1月31日のニュース
マラッカUのCEOがザイナル監督解任の理由を説明
タイ1部リーグ第18節-エルドストールがスズキカップ後初の先発フル出場
タイ1部リーグ第24節-エルドストールは終了間際に途中出場もチームは2位浮上

マラッカUのCEOがザイナル監督解任の理由を説明

昨季はMリーグ1部スーパーリーグで5勝9分8敗の8位に終わったマラッカ・ユナイテッドは2019年から監督を務めていたザイナル・アビディン・ハサン氏を解任し、今季はボスニア・ヘルツェゴビナ出身のリスト・ヴィダコヴィッチ監督を就任させていますが、この監督交代について、マラッカ・ユナイテッドのジャスティン・リムCEOは、今季クラブが目指す「最低でも一つのタイトル」という目標達成が理由であると説明しています。

スポーツ専門チャンネルのナディ・アリーナのインタビューに対してリムCEOは、ザイナル前監督への過去3年間の指導への感謝の気持ちを表した上で、タイトル獲得のためには監督交代が必要だと判断し、ヴィダコヴィッチ監督は期待に応えてくれると信じていると話しています。「クラブとしては当初はザイナル前監督に今季も続投を依頼する予定でいたが、タイトル獲得という今季の目標を達成するためにはこれまでの方針とは異なる抜本的な変革が必要だと考えた末に監督交代を決めた。」と話したリムCEOはヴィダコヴィッチ監督の人選について、ザイナル監督の元では過去3季はタイトル争いとは縁がなかったが、ヴィダコヴィッチ監督はフィリピン1部リーグで3連覇(当時のセレス・ネグロスFC、現ユナイテッドシティFCで2017年から2019年まで3連覇達成)している実績を評価したと話しています。

******

監督を務めた過去3季はいずれも給料未払い問題が発生し、2020年と2021年の両シーズンにはこの給料未払いを理由に勝点3を剥奪されるなど、自身の能力が問題ではなく、経営陣に足を引っ張られた中で「タイトルが取れなかった」ことを理由に解任されるのはザイナル前監督にとっても笑福しかねる部分があるでしょう。以前のこのブログでも触れましたが、今季残留した選手の中にはザイナル監督残留を理由に残った選手たちもいます。マラッカ・ユナイテッドはヴィダコヴィッチ新監督に加え、昨季はスランゴールでリーグ得点王を獲得したイフェダヨ・オルセグンを獲得するなど補強に余念がありませんが、開幕まで1ヶ月と迫った中でのザイナル監督解任が選手たちに動揺をもたらしかねず、タイトルどころか昨季から残る選手と新加入選手間の不協和音に発展する可能性すらあります。

タイ1部リーグ第18節-エルドストールがスズキカップ後初の先発フル出場

タイ1部リーグ第18節が1月22日と23日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCは今季から1部に昇格したコーンケン・ユナイテッドFCを相手に3試合ぶりの勝利を挙げ、リーグ3位を維持しています。

2022年1月23日@チョンブリースタジアム
チョンブリーFC 2-0 コーンケン・ユナイテッドFC
前節第17節に続いて先発したジュニオール・エルドストールは、スズキカップ2020後は初となるフル出場し、勝利に貢献しています。
(試合のハイライト映像はタイリーグの公式YouTubeチャンネルより)

タイ1部リーグ順位表(第18節終了時)

順位チーム得失差勝点
1ブリーラムU1712232038
2バンコクU1710341433
3チョンブリーFC189541532
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFCのみ表示しています。
タイ1部リーグ第24節-エルドストールは終了間際に途中出場もチームは2位浮上

変則日程となったタイ1部リーグ第24節が1月29日と30日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCは、第10節では1-2と敗れていたポートFCを相手に一度は追いつかれながらもデニス・ムリーリョのゴールで3-2と勝利し、リーグ2位に浮上しています。

2022年1月30日@チョンブリースタジアム
チョンブリーFC 3-2 ポートFC
前節第18節では先発してフル出場したジュニオール・エルドストールですが、この試合では後半ロスタイム90+5分からの出場となりましたが、そのわずかな時間にイエローカードをもらっています。
(試合のハイライト映像はタイリーグの公式YouTubeチャンネルより)

タイ1部リーグ順位表(第24節終了時-第19節から23節は未消化のため暫定)

順位チーム得失差勝点
1ブリーラムU1813232142
2チョンブリーFC1910541635
3バンコクU1910351333
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFCのみ表示しています。

1月30日のニュース
マレーシアが2030年までにアジアトップ5入りするための指針F:30は見直しが必要
スズキカップ惨敗はFAMの意思疎通や計画性の欠如と監督の指導力不足が原因-JDTオーナー

マレーシアがアジアトップ5入りするための指針F:30は見直しが必要

マレーシア代表が2030年までにアジアのトップ5入するための指針「F:30」を作成したマレーシアサッカー協会FAMですが、FAMのハミディン・アミン会長は、新型コロナの影響によりこの指針の修正が必要となっていることを認める発言をしていると英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。なお、ハミディンFAM会長は今月就任したスコット・オドネル テクニカルディレクターTDがこの修正を担当するとも話しています。

2018年10月にFAMが発表して指針「F:30」は、12年後の2030年までにマレーシア代表をアジアでのトップ5入りを実現するという何とも無謀な計画を進めるための指針です。2019年から今年2022年までの第一段階では、目標実現のためにマレーシアサッカーの基礎を固めるために、運営、競技レベル、人材育成および設備の各分野を向上させ、2023年から2026年までの第二段階では、これをアジアの上位国並みの水準まで引き上げ、第三段階となる2027年から2030年にはアジアはもとより世界と戦えるマレーシア代表チームを作り上げるという内容がこの指針では示されています。

ハミディン会長は新型コロナによる影響で過去2年間は指針で示された計画が進んでいないことを認めた上で、オドネルTDに対して2ヶ月程度を期限に必要に応じた指針の修正案を作成するよう指示したということです。「F:30」は単に代表チーム強化についてだけの指針ではなく、ユースや女子、フットサル、ビーチサッカー、さらには指導者や審判、また運営や財務などといった内容までを含むマレーシアサッカー再興のためのものであることを常に意識しておく必要がある。」と述べたハミディンFAM会長は、代表チームの成績は上がり下がりするもので、AFC選手権アジアカップ2023 出場という目標が達成できれば、東南アジアサッカー連盟AFF選手権ススキカップ2020でのグループステージ敗退により指針から遅れた分は取り戻すことができると話しています。

