6月17日のニュース:130億円超のサッカー都市プロジェクトは前FAM会長に捧げる、トレンガヌFCとトレンガヌFCは綿棒検査終了、スランゴールFC監督は来月予定の代表候補合宿への選手派遣に難色

130億円超のサッカー都市プロジェクトは前FAM会長に捧げる
 マレーシア政府がプトラジャヤに建設を計画している予算5億リンギ(およそ130億円)を超えるスポーツ施設について、アヌアル・ムサ連邦直轄地担当大臣は、この施設を元FAM会長の故スルタン・アーマド・シャー殿下に捧げたいと話していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 1984年から2014年までFAMの会長を務めたスルタン・アーマド殿下は、1994年から2002年までAFCの会長を、2011年から2019年まではAFFの会長も務めており、2000年には、クアラルンプールのブキジャリルにAFC本部となるAFCハウスを建設する際にも尽力しています。
 アヌアル連邦直轄地担当相は、かつて自身がFAM副会長を務めた時代に会長であったスルタン・アーマド殿下がFAM、ASEANサッカー連盟AFF、そしてアジアサッカー連盟AFCの本部をプトラジャヤに移すことを発案し、そのための土地の提供を申し出ことを明かした上で、「スルタン・アーマド殿下による貢献を考えると、新たなスポーツ施設は『スルタン・アーマド・シャーサッカー都市』あるいは『スルタン・アーマド・シャーサッカーおよびスポーツ都市』とするのが至極当然である。」と話しています。
 またアヌアル大臣は近々、スルタン・アーマド殿下の子息でもある現在のマレーシア国王のスルタン・アブドラ国王に謁見し、この施設にスルタン・アーマド殿下の名を使う許可を求める予定であると話しています。
 この日、アヌアル大臣はプトラジャヤ開発公社とハミディン・モハマド・アミンFAM会長、ウィンザー・ジョン・ポールAFC事務局長との間での行われた覚書交換式典に参加しています。
 プトラジャヤサッカー都市計画は、連邦直轄地プトラジャヤの42.43エーカー(東京ドームのおよそ3.6倍)の土地にAFCが管理する10000人収容規模のスタジアムとFAM、AFC、AFFの本部、そしてマレーシア代表チーム専用の練習施設が建設される巨大プロジェクトで、AFCはおよそ1億米ドルの建設費用を負担し、マレーシア代表の練習施設はマレーシア政府が負担します。この他、プトラジャヤをスポーツに優しい街とするために、この施設の周辺にも地域住民のためのサッカー場が4面建設されるということです。

トレンガヌFCとトレンガヌFCは綿棒検査終了
 Mリーグ1部のトレンガヌFCと、トレンガヌFCのBチームで鈴木ブルーノ選手が在籍するMリーグ2部のトレンガヌFC IIは、これまで禁止されていたチーム練習を再開する条件となる綿棒検査を終了したと、マレー語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 ホームとなるスルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアムで行われた綿棒検査は両チームの選手の他、監督、コーチおよび関係者を対象に行われましたが、まだ自国にいるシンガポール出身のファリス・ラムリはマレーシア政府移民局によるシンガポールからの入国許可が出るのを待っているため、検査は受けていないということです。
 この後、査結果をMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLに提出し、MFLから練習再開の許可が出れば、ナフジ・ザイン監督率いるトレンガヌFCとロシャディ・ワハブ監督率いるトレンガヌFC IIは晴れて練習再開となります。
 トレンガヌFCのアーマド・シャリザル・ヤハヤ チームマネージャーによれば、検査結果が出るまでには2日ほどかかり、その結果をMFLに送ることから、実際の練習再開までには数日かかるとしています。
 練習再開許可が出た場合は、クラブとして国家安全委員会、マレーシア政府保健省、MFLによる標準作業手順SOPに沿った練習を行うとしています。

Football: Selangor prefer own Super League training

スランゴールFC監督は来月予定の代表候補合宿への選手派遣に難色
 Mリーグ1部スランゴールFCのサティアナタン・バスカラン監督は、来月予定されている代表候補合宿へ選手を派遣するよりも自チームで練習することを望んでいると英字紙ニューストレイトタイムズ電子版に語っています。
 先日、タン・チェンホー監督は10月から再開となるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に向けて、来月7月に短期の代表候補合宿を検討していると話しましたが、これに対してMリーグのクラブの中には難色を示しているとされていました。
 9月に再開予定のMリーグに備えて、今週から来週にかけて各クラブは約3ヶ月ぶりとなるチーム練習を始める予定ですが、多くのクラブが所属選手を試合ができるレベルの状況まで仕上げることを優先したいとしています。また、FIFAの国際マッチデー期間外に行われる7月の代表候補合宿には招集に応じる義務も発生しないことも、各クラブが難色を示している理由の一つとされています。
 スランゴールFCのサティアナタン監督は、スランゴールFCの選手2度のようなトレー人が必要かは自分が一番理解しているとして、代表候補合宿に派遣するよりは自チームで練習を続けることが選手にとっても最善であると話しています。
 自身も元代表監督の経験もあるサティアナタン監督は、5日間ほどの代表候補合宿での練習が身体接触を避けるもののであれば、体力トレーニングが中心となり、それならばわざわざ代表の練習に参加しなくとも、スランゴールFCでの練習で十分であると話しています。
 しかしその一方で、代表候補合宿での練習が身体接触を含んだり、クラブレベルでは現在も禁じられている練習試合などが行われるのであれば、喜んで選手を参加させたいとしており、来月7月に合宿を行うのであれば、各クラブの声も聞くべきではないかとも話しています。
 なお、新型コロナウィルス感染に伴う臨時措置として、FIFAは代表に招集された選手が招集を拒否して、自クラブで練習することも認めています。
 また同じMリーグ1部ペラTBGのメフメト・ドゥラコビッチ監督は、自チームの選手が7月の代表候補合宿に招集されることがあれば、喜んで参加させたいと話しています。
 「我々が選手を育てているのは代表チームのためであり、自分のチームの選手が代表に招集されるのは喜ばしいことである。代表のタン監督がペラTBGの選手が欲しいと言えば、全面的に協力したい。」と話しています。

