2月18日のニュース
アジアカップ2023-マレーシアが最終予選の集中開催地に決定
U23アジアカップ2022-マレーシアは韓国、タイ、ベトナムと同組に
FAMがキム・パンゴン代表新監督とコーチングスタッフを披露

アジアカップ2023-マレーシアが最終予選の集中開催地に決定

アジアサッカー連盟AFCは6月に予定されているAFCアジアカップ2023年大会3次予選の集中開催地を発表し、その6ヶ国の中にマレーシアが入っていることが明らかになりました。インド、クウェート、キルギス、モンゴル、ウズベキスタンとともに集中開催地となったマレーシアは、来年2023年に中国で開催される本大会の残る出場枠11を争う24チームの1つです。。3次予選では、各組の1位と、2位の内の上位5チームが本大会に出場しますが、各組のメンバーは来週2月24日に行われる組み合わせ抽選によって決定します。

U23アジアカップ2022-マレーシアは韓国、タイ、ベトナムと同組に

今年6月にウズベキスタンで開催されるAFC U23アジアカップ(旧U23選手権)の組み合わせ抽選が昨日2月17日に行われ、グループステージC組に入ったマレーシアは、同じ東南アジアのベトナム、タイ、そして前回2020年大会チャンピオンの韓国と同組になっています。

今大会出場24カ国中、東南アジアから出場するのはベトナム、タイ、マレーシアの3カ国ですが、その3カ国全てがこのC組に集まった偶然について、マレーシアU23代表のブラッド・マロニー監督は、今年5月にベトナムで開催される東南アジア競技大会通称シーゲームズでも両国との対戦が予想されることから、2ヶ月連続の対戦となるこの組み合わせについて「興味深い」と語ったとマレーシアの通信社ブルナマが報じています。

東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権出場のためにカンボジアに滞在しているマレーシアU23代表は、グループステージを勝ち上がれば、今大会でもこの両国と対戦する可能性がありますが、タイはU19代表を派遣しており、またベトナムは今季リーグ開幕を控え、所属クラブが招集を拒み主力選手不在の上、パク・ハンソ監督も指揮を取っておらず、5月のシーゲームズ、6月のU23アジアカップで対戦する両国は、今大会参加のメンバーとは全く別の顔ぶれになりそうです。

2018年の中国大会以来4年ぶり2回目の出場となるマレーシアですが、初出場となった前回大会はグループステージを突破したものの、ベスト8で韓国に敗れています。なおこの大会では、優勝したウズベキスタンに延長戦で敗れて準優勝に終わっています。

AFC U23アジアカップ2022 組み合わせ
A組:ウズベキスタン、イラン、カタール、トルクメニスタン
B組:オーストラリア、ヨルダン、イラク、クウェート
C組:韓国、タイ、ベトナム、マレーシア
D組:サウジアラビア、UAE、日本、タジキスタン

FAMがキム・パンゴン代表新監督とコーチングスタッフを披露

今年1月21日に就任が発表されながら、これまではメディアに姿を現していなかったマレーシア代表のキム・パンゴン新監督ですが、キム新監督とコーチングスタッフの入国後の隔離期間が終了したことを受け、マレーシアサッカー協会FAMは協会本部で就任披露会見を行っています。

FAMの公式サイトや公式Facebookでは今年5月1日に53歳となるキム新監督とコーチ陣のパウ・マルティ・ヴィンセンテ コーチ、チョ・ジュンホGKコーチ、ゴカン・カンデミル フィットネスコーチ、そしてリム・ジェフン パフォーマンスアナリストが紹介され、このスタッフにマレーシア人コーチが加わり、代表チームの首脳陣となります。なおマレーシア人コーチは、FAMが事前に先行した最終候補の中から、キム監督自身が面談を行って決定します。

代表監督としての機会を与えられたことに感謝すると述べたキム監督は、FAMが作成したロードマップF :30を理解しているとして、マレーシア代表を東南アジアで勝てるレベル以上のチームにするためにコーチ陣とともに全力を尽くすことを約束しています。

またマレーシア代表にはそれだけの力があると述べたキム監督は、自身とコーチ陣にはそれを実現するためにある程度の時間が必要であると説明し、まずはその礎を作ることに着手し、そこからより大きな目標実現へと進んでいくつもりであると話しています。

またこの席上では、キム新監督の初戦が3月23日のフィリピン代表戦、そして同26日のシンガポール代表選となったことも発表されています。なおこの2試合はシンガポールで行われるということで、マレーシア国内での初采配は、6月のAFC選手権アジアカップ3次予選となりそうです。


2月10日のニュース(1)
再契約の約束を反故にされたと主張するサラワクUのブラジル出身FWが失意の帰国
マレーシア国内新規感染者増もFAMはアジアカップ3次予選開催地として立候補の意向は変えず

再契約の約束を反故にされたと主張するサラワクUのブラジル出身FWが失意の帰国

昨季はMリーグ2部プレミアリーグで2位となり、今季は1部スーパーリーグに昇格するサラワク・ユナイテッドは、昨季終了後も選手や監督、コーチへの給料が未払いとなっていましたが、オーナーが「未払いではなく遅配である」と嘯き、またこれをメディアに公開した選手に対しては「事を大袈裟にしてクラブを貶めるような選手はいらない。」などと逆ギレ気味の発言をするなど、その運営姿勢には大いに問題があるクラブですが、今度は再契約をちらつかせられた外国籍選手がマレーシアへ戻ってきたら、クラブからは不要と言われて帰国するという事件が起こっているようです。

スポーツ専門サイトのスタジアムアストロによると、昨季サラワク・ユナイテッドに在籍したサンドロ・ダ・シルヴァは再契約を約束されて今年1月22日に母国のブラジルからマレーシアへ入国したそうですが、クラブからはE・エラヴァラサン監督の決定により新たな外国籍選手と契約すると告げられて、サンドロ選手とは再契約しない旨を告げられたと報じられています。

2015年にクダに加入し、その後はスランゴールでのプレーを経て、昨季からはサラワク・ユナイテッドでプレーしていた今年38歳のサンドロ選手は、クラブ関係者からは再契約を前提としていると聞かされており、他のクラブからのオファーを受けていたがそれらを断るようにとも言われていたと話しています。「再契約の意思がないならそれを伝える電話一本で済むことで、わざわざ自分をブラジルからマレーシアまで呼び寄せる必要はなかったはずだ。」と話したサンドロ選手は、再契約をちらつかせたクラブ関係者には失望していると話す一方で、その名を明かすつもりはないとし、さらに現時点ではこのまま引退する可能性が高いとも話しています。