スズキカップ惨敗はFAMの意思疎通や計画性の欠如と監督の指導力不足が原因-JDTオーナー

Mリーグ1部スーパーリーグのジョホール・ダルル・タジムJDTのオーナーで、ジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下は、意思疎通や計画性の欠如と監督の指導力不足がスズキカップ2020でのグループステージ敗退の原因だと指摘し、大会後にマレーシアサッカー協会FAMが依頼した独立委員会による敗因分析すら時間の無駄だったと酷評しています。

JDTがプレシーズン合宿中のアラブ首長国連邦のドバイで、スポーツ専門チャンネルのアストロアリーナのインタビューに答えたイスマイル殿下は「何の見通しもないまま計画を立てることは夢を見るのと同じことだ。JDTでは、自分のところに報告が上がって来れば、それをもとに判断し、必要なことを直ちに実行する。判断にはスピードが必要で、形式的な手続きにこだわり過ぎると物事は前に進めなくなる。JDTではミーティングを何度も行うことはなしない。」と述べています。

また代表チームの選手選考に影響を及ぼした「見えない手」の存在や、さらにその「見えない手」がイスマイル殿下自身なのではないかという疑惑について問われると、それを一笑に付した上で、マレーシアサッカー協会FAMと代表監督だけが代表チームに関する決定権を持っていると指摘した上で、スズキカップグループステージ敗退については、そのFAMとタン・チェンホー前代表監督がその責任を負うべきであると個人的には考えていると述べています。「まず第一に意思疎通が不十分だった。FAMは当初、スズキカップ2020にはU23代表を派遣する予定でいたが、突如それがA代表派遣に変わった。またタン前代表監督には指導力が欠けていた。大会前から明確な計画が示されておらず、それが今回の惨敗につながった。またFAMは代表選手招集の際に、JDTの複数の選手がスズキカップに出場できない理由をメディアに説明しなかった。マシュー・デイヴィーズはスポーツヘルニアの手術を受け、ラヴェル・コービン=オングとシャマー・クティ・アッバはいずれも鼠蹊部の痛み、ナチョ・インサは心臓検査のためスペインへ帰国していたが、FAMはなぜこの事実をメディアを通じてファンに知らせなかったのか。その結果、JDTの選手がマレーシア代表でプレーすることを自分が望んでいなかった印象をファンに与えてしまった。」「また代表チームでは戦術に対する理解を監督と話し合って確認するのではなく、コーチングボード上で指示されただけだったと聞いている。その結果の戦術理解不足がスズキカップ敗退の原因であれば、監督がその責任を負うべきである。」

さらにイスマイル殿下はJDTの選手がそもそも代表チームでプレーすることに興味がないのではないかと指摘されると、代表チームでプレーすることは選手の履歴において重要であり、マレーシア人選手なら誰でも代表チームでプレーすることを望んでいるとし、「代表チームが勝てば誰もJDTについて言及しないが、代表チームが敗れるとなぜかJDTが非難される。スズキカップでも(JDTの)サファウィ・ラシドやアキヤ・ラシド、シャールル・サアドがゴールを決めているにもかかわらず、誰もそれを話題にしない理由が自分にはわからない。」とも述べ、指導力不足の監督と意思疎通能力が欠如しているFAMとは無関係にも関わらず、自分が諸悪の根源のように批判されていると話す一方で、誰かを避難することは簡単だが、それでは問題解決にはつながらないとして、問題の解決方法を模索することが重要だとしています。

またマレーシア代表の監督に就任したキム・パンゴン氏については、FAMはキム監督にチームマネージャの権限も与えた上で、その手腕を評価する前に一定の時間を与えるべきだとも述べています。自身の戦術や戦略、そしてその元になる哲学を代表チームに浸透させるには時間が必要だとして、今年6月のAFC選手権アジアカップ2023大会最終予選での成功を期待するべきではなく、また代表選手の選考についてはキム監督を全面的に支え、それに介入するべきではないとも提言しています。

1月28日のニュース
クチンシティのイルファン監督は今季終了後に勇退へ
AFF選手権に向けてU23代表が始動
ヤクルトがチャリティーマッチの収益で聴覚障害者スポーツ支援

クチンシティのイルファン監督は今季終了後に勇退へ

英字紙ニューストレイトタイムズはMリーグ2部プレミアリーグのクチンシティを率いるイルファン・バクティ・アブ・サリム監督が今季終了後に勇退すると報じています。Mリーグ監督としては最年長となる73歳のイルファン監督は今季終了後に26年に渡る指導者としての生活を終えることを決めており、クチンシティの1部スーパーリーグ昇格を実現し、それ置き土産として勇退したいと考えていると言うことです。

2011年にはトレンガヌを率いてFAカップ優勝を果たしているイルファン監督は、Mリーグではヌグリスンビラン、スランゴール、ペナンなどを含む10のクラブで監督経験がある他、2007年にはインドネシア1部のプルシプラ・ジャヤプラでの指導経験もあります。

イルファン監督最後のシーズンとなるクチンシティは、昨季からプレーするセンターバックのアイルトンと、同じプレミアリーグのクランタン・ユナイテッドから2年ぶりに復帰する谷川由来の両外国籍選手は決まっており、残る2名の外国籍選手枠には今月末にリームに合流する予定の、いずれもストライカーの英国とリベリア出身選手が加わると言うことです。

AFF選手権に向けてU23代表が始動

先日参加メンバーが発表されたU23代表の第一次合宿が昨日1月27日よりスタンゴール州プタリンジャヤのPKNSグラウンドで始まっています。来月2月にカンボジアのプノンペンで開催される東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権に向けての代表合宿初日には、母国オーストラリアで休暇を過ごし、マレーシア入国後の検疫隔離中のブラッド・マロニー監督とアメリカから参加予定のワン・クズリを含めた8名の選手が参加しなかったものの23名の選手が参加し、マロニー監督がチームに合流する2月3日までカン・ハンメン コーチが指揮を取ると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

