6月5日のニュース
アジアカップ予選出場の代表23名が発表
アセアンU19選手権出場のU19代表候補合宿参加者26名が発表
6月19日のMリーグ1部クダ対JDT戦が延期に 

AFC U23アジアカップに出場中のマレーシアU23代表は、本日タイU23代表と対戦します。初戦の韓国戦に1-4と破れているマレーシアは、グループステージ突破のためにはこの試合に勝つことが必須です。先月の東南アジア競技大会通称シーゲームズで対戦した両チームは、タイに退場者が出たこともありマレーシアが辛勝していますが、果たして今日の試合はどうなるのでしょうか。

アジアカップ予選出場の代表23名が発表

マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、6月8日に開幕するAFC選手権アジアカップ2023年大会最終第3次予選に出場するマレーシア代表23名を発表しています。その内訳はリーグ首位のJDTの13名を筆頭に、PJシティとヌグリスンビランから各2名、トレンガヌ、スランゴール、サバから各1名、さらに海外組2名となっています。(ただしこの発表後、ジュニオール・エルドストールがタイ1部チョンブリーFCを退団することが発表されています。)

直近のFIFAランキングで154位のマレーシアは、クアラ・ルンプールのブキ・ジャリル国立競技場で開催されるアジアカップ最終第3次予選E組で、同134位のトルクメニスタン(6月8日)、同89位のバーレーン(6月11日)、同188位のバングラディシュ(6月14日)と対戦します。

アジアカップ最終第3次予選出場メンバー

ポジション氏名年齢所属
GKファリザル・マーリアス36JDT
DFシャールル・サアド29JDT
DFラベル・コービン=オン31JDT
MFシャマー・クッティ・アバ25JDT
MFナズミ・ファイズ28JDT
MFサフィク・ラヒム35JDT
FW アリフ・アイマン20JDT
FW サファウィ・ラシド25JDT
FW アキヤ・ラシド23JDT
FW モハマドゥ・スマレ28JDT
DF マシュー・デイヴィーズ27JDT
FWギリェルメ・デ・パウラ36JDT
FWシャフィク・アフマド27JDT
FW ダレン・ロック32PJシティ
FW V・ルーヴェンティラン21PJシティ
DF クザイミ・ピー29ヌグリスンビラン
GKシャイハン・ハズミ26ヌグリスンビラン
FW ファイサル・ハリム24トレンガヌ
GK カイルルアズハン・カリド33スランゴール
DF ドミニク・タン25サバ
MFアザム・アジー27スリ・パハン
DF ディオン・クールズ26SVズルテ・ワレヘム
DFジュニオール・エルドストール31チョンブリーFC
SVズルテ・ワレヘムはベルギー1部、チョンブリーFCはタイ1部、それ以外はマレーシア1部スーパーリーグのクラブ

なお、5月20日から行われていた代表候補合宿には全員で29名が召集されていましたが、副鼻腔炎の手術のため既に5月30日に合宿を離れているシャーミ・サファリ(JDT)を除く以下5名は、予備登録メンバーとして発表されています。

ポジション氏名年齢所属
GKカラムラー・アル=ハフィズ36PJシティ
FWコギレスワラン・ラジ29PJシティ
MFアフィク・ファザイル21JDT
DF シャールル・ニザム24トレンガヌ
FWノーシャルル・イドラン・タラハ27マラッカU
MFリリドン・クラスニキ31オディシャFC
オディシャFCはインドスーパーリーグ、それ以外はマレーシア1部スーパーリーグのクラブ
アセアンU19選手権出場のU19代表候補合宿参加者26名が発表

マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、7月2日に開幕する東南アジアサッカー連盟AFF U19選手権に出場するマレーシアU19代表26名を発表しています。ハサン・サザリ監督率いるU19代表候補は、既に6月4日に国家スポーツ評議会NSCの施設に集合しており、本日、ジョホール・バルに移動して複数の練習試合を含めた合宿を行った後、6月12日に合宿を打ち上げる予定になっています。

このU19代表は7月2日から15日までインドネシアで開催されるAFF U19選手権出場後は、今年9月にモンゴルのウランバートルで開催されるAFC U20アジアカップ予選にも出場します。なおアジアカップ予選でマレーシアはE組に入り、韓国、モンゴル、スリランカと同組になっています。

U19代表候補合宿参加メンバー

ポジション氏名年齢所属
FWカイリ・スフィアン19SEL2
GKシャーミ・アディブ・ハイカル19SEL2
DFファクルル・ファリーズ19SEL2
MFハイカル・ハキーム・ハイリ19SEL2
MFアザニス・アズリ19SEL2
MFアリフ・イズワン・ユスラン18SEL2
FWアブドル・ラーマン・ダウド18SEL2
DFアリフ・ファルハン・ファウジ18SEL2
MFイズリン・イブラヒム18SEL2
MFアイサル・ハディ19JDT II
MFアダム・ファルハン18JDT II
GKズルヒルミ・シャラニ18JDT III
DFアダム・ダニエル18JDT III
MFジアド・エル=バシール19JDT III
FWナジムディン・アクマル19JDT III
DFアフマド・シャフィク・イクワン19TRE III
DFムハマド・シャフィク・イクワン19TRE III
FWダニエル・シャフィク19TRE III
MFアドリ・アフマド19FAM
FWハイカル・サハル19FAM
MFハリス・ナジワン18FAM
FWアズハド・ハラズ19SAB
FWハキミ・アジム19KLC
GKハジック・ムクリズ19PEN U21
DF ファルハン・ラヒム19UITM U21
DFズリハキム・ザフラン17AMD U17
所属は、SEL2はスランゴール2、JDT III、TRE IIIはそれぞれ、JDTとトレンガヌのU21チーム、FAMはFAM-MSNプロジェクト、SABはサバ、KLCはKLシティ、PENはペナン、AMDはFAMと国家スポーツ評議会MSNが共同運営するエリートアカデミー、モクタル・ダハリアカデミーのチーム
6月19日のMリーグ1部クダ対JDT戦が延期に

Mリーグを運営するMFLは公式サイト上で、6月19日に予定されているMリーグ1部スーパーリーグ第10節のクダ対JDTの試合を延期することを発表しています。なお新たな日程については発表されていませんが、クダが出場するAFCカップのグループステージ終了後となるということです。。