6月16日のニュース:Mリーグクラブの先陣を切ってヌグリ・スンビランFAが練習再開へ、来月予定の代表候補合宿にMリーグクラブは難色を示す、FAMは大人向け「サッカーへ戻ろう」指針も発表

Mリーグクラブの先陣を切ってヌグリ・スンビランFAが練習再開へ
 マレーシアの通信社ブルナマによれば、中武駿介選手が所属するMリーグ2部のヌグリ・スンビランFAは選手の新型コロナウィルス検査結果の提出など標準作業手順SOPに基づく準備を終えたとして、Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLに練習許可の申請を行ったということです。
 この結果、ヌグリ・スンビランFAは新型コロナウィルス感染拡大による3月18日のリーグ中断後、初めてチーム練習が許可されるクラブとなりそうだと言うことです。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、ヌグリ・スンビランFAがMFLが各クラブに求めている練習再開の条件を全て満たしているとして、本日6月16日より練習の再開を許可したと話しています。
 「本日6月15日までにMFLが受け取った練習再開申請はヌグリ・スンビランFAを運営するヌグリ・スンビラン州サッカー協会NSFAからだけであり、NSFAの申請はMFLが求めるチームドクターによって承認された綿棒検査の結果や、練習中にSOPが守られているかどうかを監視する担当者の任命などMFLが求める条件を満たしていることから、練習再開の許可を承認した。」とアブドル・ガニCEOは話しています。

来月予定の代表候補合宿にMリーグクラブは難色を示す
 10月に再開が予定されているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に向けて、マレーシアサッカー協会FAMは来月7月に短期ながら代表候補合宿をことを検討していますが、英字紙ニューストレイトタイムズは9月に国内リーグMリーグ再開を控える各クラブがこの案に難色を示していると言うことです。
 マレーシア政府保健省と国家安全保障委員会が、身体接触が起こらないよう練習環境のもとでサッカーの練習実施許可を出したことから、上の記事でも取り上げた通り、Mリーグの各クラブが練習再開に向けて準備を行なっています。
 代表チームのタン・チェンホー監督は、短期合宿については現在も議論が続いているとした上で、来月7月はMリーグのクラブはリーグ再開へ向け、選手全員がクラブの練習へ参加することを望むだろうと言うことも理解していると話しています。

FAMは大人向け「サッカーへ戻ろう」指針も発表
 マレーシアサッカー協会FAMは国内のアカデミー向けに練習再開のために「サッカーへ戻ろう」と題した指針を発表しましたが、地域リーグやヨカとしてのサッカーを楽しむ大人へ向けても同様の「サッカーへ戻ろう」と言う名称の指針を発表しています。
 マレーシア政府保健省と国家安全保障委員会による標準作業手順SOPに沿う形で発表されたこの指針はFAMの公式サイトで発表され、屋内、屋外を問わず身体接触が起こらない環境を整えた上での練習が可能であること、その一方で試合やセレクションなどはまだ行いないこと、また練習中の飲み物の共有禁止など具体的で、サッカーをプレーする一人ひとりの安全を考慮に入れた、下部リーグから草サッカー まであらゆるサッカー活動を対象としたものであることも明記されています。
 詳しい内容は こちらでご確認ください。

6月15日のニュース:今季に限りMリーグは選手が3クラブでの登録が可能に、クダFAはさらに退団希望者が続く可能性も、スランゴールFCは6月22日より練習を再開

今季に限りMリーグは選手が3クラブでの登録が可能に
 マレーシアサッカー協会FAMは国際サッカー連盟FIFAによる臨時の規則変更に伴い、今季に限り、選手がシーズン中に異なる3つのクラブでの出場を認めると発表しています。
 FIFAは各国リーグの中断や早期終了に伴う世界的なサッカー選手の失業問題に取り組むため、今回の暫定的な規則変更を行うとしています。
 この規則変更により、各国のサッカー協会FAは今季終了前に従来のトランスファーウィンドウ移籍期間に加え、新たな移籍期間を設けることが可能になっています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、規則変更がFIFAの理事会で承認されれば、各国FAはそれに従う義務が発生することを認めた上で、6月9日に発表になったこの暫定的な規則変更案をまずは検討し、必要な修正を行いたいと話しています。
 なおマレーシアの今季2度目のトランスファーウィンドウは5月15日から6月11日となっていました。
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 東南アジアではミャンマーが既に今季2度目のトランスファーウィンドウを7月1日から7月25日に変更しています。なお、最新のトランスファーウィンドウ日程はこちらから確認できます。