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サンドロ選手について取り上げたスタジアムアストロの記事に対して、サラワク・ユナイテッドは記事の内容を否定する声明をクラブ公式Facebookに投稿しています。これによればクラブはサンドロ選手に対して昨年12月2日に今季2022年シーズンの契約を提示したものの、サンドロ選手が12月6日にこれを拒否した上で新たな再契約オファーの提案があったとしています。サンドロ選手からは「メッセージアプリのWhatsApp」を利用して回答があったことから、クラブはその提案内容を正式に書面で提出するように求めましたが、その期限とした1週間後までに書面での提出がなかったことからクラブはサンドロ選手側に契約の意思がないと判断したと説明しています。この他、サラワク・ユナイテッドはサンドロ選手に交渉のためにマレーシア入国を求めたことも否定し、今回のマレーシア入国はあくまでもサンドロ選手の意思によるものだともしています。

マレーシア国内新規感染者増もFAMはアジアカップ3次予選開催地として立候補の意向は変えず

マレーシアは成人の半数以上が3度目のブースタ-接種を終えていますが、新型コロナの1日当たりの感染者数は連日、今年最高を記録し続け、2月9日は1万7000人を超えています。そんな中でマレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長は、マレーシアがAFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選の集中開催地として立候補する意向は変わっていないと述べています。

マレーシアの通信社ブルナマによるとハミディンFAM会長は、オミクロン株による国内の新規感染者数急増について、この状況は対応できる範囲内にあり、一定期間後には感染者数が減っていくとするマレーシア政府保健省の主張を信じていると話しています。その上で国内のスポーツを統括する青年スポーツ省に対しては、アジアカップ3次予選開催のための表中作業手順SOPの見直しは特に行わないとも述べています。

「新規感染者数が増加傾向にあることは理解しているが、多くの国民がワクチン接種している現在は、これまでの状況とは異なると考えている。FAMは保健省や国家安全保障委員会が設けた基準に則って、アジアカップ3次予選をマレーシアで開催する意向をAFCに文書で伝えてあり、今はそれ変更する予定はない。実際に開催地に選ばれるかどうかは今月2月24日の組み合わせ抽選以降になり、それを選ぶのはAFCだが、マレーシアだけでなく3次予選に出場する多くの国が開催地として立候補していると聞いている。」と話したハミディンFAM会長は、開催地決定は渡航者に検疫隔離を義務付けていない国などとの競合になるとしながらも、1980年大会以来となるAFCアジアカップ出場を果たすための本拠地開催に意欲を示しています。

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マレーシアは2007年にタイ、ベトナム、インドネシアと共同開催したアジアカップで「開催地枠」での出場はあるものの、予選を突破しての出場となると上記の1980年クウェート大会まで遡らなければなりません。また国外の開催となれば、マレーシア政府が渡航者全員に義務付けている検疫隔離により国内リーグの日程も影響を受ける可能性もあることから、マレーシアは自国での3次予選開催を強く希望しています。昨日2月9日には、マレーシア政府の諮問機関の国家復興評議会NRCが渡航者に義務付けている検疫隔離措置について、3月1日付けで全面的に撤廃し、国境を完全に開放するよう政府に提案するなど、アジアカップ予選を開催する環境も整いつつあります。 とは言え、昨年末のスズキカップ2020の代表のプレーぶりを見る限りでは、自国開催が実現したとしてもキム新監督が何かマジックを使わない限り、3次予選突破は容易ではなさそうです。


1月17日のニュース(2)
FAM-マレーシア政府の厳格なSOPがアジアカップ予選開催を困難に
MFLはMリーグ日程への負担を減らすためACLとAFCカップGSの国内開催を希望
タイ1部リーグ第17節-エルドストールが先発に復帰

FAM-マレーシア政府の厳格なSOPがアジアカップ予選開催を困難に

アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選の開催地決定が来月2月24日と迫る中、この3次予選に出場するマレーシアは自国での予選開催を目論んでいますが、マレーシア政府が設けている厳格なSOP(標準作業手順)のせいで実現が難しいと英字紙ニューストレイトタイムズが伝えています。アジアカップ2023年大会は開催国の中国の他、日本や韓国、オーストラリアやベトナムなど既に13カ国が出場を決めており、残る11枠をこの3次予選に出場する24ヶ国が争います。

マレーシアサッカー協会FAMのモハマド・ユソフ・マハディ会長代行は、アジアカップ2023大会3次予選の集中開催地として立候補する旨を既にAFCに伝えていることを明らかにする一方で、マレーシア政府が全ての渡航者に課している検疫隔離と厳格なSOPが自国開催実現の際の障害になる可能性があると述べています。モハマド・ユソフ会長代行はさらにマレーシア政府が大規模な国際スポーツ大会そのものの国内開催を認めない可能性もあると話していますが、政府による支持が得られ、AFCにより集中開催地に選ばれた場合には、ブキジャリル国立競技場を会場に開催する計画があることも明らかにしています。

MFLはMリーグ日程への負担を減らすためACLとAFCカップGSの国内開催を希望

また同じニューストレイトタイムズは、Mリーグを運営するMFLがやはり集中開催が決まっているAFCチャンピオンズリーグACLと、ACLの下部大会AFCカップのグループステージGS開催に意欲を示していると伝えています。マレーシアからはMリーグ1部スーパーリーグ昨季2021年シーズンのチャンピオンとしてJDTがACLグループステージに、また昨季スーパーリーグ2位のクダと昨季マレーシアカップ優勝のKLシティがAFCカップグループステージに出場します。

MFLは今季のリーグ日程作成の際に、このACLやAFCカップのグループステージが国外で開催された場合に備え、Mリーグクラブのために帰国後の検疫隔離期間として28日間を予備日として設けてあるということですが、ACLやAFCカップのグループステージにマレーシアが集中開催地に選ばれれば、この検疫隔離期間が不要になり、国内リーグ日程の過密化を防げることから、国内開催を強く希望しているということです。

タイ1部リーグ第17節-エルドストールが先発に復帰

タイ1部リーグ第17節が1月15日と16日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCは今季1部昇格のノーンブワ・ピッチャヤFCに敗れたものの、リーグ3位を維持しています。

2022年1月15日@チョンブリースタジアム
ノーンブワ・ピッチャヤFC 3-2 チョンブリーFC
 前節第16節はベンチ入りしなかったジュニオール・エルドストールは、スズキカップ2020後は初出場となるこの試合で先発し、85分にはイエローカードをもらっています。チームも89分に決勝ゴールを決められて敗戦。連続無敗記録も8で止まってしまいました。
(試合のハイライト映像はチョンブリーFCの公式YouTubeチャンネルより)

タイ1部リーグ順位表(第17節終了)

順位チーム得失差勝点
1ブリーラムU1611231935
2バンコクU1610331533
3チョンブリーFC168541329
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFCのみ表示しています。

