7月23日のニュース:MFLは地域リーグにもSOPの遵守を要望、第一子の出産に立ち会えなかったUITM FCのフランス人DFは一時帰国を希望、ケランタンFAの監督はチームの現状をポジティブに受け止める、ワン・クズリは次回のU19代表合宿に不参加の可能性も

MFLは地域リーグにもSOPの遵守を要望
 新型コロナウィルスの新たな感染者数が連日一桁だった先週とは打って変わって二桁代となっているマレーシアでは、感染の第二波が心配されています。公共の場でのマスクの着用を義務化とそれを破った場合には罰金あるいは禁固刑が検討されるなど、マレーシア政府は必死の対応で感染拡大を防ごうとしています。
 3月半ばから続く活動制限令も当初のいわゆるロックダウン状態から、現在ではそれが大幅に緩和され、徐々に日常が取り戻されつつありますが、その一方で、商業施設などでは現在も義務化されている入店の際の検温や追跡アプリの入力のチェックが行われず、店側も客側も対応がおざなりになっているのを目にすることも多くなっています。
 そういった雰囲気の中、7月15日よりサッカーなど身体接触を含むスポーツを行うことが可能になっていますが、ここで感染者が多発する様なことがあれば、Mリーグの再開に支障があるのではという懸念が広がっています。
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロによると、このサッカー解禁に伴い、地域のアマチュアリーグなどが再開され、 マレーシアサッカー協会FAMや青年スポーツ省による標準作業手順SOPが守られずにそこでクラスターが形成されることがあれば、Mリーグの再開許可が取り消される可能性もあると報じています。
 これについてMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、「各地域のアマチュアリーグの運営者に対してSOPの遵守を徹底することを強く求めたい。試合を実施する際に感染予防対策が撮れているとは正直思えない。MFLが身体接触を含めた練習の解禁直後に練習試合を許可していないのは、予防対策に万全を期すことが理由だが、各地域のアマチュアリーグもそういった対策を講じた上で運営されることを強く望んでいる。」と話しています。

第一子の出産に立ち会えなかったUITM FCのフランス人DFは一時帰国を希望
 Mリーグ1部UITM FCのフランス出身のMFウスマン・ファネは、活動制限令発令後も帰国せずマレーシア国内に残っていましたが、そのために第一子のしゅっさに立ち会うことができなかったと英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 「数ヶ月もサッカーをせず、しかも家族が一緒にいなければ多くの人は影響を受けるだろうが、自分は強い意志を持っており、サッカーが自分の仕事であるので、そういったことでサッカーへの集中が妨げられることはない。」と話すファネ選手のリーグ再開前に一時帰国して家族と再会したいという希望に対して、UITM FCもそれを許可する方向で話が進んでいるということです。
 残り7試合は全て出場したいと話すファネ選手は、クラブの目標であるリーグ8位以内を実現できるよう、リーグ再開後はできるだけ多くの勝ち点を詰みあげたいと話しています。

ケランタンFAの監督はチームの現状をポジティブに受け止める
 Mリーグの多くのクラブは身体接触を含まない練習が解禁された6月15日を皮切りにに練習を再開していましたが、練習再開に必要な書類がMリーグを運営するMFLに提出されていなかったとされるMリーグ2部ケランタンFAは、一昨日7月21日から練習を再開しています。
 このブログでもケランタンFAについて取り上げるときは未払い給料問題に関連する話題ばかりですが、ニューストレイトタイムズ電子版によると、ユスリ・チェ・ラー監督はポジティブな気持ちで練習再開を迎えているということです。
 「シーズン再開に向けての準備の時間が多くないことは理解しているが、試合までに選手全員が試合をするだけの体力を取り戻しているだろう。」と話していいます。
 ケランタンFAは今季第2節のUKM FCとの試合が激しい雷雨で中止になっており、その再戦のため他のクラブに先駆けて7月22日に再開後の初戦を迎えます。これについてユスリ監督は「UKM FCも(練習再開に必要な書類がMリーグを運営するMFLに提出されていなかった)問題から練習を再開したの数日前であり、この初戦はどちらにも勝つチャンスがあると思っている。活動制限令MCO中に(韓国出身の)カン・サンジョが退団しており、残っている選手でやりくりするしかないが、リーグ再開までにこれ以上退団する選手がでないことを祈っている。」と話しています。
 渡邉将基選手も在籍するケランタンFAは新型コロナウィルスによるリーグ中断までの3試合で1勝1分1敗の7位となっています。

ワン・クズリは次回のU19代表合宿に不参加の可能性も
 アメリカ出身で現在開催中のU19代表候補合宿に参加中のワン・クズリ・ワン・カマルは8月3日から始まる二次合宿には参加しないと、マレー語紙ハリアンメトロが報じています。
 U19代表のブラッド・マロニー監督は、ワン・クズリ選手が所属するアメリカ2部リーグUSLチャンピオンシップに所属するセントルイスFCのアカデミーとの最初の取り決め通り、この第一次合宿が終了後直ちに、アメリカへ帰国することを明かしています。
 新型コロナウィルスの新たな感染者が増える傾向にあることから、マレーシア政府は自国民、外国人を問わず入国の際には政府指定のホテルで2週間の検疫期間を過ごすことを再び義務化しており、再び合宿に参加する場合でも入国から2週間は合流することができません。
 マロニー監督は「ワン・クズリ選手はこの合宿では良いプレーを見せており、周りともうまくやっているようである。二次合宿に参加してくれれば、さらに良くなるだろうと期待している。」と話し、ワン・クズリ選手の二次合宿参加については問題なく参加できる方法を模索していると話しています。
 今週末に一時合宿を終了するU19代表は10月14日から31日までウズベキスタンのタシケントで開催されるAFC U19選手権に出場することになっています。

7月22日のニュース:PDRM FCの外国籍FWが退団、マラッカUはアセアン枠DFと契約解除、クダFAはリーグ再開前に4試合の練習試合を予定、U19代表候補合宿は最終週

