げてきたバドロル選手に加え、チームメートでやはり代表選手のDFリザル・ガザリもサバFC移籍が噂されており、これが実現すれば、2季連続スーパーリーグ2位のクダ・ダルル・アマンFCは来季は大きくメンバーが変わることになりそうです。


11月17日のニュース:タイ1部第12・13節-エルドストールはフル出場しタンは5戦連続出場、協会はAFCU23アジアカップ出場権獲得のU22代表監督との契約延長へ、空席の協会テクニカルディレクターは来年1月までに決定、過去2年間中止のU19とU21の国内リーグは来年2月に開幕

タイ1部第12・13節-エルドストールはフル出場しタンは5戦連続出場 
 2021/2022年シーズンのタイ1部リーグ第12節が11月9日から11日まで、第13節が11月13日と14日という過密日程で開催されましあた。マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCは首位ブリーラム・ユナイテッド戦の勝利を含む2連勝で4位を堅持、DFドミニク・タンが所属するポリス・テロFCは1勝1敗でこちらも順位は10位と変わっていません。

タイ1部リーグ第12節
2011年11月9日@トゥルースタジアム
バンコク・ユナイテッド 5-0 ポリス・テロFC
 GKのプラシット・ゴルダが2ヶ月分の給料未払いを明らかにしたポリス・テロFCは今季最大の5失点でバンコク・ユナイテッドに大敗しています。前半で3失点を喫したからか、これまでは試合終盤投入されていたドミニク・タンは61分から出場し、今季最長となる29分間プレーしています。

2021年11月10日@サームアーオスタジアム
PTプラチュワップFC 1-2 チョンブリーFC
 滝雅美率いるPTプラチュワップFCと対戦したチョンブリーFCが3連勝で4位を堅持。ジュニオール・エルドストールは先発してフル出場しています。なお翌第13節でも今季1部昇格のノーンブワ・ピッチャヤFCに敗れて5連敗となったPTプラチュワップFCは滝雅美を解任しています。
 (試合のハイライト映像はタイリーグ公式Youtubeチャンネルより)

タイ1部リーグ第13節
2011年11月13日@ブンヤジンダースタジアム
ポリス・テロFC 1-0 スパンブリーFC
 前節の大敗からこの日はフィリピン代表の佐藤大介選手が所属するスパンブリーFCとの対戦となったポリス・テロFCは1-0で勝利し、今季4勝目を挙げています。ドミニク・タンは前節から一転して90+2分からの出場となっています。

2021年11月13日@サームアーオスタジアム
チョンブリーFC 2-0 ブリーラム・ユナイテッド
 チョンブリーFCが首位のブリーラムに勝利し4連勝で4位を堅持。ジュニオール・エルドストールは先発してフル出場しています。
 (試合のハイライト映像はタイリーグ公式Youtubeチャンネルより)

タイ1部リーグ順位表(第13節終了)

順位チーム試合得失差勝点
1バンコク・ユナイテッド139221529
2ブリーラム・ユナイテッド138231126
3BGパトゥム・ユナイテッド12822626
4チョンブリーFC137331124
10ポリス・テロFC11445-316
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFC、ポリス・テロFCのみ表示しています。

協会はAFCU23アジアカップ出場権獲得のU22代表監督との契約延長へ
 マレーシアサッカー協会FAMは、来年6月にウズベキスタンで開催されるAFC U23アジアカップ2022年大会予選J組で首位となり本戦出場権を獲得したブラッド・マロニー監督との契約延長に向けた交渉を開始することを発表しています。
 英字紙スターによると、FAMのモハマド・サイフディン・アブ・バカル事務局長はオーストラリア出身のマロニーU22代表監督がFAMの設けた重要業績評価指標KPIを達成したとして、現在の契約が切れる今年12月以降の契約延長とAFC U 23アジアカップへの準備などについての話し合いを行うとしています。なおマロニーU22代表監督とチームは予選J組の試合が開催されたモンゴルから帰国後の検疫隔離期間中に行われた検査で新型コロナの陽性反応を示した者が出たことから、検疫隔離期間が延長されていました。
 U23代表は2022年には6月1日から19日まで開催されるAFCU23アジアカップに加えて、5月12日から23日には東南アジア競技大会通称シーゲームズ(ベトナム)、さらに9月10日から25日にはアジア競技大会(中国)などが控えています。
 FAMの理事会後に記者会見したサイフディン事務局長は、この他、来年2022年10月に予定されているAFC U17選手権予選に向けても早急に首脳陣を決定し、2006年以降に生まれた選手からU17代表を編成するとも述べていますが、これは2023年にバーレーンで開催されるAFC U17選手権が同年にペルーで開催されるFIFA U17ワールドカップの予選も兼ねていることからであると説明し、U17代表は来年4月には大会に向けてサウジアラビアかアラブ首長国連邦での合宿も予定しているということです。