取材に対応したカン コーチは合流が遅れている選手について、Mリーグでプレーする7選手については所属クラブのプレシーズン練習などで合流が2月6日になると話す一方で、ワン・クズリについては「個人的な事情」から合流が遅れているとして、現在も交渉を続けていることを明らかにしています。なお、U23代表は2月3日にサバFCと、2月8日にはクダあるいはFAM-MSNプロジェクトと、そして2月10日にはKLシティと練習試合を行った後、2月12日にはカンボジアへ向けて出発し、2月15日には予選B組の初戦となるミャンマー、2月18日にはラオスといずれもビサカスタジアムで、また2月21日にはインドネシアとモロドクテコ国立競技場で対戦し、予選A、B、C各組の首位と最も良い成績を収めた2位が出場する準決勝進出を目指します。

ヤクルトがチャリティーマッチで集めた寄付をデフサッカー支援に寄付

4年に1度、世界規模で行われる聴覚障害者のための総合スポーツ競技大会デフリンピックが今年5月にブラジルで開催されますが、この大会に選手を派遣するマレーシア聴覚障害者スポーツ協会MSDeafは記者会見を開き、ヤクルトマレーシア社が24万3700リンギ(およそ670万円)の支援を行ったことを発表しています。

ブルナマの報道によれば、これはヤクルトマレーシア社が昨年12月11日に主催したチャリティーマッチで集めた31万5000リンギから経費を引いた金額ということです。なお、このチャリティーマッチでは、デフサッカー(聴覚障害者サッカー)マレーシア代表と元日本代表の本山雅志(クランタン・ユナイテッド)らMリーグでプレーする日本人選手とマレーシア代表のノーシャルル・イドラン・タラハ(サラワク・ユナイテッド)らマレーシア人選手で構成されたチームが試合を行いました。

MSDeafのオン会長はヤクルトマレーシア社からの支援について、マレーシアからはバドミントン、陸上、マウンテンバイク、空手、ボーリングの5つの競技に24選手が出場する今年5月のデフリンピックの準備の他、今年10月に韓国で行われるアジア太平洋地区デフサッカー予選の準備などにも使われる予定であると説明しています。



1月27日のニュース
A代表チームマネージャーが辞任
キム新監督のマレーシア人候補が決定

A代表チームマネージャーが辞任

マレーシア代表のモハマド・ユソフ・マハディ チームマネージャーが辞任したと、マレーシア語紙ブリタハリアンが伝えています。タン・チェンホー代表監督は既に辞任していますので、今さら?といった感もないですが、辞任の理由は東南アジアサッカー連盟選手権スズキカップ2020で代表チームがグループステージで敗退したからではなく。Mリーグ3部にあたるM3リーグやその下のリーグを運営するアマチュアフットボールリーグAFLのチェアマンの職に集中したい、とマレーシアサッカー協会のハミディン・アミン会長に説明したと言うことです。

スズキカップ敗退後には辞任を求める声が多かったモハマド・ユソフ氏は、FAMの会長代行でもあり帰化選手委員会委員長や代表チーム運営委員会の副委員長なども兼任していますが、辞任の理由の中にはスズキカップ敗退に関する責任については言及されていないようです。先日、発表された独立委員会によるスズキカップ敗退の原因分析では、このモハモド・ユソフ氏が独断でスズキカップ決勝進出を重要業績評価指標KPIとしていたことや、タン前監督が代表に招集したい選手がいても、その支援を行わなかったことなど、モハマド・ユソフ代表チームマネージャーの独断かつ非協力的な姿勢について言及されていましたが、それに対する言い訳も詫びもないままの辞任となっています。

******

独立委員会は代表マネージャー職の廃止を提言しており、FAMが同様の役職を設ける場合には、権利や運営の権限は与えず、あくまでも儀礼的な職とすべきとしています。まぁマネージメントをしない、あるいは不要なマネージメントで代表監督の足を引っ張るような職がこれまでの代表チームマネージャーで、もうそんな職は独立委員会は不要と提言したと言うことです。このモハマド・ユソフ氏は3季連続で給料未払い問題を起こしているマラッカ・ユナイテッドを運営するマラッカ州サッカー協会MUSAの出身で、まぁその無能っぷりは出身母体のMUSAに負けず劣らずといったところでしょうか。

キム新監督のマレーシア人コーチ候補が決定

マレーシアサッカー協会FAMは、A代表の新監督にキム・パンゴン(金判坤)氏の就任が発表されていますが、このキム新監督率いる首脳陣にマレーシア人のアシスタントコーチの候補が10人に絞り込まれていると、マレーシアの通信社ブルナマが伝えています。FAMのモハマド・サイフディン・アブ・バカル事務局長は、経験豊富な「大物」も含めて10名の指導者がFAMのスコット・オドネル テクニカルダイレクターTDによって絞り込まれていることをブルナマの取材で明らかにしています。

FAMによって厳選されたこの10名の候補者は、キム監督が予定されている来月にマレーシアに入国後に面談を行ったのちに決定されると言うことで、最終的な判断はキム新監督に一任されていますが、マレーシア人コーチの入閣は、キム新監督自身が望んだこともサイフディン事務局長は明らかにしています。


1月24日のニュース
マラッカUの新監督起用は吉と出るか凶と出るか
マラッカUは昨季のMリーグ得点王を含む新加入の外国籍選手を発表

Mリーグ1部のマラッカ・ユナイテッドはクラブ公式Twitterでリスト・ヴィダコヴィッチ監督の就任を発表しています。 ボスニア・ヘルツェゴビナ出身のヴィダコヴィッチ監督は過去3季監督を務めたザイナル・アビディン・ハサンに代わっての就任です。53歳のヴィダコヴィッチ監督は、今季開幕後わずか5試合で辞任した元JDT監督のマリオ・ゴメス氏に代わって昨年10月にインドネシア1部リーグのボルネオFCの監督に就任していましたが、それからわずか2ヶ月で自身も辞任し、マラッカ・ユナイテッドの監督に就任しています。

2006年から2007年にかけてはセルビア代表チームのアシスタントコーチの経験があるヴィダコヴィッチ監督は、スペインではムルシア、エシハ、カディスといったクラブでの指導経験がある他、フィリピン1部のセレス・ネグロスFC(現ユナイテッドシティFC)では2017年から2019年までの3連覇を、またモルディブ1部リーグでは2020/2021年シーズンのマジヤS&RCでリーグを制しています。