PDRM FCの外国籍FWが退団
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によると、Mリーグ1部のPDRM FCのFWアントニオ・ジャーマンが活動制限令MCO期間中に退団したようです。
 今季2020年シーズン開幕前にPDRM FCに加入した英国出身でグレナダ代表のジャーマン選手は英国2部リーグのクイーンズパークレンジャーズでもプレー経験があるFWで、昨季2019年シーズンには同じMリーグ1部のスランゴールFCに加入したものの、人種差別発言を受けわずか数試合に出場したのみで退団しています。
 ニューストレイトタイムズによると、新型コロナウィルス感染に伴う活動制限令MCOが発令されていた4月中に、ジャーマン選手は親族の不幸を理由に英国に帰国したということですが、これがクラブの承諾を得なかったことから契約違反となり、その結果契約解除となったようですが、ジャーマン選手はシーズン中の契約解除に対して数か月分の給料を賠償金として請求しており、現在は選手、代理人そしてクラブとの間で話し合いが行われているということです。
 PDRM FCのイシャク・クンジュ監督は、MCO期間中もジャーマン選手はクラブから各選手に与えられていた練習メニューをこなしていなかったということで、当初からリーグ再開後も起用の予定はなかったと話し、残る二人の外国籍選手(いずれもトルクメニスタン出身のMFセルダール・ゲルディエフとDFショフラト・ソユノフ)を中心に戦っていくと話しています。

マラッカUはアセアン枠DFと契約解除
 マレー語紙ブリタハリアン電子版は、Mリーグ1部マラッカ・ユナイテッドとアセアン(東南アジア)東南アジア枠のナッザことDFナルポン・ワイルド・プッソーンとの契約解除を発表しています。
 こちらは両者合意の上の契約解除ということです。
 マラッカ・ユナイテッドのムハマド・アクラム・アブドラ チームマネージャーは、チームの戦力にとっては痛手ではあるものの、ナルポン選手の意思を尊重して、契約解除を決めたと話しています。
 また口頭での合意はできているものの、書面での合意には至っていないということで、アクラム チームマネージャーは、もし翻意をすることがあれば、いつでも再交渉の余地はあると話しています。
 その一方で、メディアからナルポン選手の退団の理由を問われたアクラム チームマネージャーは、その説明を拒否したということです。
 この他、アクラム チームマネージャーは8月26日のMリーグ再開に先立ち、練習試合が解禁される8月2日以降にMリーグ2部のヌグリスンビランFAとの練習試合を予定していることも発表しています。試合会場はヌグリスンビランFAのアブドルラーマンスタジアムということですが、日程については現在交渉中ということです。

クダFAはリーグ再開前に4試合の練習試合を予定
 8月26日のMリーグ再開に向け、クダFAのアイディル・シャリン・サハク監督は4試合の練習試合を予定していると、マレー語紙ハリアンメトロ電子版が伝えています。
 アイディル監督は、クアラルンプールとスランゴール州周辺のクラブと3試合、マレー半島北部のクラブと1試合を予定していると話しています。
 既に練習試合を希望する相手はクダFAを運営するクダ州サッカー協会KFAに報告済みだと話すアイディル監督は、現在はKFAの経営陣から試合の実施許可を待っていると話し、できるだけ早く確定させたいと話しています。
 「選手のコンディションは良く、4試合の練習試合はリーグ再開前にチーム全体のレベルアップにとって非常に重要だ。リーグが再開すれば、4週間で7試合をこなす必要があり、しかもその間の移動も含めると、選手には体力と精神力の両方が求められる。」とアイディル監督は話しています。

U19代表候補合宿は最終週
 7月6日から始まったU19代表候補合宿は7月26日が最終日ですが、ハリアンメトロ電子版によると、ここまでの2週間は体力強化を中心に行ってきたU19代表は、3週目の最終週は戦術練習中心を行うようです。
 U19代表のブラッド・マロニー監督は、ここまでの2週間でどの選手も積極的に練習に取り組み、成長が見られると話しています。
 また最終週を前にいずれもGKモハマド・アズリアン・モハマド・アズランとMFモハマド・ナゼミザン・ナスロン(いずれもサバFA)、DFモハマド・ザリフ・シャミル・モハマド・ザマン、MFアブドル・ラジク・アブドル・ラヒム(いずれもマラッカFA)の4名がメンバー外となる一方、マレーシアサッカー協会FAMと青年スポーツ省が運営するエリートアカデミーのモクタル・ダハリアカデミーAMDから元U16代表のGKシャミ・アディブ・ハイカル・モハマド・シュクリを召集しています。

7月15日のニュース:Mリーグ4クラブのみが民営化手続き完了、MFLは身体接触を含む練習許可に練習試合許可は含まれていないことを警告、FAM会長-2030年までにアジアトップ5入りを目指す計画は順調に進行中

Mリーグ4クラブのみが民営化手続き完了
 マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、現時点で国内リーグMリーグのクラブの内、4クラブが民営化の手続きを完了していることを公表しています。マレーシアの通信社ブルナマによると、スチュアート事務局長は具体的なクラブ名は公表しなかったものの、Mリーグの4クラブが民営化手続きを終えており、このほかに12クラブが手続きを進めている最中と言うことですが、残る6クラブはFAMが定めた今年9月30日の期限を前に民営化手続きに着手すらしていないと言うことです。
 サッカークラブの「民営化」と言う表現に違和感があるかも知れませんが、Mリーグの多くのクラブは、マレーシア国内の各州サッカー協会(州FA)によって運営されているいわば公営クラブで、このブログでもクラブ名をクダFA、ケランタンFAといったように州名プラスFAという表記を使っているのもこれが理由です。
 Mリーグクラブの民営化については、アジアサッカー連盟も関心を示しているとされ、来季2021年シーズン開幕までに民営化が完了しないクラブには様々な障害が生じる可能性があるということで、FAMも民営化を奨励しています。
 「州FA所属のクラブが民営化する際にはいくつかの段階を踏む必要があり、2020年は新たにクラブ(FC)を新設する段階とFAMは位置付けている。FC新設後は、州FAからFCへの運営権の移行を含む次の段階に進むことになる。」と話すスチュアート事務局長は、今年は新型コロナウィルスの影響や、連邦政府内の政変に伴う州政府内の政権交代などによって、民営化の進行が遅れていることには理解を示し、FAMは各州FAを支援する用意があるとしています。
 この民営化は、州政府に選手の給料を含めた大半の運営資金を依存する多くのクラブの運営方法を改めるとともに、その経営健全化へと舵を切る切り札と目されています。
******
 多くの州で、州首相が州FA会長を兼任する状況は、その会長職が単なる名誉職となっているだけでなく、今年のように政変で会長が交代を強いられるなど、本来なら長期的展望を持って運営されるべき各州FAが政治家に翻弄されているのが現状です。
 また現在の形態は、公金が投入されることをいいことに、経営手腕がない名ばかりの役員が高額で選手と契約し、その挙句に給料未払い問題を起こしていることとも無関係ではありません。この民営化が実現すれば、プロクラブを名乗りながら、選手への給料を支払えないFAが淘汰されていく可能性もあり、Mリーグが名実ともにプロリーグへとなる日も近づくのではないかと思います。