空席の境界テクニカルディレクターは来年1月までに決定
 9月末にオン・キムスイ氏がMリーグ1部のサバFCの監督に転身したことにより空席となっているマレーシアサッカー協会FAMのテクニカルディレクター職(TD)について、FAMのモハマド・サイフディン・アブ・バカル事務局長は来年1月には決定すると話していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 報道陣から候補者がマレーシア人か外国籍かを問われたサイフディン事務局長は、現時点ではそのような絞り込みはできていないと答え、選考は候補者の経験に基づいて行い、さらにFIFAやAFCなどにも経歴の確認などを行い、最良の人物を選びたいとしています。
 なおオン氏がサバFC監督に就任した後は、後任としてサラワク・ユナイテッドFCのテTDで元代表監督のB・サティアナタン氏や、FAMと青年スポーツ省が共同で運営する国家サッカー選手育成プログラムNFDPのサアド・イシャラレンTDなどの名前も上がっています。

過去2年間中止のU19とU21の国内リーグは来年2月に開幕
 新型コロナウィルスの感染拡大に伴い2020年と2021年の2年連続で中止となっていたU19国内リーグのユースカップとU21国内リーグのプレジデントカップについて、この両大会を主催するマレーシアサッカー協会FAMは来年2022年2月に開幕を予定していることを発表しています。
 ブルナマの報道によるとFAMの協議委員会の委員長も務めるモハマド・フィルダウス・モハメド会長代行は2月の中旬あるいは下旬からの開幕に向けて、国内の新型コロナ対策を担う国家安全保障委員会NSCに対して、ユースカップとプレジデントカップの開催申請を行った結果、承認を受けたことを明らかにしています。
 20から22チームが参加するユースカップとプレジデントカップは、従来は参加全チームをそれぞれ2グループに分けてホームアンドアウェイ方式でグループステージを行い、そこから勝ち上がった各グループの上位4チームが準々決勝に進み、そこからはトーナメント方式で優勝チームを決定していましたが、新型コロナ禍の中で開催を模索した昨年2020年と今年は、移動距離を減らすために国内を3つの地域に分けるなど方式を変更して開催を試みたものの、結局は中止に追い込まれています。




10月21日のニュース:アジアカップ最終予選は集中開催で行うことをAFCが発表、マレーシアはアジアカップ最終予選集中開催地に立候補か、ムカイリ・アジマルがU22代表の主将に、タン代表監督は今後も新戦力発掘を継続

アジアカップ最終予選は集中開催で行うことをAFCが発表
 アジアサッカー連盟AFCは公式サイト上でAFCアジアカップ2023年大会最終予選を当初のホームアンドアウェイ形式から集中開催方式に変更して開催することを発表しています。なおこの集中開催では一回戦総当たり方式が採用されることも併せて発表されています。
 AFCは開催方式の変更理由として新型コロナによる影響を挙げ、アジアカップ2023年大会予選に関わる関係者の安全を最優先したことを強調しています。なお、試合日程としては来年2020年の6月8日、11日、14日が予定されているということです。
 3日間という日程に加え、最終予選にはマレーシアも含めた24カ国が出場することから集中開催地は6ヶ所となることが予想されます。なお集中開催地について、AFCはこの最終予選に出場する24カ国に対して予選開催の希望の有無を募るとしています。