クダは6月24日から30日までインドネシアのバリ島で集中開催されるAFCカップのグループステージに出場することから、この試合に向けての準備のため、MFLに試合日程の延期を求め、対戦相手のJDTもこれに同意したことが、MFLのサイトでは説明されています。

MFLのスチュアート・ラマリンガムCEOはAFC主催大会に出場するMリーグクラブに対しては協力を惜しまないと述べ、クダの他、やはりAFCカップに出場するKLシティ、そしてACLのベスト16に進出しているJDTに対しても同様の対応をしていくことを表明しています。

なおクダはAFCカップのグループステージG組でバリ・ユナイテッド(インドネシア)、カヤ-イロイロFC(フィリピン)、ビサカFC(カンボジア)と同組、KLシティはH組でタンピネス・ローヴァーズ(シンガポール)、PSMマカッサル(インドネシア)と同組となっています。なおH組はクアラルンプールで集中開催の予定です。(*H組はミャンマーのシャン・ユナイテッドが出場辞退したため、3クラブのみとなっています。)ACLのベスト16に進出しているJDTは8月18日に、浦和レッズ戦が控えています。

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3月1日のニュース
AFCカップアセアン地区の最終組み合わせが決定
タイ1部リーグ第22節-エルドストールはベンチ外もチョンブリーは連敗ストップ

AFCカップアセアン地区の最終組み合わせが決定

アジアサッカー連盟AFCは公式サイト上で今季2022年シーズンのAFCカップアセアン地区の最終組み合わせを発表しています。

いずれもミャンマーのシャン・ユナイテッドFCとハンタワディ・ユナイテッドFCが、1月19日に今季のAFCカップ出場を辞退を表明したことから、確定していなかったAFCカップアセアン地区のグループステージのG、H、I組について、AFCは当初はプレーオフで対戦予定だったビサカFC(カンボジア)とヤングエレファンツFC(ラオス)にそれぞれグループステージ出場権を与え、新たな組み合わせを発表しています。

4月19日開幕するグループステージから、ビサカFCは本来はプレーオフの勝者が参加する予定だったG組に入り、一方のヤングエレファンツFCは、出場辞退したハンタワディ・ユナイテッドFCに代わってI組に入っています。なお、シャン・ユナイテッドFCが出場予定だったH組についてはこのシャン・ユナイテッドFC以外の3クラブのままでグループステージが行われることも併せて発表されています。

なおAFCカップアセアン地区のG組はビサカFCの他、バリ・ユナイテッドFC(インドネシア)、クダ・ダルル・アマンFC(マレーシア)、堀越大蔵、藤井亮の両選手が在籍するカヤFCイロイロ(フィリピン)で構成され、インドネシアのバリ島にあるデンパサールで集中開催されます。

またH組はマレーシアのクアラルンプールが集中開催地となり、KLシティFC(マレーシア)、仲村京雅、山下柊哉の両選手が所属するタンピネスローヴァーズ(シンガポール)、PSMマカッサル(インドネシア)の3クラブが対戦します。一方、集中開催地が未定のI組は川上典洋選手が所属するヤングエレファンツFC、ベトテルFC(ベトナム)、山崎海秀選手が所属するホウガンユナイテッド(シンガポール)、小川雄大、小林大介、大瀬貴己選手が所属するプノンペンクラウンFC(カンボジア)で構成されています。

タイ1部リーグ第22節-エルドストールはベンチ外もチョンブリーは連敗ストップ

タイ1部リーグ第22節が2月26日と27日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCは、2位のバンコク・ユナイテッドFCに1-1で引き分け、リーグ戦連敗を3で止めています。なお順位は5位のままです。

2022年2月26日@チョンブリースタジアム
チョンブリーFC 1-1 バンコク・ユナイテッド
第20節では、後半途中から出場、前節21節は先発しながら33分に交代したとなったジュニオール・エルドストールがですが、今節ではベンチ外でした。試合は78分にバンコク・ユナイテッドのヘベルチ・フェルナンデス・デ・アンドラーデが今季11点目となるPKを決めて先制しましたが、90+3分にチョンブリーFCのユ・ビョンスが放ったシュートがブロックに入ったバンコク・ユナイテッドのプッティナン・ワンナスリにあたりオウンゴールとなり、土壇場でチョンブリーFCが引き分けに持ち込んでいます。
(試合のハイライト映像はタイリーグの公式YouTubeチャンネルより)

タイ1部リーグ順位表(第22節終了時)

順位チーム得失差勝点
1ブリーラムU2316342551
2BGパトゥムU231184941
3バンコクU2311661439
5チョンブリーFC2310671336
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFCのみ表示しています。

2月25日のニュース
キム代表監督はヌグリスンビラン監督をアシスタントコーチに指名
アジアカップ2023最終予選の組み合わせ決定-マレーシアはバーレーンと同組
クアラルンプールがAFCカップの集中開催地に-KLシティは地の利を活かせるか

キム代表監督はヌグリスンビラン監督をアシスタントコーチに指名

マレーシアサッカー協会FAMは、Mリーグ1部サラワク・ユナイテッドFC(以下SUFC)のE・エラヴァラサン監督がキム・パンゴン代表監督のコーチングスタッフに入閣することを発表しています。先週、就任会見を終えたばかりのキム監督は、自身が求めたマレーシア人コーチ候補と面談した結果、マレーシア人選手について熟知し、国内リーグでは豊富な経験のあるエラヴァラサン氏を7名の候補者の中から指名したということです。

60歳のエラヴァラサンSUFC監督を指名したことについてキム代表監督は「FAMのスコット・オドネル テクニカルディレクターから候補者との面談について話を聞いた後、直接、エラヴァラサン氏に会って話を聞いたが、代表チームについての意見や正確な情報を提供して私を助けてくれる最も適切な候補者だと確信した。エラヴァラサン氏は非常に熱心な指導者であり、マレーシア代表チームをより高いレベルに到達させるために自分に全面的に協力をしてくれる人物だと理解している。」と絶賛しています。