******

過去3季連続で給料未払い問題が明らかになったマラッカ・ユナイテッドは、2020年と2021年の両シーズンはいずれも勝点3を剥奪される状況下で指揮を取ったザイナル・アビディン監督への選手の信頼は厚く、給料が支払われていなかった中、昨季は38年ぶりとなるマレーシアカップ準決勝進出を決めたのも、ザイナル・アビディン監督がいたからだと話す選手がいる一方で、給料未払いが続いたにも関わらず今季もクラブに在留した選手の多くが、ザイナル・アビディン監督が今季も指揮を取るとクラブから説明されたからだとしている選手もいることから、こういった「ザイナル・アビディ監督派」とヴィダコヴィッチ監督あるいは経営陣との間で確執が生じる可能性も秘めています。

マラッカUは昨季のMリーグ得点王を含む新加入の外国籍選手を発表

マラッカ・ユナイテッドは昨季は同じ1部スーパーリーグのスランゴールFCで26ゴール(22試合)を挙げてリーグ得点王に輝いたFWイフェダヨ・オルセグンの加入をクラブ公式Twitterで発表しています。マラッカ・ユナイテッドには4季ぶりの復帰となるイフェダヨ選手は、前回在籍した201年にはリーグ戦とカップ戦合わせて21試合で20ゴールを挙げています。

またマラッカ・ユナイテッドはガーナ出身の左ウイングのエマヌエル・オッティとフィリピン代表のセンターバック、ジャスティン・バースの加入も発表しています。昨季はJリーグのベガルタ仙台に在籍し、リーグ戦7試合出場にとどまったオッティ選手は仙台移籍前はポルトガル2部リーグのFCヴィゼラやデンマーク2部リーグのエスビャウfB、インドネシア1部リーグのマドゥラ・ユナイテッドFCでもプレー経験があります。またオランダ人の父を持つ21歳のバース選手はオランダ1部リーグのAZアルクマールのユースを経て、オランダ2部リーグでAZアルクマールのセカンドチームであるヨングAZでプレーした後、タイ1部リーグのラーチャブリーFCを経て、昨季はフィリピン1部リーグのユナイテッドシティFCでプレーしています。

******

昨季からMFソニー・ノルデとFWアドリアーノが残留し、今回発表になった3選手と合わせて、外国籍選手枠5名が埋まったマラッカは、アルジェリアとカタールの両国籍を持つイフェダヨ選手がアジア枠、フィリピン代表のバース選手がアセアン東南アジア枠での登録となりそうです。ところでバース選手は昨年末の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップにもフィリピン代表として出場していますが、年代別代表でもプレーしています。フィリピンで開催された2019年の東南アジア競技大会通称シーゲームズでは、19歳ながらフィリピンU23代表のメンバーとしてマレーシアU23代表と対戦していますが、このときに試合後のあいさつで礼を欠く行為を働き一悶着を起こしたことがあり、これを覚えているサポーターからは開幕後に激しくヤジられる可能性もあります。




1月23日のニュース
マレーシア代表監督に韓国出身の元香港代表監督キム・パンゴン氏就任
スズキカップの敗因はFAMの支援不足やチーム内不和などが原因-FAM独立委員会報告

マレーシア代表監督に韓国出身の元香港代表監督キム・パンゴン氏就任

昨年末の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020でのグループステージ敗退の責任をとってタン・チェンホー監督が辞任して以降は空席となっていたマレーシア代表監督に韓国出身で元香港代表監督の キム・パンゴン(金判坤)氏が就任することをマレーシアサッカー協会FAMが公式サイト上で発表しています。 53歳のキム氏は現在、韓国サッカー協会の代表チーム運営の責任者で、それ以前には2009年から2010年までと2012年から2017年までは香港代表監督を務め、低迷していた香港代表を立て直して2018年W杯予選では中国代表との間で歴史的とも言える2度の引き分けを含めて勝点14を挙げたことから「香港のフース・ヒディンク」とも呼ばれています。なおFAMはマレーシア代表監督には日本をはじめ、ヨーロッパや南米諸国から応募があった事を明らかにする一方で、クラブチームだけでなく代表チームレベルでの指導経験がある点や、韓国代表に過去4年間関わってきた経歴を重視した結果の決定であるとしています。

マレーシア代表史上、初のアジア出身監督となるキム新監督は今回、FAMと2年契約を結んでおり、双方が望めばさらに2年間の契約延長も契約内容に含まれているという事です。なおキム新監督は自身のスタッフ4名(アシスタントコーチ、ゴールキーパーコーチ、フィットネスコーチそしてアナリスト)を伴って来月2月中旬にマレーシア入りする予定で、3月4日から始まるMリーグの視察を行なった後、3月21日から29日までのFIFA国際マッチデー期間に今季初の代表合宿を行う予定があることも発表されています。

******

ベトナム代表のパク・ハンソ監督やインドネシア代表のシン・テヨン監督に続き、マレーシアにも韓流ブーム到来といったところですが、FAMの発表によればキム新監督は英語も堪能という事なので、選手と直接、対話ができるのは大きな利点に思えます。通訳を介して選手たちと対話するベトナム代表のパク・ハンソ監督やインドネシア代表のシン・テヨン監督に対して、選手はもちろん、Mリーグクラブの監督やFAM内の人間とも直接、対話できることが好結果につながる事を期待したいです。ただし気になるのは、キム監督との2年間の契約期間中は具体的な重要業績評価指標KPIを設けないと言明している点です。KPIそのものが必要かどうかは別として、タン・チェンホー監督にはスズキカップ決勝進出というKPIを設け、タン監督自身も本音かどうかは別としてそのKPIを達成できなかった事を辞任理由の一つとしており、単なる希望をKPIとしたFAMがタン前監督の失敗から学んだといえば聞こえは良いですが、ある意味ではキム監督に「丸投げ」してしまうFAMの任命責任は今後も追求していく必要があるでしょう。

スズキカップの敗因はFAMの支援不足やチーム内不和などが原因-FAM独立委員会報告(ちょっと長いですが)