マレーシアはアジアカップ最終予選集中開催地に立候補か
 AFCアジアカップ2023年大会最終予選が集中開催方式になったことを受けて、マレーシアサッカー協会FAMは6ヶ所とされる集中開催地の一つとして立候補する意向を表明していると、マレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。
 FAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長は自国開催以外では41年振りとなるアジアカップ出場を目指すマレーシア代表にとって、自国サポーターで埋まったスタジアムで予選を戦えるのは大きなアドバンテージであるとして、最終予選の集中開催地に立候補したいと話しています。
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 成人のワクチン接種率が90%を超えたマレーシアは、全ての渡航者に義務付けられている検疫隔離期間がこれまでの14日間から7日間に短縮されるなど、渡航に際しての制限が徐々に緩和されており、年内にはこれがさらに短くなる可能性があります。また自国での最終予選開催となればサイフディン事務局長が述べているようサポーターの熱烈な応援が受けられることに加えて、移動の負担や慣れない環境での滞在を避けられるなどの利点も多く、なんとしても実現したいところです。今後の予定としてサイフディン事務局長は、まず手始めとしてマレーシア国内の新型コロナ政策を担う国家安全保障委員会NSCや保健省、国内スポーツを統括する青年スポーツ省から最終予選開催についての承認を得ることが条件であり、その承認を得た上で立候補することになると話しています。

ムカイリ・アジマルがU22代表の主将に
 AFC U23アジアカップ予選に出場するU22代表は昨日10月20日に第2次合宿を打ち上げていますが、その後に行われたFAMによる壮行会では、マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長からムカイリ・アジマル(スランゴールFC)にU22代表のキャプテンマークが授与されています。
 FAMの公式Facebookへの投稿によると、ハミディン会長以下、モハマド・ユソフ・マハディ、S・シヴァサンドラムの両会長代理、U22代表のチームマネージャーでもあるポサ・マジャイス副会長、サイフディン・アブ・バカル事務局長が出席してFAM本部で行われた壮行会では、U22代表に激励の言葉が贈られた後、今回のU22代表の主将にMFムカイリ・アジマル(スランゴールFC)、副主将にはDFハリス・ハイカルとDFジクリ・カリリ(いずれもスランゴールFC 2)が任命され、ムカイリ選手の腕にはハミディン会長が直々にキャプテンマークを巻く場面もあったようです。
(写真はFAMのFacebookより。左からブラッド・マロニーU22代表監督、ポサ・マジャイス U22代表チームマネージャー、モハマド・ユソフ会長代理、ムカイリ・アジマル選手、ハミディン・アミン会長、S・シヴァサンドラム会長代理、サイフディン・アブ・バカル事務局長、ハリス・ハイカル選手、ジクリ・カリリ選手)