これまでは年代別代表も含め、マレーシア代表チームには全く関わったことがないエラヴァラサン氏は、代表チームに自分が関われることは名誉だと話し、このような機会が与えられたことを新たな挑戦だと捉え、キム監督の考えや方針をできるだけ早く理解して今後の大会に臨みたい。」と話し、またリーグ開幕まで10日を切ったこの状況で、契約を解除してくれたクラブ、そして理解を示してくれた選手やサポーターに感謝したいとも述べています。

エラヴァラサン氏は1962年生まれの60歳でAFCプロライセンスを保持し、2020年からサラワク・ユナイテッドの監督を務めていました。それ以前も2006年と2018年にはマラッカ、2009年から12年まではフェルダ・ユナイテッド、2015年から17年まではPKNS FC(いずれも既に解散)、2019年にはPDRM FCと様々なMリーグクラブで監督の経験があります。なおエラヴァラサン新コーチの初仕事は、3月に予定されているキム監督の初戦となるフィリピン戦、シンガポール戦(いずれもシンガポール)に向けての選手選考の支援となりそうです。

アジアカップ2023最終予選の組み合わせ決定-マレーシアはバーレーンと同組

来年2023年に中国で開催されるAFC選手権アジアカップ2023の最終予選組み合わせ抽選が昨日行われ、既に集中開催地に決まっているマレーシアはE組となり、バーレーン、トルクメニスタン、バングラディシュと同組となりました。

クアラルンプールにあるAFCの本部「AFCハウス」からオンラインで行われた組み合わせ抽選では、集中開催地に決まっているクウェート、モンゴル、ウズベキスタン、インド、マレーシア、キルギスがまずAからFまでの6組に振り分けられた後、各組に加わるチームが決定しました。

E組4カ国は直近のFIFAランキングでは、マレーシアが154位、バーレーンが89位、トルクメニスタンが134位、バングラディシュが186位となっています。今回の最終予選は各組1位6チームと2位チームの内、成績上位の5チームが本戦への出場権を獲得しますが、キム代表監督は初戦となる6月8日のトルクメニスタン戦、そして最終戦となるバングラディシュ戦でそれぞれ勝点3を挙げることが不可欠だと話し、最終的には勝点7を目指すとしています。

アジアカップ2023最終予選組み合わせ
A組:ヨルダン、クウェート(開催国)、インドネシア、ネパール
B組:パレスチナ、フィリピン、イエメン、モンゴル(開催国)
C組:ウズベキスタン(開催国)、タイ、モルディヴ、スリランカ
D組:インド(開催国)、香港、アフガニスタン、カンボジア
E組:バーレーン、トルクメニスタン、マレーシア(開催国)、バングラディシュ
F組:キルギス(開催国)、タジキスタン、ミャンマー、シンガポール

クアラルンプールがAFCカップの集中開催地に-KLシティは地の利を活かせるか

AFCチャンピオンズリーグACLの下部リーグにあたるAFCカップのグループステージの集中開催地が発表され、I組を除く残り9組の集中開催地が決定しています。このAFCカップには昨季のMリーグ1部スーパーリーグ2位のクダ・ダルル・アマンFC(以下クダ)と、38年振りのマレーシアカップ優勝を果たしたKLシティFC(以下KL)が出場しますが、東南アジア地区でKLが入るH組はKLの本拠地クアラルンプールでの開催となりました。またクダが入るG組はインドネシアのバリ島にあるデンパサールでの開催となっています。

6月24日から30日までの予定で開催されるAFCカップのグループステージで、KLはタンピネス・ローヴァーズ(シンガポール)、PSMマカッサル(インドネシア)、そしてプレーオフで決定するもう1チームと同組に、またクダはバリ・ユナイテッド(インドネシア)、カヤFCイロイロ(フィリピン)そしてプレーオフで決定するもう1チームと同組です。

その他の地区では西アジア地区のA組はマスカット(オマーン)、B組はクウェートシティー(クウェート)、C組はマナマ(バーレーン)、南アジア地区のD組はコルカタ(インド)、中央アジア地区のE組はドゥシャンベ(タジキスタン)、F組はビシュケク(キルギス)、そして東アジア地区のJ組は台南(台湾)が集中開催地となっています。なお東南アジア地区でベトテルFC(ベトナム)、ホウガン・ユナイテッド(シンガポール)、プノンペンクラウンFC(カンボジア)が入るI組の手中開催地は後日発表されるということです。

1月18日のニュース(1)
ACL-JDTは川崎フロンターレや広州FCと同組に
AFCカップ-クダとKLシティは日本人所属クラブとの対戦も

ACL-JDTは川崎フロンターレや広州FCと同組に

アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLの今季2022年グループステージの組み合わせ抽選がクアラルンプールのAFCハウスで行われ、マレーシアから出場するMリーグ覇者のジョホール・ダルル・タジムJDTは、タイ代表のチャナティップ・ソンクラシンが加入した昨季のJリーグ覇者川崎フロンターレ、2013年と2015年のACL覇者広州FCと同じI組に入っています。なおI組のもう1チームは蔚山現代FC(韓国)とポートFC(タイ)が対戦するプレーオフの勝者となります。なお集中開催で行われるACLグループステージI組は4月15日から始まります。

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マレーシア国内では圧倒的な強さを誇るJDTですが、アジアの壁に跳ね返されて続けています。悲願となるグループステージ突破を目指すには、今季も厳しいグループに入ってしまいました。(まぁACLでは厳しくないグループなどそもそもないですが)4季連続グループステージ出場となるJDTは、昨季2021年は名古屋グランパス、浦項スティーラーズに敗れグループ3位、その前年2020年はヴィッセル神戸、広州恒大(当時、現広州FC)、水原三星(韓国)と同じ組になり水原三星戦では勝利を挙げたものの、新型コロナウィルス感染拡大による中断を挟んで集中開催地カタールで再開したグループステージは、マレーシア政府が不要不急の渡航を禁止したことから出場辞退しています。

AFCカップ-クダとKLシティは日本人所属クラブとの対戦も

またAFCはACLの下位大会に当たるAFCカップのグループステージ組み合わせ抽選を行い、マレーシアから出場するクダ(昨季スーパーリーグ2位)とKLシティ(昨季マレーシアカップ優勝)の両クラブの対戦相手も決まっています。