昨年末のスズキカップ2020でグループステージ敗退を喫したマレーシア代表の敗因について分析を行うため、マレーシアサッカー協会FAMは外部識者で構成される独立委員会を1月7日に設立しましたが、この委員会が報告をまとめ、その中でスズキカップの早期敗退の原因が「チーム内の対立と不和」であると発表しています。

元代表選手でもありマレーシア王立警察クアラルンプール本部長も務めたデル・アクバル・カーン氏を委員長として設立された独立委員会は1月7日の設立以降は4度、会合を開いた他、代表チームの選手や首脳陣を含めた関係者と面談を行った結果を以下のように発表しています。

  1. 主力選手の不参加
    スズキカップ2020に出場したマレーシア代表は多くの主力選手を欠いていたが、これはタン・チェンホー前代表監督とモハマド・ユソフ・マハディ代表チームマネージャ、さらにはFAMの代表チーム運営委員会との間で十分な意思疎通が行われなかったことが原因である。タン前監督は特定のクラブが主力選手を招集しようとした際には、十分な支援が得られなかったと考えており、代表チームマネージャーと代表チーム運営委員会は、タン前監督が臨んだ選手は誰でも招集できると公言した一方で、それが実現するための支援は実際には行われなかったことが判明した。
  2. 大会前の準備期間の不足
    大会前の準備期間の不足はマレーシアカップが11月末まで開催されていたことが原因である。これにより代表チームのスズキカップに向けた準備が影響を受けたことは明らかであり、今後はFAMは代表チームが十分な準備期間を得られるよう、国内リーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLと十分な対話を行い、日程調整を主導するべきである。
  3. 新型コロナウィルスの影響
    新型コロナウィルスの影響については、大会中にスポーツバブルの中で過ごさねばならなかった影響なども含めて独立委員会内では議題とならなかった。
  4. 不適切な大会での達成目標設定
    スズキカップ2020での決勝進出という目標は、モハマド・ユソフ・マハディ代表チームマネージャーが単独で設定したものであり、それが結果としてタン前監督を始め、チームの選手にプレッシャーとなった。
  5. 実力不足の選手の代表招集
    スズキカップのような国際大会に出場するレベルに達していない選手が代表に選ばれており、そういった選手の技量や経験、さらには体力面がこの大会に臨むには不十分であることが、特にベトナム戦やインドネシア戦で露呈した。
  6. 不慣れなポジションでの選手起用
    日頃からプレーするポジションとは異なるポジションで選手を起用した戦術は有効ではなかったが、これは大会前の準備期間が十分ではなかったことに起因する
  7. FAMによる代表チームへの支援の不足
    FAMによる代表チームへの支援は完全に不十分であった。代表チームが必要としていたスポーツ科学や医療面の支援が不十分だっただけでなく、その他の分野でも支援が不十分であった。
  8. チーム内不和
    チーム内での選手間の不和については深刻な問題は見られなかったが、帰化選手が期待された働きをしなかったことがチーム全体に必要以上のプレッシャーをかけたことは考えられる。
  9. 帰化選手による代表強化
    FAMによる帰化選手プログラムはスズキカップ2020では効果がなかった。今後同様のプログラムを進める際にはより慎重で体系化されたものを新たに作成する必要がある。
  10. 大会中の栄養管理
    代表チーム運営委員会の準備不足により、選手の栄養接種に問題があった。大会中には大会主催者によって提供された食事は「弁当」だったことにより、選手の福利について必要な対応がなされなかった。

******

FAMによって発表された独立委員会の報告とは別に、デル・アクバル委員長はメディアの質問に答えた中で、代表チーム内には帰化選手(国外生まれでFIFAによる5年連続滞在の要件を満たし国籍を取得した選手)、ハイブリッド帰化選手(国外生まれながらマレーシア人の親を持ち国籍を取得した選手)、マレーシア人選手(ここではマレーシアで生まれ育った選手を指します)の3つの派閥が形成されていたことが選手への聞き取りの結果判明したと説明し、これによるチーム内で調和が取れんていなかったことに加え、シンガポール出発前日の1日しかなかった代表チームの全体練習が今回のスズキカップで敗退の主な要因であったと説明する一方で、時間的な制約などから関係者からの聞き取りは十分ではなく、特にタン前代表監督は直接、面談ができず電話での聞き取りとなったことも明らかにしています。

1月23日のニュース(2)
スズキカップ敗因分析に基づくFAMへの提言-FAM独立委員会報告
AFF U23選手権出場のU23代表候補選手発表

スズキカップ敗因分析に基づくFAMへの提言-FAM独立委員会報告

スズキカップ2020の敗因分析のために設立された独立委員会は、前述のスズキカップ敗因分析に基づく代表チームへの提言も合わせて行っています。将来の代表運営関係者や代表チームに向けて、チーム強化のために改善されるべき点も指摘されている10の提言は以下の通りです

  1. 最低限の準備期間の確保
    年に数回開催される代表合宿期間はFAMが作成する代表チームの年間予定の中に前もって含まれるべきであり、国際大会に出場する前の合宿については最低でも14日間は確保し、最低でも練習試合は2試合行うべきである。
  2. 現場での支援体制の強化
    代表チームを支える支援スタッフには技術委員、スポーツ科学及び医療の専門家、さらに専属のパフォーマンス分析担当者を含めるべきである。
  3. 代表チームマネージャー職の廃止
    FAMの理事あるいは職員を代表チームマネージャーに任命する慣例を廃止し、代表監督にチームマネージャーとしての権限も与えるべきである。必要に応じて代表チームの「団長」職を設ける場合でもその職はあくまでも儀礼的なものとし、それ以上の代表チームの運営には関与するべきではない。
  4. 代表チーム運営委員会の委員構成
    FAMの代表チーム運営委員会の委員は高いレベルで指導経験あるいはプレー経験を持つ者が就任するべきで、十分な技術的な観点を持たない者は委員となるべきではない。
  5. 技術委員会と育成委員会
    FAMの技術委員会と育成委員会は、代表チームの技術面を詳細に研究し、その観点に基づき、定期的に代表チームに助言を行うべきである。
  6. 代表選手選考
    代表選手のMリーグでのパフォーマンスを分析し、一貫性を持った選手選考を行うためのデータベース作成が必要である。このデータベースにより、代表監督は「印象」ではなく実際の試合出場時間やパフォーマンスの内容に基づいて選手を専攻することができる。またデータベースの項目などは随時見直しを行うべきであり、より多くの選手の中から代表選手選考を行うために、すべてのクラブの選手がこのデータベースに登録されるべきである