クダFAはさらに退団希望者が続く可能性も
 Mリーグ1部のクダFAに所属する選手が5月29日付で契約解除を申し入れた話は、先日のこのブログでも取り上げましたが、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、この選手の契約解除依頼を発端に、今後、さらにクダFAからの退団を希望する選手が出る可能性があることを報じています。
 クダFAを運営するクダ州サッカー協会KFAは選手に対して2月分は一部のみ、3月分以降は全く給料を払っていない状況が続いていることが明らかになっています。
 5月29日に退団を申し出た選手は、退団が承認される前に解決しなければならない問題があるということで、未だ名前を明かしていませんが、KFAが承認すれば名前を明かすとしています。またこの選手は契約解除を希望する理由として、未払い給料問題のみが原因ではないとして、クダFAのサポーターに対して悲観をしないで欲しいと求めているということです。

スランゴールFCは6月22日より練習を再開
 Mリーグ1部のスランゴールFCは、Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLが求める標準作業手順SOPに従って、6月22日から練習を再開することを発表しています。
 スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長は、来週にも選手、監督およびコーチが新型コロナウィルスに感染していないかどうかの検査を受けた上で、練習を再開するとニューストレイトタイムズに語っています。
 ハミドン事務局長は、MFLのSOPに従って、スランゴール州シャーアラムにある練習場をマレーシア政府の通商産業省に登録したことも明かし、スランゴールFCは6月22日から、BチームでMリーグ2部に所属するスランゴール2はその翌週から練習を開始するとしています。

6月14日のニュース:FAMはサッカー活動再開の指針を発表、ルクマンはロンドン拠点の代理人会社と契約、JDTオーナーは嫉妬の噂を一蹴、JDTは今季の年間パス購入者に来季の年間パスを無料で進呈

FAMはサッカー活動再開の指針を発表
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、「サッカーに戻ろう」と題したサッカー活動再開のための指針を公表しています。
 この指針はマレーシア国内にあるFAM傘下のサッカーアカデミーを対象にしたもので、現在発令中の経済復興のための活動制限令RMCO下でのマレーシア政府による標準作業手順SOPに基づいたものとなっています。
 この指針では、アカデミーの練習に参加できるのは選手と指導者およびアカデミーの関係者だけとなっており、選手は水分補給用のボトルを各自が用意し、持ち主がわかるように名前を書くこと、練習中に唾を吐かないこと、汚い手で顔を触らないこと、練習後はすぐに手を洗うことなどが求められています。
 また保護者は選手の送迎以外では練習グラウンドに近づかないこと、また練習中もグラウンド近辺で待機する場合には、原則として車の中からは出ないことが求められています。万が一、保護者が車の外で出る場合でもグラウンドからは3m以内には近づかないこと、また保護者同士は1mから3m程度のいわゆるソーシャル・ディスタンス「社会的距離」を維持すること、またトイレなどを除いて選手が使用する施設を使用しないことなども指針に含まれています。
 指導者に対しては、練習に参加する選手および保護者のアカデミーの選手の年齢や人数、そして練習で使用するピッチの広さに応じて練習中の選手間の距離を決める他、年齢ごとに練習時間を変えること、また練習施設の殺菌や消毒体制の管理が求められています。
 興味がある方のために、FAMによる指針のリンクを以下に貼っておきます。
1)「サッカーに戻ろう」の指針
2)練習に参加する生徒および保護者の情報記録用紙
3)練習グラウンドとその周辺に掲示する標識原本
4)選手および保護者への情報発信用インフォグラフィック
下は「サッカーに戻ろう」プログラムの指針を伝えるFAMの告知

ルクマンはロンドン拠点の代理人会社と契約
 ベルギー1部リーグのKVコルトレイクと5年契約を交わした18歳のルクマン・ハキム・シャムスディンがロンドンを拠点とする代理人会社のEL-EFスポーツ社と代理人契約を交わしたことを、マレー語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 ブリタハリアンによれば、EL-EFスポーツ社が公式インスタグラム上でルクマン選手との契約を発表し「ルクマン選手と一緒に仕事ができること、そしてルクマン選手がプロとしてのキャリアを始めるにあたり、完璧な環境を提供できることを楽しみにしている。」と言うメッセージとともに、複数の写真も掲載しているということです。
 ブリタハリアンは、ルクマン選手はKVコルトレイク以外にもヨーロッパの複数のクラブからも関心を集めているとして、今回の代理人会社との契約により、今後はヨーロッパの選手市場でより良い条件でプレーする機会を得られるようになるだろうとしています。
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 選手の移籍情報などでは、私はドイツのTransfermarkt(トランスファーマルクト)というサイトをよく見るのですが、それによると上の記事に出てくるEL-EFスポーツ社の契約選手は現在、ルクマン選手しかいません。今後のマレーシアを背負って立つかもしれない選手が、そんな怪しい代理人会社と契約して本当に大丈夫なのか、と心配になります。