H組に入ったKLシティは、帰化選手となりシンガポール代表入りを目指すMF仲村京雅、DF山下柊哉の両選手を擁するタンピネス・ローヴァーズ(シンガポール、昨季国内リーグ4位)、PSMマカッサル(インドネシア、2019年国内カップ優勝)、そしてミャンマーのシャン・ユナイテッド(2020年国内リーグ1位)とエーヤワディー・ユナイテッド(2020年国内リーグ3位)の間で行われるプレーオフの勝者と同組になっています。

またG組のクダは、スズキカップ2020のマレーシア代表戦でゴールを決めたFWイルファン・ジャヤや、やはりマレーシア戦に出場したインドネシア代表正GKナデオ・アルガウィナタが所属するバリ・ユナイテッド(インドネシア、2019年国内リーグ1位)、DF大村真也、MF藤井亮、FW堀越大蔵の3選手が所属し、昨季2021年シーズンにはACLに出場しているカヤFC-イロイロ(フィリピン、2021年国内カップ戦優勝)、そしてMリーグのトレンガヌやペラでプレーしたDFチエリー・チャンタ・ビンが所属するビサカFC(カンボジア、2021年国内カップ戦優勝)とDF川上典洋が所属するヤングエレファンツ(カンボジア、2020年国内リーグ3位)が対戦するプレーオフの勝者と同組になっています。

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レベルの高いACLも面白いですが、東南アジアのクラブ同士の対戦が多いAFCカップも拮抗した試合が多く魅力的です。特にクダとKLシティにはこのAFCカップで好成績を上げて、クラブランキングの上昇、そしてマレーシアからのACLの出場枠を現在の1枠からプレーオフ出場を含めた1+1枠、そして将来的にはグループステージ2枠が獲得できるように頑張ってもらいたいです。

1月17日のニュース(2)
FAM-マレーシア政府の厳格なSOPがアジアカップ予選開催を困難に
MFLはMリーグ日程への負担を減らすためACLとAFCカップGSの国内開催を希望
タイ1部リーグ第17節-エルドストールが先発に復帰

FAM-マレーシア政府の厳格なSOPがアジアカップ予選開催を困難に

アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選の開催地決定が来月2月24日と迫る中、この3次予選に出場するマレーシアは自国での予選開催を目論んでいますが、マレーシア政府が設けている厳格なSOP(標準作業手順)のせいで実現が難しいと英字紙ニューストレイトタイムズが伝えています。アジアカップ2023年大会は開催国の中国の他、日本や韓国、オーストラリアやベトナムなど既に13カ国が出場を決めており、残る11枠をこの3次予選に出場する24ヶ国が争います。

マレーシアサッカー協会FAMのモハマド・ユソフ・マハディ会長代行は、アジアカップ2023大会3次予選の集中開催地として立候補する旨を既にAFCに伝えていることを明らかにする一方で、マレーシア政府が全ての渡航者に課している検疫隔離と厳格なSOPが自国開催実現の際の障害になる可能性があると述べています。モハマド・ユソフ会長代行はさらにマレーシア政府が大規模な国際スポーツ大会そのものの国内開催を認めない可能性もあると話していますが、政府による支持が得られ、AFCにより集中開催地に選ばれた場合には、ブキジャリル国立競技場を会場に開催する計画があることも明らかにしています。

MFLはMリーグ日程への負担を減らすためACLとAFCカップGSの国内開催を希望

また同じニューストレイトタイムズは、Mリーグを運営するMFLがやはり集中開催が決まっているAFCチャンピオンズリーグACLと、ACLの下部大会AFCカップのグループステージGS開催に意欲を示していると伝えています。マレーシアからはMリーグ1部スーパーリーグ昨季2021年シーズンのチャンピオンとしてJDTがACLグループステージに、また昨季スーパーリーグ2位のクダと昨季マレーシアカップ優勝のKLシティがAFCカップグループステージに出場します。

MFLは今季のリーグ日程作成の際に、このACLやAFCカップのグループステージが国外で開催された場合に備え、Mリーグクラブのために帰国後の検疫隔離期間として28日間を予備日として設けてあるということですが、ACLやAFCカップのグループステージにマレーシアが集中開催地に選ばれれば、この検疫隔離期間が不要になり、国内リーグ日程の過密化を防げることから、国内開催を強く希望しているということです。

タイ1部リーグ第17節-エルドストールが先発に復帰

タイ1部リーグ第17節が1月15日と16日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCは今季1部昇格のノーンブワ・ピッチャヤFCに敗れたものの、リーグ3位を維持しています。

2022年1月15日@チョンブリースタジアム
ノーンブワ・ピッチャヤFC 3-2 チョンブリーFC
 前節第16節はベンチ入りしなかったジュニオール・エルドストールは、スズキカップ2020後は初出場となるこの試合で先発し、85分にはイエローカードをもらっています。チームも89分に決勝ゴールを決められて敗戦。連続無敗記録も8で止まってしまいました。
(試合のハイライト映像はチョンブリーFCの公式YouTubeチャンネルより)

タイ1部リーグ順位表(第17節終了)

順位チーム得失差勝点
1ブリーラムU1611231935
2バンコクU1610331533
3チョンブリーFC168541329
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFCのみ表示しています。

8月18日のニュース:クダが後半戦初勝利で4位浮上、女子代表がAFC女子アジアカップ予選にフットサル選手を招集、サッカー協会が帰化選手プロジェクトの見直しに着手、サッカー協会会長-代表チームの運営は協会が行う

 7月24日に予定されながら、クダ・ダルル・アマンFCの複数の選手が試合前の新型コロナウィルス検査で陽性となったことから延期されていたクダ・ダルル・アマンFC対ペナンFCが行われ、この試合に勝利したクダ・ダルル・アマンFCが3位のペナンFCと勝点差2の4位に浮上しています。

2021年8月17日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロースター)
クダ・ダルル・アマンFC 4-1 ペナンFC
得点者:クダ-チェチェ・キプレ2(17分、38分)、バドロル・バクティアル(23分)、クパー・シャーマン(55分)、ペナン-デヴィッド・ロウリー(44分)
 クダ・ダルル・アマンFCは8月13日のスランゴールFC戦でハンドにより一発レッドとなったレナン・アルヴェスが、またペナンFCは累積警告にリュウジ・ウトモがそれぞれこの試合は出場停止となっており、両チームとも守備陣の中心選手を欠く試合となりましたが、ペナンFCのシュート数6本(オンターゲット3本)に対してクダ・ダルル・アマンFCは19本(オンターゲット8本)、コーナーキックもペナンFCの1本に対してクダ・ダルル・アマンFC7本と圧倒したクダ・ダルル・アマンFCが後半戦初勝利を挙げています。( 8月7日と8日の両日、Mリーグ1部スーパーリーグ第18節が開催されました。なお後半戦開幕から2週間で5試合と詰まった日程だったMリーグですが、次節第19節は1週間空いて8月13日と14日に予定されています。
 試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルよりお借りしています。