6人、立っている人、室内、テキストの画像のようです

タン代表監督は今後も新戦力発掘に尽力
 マレーシア代表のタン・チェンホー監督は6月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選では26名を招集しましたが、先月9月に行った代表チームのヨルダン遠征は「新戦力発掘」を理由にこの26名から半数以上の14名を外し、6名の初招集組と6名の代表復帰組を加えた計24名で臨みました。
 その結果は初戦のヨルダン戦が0-4、続くウズベキスタン戦では1-5という結果になりましたが、例えある選手が才能豊かであったとしても、試合で起用しない限り、その選手が代表チームに貢献できるかどうかはわからない、と語るタン代表監督が、結果の如何にかかわらず新戦力発掘には練習試合を行う必要性があると語っていると、マレーシア語紙シナルハリアンが報じています。
 新たに代表でプレーする選手を起用する試合では、望んでいるような結果が出ないこともあるが、今後も練習試合では新たな選手を試したいと話すタン代表監督は、ヨルダン遠征ではMFムカイリ・アジマル(スランゴールFC)、FWハキミ・アブドラ(トレンガヌFC)、DFクェンティン・チェン、FWアル・ハーフィズ・ハルン(いずれもペナンFC)らを初招集した一方で、MFバドロル・バクティアル(クダ・ダルル・アマンFC)やMFアクラム・マヒナン(KLシティFC)ら元代表経験者を復帰させています。
 ただしヨルダン遠征で行った練習試合はいずれも大敗だったことから、この「新戦力テスト」には疑問の声も上がっており、タン代表監督は12月にシンガポールで開催される東南アジアサッカー連盟選手権スズキカップ2020年大会にはベストメンバーで臨むことを明言しています。
 ただしその一方で、10月29日から再開するマレーシアカップでは出場する各選手のパファーマンスに注目したいと話し、マレーシアカップでの活躍次第ではスズキカップ出場の代表メンバーに新たに抜擢される選手が出る可能性にも言及しています。
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 シナルハリアンの記事では新戦力発掘とは述べていますが、ヨルダン遠征のメンバーの出場時間をまとめると下のようになります。この遠征に参加しながら出場機会が全くなかったいずれも初招集組のGKカラムラー・アル=ハフィズ(PJシティFC)とFWアル=ハフィズ・ハルンを含め出場時間が45分に満たない選手が4名、90分に満たない選手が6名おり、これらの選手については「追試」が必要かもしれません。その一方で代表復帰組のバドロル・バクティアルとアクラム・マヒナン、そしてFWファイサル・ハリムは2試合とも先発するなど優先的に起用されたことからスズキカップでも招集されそうですが、同じく2試合先発のDFアイディル・ザフアンとその後継者と目されるDFイルファン・ザカリアの連携の悪さは目を覆いたくなるほどで、特にイルファン選手はこの遠征で失点に直結するミスを連発し、こちらも追試が必要な印象です。また今回の遠征に招集されながらケガで辞退したDFディオン・クールズ(デンマーク1部ミッティランFC)、さらにタイ1部チョンブリーFCで主力として活躍するDFジュニオール・エルドストールがスズキカップで召集されるようなことがあればいるファン選手は控え、あるいは召集見送りもありそうです。

9月に行ったヨルダン遠征参加各選手の試合出場時間(単位:分)

背番号ポジション選手名ヨルダン戦ウズベキスタン戦合計
1GK*カイルルアズハン90090
21GK#カイルル・ファーミ09090
23GKカラムラー・アル=ハフィズ000
16DF*#リザル・ガザリ9090180
7DF*#アイディル・ザフアン9070160
17DF*#イルファン・ザカリア9090180
4DF*アリフ・ファルハン452065
2DF#アリフ・ファジラー4570115
22DFクェンティン・チェン19019
6DFドミニク・タン02020
12MF*#アクラム・マヒナン4590135
8MF*#バドロル・バクティアル9090180
10MF*ナズミ・ファイズ61061
14MFムカイリ・アジマル292958
15MF#ケニー・パッラジ86169
24FW*#ファイザル・ハリム7170141
20FW*シャフィク・アフマド8252134
9FW*ギリェルメ・デ・パウラ622991
11FW#ハキミ・アブドラ453883
18FW#ルクマン・ハキム286189
19FWファイヤド・ズルキフリ02020
13FWアル=ハフィズ・ハルン000
*はヨルダン戦先発XI、#はウズベキスタン戦先発

10月16日のニュース:U22代表はMリーグ1部今季3位のクラブに勝利、協会はフル代表からU22合流組の検疫隔離期間短縮を交渉、U22代表はトレンガヌFC IIのアズファル・フィクリを追加招集

U22代表はMリーグ1部今季3位のクラブに勝利
 AFC U23アジアカップ予選に出場するU22代表が今季Mリーグ1部3位のペナンFCと練習試合を行い、2-1で勝利しています。。
 U22代表は10月12日に今季Mリーグ2部優勝のヌグリスンビランFCと対戦し、1-2で敗れています。
 この試合では22分にペナンFCがMFモハマド・アメル・アザハのゴールで先制したものの、U22代表はいずれもトレンガヌFCのFWモハマド・シャフィク・イスマイルが71分に同点ゴールを、MFニック・アキフ・シャヒランが86分に決勝ゴールを決めて逆転で勝利を収めています。
 U22代表は10月18日に予選前の最後の練習試合として今季Mリーグ1部2位のクダ・ダルル・アマンFCと対戦します。
 10月25日からモンゴルのウランバートルで開催されるAFC U23アジアカップ予選J組でマレーシアはタイ、ラオス、モンゴルと同組となっています。