MFLは身体接触を含む練習許可に練習試合許可は含まれていないことを警告
 いよいよ本日7月15日よりMリーグ各クラブは身体接触を含む通常練習が可能になりますが、Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグは、身体接触を含めた練習の許可には練習試合実施の許可は含まれていないことを明言しています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、身体接触を含めた練習の解禁は練習試合の実施も可能になるわけではないとし、MFLは各クラブが標準作業手順SOPを遵守した上で練習を続けることを求めているとマレー語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 「MFLはどのクラブにも練習試合実施許可を出していないが、これは身体接触を含めた第二段階練習解禁後も選手やスタッフなどの安全と健康を考慮した上で、SOPが遵守されるかどうかを確認することを優先しているからである。これが確認された後には、時期を見計らった上で練習試合の実施を許可する予定である。」と話すガニCEOは、リーグ再開時期について問われると、各クラブが使用するスタジアムの消毒や除染、さらに施設の修理などを行って、再開後に問題が発生しないよう十分な準備の時間を確保できるようにした上で、再開時期を決定したいと話しています。

FAM会長-2030年までにアジアトップ5入りを目指す計画は順調に進行中
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上に、7月14日に就任から3年目となるハミディン・モハマド・アミン会長の2年間の実績報告などを掲載しています。
 Mリーグ1部ジョホール・ダルル・タジムJDTのオーナーでもあるジョホール皇太子トゥンク・イスマイル殿下辞任の後を受けて2018年7月に就任したハミディン会長は、スランゴール州サッカー協会FASの事務局長の経験もある元銀行家で、それまで政治家や王族が歴任してきたFAMの会長職についた初めての「民間人」です。
 会長就任後には2023年のAFC選手権アジアカップ出場、2016年までにFIFAランキング100位内、そして2030年までにアジアのトップ5入りとFIFAランキング70位以内などの目標を打ち出しましたが、当時はその目標は高すぎるという声が大半でした。
 しかし代表チームは2023年AFC選手権の予選を兼ねるFIFAW杯アジア二次予選ではベトナムに次ぐ2位につけており、FAMの公式サイトでは、ハミディン会長が提唱する2030年までのアジアトップ5入りを目指す指針F:30は順調に進行中であるとしています。
 またサッカー振興の礎となるコーチの養成のためのマレーシアコーチ憲章では、AFCプロコーチ養成コースの開催、プロ審判憲章ではプロ審判候補者の絞り込みが行われており、こちらも順調に進行中であるとFAM公式サイトでは伝えられています。
******
 ハミディン会長は、かつてはマレーシアよりも弱かった日本が今ではアジアでもトップクラスの代表チームを擁することから、同じアジア人として日本から学びたいという発言を何度も繰り返しており、実際に日本サッカー協会JFAとの積極的な関係構築や、プロコーチ養成コースの一環としてJリーグのセレッゾ大阪や大宮アルディージャへの派遣、また昨年は国内カップ戦FAカップの決勝戦を日本から主審と副審を読んで開催するなど、日本に追いつき、追い越せという姿勢が見て取れます。

7月10日のニュース:ACLの日程発表-JDTの初戦は10月17日の広州恒大淘宝戦、ケランタン州協会は来季のクラブのMリーグ残留に楽観的、今度は元スランゴールFCのGKが優勝メダルをオークションに

ACLの日程発表-JDTの初戦は10月17日の広州恒大淘宝戦
 アジアサッカー連盟AFCの公式サイトでは、10月から再開予定のAFCチャンピオンズリーグACLAFCカップの新たな日程が発表になっています。
 ACLのグループGに入るMリーグ1部ジョホール・ダルル・タジムJDTの再開初戦は10月17日の広州恒大淘宝戦となっています。またその6日後の10月23日には水原三星戦、さらに10月29日にはヴィッセル神戸戦、そしてグループスタージ最終戦となる広州恒大淘宝戦は11月1日に予定されています。
 なお試合会場については、これまでのホームアンドアウェイ開催から一か所集中開催となることが発表になっていますが、具体的な場所はまだ発表されていません。
 またグループステージ終了後のノックアウトステージも、今季は12月5日に予定されている決勝戦までの全ての対戦がホームアンドアウェイ形式から一発勝負の形式となることも併せて発表されています。
 今季のACLでJDTは初戦のヴィッセル神戸戦(アウェイ)に1−5と大敗したものの、次戦の水原三星戦(ホーム)では2-1と快勝しましたが、その後、ACLは新型コロナウィルスの影響で中断されていました。
 この他、AFC主催の各大会の日程も以下の通り発表になっています。
AFC U19選手権:10月14日から31日までウズベキスタンで開催。
AFC U16選手権:11月25日から12月12日までバーレーンで開催。
AFC フットサル選手権:11月4日から15日までトルクメニスタンで開催。
AFC フットサルクラブ選手権:12月2日から13日までアラブ首長国連邦で開催。

ケランタン州協会は来季のクラブのMリーグ残留に楽観的
 Mリーグ2部ケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会KAFAは、複数の給料未払い問題を抱えるものの、来季もMリーグに残留できると楽観的な予測を持っていると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 マレーシアサッカー協会FAMは、KAFAは要求に応じる形で未払い給料問題解決の期限を6月30日から8月31日まで延長していますが、KAFAのフシン・デラマン事務局長はこの2ヶ月間の間に未払い給料の支払いを分割で行うとしています。
 その一方で、KAFAのスポンサー委員会のアーマド・ムザッキル・ハミド委員長は青年スポーツ省のリーザル・メリカン・ナイナ・メリカン大臣を表敬訪問し、未払い給料問題解決のため青年スポーツ省によるKAFAへの支援を依頼したとされています。
******
 同じ記事の中では、ケランタンFAの練習再開が8月1日となることも明らかにされており、その理由として監督がリーグ開幕までの練習期間は1ヶ月で十分だとしたことが理由にされています。
 Mリーグの各クラブが次々と練習を再開する中、7月も自宅練習を選手に求める姿勢を見ると、ケランタンFAは練習再開に必要とされる標準作業手順SOPに必要とされる余分な費用など負担を避けることが目的ではないかと勘ぐってしまいます。

今度は元スランゴールFCのGKが優勝メダルをオークションに
 MリーグのペラFAや代表で活躍したカリド・ジャムルスが、経済的な困窮を理由に自身が獲得したMリーグ得点王のトロフィーであるゴールデンブーツやユニフォームなどをオークションに出した話は先日取り上げましたが、今度はかつてのスランゴールFA、現在のスランゴールFCでプレーしたGKが優勝メダルをやはりオークションにかけています。
 2005年にスランゴールFAでプレーしたジャムサリ・サビアンは、この年獲得したMリーグ2部プレミアリーグの優勝メダル、FAカップの優勝メダル、そしてマレーシアカップの優勝メダルの写真を自身のFacebookに挙げ、購入希望者を募っています。
 2003年に当時の1部リーグだったプレミアリーグ1(現在のスーパーリーグ)で13チーム中12位となり、2部リーグプレミアリーグへ降格となったスランゴールFAは、2005年には2部で優勝しただけなく、2部のクラブとしては初となる国内の二つのカップ戦を制覇していますが、ジャムサリ・サビアン選手はその3つの優勝記念メダルを手放すとしています。
 Facebook上では特に理由は述べられていませんが、これだけのものを手放すというのにはそれなりの理由があるのでしょう。
******
 この2005年のスランゴールFAは現在はパハンFAの監督を務めるドラー・サレー監督と、やはり現在はクアラルンプールFAでプレーするシュコル・アダン主将が率い、マレーシアカップ決勝では9万3569人の観衆を記録したブキジャリル国立競技場でプルリスFAを3-0で破り、FAカップ決勝はペラFA(現ペラTBG)をやはりブキジャリル国立競技場で4-2で破っています。いずれの決勝戦もインドネシア代表で活躍し、インドネシアサッカー界のレジェンドであるバンバン・パムンカスが2得点を決めて勝利に貢献しています。
(写真はいずれもジャムサリ・サビアン選手のFacebookより。写真左は2部プレミアリーグ(Liga Premier)、FAカップ(Piala FA)、マレーシアカップ(Piala Malaysia)のメダル。写真右はGKユニのジャムサリ・サビアン選手とスランゴールFAのメンバー)

7月8日のニュース:ペラ州政府がかつての名選手の支援を検討、FAMはアフリカ出身の帰化選手候補の審査を書類不十分により終了、「日本は東南アジアの才能豊かな若い選手に常に注目している」ヤクルト濱田社長

ペラ州政府がかつての名選手の支援を検討
 マレーシアの通信社ブルナマは、かつてペラ州サッカー協会PAFAが運営するペラFA(現ペラTBG)で活躍したストライカーのカリド・ジャムルスへの経済支援をペラ州政府が検討していると報じています。
 ペラ州のアーマド・ファイザル・アズム州首相は、ペラFAや代表で活躍したかつての名選手が苦境を聞くたびに心が痛むと話し、カリド選手に対してどのような支援を行えるかをPAFAと話し合ったことを明かしています。
 カリド選手は先週、現在の経済的困窮状況を明らかにした上で、2002年シーズンに17ゴールを決めて獲得したMリーグ得点王表彰のゴールデンブーツを1万500リンギ(およそ26万4000円)で手放したことを自身のFacebook上で明らかにしていました。このゴールデンブーツの他、現役時代のユニフォームや獲得した様々なメダルなどの記念品も併せてオークションで売却したとして、代表でも2004年の東南アジアサッカー連盟AFF選手権で6ゴールを決めたかつての名選手の現状に同情が集まっていました。
 2012年を最後にMリーグでプレーしていないカリド選手は過去3年間は無職だったとも報じられています。

FAMはアフリカ出身の帰化選手候補の審査を書類不十分により終了
 マレーシアサッカー協会FAMは、コンゴ民主共和国出身のマルセル・カロンダから申請されていた帰化選手審査を終了すると公式サイトで発表しています。
 22歳のカロンダ選手は祖父がサバ州出身であるとしてマレーシア人の血筋を持つHeritage Playerの資格で帰化を申請していました。
 しかしFAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長の発表によると、FAMはコンゴ共和国サッカー協会FECOFOOTや当地のコンゴ共和国領事館を取る一方で、カロンダ選手から提出されていた書類をマレーシア法務省下の国家登録局JPNに提出したところ、JPNからは一部の内容が無効であるという連絡を受け取ったということです。
 FAMは既にカロンダ選手に審査終了の連絡を通知したということです。
******
 実はこのカロンダ選手については、3月頃から当地のサッカーファンの間では話題になっていました。しかし、その後も何の確証も現れず、単なる噂とカロンダ選手自身の主張のみを根拠に期待だけが大きくなっていったこともあり、このブログでは積極的には扱わないことを決め、取り上げたのも先月の一度だけでした。
 ここ数年は帰化選手の増加によってマレーシア代表の力が底上げされているのは事実ですが、マレーシア国内でプレーもせず、突然、マレーシア人の血筋を引いていると主張する外国籍選手は、所詮、現在居住する国では代表になれない選手たちが機会を求めているだけに過ぎないような気がします。
(下は公式Facebookに掲載されたカロンダ選手の審査終了の告知)