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第18節終了時)

ClubGWDLGFGAGDP
1JDT1814314283445
2TFC18114330141637
3PEN179442826231
4KDA159242718929
5SEL188553427729
6KL185942117424
7SBH174772023-319
8PJ174671119-818
9PHG174582027-717
10MU184772024-4*16
11PRK1834111738-2113
12UITM171214736-295
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第18節終了時)

選手(クラブ)ゴール数
1イフェダヨ・オルセグン(SEL)20
2ベルクソン・ダ・シルバ(JDT)19
3クパー・シャーマン(KDH)11
4パウロ・ジョズエ(KL)9
5カサグランデ(PEN)8
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJC-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

AFC女子アジアカップ予選にフットサル選手を招集
 アジアサッカー連盟AFC女子アジアカップ予選に出場するマレーシア女子代表にフットサルの選手が招集されたことをスポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 女子代表チームのジェイコブ・ジョセフ監督が代表合宿に招集したフットサル選手はステフィ・シドゥで、2011年から2012年まではジェイコブ監督の元でサッカー選手だった経験もあるということです。
 ステフィ選手の招集についてジェイコブ監督は、当初招集していた選手の1人がチームに帯同できなくなったことを理由に挙げています。「代表合宿には17名の若手選手を追加招集したが、サバ州出身の選手1名がパスポートの問題でチームに帯同できなくなったことから、招集最終日の先週末にステフィ選手に連絡を取った。」とジェイコブ監督は説明しています。
 8月21日からの女子代表合宿には今回招集された17名と既に招集されていた11名が参加し、25日間の合宿を行い、9月19日から始まるAFC女子アジアカップ予選初戦ではパレスチナと、そして9月22日にはタイと対戦します。

サッカー協会が帰化選手プロジェクトの見直しに着手
 マレーシアサッカー協会FAMは代表チーム強化に向けた新たな帰化選手獲得ためのプロジェクトの一時中止と帰化選手プロジェクト自体の見直しを行うことを発表してことをマレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 FAMのハミディン・アミン会長は既に帰化した選手については、来年2月に予定されているアジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選については招集する可能性があるとも述べています。
 「代表チーム強化目的の帰化選手ブログラムは、技術委員会、帰化選手プログラム委員会、代表チーム委員会、そしてオン・キムスイ テクニカルディレクターからの報告が上がってくるまでは一時中止とする。なおMリーグの各クラブについては、帰化資格を満たす選手のマレーシア国籍取得支援を行うことは今後も可能とする。*ヘリテージ帰化選手については、その必要に応じて起用していく方針は変わらないが、良いヘリテージ帰化選手の獲得は容易ではなく、その多くは代表に招集されてもあまり良い結果を残せていない。」とFAM理事会後のメディアとのオンライン会見で話したハミディン会長は、帰化選手の起用については様々な意見があることを認めた上で、今後も代表チームに帰化選手が必要となった場合には、FIFAワールドカップ2026年大会予選での起用を目的としたものになるだろうとも話しています。
 FAMはこれまでブラジル出身のギリェルメ・デ・パウラ(34歳、JDT所属)とコソボ出身のリリドン・クラスニキ(29歳、JDT所属)の両選手をMリーグで継続して5年以上プレーした資格を利用して代表選手として起用するべくマレーシア国籍取得の支援を行っています。この他、ガンビア出身のモハマドゥ・スマレ(26歳、JDT)も帰化選手ですが、こちらは昨季まで在籍したパハンFA(現スリ・パハンFC)を運営していたパハン州サッカー協会の支援でマレーシア国籍を取得しています。
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 マレーシアの「帰化選手」は上記の従来はマレーシアとは縁もゆかりもない3選手と、両親あるいは父母のどちらかがマレーシア人の*ヘリテージ帰化選手とに分かれます。後者はマレーシア人の血を引いていることからFIFAが規定する「国内リーグで5年のプレー経験」という条件に縛られずにマレーシア国籍を取得することが可能です。なお、今年6月に行われたFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選に出場したマレーシア代表のメンバーで見ると、FWデ・パウラ、MFクラスニキ、FWスマレの3選手に加え、GKサミュエル・サマーヴィル(ペナンFC)、DFマシュー・デイヴィーズ、DFラヴェル・コービン=オング(以上JDT)、DFジュニオール・エルドストール(タイ1部チョンブリーFC)、DFドミニク・タン(タイ1部ポリステロFC)、DFディオン・コールズ(デンマーク1部FCミッティラン)、MFブレンダン・ガン(スランゴールFC)と総勢28名中10名が帰化選手とヘリテージ帰化選手となっています。さらにW杯予選突破の切り札として初めて代表入りしたデ・パウラ、クラスニキの両選手が予選前の練習試合から予選本番までチーム力強化に目立った効果は果たせず、スマレ選手も含めた3名の帰化選手にサポーターや元代表選手などから批判が集中しただけでなく、マレーシア人選手の出場機会を奪うという理由で帰化選手プロジェクトの有効性に疑問の声が上がっていました。