協会はフル代表からU22合流組の検疫隔離期間短縮を交渉
 上の記事で取り上げたU22代表には、先日のヨルダン遠征を終えたフル代表からMFムカイリ・アジマル(スランゴールFC)、FWハキミ・アブドラ(トレンガヌFC)、DFクェンティン・チェン(ペナンFC)、FWルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)が加わることが発表されていますが、すでに帰国したこの4選手は現在、検疫隔離期間中でU22代表に合流できていません。U22代表のブラッド・マロニー監督とFAMはこの4選手の検疫隔離期間短縮とU22代表合流を求めているようですが、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロによると、未だ承認されていないということです。
 マレーシア政府は全ての渡航者に14日間の検疫隔離を求めており、ヨルダン遠征から帰国した代表チームも例外ではありません。これについてマロニー監督とFAMは新型コロナ対策を担当する国歌安全保障委員会NSCと保健省に対して4選手の検疫隔離期間短縮を求めているということですが、交渉が難航しているようです。
 スタジアムアストロの記事ではこの4選手の他に、アメリカでプレーしているMFワン・クズリ・ワン・カマル(アクロン大学)、DF V・アンニル(ドイツ5部SGVフライベルク)の両選手のU22代表招集についても現在、所属チームとの交渉が続いていると報じています。
 今回のAFC U23アジアカップ予選はFIFA国際マッチデー期間外であることから、DFハリス・ハイカルと代表でもプレーするFWアリフ・アイマンがそれぞれ所属するスタンゴールFCとJDTの招集拒否により、U22代表に参加できていません。

U22代表はトレンガヌFC IIのアズファル・フィクリを追加招集
 マレーシアサッカー協会FAMはU22代表に新たにMFモハマド・ヌル・アズファル・フィクリ・アズハ(21)を招集したことを発表しています。Mリーグ2部プレミアリーグのトレンガヌFC IIでプレーするアズファル・フィクリ選手は、今回の合宿中のケガにより離脱するJDT IIのMFアフマド・アシャル・ハディ・モハマド・シャプリ(18)に代わって招集されています。

10月14日のニュース:来季のクラブライセンス交付の可否は今月下旬に決定、11月のFIFA国際マッチデー期間は代表戦なし、スタジアム観戦解禁後の入場者数の概要が発表、今季MリーグのYouTube視聴総数が7700万回越え

来季のクラブライセンス交付の可否は今月下旬に決定
 Mリーグを運営するMFLのスチュアート・リマリンガムCEOは今季2021年シーズンにプレーした1部スーパーリーグの12チームと2部プレミアムリーグの10チームが全てが、マレーシアサッカー協会FAMのクラブライセンス交付第一審機関FIBに対して来季2022年シーズンのクラブライセンスの最終申請を行なったことを明らかにしています。
 英字紙ニューストレイトタイムズによると 各クラブは今年9月の第一次申請期限までに必要書類をFIBに提出しており、今回はその見直しなどを経た最終申請の提出となっています。FIBは今回の申請内容を精査した上で今月下旬にクラブライセンス交付の可否を決定します。
 昨季終了後のクラブライセンス申請では1部スーパーリーグで恵龍太郎選手が所属していたフェルダ・ユナイテッドFCと2部プレミアリーグのUKM FCが、FAMが進める民営化の条件を満たすことができなかったためクラブライセンスの交付が受けられずMリーグから撤退した他、未払い給料の分割による支払い期限を守らなかったことにより1部スーパーリーグのマラッカ・ユナイテッドFCに対してFIBはリーグ戦での勝点3剥奪処分を下しています。
 第一次申請では新型コロナによるロックダウンが施行されたことで監査法人が休業し財務諸表の提出に問題があったクラブもあったことを明かしたスチュアートCEOは、全てのクラブが最終申請までには必要な書類を用意できたと話し、今後はFIBの最終判断を仰ぐことになるとしています。
 さらにスチュアートCEOは新型コロナの感染拡大予防のためMリーグ各クラブは外部との接触を断つために合宿形式での練習を強いられたことによる運営費用の増加に加え、無観客試合による入場料収入減やスポンサーの離脱による資金不足で経営状況が苦しいクラブが存在することを認めた上で、各クラブがクラブライセンスを交付されることを望む一方で、FIBが経営内容を問題視し、条件付きでのクラブライセンス交付となる可能性もあることを指摘しています。