    また選手選考の際の代表監督と選手、および選手の所属チームとのコミュニケーションは改善されるべきである。これには代表候補選手選考に対する外部からの干渉を防ぐことも含まれる。
  7. MFLとの協力体制の強化
    FAMはMリーグを運営するMFLと協力関係を強化し、代表チーム強化を優先するような年間日程の作成を行うべきである。Mリーグのスポンサーや放映権についても、MFLには代表チーム強化という観点に基づいた配慮を求めるべきである。
  8. 新型コロナ対策
    新型コロナ対策についても、FAMは後手に回らないことに加え、様々な観点から対処方法を考える必要がある。代表チーム強化が継続的に行えるように、代表合宿を国外で行うなど柔軟な思考も持つべきである。
  9. 2022年の目標設定
    FAMは2022年に開催される国際大会について、その優先順位を明確にするべきである。個々の大会での目標を設定したとしても代表チームが出場する全ての大会でそれを達成するのは容易ではない。
  10. 現場からの報告書式の統一化
    年代別代表も含めたすべての代表チームの監督、コーチがFAMに報告をあげる際の書式のテンプレートをFAMが作成するべきである。共通の書式を使用することで、各大会後のパフォーマンス評価や、次の大会へ向けてのフィードバックや提言などがより容易になる。
AFF U23選手権出場のU23代表候補選手発表

マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権に向けた代表候補合宿の参加選手30名と予備候補選手5名を発表しています。このAFF U23選手権は来月2月14日から26日までカンボジアのプノンペンで開催されます。

昨年10月に開催され、グループ首位で本戦出場を決めたAFC U23アジアカップ(旧U23選手権)の予選のメンバー23名からは9名が残り、その他は初招集組やU23アジアカップ予選出場の最終候補に残れなかった選手が招集されています。U23代表候補30名と予備候補5名のリストはこちらです。

******

AFC U23アジアカップ予選ではタイ、ラオス、モンゴルと同組なったマレーシアは3試合を2勝1分0敗の勝点7でグループをトップ通過しましたが、この3試合で失点を全く許さなかった守備陣で3バックを構成したジクリ・カリリ、ハリス・ハイカル、アズリン・アフィク(いずれもスランゴール2)や守護神GKアズリ・アブドル・ガニ(KLシティ)はいずれも選ばれておらず、A代表でもプレーするDFクエンティン・チャンやMFムカイリ・アジマル(スランゴール)も今回は選ばれていません。その一方でアメリカ育ちながらマレーシア人の両親を持つワン・クズリ(米国アクロン大学)を呼ぶなど、今年5月の東南アジア競技大会通称シーゲームズや6月のAFC U23選手権に向けて主力以外の選手選考を意図したメンバーにも見えます。インドネシア、ミャンマー・ラオスと同じB組に入ったマレーシアですが、C組でベトナム、シンガポールと同組のタイはこの大会にU19代表を派遣する事を発表しており、シーゲームズ、AFC U23アジアカップ、そして9月のアジア競技大会とU23代表の試合が続く2022年は、上の独立委員会が指摘しているように、どの大会に優先順位を置くのかにより、各大会の代表選手の顔ぶれも変わることになりそうです。

1月21日のニュース
JDTがアセアン枠で2名のスペイン系フィリピン人選手の加入を発表し外国籍選手は合計9名に

JDTがアセアン枠で2名のスペイン系フィリピン人選手の加入を発表

Mリーグ1部スーパーリーグのジョホール・ダルル・タジムJDTは、公式FacebookでDFカルリ・デ・ムルガとFWビエンベニード・マラニョン両選手の加入を発表しています。いずれもスペイン生まれの両選手ですが、フィリピン代表でプレーしており、アセアン(東南アジア)枠の外国籍選手として加入するようです。33歳のデ・ムルガ選手は、昨季は同じスーパーリーグのトレンガヌで主将を務め、リーグ戦とマレーシアカップ合わせて22試合に出場しています。一方の35歳のマラニョン選手はフィリピン1部リーグのユナイテッドシティFCから加入しますが、昨年末の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップにはフィリピン代表として出場しています。

現在はスーパーリーグ7連覇中のJDTですが、昨季のマレーシアカップではKLシティに決勝で敗れて2季連続の国内2冠を逃した直後から、大幅な選手の入れ替えを敢行し、クラブ史上最多ゴール記録を持つゴンザロ・カブレラや将来のインドネシア代表候補のシャーリアン・アビマニュなどがチームを離れた一方で、マレーシア代表の右サイドバック、シャーミ・サファリを同じスーパーリーグのスランゴールから、またセリエAのウディネーゼからはストライカーのフェルナンド・フォレスティエリを獲得しています。デ・ムルガ、マラニョン両選手との契約を発表したFacebookの投稿では、Mリーグやマレーシアカップに加え、3年ぶりに再開するマレーシアFAカップや4季連続出場となるACLグループステージなどで年間50試合程度が予想されていることから、選手の起用はローテーションで行うことを前提とした大所帯になっていることも発表されています。

******

マレーシア国内の新聞では「JDTが3名のスペイン人選手獲得」といった見出しが出ていたものの、蓋を開けてみればスペイン出身ではあるものの、スペイン人選手ではなく、スペイン系選手だったということでした。3番目となるもう1人のスペイン人選手は、来週からアラブ首長国連邦のドバイで行われるJDTのプレシーズン合宿でチームに合流すると発表されています。

ところで今回契約が発表されたデ・ムルガ、マラニョン両選手や新加入のフォレスティエリ選手の他に、JDTには昨季のリーグ戦とカップ戦合わせて30ゴールを挙げているFWベルグソン・ダ・シルヴァやMFレアンドロ・ヴァレスケス、さらにはいずれもDFのマウリシオやシェーン・ロウリーが在籍しています。またセカンドチームのJDT IIには昨季の2部プレミアリーグ得点王のフェルナンド・ロドリゲスも残留しており、ドバイで合流予定のスペイン人選手を合わせると既に9名の外国籍選手が在籍することになります。Mリーグ1部スーパーリーグはアセアン枠とアジア枠それぞれ1名を含む5名の外国籍選手登録が可能ですが、当然ながらこの9名全員が登録できるわけではありません。ではどうするのか。JDTはトップチームでプレーする5名以外は、Mリーグ2部プレミアリーグに所属するセカンドチームのJDT IIの選手として登録し、ケガや体調不良、あるいはローテーションなどの必要があれば、いつでも好きなときにトップチームとセカンドチームの外国籍選手を入れ替えることができます。アジア枠1名を含む4名までの外国籍選手を登録できるプレミアリーグにセカンドチームを持つトレンガヌやスランゴールも同様のことを行なっていますが、ボラセパマレーシアJP的にはこの仕組み自体が果たして公正なのかどうかが疑問です。スーパーリーグのクラブは資金を投じてセカンドチームを作り、そのセカンドチームをプレミアリーグでプレーさせれば同じことができるのだから、それで良いという考えもあるでしょうが、外国籍選手枠が決まっている中でその入れ替えができるチームとできないチームが同じ土俵で戦うことに対して、そもそもこの国のサッカーファンから異論が出てこないのは、この仕組みはこの国では問題なく受け入れられているということかも知れません。


1月20日のニュース
ザイナル・アビディン監督が交代すればマラッカUはチーム崩壊も
パハンにはラオス代表のエースが加入か

ザイナル・アビディン監督が交代すればマラッカUはチーム崩壊も

Mリーグ1部スーパーリーグのマラッカ・ユナイテッドは、新規選手獲得禁止などの処分を課せられることがわかるとようやく昨季の未払い給料を支払うなど経営陣に問題のあるクラブですが、どうも問題はそれだけではなさそうだとスポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。具体的には、3月4日の今季Mリーグ開幕まで残り1ヶ月半ほどのこの時期にマラッカ・ユナイテッドで指揮官の交代騒動が起こっているということです。

マラッカ・ユナイテッドは2019年シーズンからザイナル・アビディン・ハサン監督が指揮を取っていますが、今季に向けたマラッカ・ユナイテッドのプレシーズン練習は始まっているものの、その練習にザイナル・アビディン監督が不在であることから、監督交代が起こるのではという噂が日増しに大きくなっています。そんな中、給料未払いが言わば「年中行事」となったマラッカ・ユナイテッドにもかかわらず、昨季のメンバーは大半がチーム残留を選んでいますが、これは今季2022年シーズンもザイナル・アビディン監督が指揮を取ることが確約されたことが理由であると、チームのベテランDFモハマド・ラズマン・ロスランがスタジアムアストロに明かしています。給料が支払われていなかった昨季もマレーシアカップでベスト4進出を果たしたのは、ザイナル・アビディン監督が指揮を取っていたからだと説明したラズマン選手は、今季のチームの指揮を誰が取るのかを知らされていないとも話しています。

「クラブの経営陣は今季の監督とトップチームの選手を近いうちに発表すると聞いてはいるが、経営陣がどのような判断を下すのかは全く知らされていないが、大半の選手が契約を更新したのはザイナル・アビディン監督が今季も指揮を取るという説明を受けたからだ。契約を更新した選手の中には、他のクラブから獲得オファーを受けていた選手もいるが、彼らもザイナル・アビディン監督が指揮を取ると聞いて残留を決意している。」と話したラズマン選手は、もしザイナル・アビディン監督が交代するとしたら選手たちはどう反応するかという問いに対し、経営陣に約束を破られた選手は残念であるだろうし、実際にチームがどうなるかは正直わからないと不安を述べています。

******

2019年シーズンからザイナル・アビディン監督が指揮を取るマラッカ・ユナイテッドは、過去3シーズンは6位、9位、8位という成績で、2020年シーズン終了後には、成績不振を理由に条件付きでザイナル・アビディン監督の契約が延長になった経緯もあります。しかしその一方で、経営陣による給料未払い問題により、2020年と2021年シーズンにはそれぞれ勝点3を剥奪される処分を受けています。もし剥奪された勝点3を上乗せして順位を見直すと2020年は9位から7位に、2021年も8位から7位に浮上します。しかも上でラズマン選手が話しているように給料を支払われないまま戦っていた選手のモチベーションに影響がないはずがなく、この成績をザイナル・アビディン監督の責任とするのは全くの筋違いに思えます。メディア上ではザイナル・アビディン監督の後任として、マレーシア代表監督を辞任したタン・チェンホー氏やKLシティでアシスタントコーチを務めるネナド・バチナ氏の名前がソーシャルメディア上では取り沙汰されており、交代劇が起これば、今度こそ選手の不満も爆発し、チームが崩壊してしまう可能性もあります。

パハンにはラオス代表のエースが加入か

Mリーグ1部で昨季10位のパハンにラオス代表のエースが加入するとマレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。加入するとされているのは昨年末に開催された東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020にもラオス代表のメンバーとして全試合にチームのワントップとして先発出場したストライカーのビリー・ケトケオポムポンです。両親はラオス出身ながらフランスで生まれ育ったケトケオポムポン選手は、スズキカップ2020で初めてラオス代表としてプレーしていますが、フランスでは今季は2部リーグのUSLダンケルクに所属していました。AJオセールやアンジェSCOなどでもプレー経験があるケトケオポムポン選手の加入についてパハンは公式に発表していませんが、既にマレーシア入りし、現在は検疫隔離中だとブリタハリアンは報じています。31歳のケトケオポムポン選手の加入は、昨季はリーグ7位の23得点(22試合)と攻撃力不足に泣いたパハンにとっては大きな戦力アップが期待されると共に、5人の外国籍選手枠が全て埋まったことになります。