JDTオーナーは嫉妬の噂を一蹴
 ルクマン選手関連の記事をもう一つ。ルクマン選手がベルギーへ出発することが決まった直後に、Mリーグ1部で6連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が、ルクマン選手の移籍は単純に選手としての力量によるものではなく、それ以外の力が働いた結果であるとソーシャルメディアでコメントしましたが、これに対してJDTがルクマン選手の獲得に失敗したことによる嫉妬ではないかという意見がネット上に見られるようになりました。
 ブリタハリアン電子版は、こう言った一部のサッカーファンの声に対してイスマイル殿下は、自分はやるべきことがあり嫉妬などしている時間はないとして、嫉妬をしているのではないかと問うファンにはノーと答えた上で、自分のコメントを最後まで読むようにとインスタグラム上で答えていると報じています。
 ちなみにイスマイル殿下のコメントの最後は「成功することを祈っている」「詐欺師に騙されないように気を付けろ」というものでした。
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 ルクマン選手が移籍するKVコルトレイクはマレーシア人富豪のヴィンセント・タン氏が所有するクラブで、タン氏はマレーシア政府とも近いと言われています。ルクマン選手の移籍に何か力が働いたというイスマイル殿下の意見は荒唐無稽なものではないように思えます。また上の記事でも書きましたが、ルクマン選手との契約を結んだロンドンを拠点とする代理人会社の契約選手がルクマン選手だけというのも、イスマイル殿下の「詐欺師に騙されないように気を付けろ」と関連がありそうな気がしなくもありません。

JDTは今季の年間パス購入者に来季の年間パスを無料で進呈
 イスマイル殿下がオーナーのJDTは公式Facebook上で、今季2020年シーズンの年間パス購入者に対して、来季2021年シーズンの年間パスが自動的に付与されると発表しています。
 サポーターの支援に感謝するためとしている告知では、今回の特典の恩恵を受けるサポーターには年間パスを購入した場合に提供されるユニフォームは来季は自動的には提供されないということですが、その代わりに10%の割引価格で来季ユニフォームの購入が可能になるということです。
(下はJDTの公式Facebookで発表された来季の年間パス進呈の告知)

6月13日のニュース:FAMがナショナルトレセン建設計画の進行状況を担当大臣に説明、チーム練習再開の際に遵守すべき4条件をMFLが公開、練習再開にあたり各クラブは検査費用の負担増も

FAMがナショナルトレセン建設計画の進行状況を担当大臣に説明
 マレーシアサッカー協会FAMは公式Facebook上でハミディン・モハマド・アミン会長がアヌアル・ムサ連邦直轄地担当大臣を表敬訪問し、プトラジャヤに建設予定のナショナルトレーニングセンターなどについて説明を行ったことを公表しています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長ととともに、KL市役所内にあるアヌアル大臣の執務室を訪問したハミディン会長は、連邦直轄地であるクアラルンプールやプトラジャヤを担当するアヌアル大臣に対して、プトラジャヤの第5管区に建設が予定されているナショナルトーニングセンターについての計画の進行状況についての説明を行ったと言うことです。
 FAMによれば、このトレセンは世界で一流レベルの近代的設備を持つ施設となると言うことで、、現在はスランゴール州プタリンジャヤにあるFAM本部もトレセンが完成すれば、同じ敷地内に移転することになっています。
(写真はFAMの公式Facebookより。左がアヌアル連邦直轄地担当大臣、右がハミディンFAM会長)

MFLは練習再開に向けて

チーム練習再開の際に遵守すべき4条件をMFLが公開
 6月15日からMリーグの各クラブは「身体接触を伴わない」練習が可能になりますが、Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは公式サイトで、練習再開に際して守るべき4つの条件を告知しています。
 MFLのアブドル・ガニCEOによれば、マレーシア政府保健省、青年スポーツ省、そしてマレーシア国家安全保障委員会による標準作業手順SOPに抵触しないための4上県は以下の通りです。
1)綿棒検査の実施
綿棒検査は綿棒を使って検体を抽出して行う検査ですが、MFLは、この検査結果をチームドクターの承認を得た上で出することを求めています。
2)SOP遵守を監視する担当者の任命
チーム全体がSOPを守って練習しているかどうかを監視する役割の担当者の任命
3)練習が行われる場所をMFLに報告し、サポーターとの接触を避けるため練習は完全非公開で実施
4)練習会場をマレーシア通産省の公式サイトに登録
 Mリーグ各クラブの事務局長とオンラインミーティングを行ったアブドル・ガニCEOは、上記の条件は各クラブにも伝えられており、各クラブにはこのSOPを遵守することを繰り返し求めたと話しています。