サッカー協会会長-代表チームの運営は協会が行う
 また同じブルナマの記事では、FAMのハミディン会長がマレーシア代表チームの運営は今後もFAMが行うことを明言したことも報じています。
 国のサッカー協会が代表チーム運営を明言、と聞くとそれがなぜニュースになるのか、それは当たり前ではないか、と思われるかもしれませんが、これは6月のW杯アジア2次予選中、既に予選突破が難しくなったタイミングで。Mリーグ1部のJDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が、より良い練習環境とより良い指導者を用意してチーム強化を行う意思があるので代表チームを自分に運営させて欲しいと、公開書面の形でFAMのハミディン会長に申し出た、という経緯があります。
 この申し出には、前FAM会長でもあり、現在国内リーグで7連覇中のクラブのオーナーでもあるイスマイル殿下とオーナーを務めるJDTが国内では他のクラブを圧倒する設備を持つことから、これを支持する意見が出る一方で、帰化申請時にはいずれもJDTの選手ではなかったデ・パウラ、クラスニキ、スマレの3選手が現在は全員JDTの選手となっていることへ不透明さや、国を代表するチームを国のサッカー協会外部の人間が運営する「不自然さ」などから反対意見も同じくらい出ていました。
 これについてFAMのハミディン会長は「W杯予選後にイスマイル殿下と会談し、今後も代表チームの運営はFAMが行うことで両者が同意した。またその際には代表強化のために選手選考などいくつかの内容についてイスマイル殿下から提案を受けた。」


8月11日のニュース:ペラFCがブラジルコンビの退団を公式に発表、今月の代表合宿開催却下でタン監督は10月の合宿と練習試合を熱望

ペラFCがブラジルコンビの退団を公式に発表
 ペラFCはブラジル出身の2選手の退団を公式に発表しています。
 ペラFCのアズマン・ノー ゼネラルマネージャー(GM)は、退団の意思を示したレアンドロ・ドス・サントスとカレッカと今季残り試合の出場についての交渉を行ってきたが、交渉は決裂し、両選手はチームには戻らないことを明らかにしています。
 「当初、クラブは両選手の退団希望の理由が家族のビザが延長されていなかったことだと考えていたので、クラブがこの問題を解決した際には、両選手がチームに戻ると考えていた。しかし、レアンドロ、カレッカ両選手はすでに退団の意思を固めていたようである。現在、両選手は未払いとなっている給料に関する支払い訴訟を継続するかどうかを弁護士と相談中と聞いている。」とマレーシアの通信社ブルナマの取材に答えています。
 ペラFCは両選手に対して3ヶ月分の給料が未払いとなっていることを認めています。
 今月初めに「休養」となったペラFCのチョン・イーファット前監督は、7月26日に両選手が契約解除を申し出て、すでにチームを離れたことを明らかにしたことは、このブログでも取り上げました。
 さらにアズマンGMはトランスファーウィンドウ期間に獲得した新たな外国籍選手がチームに何の貢献していないだけでなく、その振る舞いにも不満を述べています。
 「新外国籍選手の態度には問題があり、中でも特にレバノン出身のDFジャド・ヌールディンとMFサミル・アヤスの両選手は振る舞いには問題がある。当初、この両選手はその力量を評価するために(2部プレミアリーグでプレーするセカンドチームの)ペラFC IIでプレーすることを求めたが、ケガを理由に練習参加を貫いている。またDFズバイロウ・ガルバ(カメルーン)とFWジスラン・ゲッセン(コートジボアール)はパフォーマンスのレベルが低く、ペラFC IIのマレーシア人選手よりも低い。」と自身が獲得に関わらなかった4選手を批判したアズマンGMは、新たに獲得したDFアズハル・アパンディ、DFシャミン・バハルディン、DFアイザット・マイディン・コティの3名のマレーシア人選手も移籍証明書の提出がMFLの登録期間に間に合わなかったことで、今季は出場できなくなったことも明らかにしています。
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 経営陣がクラブをダメにする良い例が、今季のペラFCで起こっている未払い給料に伴う主力選手の大量退団です。クラブ史上初となる2部プレミアリーグ降格は残念ですが、クラブ民営化に伴う痛みを乗り越えて、現場だけでなくフロントにも求められるプロ化に向けて膿を出す良い機会かもしれません。

今月の代表合宿却下でタン監督は10月の合宿と練習試合を熱望
 マレーシア代表のタン・チェンホー監督は来月に希望していた練習試合の開催を諦めたと、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。タン監督はFIFAの国際マッチデー期間の8月30日から9月7日に代表合宿や練習試合の開催を希望していました。
 このブログでも取り上げましたが、マレーシアサッカー協会FAMは新型コロナウィルス対策を行うマレーシア政府の国家安全保障委員会に対して、スポーツバブル形式での練習試合の許可を申請していましたが、その申請が却下されていました。またこれを受けてMリーグを運営するMFLは8月30日から9月7日までの期間にMリーグの試合日程を組み込んだことで、代表合宿や練習試合の開催が不可能になっています。
 これについてタン代表監督は次のFIFAマッチデー期間である10月4日から10月12日までの期間には代表合宿開催と練習試合実施の許可が出ることを望んでいると話しています。
 「マレーシア国内の感染状況は改善していないので、10月のFIFAマッチデー期間には代表合宿と練習試合が国外、国内を問わず許可されることを期待しながら忍耐強く待たなければならない。10月に代表合宿や練習試合が行われる際に選手のパフォーマンスに影響が出ないよう、今後もMリーグが遅延なく開催されることも望んでいる。」とブリタハリアンの取材に答えたタン監督は、今年12月に開催予定されている東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ、そして来年2月に開催が予定されているアジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選の準備となる10月のFIFAマッチデー期間に行う代表合宿と練習試合の重要性を強調しています。
 なお2021年のFIFA国際マッチデーは10月4日から12日と、11月8日から16日が残っています。