11月のFIFA国際マッチデー期間は代表戦なし
 先日のヨルダン遠征ではヨルダンとウズベキスタンを相手に試合を行ったマレーシア代表ですが、次のFIFA国際マッチデー期間となる11月8日から16日にかけては代表戦を行われないとスポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 さらにスタジアムアストロの記事では、この期間中の11月9日と10日にはマレーシアカップのグループステージ最終節となる第6節が組まれており、大半の選手の契約が11月いっぱいとなっていることから日程の変更が難しいため、次の代表戦はこのマレーシアカップ決勝が行われる11月30日以降で、東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会の前に行われる可能性があるとしています。
 当初予定されていた2020年から順延されたスズキカップ2020年大会は12月5日からシンガポールで集中開催されますが、マレーシアの初戦は12月6日のカンボジア戦となっています。
 マレーシア代表のモハマド・ユソフ・マハディ チームマネージャは、マレーシア政府が渡航者に求めている2週間の検疫隔離のために国外からチームを招くのは難しいとしながらも、スズキカップに向けて遅くとも12月3日までには試合を組みたいと話しています。
 またタン・チェンホー監督はスズキカップ前の練習試合を代表のホームでもある首都クアラルンプールのブキジャリル国立競技場で開催したいと話しています。なおマレーシア代表がこのブキジャリル国立競技場で最後に試合を行ったのは、2019年11月19日のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選のインドネシア戦で、この試合でマレーシアはインドネシアを2-0で下しています。
 スズキカップ前にホームで試合を開催してサポーターから応援を受けることは代表チームにとっても大きな力になると話すタン代表監督は、スズキカップに出場する東南アジアのチームとの対戦を希望しているとも話しています。

スタジアム観戦解禁後の入場許可数の概要が発表
 10月29日から再開されるマレーシアカップはおよそ5ヶ月ぶりにスタジアムでの観戦が可能になることが発表されていますが、マレーシアカップを主催するMFLは入場できる観戦者数の概要を公式サイトで発表しています。
 これによると各スタジアムでの観戦可能な入場者数は、新型コロナ対策を司る国家安全保障委員会NSC、マレーシア政府保健省、そして国内スポーツを統括する青年スポーツ省による標準作業手順SOPを基準として、国家復興計画NRPの段階に合わせて以下のように発表されています。
NRP第2段階の州(クダ、ペナン、ケランタン、ペラ、サバ):スタジアム定員の20%または5,000人
NRP第3段階の州(スランゴール、クアラルンプール、マラッカ、トレンガヌ、ジョホール、サラワク):スタジアム定員の30%または10,000人
NRP第4段階の州(ヌグリスンビラン、パハン): スタジアム定員の50%または20,000人
*州名はMリーグクラブが本拠地を持つ州のみ
 なおスタジアムでの観戦に際しては、18歳以上でワクチン接種が完了している者という条件がついており、スタジアム内での飲食禁止や試合中のマスク着用も義務付けられています。
 またMFLはMリーグクラブに対して事前の申請を行うことを前提に、10月29日以前に行われれるMリーグクラブ同士の練習試合についても観客を入れて行うことを許可するとしています。

