4月20日のニュース:W杯予選を前に代表がワクチン接種、前KLシティ監督は契約不履行でクラブをFIFAに提訴、オーストラリアAリーグ第16・17節-クラスニキは先発せず、ベルギーリーグ最終節-ルクマンはベンチで1年目を終える

W杯予選を前に代表がワクチン接種
 マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長とマレーシア代表候補選手が4月19日に連邦直轄地プトラジャヤで新型コロナウィルスのワクチンの接種を受けたことをブリタハリアンが報じています。
 ハミディン会長に続き、タン・チェンホー監督、アイディル・ザフアン主将(JDT)やファリザル・マーリアス、アリフ・アイマン・アキヤ・ラシド、シャマー・クティ・アッバ(以上JDT)らが1度目となる接種を受けた他、帰化選手のギリェルメ・デ・パウラ(ペラ)らの姿も見られたということで、代表チームは選手、監督、コートを含む関係者総勢78名がこの日から始まった1度目のワクチン接種の対象となっています。

前KLシティ監督は契約不履行でクラブをFIFAに提訴
 今季2021年シーズン開幕前にKLユナイテッドFC(その後はKLシティFCに改名)を運営するクアラルンプールサッカー協会(KLサッカー協会)と今季の監督として契約しながら、開幕直前に一方的にその契約を解除されたとして、チリ出身で前東ティモール代表監督のシモン・エリゼッチ氏は弁護士を交えてKLサッカー協会、そしてKLシティと損害賠償について話し合いを行ってきましたが、その交渉が決裂したようです。
 今年1月27日にエリゼッチ氏がKLシティFCによる一方的な契約破棄に対して350万リンギ(およそ9200万円)の損害賠償を求める訴訟を起こした後、KLシティFCとエリゼッチ氏側との間で交渉が行われていましたが、マレーシア語紙のブリタハリアン電子版は、エリゼッチ氏の弁護士を務めるザフリ・アミヌルラシドの談話を掲載し、エリゼッチ氏はこの件をFIFAに提訴し、判断を仰ぐことを決めたと話しています。「これまでエリゼッチ氏はKLサッカー協会およびKLシティFCと何度か話し合いを持ってきたが、このままでは何の解決にも至らないことが明らかになった。来週にはFIFAにこの件を提訴し、判断を仰ぎたいと考えている。」
 KLシティはエリゼッチの持つプロ指導者のライセンスがMリーグ1部で監督を務めるには不十分なものであったことを理由に挙げており、エリゼッチ氏はこれを真っ向から否定し、KLシティに夜この発言が自身の信頼性を低下させたとしてこの件についても賠償を求めています。

オーストラリアAリーグ第16・17節-クラスニキは先発せず
 オーストラリア1部Aリーグの第16節と第17節が行われ、Mリーグ2部プレミアリーグのJDT IIから期限付きでニューカッスルジェッツに移籍している帰化選手のリリドン・クラスニキは、第16節は出場なし、第17節は途中出場で19分間のみのプレーでした。
 ここまで7連敗で第16節を迎えた現在リーグ11位のニューカッスルジェッツは4月14日に同10位のパース・グローリーと対戦し、1−1で引き分け連敗を止めています。なおこの試合ではクラスニキ選手と同じくJDT IIから期限付き移籍中のシャフリアン・アビマニュ(インドネシア)はいずれも出場はありませんでした。
 また4月18日に行われた第17節のマッカーサーFC戦では、クラスニキ選手は71分に、シャフリアン選手は90分に投入されたものの、この試合でもニューカッスル・ジェッツは2-2で引き分けて、今季成績を3勝4分11敗の11位としています。
<Aリーグ 第16節>
2011年4月14日@コフスインターナショナルスタジアム(ニューサウスウェルズ州コフスハーバー)
ニューカッスル・ジェッツ 1-1 パース・グローリー
 リリドン・クラスニキはベンチ入りするも出場はありませんでした。
<同第17節>
2011年4月18日@キャンプベルタウンスタジアム(ニューサウスウェールズ州ルミア)
マッカーサーFC 2-2 ニューカッスル・ジェッツ
 リリドン・クラスニキは71分に交代出場し、最後までプレーしています。
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 代表のタン・チェンホー監督は自身がクダFA(現クダ・ダルル・アマンFC)監督を務めていた際にエースとして活躍したのがクラスニキ選手でした。コソボ出身のクラスニキ選手が帰化選手としてマレーシア代表でプレーする資格を得た際には、タン監督は是非とも招集したいと話していましたが、Mリーグ2部プレミアリーグのJDT IIでも活躍する場がなく、試合出場機会を求めて期限付き移籍したニューカッスル・ジェッツでも出番が増えないことから、来月開催予定のW杯予選へ向けたの代表合宿にクラスニキ選手が招集される可能性は低そうです。