「日本はアセアンの才能豊かな若い選手に常に注目している」ヤクルト濱田社長
 マレーシアの国営テレビRTMにJ2岡山のハディ・ファイヤッド選手とヤクルトマレーシアの濱田浩志社長が出演したと、マレーシアのサッカー専門サイトのヴォケットFCが報じています。
 「国外へ選手派遣は有意義か、時間の無駄か」と題されたこの番組の中で司会者のニニ・イブラヒム氏は岡山からオンラインで出演したファディ選手に対して、現地の気候や文化、日本の新型コロナウィルス対策などサッカー以外の話題なども含めたインタビューを行い、ハディ選手もAチーム入りを目指す強い決意を表明しました。
 続いて番組に登場したの濱田社長は、新型コロナウィルスによって現在は停止しているものの、ヤクルト社がこれまで行ってきたマレーシア国内の草の根レベルのサッカー支援、そして今年後半に予定されている国内大会への支援、そして優勝チームの日本派遣などについて説明しました。
 その後、司会者からハディ選手を支援する理由を尋ねられた際は、ハディ選手の支援は同社の企業の社会的責任活動CSRの一環であると述べています。さらに他のマレーシア人選手を今後日本へ派遣する予定があるかどうかを尋ねられた濱田社長は、同社はサッカー選手の代理人ではないので、日本国内のクラブへの橋渡しはするが、選手を受け入れるかどうかは先方のクラブ次第であると述べた他、もし自ら望んで日本へ行きたい選手がいれば、日本のクラブへ紹介することはできる、と答え、その際には日本はアセアン(東南アジア諸国連合)の才能豊かな若い選手に常に注目していると話しています。
 なお、この番組の映像はこちらからご覧になれます。

7月6日のニュース:元U16監督の外国クラブへの若手派遣は意味なしの意見に元U23監督が反論、スランゴール州FAがサッカーコンサルとの契約を発表、ルクマンの渡欧が決定

元U16監督-外国クラブへの若手派遣は意味なし
 かつてU 16代表の監督を務めた他、マレーシア政府青年スポーツ省とマレーシアサッカー協会が共同して運営する国家サッカー選手養成プログラムNFDP内のエリートアカデミーであるモクタル・ダハリアカデミーAMDのテクニカルダイレクターも務めたリム・ティオンキム氏は、若手選手の外国クラブへの「派遣」は時間の無駄であり、教育を受ける機会を奪うものだと、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版とのインタビューで話しています。
 リム氏は、コーチの外国クラブへの派遣には、コーチの育成という観点から意味があるので賛成する一方で、若手選手の派遣には反対であると述べています。
 「マレーシアは日本や韓国と違い、外国のクラブのスカウト網には含まれていない。もし、スカウトされたという話があれば、それはうそだ。また、高校や大学に在学中の選手を外国のクラブへ派遣するとなった場合、その間の教育はどうなるのだろうか。教育は重要であり、もしその選手がプロになれなかった場合には、その後の人生では何を頼りに生きていくのかまで検討されているようには思えない。」
 自身は1980年代後半にドイツ1部リーグのヘルタ・ベルリンでもプレーし、その後はバイエルン・ミュンヘンのユースチームのコーチを務めたリム氏は、若手選手が外国クラブの目に留まる機会を作るためには国際大会に出場させることが近道であると述べています。
 「当初は10年計画として2002年に始まったNFPDだが、その後の2013年にNFPDの計画責任者として参加した私が直近の目標としていたのは2019年のU17 W杯への出場だった。具体的にはこの大会に出場し、各国から集まる監督、コーチ、そして世界各地のクラブのスカウトの目に留まる機会を作り、その後はNFDPの卒業生が海外のクラブでプレーするという目標を立てていた。」
 「海外、特にヨーロッパのクラブにマレーシアの選手が評価されるのは難しい。現在のNFPDも卒業生に海外のクラブでプレーさせるという目的は変わっていないが、実現は難しくなっている。と言うのもFAMは日本に選手を送り込んでおり、これは単なるマーケティングが目的である。」と話すリム氏は、自分をドイツから招聘した当時の青年スポーツ相のカイリ・ジャマルディン現科学技術およびイノベーション相とともに現在のNFDPの状況を憂いており、「若い選手には技術習得や性格形成などの機会を十分に与えるべきだが、現在のNFDPは直ちに結果を求めようとしている。」と批判的な意見を述べています。
******
 2013年にバイエルン・ミュンヘンからNFDPへ三顧の礼をもって迎え入れられたリム氏は、2016年にはAMDのテクニカルダイレクターに、さらに2019年のU17W杯出場を目指したU16監督にも就任しました。しかしU17W杯のアジア予選を兼ねたアジアサッカー連盟AFC U16選手権2018年大会がマレーシアで開催されながら、グループステージ最下位で敗退した結果、リム氏はU16監督を解任され、2019年以降はNFDPとの契約が更新されず、事実上の解任となりました。
 ただしこの「解任」は、この年の選挙で1953年のイギリスからの独立後初の政権交代が起こった結果、旧与党が推奨するもの全てを否定するような「魔女狩り」にも似た風潮が生まれ、そのとばっちりを受けたような面もある解任だったと言う印象です。

元U23監督-海外クラブへの派遣は時間の無駄ではない
 上で取り上げたリム氏の意見に対して、元U23代表監督で、現在はマレーシアサッカー協会FAMのユース育成部門の責任者を務めるオン・キムスイ氏は、高いレベルの海外クラブに派遣することは、若い選手が成長するための道を切り開くものであると反論しています。
 「FAMは海外のクラブへ派遣した選手の状況を把握しており、派遣先のクラブもきちんとした組織を選んでいる。ヨーロッパのクラブは運営しているアカデミーが複数のレベルに分かれており、派遣する若手選手はアカデミーで練習中の選手ではなく、派遣する選手と同じ年代のトップチームと一緒に練習させることを目標にしている。」
 「我々は派遣先のクラブを選別する必要があるが、どのクラブであっても選手を派遣して直ちに我々の求めることが実現するわけではない。そのためにはクラブとの関係を構築して、長期間にわたって派遣を続ける必要があり、結果が出るまでには時間がかかることも承知している。」と話すオン氏は、FAMは現在、これまでの日本サッカー協会JFAとの関係に加えて、韓国サッカー協会KFAやヨーロッパの複数のクラブとの練習参加などの派遣プログラムを計画中ということです。
 またNFDPの状況にも常に目を配っていると話すオン氏は、第1期卒業生のサッカー人生が不安定な状況であるという指摘に対しては、全員がMリーグクラブに所属しており、10月に開催予定のAFC U19選手権に出場するチームの核となっていることまた、さらに昨年はこの卒業生たちが東南アジアサッカー連盟AFF U19選手権やAFC U19選手権に出場したことを指摘し、放置されているという指摘は当たらないとしています。