11月12日のニュース:アジアカップ最終予選のマレーシア開催案を青年スポーツ省が承認、プロ選手会がサラワク・ユナイテッドFCの選手からの給料未払いの訴えを受理、U23アジアカップ予選から帰国のU22代表は検疫隔離期間が1週間延長に

アジアカップ予選のマレーシア開催案を青年スポーツ省が承認
 AFCアジアカップ2023年大会最終予選は来年6月に実施される予定ですが、最終予選に残った24チームを6つのグループに分けて開催されることが決まっています。AFCは最終予選開催国の立候補を募るとしており、多くのサポーターの声援を得て予選突破を目指すマレーシアサッカー協会FAMは集中開催地の一つとして立候補するため、政府の承認を待っていましたが、マレーシアの通信社ブルナマは国内スポーツを統括する青年スポーツ省がFAMの予選開催案を承認したと報じています。
 FAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長が明らかにしたところによると、最終予選開催の立候補手続きは最終予選の組み合わせ抽選が行われれる来年2022年2月以降に始まり、抽選後に決定する予選組内でマレーシアが集中開催地として立候補する唯一の国となるのか、あるいは同じ予選組内で他の国も同様に立候補してくるのかどうか、という点が焦点になるということです。現在は試合会場や練習場、さらには宿泊施設などについて、新型コロナ感染予防のための標準作業手順SOPに従いながら、確保のための準備を進めているということです。
 またサイフディン事務局長はアジアカップ予選の費用は全てFAMが負担し、政府の公的支援を受けることはないことを改めて強調していますが、これは当初、FAMが予選開催希望を表明した際に青年スポーツ省のアフマド・ファイザル・アズム大臣が「新型コロナ後の経済復興が政府の最優先課題でありアジアカップ予選開催の費用を支援する余裕が政府にない」と述べたことを意識してのことです。サイフディンFAM事務局長はさらにアジアカップ予選開催により国外からの旅行者がマレーシア国内で宿泊や移動などにお金を落とせば、それはマレーシア経済を支援することにもなるとも述べて、アジアカップ予選の自国開催の利点も強調しています。
 マレーシアは東南アジアの他国と共同開催となった2007年大会以来のアジアカップ出場を目指していますが、この自国開催枠での出場を除くと、予選を突破して自力で本選に出場したのは1980年のクウェート大会まで遡らなければなりません。

プロ選手会がサラワク・ユナイテッドFCの選手からの給料未払いの訴えを受理
 マレーシアプロサッカー選手会PFAMは公式ツイッター上で、マレーシアカップのグループステージを突破して準々決勝に進出したサラワク・ユナイテッドFCの選手から給料未払いに関する訴えを正式に受理し、選手に代わってサラワク・ユナイテッドFCに接触していることを明らかにしています。
 サラワク・ユナイテッドFCで給料未払いが怒っていることはこのブログでも何度か取り上げましたが、マレーシアサッカー協会FAM、そしてマレーシアプロサッカー選手会PFAMともにメディアに不満を話すのではなく、FAMあるいはPFAMに対して正式に訴え出るように選手や監督、コーチに求めており、今回それが実現したようです。
 この投稿の中でPFAMは、正式な形で問題を訴え出た選手の勇気を褒め称えるとともに、PFAMに加盟している他の選手に対してはサラワク・ユナイテッドFCの選手への支援を求めて、PFAMがこの問題の早期解決を目指していくことを表明しています。

U23アジアカップ予選から帰国のU22代表は検疫隔離期間が1週間延長に
 モンゴルで開催されたAFC U23アジアカップ(旧U23選手権)の予選J組で1位となり、来年2022年にウズベキスタンで開催される本戦への出場権を獲得したU22代表は11月2日に試合開催地のモンゴルから帰国し、マレーシア政府が全ての渡航者に義務付けている7日間の検疫隔離が11月9日に終える予定でしたが、11月5日行った検査の結果、モンゴルに遠征したチーム関係者の一人が陽性反応を示したことから、検疫隔離期間が1週間延長されたとブルナマが報じています。
 このことを明らかにしたFAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長は、陽性となった関係者は滞在中の宿泊施設から医療施設えへと移送されたということですが、他の参加者には陽性反応は見つかっていないということで、サイフディン事務局長は心配するような状況にないことを強調しています。
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 この検疫隔離期間延長により、U22代表でプレーするMFムカイリ・アジマル(スランゴールFC)やFWハキミ・アブドラ(トレンガヌFC)らのチーム合流が遅れることになり、11月14日のマレーシアカップ準々決勝から彼らの復帰を期待していたチームにとっては痛手になりそうです。

スズキカップ直前の代表の練習試合実現は困難に
 東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会は12月5日開幕しますが、マレーシア代表はこの大会直前に東ティモールとの練習試合を企画していることが報じられましたが、マレーシアの通信社は大会前の過密日程により実現は難しいと報じています。
 国内サッカーの年内最大のイベントであるマレーシアカップの決勝が11月30日に開催され、この決勝戦後に代表メンバーが全員揃いますが、マレーシア代表のシンガポール入りが12月3日に予定されており、スズキカップ初戦のカンボジア戦が12月6日となっていることから、東ティモールとの練習試合の実現は難しいだろうと、代表チームのマネージャーを務めるFAMのモハマド・ユソフ・マハディ会長代行はブルナマの取材に対して答えています。
 ブルネイの出場事態によって東ティモールは12月1日に予定されていたプレーオフを経ずに本戦出場となったことに加え、代表は12月1日にシンガポール入りを予定していたことから練習試合実現の可能性が取り沙汰されていましたが、主催者である東南アジアサッカー連盟の12月3日のシンガポール入りを求めたことから、前回大会準優勝のマレーシア代表は全選手合流後、ぶっつけ本番でスズキカップに臨むことになります。
 11月26日のマレーシアカップ準決勝終了後には、決勝に出場しない選手のみを招集して代表合宿が開催される予定ですが、順当に行けば代表の主力選手の大半が所属するJDTは決勝進出が予想されることから、第1次合宿には全体の半数程度のメンバーのみが参加することになりそうです。
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 デンマーク1部のFCミッティランでプレーするDFディオン・クールズがデンマークカップ準々決勝となる11月13日のブレンビーIF戦後にデンマーク国内リーグが冬季オフ期間に入ることからスズキカップに出場する代表に合流することも発表されています。このクールズ選手を含め予想されるメンバーを見る限りでは前回の2018年大会よりも強い代表になっていますが、果たして今回の大会では東南アジアでは一強時代を築きつつあるグループリーグ同組のベトナム戦で、決勝で敗れた前回大会のリベンジができるのかどうかに注目が集まります。



10月21日のニュース:アジアカップ最終予選は集中開催で行うことをAFCが発表、マレーシアはアジアカップ最終予選集中開催地に立候補か、ムカイリ・アジマルがU22代表の主将に、タン代表監督は今後も新戦力発掘を継続