ベルギーリーグ最終節-ルクマンはベンチで1年目を終える
 ベルギー1部リーグ2020/2021シーズンは最終節第34節が行われ、U19マレーシア代表のエース、ルクマン・ハキム・シャムスディンが所属するKVコルトレイクは最終戦でKVメヘレンに1-4で敗れ、今季は11勝6分17敗、得点44失点57で18チーム中14位でシーズンを終えています。
 最終戦ではルクマン選手も今季2度目のベンチ入りとなりましたが、シーズン中のケガでチームを離れて治療を行っていた時期もあり、今季の出場成績は途中出場1試合(2020年10月24日対RSCアンデルレヒト戦)に止まり、出場時間も16分間でした。
 ベルギー1部のクラブとオランダ1部のクラブが合併して新たなリーグを作る動きもあるようですが、ルクマン選手のKVコルトレイクはこの合併構想には含まれておらず、この新たなリーグに参加するクラブ・ブルッヘやアンデルレヒト、ロイヤル・アントワープなど8クラブを除いた10クラブと2部に所属する8クラブは国内の新たなリーグに所属することになるということです。
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 Mリーグに戻って来いとは言わないものの、出場機会に恵まれない環境でトップチームにいるのであれば、クラブのU19やU21リーグでプレーする、あるいは他国リーグへ移籍してトップチームでプレーするという選択肢もありそうです。いずれにせよ、マレーシアサッカーを背負う逸材とされながら、その育て方に失敗していつの間にか消えてしまうことがないよう祈りたいです。

Mリーグ1部スーパーリーグ第9節結果

 イスラム教の断食月が始まり、およそ1ヶ月間はMリーグの試合開始時間は午後10時(イスラム教徒の数が少ないサバ州では午後9時15分)からとなります。
 各試合のハイライト映像はMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのの公式Youtubeチャンネルからお借りしています。

2021年4月16日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
スリ・パハン 0-2 JDT
得点者:JDT-レアンドロ・ヴァレスケス(23分)、ベルクソン・ダ・シルバヴァ(90+4分)
 首位のJDTはリーグ得点王のダ・シルヴァのゴールなどで11位のスリ・パハンに快勝して首位を堅持しています。この試合ではサファウィ・ラシドが膝のケガによる欠場から3月13日のUITM戦以来5試合ぶりとなるリーグ出場を果たし、20分ほどプレーし復調した様子を見せています。好調のアリフ・アイマンと交代させたJDTのベンヤミン・モラ監督は、サファウイ選手とアリフ選手を交代で起用する可能性を試合後の記者会見で明かしています。
 一方のパハンは69分にモハマド・エザニ・マット・サラーがこの試合2枚目のイエローで退場するなど良いところがなく敗れ順位は11位のままです。

2021年4月16日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
トレンガヌ 1-0 KLシティ
得点者:トレンガヌ-マカン・コナテ(88分)
 ホームのトレンガヌがマカン・コナテの今季初ゴールでKLシティを破り、勝点18として首位のJDTとは勝点差5の2位に浮上しています。

2021年4月17日@リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
サバ 4-0 UITM
得点者:サバ-サム・ジョンソン(28分)、サディル・ラムダニ(41分)、パク・タエス(50分)、ボビー・ゴンザレス(87分)
 給料遅配が明らかになったサバが最下位のUITMを相手に4ゴールの大勝で今季2勝目を挙げています。なお今季ここまでのの2勝はいずれも本拠地リカススタジアムで記録しています。
 一方のUITMは第9節を終えて未だ未勝利です。 

2021年4月17日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラ 1-1 クダ・ダルル・アマン
得点者:ペラ-ギリェルメ・デ・パウラ(58分)、クダ-クパー・シャーマン(79分)
 ペラは代表のDFシャルル・サアドケガをケガで、クダはDFロドニー・セルヴィンを前節のレッドカードによる出場停止処分と守備陣の主力選手を欠いた両チームの対戦は前半を0-0で折り返しました。後半に入ると58分にはカレッカからのクロスを帰化選手のデ・パウラが頭で合わせて自身今季4点目となるゴールを決め、ペラが先制しました。一方のクダは得点機を得るものの、ペラGKハフィズル・ハキムが好守を連発し、相手ゴールを破ることができない中、チェチェ・キプレからのクロスをエースのクパー・シャーマンが押し込み79分に同点とします。
 勝点23で首位を快走するJDTについていくためにも下位チーム相手に確実に勝ち点を積み上げたかったクダですが、この引き分けで勝点17となり、前日にKLシティを破り勝点18としたトレンガヌと入れ替わりで3位となっています。
 

2021年4月18日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ・ユナイテッド 2-3 スランゴール
得点者:マラッカ-ステファン・ニコリッチ(45+3分)、アフマド・シャミン・ヤハヤ(59分)、スランゴール-イフェダヨ・オルセグン2(51分、79分)、シャミ・サファリ(88分)
 代表のレギュラーながら監督交代により、今季はスーバーサブ的な役割に甘んじているシャミ・サファリが途中出場ながら、決勝ゴールを挙げて、スランゴールがマラッカに辛勝しています。

2021年4月18日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティ 1-1 ペナン
得点者:PJ-V・ルヴェンティラン(39分)、ペナン-カサグランデ(48分)

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第9節終了時)