今季MリーグのYouTube視聴総数が7700万回越え
 Mリーグを運営するMFLは公式サイト上で、今季2021年シーズンのMリーグ1部スーパーリーグの試合がYouTubeで視聴された回数が7796万5339回に達したと発表しています。
 この再生回数は9月30日時点で1部スーパーリーグ132試合が視聴された回数です。なおリーグが短縮され、試合数が半減した昨季2020年シーズンはスーパーリーグ66試合が1622万3282回視聴されています。
 今季のスーパーリーグはリーグスポンサーでインターネット接続事業者のUnifi(ユニファイ)によるYouTubeでの無料ストリーミング配信の他、UnifiによるIPTVのUnifi TV、そして地上波チャンネルのRTMなどで視聴可能ですが、ライブ観戦に限定すると今季の総視聴回数は3589万1793回となるということです。なお、Unifiによるスーパーリーグの無料ライブストリーミングは、無観客試合での開催が決定した第5節から始まり、スーパーリーグ終了後も、マレーシアカップグループステージ第2節まで続いています。
 YouTubeで視聴総数が多かったクラブは今季スーパーリーグ8連覇を達成したJDTで2260万959回、2位がクダ・ダルル・アマンFCの1590万1863回、3位がペナンFCの1321万1869回となっており、視聴回数もリーグでの順位がそのまま反映された形になっています。(記録はいずれも9月20日現在)
 またYouTubeでの視聴回数が多かった試合のトップ3は全てJDTの試合で、3月7日のスランゴールFC戦が最多の171万79回、4月24日のトレンガヌFC戦が168万4922回、5月8日のペナンFC戦が163万76回と続いています。

10月5日のニュース:「イカ釣り」事件に新展開!代替召集される可能性を知っていたらそれを逃すようなことはしない-シャールル・ニザム、シャールル・ニザムは自身が代替召集選手候補であることを通達されていたはず-タン代表監督、シャールル・ニザムが代替召集される原因となったディオン・クールズがクラブの試合に出場

代替召集される可能性を知っていたらそれを逃すようなことはしない-シャールル・ニザム
 9月23日に発表されたヨルダン合宿と練習試合2試合に出場するマレーシア代表24名からケガ人が出たことにより代替召集されたシャールル・ニザム(トレンガヌFC)は10月1日の代表集合日に姿を見せず、その結果、ヨルダン合宿へ参加しませんでした。その時点では集合日に現れなかった理由やその背景も不明で、代表サポーターの間で様々な憶測を呼びましたが、昨日のこのコラムで取り上げたように、マレーシア代表のTM(チームマネージャー)で、マレーシアサッカー協会FAMの会長代理でもあるモハマド・ユソフ・マハディ氏がシャールル選手はイカ釣りで海に出ており、連絡が取れなかったと説明し、その真相が明らかになりました。
 しかしその後、様々な事実が明らかになり、その責任問題が複雑化しています。まず当のシャールル選手が自身の名が代替召集選手候補リストに載っていたことを知らされていなかったと説明していることをマレーシア語紙ウトゥサンマレーシアが報じています。
 「9月29日の試合(マレーシアカップのスランゴールFC戦)後にチーム(トレンガヌFC)から5日間のオフを与えられ、特に予定もなかったのでケランタン州にある実家に戻った。実家は漁師をしているので、実家に戻れば自分も親を手伝って海に出ることもある。今回も漁に出たが、漁から戻ると自分が代表チームから召集を受けていたことを知らされて驚いた。」
 「しかも知らされた時には既に代表チームはヨルダンへ出発した後だった。代表チームに召集されたにも関わらず、集合日にチームに合流しなかったことは本当に申し訳ないと思っている。自分が召集されていたことを知った時は悲しみや失望などが入り混じり、さらにはやましい気持ちでいっぱいになった。『代表チームに敬意を示していない』『真剣にサッカーに取り組んでいない』といった誹謗中傷を受けたが、どんな選手でも代表チームでプレーすることが夢であり、もし自分が代替召集される可能性があることを知っていたら、自らその機会を逃すようなことはしない。」と述べて、自身がケガ人が出た場合の代替召集候補となっていたことを知らなかったとしています。
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 もしシャールル選手が真実を述べているとすれば、9月29日の試合後の段階ではシャールル選手も所属するトレンガヌFCもケガ人が出た場合には代替召集されるされることを知らなかったということになります。言い換えれば9月23日の代表メンバー発表の際には、この代替召集候補選手リストができていなかったということになりますが、次の記事を読むと、この前提が覆ってしまいます。