スランゴール州FAがサッカーコンサルとの契約を発表
 Mリーグ1部スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FASは公式サイト上で、サッカー専門のコンサルティング会社であるハーカス・コンサルタンシー・グループHCG社と契約したことを発表しています。
 HCG社はバレンシア(スペイン)、ベンフィカ(ポルトガル)、AZアルクマール(オランダ)、レンジャーズ(スコットランド)といったヨーロッパのクラブの他、サイゴンFC(ベトナム)やタンピネス・ローバーズ(シンガポール)などとも契約しているということです。
 持続可能な運営、そしてスランゴールFCの完全民営化を目指すFASは、スカウティングやトレーニング、大会の開催やスタジアムの商業価値増大などサッカー関係の様々なサポートを行うHCG社と契約することで、ビジネスとしてサッカークラブ運営だけでなく、かつての黄金期を取り戻せるようクラブとしてのレベルアップを目指すということです。

ルクマンの渡欧が決定
 同じFASの公式サイトでは、Mリーグ2部、スランゴールFCのBチームであるスランゴール2に所属するルクマン・ハキム・シャムスディンのKVコルトレイクへの移籍を発表しています。
 マレーシア人富豪のヴィンセント・タン氏がオーナーを務めるベルギー1部リーグのKVコルトレイクはルクマン選手と5年契約を結んでいますが、新型コロナウィルスノエ教により、ルクマン選手はクラブに合流できないまま、ベルギーリーグは中断後にリーグ日程を短縮して2019/2020年シーズンを終えてしまったことから、練習環境を求めてスランゴール2と契約していました。
 上記でも取り上げたNFDPの第1期卒業生の一人でもあるルクマン選手は、チームはグループステージ敗退となりながら、2018年のAFC U16選手権では唐山翔自(現ガンバ大阪)らと得点王を分け合い、今年10月に開催されるAFC U19選手権予選でもやはり試合出場は2試合ながら得点王となるなど、マレーシアサッカーの将来を担う期待の星ですが、この度、FASとKVコルトレイクの間で移籍が合意されたということです。
 FASが育てたわけではないルクマン選手の移籍について、かなりの量の説明付きで報じているのは個人的には少々違和感がありますが、18歳のルクマン選手を暖かく送り出そうというFASの気持ちは伝わってくる移籍告知です。

7月4日のニュース:代表はW杯予選前にバーレーンと練習試合実施、FIFAからの支給金は各州FAには分配されず、マレーシア人マネージャーが明かすヤンゴンU成功の秘密

代表はW杯予選前にバーレーンと練習試合実施
 今年3月に予定されながら、新型コロナウィルス感染拡大により延期となり、その後は実施が危ぶまれていたバーレーンとの練習試合が行われることになったとマレー語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 10月2日に予定されているマナマでのアウェイマッチでは、最新のFIFAランキングで99位のバーレーンに同154位のマレーシアが挑むかたちですが、10月8日にやはりアウェイマッチとなるW杯予選のアラブ首長国連邦戦が控えるマレーシアにとっては、格好の腕試しとなるでしょう。
 代表のタン・チェンホー監督は、このバーレーン戦をUAE戦を控える代表にとって中東のプレースタイルと気候に慣れるための貴重な機会だと話しています。
 マレーシア代表はW杯アジア二次予選のグループDで現在、2位に付けており、残るUAE戦(10月8日)、ベトナム戦(10月13日ホーム)、タイ戦(11月17日アウェイ)の結果次第では、W杯三次予選への進出は難しくとも、開催国枠で出場した2007年以来のアジアカップ出場権獲得が期待されています。

FIFAからの支給金は各州FAには分配されず
 国際サッカー連盟FIFAから新型コロナウイルス感染による財政難への取り組みを手助けするために、マレーシアサッカー協会FAMに対して支給された150万米ドル(およそ1億6100万円)について、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、Mリーグクラブや、クラブを運営する各州FAに分配する予定はないことを明らかにしています。
 スチュアート事務局長がマレー語紙ブリタハリアンに語ったところによると、この支給金は新型コロナウイルス感染症の大流行で影響を受けたサッカーコミュニティーを手助けする救済が目的であり、未払い給料問題を抱えるクラブを支援することはFIFAの指針に反するものであるとして、剰余金が出た場合でもクラブへの分配は行わないとしています。
 6月29日にアジアサッカー連盟AFCのウインザー・ジョン事務局長は、FIFAが各国FAに対して150万米ドルを支給することを明らかにしており、スチュアートFAM事務局長の発言は、このAFCからの告知を受けて支援を求める可能性がある州FAに釘を刺すためのものと考えられています。

マレーシア人マネージャーが明かすヤンゴンU成功の秘密
 サッカー専門サイトのヴォケットFCは、ミャンマー1部リーグのヤンゴン・ユナイテッドFCのスポーツマネージャーを務めるマレーシア人のカイルル・アヌアル・アズミ氏とのインタビュー掲載し、ヤンゴン・ユナイテッドFCのビジネスモデルとその成功を紹介しています。
 2018年から現在の職についているカイルル・アヌアル氏によると、ヤンゴン・ユナイテッドFCはクラブ所有の施設が生み出す収入のおかげで、スポンサー代や広告料、入場料収入、グッズの売り上げといった収入に依存せずに運営ができていると話しています。
 ヤンゴン・ユナイテッドFCは4面の屋外フットサルコート、1面の屋内フットサルコート、バスケットボールコート、ジム、プール、バドミントンコートなどを所有し、これらを一般に開放して収入を得ている他、さらに所有する多目的ホールでは企業のイベントやディナーパーティー、そして結婚式の会場としても貸し出されているそうです。
 またサッカーアカデミー やスイミングスクールも併設されているということで、収入だけでなく地域社会のスポーツ文化育成などにも一役買っており、カイルル・アヌアル氏によれば、スポーツ施設を含めた施設の貸し出しで一月あたり15万リンギカラ17万リンギ(およそ376万円から426万円)の収入があるということです。
 今季もAFCカップに出場しているヤンゴン・ユナイテッドFCは、2013年からは横浜F・マリノスともパートナーシップ提携を行っているということです。
 この記事は、Mリーグのクラブもヤンゴン・ユナイテッドFCを見習って、より大きな視点でサッカークラブを運営するべきだと締めくくっています。
******
 下はヤンゴン・ユナイテッドFCが所有するスポーツ施設の紹介映像ですが、これを見る限りでは総合スポーツ施設という感じで、ヨーロッパのスポーツクラブがモデルになっているような感じです。Mリーグのクラブは州政府の予算頼りのクラブが大半で、サッカークラブがビジネスとして成功するためには、公金に頼らないクラブ運営から始めなければなりませんが、その道はまだまだ遠そうです。