 ClubGWDLGFGAGDP
1JDT97202341923
2TFC9531137618
3KDA9522149517
4PEN9441107316
5SEL94231513214
6KL9333108212
7PJ9252811-311
8SBH92341012-29
9PRK92341015-59
10MU92431312-1*7
11PHG9126615-95
12UITM9018320-171
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MEL-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-クアラルンプールシティ

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第9節終了時)

選手(所属クラブ)ゴール数
1ベルクソン・ダ・シルバ(JDT)8
2イフェダヨ・オルセグン(SEL)7
3クパー・シャーマン(KDH)6
4カサグランデ(PEN)5
5ジョーダン・ミンター(TFC)他3名4
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJC-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-クアラルンプールシティ

Mリーグ2部プレミアリーグ第9節結果

 イスラム教の断食月が始まりました。クアラルンプールでは午前5時55分頃となる日の出から午後7時20分ごろの日没までイスラム教徒は飲食を行いません。大半の選手がイスラム教徒であるMリーグは今節から断食月がおわるまで2部プレミアリーグは全試合が午後10時キックオフとなります。

2021年4月16日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
サラワク・ユナイテッド 0-2 PDRM
得点者:PDRM-ラザラス・カイムビ(60分)、モハマド・ナビル・アフマド・ラトピ(87分)
 今季8戦で1勝のPDRMが、ここまで無敗のサラワク・ユナイテッドに今季初黒星をつけています。
 PDRMの鈴木ブルーノ選手は先発して今季初のフル出場をしています。

2021年4月17日@UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
MSN FAMプロジェクト 0-3 ケランタン・ユナイテッド
 得点者:ケランタン-ムハマド・アスラフ・アリフディン・ヤシン(43分)、ムハマド・ハリズ・カマルディン(86分)、アルフセイネイ・ガッサマ(90分)
 ケランタン・ユナイテッドは2試合連続となる3ゴールを決め、最下位のMSN FAMプロジェクトに快勝しています。
 ケランタン・ユナイテッドの深井脩平、谷川由来の両選手は先発してフル出場、本山選手は75分から交代出場し最後までプレーしています。

2021年4月17日@スルタン・イスマイル・ナシルディン・シャースタジアム(トレンガヌ州クアラトレンガヌ)
トレンガヌII 4-3 JDT II
 得点者:トレンガヌ-ジョーダン・ミンター2(41分、90分)、アルグジム・レゾヴィッチ(52分)、渡邉将基(83分)、JDT-ニコラス・フェルナンデス(22分)、フェルナンド・ロドリゲス2(45分、69分)
 トップチームのトレンガヌFCのFWデヴィッド・ダ・シルヴァのケガによる離脱から、ここ6試合はトップチームでプレーしていたジョーダン・ミンターが戻り、攻撃陣はベストメンバーがそろったトレンガヌが渡邉将基選手の今季初ゴールなどで開幕戦の勝利以来となる今季2勝目を挙げています。開幕当初の正GKのモハマド・スハイミ・フシンもトップチームGKムハマド・ラハディアズリ・ラハリムが膝前十字靭帯断裂で今季絶望となっていることからトップチームに昇格しており、セカンドチームとしては苦しい戦いを迫られていますが、その状況下でここまで2勝6分0敗は大健闘でしょう。
 トレンガヌの渡邉将基選手とJDTの廣瀬慧選手はいずれも先発してフル出場しています。

2021年4月18日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
スランゴール2 1-1 クチンシティ
得点者:スランゴール-ジョセフ・カラン・ティ(53分OG)、クチン-モハマド・アリフ・ハサン(24分)
 現在は人数制限を行いながらも観客を入れて試合を開催しているMリーグですが、この試合は無観客試合で行われています。試合会場のあるクアラルンプールやその周辺のスランゴール州などでは新型コロナウィルスの新規感染者数が再び増加してきていることもあり、その辺りとも関係があるかもしれませんが、その理由などは発表されていません。
 クチンシティの鈴木雄太選手は先発してフル出場しています。

2021年4月18日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
ヌグリスンビラン 2-1 ケランタン
得点者:ヌグリスンビラン-モハマド・ザクアン・アドハ2(4分、70分)、ケランタン-マリオ・アルケス・ブラスコ(54分)

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ順位(第9節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1NS8521148617
2SU75111531216
3JDT8422169714
4KU8413108213
5KEL841386213
6TFC8260127512
7SEL7322139411
8PDRM9225913-48
9PRK8224914-58
10KCH8143711-47
11FAM9018732-251
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、SU-サラワク・ユナイテッド、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト
*今季の2部プレミアリーグは11チームが参加のため、各節で1チームだけ試合がありません。第9節はペラIIの試合がありませんでした。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ得点ランキング(第9節終了時)

選手名(所属クラブ)ゴール数
1ウチェ・アグバ(SU)8
2フェルナンド・ロドリゲス(JDT)7
3ジョージ・アトラム(SEL)5
アラン・オコノ(NS)5
4R・バラトクマル(NS)他3名4
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、SU-サラワク・ユナイテッド、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト