1月20日のニュース
ザイナル・アビディン監督が交代すればマラッカUはチーム崩壊も
パハンにはラオス代表のエースが加入か

ザイナル・アビディン監督が交代すればマラッカUはチーム崩壊も

Mリーグ1部スーパーリーグのマラッカ・ユナイテッドは、新規選手獲得禁止などの処分を課せられることがわかるとようやく昨季の未払い給料を支払うなど経営陣に問題のあるクラブですが、どうも問題はそれだけではなさそうだとスポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。具体的には、3月4日の今季Mリーグ開幕まで残り1ヶ月半ほどのこの時期にマラッカ・ユナイテッドで指揮官の交代騒動が起こっているということです。

マラッカ・ユナイテッドは2019年シーズンからザイナル・アビディン・ハサン監督が指揮を取っていますが、今季に向けたマラッカ・ユナイテッドのプレシーズン練習は始まっているものの、その練習にザイナル・アビディン監督が不在であることから、監督交代が起こるのではという噂が日増しに大きくなっています。そんな中、給料未払いが言わば「年中行事」となったマラッカ・ユナイテッドにもかかわらず、昨季のメンバーは大半がチーム残留を選んでいますが、これは今季2022年シーズンもザイナル・アビディン監督が指揮を取ることが確約されたことが理由であると、チームのベテランDFモハマド・ラズマン・ロスランがスタジアムアストロに明かしています。給料が支払われていなかった昨季もマレーシアカップでベスト4進出を果たしたのは、ザイナル・アビディン監督が指揮を取っていたからだと説明したラズマン選手は、今季のチームの指揮を誰が取るのかを知らされていないとも話しています。

「クラブの経営陣は今季の監督とトップチームの選手を近いうちに発表すると聞いてはいるが、経営陣がどのような判断を下すのかは全く知らされていないが、大半の選手が契約を更新したのはザイナル・アビディン監督が今季も指揮を取るという説明を受けたからだ。契約を更新した選手の中には、他のクラブから獲得オファーを受けていた選手もいるが、彼らもザイナル・アビディン監督が指揮を取ると聞いて残留を決意している。」と話したラズマン選手は、もしザイナル・アビディン監督が交代するとしたら選手たちはどう反応するかという問いに対し、経営陣に約束を破られた選手は残念であるだろうし、実際にチームがどうなるかは正直わからないと不安を述べています。

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2019年シーズンからザイナル・アビディン監督が指揮を取るマラッカ・ユナイテッドは、過去3シーズンは6位、9位、8位という成績で、2020年シーズン終了後には、成績不振を理由に条件付きでザイナル・アビディン監督の契約が延長になった経緯もあります。しかしその一方で、経営陣による給料未払い問題により、2020年と2021年シーズンにはそれぞれ勝点3を剥奪される処分を受けています。もし剥奪された勝点3を上乗せして順位を見直すと2020年は9位から7位に、2021年も8位から7位に浮上します。しかも上でラズマン選手が話しているように給料を支払われないまま戦っていた選手のモチベーションに影響がないはずがなく、この成績をザイナル・アビディン監督の責任とするのは全くの筋違いに思えます。メディア上ではザイナル・アビディン監督の後任として、マレーシア代表監督を辞任したタン・チェンホー氏やKLシティでアシスタントコーチを務めるネナド・バチナ氏の名前がソーシャルメディア上では取り沙汰されており、交代劇が起これば、今度こそ選手の不満も爆発し、チームが崩壊してしまう可能性もあります。

パハンにはラオス代表のエースが加入か

Mリーグ1部で昨季10位のパハンにラオス代表のエースが加入するとマレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。加入するとされているのは昨年末に開催された東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020にもラオス代表のメンバーとして全試合にチームのワントップとして先発出場したストライカーのビリー・ケトケオポムポンです。両親はラオス出身ながらフランスで生まれ育ったケトケオポムポン選手は、スズキカップ2020で初めてラオス代表としてプレーしていますが、フランスでは今季は2部リーグのUSLダンケルクに所属していました。AJオセールやアンジェSCOなどでもプレー経験があるケトケオポムポン選手の加入についてパハンは公式に発表していませんが、既にマレーシア入りし、現在は検疫隔離中だとブリタハリアンは報じています。31歳のケトケオポムポン選手の加入は、昨季はリーグ7位の23得点(22試合)と攻撃力不足に泣いたパハンにとっては大きな戦力アップが期待されると共に、5人の外国籍選手枠が全て埋まったことになります。

昨季2度目のトランスファーウィンドウ期間に加入しパハンの1部残留に大きな貢献をしたMFマヌエル・イダルゴと、期限付き移籍していたトレンガヌからもどったMFリー・タックが残留したパハンは、ケトケオポムポン選手に加えて、ヨルダンの年代別代表やA代表の経験もあるストライカーのマフムード・ザアタラ(ヨルダン1部リーグのアル・サルトSCから加入)、センターバックのヨハン・マルシャル(フランス2部FCソショー=モンベリアルより加入。ちなみに弟はマンチェスターUやフランス代表でプレーするアントニー・マルシャル)らの新戦力に加え、今季Mリーグで6年目を迎えるFWエセキエル・アグエロがFIFAの規定を満たしていることから、マレーシアの国籍が取れ次第、帰化選手としてマレーシア人選手登録で出場する可能性があります。

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スズキカップ2020ではラオス代表の中で1人だけ図抜けている印象だったケトケオポムポン選手のパハン加入を決断した理由について、ブリタハリアンは2016年にアンジェSCOでチームメートだった元パハンのディクソン・ヌワカエメの後押しがあったこともその一つであるという裏話も紹介しています。在籍時は「鉄人」の愛称でサポーターからの人気が非常に高かったヌワカエメ選手が、こんな形で現在もパハンの力になっているというのはなかなか良い話でした。