練習再開にあたり各クラブは検査費用の負担増も
 9月に再開が予定されているMリーグは標準作業手順SOPを作成して、それを遵守することが条件とされていますが、そのSOPの中に含まれるのが、綿棒検査と呼ばれる綿棒を使って検体を抽出して行う検査ですが、マレー語紙ブリタハリアンは各クラブはこのとテストに毎回およそ1万1000リンギ(およそ28万円)が必要となるだろうと報じています。
 記事の中では国内の病院での最も安価な綿棒検査が1回あたり360リンギ(およそ9060円)で、各チームは選手や監督、コーチなど合わせると30名程度の構成となることから、その費用を1万800リンギと試算し、これがどの程度の頻度で行われるかによって、各クラブにとって負担になる可能性を指摘しています。
 しかしペラ州サッカー協会PAFAのモハマド・アズリン・モハマド・ナズリ名誉事務局長は、選手や監督、コーチを含めた関係者全員の安全のためにSOPに従うことが重要であると述べています。
 PAFAが運営するペラTBGの練習については、本拠地のペラスタジアムで午前と午後の2部制で行う予定であると話す一方、綿棒検査は来週月曜日に行うとしています。
 またフェルダ・ユナイテッドFCのアフザル・アブ・バカル事務局長は、練習開始にあたり、練習前には参加する選手及び監督、コーチが各自の健康状況を正直に明かすことを求めるとしています。「最も重要なことは選手、監督、コーチ陣が個人はもちろん、チームのことも考えて自身の健康状態に気を配ることである。」と話しています。

6月12日のニュース:MリーグのSOP作成にラ・リーガが支援を申し出る、ケランタン州協会にFIFAから新たな未払い給料支払命令が届く、クダFAの主力選手が契約解除を申し出る

MリーグのSOP作成にラ・リーガが支援を申し出る
 マレーシアの通信社ブルナマは、9月の再開が予定されているMリーグの標準業務手順SOP作成にスペインのラ・リーガが支援を申し出ていると報じています。
 国内リーグのMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは、実現可能なSOPを作成し、これをマレーシア政府保健省と国家安全保障委員会が了承することがリーグ再開のための条件となっています。このSOP作成について、ラ・リーガの国際事業開発担当のジョルジオ・ポムピリ・ロッシ氏は6月12日に再開するラ・リーガのSOPをもとに、マレーシアの環境に適したSOP作成の支援を行いたいと話しています。
 「Mリーグとのビジネスパートナーとして、是非とも(SOP作成に)協力したい。ラ・リーガによる規制はスペイン国内の環境を考慮したものだが、その内容はMFLがSOPを作成する際の参考になるはずである。」と話すロッシ氏によると、ラ・リーガの安全対策としては、試合は無観客で実施、ベンチ内の選手間の安全な距離の確保、試合後の記者会見はオンラインで実施などがあるということです。
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 Mリーグとラ・リーガは、クラブ経営が健全に行われることを監視する経済コントロールプログラムなどで協力関係にあり、その関連でこのような話が上がっていると考えられます。人口が5000万弱のスペインでは2万7000人が新型コロナウィルスで亡くなっており、人口3200万弱で亡くなった方の数は120人にも満たないマレーシアが参考にすることが果たしてあるかどうはここでは重要ではないようです。

ケランタン州協会にFIFAから新たな未払い給料支払命令が届く
 かつて在籍した外国籍選手への未払い給料問題を抱えるケランタン州サッカー協会KAFAに国際サッカー連盟FIFAより新たな未払い給料の支払命令が届いていると、マレー語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 2018年から2019年途中まで在籍したブラジル出身のカッシオ・フランシスコ・デ・ジーザスに62万9820リンギ(およそ1570万円)、2018年に在籍したやはりブラジル出身のブルーノ・ロペスに14万1100リンギ(およそ352万円)の未払い給料があることはこのブログでも取り上げましたが、今回、FIFAから届いた支払命令は2018年に在籍したチュニジア出身のアレディン・ボスリミに対する15万7380リンギ(およそ393万円)です。
 FIFAからの命令を受け取ったことを明かしたKAFAのアーマド・ムザッキル行動委員会委員長は、外国籍コーチも含め合計で8件の支払命令が届く予定であることも明かした上で、KAFAは総額が500万リンギ(およそ1億2500万円)を超えるとされる未払い給料について、選手との再交渉などを行いながら、解決していきたいと話しています。
 またムザッキル委員長は、未払い給料解決のために支援を求めてサポーターに募っている寄付が、これまでにおよそ2万5000リンギに達していることも明かしています。

クダFAの主力選手が契約解除を申し出る
 未払い給料問題を抱えるクダFAでは、主力選手の一人が契約解除を求める手紙をクダFAを運営するクダ州サッカー協会KFAに贈り、それが受理されたとブリタハリアン電子版が報じています。なおその選手は現在、KFAからの返事を待っている状態だということです。
 記事の中では名前は明かされていないものの、5月29日付で契約解除を申し出たというこの選手はクダFAの主力選手で、2016年のクダFAのマレーシアカップ優勝に貢献した選手でもあるということです。
 ブリタハリアンとのインタビューの中でこの選手は、代理人を通じて契約解除を申し出たことを認め上で「個人的な事情で契約解除を申し出ており、今後は家族とより多くの時間を過ごしたい。また自分の契約が解除になれば、KFAの負担も減り、少しは役に立てると思っている。」とも話しています。
 なお、KFAはこの選手の契約解除については何も発表していないということです。
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 2016年のマレーシアカップ優勝に貢献とわざわざ書かれていることから、昨季のFAカップ優勝時には在籍していなかった選手の可能性があり、そうなると今季2020年シーズンにクアラルンプールFAから2年ぶりに復帰したDFアズミール・ユソフ辺りが当てはまりそうです。

6月11日のニュース:FAM会長がファンの質問に答える、時代のエース候補がついにベルギーリーグへ出発、PDRM FCは4月分までの未払い給料を完済

FAM会長がファンの質問に答える
 マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・モハマド・アミン会長がファンからの質問に対して答える「あなたの質問に会長が答えます」企画については、ファンからの質問を募集していることをこのブログでも取り上げましたが、その解答編がYoutube上に公開されました。
 この映像の中でハミディン会長が、Mリーグだけでなく、ビーチサッカーや女子サッカー、そして若手育成に関してなど、現在のマレーシアサッカーに関するありとあらゆる質問だけでなく、「老朽化したFAM本部の建て替え計画はないのか」「次の会長候補は誰か」、さらには「幼い頃に将来なりたかった職業は何か」といった個人的な質問までときにはユーモアを交えながら答えています。
 ところでマレー語紙ブリタハリアン電子版は、この映像の中の質問の一つに焦点を当て、「外国籍選手枠の縮小を検討」といった見出しの記事を掲載しています。
 記事の中では、ハミディン会長がファンからの質問に答えて、Mリーグの将来的な外国籍選手枠の縮小を検討する用意がある、と答えたとしています。
 しかし実際の映像では、質問に対して「その提案は良いですね。考えてみましょう。」と簡単に答えただけで、それ以上は何も言及せずに次の質問に移っており、ブリタハリアンがそれだで見出しにするには、やや「盛りすぎ」の感があります。
 またハミディン会長は、Mリーグ1部と2部のチーム数を増やしてはという別のファンからの提案には、リーグの質を維持するために現状ではチーム数増加は考えていないと話しています。
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 このブログでも何度か取り上げていますが、Mリーグ2部プレミアリーグのケランタンFAがかつて在籍した複数の外国籍選手との間で抱える70万リンギ(およそ1800万円)を超える未払い給料など、外国籍選手の給料がクラブ経営を圧迫している例もありますが、それは各クラブが予算範囲内で外国籍選手と契約をすれば良いだけの話です。Mリーグはマレーシア人選手の育成だけでなく、娯楽でもあり、まさにハミディン会長が述べているような「質」が重要です。
 Mリーグは2009年から2011年の間は外国籍選手の加入が認められていませんでした。これによりマレーシア人選手の出場機会が増えたことと、2010年の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップの優勝は無関係ではないでしょうが、この頃の国内リーグはコアなサポーター以外からはほとんど支持されない状況でした。
(下はFAMの公式YouTubeチャンネルでのハミディン会長の解答編。外国籍選手枠の質問は17分32秒から35秒までです。なお、全編マレーシア語です。)

時代のエース候補がついにベルギーリーグへ出発
 ブリタハリアン電子版は、ルクマン・ハキム・シャムスディンが所属先のベルギー1部リーグのKVコルトレイクから連絡を受け、いよいよベルギーへ向けて出発する予定であると報じています。
 今年3月に18歳になったばかりながら、昨年2019年の東南アジア競技大会ではU22代表へ飛び級で参加し、主力として出場するなど、将来が嘱望されているルクマン選手は昨年9月に、マレーシア人の富豪ヴィンセント・タン氏がオーナーのKVコルトレイクと5年契約を結んでいます。(正式に契約書にサインしたのは18歳になった今年3月でした。)
 ルクマン選手は本来ならば今春に渡欧する予定でしたが、新型コロナウィルスの影響により先方よりマレーシアでの待機を求められており、現在はスランゴールFCのBチーム、スランゴール2に登録されています。しかし今回、晴れてチームへ合流することになりました。
 なおベルギー1部リーグは5月19日に各クラブとも1試合を残して第29節終了時点でシーズンが終了しており、、21勝7分1敗のクラブ・ブルッヘが優勝、ルクマン選手が加入するKVコルトレイクは9勝6分14敗の11位でした。
 現在は海外渡航が制限されているマレーシアですが、ルクマンセンスは政府への許可を申請し、来週には出発することを期待しているということです。

PDRM FCは4月分までの未払い給料を完済
 Mリーグ1部スーパーリーグのPDRM FCは4月までの未払い給料を完済したと、ブリタハリアン電子版が伝えています。
 マレーシア王立警察が運営するPDRM FCのズルキフリ・ヤハヤ事務局長は、130万リンギ(およそ3280万円)に上る今年4月分までの未払い給料を完済したことを発表しています。
 本職ではマレーシア王立警察副長官でもあるズルキフリ事務局長は、未払い給料問題が取り沙汰される度に名前が挙げられていたPDRM FCについて、「今季2020年シーズン開幕時には未払い給料問題により勝点3を剥奪されたが、所属全選手の4月分までの給料は完済し、トップチームの選手に関しては4月以降の給料についても完済済である。」と述べています。
 またU21のプレジデントカップチームとU19のユースカップチームについては、プレジデントカップチームに所属する警察官でない5名の選手については、両大会が中止となり試合がなくなったことの補償を行う予定であると話し、補償額は給料の25%を最低ラインとしているマレーシアサッカー協会が提示している指針に従って行うとしています。

6月10日のニュース:M3リーグ中止に安堵するクラブも、給料未払い問題を抱えるクダ州FAはトップ3のポストが空席に、サバFAは東マレーシアのクラブにも公平な日程を求める

M3リーグ中止に安堵するクラブも
 一昨日発表されたMリーグ3部M3リーグの今季2020年シーズン中止について、関係者の安全に考慮した結果として受け入れるクラブがある一方で、慢性的な運営資金不足にクラブにとってはむしろ朗報だったとする記事を、マレーシアフットボールリーグMFLの公式サイトが掲載しています。
 取り上げられているのはM3リーグのクラシコFCで、チームマネージャーのカイリル・アヌアル氏の話として、各クラブはリーグを運営するアマチュアフットボールリーグAFLによる今季の中止決定を正しい判断であると指示していると話す一方で、もしM3リーグ最下位となっていたら、クラシコFCはリーグ参加を辞退していた可能性があると話しています。
 「今季に向けて準備をしてきた他のクラブには申し訳ないが、リーグ中止の知らせには正直、安堵している。クラシコFCのスポンサーや広告主も新型コロナウィルスによる様々な影響を受けており、約束されていた広告収入の支払いが滞っていたり、スポンサーを辞退するケースも起きたりしている。我々のような状況にいる他のクラブにとっても、むしろ来季のスポンサー獲得により多くの時間をかけられるので、このリーグ中止を好意的に捉えているだろう。」と話しています。
 またクラシコFCは社会人選手が大半のため、月給制度ではなく、試合給を支払う形を取っていると言うことで、選手への給料支払いに関しては大きな影響は出ていないと話しています。
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 MFLはAFLの上部組織であることから、このような記事を掲載したのだと思いますが、AFLによる今後の予定の発表がないまま、リーグ中止の正当性をリーグ権傾斜ではなく、M3リーグのクラブ関係者に語らせるだけの記事には、個人的には無責任な空気を感じます。今年はM3リーグ改革年、2021年にはセミプロ化という大風呂敷を広げて始まった今季でしたが、改革は来年に持ち越されるのか、それとも頓挫してしまうのか、このブログでも見守っていきたいと思います。

給料未払い問題を抱えるクダ州FAはトップ3のポストが空席に
 今年2月からの給料未払い問題が明らかになったMリーグ1部のクダFAを運営するクダ州サッカー協会KFAは、会長、副会長、事務長のトップ3のポストが空席になっていると、マレー語紙ブリタハリアンが報じています。
 昨日開かれたKFAの理事会後にプレスリリースを発表したアブドル・ラーマン・アブドラ会長代理によれば、ムクリズ・マハティール会長、アナス・ハフィズ・ムスタファ副会長、アミルル・アヌアル・アリス名誉事務長から提出されていた辞職願が理事会で受理されたということです。
 空席となった3つのポストについては、候補者の人選を進め、KFAに加盟する各組織に推薦者の有無などを問う連絡がされ、その後は臨時総会を開催して、空席となったポストを早急に埋めたいとしています。
 またアブドル・ラーマン会長代理は、選手やスタッフへの未払い給料問題についても、KFAの理事会が現在の経営状況に沿った解決方法を模索していくと話しています。
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 前州首相のムクリズ・マハティール氏が州政府内の与野党逆転により権力を失った結果、州首相を辞任、兼任していた州FA会長職も辞任という構図ですが、これまで伝統的に州首相が兼任してきたKFA会長職には、現州首相が就任しておらず、その結果として未払い給料問題も進展していないようです。選手の苦境を引き伸ばすことで、前政権のイメージを悪くするといった政治的な魂胆も見え隠れするだけに、それに巻き込まれた形の選手たちが最大の被害者ながら、さらに災難に巻き込まれた格好になっています。

サバFAは東マレーシアのクラブにも公平な日程を求める
 サバ州サッカー協会SAFAのピーター・アンソニー会長は、9月に再開が予定されているMリーグの日程について、日程を作成するマレーシアフットボールリーグMFLに対して、東マレーシアのクラブにとって負担にならない公平な日程作成を求めていると、英字紙スターが報じています。
 マレー半島から南シナ海を隔てて位置する東マレーシア(ボルネオ島)に本拠地を持つサバFA、サラワク・ユナイテッド、クチン FAは、半島部のクラブとの試合では飛行機による移動を強いられます。新型コロナウィルスの感染者数が減少しているとは言え、いわゆる「三密」状態となりやすい飛行機での移動、半島内を移動するクラブに比べると高額になる移動費用の負担など、東マレーシアのクラブが不利にならないような日程作成を求めたいとしています。
 2012年シーズン以来のMリーグ1部スーパーリーグ復帰となったサバFAは、リーグが中断した第4節終了時点で1勝2分1敗でリーグ4位につけています。

6月9日のニュース:Mリーグクラブは6月15日より社会的距離を維持しての練習が可能に、M3の監督は来季のM3リーグの早期開幕を期待、別のM3リーグクラブは早速、契約見直し交渉開始