シャールル・ニザムは自身が代替召集選手候補であることを通達されていたはず-タン代表監督
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、シャールル・ニザムはケガ人が出た場合の代替召集選手候補であること、そしてそれに備えて待機しているべきであることを事前に通告されていたとタン・チェンホー監督が話していると報じています。
 15時間のフライトを経て合宿地であるヨルダンの首都アンマンに到着しているマレーシア代表は現在、検疫隔離期間中ということですが、スタジアムアストロの取材に答えたタン代表監督は「ヨルダン遠征のメンバーを発表した9月23日以前に、我々はシャールル選手に連絡を取り、代替召集選手候補であることを伝えているので、彼がそれを知らなかったはずはない。」と述べています。なおこの記事の中でタン代表監督は”I”ではなく”we”という表現を使っているので、タン代表監督がシャールル選手に直接、連絡を入れたわけではなさそうですが、それでも代表チームはシャールル選手が代替召集選手候補であることを通達していたことは事実のようです。
 なおタン代表監督は今回の召集はシャールル選手にとっても良い機会であったと述べる一方で、今後のプレーぶりを見ながら再び招集するかどうかを検討したいと述べています。
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 自身が召集される可能性があることを知らなかったと主張するシャールル選手と、既にその可能性を告知済みと述べたタン代表監督のどちらが本当のことを述べているのか、あるいは二人とも本当のことを述べていて、どこかでそれが正しく伝わらなかったのか。その真相は現在は不明ですが、最終的に誰も傷つかないようにする(=誰も責任を取らない)マレーシア的決着で真相追及が行われない可能性もあります。

シャールル・ニザムが代替召集される原因となったディオン・クールズがクラブの試合に出場
 9月23日に発表されたヨルダン遠征メンバー24名からケガによる辞退者が出たことで上の記事で取り上げたシャールル・ニザムが代替召集されましたが、そのケガによる辞退者の1人がデンマーク1部FCミィテッランに所属するDFディオン・クールズです。このクールズ選手の代表辞退とシャールル・ニザム選手の代替召集は9月30日にマレーシアサッカー協会FAMの公式Facebookで発表されていますが、現地時間の10月1日にポルトガルのブラガにあるエスタディオ・ムニシパル・デ・ブラガで行われた欧州サッカー連盟UEFAヨーロッパリーグのFCミッティラン対SCブラガで、このクールズ選手がベンチ入りしていたことが判明し、マレーシア代表サポーターの間に波紋を広げました。
 さらにその2日後の10月3日にはダンマーク1部第11節のFCミィテッラン対オーフスFGでもクールズ選手は再びベンチ入りし、しかも79分には交代出場までしたことから、一旦は代表に招集されながら辞退した理由はFAMが発表したケガではなく、何か他の理由があるのではないかという疑惑が持ち上がりました。この件を取り上げたサッカー専門サイトのラ・ボラは、このヨルダン遠征がFIFA国際マッチデー期間にも関わらずクラブがコールズ選手の招集に否定的だった、ヨルダン遠征から帰国後の検疫期間の長さをクラブが嫌った、そして今年12月の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップがFIFA国際マッチデー期間外でクラブは選手の召集を拒否できることから、スズキカップでプレーできる選手だけを召集することにしたなどの理由を挙げていますが、実際の理由は何であれクールズ選手の辞退の理由を「ケガによるもの」とFAMが発表したことには疑問が残るとラ・ボラの記事は締めくくっています。
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 ここまでくるともう何が事実で何が嘘なのかはわからなくなりますが、それは置いておくとしても、クールズ選手がいない現在の代表に関して、個人的にはやはりタイ1部のチョンブリーFCでプレーするジュニオール・エルドストールが今回のヨルダン遠征メンバーに入らなかったことが疑問です。同じタイ1部でプレーするドミニク・タンは今季1度も試合に出場したいない一方で、エルドストール選手は全試合に先発フル出場しています。185cmのクールズ選手を欠く代表DF陣にとって身長が190cm近いエルドストール選手は有用ですし、昨季からタイリーグでプレーしていることでタイ代表のFW陣の特徴は把握できているはず。その一方でタン代表監督となってからは今年6月のW杯予選が初の召集で、代表召集自体も7年ぶりとなったエルドストール選手は今回の遠征と練習試合を通じてチームメートとの連携を強化するために呼ぶべきだった気がしてなりません。