アジアカップ最終予選は集中開催で行うことをAFCが発表
 アジアサッカー連盟AFCは公式サイト上でAFCアジアカップ2023年大会最終予選を当初のホームアンドアウェイ形式から集中開催方式に変更して開催することを発表しています。なおこの集中開催では一回戦総当たり方式が採用されることも併せて発表されています。
 AFCは開催方式の変更理由として新型コロナによる影響を挙げ、アジアカップ2023年大会予選に関わる関係者の安全を最優先したことを強調しています。なお、試合日程としては来年2020年の6月8日、11日、14日が予定されているということです。
 3日間という日程に加え、最終予選にはマレーシアも含めた24カ国が出場することから集中開催地は6ヶ所となることが予想されます。なお集中開催地について、AFCはこの最終予選に出場する24カ国に対して予選開催の希望の有無を募るとしています。

マレーシアはアジアカップ最終予選集中開催地に立候補か
 AFCアジアカップ2023年大会最終予選が集中開催方式になったことを受けて、マレーシアサッカー協会FAMは6ヶ所とされる集中開催地の一つとして立候補する意向を表明していると、マレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。
 FAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長は自国開催以外では41年振りとなるアジアカップ出場を目指すマレーシア代表にとって、自国サポーターで埋まったスタジアムで予選を戦えるのは大きなアドバンテージであるとして、最終予選の集中開催地に立候補したいと話しています。
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 成人のワクチン接種率が90%を超えたマレーシアは、全ての渡航者に義務付けられている検疫隔離期間がこれまでの14日間から7日間に短縮されるなど、渡航に際しての制限が徐々に緩和されており、年内にはこれがさらに短くなる可能性があります。また自国での最終予選開催となればサイフディン事務局長が述べているようサポーターの熱烈な応援が受けられることに加えて、移動の負担や慣れない環境での滞在を避けられるなどの利点も多く、なんとしても実現したいところです。今後の予定としてサイフディン事務局長は、まず手始めとしてマレーシア国内の新型コロナ政策を担う国家安全保障委員会NSCや保健省、国内スポーツを統括する青年スポーツ省から最終予選開催についての承認を得ることが条件であり、その承認を得た上で立候補することになると話しています。

ムカイリ・アジマルがU22代表の主将に
 AFC U23アジアカップ予選に出場するU22代表は昨日10月20日に第2次合宿を打ち上げていますが、その後に行われたFAMによる壮行会では、マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長からムカイリ・アジマル(スランゴールFC)にU22代表のキャプテンマークが授与されています。
 FAMの公式Facebookへの投稿によると、ハミディン会長以下、モハマド・ユソフ・マハディ、S・シヴァサンドラムの両会長代理、U22代表のチームマネージャーでもあるポサ・マジャイス副会長、サイフディン・アブ・バカル事務局長が出席してFAM本部で行われた壮行会では、U22代表に激励の言葉が贈られた後、今回のU22代表の主将にMFムカイリ・アジマル(スランゴールFC)、副主将にはDFハリス・ハイカルとDFジクリ・カリリ(いずれもスランゴールFC 2)が任命され、ムカイリ選手の腕にはハミディン会長が直々にキャプテンマークを巻く場面もあったようです。
(写真はFAMのFacebookより。左からブラッド・マロニーU22代表監督、ポサ・マジャイス U22代表チームマネージャー、モハマド・ユソフ会長代理、ムカイリ・アジマル選手、ハミディン・アミン会長、S・シヴァサンドラム会長代理、サイフディン・アブ・バカル事務局長、ハリス・ハイカル選手、ジクリ・カリリ選手)

6人、立っている人、室内、テキストの画像のようです

タン代表監督は今後も新戦力発掘に尽力
 マレーシア代表のタン・チェンホー監督は6月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選では26名を招集しましたが、先月9月に行った代表チームのヨルダン遠征は「新戦力発掘」を理由にこの26名から半数以上の14名を外し、6名の初招集組と6名の代表復帰組を加えた計24名で臨みました。
 その結果は初戦のヨルダン戦が0-4、続くウズベキスタン戦では1-5という結果になりましたが、例えある選手が才能豊かであったとしても、試合で起用しない限り、その選手が代表チームに貢献できるかどうかはわからない、と語るタン代表監督が、結果の如何にかかわらず新戦力発掘には練習試合を行う必要性があると語っていると、マレーシア語紙シナルハリアンが報じています。
 新たに代表でプレーする選手を起用する試合では、望んでいるような結果が出ないこともあるが、今後も練習試合では新たな選手を試したいと話すタン代表監督は、ヨルダン遠征ではMFムカイリ・アジマル(スランゴールFC)、FWハキミ・アブドラ(トレンガヌFC)、DFクェンティン・チェン、FWアル・ハーフィズ・ハルン(いずれもペナンFC)らを初招集した一方で、MFバドロル・バクティアル(クダ・ダルル・アマンFC)やMFアクラム・マヒナン(KLシティFC)ら元代表経験者を復帰させています。
 ただしヨルダン遠征で行った練習試合はいずれも大敗だったことから、この「新戦力テスト」には疑問の声も上がっており、タン代表監督は12月にシンガポールで開催される東南アジアサッカー連盟選手権スズキカップ2020年大会にはベストメンバーで臨むことを明言しています。
 ただしその一方で、10月29日から再開するマレーシアカップでは出場する各選手のパファーマンスに注目したいと話し、マレーシアカップでの活躍次第ではスズキカップ出場の代表メンバーに新たに抜擢される選手が出る可能性にも言及しています。
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 シナルハリアンの記事では新戦力発掘とは述べていますが、ヨルダン遠征のメンバーの出場時間をまとめると下のようになります。この遠征に参加しながら出場機会が全くなかったいずれも初招集組のGKカラムラー・アル=ハフィズ(PJシティFC)とFWアル=ハフィズ・ハルンを含め出場時間が45分に満たない選手が4名、90分に満たない選手が6名おり、これらの選手については「追試」が必要かもしれません。その一方で代表復帰組のバドロル・バクティアルとアクラム・マヒナン、そしてFWファイサル・ハリムは2試合とも先発するなど優先的に起用されたことからスズキカップでも招集されそうですが、同じく2試合先発のDFアイディル・ザフアンとその後継者と目されるDFイルファン・ザカリアの連携の悪さは目を覆いたくなるほどで、特にイルファン選手はこの遠征で失点に直結するミスを連発し、こちらも追試が必要な印象です。また今回の遠征に招集されながらケガで辞退したDFディオン・クールズ(デンマーク1部ミッティランFC)、さらにタイ1部チョンブリーFCで主力として活躍するDFジュニオール・エルドストールがスズキカップで召集されるようなことがあればいるファン選手は控え、あるいは召集見送りもありそうです。