昨季2度目のトランスファーウィンドウ期間に加入しパハンの1部残留に大きな貢献をしたMFマヌエル・イダルゴと、期限付き移籍していたトレンガヌからもどったMFリー・タックが残留したパハンは、ケトケオポムポン選手に加えて、ヨルダンの年代別代表やA代表の経験もあるストライカーのマフムード・ザアタラ(ヨルダン1部リーグのアル・サルトSCから加入)、センターバックのヨハン・マルシャル(フランス2部FCソショー=モンベリアルより加入。ちなみに弟はマンチェスターUやフランス代表でプレーするアントニー・マルシャル)らの新戦力に加え、今季Mリーグで6年目を迎えるFWエセキエル・アグエロがFIFAの規定を満たしていることから、マレーシアの国籍が取れ次第、帰化選手としてマレーシア人選手登録で出場する可能性があります。

******

スズキカップ2020ではラオス代表の中で1人だけ図抜けている印象だったケトケオポムポン選手のパハン加入を決断した理由について、ブリタハリアンは2016年にアンジェSCOでチームメートだった元パハンのディクソン・ヌワカエメの後押しがあったこともその一つであるという裏話も紹介しています。在籍時は「鉄人」の愛称でサポーターからの人気が非常に高かったヌワカエメ選手が、こんな形で現在もパハンの力になっているというのはなかなか良い話でした。

1月19日のニュース
元U16代表監督「自分ならA代表監督に自分自身を選ぶ」
FAMが英国1部クラブU18チームの選手をU19代表に招集しなかった理由を説明

元U16代表監督「自分ならA代表監督に自分自身を選ぶ」

昨日のこのブログではマレーシアサッカー協会FAMが4名の韓国人指導者を次のマレーシア代表監督に候補としているというニュースを取り上げましたが、スズキカップ2020グループステージ敗退の責任を取るという名目で契約期間を全うせず辞任したタン・チェンホー前代表監督を批判したリム・ティオンキム氏が、自分がFAMの担当者なら間違いなく自分を次期代表監督に指名すると話しています。

低迷していた香港代表を立て直したことから「香港のフース・ヒディンク」と呼ばれているキム・パンゴン(金判坤)、前韓国U23代表監督のキム・ハクボム(金鶴範)の両氏を中心にFAMが人選を進めているとされるマレーシア代表の監督候補ですが、国内サッカーファンの間では元バイエルンミュンヘンのユースチームコーチで、U16マレーシア代表元監督でもあるリム氏を推す声も多いですが、ソーシャルメディア上でのファンから4名の候補者の内、最もマレーシア代表に適しているの誰かを尋ねられたキム氏は「自分なら自分自身を選ぶ」と答えていますが、その一方での代表監督就任に関してFAMからは何も連絡がないことも明らかにしています。これまでもFAMやマレーシア国内の育成システムなどを度々批判しているキム氏ですが、単なる批判ではなく、的を得た指摘や建設的批判も少なく、またマレーシア人指導者としては数少ない「世界を知っている」指導者でもあることから、FAMは度量の大きさを見せて、キム氏に再び年代別代表を任せてその手腕を発揮してもらうことを考えてみてもいいのではないでしょうか。

FAMが英国1部クラブU18チームの選手をU19代表に招集しなかった理由を説明

マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、2020年に起こったジャアミ・クレシのU19代表招集騒動の顛末を説明しています。クレシ選手は現在英国1部EPLのブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCのU18チームでセンターバックとしてプレーしていますが、英国生まれながらイラク人の父親とマレーシア人の母親を持つことから、英国、イラク、マレーシアいずれかの代表選手としてプレーする資格がある選手です。このクレシ選手がマレーシア代表としてプレーする意思を示した一方で、FAMがその意思を無視したといった非難が出ていることから、FAMはこの騒動を時系列に沿って説明しています。

マレーシアU19代表は2020年10月にウズベキスタンで開催予定だったAFC U19選手権2020年大会への出場を決めていましたが、当時16歳だったクレシ選手を招集するため、FAMはクレシ選手の父親と所属するブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCのアカデミーの責任者に連絡を入れたのが発端ということです。その後、同年7月に予定されているU19代表合宿招集についての話し合いを行なっていく中でクレシ選手の父親が、クレシ選手に無条件でマレーシア国籍取得の支援を求めたとFAMは説明しています。一度もU19代表の練習にも参加せず、ブラッド・マロニーU19代表監督(当時)に評価の機会が与えられない条件下でのこの要求をFAMは一旦は拒否し、その上でFAMとブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCのアカデミーは話し合いを続け、FAMはブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCのアカデミーとAFCU19選手権に向けてのU19代表の練習内容や日程を共有する一方で、クラブからはクレシ選手のプレーする様子の映像を受け取ったということです。

7月のU19代表合宿への参加を了承したクレシ選手の父親に対し、FAMはマレーシアが翌2021年にインドネシアで開催が予定されていたFIFA U19ワールドカップにマレーシアが出場となった際には、クレシ選手は英国U19代表に招集された場合でも、マレーシアU19代表としてプレーするという確約を求めると、この父親は当時マレーシア政府が全ての渡航者に求めていた2週間の検疫隔離を理由に、クレシ選手のU19代表合宿参加を撤回する一方で、マレーシア国籍取得手続きは始めるように依頼したということです。

FAMはこれに対して1)マレーシア国籍取得手続きのためにはクレシ選手がマレーシアに入国すること、2)FIFA U19ワールドカップ2021大会ではマレーシア代表としてプレーするという確約、3)U19代表首脳陣が評価するため、U19代表合宿参加すること、の3つの条件を提示したところ、クレシ選手の父親からはこれら全てには同意が得られなかったことから、FAMはクレシ選手のU19代表招集を見送った、というのが騒動の顛末だと説明し、FAMが有望な若手選手の招集に努力を怠っているという批判は当たらないとしています。

******

FAMの説明がどこまで本当なのかは分かりませんが、実際にU19代表の練習や合宿に参加せずマレーシア国籍取得を求めたのであれば、FAMがその要求を拒否したのは当然です。その結果としてクレシ選手は現在はイラク国籍を取得して、同国代表としてプレーする意思があると父親は話しており、クレシ選手自身もイラク代表サポーターに対して自身のソーシャルメディア上で自分への支持を感謝するコメントを出しています。マレーシア人の母親を持ち米国3部リーグのニューイングランドレヴォリューションのセカンドチームでプレーするMFアイザック・アングキング(22)も昨年2021年にはマレーシアではなく父親の母国プエルトリコ代表でプレーすることを選び、既に6試合に出場しています。