7月14日のニュース:Mリーグの2022/23シーズンACL出場枠は1のまま、サッカー賭博で31名逮捕

Mリーグの2022/23シーズンACL出場枠は1のまま
 アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLやAFCカップの出場枠決定の基準となるAFCクラブコンペティションランキング最新版が発表され、マレーシアはAFC加盟47カ国中18位となっています。
 このクラブンペティションランキングなどに詳しいFootyRankingによると、マレーシアは先日終了したACLのグループステージG組で1勝1分4敗に終わったJDTが稼いだ勝点4が加算され、2018年から2021年のACLグループステージ終了時までの過去3年間(2020年は各クラブともポイントなし)の総合ポイントが23,681となり18位となっています。これにより来季2022/23年シーズンのMリーグからのACL出場枠は1(Mリーグチャンピオン)、そしてAFCカップ出場枠は2(FAカップチャンピオンおよびMリーグ2位)となり、出場枠の増減はありませんでした。
 東南アジア各国のAFCクラブコンペティションランキングポイントと、ACLおよびAFCカップの出場枠は以下の通りです。
7位タイ(ポイント57.080:ACL2枠+ACLプレーオフ2枠)
12位ベトナム(同39.232:ACL1枠+プレーオフ2枠)
17位フィリピン(同25.919:ACL1枠、AFCカップ予選2枠)
18位マレーシア(同23.681:ACL1枠、AFCカップ予選2枠)
21位シンガポール(同19.108:ACLプレーオフ1枠、AFCカップ1枠+プレーオフ1枠)
23位インドネシア(同17.923:ACLプレーオフ1枠、AFCカップ1枠+プレーオフ1枠)
28位ミャンマー(同11.097:AFCカップ1枠+プレーオフ1枠)
33位カンボジア(同6.369:AFCカッププレーオフ1枠)
37位ラオス(同0.947:AFCカッププレーオフ1枠)
41位東ティモール(同0.000:AFCカッププレーオフ1枠)
41位ブルネイ(同0.000:AFCカッププレーオフ1枠)
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 ここで目を引くのはベトナムのACLプレーオフ枠2増です。今季2021年ACLではマレーシア同様、グループステージ出場枠1だったベトナムですが、JDTが勝点4でACLを終了したのに対し、昨季のベトナムリーグチャンピオンのベトテルFCはグループステージで勝点6を挙げて、アジアクラブランキングポイントを積み上げています。またシンガポールは出場したシンガポールリーグチャンピオンのタンピネスローヴァーズが勝点0となったことでアジアクラブランキングが下がり、この結果、ACLグループステージ出場枠を失い、プレーオフ出場枠1となってしまいました。

サッカー賭博で31名逮捕
 マレーシアの通信社ブルナマは、マレーシア北部クダ州で31名がサッカー賭博で逮捕されたことを報じています。
 クダ州警察は17歳(!)から55歳までの女性2名を含む31名が、先日終了したUEFA選手権ユーロ2020を対象としたサッカー賭博に関連して逮捕されたことを発表し、合計27回行われた手入れでは31名を逮捕したほか、40台の携帯電話と7台のコンピューター、そして現金3万3326リンギ(およそ88万円)が押収されています。また賭博で動いた総額は200万リンギ(およそ5260万円)で、賭けはメッセージアプリのWhatsAppやWeChatやショッピングアプリWishなどを使って行われたということです。
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 ギャンブルが禁じられているイスラム教を国教とするマレーシアでは、賭博はもちろんご法度です。英国植民地であったことから競馬はありますが、非イスラム教徒の中華系やインド系が対象です。ギャンブルとは言えませんが宝くじもイスラム教徒は購入することができません。
 今回の賭博対象はEURO2020ということですが、サッカー賭博は八百長という形でマレーシアのサッカーに何度も暗い影を落としてきました。かつては代表経験者も関与し逮捕されたこともあります。新型コロナの影響でMリーグでは給料未払いや長期の遅配が起こっていることが報道されていますが、そんなときに賭博の胴元などから接触されれば、選手の中には誘惑に負けてしまう者が出てしまう可能性があることは過去の事例が証明しています。
 今回のサッカー賭博自体はマレーシアサッカーとは直接は関係はありませんが、Mリーグを何度も破壊しかけたサッカー賭博について書いておきたかったのでこの話題を取り上げました。


7月6日のニュース:AFCカップ東南アジアゾーンは中止に、未払い給料完済が来季のクラブライセンス発給の条件-MFL

AFCカップ東南アジア地区は中止に
 アジアサッカー連盟AFCは公式サイト上で、新型コロナウィルス感染拡大により開催できないAFCカップ予選については中止とすることを発表しています。
 AFCの大会運営委員会は会合を開き、AFCが主催するAFCチャンピオンズリーグACLとAFCカップの日程及びフォーマット変更を発表し、ACL西地区は10月16日と19日に、東地区は10月17日と20日にそれぞれ準々決勝と準決勝を行うことや、決勝も従来のホームアンドアウェイ方式から1試合方式に変更して11月22日に開催することを発表しています。なお、決勝の会場は西地区に所属する各国サッカー協会からの立候補を求めるとしています。
 またAFCカップについては、既に予選が行われている組はそのまま予定通り開催する一方で、現在も集中開催地が未定の予選組は中止が決定されています。具体的には東南アジア(アセアン)地区の予選H組とI組だけがいまだ試合を行えていないことから、アセアン地区の予選の中止が決定したことになります。昨季Mリーグ2位のクダ・ダルル・アマンFCと3位のトレンガヌFCはそれぞれ、AFCカップの予選H組とI組で予選を戦う予定でしたが、集中開催地として当初、立候補していたシンガポールが新規感染者数の拡大により開催地を返上し、その後は開催地が決まっていませんでした。
 今回の発表では、この他に来季2022年のACL、AFCカップとも今季同様に、予選は集中開催、ノックアウトステージは決勝まで全試合が1試合の試合フォーマットで行われることも明らかにされています。

未払い給料の完済来季のクラブライセンス発給の条件-MFL
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは未払い給料問題を抱えるMリーグクラブに対し、速やかに問題が解決されない場合、来季2022年シーズンのクラブライセンスを発給しないとしています。
 現在Mリーグは来季のクラブライセンス申請期間中ということでが、MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは「MFLは給料未払い問題解決に真剣に取り組んでいる。例えば給料未払い問題が発覚したペラFCに対しては、問題が解決されなければ今年2度目のトランスファーウィンドウ期間の新規選手獲得を禁じる警告を出したが、これに対してペラFCは直ちに未払い給料を支払った。Mリーグクラブの民営化が行われた現在は、(従来の州サッカー協会ではなく)各クラブ自体が未払い給料を支払う義務を負っているが、民営化が実現したことにより未払い給料問題の件数は例年より少なくなっている。」と話しています。
 また来季のクラブライセンスについては、合計18クラブがMリーグでプレーするためのクラブライセンスを申請中であると述べたアブドル・ガニCEOは、その内、JDT、マラッカ・ユナイテッドFC、PJシティFC、ペラFC、クダ・ダルル・アマンFC、スランゴールFC、ペナンFC、トレンガヌFC、UITM FC、KLシティFC(以上Mリーグ1部)とサラワク・ユナイテッドFC(Mリーグ2部)の11クラブがAFCライセンスも併せて申請していることも明らかにしています。
 ただしサラワク・ユナイテッドFCは2ヶ月分の給料未払いが発生しているとして、来季のクラブライセンス発給のためには8月末までにこの問題を解決する必要があると記事では述べられています。
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 現段階で18クラブが来季のMリーグクラブライセンスを申請していると記事には書かれていますが、現在のMリーグは1部と2部を合わせると24チームで構成されています。その内、JDT、トレンガヌ、スランゴール、ペラは2部でセカンドチームがプレーしており、また今季は数合わせ的にMSN -FAMプロジェクトチームが2部に参加していることから、Mリーグ1部と2部は実質的には19クラブとなっています。となるとこの19クラブの内、1クラブだけが未だ来季のクラブライセンス申請を行っていないことになります。