7月3日のニュース:今度はクランタン州FAの副会長が辞任、青年スポーツ相-身体接触を含む競技の再開は時間の問題、AFC選手権出場のU19代表候補合宿参加者35名が発表

今度はクランタン州FAの副会長が辞任
 わずか数日前に、現職の会長と会長補佐が「休職」となったケランタン州サッカー協会KAFAで、今度は副会長が辞任したことを、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 ワン・アブドル・ラヒム・ワン・アブドラ会長とアファンディ・ハムザ会長補佐の休職を発表したKAFAですが、後を追うようにモハマド・ロウィ・ドラー副会長が辞表を提出して退職しています。モハマド・ロウィ副会長は2019年に現職に就任し、副会長の任期は2023年まとなっていました。
 「自分はビジネスマンであり時間的な制約もあることから、KAFAの仕事に全力で取り組むことが難しくなっている。副会長としてKAFAのスポンサー獲得にも知って牌していることから辞職を申し出た。」と話すモハマド・ロウィ副会長からの辞職願について、KAFA事務局は受け取ったことを認めているということです。
******
 このブログで何度も取り上げているように給料未払い問題の解決も見えない中、会長、会長補佐に続いて副会長までいなくなってしまったケランタン州FAの迷走はまだしばらくは続きそうです。

青年スポーツ相-身体接触を含む競技の再開は時間の問題
 国内のスポーツを監督する青年スポーツ省のリーザル・メリカン・ナイナ・メリカン大臣は、国家安全保障委員会と保健省による正式発表は来週行われるとした上で、サッカーやセパタクローなどの競技再開が近いと語っていると、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 身体接触を含む練習再開については、7月9日に行われる閣議で議論されることは、昨日のこのブログでも取り上げましたが、これについてリーザル青年スポーツ相は、このようなスポーツを再開することで、国民に対してこれまでの日常に戻っていることが実感できるものとされることから、閣議では前向きに検討される可能性が高いと述べています。

AFC選手権出場のU19代表候補合宿参加者35名が発表
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上でアジアサッカー連盟AFC U19選手権に出場するマレーシアU19代表候補合宿参加選手35名を発表しています。
 代表候補合宿は7月6日から26日までスランゴール州プタリンジャヤPJのFAM施設で行われます。
 昨年2019年11月にカンボジアで開催された予選の最終戦では、優勝候補だった同組のタイに1ー0で勝利し本戦出場資格を獲得していますが、その時のU18代表からは14名が残っています。
 この他、今回の招集メンバーで注目を集めるのは、マレーシア人の両親を持つアメリカ出身のワン・アーマド・クズリ・ワン・アーマド・カマルと、FAMとマレーシア青年スポーツ省が共同で運営する国家サッカー選手養成プログラムNFDPのチームで主将経験があり現在はタイのプーケットにあるブリティッシュインターナショナルスクールプケットBISPクルゼイロサッカーアカデミー所属のムハマド・アダム・ナズミ・ザムリです。クズリ選手は、兄のワン・クザイン・ワン・カマルが昨年末の東南アジア競技大会シーゲームズ出場のU23代表候補合宿に参加しています。
 また今回招集された35人以外には、U19選手権予選突破に貢献した主力選手のルクマン・ハキム・シャムスディン(KVコルトレイク-ベルギー)、ムカイリ・アジュマル・マハディ、ハリス・ハイカル・アダム・アフカル(いずれもスランゴール2)ら7人は、次の代表候補合宿からの参加が予想されています。
 10月14日から30日までウズベキスタンで開催されるAFC U19選手権では、マレーシアはグループDに回り、カタール、タジキスタン、イエメンと同組になっています。

7月2日のニュース:身体接触を含む練習許可などスポーツ関連閣議をマレーシア政府が来週開催、給料未払い問題の解決期限を過ぎたクラブの状況、アジアカップ2027年大会に5カ国が開催国に立候補

身体接触を含む練習許可などスポーツ関連閣議をマレーシア政府が来週開催
 マレー語紙ブリタハリアンによると、3月半ばから中断中のMリーグはリーグ再開に向けて着実に近づいているようです。
 国内のスポーツを統括する青年スポーツ省は7月9日に開かれるマレーシア政府内の活動制限令関連閣議の席上でMリーグ各クラブの身体接触を含む練習の許可申請が話し合われるということです。
 このことを明らかにしたリーザル・メリカン・ナイナ・メリカン青年スポーツ相は、申請についてはあくまでも議題に上がることが決まっているだけで、国家安全保障委員会と保健省による承認が必要であるとする一方で、身体接触を含む練習許可申請が認められれば、サッカーだけでなく、他のスポーツにとっても試合や大会などの開催実現に近づくことになると話しています。
 現在、マレーシア国内では、身体接触を含まないバドミントンや陸上競技などの練習は許可されている一方で、サッカーやラクビー、ホッケーなど身体接触を含むスポーツや格闘技系競技については、身体接触を含まない練習のみが許可されています。