Mリーグクラブは6月15日より社会的距離を維持しての練習が可能に
マレーシア国内リーグのMリーグ各クラブに対して、社会的距離を維持した上での練習再開許可が下りたことを、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 マレーシア政府のリーザル・メリカン・ナイナ・メリカン青年スポーツ相は、活動制限令MCO期間中は集団での練習が禁止されていたサッカーやラグビー、ホッケー、格闘技系スポーツについて、互いに3mから5mの距離を維持し、身体接触を避ける形での練習を6月15日より許可することを発表しています。
 しかしその一方で、リーザル・メリカン青年スポーツ相は、サッカーやラグビー、ホッケー及び空手やテコンドーなどの格技系スポールの試合を開催することは許可しませんでした。
 「今回の措置により、Mリーグクラブや代表は身体接触のない形で練習許可は、マレーシア政府の標準作業手順SOPに従って行うことが条件になっている。英国プレミアリーグのクラブも身体接触なしでの練習を、リーグ再開へ向けての第一段階としてして採用している。」と話すリーザル・メリカン青年スポーツ相は、マレーシアサッカー協会FAMが身体接触を含む通常練習の再開を希望するのであれば、国家安全保障委員会に別途、申請を行う必要があると話しています。

M3の監督は来季のM3リーグの早期開幕を期待
 Mリーグ3部にあたるM3リーグは昨日6月8日に今季の中止が決定しましたが、M3リーグに所属するクアラトレンガヌ・ローヴァーズ(KTR)のモハマド・アズハリ・サリム監督は、来季2021年シーズンの早期開幕を望んでいると、マレー語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 M3リーグを運営するアマチュアフットボールリーグAFLによる今季中止の決定を尊重すると話すアザハリ監督は、選手のパフォーマンスが「錆びついて」しまう前に来季が開幕することを望んでいると話しています。
 「今季中止を受け入れるのは簡単ではないが、観客の移動などを制限できないM3リーグの試合環境では、中止が現時点で最善の選択であることは理解している。」と話すアザハリ監督は、多くの才能ある選手がおり、サッカー人気を維持するためにも、来季のM3リーグは早めに開幕して欲しいと述べています。
 また選手の給料や契約に関しては、M3リーグにはサッカー選手としての給料に依存している選手はほんの一握りであるとはしながらも、経営陣と選手や監督、コーチとの間の話し合いで両者が納得するような見直しが行われることを期待していると話しています。

別のM3リーグクラブは早速、契約見直し交渉開始
 ランカウィシティFC(LCFC)のチームマネージャーを務めるモハマド・ノー・モハマド・アミン氏は、今季に向けて入念にチームづくりをしてきたLCFCにとって、M3リーグ中止は残念ではあるが、選手の安全を優先しての中止については理解していると話しています。
 LCFCだけでなく、M3リーグの各クラブはこの事態を素直に受け入れるしかないだろうと話すモハマド・ノー氏は、LCFCは新型コロナウィルスの影響によるスポンサーや広告主の撤退による資金不足に直面していることから、直ちに選手および監督、コーチとの契約交渉見直しを行うことを表明し、経営陣と選手側がともに納得できるような形の解決法を模索したいと話しています。

“What has happened is that we consider this a fate and not just the LCFC team, but all the teams in the M3 League have to face and accept this news with open heart,” he said.

Mohd Noor also said that at the same time the LCFC would hold an immediate discussion session with players and officials to explain and find a ‘win-win’ solution based on the situation faced by all parties.

“We also know that the M3 League team was also affected by the funding of the sponsorship when the company sponsoring the team had a negative economic impact since the Covid-19 outbreak,” he said.

6月8日のニュース(2):速報-今季のM3リーグの中止決定

速報-今季のM3リーグの中止決定
 マレーシア国内の3部リーグを運営するアマチュアフットボールリーグAFLは、新型コロナウィルスの影響により今季2020年シーズンの3部リーグM3リーグ中止の決定を公式サイトで発表しています。
 ウィラ・モハマド・ユソフ・マハディAFLチェアマンは、国内1部および2部リーグを運営し、AFLの上部組織にあたるマレーシアフットボールMFLとの理事会での席上で、マレーシア政府保健省と国家安全保障委員会がも受ける標準作業手順SOPに従った場合の関係者の安全と健康への配慮、そしてM3リーグに参加するアマチュアクラブの経済的影響を理由に中止が決定されたことを明らかにしています。
 具体的にはマレーシア政府がサッカーに求めるSOPでは無観客試合が含まれていますが、スタジアムではないフィールドで試合が行われることが多いM3リーグでは、無観客試合の要件を満たすことができないことに加えて、SOPで求められる感染予防の仕組みや体温測定など実際に試合を行う際にも、ホームチームの経済負担が増すことが理由としています。
 なお、今季のM3リーグは3月18日の活動制限令MCOにより中断し、各クラブとも16試合が残っていますが、Mリーグ1部および2部は9月のリーグ再開を目指しているのに対し、ウィラ・ユソフAFLチェアマンは、M3リーグは9月に再開できたとしても、アマチュアクラブの選手は大半が公務員や社会人であり、勤務の都合上、M3リーグの平日開催が難しいことから、全ての残り試合を年内に終えることが不可能であること、またMCOにより契約を履行できなくなったスポンサーや広告主により収入源に苦しむクラブもあるとして、今季のM3リーグの中止に理解を求めています。
 来季2021年シーズンについては、M3リーグ再開に向けての仕組みづくりに取り組んでおり、各クラブからのフィードバックも求めているとしています。
 またウィラ・ユソフAFLチェアマンは、M3リーグ中止による各クラブが契約内容の見直しや契約解除を行う場合については、選手や監督、コーチとの合意に基づいて行われることを求めています。
(下はMFLの公式サイトに掲載されたM3リーグ中止の告知)