9月に行ったヨルダン遠征参加各選手の試合出場時間(単位:分)

背番号ポジション選手名ヨルダン戦ウズベキスタン戦合計
1GK*カイルルアズハン90090
21GK#カイルル・ファーミ09090
23GKカラムラー・アル=ハフィズ000
16DF*#リザル・ガザリ9090180
7DF*#アイディル・ザフアン9070160
17DF*#イルファン・ザカリア9090180
4DF*アリフ・ファルハン452065
2DF#アリフ・ファジラー4570115
22DFクェンティン・チェン19019
6DFドミニク・タン02020
12MF*#アクラム・マヒナン4590135
8MF*#バドロル・バクティアル9090180
10MF*ナズミ・ファイズ61061
14MFムカイリ・アジマル292958
15MF#ケニー・パッラジ86169
24FW*#ファイザル・ハリム7170141
20FW*シャフィク・アフマド8252134
9FW*ギリェルメ・デ・パウラ622991
11FW#ハキミ・アブドラ453883
18FW#ルクマン・ハキム286189
19FWファイヤド・ズルキフリ02020
13FWアル=ハフィズ・ハルン000
*はヨルダン戦先発XI、#はウズベキスタン戦先発

6月30日のニュース:U21、U19、フットサル各リーグの開幕が9月に延期、タン代表監督交代についてFAMは検討せず、マレーシア代表が日本代表に3連勝(e国際親善試合で!)

U21、U19、フットサル各リーグの開幕が9月に延期
 マレーシアサッカー協会FAMは主催するU21リーグのプレジデントカップ、U19リーグのユースカップ、そしてフットサルリーグのマレーシアプレミアフットサルリーグの今季2021年シーズン開幕をいずれも9月まで延期することを公式サイトで発表しています。
 スチュアート・ラマリンガムFAM事務局長名で掲載された発表によると、この延期は6月28日までとされていた完全ロックダウンが期限を決めないまま延長となったことが理由とされていますが、同時に9月とする開幕もマレーシア政府が発表した「回復」政策次第によるとし、各リーグ開幕から30日前に参加チームの練習が許可されることを条件としており、正確には「早くとも」9月開幕ということになりそうです。
 また今回の発表では、リーグの開幕時期だけでなく、リーグフォーマットの変更や試合日程、またリーグで適用されるルールの変更などの可能性にも言及されており、そういった変更点には逐次、リーグ参加チームと共用していくとも述べられています。
 当初はプレジデントカップとユースカップはそれぞれ6月2日と6月3日に、マレーシアプレミアフットサルリーグは男子が6月12日に、女子が8月12日に開幕の予定となっていましたが、6月1日より完全ロックダウンが実施されたため延期となっていましたが、今回の発表でさらに延期となりました。

タン代表監督交代についてFAMは検討せず
 先月終了したFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選では同じ予選G組だった隣国タイではサッカー協会が西野朗代表監督との契約を解除といった報道も出ているようですが、そのタイを破って3位となったマレーシア代表のタン・チェンホー監督は来年2022年12月までとなっている契約の見直しなどについての予定はないとマレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 マレーシアサッカー協会FAMのユソフ・マハディ会長代理は、契約期間が残っていることに加えて、アジアカップ出場というミッションが達成されていないことから、今後予定されている代表チーム運営委員会では、来年3月に予定されているAFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選に向けての準備以外の議題は現時点では挙がっていないと話し、W杯3次予選出場を逃したタン監督の去就について話し合われる予定はないとブルナマの取材に答えています。
 その一方で、代表チームのチームマネージャーでもあるマハディ・ユソフ会長代理は、代表チームがアジアカップ3次予選を突破して本大会出場を達成するために最適な環境を用意できるよう、運営委員会では今後新たに代表監督の人選も含めてあらゆる点が議題に上がる可能性については否定しなかったということです。

マレーシア代表が日本代表に3連勝(e国際親善試合で!)
 eスポーツのサッカーマレーシア代表が日本代表に3連勝!6月24日に行われたe国際親善試合キリンイミューズカップで2020年3月に新たに発足したeスポーツ・サッカーの日本代表「サッカーe日本代表」はサッカーeマレーシア代表と対戦し、マレーシアが3試合で3-5、3-4、0-3と3連勝で日本を一蹴しています。
 日本代表は今年2021年4月末から5月にかけて行われたFIFAeネーションズカップのアジア・オセアニア予選で優勝し、8月にデンマークで行われる本大会に出場する8月の世界大会に出場を決めたものの、アジア・オセアニア予選のグループリーグでは、やはりFIFAeネーションズカップ世界大会に出場するマレーシアに連敗、しかも予選グループでは首位マレーシアに次ぐ2位となっており、8月の本大会と同様の2on2の団体戦形式で行なう強化マッチとして企画されたこの国際親善試合をアジア・オセアニア予選のリベンジマッチとして臨んだものの、マレーシアが逆にこれを返り討ちにする形になりました。
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 私は知らなかったのですが、マレーシアはFIFAeランキングでは1位英国、2位ブラジルに次ぐ3位、一方で日本代表は18位とアジアではダントツの強さです。
 以下は日本サッカー協会JFAの公式YouTubeチャンネルにアップロードされたe日本代表対eマレーシア代表の試合の映像で、試合は2分30秒辺りからです。

6月21日のニュース:FAMはアジアカップ3次予選抽選前に国際Aマッチを検討、元代表監督がW杯予選の結果と今後の代表の計画について発言、AFC事務局長はAFCカップ中止は最後の選択肢と話すも今週中には何らかの発表か

FAMはアジアカップ3次予選抽選前に国際Aマッチを検討
 先日のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選では、ワールドカップアジア3次予選出場はならなかったものの、アジアカップ3次予選出場権を得たマレーシア。アジアカップ3次予選の組み合わせ抽選は今年2021年10月に予定されていますが、マレーシアのFIFAランキングを上げて「より良い組み合わせ」が得られるよう、マレーシアサッカー協会FAMはこの組み合わせ抽選前に国際Aマッチを複数行う予定があると、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 当初は今年12月5日から始まる東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップを利用してFIFAランキングを上げようとしていましたが、アジアカップ3次予選の組み合わせ抽選が10月となったことで、この計画の変更を迫られていました。
 2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選G組で3位となったマレーシアですが、最新のFIFAランキングでは153位で、このFIFAランキングを元に行われる組み合わせ抽選ではイエメン(同145位)、クウェート(同148位)、アフガニスタン(同149位)、モルディブ(同155位)、シンガポール(同159位)とともにポット3に回ることが濃厚です。一方、ポット2に回る可能性があるのはタイ(同106位)、タジキスタン(同121位)、フィリピン(125位)、トルクメニスタン(同130位)、ミャンマー(同130位)、香港(同144位)の6カ国で、マレーシアがこのポット2に回るためには、この6か国中最下位ランクの香港との差(ランキング9位、ポイントで言えば32.02ポイント)を詰める必要があります。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、新型コロナ禍の中、8月30日から9月7日、そして10月4日から12日までとなっているFIFA国際マッチデー期間の練習試合開催は容易ではないとした上で、他国のサッカー協会と連絡を取りながら、タン・チェンホー代表監督から出ている練習試合4試合のマッチメイクを行いたいと話しています。
 来年2022年2月に予定されているアジアカップ3次予選では、参加24カ国が6組に分かれて戦い、各組の1位に加えて、各組2位の内上位5チームが、2023年に中国で開催される本戦出場権を獲得します。

元代表監督がW杯予選の結果と今後の代表の計画について発言
 Mリーグ2部サラワク・ユナイテッドFCのB・サティアナタン テクニカルディレクターTDは、予選G組で3位となったFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選について、英字紙ニューストレイトタイムズに感想を述べています。
 今回の予選では3位となり、W杯3次予選出場を逃した代表チームについて、マレーシアサッカー協会FAMは、タン・チェンホー監督とユソフ・マハディ代表チームマネージャーによる総括を元に、練習試合のマッチメイクや新たな代表候補選手招集などを行うことになるだろうと述べています。また、上の記事でも取り上げたFIFAランキングを上げるための国際Aマッチ開催もそのうちの選択肢となりうると述べる一方で、国際Aマッチはアジアカップ3次予選に向けてチーム強化を目的とすることが最優先であるべきで、FIFAランキングを上げることだけを目的としたマッチメイクはするべきではないとも話してています。
 「監督の立場なら、(強い相手と試合した結果)負け続けるチームを改善するよりも、選手をに様々な戦術や戦略を試させる場が必要になる。ランキングを上げるためにランキング上位のチームと4試合全てを戦って負ければ、選手のモチベーションにも影響し、重要な大会前のチームの仕上げ方としては良い方法とは言えない。」と話しています。
 またサティアナタンTDは、Mリーグ1部JDTのオーナーであるトゥンク・イスマイル ジョホール州皇太子がFAMに対して行った、自身を代表チームのチームマネージャーにするべきという提案に対して、イスマイル殿下は思いつきだけで発言したのではないだろうとし、JDTでの成功例を見てもわかるように、チームマネージャーとしては適任の人物の一人であると述べる一方で、最終的にはFAMが判断するべきだとしています。

AFC事務局長はAFCカップ中止は最後の選択肢と話すも今週中には何らかの発表か
 昨季2020年シーズンの優勝チームとしてJDTが出場するアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグ予選G組は明日6月22日よりタイのバンコクで始まり、JDTは初戦で名古屋グランパスと対戦します。
 一方、昨季2位のクダ・ダルル・アマンFCと3位のトレンガヌFCが出場予定のAFCカップのアセアン(東南アジア)地区は、集中開催地のシンガポールが新型コロナウィルスの感染状況悪化を理由に開催を辞退して以降、新たな開催地は決まっておらず、開催そのものが危うくなっています。
 これについてAFCのウインザー・ポール事務局長は、今季のAFCカップのアセアン地区開催を諦めていないと話す一方で、最終的な決定は今週中にも発表されるだろうと話しています。
 クダとトレンガヌが所属する予選H組とI組は当初はいずれもシンガポールでの集中開催となることが発表されていましたが、シンガポールの開催辞退表明後は、大会に出場するクラブが所属する東南アジア各国のサッカー協会、またそれ以外の中立国のサッカー協会ともに開催に名乗りをあげる国が現れていません。この2組に残るG組を加えたアセアン地区予選3組全てで現在も開催地は決まっておらず、これについてAFCのウインザー・ジョン事務局長はAFCカップアセアン地区の今季中止はあくまでも最後の選択肢だと述べる一方で、運営委員会には今週中に最終決定を行うよう依頼したことを明らかにしています。
(6/21-一部記事を修正しました。)

6月19日のニュース:FAM会長-JDTオーナーによる自身の代表チームマネージャー就任提案は慎重に検討、サファウィ・ラシドがタイ戦ゴール後のパフォーマンスについて謝罪、JDTがACL登録メンバーを発表

FAM会長-JDTオーナーによる自身の代表チームマネージャー就任提案は慎重に検討
 Mリーグ1部JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が自身をマレーシア代表チームのマネージャーとするよう提案した件について、マレーシアサッカー協会FAMが正式に声明を発表しタコとを、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 FAMのハミディン・アミン会長は前FAM会長でもあるイスマイル殿下の提案については、FAMの内規に沿って検討したいという声明を発表しています。イスマイル殿下は代表チームに最善の練習環境と最善のコーチングスタッフをできるとして、自身を代表チームのマネージャーにするよう、ハミディンFAM会長に宛てたメッセージを6月14日に自身のインスタグラムに投稿しています。
 またハミディン会長は、今回のW杯予選で不振を極め各方面から批判的な意見が出ている帰化選手について、FAM内の帰化選手プログラム委員会、技術委員会、そしてテクニカルディレクターのオン・キムスイ氏の間で帰化選手プログラムの効果についての検証を行うよう、事務局長に指示を出したことも明らかにしています。
 ハミディン会長はこの他、代表チーム運営委員会に今回のW杯予選に関する最終報告書と既に出場が決定しているAFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選への準備計画が提出されるのを待って、その詳細をFAMの理事会で検討する予定であると述べています。

サファウィ・ラシドがタイ戦ゴール後のパフォーマンスについて謝罪
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ20223年大会予選G組最終戦となったタイ戦で決勝ゴールを決めたサファウィ・ラシド(JDT)が得点後のパフォーマンスついて謝罪していると、ブルナマが報じています。
 タイを破り予選G組でマレーシアの3位とアジアカップ3次予選進出を確定させたこのゴールの後、サファウィ選手はやはりこの予選でゴールを決めていたギリェルメ・デ・パウラと喜びを爆発させた後、キーボードを打つようなジェスチャーの後に口に人差し指を当てて黙るようなポーズをスタンドに向かってしていました。
 予選通算3得点を挙げたサファウィ選手ですが、アラブ首長国連邦でのW杯予選では不調を極めたことから、一部ファンからはこのパフォーマンスについて「やり過ぎ」という声が上がっていました。
 サファウィ選手は自身のゴールパフォーマンスを不快に思ったサポーター対して、同じようなことは2度と繰り返さないようにすると謝罪しています。
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 今回のW杯アジア2次予選中、この試合で初めて先発を外れたサファウィ選手は、デ・パウラ選手とともに主力選手として期待されていた分だけ、その期待以下のプレーによって他の選手以上に連日、激しい批判にさらされていました。そんなストレスがかかる中でのこの試合でのゴールは喜びも大きかったと思いますし、ゴールパフォーマンスも個人的には理解できます。時には理不尽とも言えるような批判を受けてもで常に結果を出すことがサファウィ選手には求められていくと思いますが、それに応えていけるようになれば名実ともに代表のエースとなれると思います。

JDTがACL登録メンバーを発表
 6月22日からタイのバンコクで開催されるAFCチャンピオンズリーグ予選に出場するMリーグ1部JDTが登録メンバー30名を公式Facebookで発表しています。
 Mリーグ1部は5名の外国籍選手(内1名はAFC枠、1名はアセアン東南アジア枠)が登録可能ですが、ACLでは外国籍選手の登録は4名であることから、守備を強化するためにFWゴンザロ・カブレラが外れたことを、JDTのベンヤミン・モラ監督が別の投稿で説明しています。
 今回のACLでJDTは外国籍選手として現在リーグ得点王でブラジル出身のFWベルグソン・ダ・シルヴァ、同じブラジル出身のDFマウリシオ、アルゼンチン出身のMFレアンドロ・ヴァレスケス、そして新たに獲得したオーストラリア出身のDFシェイン・ローリーの4名を登録しています。またマレーシア人選手では、先日終了したW杯予選に参加したサファウィ・ラシド、ギリェルメ・デ・パウラ、モハマドゥ・スマレ、アキヤ・ラシド、シャフィク・アフマド、アリフ・アイマンのFW陣、シャマー・クティ・アッバ、ナズミ・ファイズのMF陣、そしてラヴェル・コービン=オング、マシュー・デイヴィーズ、アダム・ノー・アズリン、アイディル・ザフアンのDF陣、そしてGKファリザル・マーリアスの13名がアラブ首長国連邦のドバイから直接、バンコク入りした他、に加え、JDT IIからMFチア・ルオハン(20)、DFフィルダウス・ラムリ(19)、DFフェロズ・バハルディン(21)の若手選手も登録されています。
 JDTは予選G組で、名古屋グランパス、浦項スティーラーズ(韓国)、ラーチャブリー・ミトポンFC (タイ)と対戦します。
(以下はJDTのACL登録メンバー-JDTのFacebookより)

6月18日のニュース:代表チームが「マラヤの虎」チャーター便で帰国、FAMはJDTオーナーの代表チームマネージャー就任希望に未だ回答せず

代表チームが「マラヤの虎」チャーター便で帰国
 アラブ首長国連邦UAEで開催されたFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に出場したマレーシア代表は、昨日の午後に無事マレーシアへ帰国したとマレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 5月20日にマレーシアを出国して以来、ほぼ1ヶ月ぶりの帰国となった代表チームは、出国時と同様にマレーシア航空特別機で帰国しました。
 帰国途中にはバンコクを経由し、タイで6月22日から開催されるAFCチャンピオンズリーグに出場するJDTの選手13名を降ろし、マレーシアに帰国した選手は8名のみとで、マレーシア国外でプレーするディオン・コールズ(デンマーク1部FCミッティラン)、ルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)、リリドン・クラスニキ(オーストラリア1部ニューカッスルジェッツ)、ジュニオール・エルドストール(タイ1部チョンブリーFC)、ドミニク・タン(タイ1部ポリステロFC)の各選手は既に別途帰途についたということです。
 今回予選G組では首位UAE(勝点18)、2位ベトナム(同17)に次ぐ3位(同12)となったマレーシアは、来年2022年2月あるいは3月に行われる予定のアジアカップ3次予選出場権を獲得しています。
 (代表カラーに塗装された特別機に登場する代表チーム-FAMのFacebookより)

FAMはJDTオーナーの代表チームマネージャー就任希望に未だ回答せず
 W杯予選G組最終戦のタイ戦を前に、Mリーグ1部JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下がマレーシアサッカー協会FAMに対し、代表チームのマネージャー就任を希望していると自身のインスタグラムに投稿しましたが、これに対してFAMは回答を保留していると英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。。
 イスマイル殿下は、ハミディン・アミンFAM会長に宛てて「代表チームに対して最高の練習環境と最高のコーチングスタッフを提供することを約束し、代表チームを強化するためには自分をチームマネージャに就任させて欲しい。短期間での成功は約束できないが、現実的な目標を一つ一つ達成し、必ずチームを改善する」と述べる一方で、「一部の選手は代表チームへの招集を夏休みのように考えているようだ。また今後は簡単に帰化選手を生み出すべきではない。」と述べ、代表のプレースタイルにあった選手だけを帰化させるためにその分析を行う技術委員会が管理するべきだとも述べています。
 これは今回のW杯予選に出場したマレーシア代表にはモハマドゥ・スマレ(JDT-ガンビア出身)、ギリェルメ・デ・パウラ(JDT-ブラジル出身)、リリドン・クラスニキ(JDTから期限付き移籍でAリーグのニューカッスルジェッツ-コソボ)の3名の帰化選手がいましたが、3名が3名とも不調であったことから、国内サポーターだけでなく国内サッカー界からも帰化選手と帰化選手プログラムを推し進めるFAM双方に対する批判が高まっています。
 イスマイル殿下は、JDTがMリーグ7連覇を含む多くのトロフィーを獲得している秘訣は、選手をメデイアなど外部から遮断し、ソーシャルメディアの使用も管理した上でサッカーという仕事に集中できる環境を提供している自身のリーダーシップによるものだと話しています。
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 ジョホール州皇太子の略称TMJの愛称でも呼ばれるイスマイル殿下ですが、自身の代表チームマネージャー就任希望を投稿したのは予選G組の最終戦タイ戦の前でしたが、正直なぜこのタイミングで?というのが最初の印象でした。FAM会長はじめとする役員の尻に火をつけるためのなのか、はたまた代表に13名いるJDTの選手に気合いを入れるためなのか。いずれにせよ、大事な最終戦前にマイナスに作用することはあってもプラスには採用しないのでは、というタイミングでした。(もちろんこのハッパが効いて、タイに勝利したのであればそれはそれで効果的だったとも言えますが…。)
 2017年から2018年までは自身がFAMの会長を務めたイスマイル殿下ですが、退任後のFAMはそれまではとは違い、王族も中央政府の政治家もいない組織として機能しており、また代表チームも2019年末まではタイを破り、UAEと接戦を繰り広げるなどここ数年来、最も期待できるチームでした。しかし新型コロナ蔓延後は他国も条件は同じとはいえ、代表合宿は行えず、強豪との練習試合も組めず、正確な日数は調べていないのでわかりませんが、移動制限令が連発されたマレーシアは、2020年以降で見ればおそらく代表合宿開催日数は予選G組では最低ではないかと思います。コロナ禍が落ち着けば、2019年のように代表の強化ができれば、アジアカップ本戦出場も夢ではないような気がします。
 そんな中でのイスマイル殿下の投稿は、Mリーグの優秀な選手を片っ端からJDTが獲得している手腕と合わせた上でうがった見方をすれば、自身の手中に代表チームを納めたいのという思惑があるようにすら思えてしまいます。FAMによる代表強化が手ぬるいから、と言われてしまえばそれまででしょうが、FAMがイスマイル殿下に「預けて」しまった後は、批判的な意見が出にくくなる恐ればあり、また万が一、その強化が失敗と判明した場合に誰が殿下を解任できるのか、という最大の問題が残ります。

  • BERNAMA

6月17日のニュース:W杯アジア2次予選G組-タイに辛勝のマレーシアは3位確保、UAEがベトナムに勝利し1位通過、上位2チームはW杯3次予選、3位と4位はアジアカップ3次予選へ、5位はアジアカッププレーオフへそれぞれ進出

 勝利の余韻を楽しんでいたら1日以上経ってしまいました、一昨日の試合について戦い方が云々、選手の出来が云々とサポーターの皆さんには言いたいことがあるでしょうが、この試合は勝利という結果のみが重要でした。そしてその結果を出したマラヤの虎を今日1日くらいは讃え、明日からはアジアカップ3次予選に向けて山積みとなった宿題を一つ一つ片付けてもらうことに期待しましょう。

W杯アジア2次予選G組-タイに辛勝のマレーシアは3位確保
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選G組の最終戦が行われ、勝点9で並んでいたマレーシアとタイが対戦し、マレーシアがタイを2-1で破りG組3位となり、アジアカップ3次予選進出を決めています。
 集中開催地のアラブ首長国連邦UAE入り後は練習試合2試合で連敗、そしてこの予選でもUAEに0-3、ベトナムに1-2で敗れていたマレーシアは3試合目にして初勝利となりました。
 前戦の先発メンバー3選手が累積警告により出場停止となったマレーシアは、攻守のキーマン、DFラヴェル・コービン=オング(JDT)に代わってUAE入り後初先発のDFシャミ・サファリ(スランゴールFC)を左サイドバックに、またGKファリザル・マーリアスに代わりこちらも初先発のGKカイルルアズハン・カリド(スランゴールFC)を起用するなど、前戦のベトナム戦の先発メンバーから6選手を入れ替えてタイ戦に臨みました。
 試合開始直後からやはり初先発となったFWアキヤ・ラシド(JDT)がタイ守備陣の裏に入りチャンスを作る一方で、タイは21歳のMFタナワット・スエンチッタウォン(英国1部レスターシティU21)、18歳のFWスファナット・ムエアンタ(タイ1部ブリーラム・ユナイテッド)がマレーシアゴールに襲いかかる展開となりましたが、タン・チェンホー監督の起用が当たりGKカイルルアズハン・カリドが好セーブを連発、前半は0-0で折り返します。
 こう着状態を打開するためタン監督はこの予選で初めて先発を外れたFWサファウィ・ラシド(JDT)をMFブレンダン・ガン(スランゴールFC)と、またFWシャフィク・アフマド(JDT)をFWアリフ・アイマン(JDT)と交代で投入します。するとこの交代が功を奏し、52分にはタイDFエルネストがサファウィ・ラシドをペナルティエリアで倒し、マレーシアはPKを得ます。サファウィ・ラシド自身がこのPKを決め、1-0とついにマレーシアが先制します。追う展開となったタイもその直後にMFティティパン・プアンチャン(タイ1部BGパトゥム・ユナイテッド)がヘディングでゴールを狙いますが、惜しくもゴールポストに阻まれます。
 試合はその後も両チームが一進一退を繰り返すも得点には至らず1-0のスコアのまま終了。マレーシアはUAEでの予選初勝利、またタイは未勝利のままUAEを去ることになりました。

UAEがベトナムに勝利し1位通過
 G組のもう1試合はグループ1位のベトナムと2位アラブ首長国連邦UAEが対戦。試合開始からベトナムが積極的に攻めますが、相手守備陣を先に崩したのはUAEでした。52分アブドラ・ラーマンがベトナム守備ラインの裏へドンピシャの浮き玉パスを通し、これをアリー・サルミーンが決めてUAEが先制しました。40分にはやはりアブドル・ラーマンがベトナム最終ラインの裏へスルーパス。これに反応したモハメド・ジュマ・エイドをベトナムGKブイ・タン・チュオンが倒してUAEがPKを獲得し、エースのアリー・マブフートが決めてUAEがリードを広げます。ちなみにこのPKはアリー・マブフートにとってこの予選で11点目となるゴールでした。
 前半を2-0で折り返すと50分にはバンダル・アル・アフバビからのクロスにファビオ・ヴィルジニオ・ジ・リマが頭で合わせるもベトナムGKがセーブ。しかしそのこぼれ球に詰めていたマフムード・ハミースが押し込んでこれがUAEの3点目となりました。ベトナムも85分にチャン・ミン・ヴォンのパスを受けたグエン・ティエン・リンがゴールを決め1-3、そして90分過ぎにはGKアリ・ハシーフのパスミスからチャン・ミン・ヴォンがゴールを決め2-3と追いすがりますが、ベトナムの反撃もここまででした。

G組上位2チームはW杯3次予選へ、3位と4位はアジアカップ3次予選へ、5位はアジアカッププレーオフへそれぞれ進出
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年予選全日程が終了し、G組1位のUAEはアジア3次予選進出を決めています。また2位のベトナムは予選各組の2位チームのうち上位5チームに入ったことで、唯一の東南アジアチームとしてアジア3次予選進出を決めています。また3位のマレーシアは24チームが参加するアジアカップ3次予選進出、また4位のタイも同じくアジアカップ3次予選へ進出が決まりましたが、5位のインドネシアはアジアカップ3次予選の出場2枠をかけたプレーオフをカンボジア、台湾、グアムと対戦することになりました。

FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選G組
2021年6月15日@アール・マクトゥーム・スタジアム、アラブ首長国連邦ドバイ
タイ0-1マレーシア
得点者:マレーシア-サファウィ・ラシド(52分)

2021年6月15日@ザビールスタジアム、アラブ首長国連邦ドバイ
ベトナム 2-3 アラブ首長国連邦
得点者:ベトナム-グエン・ティエン・リン(85分)、チャン・ミン・ヴォン(90分)、アラブ首長国連邦-アリー・サルミーン(32分)、アリー・マブフート(40分PK)、マフムード・ハミース(50分)

FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選
兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選G組最終順位表(2021年6月15日現在)

TeamPWDLGFGAGDPTS
1UAE86022371618
2ベトナム8521135817
3マレーシア84041012-212
4タイ82339909
5インドネシア8017522-171

P-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、PTS-勝点