給料未払い問題の解決期限を過ぎたクラブの状況
 6月30日はマレーシアサッカー協会FAMが給料未払い問題を抱えるクラブに対して問題解決の期限としていた日でした。ここでいう問題解決とは、未払い給料を完済する以外に、一括で未払い給料の支払いができない場合にはその方法や支払い期限などについて該当する選手や監督、コーチとの間で合意を得ることも含まれています。
 ブリタハリアンは、かつてはケランタンFAの主将で現在はMリーグ2部ケランタン・ユナイテッドFCでプレーするピヤことモハマド・バダリ・ラジにインタビューを行なっています。このバダリ選手はケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会KAFAから支払われるべき未払い給料が25万リンギ(およそ626万円)以上あることを公言していますが、ブリタハリアンとのインタビューでは、「KAFAからは今年3月以降全く支払いを受け取っていない。KAFAが自分を含めたかつての選手たちに未払い給料を支払わないことにより、ケランタンFAが勝点剥奪などの処分を受けるのは残念だが、KAFAはFAMとの取り決めを守れなかった結果なので受け入れるしかないだろう。」と話しています。
 勝点剥奪など最終的な判断はFAMのクラブライセンス交付第一審期間FIBによって決定されますが、FIBの監視リストにはKAFAの他、いずれも同様の理由から既に勝点3を剥奪されているPDRM FCを運営するマレーシア王立警察サッカー協会PDRM FAとマラッカ・ユナイテッドを運営するマラッカ州サッカー協会MUSAも含まれています。PDRM FAについては、未払い給料は既に完済済みとされていますが、MUSAについては特に報道もなく、もし、FIBによる処分が下される場合には今季2度目の勝点剥奪となり、勝点6が剥奪される可能性もあります。

アジアカップ2027年大会に5カ国が開催国に立候補
 アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2027年大会の開催地の立候補締め切り日は6月30日でしたが、この期限までにインド、イラン、カタール、サウジアラビア、ウズベキスタンの5カ国が名乗りをあげていると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 AFCのシャイク・サルマン・エブラヒム・アル・カリファ会長は、「アジアのトップチームを決める大会に開催地として立候補している5カ国を歓迎する。アラブ首長国連邦UAEで開催した2019年大会では大会出場国数を16から24に拡大し、大成功を収めた。中国で開催予定の2023年大会も我々の期待を超えるものになるだろう。」と述べています。
 1956年に第1回大会が開催されたAFC選手権ですが、今回立候補した5カ国の内、現在のタイトルホルダーであるカタールは1988年と2011年に、またイランは1968年と1976年に主催地としてAFC選手権を開催しています。

7月1日のニュース:期待の若手の去就に注目が集まる、選手会会長もサラリーキャップ制度には反対、新型コロナ蔓延の母国ブラジルを憂う外国籍選手

期待の若手の去就に注目が集まる
 18歳ながら現在、マレーシアでも最も期待されているサッカー選手の1人であるルクマン・ハキム・シャムスディンの去就に注目が集まっていると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 ベルギー1部リーグのKVコルトレイクと5年契約を結んでいるルクマン選手ですが、ブルナマによれば、10月に開催されるアジアサッカー連盟AFC U19選手権に出場する代表チームへの選出が確実なルクマン選手には、現在、U19選手権前にKVコルトレイクに合流するか、あるいは大会後のトランスファーウィンドウ期間に合流するかの二つの選択肢があるということです。
 前者を選択した場合でもKVコルトレイクのオーナーがマレーシア人富豪のヴィンセント・タン氏であることから代表への合流には支障がないということですが、後者を選択した場合、U19選手権大会まではMリーグのスランゴール2に所属して、代表候補合宿への参加や、再開が予定されているMリーグの試合に出場することになるということです。
******
 別のメディアでは、ルクマン選手自身はヨーロッパでの生活に慣れるためにできるだけ早く現地へ赴くべきと考えている、としている記事もあります。なおKVコルトレイクが所属するベルギー1部リーグの2020/2021シーズンは8月初旬に開幕するということです。

選手会会長もサラリーキャップ制度には反対
 マレーシアサッカー協会FAMのハミディン会長がサラリーキャップ制度については否定的な意見を持っている、という記事を先日取り上げましたが、マレーシアプロサッカー選手会PFAMも同様の意見のようです。
 マレー語紙ブリタハリアン電子版によると、PFAMのサフィ・サリー会長は選手にはクラブが支払うことができるだけの給料を受け取る権利があるとして、サラリーキャップ制度には反対しているということです。
 給料には選手間の健全な競争を促す面もあり、それは代表チームに強化に至る望ましい影響を与えるものであると話しています。
 自身もPJシティFCの選手であるサフィ会長は「プロ選手としての観点からPFAMに所属するMリーグの選手はサラリーキャップ制度に反対であり、選手たちは自らのパフォーマンスに対して相応の給料を受け取る権利を有している。もしサラリーキャップ制度が導入されれば、選手たちは受け取れる給料の限度を考えて、より良いパフォーマンスを見せようと努力しなくなる可能性がある。」と話しています。
 さらにこのサラリーキャップ制度に関する議論の発端となっている、Mリーグの複数のクラブが抱える給料未払い問題については、各クラブの経営に問題があるとして、サラリーキャップ制度は給料未払い問題の根本的な解決策とはならないと話しています。

新型コロナ蔓延の母国ブラジルを憂う外国籍選手
 新型コロナウィルス感染者数が米国について世界2位のブラジルでは、昨日6月30日付のフランスの通信社AFPの報道によると感染者数が134万人以上、亡くなられた方も5万6000人を超えるなど大変な状況になっています。
 Mリーグにもブラジル出身の外国籍選手は数名いますが、Mリーグ1部スランゴールFCのサンドロ・ダ・シルバもその1人ですが、今回の新型コロナウィルスの猛威により親族や友人を亡くしているとブリタハリアンが報じています。
 「ブラジルの状況は日に日に悪化しており、年老いた両親のことが特に心配である。家族とは連絡を取り合ってはいるものの、祈ることしかできていない。しかも現在の政情不安も心配の要因である。親族では叔父が、また子供の頃に一緒にサッカーをした親友の内の数名が今回の新型コロナウィルスのせいで亡くなっており、別れをいう機会すらなかった。」と話すサンドロ選手は、悲しむだけでなく、今、できることをして自分にとって大切な人たちを守ることも重要であると話しています。