 

6月21日のニュース:FAMはアジアカップ3次予選抽選前に国際Aマッチを検討、元代表監督がW杯予選の結果と今後の代表の計画について発言、AFC事務局長はAFCカップ中止は最後の選択肢と話すも今週中には何らかの発表か

FAMはアジアカップ3次予選抽選前に国際Aマッチを検討
 先日のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選では、ワールドカップアジア3次予選出場はならなかったものの、アジアカップ3次予選出場権を得たマレーシア。アジアカップ3次予選の組み合わせ抽選は今年2021年10月に予定されていますが、マレーシアのFIFAランキングを上げて「より良い組み合わせ」が得られるよう、マレーシアサッカー協会FAMはこの組み合わせ抽選前に国際Aマッチを複数行う予定があると、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 当初は今年12月5日から始まる東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップを利用してFIFAランキングを上げようとしていましたが、アジアカップ3次予選の組み合わせ抽選が10月となったことで、この計画の変更を迫られていました。
 2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選G組で3位となったマレーシアですが、最新のFIFAランキングでは153位で、このFIFAランキングを元に行われる組み合わせ抽選ではイエメン(同145位)、クウェート(同148位)、アフガニスタン(同149位)、モルディブ(同155位)、シンガポール(同159位)とともにポット3に回ることが濃厚です。一方、ポット2に回る可能性があるのはタイ(同106位)、タジキスタン(同121位)、フィリピン(125位)、トルクメニスタン(同130位)、ミャンマー(同130位)、香港(同144位)の6カ国で、マレーシアがこのポット2に回るためには、この6か国中最下位ランクの香港との差(ランキング9位、ポイントで言えば32.02ポイント)を詰める必要があります。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、新型コロナ禍の中、8月30日から9月7日、そして10月4日から12日までとなっているFIFA国際マッチデー期間の練習試合開催は容易ではないとした上で、他国のサッカー協会と連絡を取りながら、タン・チェンホー代表監督から出ている練習試合4試合のマッチメイクを行いたいと話しています。
 来年2022年2月に予定されているアジアカップ3次予選では、参加24カ国が6組に分かれて戦い、各組の1位に加えて、各組2位の内上位5チームが、2023年に中国で開催される本戦出場権を獲得します。

元代表監督がW杯予選の結果と今後の代表の計画について発言
 Mリーグ2部サラワク・ユナイテッドFCのB・サティアナタン テクニカルディレクターTDは、予選G組で3位となったFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選について、英字紙ニューストレイトタイムズに感想を述べています。
 今回の予選では3位となり、W杯3次予選出場を逃した代表チームについて、マレーシアサッカー協会FAMは、タン・チェンホー監督とユソフ・マハディ代表チームマネージャーによる総括を元に、練習試合のマッチメイクや新たな代表候補選手招集などを行うことになるだろうと述べています。また、上の記事でも取り上げたFIFAランキングを上げるための国際Aマッチ開催もそのうちの選択肢となりうると述べる一方で、国際Aマッチはアジアカップ3次予選に向けてチーム強化を目的とすることが最優先であるべきで、FIFAランキングを上げることだけを目的としたマッチメイクはするべきではないとも話してています。
 「監督の立場なら、(強い相手と試合した結果)負け続けるチームを改善するよりも、選手をに様々な戦術や戦略を試させる場が必要になる。ランキングを上げるためにランキング上位のチームと4試合全てを戦って負ければ、選手のモチベーションにも影響し、重要な大会前のチームの仕上げ方としては良い方法とは言えない。」と話しています。
 またサティアナタンTDは、Mリーグ1部JDTのオーナーであるトゥンク・イスマイル ジョホール州皇太子がFAMに対して行った、自身を代表チームのチームマネージャーにするべきという提案に対して、イスマイル殿下は思いつきだけで発言したのではないだろうとし、JDTでの成功例を見てもわかるように、チームマネージャーとしては適任の人物の一人であると述べる一方で、最終的にはFAMが判断するべきだとしています。

AFC事務局長はAFCカップ中止は最後の選択肢と話すも今週中には何らかの発表か
 昨季2020年シーズンの優勝チームとしてJDTが出場するアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグ予選G組は明日6月22日よりタイのバンコクで始まり、JDTは初戦で名古屋グランパスと対戦します。
 一方、昨季2位のクダ・ダルル・アマンFCと3位のトレンガヌFCが出場予定のAFCカップのアセアン(東南アジア)地区は、集中開催地のシンガポールが新型コロナウィルスの感染状況悪化を理由に開催を辞退して以降、新たな開催地は決まっておらず、開催そのものが危うくなっています。
 これについてAFCのウインザー・ポール事務局長は、今季のAFCカップのアセアン地区開催を諦めていないと話す一方で、最終的な決定は今週中にも発表されるだろうと話しています。
 クダとトレンガヌが所属する予選H組とI組は当初はいずれもシンガポールでの集中開催となることが発表されていましたが、シンガポールの開催辞退表明後は、大会に出場するクラブが所属する東南アジア各国のサッカー協会、またそれ以外の中立国のサッカー協会ともに開催に名乗りをあげる国が現れていません。この2組に残るG組を加えたアセアン地区予選3組全てで現在も開催地は決まっておらず、これについてAFCのウインザー・ジョン事務局長はAFCカップアセアン地区の今季中止はあくまでも最後の選択肢だと述べる一方で、運営委員会には今週中に最終決定を行うよう依頼したことを明らかにしています。
(6/21-一部記事を修正しました。)